JP2001046361A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2001046361A
JP2001046361A JP11229514A JP22951499A JP2001046361A JP 2001046361 A JP2001046361 A JP 2001046361A JP 11229514 A JP11229514 A JP 11229514A JP 22951499 A JP22951499 A JP 22951499A JP 2001046361 A JP2001046361 A JP 2001046361A
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JP
Japan
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container
carbon film
resin
hard carbon
wall surface
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Application number
JP11229514A
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English (en)
Inventor
Koichi Tachikawa
浩一 立川
Masaaki Kasai
正秋 笠井
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリア性が高く、容器内外の気体成分の移
動が小さく、また、容器材質からの溶出物が軽減された
プラスチック製医療用容器を提供すること。 【解決手段】プラスチック材料により形成された容器の
内壁面に、硬質炭素膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野で用いら
れる炭素膜コーティング容器に関する。
【0002】
【従来の技術】医療分野において、現在取り扱いの容易
さから、プラスチック製の容器が多く用いられている。
しかしプラスチック製の容器では、ガスバリア性が低
く、容器内外の気体成分の移動が大きいという問題を有
していた。また、容器材質からの溶出物が容器内部の物
質に接触することにより容器内部の物質に対する影響が
発生するという問題を有していた。
【0003】上記の問題を解決するために、外面にバリ
ア性コーティングやバリア性フィルム貼付、あるいは化
学蒸着膜の形成等の手段も講じられているが、いずれも
容器内部の物質の容器への吸着や拡散が防止できない、
容器材質からの溶出物が容器内部の物質に接触すること
により容器内部の物質に対する影響が発生することを防
止できない、製造工程や輸送途中において容器同士が接
触し外面バリア層が損傷する、あるいは該手段を講じる
ことが高価で連続生産に不適である、等の問題を有して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
スチック材料により形成された容器の内壁面に、硬質炭
素膜が形成されている炭素膜コーティング容器とするこ
とによって、上記の課題を解決した医療用容器を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記(1)
乃至(6)の手段により達成される。
【0006】(1)プラスチック材料により形成された
容器の内壁面に、硬質炭素膜が形成されていることを特
徴とする医療用容器。
【0007】(2)前記硬質炭素膜が、ダイヤモンド状
炭素膜である(1)に記載の医療用容器。
【0008】(3)前記容器が少なくとも1つの開口部
を有する(1)に記載の医療用容器。
【0009】(4)前記容器が薬液容器または採血容器
である(1)に記載の医療用容器。
【0010】(5)前記容器が採血管である(1)に記
載の医療用容器。
【0011】(6)前記容器が真空採血管である(1)
に記載の医療用容器。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に適用される容器として
は、採血容器、代表的には採血管、特に真空採血管が挙
げられる。採血容器には、予め内部に薬液が封入された
容器もある。
【0013】また、本発明に適用される他の容器として
は、プレフィルドシリンジ、血液ガス測定用血液収納容
器等が挙げられる。
【0014】容器を形成するプラスチック材料として
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオ
レフィンコポリマー樹脂、ポリエチレンナフタレート樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹
脂、アクリルニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹
脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、アイオノマー樹脂、ポリスルホン樹脂および
4弗化エチレン樹脂等が挙げられる。
【0015】特に採血管の材質としては、ガスバリアー
性の高い、ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポ
リエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、
ポリエチレンナフタレート樹脂等が好適である。
【0016】本発明において、容器の内壁面と同時に、
容器の外壁面にも、硬質炭素膜が形成された炭素膜コー
ティング容器としてもよい。
【0017】本発明の硬質炭素膜の構造としては、ダイ
ヤモンド構造(SP3)、ダイヤモンド状構造(SP3
SP2両方から構成されたアモルファス構造の炭素であ
り、部分的に水素との結合を含む構造)、グラファイト
構造(SP2)がある。
【0018】本発明において、硬質炭素膜を形成する方
法について、以下ひとつの例を示す。先ず、容器内部の
空気を真空ポンプにより排気して真空にした後、容器内
部に原料ガス、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、
シクロヘキサン等を供給する。次に、外部電極に電力を
投入し、外部電極と内部電極の間にプラズマを発生させ
る。このとき、内部電極をアースされた状態にし、外部
電極を絶縁された状態にしておくことで、外部電極に負
の自己バイアスが発生し、これによって外部電極に沿っ
た容器内部の内壁面に硬質炭素膜が形成される。なお、
硬質炭素膜を形成する方法については、本方法に限定さ
れるものではない。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
図は本発明の減圧採血管を説明するための中央断面図で
ある。
【0020】(実施例1)ポリエチレンテレフタレート
樹脂からなる有底管(採血管)の内壁面に、ダイヤモン
ド状炭素膜を形成させ、内部に3.8%クエン酸水溶液
を0.2ml封入後、開口部をアルミフィルムで密封し
た。
【0021】上記有底管を室温で保存し、管内水溶液の
液量を測定したところ、下表の結果であった。
【0022】
【表1】
【0023】上表の通り、経時変化は、極めて少なく、
良好な結果であった。
【0024】(実施例2)環状ポリオレフィン樹脂から
なるシリンジ容器の内壁面に、ダイヤモンド状炭素膜を
形成させ、内部にビタミン溶液を封入後、シリンジ先端
を封止し、ガスケットを圧入し、密封した。
【0025】上記溶液の液量及び酸化による経時変化
は、極めて少なく、良好な結果であった。 (実施例3)ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
シリンジ状の血液ガス濃度測定用血液採取容器の内壁面
に、ダイヤモンド状炭素膜を形成させ、動脈血を内部に
採取し、氷水中で1時間保存した。
【0026】上記採取血液中の酸素分圧の変化量を測定
したところ、下表の結果であった。尚、比較としてガラ
ス製シリンジを用いた測定も行った。
【0027】
【表2】
【0028】上表の通り、血中酸素分圧の経時変化は、
ガラス製容器と同程度の低下を示し、良好な結果であっ
た。(低下の主な要因は、血液の代謝によると推定され
る。) (実施例4)ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
内径11mm、長さ90mmの有底管(採血管)の内壁
面に、ダイヤモンド状炭素膜を形成させ、内部にイオン
交換水6mlを注入し、40℃で30分間抽出した後、
3000rpmで10分間遠心し、上清を原子吸光度測
定したところ、下表の結果であった。
【0029】
【表3】
【0030】上記結果の通り、溶出金属量は極めて少な
く、良好な結果であった。
【0031】(実施例5)ポリエチレンテレフタレート
樹脂からなる有底管(採血管)の内壁面に、ダイヤモン
ド状炭素膜を形成させ、常温常圧下で5ml吸水するよ
うに減圧とし、その減圧状態で開口部をアルミフィルム
で密封した。
【0032】上記有底管を常温下で24ヶ月保存した場
合の、吸水量の経時変化を測定したところ、下表の結果
であった。
【0033】
【表4】
【0034】(比較例1)ポリエチレンテレフタレート
樹脂からなる有底管(採血管)の内部に3.8%クエン
酸水溶液を封入後、開口部をアルミフィルムで密封し
た。
【0035】上記有底管を室温で保存し、管内水溶液の
液量を測定したところ、下表の結果であった。
【0036】
【表5】
【0037】(比較例2)環状ポリオレフィン樹脂から
なるシリンジ容器の内部にビタミン溶液を封入後、シリ
ンジ先端を封止し、ガスケットを圧入し、密封した。
【0038】上記溶液の液量及び酸化による経時変化は
多く、実用に不適な結果であった。 (比較例3)ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
シリンジ状の血液ガス濃度測定用血液採取容器の内部に
動脈血を採取し、氷水中で1時間保存した。
【0039】上記採取血液中の酸素分圧の変化量を測定
したところ、下表の結果であった。尚、比較としてガラ
ス製シリンジを用いた測定も行った。
【0040】
【表6】
【0041】上表の通り、血中酸素分圧の経時変化は、
ガラス製容器の変化と比較して+11mmHgであり、
有意な差を示した。実施例容器の経時変化量は、血液の
代謝による酸素分圧の低下を相殺して余りある顕著な上
昇を示しており、検査誤差を考慮する必要性が生じる。 (比較例4)ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
内径11mm、長さ90mmの有底管(採血管)の内部
にイオン交換水6mlを注入し、40℃で30分間抽出
した後、3000rpmで10分間遠心し、上清を原子
吸光度測定したところ、下表の結果であった。
【0042】
【表7】
【0043】上記結果の通り、溶出金属量は実施例1と
比較して多い結果であった。
【0044】(比較例5)ポリエチレンテレフタレート
樹脂からなる有底管(採血管)に、常温常圧下で5ml
吸水するように減圧とし、その減圧状態で開口部をアル
ミフィルムで密封した。
【0045】上記有底管を常温下で24ヶ月保存した場
合の、吸水量の経時変化を測定したところ、下表の結果
であった。
【0046】
【表8】
【0047】
【発明の効果】本発明は、プラスチック材により形成さ
れた容器の内壁面に、硬質炭素膜が形成された炭素膜コ
ーティング容器を用いることにより、ガスバリア性が高
く、容器内外の物質移動が小さく、容器内部の物質の容
器への吸着や拡散が防止でき、製造工程や輸送途中にお
いて容器同士が接触してもバリア層が損傷し難く、かつ
安価で連続生産に適した医療分野で用いられる容器を提
供することが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック材料により形成された容器の
    内壁面に、硬質炭素膜が形成されていることを特徴とす
    る医療用容器。
  2. 【請求項2】前記硬質炭素膜が、ダイヤモンド状炭素膜
    である請求項1に記載の医療用容器。
  3. 【請求項3】前記容器が少なくとも1つの開口部を有す
    る請求項1に記載の医療用容器。
  4. 【請求項4】前記容器が薬液容器または採血容器である
    請求項1に記載の医療用容器。
  5. 【請求項5】前記容器が採血管である請求項1に記載の
    医療用容器。
  6. 【請求項6】前記容器が真空採血管である請求項1に記
    載の医療用容器。
JP11229514A 1999-08-13 1999-08-13 医療用容器 Pending JP2001046361A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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