JP2001052871A - 有機電界発光装置 - Google Patents

有機電界発光装置

Info

Publication number
JP2001052871A
JP2001052871A JP11220905A JP22090599A JP2001052871A JP 2001052871 A JP2001052871 A JP 2001052871A JP 11220905 A JP11220905 A JP 11220905A JP 22090599 A JP22090599 A JP 22090599A JP 2001052871 A JP2001052871 A JP 2001052871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
hole transport
transport layer
layer
annealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11220905A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Takeshi Ikeda
武史 池田
Tetsuo Oka
哲雄 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11220905A priority Critical patent/JP2001052871A/ja
Publication of JP2001052871A publication Critical patent/JP2001052871A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性に優れ、長期間安定な発光特性を維持で
きる有機電界発光装置を提供する。 【解決手段】基板上に形成された第一電極と、第一電極
に形成された少なくとも正孔輸送層と発光層を含む薄膜
層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電界
発光装置であって、波長300〜600nmの領域での
正孔輸送層の屈折率nの最大値を2.07以上とするこ
とを特徴とする有機電界発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリ
ア、標識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な、
電気エネルギーを光に変換できる有機電界発光装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】陽極から注入された正孔と陰極から注入
された電子とが、両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合
して発光する有機電界発光装置は、薄型であり、低電圧
駆動下での高輝度発光が可能で、有機蛍光材料を選択す
ることで多色発光が可能であるなどの利点を有するので
注目を集めているが、装置の耐久性に問題がある。その
原因は未だ完全には解明されていないが、有機層形態の
経時的な変化が原因の1つと考えられている。
【0003】有機電界発光装置を構成する有機層にはア
モルファス性薄膜が用いられるが部分的な凝集や結晶化
が起こり、薄膜形態が初期状態と比べて大きく変化する
ことがある。この形態変化は発光に関連する薄膜層構造
の乱れを招き、結果的に発光効率の低下や非発光部分
(ダークスポット)の増加を引き起こしていた。
【0004】正孔輸送層は有機電界発光装置の耐久性に
大きく影響を与える有機層であり、材料を中心とした改
良が多くなされてきた。正孔輸送層には、高い正孔輸送
特性とアモルファス性薄膜の成膜容易性と共に、薄膜形
態の経時的安定性が要求される。優れた正孔輸送特性と
成膜容易性を有し、安定した薄膜形態を保持すると考え
られる正孔輸送材料を用いても、実際に作製した装置の
耐久性が劣ることが多い。
【0005】一方、初めからアモルファス性薄膜ではな
く結晶構造を有する有機層を利用して耐久性を向上させ
ようとする試みも行われたが、結晶構造を有する有機薄
膜を成膜することは一般的に難しく、微結晶構造の薄膜
を利用することになるので、表面モルフォロジーの悪化
や結晶粒界に起因する望ましくないリーク電流の発生な
どを抑制する必要があり、利用できる材料や装置作製条
件が限定されるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のような問題点を
有するアモルファス性薄膜で形成された正孔輸送層の耐
久性を向上し、ダークスポットを減少する手段として特
開平9−266070号公報においては正孔輸送層を成
膜した後アニーリングする方法が開示されている。
【0007】また、特開平10−294181号公報に
おいては輝度保持率が向上することが開示されている。
しかし、アニーリングした後の特性のバラツキが大きか
った。これは、望ましくない結晶化が進行してリーク電
流の原因になるので高い温度でのアニーリングができな
かったなどの問題があった。また、アニーリングの結果
として望ましい状態を示す物性値が不明であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は耐久性や発光安
定性に優れた有機電界発光装置を提供するものであり、
その有機電界発光装置は、基板上に形成された第一電極
と、第一電極上に形成された少なくとも正孔輸送層と発
光層とを含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極
とを含むものであって、波長300〜600nmの領域
での前記正孔輸送層の屈折率nの最大値が2.07以上
であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の有機電界発光装置は、基
板上に設けられた第一電極とそれに対向する第二電極と
の間に少なくとも正孔輸送層と発光層とを含む薄膜層が
存在し、電気エネルギーにより発光する装置である。
【0010】本発明の有機電界発光装置の基板および第
一電極は本質的に透明であることが好ましい。透明基板
の材料としては特に限定されず、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、ポリエステルなどのプラスチ
ック板やフィルムを用いることができるが、好適な例と
してはガラス板をあげることができる。ソーダライムガ
ラス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機
械的強度を保つのに十分な厚みがあればよい。透明な第
一電極の材料としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化バナジ
ウム、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)な
どをあげることができる。パターニングを施す目的から
は、加工性に優れたITOを用いるのが好ましい。従っ
て、有機電界発光装置としては、基板としてはガラス材
料を用い、第一電極としてはITO透明電極膜を用いる
ことが好ましい。ITOの成膜方法は電子ビーム法、ス
パッタリング法、化学反応法などであり、特に制限され
ない。
【0011】基板上に設けられた第一電極は複数のスト
ライプ状電極にパターニング加工され、場合により後で
形成される第二電極との絶縁を保証するためのパターニ
ング形成された絶縁層やスペーサー層を形成することが
ある。第一電極の上には少なくとも正孔輸送層と発光層
を含む薄膜層が形成されるが、通常、これらの薄膜層を
形成する前に第一電極表面の清浄化のため表面処理が行
われる。その表面処理方法としては、UVオゾン洗浄、
酸・アルカリ処理、プラズマ処理などが好ましい。
【0012】本発明の有機電界発光装置の薄膜層には少
なくとも正孔輸送層と発光層が含まれるが、薄膜層の積
層構造として、正孔輸送層/発光層または正孔輸送層/
発光層/電子輸送層が挙げられる。本発明の正孔輸送層
は、波長300〜600nmの領域における屈折率nの
最大値が2.07以上であることに特徴を有する。
【0013】正孔輸送層に用いられる材料としては、ト
リフェニルアミン類、N−イソプロピルカルバゾール、
ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導
体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体および
金属フタロシアニン誘導体などがある。
【0014】優れた正孔輸送特性と成膜容易性を有し、
かつ、薄膜形態の経時的な安定性が期待できる観点から
正孔輸送層がカルバゾール環を含む有機化合物であるこ
とが好ましいが、本発明においては、特に薄膜形態安定
化の効果が大きな下記に示すビスカルバゾリル骨格を含
む有機化合物からなることが好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】(ここで、R1、R2は、水素、アルキル、
ハロゲン、アリール、アラルキルおよびシクロアルキル
の中から選ばれる。また、カルバゾリル骨格にはアルキ
ル、アリール、アラルキル、カルバゾリル、置換カルバ
ゾリル、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノおよ
びトリアルキルシリル基から選ばれる置換基が1つ以上
連結されていてもよい。) 正孔輸送層は真空蒸着法で成膜されるが、耐久性を向上
させるため、成膜後、一旦、常圧の状態に戻してアニー
リング処理することが好ましい。このアニーリング処理
により、正孔輸送層中には、微細な硬いアモルファス領
域が形成され、その結果、膜の密度が向上し、屈折率が
上昇する。硬いアモルファス領域の形成は原子間力顕微
鏡(AFM)により弾性率分布を測定することで評価さ
れ、屈折率は公知のエリプソメトリー法で測定される。
【0017】アニーリングすることにより正孔輸送層の
膜形態が変化し、その結果、装置としての耐久性が向上
し、ダークスポットが減少して発光が安定することは既
に開示されていたが、アニーリングの結果にバラツキが
あり、装置品質を一定化することが困難であった。本発
明者らは、アニーリングの効果の発現をアニーリング後
の正孔輸送層の波長300〜600nm領域の屈折率n
の最大値で評価することができることを見出した。その
値は2.07以上であることが好ましく、さらに好まし
くは2.10以上である。成膜した後、アニーリングし
て屈折率の最大値が2.07以上を示す正孔輸送層と
し、これを使用することで正孔輸送層の耐久性が向上
し、装置は安定した発光特性を示すことができる。
【0018】正孔輸送層の屈折率nを2.07以上にす
る手段はアニーリング処理のみに依存するものではな
く、例えば、分子線蒸着法などにより超低速で基板上に
正孔輸送材料を蒸着することによっても、屈折率を高め
ることができる。従って、屈折率nが2.07以上を有
する正孔輸送層を得る手段は成膜後のアニーリングに限
定されるものではない。
【0019】正孔輸送層は第一電極上に成膜されるが、
アニーリングを行う際に第一電極膜の表面粗さの影響を
受け、粗い場合には、望ましくない結晶化が進行し易く
好ましくない結果が生じる。多くの場合、第一電極はI
TO膜をパターニング加工して形成されるので、ITO
膜の表面粗さが問題になる。本発明では、第一電極の表
面粗さの最大高さRmaxは15nm以下であることが
好ましく、さらに表面の中心線平均粗さRaは2nm以
下であることが好ましい。
【0020】膜の表面粗さを示す指標であるRmaxや
Raは、JIS B0601に準拠するものであり、測
定には原子間力顕微鏡や触針式粗さ計(例:(株)小坂
研究所製粗さ測定器SE−3300)が用いられる。最
大高さRmaxは、基準長さ内での凸部の最高値と凹部
の最低値との間の距離を示すものである。ITO膜にお
いてRmaxが大きいことは突出した凸部の存在を示す
ものであり、このような箇所は正孔輸送層をアニーリン
グする際に正孔輸送層材料の結晶化を生起させる可能性
が大きく、Rmaxは15nm以下であることが好まし
く、10nm以下であることがさらに好ましい。
【0021】中心線平均粗さRaは、粗さ曲線の平均線
に平行に直線を引いたとき、この直線と粗さ曲線で囲ま
れた面積がこの直線の両側で等しくなる直線が中心線で
あり、粗さ曲線と中心線とで囲まれた面積を測定長さで
除した値で表したもので、測定範囲内の表面の凹凸の程
度を表している。本発明の第一電極を形成するITO膜
表面の粗さはRaで2nm以下であることが好ましく、
これ以上の場合には正孔輸送層のアニーリングにおいて
好ましくない結晶化が生起する可能性がある。
【0022】Rmaxが15nm以下、Raが2nm以
下の平坦な表面を有するITO膜を用いて第一電極を形
成し、その上に正孔輸送層を成膜してアニーリングする
と、正孔輸送層中に微細で硬いアモルファス領域が数多
く形成されるので、その結果、屈折率が向上し、耐久性
向上に寄与することができる。RmaxおよびRaが上
記範囲を越えている粗い表面を有するITO膜を用いた
第一電極上においては、正孔輸送層は好ましくない結晶
化を生起するので、発光安定性が劣化することになり、
また、より高い温度でのアニーリングが実行できないこ
とになる。
【0023】正孔輸送層は第一電極の上に成膜すること
ができるが、第一電極と正孔輸送層との間に正孔注入層
を形成してもよい。正孔注入層にはポリマーやモノマー
に限定されず、例えばポリアニリン、ポリビニルカルバ
ゾール、オリゴチオフェンやポリチオフェンなども用い
ることができるが、フタロシアニン骨格を有する有機化
合物からなる正孔注入層を形成することが好ましい。フ
タロシアニン骨格を有する有機化合物は正孔輸送層とし
ても機能する材料である。本発明では正孔輸送層として
ビスカルバゾリル骨格を有する有機化合物が好ましく用
いられるが、この化合物を成膜する前に、例えば銅フタ
ロシアニンを成膜することが好ましい。このような場
合、フタロシアニン骨格を有する有機化合物の層は単独
でアニーリングしてもよく、ビスカルバゾリル骨格を有
する有機化合物の層を成膜した後、同時にアニーリング
してもよい。フタロシアニン骨格を有する有機化合物の
層の設置は、耐久性向上の観点から好ましい。
【0024】本発明の有機電界発光装置は、正孔輸送層
を成膜し、これをアニーリングして波長300〜600
nmの領域での屈折率nの最大値を2.07以上とした
後、真空蒸着装置内に再びセットして、発光層の形成ま
たは発光層と電子輸送層を形成した後、第二電極のパタ
ーニング形成を行う工程を経て作製される。
【0025】アニーリングした正孔輸送層の上に発光層
を成膜する場合、発光効率を向上させる効果が期待でき
ることから、該正孔輸送層と同一もしくは異なる正孔輸
送材料を用いて該正孔輸送層上に1層以上の別の正孔輸
送層を成膜してから、発光層以降の層を成膜することが
好ましい。
【0026】アニーリングの温度は、正孔輸送層に用い
る材料にもよるが、場合によっては材料の融点を越える
温度であってもよい。薄膜形態を安定化させ、しかも、
溶融による薄膜の凝集を防ぐためには、アニーリング温
度が正孔輸送層を成膜する時の基板温度以上であり、正
孔輸送層材料の融点以下であることが好ましい。十分な
薄膜形態の安定化を図り、アモルファス性薄膜の望まし
くない結晶化を防ぐためには、アニーリング温度は、正
孔輸送層材料のガラス転移温度以上、結晶化温度以下で
あることがより好ましい。
【0027】アニーリングの方法は、窒素やアルゴンな
どの不活性ガス雰囲気下でオーブンやホットプレートを
用いる手法が一般的であるが、温風や赤外線加熱を利用
してもよく、正孔輸送層を所望の温度で均一に加熱で
き、加熱による有機化合物の劣化や素子中への異物混入
などの望ましくない現象を最小限に抑えられればよいの
で、特に限定されるものではない。従って、材料によっ
ては酸素や水分などの存在する雰囲気でアニーリングす
ることも可能である。また、ヒーター加熱や赤外線、電
磁誘導などを利用して真空中でアニーリングを行っても
よい。
【0028】特に、真空蒸着法などの真空プロセスで正
孔輸送層などを成膜する場合には、真空状態をブレーク
することなく連続して発光層以降の成膜が可能であり、
有機化合物の劣化や異物混入の機会が少ないことから、
真空中でのアニーリングは好ましい手法である。一方、
真空中でアニーリングすると、その後の基板温度の降下
に長い時間を要することが多いため、プロセス時間の増
加や正孔輸送層結晶化の誘発が考えられる。従って、真
空ブレークによる悪影響が問題にならない場合には、正
孔輸送層の成膜工程後に真空をブレークしてから該正孔
輸送層をアニーリングすることが、好ましいといえる。
【0029】アニーリングの時間は、温度や方法などに
依存するが、基本的には対象となる正孔輸送層の形態が
十分安定化するのに必要な時間だけ加熱すればよく、条
件に応じて最適化すればよい。また、アニーリングにお
ける昇温・降温速度も同様に条件に応じて最適化が必要
であるが、降温速度が必要以上に遅いとアモルファス性
薄膜に望ましくない結晶化が促進されることがあるの
で、1〜100℃/分の間で選ばれる。
【0030】本発明の有機電界発光装置は優れた耐久性
を示す。ここで優れた耐久性とは、基本的には装置を長
時間駆動させた際に発光輝度の低下割合が小さいことを
意味するが、もう1つ重要な点として、ダークスポット
と呼ばれる非発光部分の発生率が少ないことも意味す
る。アニーリングは、装置の輝度低下割合を小さくする
と共にダークスポットの抑制効果も大きいことが認めら
れる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。
【0032】実施例1 正孔輸送材料としてビス(エチルカルバゾール)を用い
た。この材料10mgを微分走査熱量計(DSC)法に
より、昇温速度10℃/min、温度範囲0〜300℃
の条件で測定したところ、ガラス転移温度77℃、結晶
化温度160℃、融点191℃であった。
【0033】ガラス基板(厚さ1.1mm)上にスパッ
タリング法で形成されたITO透明電極膜(膜厚120
nm、ジオマテック社製)の原子間力顕微鏡で測定した
Rmaxは9.9nm、Raは1.5nmであった。こ
の電極膜をフォトリソグラフィ法でパターニングした
後、アセトン、セミコクリーン56、純水、イソプロピ
ルアルコール、メタノールで洗浄した。その後、基板を
UVオゾン洗浄し、真空蒸着機に取り付けて排気した。
真空度3×10-4Pa、基板温度室温の条件で、銅フタ
ロシアニンを10nm、ビス(エチルカルバゾール)を
65nm蒸着した。一旦、基板を真空蒸着機の外に取り
出して、窒素雰囲気下のホットプレート上に基板を置
き、正孔輸送層を97℃で8分間アニーリングした。ア
ニーリングした後、光源にキセノンランプを用いた位相
差測定装置を用い、エリプソメトリー法により、入射角
70度、波長範囲260〜660nmの条件で測定した
屈折率nの最大値は波長340nmで2.08であっ
た。再び基板を真空蒸着機に戻し、真空度3×10-4
a、基板温度室温の条件で、ビス(エチルカルバゾー
ル)を10nm、引き続き発光層兼電子輸送層であるト
リス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)
錯体50nm蒸着した。真空中で蒸着マスクを交換し
て、有機層をリチウム蒸気に曝してドーピング(膜厚換
算量0.5nm)した後、アルミニウムを120nm蒸
着して第二電極とした。この様にして5×5mmサイズ
の有機電界発光装置を作製した。
【0034】本装置を乾燥空気中で20mA/cm2
定電流駆動によって発光させたところ初期輝度は500
cd/m2であり、200時間後の輝度保持率は66%
であった。
【0035】実施例2 正孔輸送層のアニーリングを137℃、8分間行った以
外は実施例1を繰り返した。アニーリングした後の正孔
輸送層の屈折率nの最大値は波長335nmで2.13
であった。得られた有機電界発光装置の初期輝度は62
0cd/m2であり、200時間後の輝度保持率は73
%であった。
【0036】比較例1 アニーリングを行わなかったこと以外は実施例1と同様
に有機電界発光装置を作製した。正孔輸送層の屈折率n
の最大値は波長340nmで2.06であった。得られ
た有機電界発光装置の初期輝度は520cd/m2であ
り、200時間後の輝度保持率は50%以下であった。
【0037】比較例2 ソーダライムガラスに酸化ケイ素膜を設置したガラス基
板上に、電子ビーム蒸着法で成膜されたITO透明電極
膜(膜厚170nm、旭硝子社製)を形成した基板を用
いた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光装置を
作製した。用いた第一電極膜のRmaxは65nm、R
aは10.7nmであった。アニーリング後の正孔輸送
層は結晶化点が多く、屈折率nの最大値の測定が困難で
あり、屈折率の最大値を得ることができなかった。さら
に作製された有機電界発光装置には短絡が発生してい
た。
【0038】比較例3 ソーダライムガラスに酸化ケイ素膜を設置したガラス基
板上に、スパッタリング法で成膜されたITO透明電極
膜(膜厚130nm、三容真空社製)を形成した基板を
用いた以外は、実施例2と同様にして有機電界発光装置
を作製した。用いた第一電極膜のRmaxは17nm、
Raは2.8nmであった。アニーリング後の正孔輸送
層には部分的に結晶化点が発生し、比較例2と同様屈折
率の最大値を得ることができなかった。さらに発光が不
安定な装置であった。
【0039】
【発明の効果】正孔輸送層の屈折率nの最大値を300
〜600nmの領域において2.07以上にすることに
より、有機電界発光装置の発光輝度の経時的な低下率を
低く抑えることが可能であり、長期間安定した発光特性
を維持し、優れた耐久性が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB00 AB02 CA01 CA05 CA06 CB01 CC03 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第一電極と、第一電極
    上に形成された少なくとも正孔輸送層と発光層を含む薄
    膜層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電
    界発光装置であって、波長300〜600nmの領域で
    の前記正孔輸送層の屈折率nの最大値が2.07以上で
    あることを特徴とする有機電界発光装置。
  2. 【請求項2】第一電極の表面の粗さの最大値Rmaxが
    15nm以下であることを特徴とする請求項1記載の有
    機電界発光装置。
  3. 【請求項3】第一電極の表面の中心線平均粗さRaが2
    nm以下であることを特徴とする請求項1記載の有機電
    界発光装置。
  4. 【請求項4】第一電極と正孔輸送層との間にフタロシア
    ニン骨格を有する有機化合物からなる正孔注入層を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置。
  5. 【請求項5】正孔輸送層がビスカルバゾリル骨格を有す
    る有機化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の有
    機電界発光装置。
JP11220905A 1999-08-04 1999-08-04 有機電界発光装置 Pending JP2001052871A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220905A JP2001052871A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 有機電界発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220905A JP2001052871A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 有機電界発光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001052871A true JP2001052871A (ja) 2001-02-23

Family

ID=16758381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11220905A Pending JP2001052871A (ja) 1999-08-04 1999-08-04 有機電界発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001052871A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004064453A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. 発光素子及びその作製方法
JP2006236626A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Shinshu Univ 電極層付き可撓性樹脂フィルムの製造方法
JP2007035313A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Mitsubishi Chemicals Corp 光取出し膜、光取出し膜付き透光体及びエレクトロルミネッセンス素子
US7247983B2 (en) 2003-07-24 2007-07-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing method of light emitting element
JP2008507809A (ja) * 2004-07-23 2008-03-13 ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト 少なくとも1個の有機層を備える上部放射型エレクトロルミネッセントコンポーネント

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004064453A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. 発光素子及びその作製方法
US7059928B2 (en) 2003-01-10 2006-06-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element and method for manufacturing the same
US7416464B2 (en) 2003-01-10 2008-08-26 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Lighting emitting element and method for manufacturing the same
US7247983B2 (en) 2003-07-24 2007-07-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing method of light emitting element
JP2008507809A (ja) * 2004-07-23 2008-03-13 ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト 少なくとも1個の有機層を備える上部放射型エレクトロルミネッセントコンポーネント
JP2006236626A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Shinshu Univ 電極層付き可撓性樹脂フィルムの製造方法
JP2007035313A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Mitsubishi Chemicals Corp 光取出し膜、光取出し膜付き透光体及びエレクトロルミネッセンス素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3945123B2 (ja) 有機電界発光素子
JP2008270182A (ja) 発光装置の作製方法
JPH11195487A (ja) 有機el素子
JP2003031371A (ja) 有機電界発光素子及び青色発光素子
JPH08245955A (ja) 有機el素子
JPH10294181A (ja) 有機電界発光素子およびその製造方法
JPH09289081A (ja) 有機電界発光素子
JP2017091695A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置
JP4006951B2 (ja) 有機電界発光素子およびその製造方法
JP2001052871A (ja) 有機電界発光装置
JP2003031374A (ja) 有機電界発光素子
JP3284737B2 (ja) 有機電界発光素子
JPH09298088A (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
JP4235619B2 (ja) 有機発光素子の製造方法
JPH0855974A (ja) 完全密着型イメージセンサ及び有機エレクトロルミネセンス素子
CN100366785C (zh) 多晶形铟锡氧化物薄膜以及多晶形铟锡氧化物电极的制造方法
JPH1174084A (ja) 発光素子及びその製造方法
JP2000282024A (ja) 有機電界発光素子
JP2008218421A (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
JP2949966B2 (ja) 有機薄膜発光素子
JP2003335552A (ja) Ito膜付き基体、およびその製造方法、ならびにそれを有する有機el素子
KR102245143B1 (ko) 투명전극 및 이를 이용하는 유기 전자 소자
JP2004111201A (ja) 発光素子用基板、発光素子用透明導電膜付き基板および発光素子
JP2000348865A (ja) 有機el素子
KR100943975B1 (ko) 인듐 주석 산화물 박막 및 그 제조 방법