JP2001046995A - 重金属類回収方法およびその装置 - Google Patents

重金属類回収方法およびその装置

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JP2001046995A
JP2001046995A JP11223905A JP22390599A JP2001046995A JP 2001046995 A JP2001046995 A JP 2001046995A JP 11223905 A JP11223905 A JP 11223905A JP 22390599 A JP22390599 A JP 22390599A JP 2001046995 A JP2001046995 A JP 2001046995A
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heavy metals
heavy metal
recovering
electrolysis
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Masamichi Asano
昌道 浅野
Megumi Shida
惠 志田
Satoshi Okuno
敏 奥野
Mamoru Araoka
衛 荒岡
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体物から重金属類を確実に回収して固体物
を埋立処理することが低コストでできる重金属類回収方
法およびその装置を提供する。 【解決手段】 固体物101と水102とを混合槽11
内で混合攪拌し、アルカリ抽出槽12でアルカリ103
を添加してアルカリ性状態とし、固液分離器13で固体
分104とアルカリ性水溶液105とに分離し、続い
て、酸抽出槽14で固体分104と水102と酸106
とを添加して酸性状態とし、固液分離器15で固体分1
07と酸性水溶液106とに分離し、酸性水溶液108
を予備電解槽16で電気分解して、目的の重金属よりも
貴の電位を有する重金属を析出させた後、本電解槽17
で電気分解して、目的の重金属のみを析出させて分離回
収した後、仕上電解槽18で電気分解して、酸性水溶液
108中に残存する重金属を析出させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属類を含有す
る焼却灰やスラッジ等のような固体物から重金属類を回
収する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水汚泥や都市ごみや産業廃棄物などを
焼却して生じた焼却灰は、埋立処理されたり、資源化に
供すべく再利用されている。このような焼却灰の内部に
は、重金属類などが含まれているため、当該焼却灰など
をそのままの状態で埋立処理してしまうと、当該焼却灰
の内部から土壌側に重金属類等が移行して環境汚染等を
引き起こしてしまう虞がある。このため、従来は、焼却
灰を処理槽の内部に投入すると共に、キレート剤(セメ
ントを併用する場合もある。)を添加して混練し、重金
属類を固定化することにより、焼却灰を無害化するよう
にしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようにして処理すると、キレート剤が高価であること
から、処理コストが非常に高いばかりか、重金属類を再
利用することができなかった。
【0004】このような問題は、下水汚泥や都市ごみや
産業廃棄物などを焼却して生じた焼却灰に限らずスラッ
ジ等のような、重金属類を含有する固体物であれば、同
様にして起こり得ることである。
【0005】このようなことから、本発明は、重金属類
を含有する固体物から重金属類を確実に回収して固体物
を低コストで埋立処理することができる重金属類回収方
法およびその装置を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための、第一番目の発明による重金属類回収方法は、重
金属類を含有する固体物と水とアルカリとを混合した
後、固体分とアルカリ性水溶液とを分離するアルカリ抽
出工程と、前記アルカリ抽出工程で分離された前記固体
分と水と酸とを混合した後、固体分と酸性水溶液とを分
離する酸抽出工程と、前記酸抽出工程で分離された前記
酸性水溶液を電気分解して、前記重金属類を析出させて
回収する電気分解工程とを行うことを特徴とする。
【0007】第二番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程が、前記重金属類の酸化還元電位の差
に基づいて当該重金属類を分別しながら析出させること
を特徴とする。
【0008】第三番目の発明による重金属類回収方法
は、第二番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程が、回収目的とした重金属よりも貴の
電位を有する重金属を析出させる予備電解処理と、回収
目的とした重金属のみを析出させる本電解処理と、前記
酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる仕上電解処
理とを行うことを特徴とする。
【0009】第四番目の発明による重金属類回収方法
は、第三番目の発明による重金属類回収方法において、
前記本電解処理が、回収目的とした重金属ごとにそれぞ
れ行うことを特徴とする。
【0010】第五番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液と前
記アルカリ抽出工程で分離された前記アルカリ性水溶液
とを混合してpHを調整する水溶液処理工程を行うこと
を特徴とする。
【0011】第六番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液の少
なくとも一部を前記酸抽出工程で再利用することを特徴
とする。
【0012】第七番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記酸抽出工程で分離された前記固体分と水とを混合し
て当該固体分を水洗した後、当該固体分と当該水とを分
離して当該固体分を脱水する残渣処理工程を行うことを
特徴とする。
【0013】第八番目の発明による重金属類回収方法
は、第七番目の発明による重金属類回収方法において、
前記残渣処理工程で分離された前記水を前記アルカリ抽
出工程または前記酸抽出工程のうちの少なくとも一方で
再利用することを特徴とする。
【0014】第九番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液に薬
剤を添加することにより、当該酸性水溶液中に残存する
すべての重金属類を回収する薬剤処理工程を行うことを
特徴とする。
【0015】第十番目の発明による重金属類回収方法
は、第五番目の発明による重金属類回収方法において、
前記水溶液処理工程でpHを調整された水溶液を脱塩処
理する脱塩処理工程を行うことを特徴とする。
【0016】また、第十一番目の発明による重金属類回
収装置は、重金属類を含有する固体物と水とアルカリと
を混合した後、固体分とアルカリ性水溶液とを分離する
アルカリ抽出手段と、前記アルカリ抽出手段で分離され
た前記固体分と水と酸とを混合した後、固体分と酸性水
溶液とを分離する酸抽出手段と、前記酸抽出手段で分離
された前記酸性水溶液を電気分解して前記重金属類を析
出させて回収する電気分解手段とを備えてなることを特
徴とする。
【0017】第十二番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属回収装置において、
前記電気分解手段が、前記重金属類の酸化還元電位の差
に基づいて当該重金属類を分別しながら析出させるよう
に陰極の酸化還元電位が所定の値に設定されていること
を特徴とする。
【0018】第十三番目の発明による重金属類回収装置
は、第十二番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段が、回収目的とした重金属よりも
貴の電位を有する重金属を析出させる予備電解手段と、
回収目的とした重金属のみを析出させる本電解手段と、
前記酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる仕上電
解手段とを備えていることを特徴とする。
【0019】第十四番目の発明による重金属類回収装置
は、第十三番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記本電解手段が、回収目的とした重金属ごとにそ
れぞれ設けられていることを特徴とする。
【0020】第十五番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一〜十四番目の発明による重金属類回収装置に
おいて、前記電気分解手段の電極が重金属の単体もしく
はその酸化物またはカーボンからなっていることを特徴
とする。
【0021】第十六番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
と前記アルカリ抽出手段で分離された前記アルカリ性水
溶液とを混合してpHを調整する水溶液処理手段を設け
たことを特徴とする。
【0022】第十七番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
の少なくとも一部を前記酸抽出手段に戻すことを特徴と
する。
【0023】第十八番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記酸抽出手段で分離された前記固体分と水とを混
合して当該固体分を水洗した後、当該固体分と当該水と
を分離して当該固体分を脱水する残渣処理手段を設けた
ことを特徴とする。
【0024】第十九番目の発明による重金属類回収装置
は、第十八番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記残渣処理手段で分離された前記水を前記アルカ
リ抽出手段または前記酸抽出手段のうちの少なくとも一
方に戻すことを特徴とする。
【0025】第二十番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
に薬剤を添加することにより、当該酸性水溶液中に残存
するすべての重金属類を回収する薬剤処理手段を設けた
ことを特徴とする。
【0026】第二十一番目の発明による重金属類回収装
置は、第十六番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記水溶液処理手段でpHを調整された水溶液を脱
塩処理する脱塩処理手段を設けたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明による重金属類回収方法お
よびその装置の実施の形態を以下に説明するが、本発明
は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0028】[第一番目の実施の形態]本発明による重
金属類回収方法およびその装置の第一番目の実施の形態
を図1を用いて説明する。なお、図1は、その装置の概
略構成図である。
【0029】本実施の形態における重金属類回収装置
は、図1に示すように、焼却灰やスラッジ等のような、
重金属類を含有する固体物101と水102とNaOH
等のアルカリ103とを混合して、固体分104とアル
カリ性水溶液105とを分離するアルカリ抽出手段であ
る混合槽11、アルカリ抽出槽12、固液分離器13
と、この固液分離器13で分離された前記固体分104
と水102とHCl等の酸106とを混合して、固体分
107と酸性水溶液108とを分離する酸抽出手段であ
る酸抽出槽14、固液分離器15と、この固液分離器1
5で分離された酸性水溶液108を電気分解して前記重
金属類を析出回収する電気分解手段である予備電解槽1
6、本電解槽17、仕上電解槽18と、これら電解槽1
6〜18で電気分解された酸性水溶液108と前記固液
分離器13で分離された前記アルカリ性水溶液105と
を混合してpHを中性に調整する水溶液処理手段である
pH調整槽19と、前記固液分離器15で分離された前
記固体分107と水102とを混合して当該固体分10
7を水洗した後、当該固体分107と水102とを分離
して固体分107を脱水する残渣処理手段である洗浄槽
20、固液分離器21とを備えている。
【0030】混合槽11は、その内部に攪拌羽根11a
が設けられ、固体物101と水102とを内部に供給さ
れて、これらを混合攪拌することができるようになって
いる。この水102には、一般の水道水や工業用水を始
めとして、廃棄物焼却施設などのプラントで使用された
工業排水やプラント排水などを特に限定されることなく
利用することができる。
【0031】アルカリ抽出槽12は、その内部に攪拌羽
根12aが設けられ、上記混合槽11で混合攪拌された
固体物101と水102との混合物を内部に送給され
て、NaOH等のアルカリ103を加えられてアルカリ
性状態(例えばpH9〜14程度)に調整することによ
り、固体物101中に含まれるNa等のアルカリ金属や
Ca等のアルカリ土類金属などの塩化合物を水102側
に移行することができる。
【0032】なお、本実施の形態では、混合槽11とア
ルカリ抽出槽12とをそれぞれ個別に設けたが、これら
槽11,12を一体的に設けることも可能である。
【0033】固液分離器13は、アルカリ抽出槽12で
処理された固体分104とアルカリ性水溶液105とを
内部に送給されて、それぞれに分離することができる。
【0034】酸抽出槽14は、その内部に攪拌羽根14
aが設けられ、上記固液分離器13で分離された固体分
104を内部に送給されて、HCl等の酸106および
水102を加えられて酸性状態(例えばpH1〜5程
度)に調整することにより、固体分104中に含まれる
Cd,Pb,Zn,Cd等の重金属類を水102側に移
行することができる。
【0035】固液分離器15は、酸抽出槽14で処理さ
れた固体分107と酸性水溶液108とを内部に送給さ
れて、それぞれに分離することができる。
【0036】予備電解手段である予備電解槽16は、電
源16cに接続された陽極16aおよび陰極16cが内
部に配設され、固液分離器15で分離された酸性水溶液
108を内部に送給され、回収目的とした重金属よりも
貴の電位を有する重金属を析出させるように上記陰極1
6cの酸化還元電位が所定の値に設定されている。
【0037】本電解手段である本電解槽17は、電源1
7cに接続された陽極17aおよび陰極17cが内部に
配設され、前記予備電解槽16で電解処理された酸性水
溶液108を内部に送給され、回収目的とした重金属の
みを析出させるように上記陰極16cの酸化還元電位が
所定の値に設定されている。
【0038】具体的には、例えば、Cuを分離回収する
場合には、下記の表1からわかるように、Cuの標準電
極電位E°が0.340V(vsSHE)であり、Cuよ
りも小さくて最も近接したPbの標準電極電位E°が−
0.1263V(vsSHE)であることから、陰極17
cの電位を−0.1263〜0.340V(vsSHE)
に設定することにより、Cuのみを陰極17cに析出回
収することができる。さらに、Pbを分離回収する場合
には、Cuを分離回収した酸性水溶液108を用いて、
陰極17cの電位を−0.4025〜−0.1263V
(vsSHE)に設定することにより、Pbのみを陰極1
7cに析出回収することができる。このようにして陰極
17cの電位を設定することにより、CdやZn等他の
重金属においても、単離回収することができる。
【0039】
【表1】
【0040】一方、陽極17aにおいては、上記の表1
からわかるように、電位が1.3583V(vsSHE)
以上とすることにより、Cl2 やO2 が発生するように
なる。
【0041】仕上電解手段である仕上電解槽18は、電
源18cに接続された陽極18aおよび陰極18cが内
部に配設され、前記本電解槽17で電解処理された酸性
水溶液108を内部に送給され、当該酸性水溶液108
中に残存する重金属を析出させるように上記陰極18c
の酸化還元電位が所定の値に設定されている。
【0042】なお、上記各電解槽16〜18において、
前記電極16a〜18a,16b〜18bは、Pt等の
ような重金属の単体もしくはその酸化物またはカーボン
からなっている。
【0043】pH調整槽19は、その内部に攪拌羽根1
9aが設けられ、前記電解槽16〜18で処理された後
の酸性水溶液108および前記固液分離器12で分離さ
れた前記アルカリ性水溶液105が内部に送給され、こ
れら水溶液105,108のpHを中性に調整して放出
することができる。
【0044】洗浄槽20は、その内部に攪拌羽根20a
が設けられ、前記固液分離器15で分離された固体分1
07および水102が内部に送給され、当該固体分10
7を水洗してpHを中性に調整することができる。
【0045】固液分離器21は、洗浄槽20で処理され
た固体分107と水102とを内部に送給されて、それ
ぞれに分離することができる。
【0046】このような重金属類回収装置を使用した重
金属類回収方法を次に説明する。
【0047】[アルカリ抽出工程]固体物101と水1
02とを混合槽11内に投入して混合攪拌した後、この
混合物をアルカリ抽出槽12内に移し入れ、当該アルカ
リ抽出槽12内にアルカリ103を添加してアルカリ性
状態(例えばpH9〜14程度)とすることにより、固
体物101中に含まれるNa等のアルカリ金属やCa等
のアルカリ土類金属などの塩化合物を水102側に移行
させた後、固液分離器13に移し入れ、固体分104と
アルカリ性水溶液105とに分離する。
【0048】[酸抽出工程]固体分104を酸抽出槽1
4に移し入れると共に、水102および酸106を添加
して混合攪拌して酸性状態(例えばpH1〜5程度)と
することにより、固体分104中に含まれる重金属類を
水102側に移行させた後、固液分離器15に移し入
れ、固体分107と酸性水溶液106とに分離する。
【0049】[電気分解工程]酸性水溶液108を予備
電解槽16に移し入れて電気分解することにより、回収
目的とした重金属よりも貴の電位を有する重金属を析出
させて当該酸性水溶液108から除去した後(予備電解
処理)、当該酸性水溶液108を本電解槽17に移し入
れて電気分解することにより、回収目的とした重金属の
みを析出させて分離回収した後(本電解処理)、当該酸
性水溶液108を仕上電解槽18内に移し入れて電気分
解することにより、当該酸性水溶液108中に残存する
重金属を析出させて当該酸性水溶液108から除去する
(仕上電解処理)。
【0050】[水溶液処理工程]上述したようにして電
解処理した酸性水溶液108および前記固液分離器13
からのアルカリ性水溶液105をpH調整槽19に移し
入れることにより、これらの水溶液105,108のp
Hを中性にした後、処理水109として放出する。
【0051】[残渣処理工程]一方、前記固液分離器1
5で分離された固体分107を洗浄槽20に移し入れる
と共に、水102を添加して攪拌洗浄してpHを中性に
調整したら、固液分離器21に移し入れることにより、
処理水109を系外に放出すると共に、残渣110を埋
立処理する。
【0052】つまり、固体物101をアルカリ抽出し
て、当該固体物101中に含まれるアルカリ金属やアル
カリ土類金属などの塩化合物を除去することにより、重
金属類の電気分解析出の際の当該塩化合物による悪影響
を抑制すると共に、重金属類の酸化還元電位の差に基づ
いて当該重金属類を分別しながら析出させる、すなわ
ち、回収目的とした重金属よりも貴の電位を有する重金
属を酸性水溶液108から析出させて除去した後に、回
収目的とした重金属のみを析出させて分離回収した後、
酸性水溶液108中に残存する重金属を析出させて酸性
水溶液108から除去するようにしたのである。
【0053】このため、固体物101中の重金属類を確
実に回収して再利用することが容易にできると共に、処
理した固体物101(残渣110)を何ら問題なくその
まま埋立処理することができる。
【0054】したがって、このような重金属類回収方法
およびその装置によれば、固体物101から重金属類を
確実に回収して固体物101を低コストで埋立処理する
ことができる。
【0055】なお、本実施の形態では、本電解槽17を
一つだけ設けたが、回収目的とする重金属が複数ある場
合には、その数にあわせて本電解槽17を複数設けて、
回収目的とした重金属ごとにそれぞれ本電解処理するこ
とも可能である。
【0056】[第二番目の実施の形態]本発明による重
金属類回収方法およびその装置の第二番目の実施の形態
を図2を用いて説明する。なお、図2は、その装置の概
略構成図である。ただし、前述した第一番目の実施の形
態の場合と同様な部材については、前述した第一番目の
実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を用いるこ
とにより、その説明を省略する。
【0057】本実施の形態における重金属類回収装置
は、図2に示すように、仕上電解槽18で仕上電解処理
された酸性水溶液108の一部が酸抽出槽14内に送給
され、固液分離器21で分離された処理水109が混合
槽11および酸抽出槽14の内部に送給されるようにな
っている。
【0058】つまり、廃棄処理していた仕上電解処理済
みの酸性水溶液108の少なくとも一部を酸抽出槽14
へ戻して再利用することにより、酸抽出槽14内に添加
する酸106の量を減らすと同時に、廃棄処理していた
洗浄後の処理水109を混合槽11および酸抽出槽14
へ戻して再利用することにより、混合槽11および酸抽
出槽14の内部に投入する水102の量を減らすように
したのである。
【0059】したがって、本実施の形態によれば、水1
02および酸106の使用量を削減することができるの
で、ランニングコストを低減することができる。
【0060】なお、本実施の形態では、仕上電解槽18
で仕上電解処理された酸性水溶液108の一部を酸抽出
槽14に戻すようにしたが、場合によっては、仕上電解
槽18で仕上電解処理された酸性水溶液108のすべて
を酸抽出槽14に戻すことも可能である。また、本実施
の形態では、固液分離器21で分離された処理水109
を混合槽11および酸抽出槽14に戻すようにしたが、
場合によっては、固液分離器21で分離された処理水1
09を混合槽11または酸抽出槽14のどちらか一方の
みに戻すことも可能である。
【0061】[第三番目の実施の形態]本発明による重
金属類回収方法およびその装置の第三番目の実施の形態
を図3を用いて説明する。なお、図3は、その装置の概
略構成図である。ただし、前述した第一,二番目の実施
の形態の場合と同様な部材については、前述した第一,
二番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、その説明を省略する。
【0062】本実施の形態における重金属類回収装置
は、図3に示すように、仕上電解槽18で電解処理され
た酸性水溶液108に薬剤111を添加することによ
り、当該酸性水溶液108中に残存するすべての重金属
類を回収する薬剤処理手段である薬剤処理槽22が設け
られている。
【0063】すなわち、上記酸性水溶液108中に残存
する重金属類の濃度が低くなると、重金属イオンの陰極
表面への拡散律速となり、重金属類の回収に関する電流
効率が低くなる。このため、仕上電解槽18での重金属
類の関する電流効率が低下し始めたら、酸性水溶液10
8を薬剤処理槽22内に移し入れて、最小限の薬剤11
1を添加することにより残りの重金属類を回収する(薬
剤処理工程)のである。
【0064】したがって、本実施の形態によれば、残存
する重金属類を効率よく回収することができるので、ラ
ンニングコストを低減することができる。
【0065】なお、仕上電解槽18で析出回収する酸性
水溶液108中の重金属類の濃度が当初から低い場合に
は、仕上電解槽18での仕上電解処理を省略して、薬剤
処理槽22での薬剤処理を行うようにしてもよい。
【0066】[第四番目の実施の形態]本発明による重
金属類回収方法およびその装置の第四番目の実施の形態
を図4を用いて説明する。なお、図4は、その装置の概
略構成図である。ただし、前述した第一〜三番目の実施
の形態の場合と同様な部材については、前述した第一〜
三番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を
用いることにより、その説明を省略する。
【0067】本実施の形態における重金属類回収装置
は、図4に示すように、pH調整槽19でpHを中性に
調整された処理水109中からCa等の塩を除去する脱
塩処理手段である脱塩器23(例えば、逆浸透膜(RO
膜)、イオン交換膜、電気透析装置など)が設けられて
いる。
【0068】すなわち、上記処理水109は、その塩濃
度が場合によっては高くなってしまうことがあるため、
放流前に脱塩処理するようにしたのである(脱塩処理工
程)。
【0069】したがって、本実施の形態によれば、処理
水109中のCa等の塩濃度を放出前に規定値以下にす
ることができる。
【0070】なお、例えば、ヒドロキシラジカルなどの
活性成分を発生させるように仕上電解槽18の陽極18
aの電位を設定すれば(例えば2.38V以上)、前記
酸性水溶液108中にダイオキシン類などのようなハロ
ゲン化有機化合物が含まれている場合には、当該ハロゲ
ン化有機化合物を仕上電解槽18で分解除去することが
可能である。
【0071】
【実施例】本発明による重金属類回収方法およびその装
置の効果を確認するため、次のような確認実験を行っ
た。
【0072】[試験例1:アルカリ抽出および酸抽出]
前述した実施の形態に基づいて、重金属類を含有する焼
却灰を用いてアルカリ抽出および酸抽出を行った。その
結果を下記の表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2からわかるように、pH=11として
アルカリ抽出することにより、Na,K等のアルカリ金
属を約73%の割合で溶出させることができ、Cu,P
b,Zn等の重金属類を1%以下の溶出率に抑えること
ができた。このことから、アルカリ抽出によれば、アル
カリ金属類塩等だけを溶出させて、重金属類を溶出させ
ることなく固体分中に残留させ得ると言える。一方、p
H=3.7として酸抽出することにより、重金属類を溶
出させることができる(例えば、Cu=60%、Cd=
79%、Zn=55%等)。
【0075】[試験例2:重金属類析出回収]前述した
実施の形態に基づいて、重金属類の析出回収を行った。
その結果を下記の表3〜5に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】表3からわかるように、電流密度を25m
A/cm2 とし、陽極の材質をPtとし、陰極の材質を
Pt,CまたはTiとし、陰極の電位をCuのみを析出
させる電位に設定すると、陰極の材料に関係なくCuを
90%以上の割合で回収することができた。特に、陰極
の材質をTiとし、電解時間を14時間とした場合に
は、Cuを99.1%の高効率で回収することができ
た。その他の条件も電解時間を延ばすことにより、Cu
を99%以上の高効率で回収することができる。また、
電解前後でのPbの濃度に変化がほとんどみられず、C
uのみを分離回収できることが確認できた。
【0080】また、Pb,Cd,Znをそれぞれ順次分
離回収したところ、表4,5からわかるように、いずれ
も分離回収することができた。
【0081】さらに、仕上電解処理を想定し、陰極の材
料をTiとし、電流密度を50mA/cm2 として電解
処理したところ、Pbを排水基準値以下にまで低減する
ことができ、残存する重金属類をすべて回収することが
できる。
【0082】
【発明の効果】第一番目の発明による重金属類回収方法
は、重金属類を含有する固体物と水とアルカリとを混合
した後、固体分とアルカリ性水溶液とを分離するアルカ
リ抽出工程と、前記アルカリ抽出工程で分離された前記
固体分と水と酸とを混合した後、固体分と酸性水溶液と
を分離する酸抽出工程と、前記酸抽出工程で分離された
前記酸性水溶液を電気分解して、前記重金属類を析出さ
せて回収する電気分解工程とを行うことから、固体物を
アルカリ抽出して当該固体物中に含まれるアルカリ金属
やアルカリ土類金属などの塩化合物を除去して、重金属
類の電気分解析出の際の当該塩化合物による悪影響を抑
制すると共に、重金属類を析出させて酸性水溶液から除
去することができるので、固体物中の重金属類を確実に
回収して再利用することが容易にできると共に、処理し
た固体物を何ら問題なくそのまま埋立処理することがで
きる。
【0083】第二番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程が、前記重金属類の酸化還元電位の差
に基づいて当該重金属類を分別しながら析出させるの
で、重金属類を分離回収することが容易にできる。
【0084】第三番目の発明による重金属類回収方法
は、第二番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程が、回収目的とした重金属よりも貴の
電位を有する重金属を析出させる予備電解処理と、回収
目的とした重金属のみを析出させる本電解処理と、前記
酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる仕上電解処
理とを行うので、重金属類を分離回収することが確実に
できると共に、酸性水溶液中の重金属類を残存させるこ
となくすべて回収することができる。
【0085】第四番目の発明による重金属類回収方法
は、第三番目の発明による重金属類回収方法において、
前記本電解処理が、回収目的とした重金属ごとにそれぞ
れ行うので、複数の重金属類を分離回収することが確実
にできる。
【0086】第五番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液と前
記アルカリ抽出工程で分離された前記アルカリ性水溶液
とを混合してpHを調整する水溶液処理工程を行うの
で、新たに薬剤を用いることなくこれら水溶液のpH調
整を行うことができる。
【0087】第六番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液の少
なくとも一部を前記酸抽出工程で再利用するので、酸の
使用量を減らすことができる。
【0088】第七番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記酸抽出工程で分離された前記固体分と水とを混合し
て当該固体分を水洗した後、当該固体分と当該水とを分
離して当該固体分を脱水する残渣処理工程を行うので、
固体分(残渣)を中性に戻して埋立処理することができ
る。
【0089】第八番目の発明による重金属類回収方法
は、第七番目の発明による重金属類回収方法において、
前記残渣処理工程で分離された前記水を前記アルカリ抽
出工程または前記酸抽出工程のうちの少なくとも一方で
再利用するので、水の使用量を減らすことができる。
【0090】第九番目の発明による重金属類回収方法
は、第一番目の発明による重金属類回収方法において、
前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶液に薬
剤を添加することにより、当該酸性水溶液中に残存する
すべての重金属類を回収する薬剤処理工程を行うので、
酸性水溶液中に残存する重金属類の濃度が低くなって、
重金属類の回収に関する電流効率が低くなっても、残存
する重金属類量が低減しているため、注入する薬剤量が
低減でき、ランニングコストを低減することができる。
【0091】第十番目の発明による重金属類回収方法
は、第五番目の発明による重金属類回収方法において、
前記水溶液処理工程でpHを調整された水溶液を脱塩処
理する脱塩処理工程を行うので、水溶液を何ら問題なく
放流することができる。
【0092】また、第十一番目の発明による重金属類回
収装置は、重金属類を含有する固体物と水とアルカリと
を混合した後、固体分とアルカリ性水溶液とを分離する
アルカリ抽出手段と、前記アルカリ抽出手段で分離され
た前記固体分と水と酸とを混合した後、固体分と酸性水
溶液とを分離する酸抽出手段と、前記酸抽出手段で分離
された前記酸性水溶液を電気分解して前記重金属類を析
出させて回収する電気分解手段とを備えてなることか
ら、固体物をアルカリ抽出して当該固体物中に含まれる
アルカリ金属やアルカリ土類金属などの塩化合物を除去
して、重金属類の電気分解析出の際の当該塩化合物によ
る悪影響を抑制すると共に、重金属類を析出させて酸性
水溶液から除去することができるので、固体物中の重金
属類を確実に回収して再利用することが容易にできると
共に、処理した固体物を何ら問題なくそのまま埋立処理
することができる。
【0093】第十二番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属回収装置において、
前記電気分解手段が、前記重金属類の酸化還元電位の差
に基づいて当該重金属類を分別しながら析出させるよう
に陰極の酸化還元電位が所定の値に設定されているの
で、重金属類を分離回収することが容易にできる。
【0094】第十三番目の発明による重金属類回収装置
は、第十二番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段が、回収目的とした重金属よりも
貴の電位を有する重金属を析出させる予備電解手段と、
回収目的とした重金属のみを析出させる本電解手段と、
前記酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる仕上電
解手段とを備えているので、重金属類を分離回収するこ
とが確実にできると共に、酸性水溶液中の重金属類を残
存させることなくすべて回収することができる。
【0095】第十四番目の発明による重金属類回収装置
は、第十三番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記本電解手段が、回収目的とした重金属ごとにそ
れぞれ設けられているので、複数の重金属類を分離回収
することが確実にできる。
【0096】第十五番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一〜十四番目の発明による重金属類回収装置に
おいて、前記電気分解手段の電極が重金属の単体もしく
はその酸化物またはカーボンからなっているので、重金
属類の析出を確実に行うことができる。
【0097】第十六番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
と前記アルカリ抽出手段で分離された前記アルカリ性水
溶液とを混合してpHを調整する水溶液処理手段を設け
たので、新たに薬剤を用いることなくこれら水溶液のp
H調整を行うことができる。
【0098】第十七番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
の少なくとも一部を前記酸抽出手段に戻すので、酸の使
用量を減らすことができる。
【0099】第十八番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記酸抽出手段で分離された前記固体分と水とを混
合して当該固体分を水洗した後、当該固体分と当該水と
を分離して当該固体分を脱水する残渣処理手段を設けた
ので、固体分(残渣)を中性に戻して埋立処理すること
ができる。
【0100】第十九番目の発明による重金属類回収装置
は、第十八番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記残渣処理手段で分離された前記水を前記アルカ
リ抽出手段または前記酸抽出手段のうちの少なくとも一
方に戻すので、水の使用量を減らすことができる。
【0101】第二十番目の発明による重金属類回収装置
は、第十一番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性水溶液
に薬剤を添加することにより、当該酸性水溶液中に残存
するすべての重金属類を回収する薬剤処理手段を設けた
ので、酸性水溶液中に残存する重金属類の濃度が低くな
って、重金属類の回収に関する電流効率が低くなって
も、残存する重金属類量が低減しているため、注入する
薬剤量が低減でき、ランニングコストを低減することが
できる。
【0102】第二十一番目の発明による重金属類回収装
置は、第十六番目の発明による重金属類回収装置におい
て、前記水溶液処理手段でpHを調整された水溶液を脱
塩処理する脱塩処理手段を設けたので、水溶液を何ら問
題なく放流することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による重金属類回収装置の第一番目の実
施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明による重金属類回収装置の第二番目の実
施の形態の概略構成図である。
【図3】本発明による重金属類回収装置の第三番目の実
施の形態の概略構成図である。
【図4】本発明による重金属類回収装置の第四番目の実
施の形態の概略構成図である。
【符号の説明】
11 混合槽 12 アルカリ抽出槽 13 固液分離器 14 酸抽出槽 15 固液分離器 16 予備電解槽 17 本電解槽 18 仕上電解槽 19 pH調整槽 20 洗浄槽 21 固液分離器 22 薬剤処理槽 23 脱塩器 101 固体物 102 水 103 アルカリ 104 固体分 105 アルカリ性水溶液 106 酸 107 固体分 108 酸性水溶液 109 処理水 110 残渣 111 薬剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 敏 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 荒岡 衛 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA36 AA46 BA05 CA13 CA15 CA34 CA35 CA37 CA41 CA44 CC12 4D059 AA11 AA14 BH04 BJ06 BK21 CC07 DA01 DA02 DA32 4K058 AA21 BA21 BB04 DD01 FA30 FB03 FC01 FC14 FC15 FC22

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属類を含有する固体物と水とアルカ
    リとを混合した後、固体分とアルカリ性水溶液とを分離
    するアルカリ抽出工程と、 前記アルカリ抽出工程で分離された前記固体分と水と酸
    とを混合した後、固体分と酸性水溶液とを分離する酸抽
    出工程と、 前記酸抽出工程で分離された前記酸性水溶液を電気分解
    して、前記重金属類を析出させて回収する電気分解工程
    とを行うことを特徴とする重金属類回収方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記電気分解工程が、前記重金属類の酸化還元電
    位の差に基づいて当該重金属類を分別しながら析出させ
    ることを特徴とする重金属類回収方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記電気分解工程が、回収目的とした重金属より
    も貴の電位を有する重金属を析出させる予備電解処理
    と、回収目的とした重金属のみを析出させる本電解処理
    と、前記酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる仕
    上電解処理とを行うことを特徴とする重金属類回収方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記本電解処理が、回収目的とした重金属ごとに
    それぞれ行うことを特徴とする重金属類回収方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶
    液と前記アルカリ抽出工程で分離された前記アルカリ性
    水溶液とを混合してpHを調整する水溶液処理工程を行
    うことを特徴とする重金属類回収方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶
    液の少なくとも一部を前記酸抽出工程で再利用すること
    を特徴とする重金属類回収方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記酸抽出工程で分離された前記固体分と水とを
    混合して当該固体分を水洗した後、当該固体分と当該水
    とを分離して当該固体分を脱水する残渣処理工程を行う
    ことを特徴とする重金属回収方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記残渣処理工程で分離された前記水を前記アル
    カリ抽出工程または前記酸抽出工程のうちの少なくとも
    一方で再利用することを特徴とする重金属回収方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の重金属類回収方法にお
    いて、前記電気分解工程で電気分解された前記酸性水溶
    液に薬剤を添加することにより、当該酸性水溶液中に残
    存するすべての重金属類を回収する薬剤処理工程を行う
    ことを特徴とする重金属類回収方法。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の重金属類回収方法に
    おいて、前記水溶液処理工程でpHを調整された水溶液
    を脱塩処理する脱塩処理工程を行うことを特徴とする重
    金属類回収方法。
  11. 【請求項11】 重金属類を含有する固体物と水とアル
    カリとを混合した後、固体分とアルカリ性水溶液とを分
    離するアルカリ抽出手段と、 前記アルカリ抽出手段で分離された前記固体分と水と酸
    とを混合した後、固体分と酸性水溶液とを分離する酸抽
    出手段と、 前記酸抽出手段で分離された前記酸性水溶液を電気分解
    して前記重金属類を析出させて回収する電気分解手段と
    を備えてなることを特徴とする重金属類回収装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の重金属類回収装置
    において、前記電気分解手段が、前記重金属類の酸化還
    元電位の差に基づいて当該重金属類を分別しながら析出
    させるように陰極の酸化還元電位が所定の値に設定され
    ていることを特徴とする重金属類回収装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の重金属類回収装置
    において、前記電気分解手段が、回収目的とした重金属
    よりも貴の電位を有する重金属を析出させる予備電解手
    段と、回収目的とした重金属のみを析出させる本電解手
    段と、前記酸性水溶液中に残存する重金属を析出させる
    仕上電解手段とを備えていることを特徴とする重金属類
    回収装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の重金属類回収装置
    において、前記本電解手段が、回収目的とした重金属ご
    とにそれぞれ設けられていることを特徴とする重金属類
    回収装置。
  15. 【請求項15】 請求項11から14のいずれかに記載
    の重金属類回収装置において、前記電気分解手段の電極
    が重金属の単体もしくはその酸化物またはカーボンから
    なっていることを特徴とする重金属類回収装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の重金属類回収装置
    において、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性
    水溶液と前記アルカリ抽出手段で分離された前記アルカ
    リ性水溶液とを混合してpHを調整する水溶液処理手段
    を設けたことを特徴とする重金属類回収装置。
  17. 【請求項17】 請求項11に記載の重金属類回収装置
    において、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性
    水溶液の少なくとも一部を前記酸抽出手段に戻すことを
    特徴とする重金属類回収装置。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載の重金属類回収装置
    において、前記酸抽出手段で分離された前記固体分と水
    とを混合して当該固体分を水洗した後、当該固体分と当
    該水とを分離して当該固体分を脱水する残渣処理手段を
    設けたことを特徴とする重金属回収装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の重金属類回収装置
    において、前記残渣処理手段で分離された前記水を前記
    アルカリ抽出手段または前記酸抽出手段のうちの少なく
    とも一方に戻すことを特徴とする重金属回収装置。
  20. 【請求項20】 請求項11に記載の重金属類回収装置
    において、前記電気分解手段で電気分解された前記酸性
    水溶液に薬剤を添加することにより、当該酸性水溶液中
    に残存するすべての重金属類を回収する薬剤処理手段を
    設けたことを特徴とする重金属類回収装置。
  21. 【請求項21】 請求項16に記載の重金属類回収装置
    において、前記水溶液処理手段でpHを調整された水溶
    液を脱塩処理する脱塩処理手段を設けたことを特徴とす
    る重金属類回収装置。
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