JPH0331489B2 - - Google Patents

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JPH0331489B2
JPH0331489B2 JP24930187A JP24930187A JPH0331489B2 JP H0331489 B2 JPH0331489 B2 JP H0331489B2 JP 24930187 A JP24930187 A JP 24930187A JP 24930187 A JP24930187 A JP 24930187A JP H0331489 B2 JPH0331489 B2 JP H0331489B2
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JP
Japan
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hcl
carbon
laser
reaction
hbr
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JP24930187A
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JPH01194931A (ja
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Shigeyoshi Arai
Shohei Isomura
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レーザーを用いた炭素13の濃縮法に
関し、詳しくは赤外多光子解離を用いたレーザー
同位体分離による炭素13の濃縮法に関する。
(従来技術) 天然に存在する炭素は、質量数12と13の同位体
からなり、前者が98.9%、後者が1.1%を占める。
従来の炭素13の濃縮法はCOの低温蒸留に基づい
ているが、有毒ガスを大量に使用する点、装置が
大型となる点が欠点であり、製造コストも高い。
レーザーを用いて、安全かつ小規模で安価に炭素
13が濃縮されればその意義は大きい。
これまでに行われているレーザーを用いた炭素
13の濃縮法について述べれば、CF3X(ここでX
はCl、BrあるいはI)、CF2HCl等を作業物質と
して炭酸ガスレーザーで照射し、CF3Xの赤外多
光子分解ではC2F6が、CF2HClの赤外多光子分解
ではC2F4が最終生成物となり、この中に炭素13
が濃縮される。この方法では、実用的に意味のあ
る収量を目指す限り、炭素13の濃縮は80%程度に
すぎず、COの低温蒸留による従来の濃縮法に及
ばない。また、特願昭58−242898号に記載された
方法では、C2F6をBr2の存在のもとで、適切な波
長及びフルエンスの炭酸ガスレーザーのパルス光
を照射すると、光分解並びに反応の結果、CF3Br
が生成し、この中に炭素13が20〜30%にまで濃縮
される。続いて生成物CF3Brを分離し、この
CF3Brを再び適切な条件下で炭酸ガスレーザーの
パルス光を照射し、赤外多光子分解を誘起させ
る。二段階目の赤外多光子分解の生成物はC2F6
であるが、この中に炭素13が90%まで濃縮されて
いる。
(本発明が解決しようとする問題点) これら従来の研究によつて得られた知見から、
本発明者等は、多段階のレーザー照射により、炭
素13を高濃縮する方法につき検討を行つた。すな
わち、1段階のレーザー照射では濃縮の程度に限
界があるので、多段階にレーザー照射を行い、
徐々に炭素13の濃度を高めようとするものであ
る。この場合、1段階目のレーザー照射による生
成物が2段階目のレーザー照射の作業物質として
適当なものである必要がある。例えば、従来の
CF2HClのレーザー照射では、炭素13の濃縮され
た生成物がC2F4であるために、これを容易に赤
外多光子分解しようとすると、CF2HClに変換す
る必要があるが、この化学変換は容易ではない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、多段階レーザー照射による炭素13の
濃縮法に係り、出発物質としてCF2HClもしくは
CF2HBrとHIもしくはHBrの混合気体を用い、
これに炭酸ガスレーザーを照射することにより、
炭素13の濃縮されたCF2H2を得て、これを塩素化
することによりCF2HClに変換し、このCF2HCl
を再度炭酸ガスレーザーで照射し、炭素13を濃縮
することを特徴とするものである。
さらに、前記CF2H2を塩素化して得たCF2HCl
を炭酸ガスレーザーで照射する時にHIもしくは
HBrを添加すれば、これを繰り返すことにより
さらに高濃度に炭素13を濃縮することができる。
(作用) 本発明の一例の反応過程を第1図に模式的に示
す(CF2HClとHIの混合気体の例)。
天然同位体比のCF2HClにHIを添加した混合気
体を反応セル1に充填する。このCF2HClとHI混
合気体に、CO2TEAレーザー2からのパルスレ
ーザー光や、やや集光し、焦点でのフルエンスが
2〜5Jcm-2となるように調節して照射すると赤外
多光子分解が誘起され、生成物としてCF2H2
HClとI2とを得る。この場合の反応機構を以下に
示す。
CF2HCl+nhν→CF2+HCl CF2+HI→CF2H+I CF2H+HI→CF2H2+I 2I→I2 適当なレーザー波長を使うと、生成物CF2H2
に、炭素13が濃縮される。炭素13が濃縮される原
因は、上述の照射条件のもとでは13CF2HCl(存在
比は1.1%)が選択的に多光子吸収し、分解する
結果であり、この際生成する13CF2がHIとの反応
により、最終的にCF2H2になる。先に述べたよう
に、純粋なCF2HClの赤外多光子分解ではC2F4
生成し、この中に炭素13が濃縮される。一方HI
を加えた場合はCF2H2が生成し、この中に炭素13
が濃縮されるが、後者の方が選択性が数倍向上す
る。前者の場合、次のような反応によつて選択性
が劣化する。
13CF212CF2HCl*12 13C2F4+HCl ここで12CF2HCl*は振動励起分子であり、レー
ザー光による直接光励起、あるいは衝突を経由し
た励起により混合系中にある程度生成するものと
考えられる。後者の場合は、HIの存在により、
13CF2は上記の反応を起こす前に、HIと反応し
て、劣化に導く反応は起こらない。
CF2HClとHIの混合気体の赤外多光子分解によ
り、炭素13の濃縮されたCF2H2が生成するが、分
離操作3によりこの反応生成物CF2H2のみを取り
出して、次にこのCF2H2を光化学的な方法で
CF2HClに変換する。例えば、図示されるように
Cl2添加されたCF2H2を反応セル4に充填し、光
源5により紫外・可視光を照射すればよい。この
場合、Cl2の光分解によりCl原子が生成し、以下
の連鎖を通じて効率的にCF2HClが生成する。
Cl2+hν→2Cl Cl+CF2H2→CF2H2+HCl CF2H+Cl2→CF2HCl+Cl このようにして炭素13が濃縮されたCF2HClを
分離操作6により取り出し、第2段階のレーザー
光照射により赤外多光子分解を再び起し炭素13を
更に高濃縮する。この際もHIを加えて選択性を
上げることも可能であるし、第3段階のレーザー
光照射により再度赤外多光子分解を起して炭素13
の濃度をなお一層向上することもできる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
50トルのCF2HCl(天然同位体比)と10トルの
HIの混合気体に、焦点でのフルエンスが3.9Jcm-2
になるような光学的条件で、CO2TEAレーザー
の9P(22)ライン(1045.02cm-1)を照射した。こ
こで用いた反応容器の内容積は約3であり、原
料CF2HClの約0.5%を反応させた。この第1段階
の赤外多光子分解で、炭素13が60%以上に濃縮さ
れたCF2H2が生成することが質量分析の結果確認
された。CO2レーザー照射後、生成物CF2H2を分
集用ガスクロマトグラフを用いて分離・回収し、
続いて分離したCF2H2にほぼ等量のCl2を加えて
水銀灯の光を照射した。その結果光ハロゲン化反
応により、CF2H2が効率よくCF2HClに変化する
ことが認められた。再び分集用ガスクロマトグラ
フを用いてCF2HClを分離・精製し、この
CF2HClに関して再度赤外多光子分解による炭素
13の濃縮を試みた。第2段階の赤外多光子分解で
は、焦点でのフルエンスは3.5Jcm-2、レーザーラ
インは9P(22)とした。生成物C2F4中の炭素13の
同位体濃度をガスクロマトグラフ・マススペクト
ロメーターで測定した結果92%という値を得た。
以上より明らかなように、二段階にわたる赤外多
光子分解により、天然濃度の炭素13を92%にまで
濃縮しうることが判明した。ここで本発明の特徴
も明らかである。すなわち、CF2HClとHIの混合
気体における赤外多光子分解で、炭素13が60%以
上にまで濃縮されたCF2H2を作り、それを水銀灯
の光による光クロル化反応でCF2HClに変換し、
そのCF2HClの第2段階の赤外多光子分解によ
り、炭素13を92%にまで濃縮した点である。
第2図は、CF2HClにHIを添加した場合の選択
率への影響を表すグラフであり、50トルの
CF2HCl(天然同位体比)と10トルのHIの混合気
体に、焦点でのフルエンスが3.9Jcm-2になるよう
な光学的条件で、CO2TEAレーザーの各ライン
を照射して得られた結果である。生成物はCF2H2
であり、その同位体濃度は、ガスクロマトグラフ
ー・マススペクトメーターを利用して測定した。
第2図aの縦軸は選択性(selectivity)、であ
り、一般に以下のように定義される。
選択性=ln(1−n13Yd)/ln(1−n12Yd) ただし、 12Yd=生成した12CF2H2のモル数/n×反応系中の12C
F2HClのモル数 13Yd=生成した13CF2H2のモル数/n×反応系中の13C
F2HClのモル数 ここで、nは照射パルス数である。また、第3
図aの横軸は照射したCO2レーザーの9Pバンドの
レーザーラインを表す。
第2図bの縦軸は、12CF2H2および13CF2H2
生成率(上述の12Ydおよび13Ydに対応)、横軸は
レーザーラインを表す。
第2図bの12Ydおよび13Ydの曲線において、
*印で表した点、50トルの純粋なCF2HClに関し
て得られた12Ydおよび13Ydを示す。その他の実
験条件は混合気体の場合と同じである。ただし純
粋なCF2HClにおける生成物はC2F4であり、12Yd
および13Ydは以下のように定義される。
12Yd=生成物C2F4中の12Cのモル数/n×反応系中の1
2
CF2HClのモル数 13Yd=生成物C2F4中の13Cのモル数/n×反応系中の1
3
CF2HClのモル数 HIを加えると、13Ydはあまり変化しないが、
12Ydは2.7倍ほど大きくなる。その結果、選択性
(第2図aにおける*印)は約4倍ほど劣化して
いる。
なお、CF2HClとHBrの混合気体、CF2HBrと
HIの混合気体、CF2HBrとHBrの混合気体を使
用したいずれの場合も中間生成物としてCF2H2
得られ、このCF2H2を塩素化することにより多段
階の炭素ガスレーザー照射により炭素13を高濃度
に濃縮することができることも確認した。
(発明の効果) 本発明によれば、極めて容易に多段階のレーザ
ー照射による炭素13の濃縮が達成され、これまで
にない高効率で炭素13が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の反応過程を模式
的に示す図である。第2図は、HI添加の選択率
への影響を表わすグラフである。 1,4……反応セル、2……CO2TEAレーザ
ー、3,6……分離操作。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 CF2HClもしくはCF2HBrとHIもしくはHBr
    の混合気体を炭酸ガスレーザーで照射して生成し
    たCF2H2を塩素化してCF2HClを得、この
    CF2HClを炭酸ガスレーザーで照射して炭素13を
    濃縮することを特徴とするレーザーを用いた炭素
    13の濃縮法。 2 前記CF2H2を塩素化して得たCF2HClを炭酸
    ガスレーザーで照射するときに、HIもしくは
    HBrを添加することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のレーザーを用いた炭素13の濃縮
    法。 3 前記CF2H2を塩素化してCF2HClを得、これ
    にHIもしくはHBrを添加して、炭酸ガスレーザ
    ーで照射により、炭素13が濃縮されたCF2H2を得
    る過程を繰り返すことにより炭素13を濃縮するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項記載のレー
    ザーを用いた炭素13の濃縮法。
JP24930187A 1987-10-02 1987-10-02 レーザーを用いた炭素13の濃縮法 Granted JPH01194931A (ja)

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