JP2001050362A - ピストン・クランク機構 - Google Patents

ピストン・クランク機構

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JP2001050362A
JP2001050362A JP11219169A JP21916999A JP2001050362A JP 2001050362 A JP2001050362 A JP 2001050362A JP 11219169 A JP11219169 A JP 11219169A JP 21916999 A JP21916999 A JP 21916999A JP 2001050362 A JP2001050362 A JP 2001050362A
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Goro Urushiyama
伍郎 漆山
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
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    • F02F7/0019Cylinders and crankshaft not in one plane (deaxation)
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01BMACHINES OR ENGINES, IN GENERAL OR OF POSITIVE-DISPLACEMENT TYPE, e.g. STEAM ENGINES
    • F01B9/00Reciprocating-piston machines or engines characterised by connections between pistons and main shafts and not specific to preceding groups
    • F01B9/02Reciprocating-piston machines or engines characterised by connections between pistons and main shafts and not specific to preceding groups with crankshaft
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 往復運動/回転運動の変換を行うピストン・
クランク機構のピストン/シリンダ間の摺接面の摩擦負
荷、クランクピンの摩擦負荷とに起因する摺接面の損耗
と伝達動力の損失を軽減する。 【解決手段】 一端がピストンピン8に、他端がクロス
リンク10にそれぞれ枢支されたフリーリンク9が、ク
ランクケース12との枢支点13を中心としたクロスリ
ンク10の揺動運動に拘束されて、ピストン1の往復運
動の中間点で、フリーリンク9の向き(C9 )が、ピス
トン1の往復運動方向(ピストン中心軸線Cp 方向)に
対して傾斜を少なくなるとともに、クランクピン7の上
下死点を結ぶ線と、クロスリンク10のクランクケース
12との枢支点13とコネクションロッド5との枢支点
11とを結ぶ線とほぼ直交させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用エンジ
ン等に使用されるピストン・クランク機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ピストンの往復運動を回転運動に変換す
るピストン・クランク機構は、蒸気機関の発明から始ま
って、現代では自動車用エンジンにおいても採用され、
広く普及している。このピストン・クランク機構には、
シリンダ・ピストン間、クランクピンの軸受部等の摺動
部分があって、そこに摩擦抵抗が生じ、動力伝達に伴う
過酷な荷重変動、摩擦力変動、発熱による動力損失が大
きく、伝動効率を低下させ、また、シリンダ・ピスト
ン、軸受部等の損耗を早める元となっていることは周知
のことである。
【0003】伝動効率を向上し、シリンダ・ピストン、
軸受部等の部品の損耗を防ぐために、従来から、材料、
構造、潤滑、冷却等に関して種々の改良が重ねられてき
ている。しかし、従来のピストン・クランク機構は、基
本的には、図7に示す機構が用いられており、この機構
に関する画期的な改良は行われていなかった。
【0004】従来のピストン・クランク機構の構造は、
ひとつの気筒に関しては、図7に模式的に示したよう
に、ピストン101、ピストンロッド106、クランク
シャフト103が一直線上に配置され、ピストン101
の上死点(図7(a))ではシリンダ102室の爆発行
程または吸引行程の直前、下死点(図7(c))では、
排気行程または圧縮行程の直前であって、ピストン10
1がほぼ静止状態にある一方、他の気筒の爆発力やクラ
ンクシャフト103とこれと一体のクランクアーム10
4との慣性力によりクランクシャフト103の回転方向
Aに回転する。クランクアーム104とコネクションロ
ッド105、コネクションロッド105とピストンロッ
ド106の各連結部は、それぞれクランクピン107、
ピストンピン108により枢支されているから、ピスト
ンロッド106にはほとんど曲げモーメントが掛から
ず、シリンダ102とピストン101との摺接面Dには
側圧も側圧による摩擦力も加わっていない。
【0005】一方、ピストンの行程の上から下への中間
点(図7(b))では、爆発行程においては、クランク
シャフト103の回転Aは、主に、図7のピストン10
1の下向きの推力、すなわち、シリンダ102の爆発力
に依存することになる。ここでは、コネクションロッド
105からクランクアーム104に回転力を与えるが、
このとき、コネクションロッド105は、ピストンロッ
ド106に対してその軸線が大きくθだけ傾いている。
ピストンロッド106はピストン101と一体に固着さ
れているので、コネクションロッド105がクランクア
ーム104を強く押す回転駆動力の反力がピストンピン
108に加わり、ピストンロッド106に曲げモーメン
トが加わる。これによりシリンダ102内でピストン1
01がこじられ、摺接面Dには大きな側圧とこれに伴う
摩擦力が加わる。
【0006】このように、図7(a)〜(c)における
クランクピン107摺動部の側圧とこれに起因する摩擦
力の変化は、およそ図8のPO1に示すように、上死点
(a)、下死点(c)で小さく、爆発行程の中間点
(b)で大きくなっている。
【0007】なお、ピストン・シリンダの吸引行程では
駆動側が入れ替わって、クランクアーム104からコネ
クションロッド105が駆動され、コネクションロッド
105がピストンロッド106をその軸線方向に押上げ
る。このときも、コネクションロッド105とピストン
ロッド106との傾きθによって、摺接面Dに側圧とこ
れに伴う摩擦力が加わる。吸引の抵抗力はクランクアー
ム104の駆動力よりは小さいから、その値はやや下が
り、図8のPO2のようになるが、ピストン101の往復
行程の中間点で最大となる点はPO1と同様である。
【0008】図7(d)、すなわち、ピストン101の
排気行程あるいは圧縮行程では、他の気筒の爆発力やク
ランクシャフト103やクランクアーム104の慣性力
によりクランクアーム104がクランクシャフト103
の回転方向Aに回転していて、コネクションロッド10
5との連結部であるクランクピン107の摺動部を押
す。この押す力は、コネクションロッド105、ピスト
ンロッド106、ピストン101を押上げて、排気ある
いは圧縮するだけなので、爆発行程の場合ほどではな
く、吸入行程とほぼ同様のPO2となる。
【0009】このように、吸入、圧縮、爆発、排気の各
行程中、ピストン101の速度が最高となる中間点(図
7(b)、(d))において、ピストン101とシリン
ダ102との摺接面Dの側圧、摩擦力が、図8に示すよ
うに、最大となる。
【0010】上記のピストン101とシリンダ102と
の摺接面Dの側圧、摩擦力の問題は、燃料の吸入、圧縮
を行わない、燃料噴射式のエンジンに使用されるピスト
ン・クランク機構においてもほぼ同様に発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のピストン・クランク機構においては、ピストン101
の速度が最高となる中間点において、ピストン101と
シリンダ102との摺接面Dの側圧、摩擦力が最大とな
るので、シリンダ102と、シリンダ102に摺接する
ピストン101とは、非常に過酷な状態に耐えなければ
ならない。特にシリンダ102の中間部は、ピストン1
01のスピードと側圧、摩擦力が最大となる部分だか
ら、状態は過酷である。
【0012】長期間の使用や焼き付きを生じたピストン
・シリンダを分解すると、図9(a)に示すように、シ
リンダ102の中間点Cと、ピストン101の摺接面D
とが著しく損傷していることからも、ピストン101の
スピードと側圧、摩擦力が最大のきびしい状態をうかが
い知ることができる。また、このピストン101のスピ
ードと側圧、摩擦力は、ピストン101、シリンダ10
2の寿命を短くするだけでなく、無用な側圧、摩擦力に
エンジンのパワーが消費され、ピストン・シリンダ機構
の伝動効率、エンジン効率を低下させる元になってい
る。
【0013】一方、ピストン101の往復行程の上下死
点に達するときは、ピストン101とシリンダ102と
の摺接面Dの摩擦力が小さく、制動が効いていない状態
となっているので、オーバーラン気味となって、クラン
クアーム104を上死点、下死点で無意味に押したり、
引いたりして、クランクシャフト103の軸受や、クラ
ンクピン107、ピストンピン108に衝撃的に側圧を
加え、いたずらに、これらの部品の損傷を早めることに
なる。
【0014】長期間の使用や焼き付きを生じたクランク
ピンを分解すると、図9(b)に示すように、クランク
ピン107の損傷面Eが上記の衝撃を発生する角度位置
に集中していることからも、この事実をうかがうことが
できる。この衝撃力にも、エンジンのパワーが消費さ
れ、ピストン・シリンダ機構の伝動効率、エンジン効率
を低下させる。
【0015】また、上述したピストン101、ピストン
ロッド106、クランクシャフト103の一直線上の配
置も、エンジン設計上の制約となっていた。
【0016】この発明は、上述の課題を解決し、ピスト
ン・シリンダ間のピストン行程中間点の摺接面の側圧、
摩擦力が少なく、上下死点の衝撃力が少なく、円滑にピ
ストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換
でき、しかも、ピストン・シリンダとクランクシャフト
との配置上の制約を解消するピストン・クランク機構を
提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項1のピストン・クランク機構の発明は、ピ
ストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換
するピストン・クランク機構において、シリンダ内を往
復摺動するピストン部と、上記ピストン部の中心軸線付
近に配置されたピストンピンを介してピストン部に枢支
されたフリーリンクと、上記フリーリンクの他端のフリ
ーリンク枢支点に連結されるとともに、クランクシャフ
トとともに回動自在のクランクアームのクランクピンに
連結されて、ピストン部の往復運動をクランクシャフト
に伝達する、複数のリンクからなる中間リンク機構とを
具備し、上記中間リンク機構には、クランクケースおよ
び上記クランクピンに枢支され、かつ、上記フリーリン
クと連結されたクロスリンクを含み、このクロスリンク
がクランクケースとの枢支点を中心とした揺動運動に拘
束されることにより、ピストンの往復運動の中間点にお
いて、上記フリーリンクの軸線のピストン中心軸線に対
する傾斜が少なく維持されるとともに、上記クランクピ
ンの上下死点を結ぶ線と、クロスリンクのクランクケー
スとの枢支点とコネクションロッドとの枢支点とを結ぶ
線とがほぼ直交するようになることを特徴とする。
【0018】請求項2のピストン・クランク機構の発明
は、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動
に変換するピストン・クランク機構において、シリンダ
内を往復摺動するピストン部と、上記ピストン部の中心
軸線付近に配置されたピストンピンを介してピストン部
に枢支されたフリーリンクと、一端が上記フリーリンク
に枢支され、他端がクランクシャフトを囲うクランクケ
ースに枢支されたクロスリンクと、上記クロスリンクの
クランクケースとの枢支点を除く任意の部位に一端が枢
支され、他端が上記クランクシャフトとともに回動自在
のクランクアームに枢支されたコネクションロッドとを
具備し、上記クロスリンクがクランクケースとの枢支点
を中心とした揺動運動に拘束されることにより、ピスト
ンの往復運動の中間点において、上記フリーリンクの軸
線のピストン中心軸線に対する傾斜が少なく維持される
とともに、上記クランクピンの上下死点を結ぶ線と、ク
ロスリンクのクランクケースとの枢支点とコネクション
ロッドとの枢支点とを結ぶ線とがほぼ直交するようにな
ることを特徴とする。
【0019】請求項1および2の発明によれば、ピスト
ンの往復行程の中間点でピストンとシリンダとの側圧、
摺動摩擦が著しく低減され、ピストンが滑らかに摺動
し、上下死点では、若干の側圧、摩擦力が生じて、ピス
トンの制動作用が出る。
【0020】請求項3の発明のピストン・クランク機構
は、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動
に変換するピストン・クランク機構において、シリンダ
内を往復摺動するピストン部と、上記ピストン部の中心
軸線付近に配置されたピストンピンを介してピストン部
に枢支されたフリーリンクと、中間点が上記フリーリン
クの他端に枢支されたアイドラーリンクと、一端が上記
アイドラーリンクの一端に枢支され、他端がクランクシ
ャフトを囲うクランクケースの一側に枢支されたクロス
リンクと、一端が上記アイドラーリンクの他端に枢支さ
れ、他端が上記クランクケースの他側に枢支されたガイ
ドリンクと、上記クロスリンクのクランクケースとの枢
支点を除く任意の部位に一端が枢支され、他端がクラン
クシャフトとともに回動自在のクランクアームに枢支さ
れたコネクションロッドとを具備し、上記クロスリンク
がクランクケースとの枢支点を中心とした揺動運動に拘
束されることにより、ピストンの往復運動の中間点にお
いて、上記フリーリンクの軸線のピストン中心軸線に対
する傾斜が少なく維持されるとともに、上記クランクピ
ンの上下死点を結ぶ線と、クロスリンクのクランクケー
スとの枢支点とコネクションロッドとの枢支点とを結ぶ
線とがほぼ直交するようになることを特徴とする。
【0021】請求項3の発明によれば、フリーリンク軸
線とピストン部の往復運動方向(ピストン中心軸線方
向)とが合致するストローク範囲が広くなり、ピストン
部からクランクシャフトへの伝動効率が一層向上する。
【0022】また、以上のいずれの発明においても、ピ
ストン・シリンダとクランクシャフトとを一直線上に配
置しなければならないという制約が解消される。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下、
図面を参照して説明する。
【0024】〔第1実施形態〕図1は、この発明に係る
ピストン・クランク機構の第1の実施の形態を示す説明
図で、ピストン1は、シリンダ2の内径に往復摺動可能
に接している。このピストン1のシリンダ2内での往復
運動が、エンジンの燃料ガスの吸収、圧縮、爆発、燃焼
済みのガスの排気に対応して行われることは、従来のピ
ストン・クランク機構と同様である。
【0025】3はクランクシャフト、4はクランクアー
ム、5はコネクションロッド、6はピストンロッドであ
る。上記クランクシャフト3は、図示省略の軸受に回転
自在に支承され、クランクアーム4がこのクランクシャ
フト3に固定されている。クランクアーム4の先端部に
は、クランクピン7が設けられ、このクランクピン7に
上記コネクションロッド5の一端に設けた軸受部が回転
自在に嵌合されて、枢支されている。上記クランクシャ
フト3は、上記ピストン1、ピストンロッド部6(この
明細書では、これらをピストン部という)のピストン中
心軸線Cp 上にはなく、Kだけオフセットして配設され
ている。
【0026】また、上記ピストンロッド6は、上記ピス
トン1の下側に一体に形成され、ピストン1とともにピ
ストン部を形成している。ピストンロッド6の先端部に
は、ピストンピン8が設けられている。なお、ピストン
部のピストンロッド6を省略して、ピストン1に直接ピ
ストンピン8を設けることもできる。これらの点も、従
来のピストン・クランク機構と同様である。
【0027】ピストンピン8は、ピストン1の中心軸線
Cp 上またはその付近に配置されていて、ピストンピン
8を介して中心軸線Cp 方向に外力が加わったとき、ピ
ストン1に中心軸線Cp と直交する軸回りの回転モーメ
ントが加わるのを防止している。回転モーメントが加わ
ると、ピストン1とシリンダ2との摺接面に無用な側圧
が加わるからである。
【0028】上記ピストンロッド6には、ピストンピン
8を介してフリーリンク9の一端が枢支されている。ま
た、このフリーリンク9の他端には、クロスリンク10
の一端が枢支(11)されている。このクロスリンク1
0の他端は、クランクシャフト3を囲うクランクケース
12の一側に枢支(13)され、また、フリーリンク9
とのフリーリンク枢支点11には、上記コネクションロ
ッド5の他端が枢支されている。
【0029】上記の各枢支点7、8、11、13では、
それぞれのリンクが相互に揺動自在であるから、ピスト
ン1のシリンダ2内での往復摺動に応じて、フリーリン
ク9、クロスリンク10およびコネクションロッド5が
揺動し、これによって、クランクアーム4と一体のクラ
ンクシャフト3は、図示しない軸受に支持されて回動す
るようになっている。
【0030】ピストン1の往復行程の上死点と下死点と
の中間点にあるとき、図1(b)に示すように、フリー
リンク9のピストンロッド6との枢支点8とクロスリン
ク10との枢支点11とを結ぶフリーリンク軸線C9
と、ピストン1の往復運動方向(ピストン中心軸線Cp
方向)との傾斜は少なくなるように設定してある。
【0031】図1の第1の実施の形態では、クロスリン
ク10およびコネクションロッド5が、ピストン部1、
6の往復運動をクランクシャフト3に伝達する中間リン
ク機構を構成している。そして、アイドラーリンク17
がピストンの往復運動を伝達してくるリンクとなってい
る。
【0032】上記クランクシャフト3には、通常の多気
筒エンジンと同様に、図1に示したピストン・シリンダ
機構が複数組、ピストン1−クランクアーム4の位相を
ずらして設けてある。
【0033】次に、図1に示したピストン・クランク機
構の動作を、エンジンの燃料ガス吸引、圧縮、爆発、燃
焼済みガスの排気の行程に沿って順次説明する。
【0034】図1(a)は、燃料ガスの圧縮行程から爆
発行程へ移る、あるいは、燃焼済みガスの排気から新し
い燃料ガスの吸気へ移る、クランクが上死点にあるとき
の状態である。
【0035】この状態に至るには、同一クランクシャフ
ト3に設けられた他のピストン・クランク機構(図示省
略)の回転駆動力、あるいは、前行程の爆発行程による
回転駆動に起因する2次慣性力によるクランクシャフト
3のA方向への回転により、コネクションロッド5を押
し上げ、クロスリンク10を枢支点13を支点として図
の上方向に揺動し、ピストンロッド6を介してピストン
1を押し上げてシリンダ2内の燃料ガスを圧縮し、ある
いは、燃焼済みガスを排気する。この圧縮行程あるいは
排気行程の終点である図1(a)の状態になるまでに、
クランクシャフト3の速い回転により、ピストン1には
上方への大きな速度が与えられていて、図1(a)の付
近に来たときは、この速度をクランクアーム4と、圧縮
行程の場合は更に圧縮されたガスの圧力とで、抑え込む
のであるが、各リンクの枢支点8、11、7には駆動時
とは逆の大きい負荷が加わる。
【0036】ところで、図1(a)の上死点付近におい
ては、フリーリンク9のピストンロッド6との枢支点8
とクロスリンク10との枢支点11とを結ぶフリーリン
ク軸線C9 がピストン1の往復運動方向(ピストン中心
軸線Cp 方向)となす角度θが0ではなく、フリーリン
ク9からピストン1に下方向に加わる制動力は、真下方
向からθだけ傾いている(図7に示した従来のピストン
・クランク機構では真下)。この傾きにより、ピストン
1は、ピストン中心軸線Cp に直交する軸回り(紙面に
垂直の軸回り)の回転モーメントを受け、シリンダ2と
の摺接面Dに側圧を加え、摺動により摩擦力を生じる
(図8のPB )。この摩擦力が上記の制動力に加担する
ので、その分、各リンクの枢支点8、11、7の負荷は
軽減されることになる。
【0037】図1(a)からクランクシャフト3が更に
A方向に進んで、爆発行程あるいは吸引行程に移ると、
フリーリンク9の傾きθは次第に小さくなり、それとと
もに摺動面Dの側圧、摩擦力は減少していく。爆発行程
の場合は、ピストン1が、ピストンロッド6、フリーリ
ンク9、コネクションロッド5、クランクアーム4を図
の下方へ強力に押し下げ、クランクシャフト3をA方向
に回転駆動する。吸引行程の場合は、他のピストン・ク
ランク機構による駆動力や2次慣性力によるクランクシ
ャフト3のA方向の回転により、クランクアーム4、コ
ネクションロッド5、フリーリンク9、ピストンロッド
6、ピストン1を下方へ押し下げる。
【0038】いずれの場合も、図1(a)の上支点付近
では、摺動面Dの側圧、摩擦力が大きいが、ピストン部
の往復行程の中間点(図1(b))では、クロスリンク
10のクランクケース12との枢支点13を中心とした
揺動(クランクケース12を基準とした所定の軌跡(枢
支点13を中心とした円弧)に沿って運動)により、フ
リーリンク9軸線C9 とピストン中心軸線Cp との傾斜
は非常に少なくなる。このため、最もクランクシャフト
3を強く加速する図1(b)の付近では、フリーリンク
9のフリーリンク軸線C9 がピストン1の往復運動方向
(ピストン中心軸線Cp 方向)とほぼ一致して、フリー
リンク9とピストンロッド6の傾きθがほぼ0となり、
ピストン1とシリンダ2との摺接面Dの側圧が理論上0
となって摩擦抵抗がなくなり、ピストン1が最もパワー
を出す図1(b)の付近で、ピストン1は非常に効率よ
く、滑らかにクランクシャフト3を駆動することにな
る。
【0039】図1(c)の下死点に向かうと、クロスリ
ンク10が更に揺動して、今度は、フリーリンク9のク
ロスリンク10との枢支点11がピストン中心軸線Cp
から離れ、フリーリンク9とピストンロッド6の傾きθ
が増加し始め、これにより摺接面Dの側圧、摩擦抵抗も
増えて、下死点に向けて制動力を生じ、ピストン1の下
降から上昇への運動の反転に有効に作用する。
【0040】図1(c)の下死点から、排気行程あるい
は圧縮行程に入り、図1(a)に至る状態は、図示は省
略したが、ピストン1を加速する行程の中間で、図1
(b)付近と同様に、フリーリンク9のフリーリンク軸
線C9 がピストン1の往復運動方向(ピストン中心軸線
Cp 方向)とほぼ一致して、フリーリンク9とピストン
ロッド6の傾きθがほぼ0となり、ピストン1とシリン
ダ2との摺接面Dの側圧が理論上0となって摩擦抵抗が
なくなり、ピストン1は、摺接部Dの側圧、摩擦抵抗に
妨げられることなく、効率よく、スムーズに上昇する。
そして、前述のように、上死点付近に近づくと摺接面D
の側圧、摩擦抵抗が大きくなって、制動力として作用す
る。
【0041】以上のように、図1に示した実施の形態に
おいては、ピストンの往復行程の中間点では、ピストン
中心軸線Cp とフリーリンク軸線C9 との傾斜が少な
く、ピストン1とシリンダ2との摺接面Dの側圧、摩擦
抵抗が0になり、また、クランクピンの上下死点Cb 、
Cd を結ぶ線と、クロスリンク10のクランクケース1
2との枢支点13とコネクションロッド5との枢支点1
1aとを結ぶ線とがほぼ直交するようになって各枢支点
の軸受負荷が過大とならず、一方、上死点と下死点とで
は摺接面Dの側圧、摩擦抵抗が適度に生じて、ピストン
1の往復運動を非常に効率よく、スムーズに行うことが
でき、ピストン1、シリンダ2間の摺接面Dでのエネル
ギー損失を減少し、伝動効率が向上する。
【0042】〔第2実施形態〕図2に示した第2実施形
態は、クランクシャフト3を、ピストン部のピストン中
心軸線Cp 上に配設した例であり、同一機能の部分には
同一の符号を付してある。
【0043】この実施の形態においても、ピストンの往
復行程の中間点では、ピストン中心軸線Cp とフリーリ
ンク軸線C9 との傾斜が少なく、ピストン1とシリンダ
2との摺接面Dの側圧、摩擦抵抗が0になり、また、ク
ランクピンの上下死点Cb 、Cd を結ぶ線と、クロスリ
ンク10のクランクケース12との枢支点13とコネク
ションロッド5との枢支点11aとを結ぶ線とがほぼ直
交するようになって各枢支点の軸受負荷が過大となら
ず、一方、上死点と下死点とでは摺接面Dの側圧、摩擦
抵抗が適度に生じて、ピストン1の往復運動を非常に効
率よく、スムーズに行うことができ、ピストン1、シリ
ンダ2間の摺接面Dでのエネルギー損失を減少し、伝動
効率が向上する。
【0044】〔第3実施形態〕図3に示した第3実施形
態は、上記第1および第2の実施の形態と異なり、クロ
スリンク10のコネクションロッド5との枢支点11a
をフリーリンク9との枢支点11と別の位置に設けたも
のである。
【0045】〔第4実施形態〕図4は、この発明の第4
の実施の形態を示す。この第4の実施の形態は、クロス
リンク14とコネクションロッド5との枢支点が異なる
点を除けば、上述の第1の実施の形態と同様である。従
って、第1の実施の形態と同一の部分については、同一
の符号を付けて、その詳細な説明は省略する。
【0046】図4において、クロスリンク14とコネク
ションロッド5との枢支点15は、クロスリンク14と
フリーリンク9とのフリーリンク枢支点11よりもクラ
ンクケース12との枢支点13側にあって、クロスリン
ク14のコネクションロッド5との枢支点15からクラ
ンクケース12の枢支点13までの長さL1が、ピスト
ン1側に連なるフリーリンク9との枢支点11からクラ
ンクケース12の枢支点13までの長さL2よりも短く
配設されている。
【0047】ピストン1の中間点では、フリーリンク枢
支点11は、図2の11b(11d)に、枢支点15は
15b(15d)に、そして、枢支点7は7b(7d)
にあって、ピストンロッド6とフリーリンク9は、ピス
トンの中心軸線Cp 上で一直線状になり、上死点では、
枢支点15は15aに、枢支点7は7aに、下死点で
は、枢支点15は15cに、枢支点7は7cにそれぞれ
移動する。
【0048】この実施の形態においては、「てこ」の原
理によって、ピストン1の往復運動に対してコネクショ
ンロッド5の動きは、図1の実施の形態と比べて、ほぼ
L1/L2と減少し、コネクションロッド5がクランク
アーム4を駆動する力は、L2/L1と増加する。この
「てこ」の原理により、図2の実施の形態においては、
クランクシャフト3を回転駆動する力が一層強力にな
る。なお、吸気、圧縮、爆発、排気の工程における状態
は、図1の場合と同様である。
【0049】図4の第4の実施の形態では、クロスリン
ク14およびコネクションロッド5が、ピストン部1、
6の往復運動をクランクシャフト3に伝達する中間リン
ク機構を構成している。そして、アイドラーリンク17
がピストンの往復運動を伝達してくるリンクとなってい
る。
【0050】〔第5実施形態〕図5は、この発明の第5
の実施の形態を示す。この第5の実施の形態は、クロス
リンク14をL字形のレバーとした点を除けば、上述の
第3の実施の形態と同様である。従って、第3の実施の
形態と同一の部分については、同一の符号を付けて、そ
の詳細な説明は省略する。
【0051】この第5の実施の形態においても、クロス
リンク14のコネクションロッド5との枢支点15から
クランクケース12の枢支点13までの長さL1が、ピ
ストン1側に連なるフリーリンク9とのフリーリンク枢
支点11からクランクケース12の枢支点13までの長
さL2よりも短くしてあって、「てこ」の原理によっ
て、クランクシャフト3を回転駆動する力が一層強力に
なっている。
【0052】なお、ピストン1の中間点では、上記フリ
ーリンク9の軸線のピストン中心軸線Cpに対する傾斜
が少なく、クランクピン7の上下死点7a、7cを結ぶ
線と、クロスリンク14のクランクケース12との枢支
点13とコネクションロッド5との枢支点とを結ぶ線と
がほぼ直交するようになる。
【0053】図5の第5の実施の形態では、クロスリン
ク14およびコネクションロッド5が、ピストン部1、
6の往復運動をクランクシャフト3に伝達する中間リン
ク機構を構成している。
【0054】第5の実施の形態によれば、ピストン1と
クランクシャフト3とのレイアウトの自由度を増し、ク
ランクシャフト3をピストン1の中心軸線Cp から大き
くずらした設計を可能とする。
【0055】〔第6実施形態〕図6は、この発明の第6
の実施の形態を示す。この第6の実施の形態は、コネク
ションロッド5とクランクアーム4との関係は、図4の
第4の実施の形態と同様である。ピストン中心軸線Cp
からクランクシャフトは外れた位置に配置してある。
【0056】第6の実施の形態では、ピストン1の往復
運動中にフリーリンク9がピストン中心軸線Cp からあ
まりずれないにように、いわゆる、パラレルリンクを使
用している。
【0057】すなわち、アイドラーリンク17は、その
中心がフリーリンク9の下端に枢支(18)され、ま
た、図の右端がクロスリンク14の一端に枢支(19)
され、他端がガイドリンク20の一端に枢支(21)さ
れている。上記ガイドリンク20は、その他端がクラン
クケース12のクロスリンク14との枢支点13と反対
側のクランクケース12に枢支(22)されている。
【0058】ガイドリンク20の長さ(アイドラーリン
ク17との枢支点21からクランクケース12との枢支
点22までの長さ)を、クロスリンク14の長さ(アイ
ドラーリンク17との枢支点19からクランクケース1
2との枢支点13までの長さ)と等しくし、また、アイ
ドラーリンク17のフリーリンク9とのフリーリンク枢
支点18からクロスリンク14との枢支点19までの長
さを、フリーリンク9とのフリーリンク枢支点18から
ガイドリンク20との枢支点21までの長さと等しくし
てある。そして、ピストン1の行程の中間点で、クロス
リンク14とガイドリンク20とがピストン中心軸線C
p と直交(アイドラーリンク17との枢支点19または
21とクランクケース12との枢支点13または22と
を結ぶ直線がピストン中心軸線Cp と直交)し、アイド
ラーリンク17がこの間で傾斜しているようにする。こ
のように構成したパラレルリンクにおいては、ピストン
1の行程の中間点の前後の広い範囲で、アイドラーリン
ク17の中心点、すなわち、フリーリンク枢支点18が
ほぼピストン中心軸線Cp に沿って移動する。
【0059】なお、ピストン1の中間点では、枢支点1
5は15d(15b)に、枢支点7は、7d(7b)に
あり、上死点では、枢支点15は15aに、枢支点7は
7aに、また、下死点では、枢支点15は15cに、枢
支点7は7cにそれぞれ移動する。
【0060】図6の第6の実施の形態では、アイドラー
リンク17、ガイドリンク20、クロスリンク14およ
びコネクションロッド5が、ピストン部1、6の往復運
動をクランクシャフト3に伝達する中間リンク機構を構
成している。そして、アイドラーリンク17がピストン
の往復運動を伝達してくるリンクとなっている。
【0061】この実施の形態においては、フリーリンク
9のピストンロッド6との枢支点8とアイドラーリンク
17との枢支点18とを結ぶフリーリンク軸線C9 が、
ピストン1往復行程にわたって、ピストン1の往復運動
方向(ピストン中心軸線Cp方向)とほぼ同じ傾きとな
っているから、ピストン1とシリンダ2との摺接面Dに
加わる面圧、摩擦力はピストン1の広いストローク範囲
で常に非常に小さく、また、この中間点でクランクピン
の上下死点を結ぶ線と、クロスリンクのクランクケース
との枢支点とコネクションロッドとの枢支点とを結ぶ線
とがほぼ直交するようになるから、ピストン1からクラ
ンクシャフト3への伝動効率が一層向上する。
【0062】以上、詳細に説明したように、この発明の
ピストン・クランク機構においては、ピストン1とシリ
ンダ2との摺接面Dに加わる面圧、摩擦力が著しく小さ
くなり、これによるエネルギー損失が大幅に減少して伝
動効率が向上するから、相対的に低出力のエンジンを使
用することができる。燃料、燃料ガスの圧力、着火時
期、燃焼時間、燃焼温度等も選択可能範囲が広がり、最
適な選択を行うことによって、低燃費化、出力向上、排
出ガス中のCO、H、C等の削減効果をもたらすことが
できる。
【0063】また、駆動トルクが比較的小さくて済むか
ら、アイドリング回転を低くすることができ、稀薄燃
料、代替燃料の使用でも充分の出力を得ることができ
る。
【0064】上述の実施の形態では、内燃機関の場合に
ついて説明したが、他のエンジンにこの発明を用いても
同様の作用効果があることは勿論である。
【0065】また、上述の実施の形態では、中間リンク
機構のうち、ピストン部の往復摺動行程に応じて、クラ
ンクシャフトを囲うクランクケースを基準とした所定の
軌跡に沿って運動するリンクとして、クランクケースに
枢支されたクロスリンク10、14を用いたが、例え
ば、クランクケースに取り付けた溝カムにクロスリンク
をガイドさせてもよい。クロスリンクの運動軌跡は、必
ずしも円弧でなくてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、ピストン部がその往復行程の中間点、あるいは、そ
の近辺にあるとき、ピストン部に連なるフリーリンクの
軸線と、ピストン部の往復運動方向(ピストン中心軸線
Cp 方向)との傾斜が少なく、クランクピンの上下死点
を結ぶ線と、クロスリンクのクランクケースとの枢支点
とコネクションロッドとの枢支点とを結ぶ線とがほぼ直
交するようにしたから、ピストンの往復行程の中間点、
あるいは、その近辺で、ピストンとシリンダとの側圧、
摺動摩擦が著しく低減され、ピストンが滑らかに摺動
し、上下死点では、若干の側圧、摩擦力が生じて、ピス
トンの制動作用が出て、ピストンの円滑な上下動折り返
しができ、ピストン・シリンダの損耗を低減するととも
に、伝動効率を向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るピストン・クランク機構の第1
の実施の形態を示す説明図で、(a)は、上死点におけ
る状態、(b)は、上死点から下死点への行程の中間点
における状態、(c)は、下死点における状態を示す。
【図2】この発明に係るピストン・クランク機構の第2
の実施の形態を示す説明図で、(a)は、上死点におけ
る状態、(b)は、上死点から下死点への行程の中間点
における状態、(c)は、下死点における状態を示す。
【図3】この発明に係るピストン・クランク機構の第3
の実施の形態を示す説明図で、(a)は、上死点におけ
る状態、(b)は、上死点から下死点への行程の中間点
における状態、(c)は、下死点における状態を示す。
【図4】この発明に係るピストン・クランク機構の第4
の実施の形態を示す説明図。
【図5】この発明に係るピストン・クランク機構の第5
の実施の形態を示す説明図。
【図6】この発明に係るピストン・クランク機構の第6
の実施の形態を示す説明図。
【図7】従来のピストン・クランク機構を示す説明図
で、(a)は、上死点における状態、(b)は、上死点
から下死点への行程の中間点における状態、(c)は、
下死点における状態、(d)は、下死点から上死点への
行程の中間点における状態を示す。
【図8】ピストン・クランク機構のクランクロッドに加
わる側圧、摩擦力のストローク中の変化を、従来のもの
と、この発明のものとを比較して示す説明図。
【図9】従来のピストン・クランク機構を使用したエン
ジンの損耗状態を示す斜視図で、(a)は、ピストン/
シリンダの損耗状態、(b)は、クランクピンとこれに
嵌合する軸受の損耗状態を示す。
【符号の説明】
1 ピストン 2 シリンダ 3 クランクシャフト 4 クランクアーム 5 コネクションロッド 6 ピストンロッド 7 クランクピン(コネクションロッド5とクランクア
ーム4の枢支点) 8 ピストンピン(ピストンロッド6とフリーリンク9
の枢支点) 9 フリーリンク 10 クロスリンク 11 フリーリンク枢支点(フリーリンク9とクロスリ
ンク10の枢支点) 12 クランクケース 13 枢支点(クロスリンク10とクランクケース12
の) 14 クロスリンク 15 枢支点(クロスリンク14とコネクションロッド
5との) 17 アイドラーリンク 18 フリーリンク枢支点(フリーリンク9とアイドラ
ーリンク17との枢支点) 19 枢支点(クロスリンク14とアイドラーリンク1
7との) 20 ガイドリンク 21 枢支点(アイドラーリンク17とガイドリンク2
0との) 22 枢支点(ガイドリンク20とクランクケース12
との) Cp ピストンの中心軸線 C9 フリーリンク軸線 D 摺接面(ピストン1とシリンダ2との) L1 クロスリンク14のコネクションロッド5との枢
支点15からクランクケース12の枢支点13までの長
さ L2 クロスリンク14のフリーリンク9との枢支点1
1(または、アイドラーリンク17との枢支点19)か
らクランクケース12の枢支点13までの長さ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月17日(1999.11.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項1のピストン・クランク機構の発明は、ピ
ストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換
するピストン・クランク機構において、シリンダ内を往
復摺動するピストン部と、上記ピストン部の中心軸線付
近に配置されたピストンピンを介してピストン部に枢支
されたフリーリンクと、上記フリーリンクに、その他端
のフリーリンク枢支点連結されるとともに、クランク
シャフトととともに回動自在のクランクアームに、そ
クランクピンで揺動自在に連結されて、ピストン部の往
復運動を伝達してクランクシャフトの回転運動に変換す
る、複数のリンクからなる中間リンク機構とを具備し、
上記中間リンク機構には、クランクピンで一端がクラン
クアームに揺動自在に連結されたコネクションロッド、
および、上記コネクションロッドの他端でコネクション
ロッドに、上記フリーリンク枢支点でフリーリンクにそ
れぞれ揺動自在に連結されるとともに、クランクケース
に枢支されたクロスリンクを含み、このクロスリンクが
クランクケースとの枢支点を中心とした揺動運動に拘束
されることにより、ピストンの往復運動の中間点におい
て、上記フリーリンクの軸線のピストン中心軸線に対す
る傾斜が少なく維持されるとともに、上記クランクピン
の上下死点を結ぶ線と、クロスリンクのクランクケース
との枢支点とコネクションロッドとの枢支点とを結ぶ線
とがほぼ直交するようになることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】この発明に係るピストン・クランク機構の第3
の実施の形態を示す説明図。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月17日(1999.12.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】図1の第1の実施の形態では、クロスリン
ク10およびコネクションロッド5が、ピストン部1、
6の往復運動をクランクシャフト3に伝達する中間リン
ク機構を構成している。そして、クロスリンク10およ
びコネクションロッド5は、また、ピストンの往復運動
を伝達してくるリンクとなっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ピストン1の中間点では、フリーリンク枢
支点11は、図の11b(11d)に、枢支点15は
15b(15d)に、そして、枢支点7は7b(7d)
にあって、ピストンロッド6とフリーリンク9は、ピス
トンの中心軸線Cp 上で一直線状になり、上死点では、
枢支点15は15aに、枢支点7は7aに、下死点で
は、枢支点15は15cに、枢支点7は7cにそれぞれ
移動する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】この実施の形態においては、「てこ」の原
理によって、ピストン1の往復運動に対してコネクショ
ンロッド5の動きは、図1の実施の形態と比べて、ほぼ
L1/L2と減少し、コネクションロッド5がクランク
アーム4を駆動する力は、L2/L1と増加する。この
「てこ」の原理により、図の実施の形態においては、
クランクシャフト3を回転駆動する力が一層強力にな
る。なお、吸気、圧縮、爆発、排気の工程における状態
は、図1の場合と同様である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】図4の第4の実施の形態では、クロスリン
ク14およびコネクションロッド5が、ピストン部1、
6の往復運動をクランクシャフト3に伝達する中間リン
ク機構を構成している。そして、フリーリンク9がピス
トンの往復運動を伝達してくるリンクとなっている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの往復運動をクランクシャフト
    の回転運動に変換するピストン・クランク機構におい
    て、 シリンダ内を往復摺動するピストン部と、 上記ピストン部の中心軸線付近に配置されたピストンピ
    ンを介してピストン部に枢支されたフリーリンクと、 上記フリーリンクの他端のフリーリンク枢支点に連結さ
    れるとともに、クランクシャフトとともに回動自在のク
    ランクアームのクランクピンに連結されて、ピストン部
    の往復運動をクランクシャフトに伝達する、複数のリン
    クからなる中間リンク機構とを具備し、 上記中間リンク機構には、クランクケースおよび上記ク
    ランクピンに枢支され、かつ、上記フリーリンクと連結
    されたクロスリンクを含み、 このクロスリンクがクランクケースとの枢支点を中心と
    した揺動運動に拘束されることにより、ピストンの往復
    運動の中間点において、上記フリーリンクの軸線のピス
    トン中心軸線に対する傾斜が少なく維持されるととも
    に、上記クランクピンの上下死点を結ぶ線と、クロスリ
    ンクのクランクケースとの枢支点とコネクションロッド
    との枢支点とを結ぶ線とがほぼ直交するようになること
    を特徴とするピストン・クランク機構。
  2. 【請求項2】 ピストンの往復運動をクランクシャフト
    の回転運動に変換するピストン・クランク機構におい
    て、 シリンダ内を往復摺動するピストン部と、 上記ピストン部の中心軸線付近に配置されたピストンピ
    ンを介してピストン部に枢支されたフリーリンクと、 一端が上記フリーリンクに枢支され、他端がクランクシ
    ャフトを囲うクランクケースに枢支されたクロスリンク
    と、 上記クロスリンクのクランクケースとの枢支点を除く任
    意の部位に一端が枢支され、他端が上記クランクシャフ
    トとともに回動自在のクランクアームに枢支されたコネ
    クションロッドとを具備し、 上記クロスリンクがクランクケースとの枢支点を中心と
    した揺動運動に拘束されることにより、ピストンの往復
    運動の中間点において、上記フリーリンクの軸線のピス
    トン中心軸線に対する傾斜が少なく維持されるととも
    に、上記クランクピンの上下死点を結ぶ線と、クロスリ
    ンクのクランクケースとの枢支点とコネクションロッド
    との枢支点とを結ぶ線とがほぼ直交するようになること
    を特徴とするピストン・クランク機構。
  3. 【請求項3】 ピストンの往復運動をクランクシャフト
    の回転運動に変換するピストン・クランク機構におい
    て、 シリンダ内を往復摺動するピストン部と、 上記ピストン部の中心軸線付近に配置されたピストンピ
    ンを介してピストン部に枢支されたフリーリンクと、 中間点が上記フリーリンクの他端に枢支されたアイドラ
    ーリンクと、 一端が上記アイドラーリンクの一端に枢支され、他端が
    クランクシャフトを囲うクランクケースの一側に枢支さ
    れたクロスリンクと、 一端が上記アイドラーリンクの他端に枢支され、他端が
    上記クランクケースの他側に枢支されたガイドリンク
    と、 上記クロスリンクのクランクケースとの枢支点を除く任
    意の部位に一端が枢支され、他端がクランクシャフトと
    ともに回動自在のクランクアームに枢支されたコネクシ
    ョンロッドとを具備し、 上記クロスリンクがクランクケースとの枢支点を中心と
    した揺動運動に拘束されることにより、ピストンの往復
    運動の中間点において、上記フリーリンクの軸線のピス
    トン中心軸線に対する傾斜が少なく維持されるととも
    に、上記クランクピンの上下死点を結ぶ線と、クロスリ
    ンクのクランクケースとの枢支点とコネクションロッド
    との枢支点とを結ぶ線とがほぼ直交するようになること
    を特徴とするピストン・クランク機構。
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