JP2001046095A - L−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents

L−アスパラギン酸の製造方法

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JP2001046095A
JP2001046095A JP11219670A JP21967099A JP2001046095A JP 2001046095 A JP2001046095 A JP 2001046095A JP 11219670 A JP11219670 A JP 11219670A JP 21967099 A JP21967099 A JP 21967099A JP 2001046095 A JP2001046095 A JP 2001046095A
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acid
fumaric acid
aspartase
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aspartic acid
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Atsuhisa Maeda
敦央 前田
Naoyuki Watanabe
尚之 渡辺
Naoki Kato
尚樹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マレイン酸を水溶性臭素化合物と標準電極電
位が1V以上の化合物の存在下に異性化してフマル酸と
し、これに酵素反応によりアンモニアを反応させてL−
アスパラギン酸を生成させるL−アスパラギン酸の製造
方法において、酵素活性を持続させる。 【解決手段】 フマル酸を還元剤で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマレイン酸からフマ
ル酸を経由して、酵素反応によりL−アスパラギン酸を
製造する方法に関するものである。特に本発明は中間体
であるフマル酸の精製工程を簡略化したL−アスパラギ
ン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アスパルターゼ又はアスパルターゼを産
生する微生物の存在下に、フマル酸にアンモニアを反応
させてL−アスパラギン酸を製造することは公知であ
る。反応はアンモニアの存在下にフマル酸を水に溶解
し、生成したフマル酸アンモニウム水溶液にアスパルタ
ーゼを添加してL−アスパラギン酸アンモニウム水溶液
を生成させる。この水溶液を硫酸などで酸析するとL−
アスパラギン酸が生成する。
【0003】原料のフマル酸はマレイン酸の異性化によ
り入手することができる。マレイン酸の異性化方法はい
くつも知られているが、マレイン酸水溶液に水溶性臭素
化合物と酸化剤とを添加する方法が最も好ましい方法の
一つとされている。マレイン酸水溶液に水溶性臭素化合
物と酸化剤とを添加すると、マレイン酸は容易にフマル
酸となって析出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に酵素は過酸化水
素などの酸化剤により影響されることが知られている。
アスパルターゼを用いるフマル酸からL−アスパラギン
酸への反応も、酵素反応の常識として、反応系に酸化剤
が存在することは好ましくないと考えられる。しかるに
上述の方法によりマレイン酸を異性化して得たフマル酸
には、異性化触媒として用いた酸化剤が不純物として含
まれている。従って上述の方法により得たフマル酸を原
料として、アスパルターゼを用いる酵素反応によりL−
アスパラギン酸を製造する際には、予めフマル酸を十分
に精製しておくことが必要と考えられている。
【0005】例えば米国特許第4560653号には、
過硫酸アンモニウムと臭化アンモニウムを触媒としてマ
レイン酸をフマル酸に異性化し、生成したフマル酸をイ
オン交換樹脂及び活性炭で処理したのち、アスパルター
ゼを用いてアンモニアと反応させL−アスパラギン酸を
生成させることが記載されている。しかしこのようなフ
マル酸精製工程を経由することは、L−アスパラギン酸
を工業的に製造する場合には、決して好ましい方法では
ない。従って本発明は異性化により生成したフマル酸
を、煩雑な精製工程を経ることなく、アスパルターゼを
用いるL−アスパラギン酸の製造に用いる方法を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水溶液
中でアスパルターゼ又はアスパルターゼを産生する微生
物の存在下に、フマル酸にアンモニアを反応させてL−
アスパラギン酸を生成させるに際し、フマル酸として、
水溶性臭素化合物及び標準電極電位が1V以上の化合物
の存在下にマレイン酸を異性化して得たフマル酸を還元
剤で処理したものを用いることにより、煩雑なフマル酸
精製工程を経ることなく、マレイン酸からL−アスパラ
ギン酸を工業的に製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では先ずマレイン酸を水溶
液中でフマル酸に異性化する。マレイン酸としては精製
品及び粗製品のいずれをも用いることができる。例えば
特公昭40−23784号公報に記載の無水フタル酸の
製造工程で回収される粗マレイン酸水溶液を用いること
ができる。異性化に供するマレイン酸水溶液中のマレイ
ン酸濃度は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量
%である。濃度が低過ぎると経済性が劣り、逆に濃度が
高過ぎると異性化により生成したフマル酸が大量に析出
するので、反応系の攪拌が困難となる。マレイン酸の異
性化触媒としては、水溶性の臭素化合物と標準電極電位
が1V以上の化合物を併用する。
【0008】水溶性の臭素化合物としては、臭化水素酸
のリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マ
グネシウム、カルシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム
塩など臭素の原子価が−1であるものや臭素を用いるの
が好ましいが、N−ブロモコハク酸イミドやナトリウム
ハイポブロマイドのような臭素の原子価が+1であるも
のを用いることもできる。これらの水溶性の臭素化合物
は所望ならば2種以上併用することもできる。
【0009】水溶性の臭素化合物と併用する標準電極電
位が1V以上の化合物は酸化剤として機能するものであ
り、4価のセリウムを含む化合物である硝酸アンモニウ
ムセリウム、硫酸セリウム、硫酸セリウムアンモニウム
(いずれも標準電極電位1V)、過硫酸イオンを含む化
合物である過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム(いずれも標準電極電位1.5V以上)、
臭素酸イオンを含む化合物である臭素酸ナトリウム、臭
素酸カリウム、過酸化水素などが用いられる。なかでも
硝酸セリウムアンモニウム又は過硫酸イオンを含むもの
を用いるのが好ましい。これらの標準電極電位が1V以
上の化合物も所望ならばいくつかを併用することができ
る。標準電極電位についてはLange’s Hand
bookof Chemistry 13th Sec
tion 6を参照。
【0010】マレイン酸からフマル酸への異性化反応は
大きな発熱を伴うので、十分な除熱を行うことが重要で
ある。反応は通常50〜150℃で行うが、リンゴ酸の
生成を抑制するため60〜100℃で行うのが好まし
い。反応は回分方式でも連続方式でも行うことができ
る。回分方式の場合には、低温下でマレイン酸水溶液に
触媒を加えたのち徐々に昇温して反応させるか、又はマ
レイン酸水溶液に触媒水溶液を徐々に、通常は10分な
いし2時間かけて添加して反応させるのが好ましい。な
お、触媒の水溶性臭素化合物と標準電極電位が1V以上
の化合物の一方は、予めマレイン酸水溶液中に添加して
おいてもよい。
【0011】連続方式の場合には、複数の反応槽を直列
に接続した多段反応装置を用いるのが好ましい。この場
合には、多量のフマル酸スラリー中に原料のマレイン酸
水溶液及び触媒が供給されるので、回分方式の場合より
も除熱が容易である。異性化反応はマレイン酸水溶液と
触媒とが接触すると直ちに生起する。回分方式及び連続
方式いずれの場合でも、マレイン酸に対する触媒の供給
比率は、水溶性臭素化合物が通常1×10-3〜4モル
%、好ましくは1×10-2〜3モル%であり、標準電極
電位が1V以上の化合物が通常0.005〜8モル%、
好ましくは0.1〜4モル%である。
【0012】異性化反応で生成したフマル酸は、次いで
酵素反応によるL−アスパラギン酸の製造に用いるが、
生成したフマル酸スラリー中には異性化触媒として用い
た標準電極電位が1V以上の化合物が残存している。本
発明ではこのフマル酸を還元剤で処理して、標準電極電
位が1V以上の化合物を除去する。この還元剤による処
理は任意の方法で行うことができる。最も簡単には、フ
マル酸スラリーに還元剤を添加することにより行うこと
ができる。この方法によるときは、異性化により生成し
たスラリーを固液分離してフマル酸結晶を取得し、所望
により水洗したのち、これを水で再びスラリー化したも
のに還元剤を添加するのが好ましい。水洗に用いる水量
は通常はフマル酸に対し5重量倍以下、好ましくは3重
量倍以下である。また固液分離により回収された母液
は、できるだけ異性化工程に循環するのが好ましい。
【0013】フマル酸スラリーに還元剤を添加して処理
する上記の方法では、フマル酸結晶はそのまま保持され
るので、結晶中に含有されている標準電極電位が1V以
上の化合物を除去することはできない。従って異性化に
より得られたフマル酸スラリー又は上記の固液分離を経
て調製されたフマル酸スラリーにアンモニアを添加し
て、フマル酸をフマル酸アンモニウムとして溶解させ、
このフマル酸アンモニウム水溶液に還元剤を添加して処
理したのち、アスパルターゼ又はアスパルターゼを産生
する微生物によるL−アスパラギン酸の生成反応に供す
るのが好ましい。また所望ならば、フマル酸アンモニウ
ム水溶液に還元剤とアスパルターゼ又はアスパルターゼ
を産生する微生物とを添加して、還元処理とL−アスパ
ラギン酸の生成とを並行させることもできる。還元剤と
しては異性化反応に用いた標準電極電位が1V以上の化
合物に対し還元能を有するものであれば任意のものを用
いることができる。通常はチオ硫酸ナトリウム、チオ硫
酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸バリウム
等のチオ硫酸塩;亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、
亜硝酸リチウム、亜硝酸カルシウム等の亜硝酸塩;亜硫
酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム
等の亜硫酸塩;次亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸カルシウ
ム、次亜硫酸亜鉛、次亜硫酸アンモニウム、次亜硫酸マ
グネシウム等の次亜硫酸塩;亜リン酸ナトリウム、亜リ
ン酸カリウム、亜リン酸アンモニウム、亜リン酸水素ナ
トリウム等の亜リン酸塩;次亜リン酸ナトリウム、次亜
リン酸カリウム、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸
カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸亜鉛
等の次亜リン酸塩;硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の第一鉄
塩などが用いられる。なかでもチオ硫酸塩、亜硝酸塩、
次亜硫酸塩、第一鉄塩などを用いるのが好ましい。なお
還元剤は所望ならばいくつかを併用することもできる。
還元剤の使用量は、マレイン酸からフマル酸への異性化
に用いた標準電極電位が1V以上の化合物がどの程度残
存しているかによるが、通常は異性化に供した化合物に
対し0.001〜2当量、好ましくは0.01〜1当量
である。還元処理は通常10〜70℃で行うが15〜6
0℃で行うのが好ましい。処理温度が高過ぎると還元剤
が分解するおそれがある。また低過ぎると所要処理時間
が長くなる。処理時間は通常は5分間以上であり、30
分間以上処理するのが好ましい。なお、処理は長くても
5時間も行えば十分であり、通常は2時間以内で十分で
ある。還元処理の進行状況は、所望ならば酸化還元電極
(ORP電極)を用いて追跡することができる。
【0014】還元処理を経たフマル酸アンモニウム水溶
液は、次いでアスパルターゼ又はアスパルターゼを産生
する微生物によるL−アスパラギン酸の生成反応に供す
る。反応に供する水溶液中のフマル酸濃度は、フマル酸
アンモニウム換算で45〜700g/L、好ましくは9
0〜450g/Lである。また、アンモニア含有量は、
フマル酸に対して1.0〜3.0倍モル、好ましくは
2.0〜2.6倍モルであり、液のpHは7.5〜10
が好ましい。なお、アンモニアの一部は、所望ならば、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの他のアルカリ
で代替することもできる。
【0015】アスパルターゼを産生する微生物として
は、ブレビバクテリウム属、エシェリヒア属、シュード
モナス属、バチルス属等の公知のものを用いればよく、
例えばブレビバクテリウム・フラバム MJ−233
(FERM BP−1497)、同MJ−233−AB
−41(FERM BP−1498)、ブレビバクテリ
ウム・アンモニアゲネス ATCC 6872、エシェ
リヒア・コリ ATCC11303、同ATCC 27
326等を用いればよい。これらの微生物はそのままで
反応に供することもでき、また固定化して反応に供する
こともできる。また、微生物ではなくこれから抽出した
アスパルターゼを用いる場合も、そのまま用いてもよく
また担体に固定化して用いてもよい。
【0016】微生物や酵素を固定化して用いる場合に
は、これらの固定化触媒の充填床にフマル酸アンモニウ
ム水溶液を流通させる方式を用いるのが好ましい。また
アスパルターゼや微生物をそのままの形態で用いる場合
には、攪拌槽でフマル酸アンモニウム水溶液にこれらを
添加して所定時間攪拌し、次いで分離膜や遠心分離機を
用いて懸濁している微生物等と生成したL−アスパラギ
ン酸を含む水相とを分離すればよい。分離して得た微生
物等は再び反応に供することができる。L−アスパラギ
ン酸の生成反応は通常10〜80℃、好ましくは15〜
60℃で行われる。この反応温度は前述の還元処理の温
度と重複しているので、所望ならば前述のようにL−ア
スパラギン酸の生成反応と還元剤による還元反応とを並
行させることもできる。
【0017】反応により得られたL−アスパラギン酸水
溶液を酸析するとL−アスパラギン酸結晶を取得でき
る。酸析は硫酸、塩酸などの無機酸、又はフマル酸、マ
レイン酸などの有機酸を用いて行うことができる。好ま
しくはフマル酸で酸析し、生成したL−アスパラギン酸
結晶を回収した後の母液を、L−アスパラギン酸の生成
工程に循環する。
【0018】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下の実施例において、フマル酸、マ
レイン酸及びL−アスパラギン酸の分析は高速液体クロ
マトグラフィーにより行った。 実施例1 無水マレイン酸に水を添加して、40重量%濃度のマレ
イン酸水溶液を調製した。500mL反応器に上記のマ
レイン酸水溶液300.0gと臭化アンモニウム240
mg(マレイン酸に対して0.2重量%)を仕込んだ。
この溶液を65℃に維持しながら、これに5重量%濃度
の過硫酸アンモニウム水溶液24g(過硫酸アンモニウ
ムとしてマレイン酸に対し1.0重量%)を1時間かけ
て添加し、添加終了後直ちに30℃まで冷却した。マレ
イン酸の転化率は99.0%であった。
【0019】生成したフマル酸スラリーに、25重量%
濃度のアンモニア水159.5g、塩化カルシウム・2
水和物1.5g、チオ硫酸ナトリウム1.66g(異性
化に用いた過硫酸アンモニウムに対して1当量)及び水
147.0gを添加し、フマル酸として174g/Lの
フマル酸アンモニウム水溶液を調製した。この溶液を室
温で30分間保持したのち、これに、ブレビバクテリウ
ム・フラバム MJ−233−AB−41(FERM
BP−1498)の培養液を限外濾過膜で濾過して得た
濃縮菌体(菌体含量約50重量%)37.4gを添加
し、45℃の温水中に浸漬して振盪し、L−アスパラギ
ン酸の生成反応を行わせた。この溶液から1時間後に菌
体を含有している反応液を採取し、菌体の活性測定に供
した。また24時間、48時間、96時間及び168時
間後にも反応液を採取して菌体の活性測定を行い、各測
定値の回帰計算の傾きから酵素活性半減期を算出した。
結果を表−1に示す。なお、表−1では、活性は、市販
のフマル酸とアンモニア水、塩化カルシウム・2水和物
及び水で調製した同一組成のフマル酸水溶液を用いた場
合の菌体の活性を100とする相対値で表示した。
【0020】実施例2 実施例1と全く同様にして得たフマル酸スラリーに、2
5重量%濃度のアンモニア水159.5g、塩化カルシ
ウム・2水和物1.5g及び水147.0gを添加して
フマル酸として174g/Lの水溶液を調製した。この
水溶液に濃縮菌体37.4gとチオ硫酸ナトリウム1.
66gを添加し、45℃の温水中に浸漬して振盪し、L
−アスパラギン酸の生成反応を行わせた。結果を表−1
に示す。
【0021】実施例3 実施例1と全く同様にして得たフマル酸スラリーを濾過
してフマル酸結晶を取得し、これに25重量%アンモニ
ア水159.5g、塩化カルシウム・2水和物1.5g
及びチオ硫酸ナトリウム110mg(異性化に用いた過
硫酸アンモニウムに対し0.066当量)及び水を加え
てフマル酸として174g/Lのフマル酸アンモニウム
水溶液を調製した。この溶液に濃縮菌体37.4gを加
え、45℃の温水中に浸漬して振盪し、L−アスパラギ
ン酸の生成反応を行わせた。結果を表−1に示す。
【0022】実施例4 実施例1と全く同様にして得たフマル酸スラリーを濾過
してフマル酸結晶を取得し、これに25重量%アンモニ
ア水159.5g、塩化カルシウム・2水和物1.5g
及び水を加えてフマル酸として174g/Lのフマル酸
アンモニウム水溶液を調製した。この溶液に濃縮菌体3
7.4gとチオ硫酸ナトリウム110mgを添加し、4
5℃の温水中に浸漬して振盪し、L−アスパラギン酸の
生成反応を行わせた。結果を表−1に示す。
【0023】比較例1 実施例1と全く同様にして得たフマル酸スラリーに、2
5重量%アンモニア水159.5g、塩化カルシウム・
2水和物1.5g及び水147.0gを加えてフマル酸
として174g/Lのフマル酸アンモニウム水溶液を調
製した。この溶液に濃縮菌体37.4gを添加し、45
℃の温水中に浸漬して振盪し、L−アスパラギン酸の生
成反応を行わせた。結果を表−1に示す。
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 尚樹 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4B064 AE18 CA02 CA21 CB28 CD02 CD07 DA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液中で、アスパルターゼ又はアスパ
    ルターゼを産生する微生物の存在下に、フマル酸にアン
    モニアを反応させてL−アスパラギン酸を生成させるに
    際し、フマル酸として水溶性臭素化合物及び標準電極電
    位が1V以上の化合物の存在下にマレイン酸を異性化し
    て得たフマル酸を還元剤で処理したものを用いることを
    特徴とするL−アスパラギン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性臭素化合物及び標準電極電位が1
    V以上の化合物の存在下にマレイン酸を異性化してフマ
    ル酸を生成させ、得られたフマル酸にアンモニアを加え
    てフマル酸アンモニウム水溶液とし、この水溶液を還元
    剤で処理したのち、これにアスパルターゼ又はアスパル
    ターゼを産生する微生物を添加して、酵素反応によりL
    −アスパラギン酸を生成させることを特徴とするL−ア
    スパラギン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性臭素化合物及び標準電極電位が1
    V以上の化合物の存在下にマレイン酸を異性化してフマ
    ル酸を生成させ、得られたフマル酸にアンモニアを加え
    てフマル酸アンモニウム水溶液とし、この水溶液に還元
    剤とアスパルターゼ又はアスパルターゼを産生する微生
    物を添加して、酵素反応によりL−アスパラギン酸を生
    成させることを特徴とするL−アスパラギン酸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 還元剤がチオ硫酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸
    塩、次亜硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩及び第一鉄
    塩より成る群から選ばれたものであることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のL−アスパラギン
    酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 フマル酸に対する還元剤の使用量が、マ
    レイン酸からフマル酸への異性化反応に用いた標準電極
    電位が1V以上の化合物に対して0.001〜2当量で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載のL−アスパラギン酸の製造方法。
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