JP2001049278A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2001049278A JP22409399A JP22409399A JP2001049278A JP 2001049278 A JP2001049278 A JP 2001049278A JP 22409399 A JP22409399 A JP 22409399A JP 22409399 A JP22409399 A JP 22409399A JP 2001049278 A JP2001049278 A JP 2001049278A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦面に油膜切れが起こり難く、ボール表面
に損傷が起こり難い耐久性の良いボールねじ、例えば射
出成形機の駆動装置に用いられるボールねじまたは電動
プレス機の駆動装置に用いられるボールねじとする。 【解決手段】 ねじ軸1の外径面とナット2の内径面に
それぞれねじ溝1a、2aを形成し、両ねじ溝を対向さ
せた際に形成される螺旋路3およびこの螺旋路3の両端
を連絡する連絡路からなる循環路に複数のボール4を自
在に転がるように保持し、螺旋路3内のボール4を介し
てナット2とねじ軸1を回転自在に保持し、複数のボー
ル4およびその循環路を潤滑グリースで潤滑するボール
ねじAにおいて、二硫化モリブデンおよび有機モリブデ
ン化合物を含有すると共に、硫黄系極圧剤、硫黄−リン
系極圧剤および硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系極圧
剤から選ばれる一種以上の極圧剤を含有する潤滑グリー
スを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、潤滑グリースを
使用するボールねじに関し、さらに射出成形機の駆動装
置または電動プレス機の駆動装置に用いられるボールね
じに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なボールねじを、図1を用いて説
明すると、ねじ軸1とナット2がねじ溝1aの内外を循
環移動する複数のボール4を介して嵌まり合い、複数の
ボール4およびねじ溝1aを含めた循環路は潤滑グリー
ス(図示せず)で潤滑されており、ねじ軸1とナット2
は軸回りに回転しながら軸方向に相対移動が自在なもの
である。
【0003】このようなボールねじは、直線運動をする
部品用の軸受として使用され、転動循環するボールを介
してねじ軸とボールナットとの間で動力の伝達を行なう
ものである。
【0004】このように動力の伝達を行なうボールねじ
は、多数のボールが滑りを伴いながら転動するものであ
るため、ボールと循環路は転がり摩擦と滑り摩擦による
応力を同時に受けることになる。また、循環路内を移動
するボール同士が同方向に回転しながら接触するとき、
ボールの前後部の互いに逆方向に回転する部分同士が接
触するので、ボールの回転を止める方向に大きな摩擦力
が生じる。
【0005】また、ボールねじにおいては、一般的な転
がり軸受に比べて、その形状により軸受の内輪や外輪と
同程度の溝形状精度や面粗さに仕上げることが困難であ
り、ボールが損傷しやすく、ボールの耐久性がボールね
じの耐久性(寿命)を決めると考えられている。
【0006】このような摩擦力の発生を極力抑制するた
めに、複数のボールおよびねじ溝を含めた循環路には、
潤滑グリースなどの潤滑剤が塗布されて潤滑されてい
る。
【0007】軸受に使用される潤滑グリースのうち、特
に高温の摩擦面で油性剤の効果が失われないように潤滑
する必要のある場合には、極圧剤が配合される。このよ
うな極圧剤は、摩擦面となる金属面と化学反応し、添加
剤中の元素と鉄との無機化合物からなる柔らかくせん断
されやすい極圧膜を生成し、それにより焼きつき防止や
摩耗を減少させる作用がある。
【0008】周知の極圧剤としては、硫化オレフィンな
どの硫黄化合物、リン酸エステルなどのリン化合物、ジ
アルキルジチオリン酸塩類やジアルキルジチオカルバミ
ン酸塩類などの硫黄とリンと亜鉛を含む化合物、または
二硫化モリブデン、グラファイトなどが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のボールねじにおける潤滑剤は、多くても1〜2種類の
極圧剤が配合されたものであり、動力伝達により大きな
荷重が負荷されるボールねじに対して、ボールの損傷を
完全に防止できる極圧剤を添加した潤滑グリースを使用
したボールねじはなかった。
【0010】また、高荷重で直線移動距離(ストロー
ク)が短い用途のボールねじでは、ボールにかかる荷重
は相当に大きく、従来の極圧添加剤を配合した潤滑グリ
ースを配合すると油膜切れが起こり、そのまま使用すれ
ばボールの表面が摩耗して真円度が極端に低下し、ボー
ルねじは早期に寿命に達してしまう恐れがある。
【0011】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、摩擦面に油膜切れが起こり難く、ボール
表面に損傷が起こり難い耐久性の良いボールねじとする
ことである。
【0012】また、この発明の他の課題としては、高荷
重かつ短ストロークで使用される用途のボールねじにお
いて、その使用によるボールの損傷や真円度の低下を防
止して耐久性を向上させることである。さらにまた、高
荷重かつ短ストロークで使用される用途のボールねじに
係る発明では、具体的に射出成形機の駆動装置に用いら
れるボールねじ、または電動プレス機の駆動装置に用い
られるボールねじにおいて、ボールの摩耗損傷を防止し
て耐久性を向上させることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、ねじ軸とナットがねじ溝の内
外を循環移動する複数のボールを介して嵌まり合い、前
記複数のボールおよびその循環路を潤滑グリースで潤滑
し、前記ねじ軸とナットは軸回りに回転しながら軸方向
に相対移動が自在であるボールねじにおいて、前記潤滑
グリースが、二硫化モリブデンおよび有機モリブデン化
合物を含有すると共に、硫黄系極圧剤、硫黄−リン系極
圧剤および硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系極圧剤か
ら選ばれる一種以上の極圧剤を含有する潤滑グリースで
あることを特徴とするボールねじとしたのである。
【0014】上記のボールねじにおいて、有機モリブデ
ン化合物としては、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸
モリブデンもしくは硫化ジアルキルジチオリン酸モリブ
デンまたは両者併用した有機モリブデン化合物を採用す
ることが好ましく、硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系
極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛化合物を採用するこ
とが好ましい。
【0015】高荷重の短いストロークで使用されるボー
ルねじは、射出成形機の駆動装置に用いられるボールね
じ、または電動プレス機の駆動装置に用いられるボール
ねじとして使用することができる。
【0016】この発明のボールねじは、潤滑グリースと
して、二硫化モリブデンおよび有機モリブデン化合物を
含有することにより、ボール同士のすべり摩擦を低減す
ることができ、さらに硫黄系極圧剤、硫黄−リン系極圧
剤および硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系極圧剤から
選ばれる一種以上の極圧剤を含有するものを採用したこ
とにより、ボール表面の受ける荷重によって油膜切れが
おこらず、ボール表面の摩耗損傷が極めて起こり難くな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を以下に添付
図面を参照しながら説明する。図1に示すように、第1
実施形態のボールねじAは、ねじ軸1の外径面とナット
2の内径面にそれぞれねじ溝1a、2aを形成し、両ね
じ溝を対向させた際に形成される螺旋路3およびこの螺
旋路3の両端を連絡する連絡路(図示せず。)からなる
循環路に複数のボール4を自在に転がるように保持し、
螺旋路3内のボール4を介してナット2とねじ軸1を回
転自在に保持し、複数のボール4およびその循環路を潤
滑グリース(図示せず。)で潤滑するボールねじであ
る。
【0018】ここで、ボールねじの内部に封入される潤
滑グリースは、二硫化モリブデンおよび有機モリブデン
化合物を含有すると共に、硫黄系極圧剤、硫黄−リン系
極圧剤および硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系極圧剤
から選ばれる一種以上の極圧剤を含有する潤滑グリース
である。
【0019】また、この発明で使用する潤滑グリース
は、グリースの基本組成である基油および増ちょう剤を
含有することは勿論であり、基油としては、鉱物油、エ
ステル系合成油、エーテル系合成油、炭化水素系合成油
などを例示できる。
【0020】潤滑グリースに含まれる増ちょう剤として
は、金属石鹸またはウレア系増ちょう剤が挙げられる。
ウレア系増ちょう剤は、高温安定性がよいので、高荷重
で使用されるボールねじ用潤滑グリースには好ましい増
ちょう成分である。
【0021】この発明ではウレア系増ちょう剤のうち、
ジウレア系増ちょう剤を用い、好ましい結果を得ている
が、このようなジウレア系増ちょう剤は、下記の化学式
で示されるものである。
【0022】R1NH−CO−NH−C6H4−p−CH2 −C6H4−p
−NH−CO−NHR2 (式中、R1およびR2は、炭素数6〜7のアリール基また
はシクロヘキシル基であり、これらは同一であっても異
なっていてもよい。) このようなジウレア系増ちょう剤は、アニリン、p−ト
ルイジン、シクロヘキシルアミンなどのモノアミンとジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートとの反応
によって得られるものである。
【0023】この発明に用いる二硫化モリブデンは、一
般に固体潤滑剤として広く用いられているものであり、
この化合物は層状格子構造をしており、滑り運動によっ
て容易に薄層状にせん断され、金属同士の接触を妨げて
焼き付きを防止する作用のあるものである。
【0024】この発明に用いる有機モリブデン化合物と
しては、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン
もしくは硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデンまたは
両者併用した有機モリブデン化合物を例示できる。
【0025】硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブ
デンは、下記の式で示されるものが特に好ましい。
【0026】 〔R3 4 N−CS−S〕2 −MO2 OmSn (式中、R3 、R4 は炭素数1〜24のアルキル基を表
し、またm+n=4であり、かつmは0〜3、nは4〜
1である。
【0027】上記の化合物は固体潤滑剤として周知であ
り、例えばm=2.35〜3でありかつn=1.65〜
1のものが、特公昭45−24562号公報に、m=
0.5〜2.3でありかつn=3.5〜1.7のもの
が、特公昭53−31646号公報に開示されている。
【0028】硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデン
は、下記の化学式で示されるものである。
【0029】 〔(R5678- O)2 - PS- S〕2 - MO2 2 2 (式中、R5 、R6 、R7 、R8 は、それぞれ独立し
て、炭素数1 〜24、好ましくは3 〜20の1級または
2級のアルキル基、もしくは6〜30、好ましくは8〜
18のアリール基を示す。)
【0030】この発明に用いる硫黄系極圧剤は、硫化オ
レフィン、モノサルファイド、ポリサルファイドなどが
あり、これらは一般式R- Sx- Rで示されるものであ
る。硫化オレフィンの代表例としては、イソブチレンと
硫黄との反応生成物がある。硫黄系極圧剤は、極圧膜と
して、FeS、FeS2 、Fe3 4 、酸化鉄FeO、
Fe2 3 、Fe3 4 さらにはFeSO4 などの混合
膜を生成する。
【0031】この発明で用いる硫黄−リン系極圧剤は、
チオフォスフェートと別称されるものであり、チオフォ
スフェートの好ましい例としては、下記の式に示される
ものが挙げられる。
【0032】 (R3 O)(R4 O)P(=S)(OR5 ) (式中、R3 は炭素数1〜24のアルキル基、シクロア
ルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、ア
ルキルアリール基、アリールアルキル基を示し、R4
5 は水素原子または炭素数1〜24のアルキル基、シ
クロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アリールアルキル基を示
す。) 特に好ましいものとしては、R3 、R4 、R5 が、炭素
数12もしくは13のアルキル基であるトリアルキルチ
オフォスフェート、トリ(アルキルフェニル)チオフォ
スフェートである。
【0033】この発明で用いる硫黄・リン・亜鉛を含む
有機金属系極圧剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛また
はジアリルジチオリン酸亜鉛と呼ばれ、またはジンクジ
アルキルジチオフオスフェート(ZnDTP)と称され
るものである。
【0034】ジチオリン酸亜鉛化合物の好ましい例とし
ては、下記の式で表されるものが挙げられる。
【0035】〔R6 O)2 −PS−S〕2 −Zn (式中、R6 は炭素数1〜24のアルキル基または炭素
数6〜30のアリール基を表す。特に好ましいものは、
6 が炭素数3〜8の一級または二級アルキル基のもの
である。)このようなジチオリン酸亜鉛は、金属(鉄)
表面に吸着した後、熱分解によりアルキル基からオレフ
ィンを発生させると共に、硫化水素、メルカプタンまた
はアルキルサルファイドを発生し、次いで硫黄、リン、
亜鉛を含む無機性ポリマーからなる極圧膜を形成して摩
耗防止作用を行なう。
【0036】ジチオリン酸亜鉛化合物は、脂肪酸アミド
と併用することも好ましく、脂肪酸アミドとしては、下
記の式に示すパルミチン酸アミドやステアリン酸アミド
などが挙げられる。
【0037】R7 CONH2 (式中、R7 は炭素数16〜17のアルキル基を示
す。)
【0038】以上説明した材料からなるボールねじ用の
グリース組成物の具体例を以下に挙げる。すなわち、下
記のa〜fを必須成分とするグリース組成物(1)、好
ましくはa〜fの成分を所定割合で配合したグリース組
成物(2)、または下記のa’〜g ’を必須成分とする
グリース組成物(3)、好ましくはa’〜g’の成分を
所定割合で配合したグリース組成物(4)である。 (1)グリース組成物A (a)基油 (b)ジウレア系増ちょう剤 (c)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン (d)二硫化モリブデン (e)ジチオリン酸亜鉛化合物、及びチオフォスフェート
からなる群から選ばれる1種以上の硫黄−リン系極圧剤 (f)脂肪酸アミド (2)グリース組成物B (a)基油 (b)ジウレア系増ちょう剤1〜25重量% (c)硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン0.
1〜5重量% (d)二硫化モリブデン0.1〜5重量% (e)ジチオリン酸亜鉛化合物、及びチオフォスフェート
からなる群から選ばれる1種以上の硫黄−リン系極圧剤
0.1〜5重量% (f)脂肪酸アミド0.1〜5重量% (3)グリース組成物C (a') 基油 (b') 下記の式で示されるジウレア系増ちょう剤 R1NH−CO−NH−C6H4−p−CH2 −C6H4−p−NH−CO−NH
R2 (式中、R1およびR2は、炭素数6〜7のアリール基また
はシクロヘキシル基であり、これらは同一であっても異
なっていてもよい。) (c') 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン (d') 硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデン (e') 二硫化モリブデン (f') アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩 (g') 硫黄系極圧剤(リンを含まないものに限る。) (4)グリース組成物D (a') 基油 (b') 下記の式で示されるジウレア系増ちょう剤1〜2
5重量% R1NH−CO−NH−C6H4−p−CH2 −C6H4−p−NH−CO−NH
R2 (式中、R1およびR2は、炭素数6〜7のアリール基また
はシクロヘキシル基であり、これらは同一であっても異
なっていてもよい。) (c') 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン
0.1〜5重量% (d') 硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデン0.1〜
5重量% (e') 二硫化モリブデン0.1〜5重量% (f') アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩0.1
〜5重量% (g') 硫黄系極圧剤(リンを含まないものに限る。)
0.1〜5重量%
【0039】次に、図2に示すように、第2実施形態の
射出成形機の駆動装置に用いられるボールねじAは、第
1実施形態と同じ構造を有するものであり、インライン
スクリュー式横型射出成形機における射出部駆動装置S
1 に取り付けられている。
【0040】射出部駆動装置S1 は加熱シリンダー5内
に挿入された押出しスクリュー6をその軸線方向に進退
させる装置であって、減速機とモータとからなる回転駆
動源7を有し、その駆動軸にボールねじAのねじ軸1を
結合している。ねじ軸1に嵌合されたナット2は円筒状
の連結部材9の内径面に一体化されている。連結部材9
の一端は押出しスクリュー6の後端に連結され、その押
出しスクリュー6とねじ軸1とが同心状に配置されてい
る。
【0041】上記の押出しスクリュー6は加熱シリンダ
ー5の内部で軸受10により回転・進退自在に支持さ
れ、加熱シリンダー5の外部に露出した後端部にセレー
ション11が形成されている。そのセレーション11の
部分に歯車12がかみ合わされ、更にその歯車12にか
み合わされた歯車13を介して、押出しスクリュー6の
回転駆動源14に連結されている。加熱シリンダー5の
上部に材料供給用のホッパー15が設けられ、また加熱
シリンダー5の外周面にヒータ16が装着されている。
【0042】上記のホッパー15内の樹脂材料は回転駆
動源14により押出しスクリュー6を回転させることに
より前方に送られ、ヒータ16により加熱溶融される。
射出部駆動装置S1 の回転駆動源7を駆動してボールね
じAのねじ軸1を回転させると、ナット2及びこれと一
体の連結部材9が前進し、その連結部材9に連結された
押出しスクリュー6を前進させ、加熱シリンダー5内の
溶融樹脂を先端のノズル17から固定盤18内に注入す
る。樹脂の注入を終えると、回転駆動源14により押出
しスクリュー6を樹脂材料の送り出し方向に回転させ、
樹脂材料を送り出すと共に、連結部材9とナット2の回
転により押出しスクリュー6を後退させ、次の押出しに
備える。
【0043】一方、前記の型締部駆動装置S2 は、電動
プレス機の一種であり、固定台19に軸受21を介して
ボールねじ22のナット23を回転自在に支持せしめ、
そのナット23にモータと減速装置とからなる回転駆動
源24の回転駆動力をベルト25によりナット23に伝
達している。上述の射出部駆動装置S1 及び型締部駆動
装置S2 のボールねじAと22は同様の構造である。そ
のナット23にねじ軸26が嵌合され、ねじ軸26の先
端に可動盤27を連結している。
【0044】可動盤27は前記の固定盤18と固定台1
9との間に設けられた案内バー28によりスライド自在
に支持され、固定盤18に対し接近・離反するようにな
っている。固定盤18と可動盤27との対向面に金型2
9、29’が搭載される。また、可動盤27には、図示
を省略しているが、成形された製品を突き出すための突
き出しピンが出没自在に設けられている。
【0045】上記の型締部駆動装置S2 は、その回転駆
動源24の回転によりナット23を回転させ、これによ
りねじ軸26と共に可動盤27を固定盤18の方向に前
進させることにより金型29、29’の型締め(プレ
ス)を行う。また逆転させることにより可動盤27を後
退させ、金型29、29’を開放して成形製品を突き出
す。
【0046】次に、図3に示した第3実施形態は、型締
部駆動装置S2 において、ボールねじ22のナット23
を可動盤27に固定し、これに嵌合したねじ軸26を固
定台19の軸受21により回転自在に支持するようにし
たものであり、ねじ軸26に回転駆動源24が結合して
いる。回転駆動源24の回転により、ねじ軸26が回転
するとナット23と一体の可動盤27が進退し、金型2
9、29’の型締めと開放を行なう。その他の構造は、
第2実施形態のものと同一である。
【0047】
【実施例】〔実施例1〕容器に基油として鉱油4100
gとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート1
012gを入れ、これらの混合物を70〜80℃に加熱
した。また、別の容器に基油(鉱油)4100gとシク
ロヘキシルアミン563g、アニリン225gを入れ、
70〜80℃に加熱した後、混合物を入れた先の容器に
加えた。そして混合物をよく攪拌しながら加熱し160
℃まで昇温させた後に放冷し、ベースグリースを製造し
た。このベースグリース94重量%に対して下記に示し
た添加剤c〜fを配合すると共に、適宜に基油を添加し
ながら混合物を三段ロールミルでちょう度No.1のグ
レードに調整した。 (c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(R.
T.Vanderbilt社製:Molyvan) 3重量% (d) 二硫化モリブデン(CLIMAX MOLYBDENUM社製:Molysul
fide、平均粒径0.45μm)1.0重量% (e) ジチオリン酸亜鉛 0.5重量% (e) チオフォスフェート(CIBA-GEIGY 社製:Irgalube21
1) 0.5重量% (f) 脂肪酸アミド(ライオンアクゾ社製:アーマイドHT
パウダー)1.0重量% 〔実施例2〕実施例1と全く同様にして製造したベース
グリース92重量%に対して下記に示した添加剤c' 〜
g ' を配合すると共に、適宜に基油を添加しながら混合
物を三段ロールミルでちょう度No.1のグレードに調
整した。 (c')硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(R.
T.Vanderbilt社製:Molyvan) 2.0重量% (d')硫化ジアルキルジチオリン酸モリブデン(R.T.Vand
erbilt社製:Molyvan L)1.0重量% (e')二硫化モリブデン(CLIMAX MOLYBDENUM社製:Molysul
fide、平均粒径0.45μm)2.0重量% (f')カルシウムスルホネート(KING INDUSTRIES社製:NAS
UL729)2.0重量% (g')硫黄系極圧添加剤(日本ルーブリゾール社製:Angl
amol 33 )1.0重量% 〔比較例1〜5〕以下の市販のグリースを使用した。な
お、比較例2、3のグリースには、モリブデン化合物で
あるダウコーニング社製:モリコート マイクロパウダ
ーをそれぞれ0.5重量%、4.0重量%添加した。
【0048】・比較例1〜3(リューベ社製:ルベール
〔LUBER NS〕No.2、混和ちょう度25℃で283、滴点
194℃、基油動粘度40℃:127.9mm2 /s,
100℃:13.80mm2 /s、基油粘度指数10
2) ・比較例4 (共同油脂社製:パルマックス、基油動
粘度100℃:17.2、混和ちょう度300[JIS
K 2220.5.3]、滴点215℃) ・比較例5 (共同油脂社製:モリホワイト1B24
0、基油動粘度100℃:28.2、混和ちょう度32
5[JIS K 2220.5.3]、滴点180℃) 以上のようにして得られた実施例1および比較例1〜5
の潤滑グリースを図2に示した構造の射出成形機の射出
部駆動装置用のボールねじに封入し、以下のように耐久
性(ボールの真円度)を調べる耐久性試験を行なった。
【0049】すなわち、耐久性試験におけるボールねじ
の負荷条件は、最大負荷30トン(×1000)kgで
あり、無負荷〜30トン負荷〜無負荷のサイクルを20
万回繰り返す荷重サイクルを経た後にボールの真円度
(μm)を調べた。これらの配合材料と試験結果を表1
に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果からも明らかなように、二硫化
モリブデンと有機モリブデン化合物に加えて所定の極圧
剤を配合しなかった比較例1〜5のボールねじは、ボー
ル真円度が2.17〜8.62μmという摩耗損傷状態
であった。
【0052】比較例のボールねじは、従来同様のグリー
スを使用したものであり、モリブデンの配合量の多少に
かかわらず、ボール摩耗減少の効果は少なかった。ま
た、高PV仕様のグリースを用いた場合でも所期した効
果が認められなかった。また、基油にポリマーを配合し
て付着性を改良した比較例5では、ボール摩耗減少の効
果が若干認められたが、所期した程度にまで至らなかっ
た。
【0053】これに対して、二硫化モリブデンと有機モ
リブデン化合物に加えて所定の極圧剤を配合した実施例
1、2のボールねじは、耐久性試験後にボール真円度が
0.35〜0.40μmという極めて摩耗損傷が少ない
状態であった。このように実施例には明らかに顕著な摩
耗損傷防止性が認められた。
【0054】
【発明の効果】この発明のボールねじは、以上説明した
ように、二硫化モリブデンおよび有機モリブデン化合物
を含有すると共に、一種以上の所定の極圧剤を含有する
潤滑グリースで潤滑するボールねじであるので、摩擦面
に油膜切れが起こり難く、ボール表面に損傷が起こり難
くて耐久性が良いという利点がある。
【0055】また、高荷重かつ短ストロークで使用され
る用途のボールねじにおいて、その使用によるボールの
損傷や真円度の低下を防止して耐久性を向上させる利点
もある。
【0056】この発明の射出成形機の駆動装置に用いら
れるボールねじ、または電動プレス機の駆動装置に用い
られるボールねじは、高荷重かつ短ストロークで使用さ
れる用途でボールの摩耗損傷が防止され、ボールについ
て過酷な所定の使用条件においても耐久性に優れている
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図
【図2】第2実施形態を示す一部断面正面図
【図3】第3実施形態の要部を示す一部断面正面図
【符号の説明】
1、26 ねじ軸 1a、2a ねじ溝 2、8、23 ナット 3 螺旋路 4 ボール 5 加熱シリンダー 6 押出しスクリュー 7、14、24 回転駆動源 9 連結部材 10、21 軸受 11 セレーション 12、13 歯車 15 ホッパー 16 ヒータ 17 ノズル 18 固定盤 19 固定台 25 ベルト 27 可動盤 28 案内バー 29、29’ 金型 A、22 ボールねじ S1 射出部駆動装置 S2 型締部駆動装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸とナットがねじ溝の内外を循環移
    動する複数のボールを介して嵌まり合い、前記複数のボ
    ールおよびその循環路を潤滑グリースで潤滑し、前記ね
    じ軸とナットは軸回りに回転しながら軸方向に相対移動
    が自在であるボールねじにおいて、 前記潤滑グリースが、二硫化モリブデンおよび有機モリ
    ブデン化合物を含有すると共に、硫黄系極圧剤、硫黄−
    リン系極圧剤および硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系
    極圧剤から選ばれる一種以上の極圧剤を含有する潤滑グ
    リースであることを特徴とするボールねじ。
  2. 【請求項2】 有機モリブデン化合物が、硫化ジアルキ
    ルジチオカルバミン酸モリブデンもしくは硫化ジアルキ
    ルジチオリン酸モリブデンまたは両者併用した有機モリ
    ブデン化合物である請求項1記載のボールねじ。
  3. 【請求項3】 硫黄・リン・亜鉛を含む有機金属系極圧
    剤が、ジチオリン酸亜鉛化合物である請求項1記載のボ
    ールねじ。
  4. 【請求項4】 ボールねじが、射出成形機の駆動装置に
    用いられるボールねじである請求項1〜3のいずれかに
    記載のボールねじ。
  5. 【請求項5】 ボールねじが、電動プレス機の駆動装置
    に用いられるボールねじである請求項1〜3のいずれか
    に記載のボールねじ。
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