JP2001048516A - 13c濃縮二酸化炭素の製造方法 - Google Patents

13c濃縮二酸化炭素の製造方法

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JP2001048516A
JP2001048516A JP11222528A JP22252899A JP2001048516A JP 2001048516 A JP2001048516 A JP 2001048516A JP 11222528 A JP11222528 A JP 11222528A JP 22252899 A JP22252899 A JP 22252899A JP 2001048516 A JP2001048516 A JP 2001048516A
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Shizuma Kuribayashi
志頭真 栗林
Shigeyoshi Arai
重義 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 13Cの濃度の高い二酸化炭素を比較的小規模
な設備で、かつ、効率的に大量生産できる13C濃縮二酸
化炭素の製造方法を提供すること。 【解決手段】 β−プロピオラクトン(β−propi
olactone)の構造中に存在するカルボニル基
(C=O)のうち、炭素同位体13Cを有するカルボニル
基(13C=O)が同位体選択的に光吸収する照射レーザ
光5を自由電子レーザ装置1から出力し、レンズ2を介
して集光して、光学セル3中のβ−プロピオラクトンに
照射し、炭素同位体13Cを有するβ−プロピオラクトン
の分解を促して、分解によって生成される二酸化炭素中
13C濃度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然界で安定的に
存在する炭素同位体12C、13Cのうち、13Cの比率を高
めた二酸化炭素を製造する13C濃縮二酸化炭素の製造方
法に関し、より詳細には、赤外レーザを用いて13C濃度
の濃い二酸化炭素を製造する13C濃縮二酸化炭素の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界には安定な炭素同位体として、質
量12の炭素同位体12Cと、質量13の炭素同位体13
の二つが98.90:1.10の存在比(%)で存在し
ている。この二つの炭素同位体のうち、13Cの比率(濃
縮度)を高めることによって、炭素化合物に安全な(す
なわち、放射線の出ない)ラベルを付けることが可能で
あることは周知である。特に、生命体の基本構成化合物
の多くは炭素化合物であり、これにラベルを付けること
は、医療診断や新陳代謝の状況把握などの観点から、非
常に有用である。
【0003】たとえば、胃潰瘍の原因菌であるヘリコバ
クタ・ピロリ菌(helicobacter pylo
ri)を検出する有効な方法として、この菌が好んで尿
素を分解してCO2 を出すことに着目し、患者に13Cの
比率(濃縮度)を高めた尿素(以下、判りやすくするた
めに、13CO(NH2 2 と記載する)を投与して、呼
気中の13CO2 を検出することにより、ヘリコバクタ・
ピロリ菌の有無を検出する方法が考えられる。
【0004】ところで、尿素は、工業的には、以下のよ
うにアンモニアと二酸化炭素とから合成される。 2NH3 +CO2 → CO(NH2 2 +H2 O したがって、上記ヘリコバクタ・ピロリ菌の有無を検出
する方法のように炭素同位体13Cをラベルとして使用す
る場合には、予め13Cを濃縮した二酸化炭素( 13
2 )を材料として、13Cを濃縮した尿素(13CO(N
2 2 )を生成すれば良いことになる。このため、13
Cの濃度の高い二酸化炭素(13CO2 )の提供が望まれ
ている。
【0005】一方、13Cを濃縮する従来の方法として
は、以下の〜が知られている。 カルバミン酸法 :下記の化学平衡を利用した濃縮
操作を繰り返すことにより、13Cの濃縮を行う。ここ
で、⇔は平衡反応を示すものとする。 NH3 13CO⇔H2 13C(CO)OH
【0006】 深冷蒸留法 :13C濃縮のための13
分離製造方法として従来から行われている方法であり、
これは軽い同位体元素の分離に使われる方法で、同位体
元素(化合物)間での蒸発・凝縮のし易さの差を利用し
て分離する方法である。13C分離では一酸化炭素COを
用い、多段の蒸留塔と80Kの冷凍設備などを設置して
13C濃縮COを大量生産している。
【0007】 レーザ分離法 :有力な13C分離の方
法として研究開発及び報告されている方法であり、その
従来発表例としては、たとえば、(ア)〜(ウ)があ
る。これらは、いずれも赤外レーザ光を集光して対象ガ
スに照射し、赤外多光子吸収解離による光化学反応を用
いている。同位体間の化合物の赤外多光子吸収特性(吸
収波長の違い)を利用して同位体分離を行うものであ
る。 (ア)213CHClF2 +nhν→132 4 +2HC
l レーザ波長9.569μm、ガス圧1Torrで13Cを
33%(天然存在比率は1.1%)に濃縮できる。 (イ)213CHBrF2 +nhν→132 4 +2HB
r レーザ波長9.569μm、ガス圧1Torrで13Cを
35%(天然存在比率は1.1%)に濃縮できる。 (ウ)H13COOH+nhν→H2 O+13CO レーザ波長5.85μm、ガス圧1Torrで13Cを1
9.5%(天然存在比率は1.1%)に濃縮できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術によれば、以下の如き問題点があった。第1
に、カルバミン酸法によれば、化学平衡での濃縮操作
を多数回繰り返す必要があり、効率が悪い上に、設備の
規模が大きくなるという問題点や大量生産に向かないと
いう問題点があった。第2に、深冷蒸留法では、13
分離に一酸化炭素COを用いており、COを大量生産す
るために多段の蒸留塔と80Kの冷凍設備などを設置す
る必要があり、設備コストがかかるという問題点があっ
た。第3に、レーザ分離法によれば、比較的小規模な設
備で、13Cを効率的に濃縮し、大量生産できるものの、
それぞれ13Cが濃縮された反応物(生成物)として 13
2 4 および13COを生成するため、13Cの濃度の高い
二酸化炭素が必要である場合には、これらの反応物(13
2 4 および13CO)から二酸化炭素を生成する必要
があり、効率的でないという問題点があった。
【0009】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、13Cの濃度の高い二酸化炭素を比較的小規模な設備
で、かつ、効率的に大量生産できる13C濃縮二酸化炭素
の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる13C濃縮二酸化炭素の製造方法
は、自然界で安定的に存在する炭素同位体12C、13Cの
うち、13Cの比率を高めた二酸化炭素を製造する13C濃
縮二酸化炭素の製造方法であって、光を吸収することに
より分解反応が促進され、分解生成物として二酸化炭素
を生成する炭素化合物を用いて、該炭素化合物の構造中
に存在するカルボニル基(C=O)のうち、炭素同位体
13Cを有するカルボニル基(13C=O)が同位体選択的
に光吸収する赤外レーザ光を前記炭素化合物に照射し、
炭素同位体13Cを有する炭素化合物の分解を促して、分
解によって生成される二酸化炭素中の13C濃度を高める
ものである。
【0011】また、請求項2にかかる13C濃縮二酸化炭
素の製造方法は、自然界で安定的に存在する炭素同位体
12C、13Cのうち、13Cの比率を高めた二酸化炭素を製
造する13C濃縮二酸化炭素の製造方法であって、β−プ
ロピオラクトン(β−propiolactone)の
構造中に存在するカルボニル基(C=O)のうち、炭素
同位体13Cを有するカルボニル基(13C=O)が同位体
選択的に光吸収する赤外レーザ光を前記β−プロピオラ
クトンに照射し、炭素同位体13Cを有するβ−プロピオ
ラクトンの分解を促して、分解によって生成される二酸
化炭素中の13C濃度を高めるものである。
【0012】また、請求項3にかかる13C濃縮二酸化炭
素の製造方法は、請求項1または2に記載の13C濃縮二
酸化炭素の製造方法において、前記赤外レーザ光が、レ
ーザ光の波長を可変可能な自由電子レーザ装置からのレ
ーザ光である。
【0013】また、請求項4にかかる13C濃縮二酸化炭
素の製造方法は、請求項1または2に記載の13C濃縮二
酸化炭素の製造方法において、前記赤外レーザ光が、C
O分子が振動回転準位間の遷移に伴ってレーザ発振する
ガスレーザの原理を用いたCOレーザ装置からのレーザ
光である。
【0014】また、請求項5にかかる13C濃縮二酸化炭
素の製造方法は、請求項1または2に記載の13C濃縮二
酸化炭素の製造方法において、前記赤外レーザ光が、レ
ーザ光の波長を可変可能な自由電子レーザ装置からのレ
ーザ光またはCO分子が振動回転準位間の遷移に伴って
レーザ発振するガスレーザの原理を用いたCOレーザ装
置からのレーザ光のいずれかと、他の波長のレーザ光と
を重畳したレーザ光である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる13C濃縮二
酸化炭素の製造方法の実施の形態について添付の図面を
参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により
この発明が限定されるものではない。
【0016】図1は、実施の形態1の13C濃縮二酸化炭
素の製造方法を示す説明図である。図において、1は赤
外レーザ光を出力する自由電子レーザ装置、2は赤外レ
ーザ光を集光するレンズ、3は13C濃縮二酸化炭素を製
造するための出発物質であるβ−プロピオラクトン(β
−propiolactone)を収納した光学セル、
4はダンパー、5は赤外レーザ光である照射レーザ光を
示す。
【0017】ここで、自由電子レーザ装置1は、電子ビ
ームをほぼ光速にまで加速したのち、交番磁界の作用で
電子群を収束、同期して照射レーザ光5を出す原理のも
のである。電子ビームエネルギーや交番磁界のピッチ長
を変えることにより、照射レーザ光5の波長を自由に変
えることができる特性を持っている。
【0018】また、レンズ2は、自由電子レーザ装置1
から出力された5.60μmの照射レーザ光5を集光
し、光学セル3中のβ−プロピオラクトンに照射する。
光学セル3は密閉容器になっており、外部からの気体の
侵入はないが、両端が光学窓になっていて照射レーザ光
5を良く透す構造である。また、光学セル3中に密閉さ
れたβ−プロピオラクトンの圧力は2Torrである。
【0019】さらに、β−プロピオラクトンのカルボニ
ル基(C=O)は、12C=Oと13C=Oとの同位体シフ
トが0.11μmあるので、それ以下のスペクトル幅の
レーザ光で、かつ中心波長が5.40μmから5.80
μmの中にある照射レーザ光を使用することが望まし
い。したがって、実施の形態1では、中心波長が5.6
0μm、スペクトル幅が0.044μmの照射レーザ光
5を使用する。
【0020】以上の構成および条件において、自由電子
レーザ装置1が、β−プロピオラクトンの炭素同位体13
Cを有するカルボニル基(13C=O)が同位体選択的に
光吸収する赤外レーザ光である照射レーザ光5を出力す
ると、レンズ2を介して光学セル3中のβ−プロピオラ
クトンに照射レーザ光5が照射され、以下の反応が起こ
ってCO2 が生成される。 C3 4 2 +nhν→ CO2 +C2 4
【0021】ここで、C3 4 2 がβ−プロピオラク
トンであり、nhνがβ−プロピオラクトンの炭素同位
13Cを有するカルボニル基(13C=O)が同位体選択
的に光吸収する赤外レーザ光であるので、13C=Oを構
造中に有するC3 4 2 の分解が多く進み、反応の促
進によって生成されるCO2 中には13CO2 が多く含ま
れることになる。換言すれば、生成されるCO2 中には
13Cが濃縮されることになる。
【0022】このようにして生成したCO2 中の13CO
2 比率を測定したところ、13CO2比率を14%まで高
めることができた。
【0023】前述したように実施の形態1の13C濃縮二
酸化炭素の製造方法によれば、13Cの濃度の高い二酸化
炭素を比較的小規模な設備で、かつ、効率的に大量生産
することができる。
【0024】図2は、実施の形態2の13C濃縮二酸化炭
素の製造方法を示す説明図である。実施の形態2では、
実施の形態1の自由電子レーザ装置1に代えて、COレ
ーザ装置6を用いたものである。なお、その他の構成は
同様に付き、ここでは異なる部分のみを説明する。
【0025】COレーザ装置6は、CO分子が振動回転
準位間の遷移に伴ってレーザ発振するガスレーザの原理
を用いたものであり、5.3μmから6.0μmにかけ
て発振する(ただし、連続した発振ではない)。このC
Oレーザ装置6は、ガスレーザであるので、比較的コン
パクトで安価であるという利点を有している。また、C
Oレーザ装置6から照射される赤外レーザ光は、スペク
トル幅を自由電子レーザ装置の赤外レーザ光よりも大幅
に狭くできるので、カルボニル基(13C=O)に対する
選択性があがり、さらに13C濃縮効率が高くなるという
利点を有している。
【0026】上記の装置構成において、COレーザ装置
6から照射レーザ光5をβ−プロピオラクトンに照射
し、分解反応を促進させたところ、実施の形態2におい
ても、実施の形態1と同様の効果を得ることできた。こ
のようにして生成したCO2 中の13CO2 比率を測定し
たところ、13CO2 比率を20%程度まで高めることが
できた。
【0027】図3は、実施の形態3の13C濃縮二酸化炭
素の製造方法を示す説明図である。実施の形態3では、
β−プロピオラクトンに照射される赤外レーザ光が、レ
ーザ光の波長を可変可能な自由電子レーザ装置からのレ
ーザ光またはCO分子が振動回転準位間の遷移に伴って
レーザ発振するガスレーザの原理を用いたCOレーザ装
置からのレーザ光のいずれかと、他の波長のレーザ光と
を重畳したレーザ光であるものである。
【0028】なお、実施の形態1と同一の構成は共通の
符号を付して、ここでは異なる部分のみを説明する。図
において、7は自由電子レーザ装置1からの照射レーザ
光5に、他の波長のレーザ光8を重畳するためのレーザ
装置を示し、たとえばCO2レーザ装置(10μm)を
用いる。このレーザ光8の波長は特に限定されるもので
はない。
【0029】図において、9は、ミラーであり、照射レ
ーザ光5を透過し、レーザ光8を反射させる機能を有し
ている。このミラー9を用いることにより、照射レーザ
光5にレーザ光8が重畳されて照射レーザ光10とな
り、レンズ2を介して光学セル3のβ−プロピオラクト
ンへ照射される。
【0030】上記の装置構成において、自由電子レーザ
装置1からの照射レーザ光5にレーザ装置7からのレー
ザ光8を重畳した照射レーザ光10をβ−プロピオラク
トンに照射し、分解反応を促進させたところ、実施の形
態3においても、実施の形態1と同様の効果を得ること
できた。
【0031】さらに、実施の形態3の方法では、二つの
レーザ装置を使用しているので、5μm帯のレーザ出力
が少なくてすむという利点がある。すなわち、濃縮に必
要なレーザ出力の大部分を市販品で安価なCO2 レーザ
装置でまかなうことができ、コストメリットが高いとい
う効果を奏することができる。
【0032】なお、実施の形態3では、自由電子レーザ
装置1と他の波長のレーザ装置7(CO2 レーザ装置)
を用いた例を示したが、COレーザ装置6とレーザ装置
7とを組み合わせて用いても良いのは勿論である。
【0033】前述した実施の形態1〜実施の形態3にお
いては、光を吸収することにより分解反応が促進され、
分解生成物として二酸化炭素を生成する炭素化合物とし
てβ−プロピオラクトンを用いた例を示したが、炭素化
合物の構造中に存在するカルボニル基(C=O)のう
ち、カルボニル基(13C=O)を有する炭素化合物に赤
外レーザ光を照射することにより、分解によって二酸化
炭素が生成される炭素化合物であれば適用可能であるの
は勿論である。
【0034】たとえば、以下に示すような、炭酸ジメチ
ル((CH3 O)2 CO)の分解反応を利用することも
できる。 (CH3 O)2 CO+nhν→ CO2 +CH3 OCH
3
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる13
C濃縮二酸化炭素の製造方法(請求項1)によれば、光
を吸収することにより分解反応が促進され、分解生成物
として二酸化炭素を生成する炭素化合物を用いて、該炭
素化合物の構造中に存在するカルボニル基(C=O)の
うち、炭素同位体13Cを有するカルボニル基(13C=
O)が同位体選択的に光吸収する赤外レーザ光を炭素化
合物に照射し、炭素同位体 13Cを有する炭素化合物の分
解を促して、分解によって生成される二酸化炭素中の13
C濃度を高めるため、13Cの濃度の高い二酸化炭素を比
較的小規模な設備で、かつ、効率的に大量生産できる13
C濃縮二酸化炭素の製造方法を提供することができる。
【0036】また、本発明にかかる13C濃縮二酸化炭素
の製造方法(請求項2)によれば、β−プロピオラクト
ン(β−propiolactone)の構造中に存在
するカルボニル基(C=O)のうち、炭素同位体13Cを
有するカルボニル基(13C=O)が同位体選択的に光吸
収する赤外レーザ光をβ−プロピオラクトンに照射し、
炭素同位体13Cを有するβ−プロピオラクトンの分解を
促して、分解によって生成される二酸化炭素中の13C濃
度を高めるため、13Cの濃度の高い二酸化炭素を比較的
小規模な設備で、かつ、効率的に大量生産できる13C濃
縮二酸化炭素の製造方法を提供することができる。
【0037】また、本発明にかかる13C濃縮二酸化炭素
の製造方法(請求項3)によれば、請求項1または2に
記載の13C濃縮二酸化炭素の製造方法において、赤外レ
ーザ光が、レーザ光の波長を可変可能な自由電子レーザ
装置からのレーザ光であるため、炭素同位体13Cを有す
るカルボニル基(13C=O)が光吸収する波長のレーサ
光を効率的に照射することができ、13C濃縮二酸化炭素
の生成効率を高めることができる。
【0038】また、本発明にかかる13C濃縮二酸化炭素
の製造方法(請求項4)によれば、請求項1または2に
記載の13C濃縮二酸化炭素の製造方法において、赤外レ
ーザ光が、CO分子が振動回転準位間の遷移に伴ってレ
ーザ発振するガスレーザの原理を用いたCOレーザ装置
からのレーザ光であるため、比較的安価の構成で、炭素
同位体13Cを有するカルボニル基(13C=O)が光吸収
する波長のレーサ光を効率的に照射することができる。
【0039】さらに、本発明にかかる13C濃縮二酸化炭
素の製造方法(請求項5)によれば、請求項1または2
に記載の13C濃縮二酸化炭素の製造方法において、赤外
レーザ光が、レーザ光の波長を可変可能な自由電子レー
ザ装置からのレーザ光またはCO分子が振動回転準位間
の遷移に伴ってレーザ発振するガスレーザの原理を用い
たCOレーザ装置からのレーザ光のいずれかと、他の波
長のレーザ光とを重畳したレーザ光であるため、濃縮に
必要なレーザ出力の大部分を市販品のレーザ装置、たと
えば、CO2 レーザ装置でまかなうことができ、製造の
際の装置コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の13C濃縮二酸化
炭素の製造方法を示す説明図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態2の13C濃縮二酸化
炭素の製造方法を示す説明図である。
【図3】本発明にかかる実施の形態3の13C濃縮二酸化
炭素の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 自由電子レーザ装置 2 レンズ 3 光学セル 4 ダンパー 5 照射レーザ光 6 COレーザ装置 7 レーザ装置(CO2 レーザ装置)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然界で安定的に存在する炭素同位体12
    C、13Cのうち、13Cの比率を高めた二酸化炭素を製造
    する13C濃縮二酸化炭素の製造方法であって、 光を吸収することにより分解反応が促進され、分解生成
    物として二酸化炭素を生成する炭素化合物を用いて、該
    炭素化合物の構造中に存在するカルボニル基(C=O)
    のうち、炭素同位体13Cを有するカルボニル基(13C=
    O)が同位体選択的に光吸収する赤外レーザ光を前記炭
    素化合物に照射し、炭素同位体13Cを有する炭素化合物
    の分解を促して、分解によって生成される二酸化炭素中
    13C濃度を高めることを特徴とする13C濃縮二酸化炭
    素の製造方法。
  2. 【請求項2】 自然界で安定的に存在する炭素同位体12
    C、13Cのうち、13Cの比率を高めた二酸化炭素を製造
    する13C濃縮二酸化炭素の製造方法であって、 β−プロピオラクトン(β−propiolacton
    e)の構造中に存在するカルボニル基(C=O)のう
    ち、炭素同位体13Cを有するカルボニル基(13C=O)
    が同位体選択的に光吸収する赤外レーザ光を前記β−プ
    ロピオラクトンに照射し、炭素同位体13Cを有するβ−
    プロピオラクトンの分解を促して、分解によって生成さ
    れる二酸化炭素中の13C濃度を高めることを特徴とする
    13C濃縮二酸化炭素の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記赤外レーザ光は、レーザ光の波長を
    可変可能な自由電子レーザ装置からのレーザ光であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の13C濃縮二酸
    化炭素の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記赤外レーザ光は、CO分子が振動回
    転準位間の遷移に伴ってレーザ発振するガスレーザの原
    理を用いたCOレーザ装置からのレーザ光であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の13C濃縮二酸化炭
    素の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記赤外レーザ光は、レーザ光の波長を
    可変可能な自由電子レーザ装置からのレーザ光またはC
    O分子が振動回転準位間の遷移に伴ってレーザ発振する
    ガスレーザの原理を用いたCOレーザ装置からのレーザ
    光のいずれかと、他の波長のレーザ光とを重畳したレー
    ザ光であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    13C濃縮二酸化炭素の製造方法。
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Cited By (3)

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