JP2001029094A - L−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents

L−アスパラギン酸の製造方法

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JP2001029094A
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Naoyuki Watanabe
尚之 渡辺
Naoki Kato
尚樹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マレイン酸からフマル酸を経由して酵素反応
によりL−アスパラギン酸を製造する工業的に有利な方
法を提供する。 【解決手段】 マレイン酸水溶液を、水溶性臭素化合物
及び標準電極電位が1V以上の化合物、又は臭素酸イオ
ンの存在下に異性化して、水相中の標準電極電位が1V
以上の化合物又は臭素酸イオンの含有量がフマル酸1k
g当り6.0ミリモル以下のフマル酸スラリーを生成さ
せるか、又は異性化により生成したフマル酸スラリーか
らフマル酸結晶と共存している水溶液中の標準電極電位
が1V以上の化合物又は臭素酸イオンの少くとも一部を
除去して、その含有量をフマル酸1kg当り6.0ミリ
モル以下とし、次いでこれにアスパルターゼ又はアスパ
ルターゼを産生する微生物を添加して、フマル酸からL
−アスパラギン酸への反応を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマレイン酸からフマ
ル酸を経由して、酵素反応によりL−アスパラギン酸を
製造する方法に関するものである。特に本発明は中間体
であるフマル酸の精製工程を簡略化したL−アスパラギ
ン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アスパルターゼ又はアスパルターゼを産
生する微生物の存在下に、フマル酸にアンモニアを反応
させてL−アスパラギン酸を製造することは公知であ
る。反応はアンモニアの存在下にフマル酸を水に溶解
し、生成した水溶液にアスパルターゼを添加してL−ア
スパラギン酸アンモニウム水溶液を生成させる。この水
溶液に硫酸を添加するとL−アスパラギン酸が生成す
る。
【0003】原料のフマル酸はマレイン酸の異性化によ
り入手することができる。マレイン酸の異性化方法はい
くつも知られているが、マレイン酸水溶液に臭素酸イオ
ンを生成する化合物又は水溶性臭素化合物と酸化剤とを
添加する方法が最も好ましい方法の一つとされている。
マレイン酸水溶液に臭素酸イオンを生成する化合物又は
水溶性臭素化合物と酸化剤とを添加すると、マレイン酸
は容易にフマル酸となって析出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に酵素は過酸化水
素などの酸化剤により影響されることが知られている。
アスパルターゼを用いるフマル酸からL−アスパラギン
酸への反応も、酵素反応の常識として、反応系に酸化剤
が存在することは好ましくないと考えられる。しかるに
上述の方法によりマレイン酸を異性化して得たフマル酸
には、異性化触媒として用いた臭素酸イオンや酸化剤が
不純物として含まれている。従って上述の方法により得
たフマル酸を原料として、アスパルターゼを用いる酵素
反応によりL−アスパラギン酸を製造する際には、予め
フマル酸を十分に精製しておくことが必要と考えられて
いる。
【0005】例えば米国特許第4560653号には、
過硫酸アンモニウムと臭化アンモニウムを触媒としてマ
レイン酸をフマル酸に異性化し、生成したフマル酸をイ
オン交換樹脂及び活性炭で処理したのち、アスパルター
ゼを用いてアンモニアと反応させL−アスパラギン酸を
生成させることが記載されている。しかしこのようなフ
マル酸精製工程を経由することは、L−アスパラギン酸
を工業的に製造する場合には、決して好ましい方法では
ない。従って本発明は異性化により生成したフマル酸
を、煩雑な精製工程を経ることなく、アスパルターゼを
用いるL−アスパラギン酸の製造に用いる方法を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水溶性
臭素化合物及び標準電極電位が1V以上の化合物、又は
臭素酸イオンの存在下、マレイン酸水溶液を異性化し
て、標準電極電位が1V以上の化合物又は臭素酸イオン
の含有量がフマル酸1kgに対して6.0ミリモル以下
のフマル酸スラリーを生成させるか、又は異性化により
生成したフマル酸スラリーからフマル酸結晶と共存して
いる水溶液中の標準電極電位が1V以上の化合物又は臭
素酸イオンの少くとも一部を除去して、その含有量をフ
マル酸1kgに対して6.0ミリモル以下とし、次いで
これにアンモニア及びアスパルターゼ又はアスパルター
ゼを産生する微生物を添加して、フマル酸からL−アス
パラギン酸への反応を行わせることにより、煩雑なフマ
ル酸精製工程を経ることなく、マレイン酸からL−アス
パラギン酸を工業的に製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では先ずマレイン酸を水溶
液中でフマル酸に異性化する。マレイン酸としては精製
品及び粗製品のいずれをも用いることができる。例えば
特公昭40−23784号公報に記載の無水フタル酸の
製造工程で回収される粗マレイン酸水溶液を用いること
ができる。異性化に供するマレイン酸水溶液中のマレイ
ン酸濃度は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量
%である。濃度が低過ぎると経済性が劣り、逆に濃度が
高過ぎると異性化により生成したフマル酸が大量に析出
するので、反応系の攪拌が困難となる。マレイン酸の異
性化触媒としては、臭素酸イオン又は水溶性の臭素化合
物と標準電極電位が1V以上の化合物を併用する。
【0008】臭素酸イオンを与える化合物としては、臭
素酸のナトリウム、カリウム、バリウム、銀塩などを用
いればよい。これらは所望ならば2種以上を併用するこ
ともできる。水溶性の臭素化合物としては、臭化水素酸
のリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マ
グネシウム、カルシウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム
塩など臭素の原子価が−1であるものを用いるのが好ま
しいが、N−ブロモコハク酸イミドのような臭素の原子
価が+1であるものを用いることもできる。これらの水
溶性の臭素化合物も所望ならば2種以上併用することも
できる。
【0009】水溶性の臭素化合物と併用する標準電極電
位が1V以上の化合物は酸化剤として機能するものであ
り、4価のセリウムを含む化合物である硝酸アンモニウ
ムセリウム、硫酸セリウム、硫酸セリウムアンモニウム
(いずれも標準電極電位1V)、過硫酸イオンを含む化
合物である過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム(いずれも標準電極電位1.5V以上)、
過酸化水素などが用いられる。なかでも硝酸セリウムア
ンモニウム又は過硫酸イオンを含むものを用いるのが好
ましい。これらの標準電極電位が1V以上の化合物も所
望ならばいくつかを併用することができる。標準電極電
位についてはLange’s Handbook of
Chemistry 13th Section 6
を参照。
【0010】マレイン酸からフマル酸への異性化反応は
大きな発熱を伴うので、十分な除熱を行うことが重要で
ある。反応は通常50〜150℃で行うが、リンゴ酸の
生成を抑制するため60〜100℃で行うのが好まし
い。反応は回分方式でも連続方式でも行うことができ
る。回分方式の場合には、低温下でマレイン酸水溶液に
触媒を加えたのち徐々に昇温して反応させるか、又はマ
レイン酸水溶液に触媒水溶液を徐々に、通常は10分な
いし2時間かけて添加して反応させるのが好ましい。な
お、触媒として水溶性臭素化合物と標準電極電位が1V
以上の化合物とを併用する場合には、その一方は予めマ
レイン酸水溶液中に添加しておいてもよい。連続方式の
場合には、複数の反応槽を直列に接続した多段反応装置
を用いるのが好ましい。この場合には、多量のフマル酸
スラリー中に原料のマレイン酸水溶液及び触媒が供給さ
れるので、回分方式の場合よりも除熱が容易である。異
性化反応はマレイン酸水溶液と触媒とが接触すると直ち
に生起する。
【0011】回分方式及び連続方式いずれの場合でも、
マレイン酸に対する触媒の供給比率は、触媒として臭素
酸イオンを用いる場合には、臭素イオンとして通常0.
008〜7.7重量%、好ましくは0.08〜3.8重
量%である。また、触媒として水溶性臭素化合物と標準
電極電位が1V以上の化合物とを併用する場合には、水
溶性臭素化合物が通常1.2×10-3〜3.6モル%、
好ましくは1.2×10-2〜2.4モル%であり、標準
電極電位が1V以上の化合物が通常0.004〜8.4
モル%、好ましくは0.008〜4.2モル%である。
【0012】異性化反応で生成したフマル酸スラリー
は、次いで酵素反応によるL−アスパラギン酸の製造に
用いる。本発明では、スラリー中の触媒残留物により酵
素反応が阻害されないように、反応に供するフマル酸1
kg当りの臭素酸イオン又は標準電極電位が1V以上の
化合物の量は6.0ミリモル以下でなければならず、特
に3.0ミリモル以下であるのが好ましい。異性化反応
で生成したフマル酸スラリー中の臭素酸イオン又は標準
電極電位が1V以上の化合物の量を減少させる一つの方
法は、異性化反応終了後も生成したスラリーを反応温度
に保持することである。
【0013】前述のように異性化反応はマレイン酸水溶
液と触媒が接触すると急激に進行し、極めて短時間で容
易に反応率が95%、好ましくは98%程度に達する。
しかし、引続き生成したスラリーを反応温度に保持して
いると、今度は系内の臭素酸イオン又は標準電極電位が
1V以上の化合物の量が減少していく。保持時間は通常
5分間以上であり、10分間以上であるのが好ましい。
フマル酸1kgに対する臭素酸イオン又は標準電極電位
が1V以上の化合物の量が6.0ミリモル以下、好まし
くは3.0ミリモル以下に達したスラリーは、そのまま
次の異性化反応に供することもできるが、濾過等により
フマル酸を回収し、水で再スラリー化して異性化反応に
供するようにしてもよい。
【0014】異性化反応により生成したフマル酸スラリ
ーの臭素酸イオン又は標準電極電位が1V以上の化合物
の量を減少させる他の方法は、フマル酸結晶と共存して
いる水溶液中の臭素酸イオン又は標準電極電位が1V以
上の化合物の量を減少させることである。最も簡単には
異性化反応により生成したスラリーを濾過、遠心分離等
により固液分離し、得られたフマル酸結晶を水で再スラ
リー化すればよい。勿論、得られたフマル酸結晶を水洗
したのち再スラリー化したり、再スラリー化したのち再
び固液分離−再スラリー化してもよい。これらの洗浄操
作に用いる水量は通常はフマル酸に対し0.2〜10重
量倍、好ましくは0.5〜5重量倍である。
【0015】本発明ではこのように、異性化により生成
したスラリーの精製に際し、フマル酸結晶はそのまま保
存して、フマル酸結晶の外部に存在する臭素酸イオン又
は標準電極電位が1V以上の化合物だけを除去するとい
う簡単な方法により目的を達成することができる。そし
てこの方法によれば、純度99%以上のフマル酸を容易
に得ることができ、洗浄操作によっては99.9%以上
の純度とすることもできる。また臭素酸イオン又は標準
電極電位が1V以上の化合物の量を、フマル酸1kg当
り容易に1.2ミリモル以下にすることができる。な
お、異性化反応により得られたフマル酸スラリーを固液
分離して得た水相は、異性化工程に循環するのが好まし
い。
【0016】フマル酸からL−アスパラギン酸への反応
は、上記で得られたフマル酸スラリーにアンモニアを加
えてフマル酸アンモニウム水溶液とし、これをアスパル
ターゼ又はアスパルターゼを産生する微生物と接触させ
ればよい。反応に供するフマル酸アンモニウム水溶液の
フマル酸濃度は、フマル酸アンモニウム換算で45〜7
00g/l、特に90〜450g/lであるのが好まし
く、また溶液のpHは7.5〜10が好ましい。pHの
調節はアンモニアで行うのが好ましいが、水酸化ナトリ
ウムなどでその一部を代替することもできる。アンモニ
アだけを用いる場合には、フマル酸に対して1.0〜
3.0倍モル、特に2.0〜2.6倍モル用いるのが好
ましい。
【0017】アスパルターゼを産生する微生物として
は、ブレビバクテリウム属、エシェリヒア属、シュード
モナス属、バチルス属等の公知のものを用いればよく、
例えばブレビバクテリウム・フラバム MJ−233
(FERM BP−1497)、同MJ−233−AB
−41(FERM BP−1498)、ブレビバクテリ
ウム・アンモニアゲネス ATCC 6872、エシェ
リヒア・コリ ATCC11303、同ATCC 27
326等を用いればよい。これらの微生物はそのままで
反応に供することもでき、また固定化して反応に供する
こともできる。また、微生物ではなくこれから抽出した
アスパルターゼを用いる場合も、そのまま用いてもよく
また担体に固定化して用いてもよい。
【0018】微生物や酵素を固定化して用いる場合に
は、これらの固定化触媒の充填床にフマル酸アンモニウ
ム水溶液を流通させる方式を用いるのが好ましい。また
アスパルターゼや微生物をそのままの形態で用いる場合
には、攪拌槽でフマル酸アンモニウム水溶液にこれらを
添加して所定時間攪拌し、次いで分離膜や遠心分離機を
用いて懸濁している微生物等と生成したL−アスパラギ
ン酸を含む水相とを分離すればよい。分離して得た微生
物等は再び反応に供することができる。本発明によれ
ば、マレイン酸から工業的に簡単な方法でL−アスパラ
ギン酸を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下の実施例において、マレイン酸、
フマル酸及びL−アスパラギン酸の分析は高速液体クロ
マトグラフィーにより行った。また過硫酸イオン及び臭
素酸イオンの分析はイオンクロマトグラフィーにより行
った。
【0020】比較例1 濃度40.0重量%のマレイン酸水溶液300.0gと
臭化アンモニウム0.240gを500mLの反応器に
仕込んだ。この水溶液を65℃に維持して、これに濃度
5重量%の過硫酸アンモニウム水溶液24gを1時間か
けて添加した。添加終了後、直ちに冷水中に浸漬して3
0℃まで急冷した。この時点でのマレイン酸の転化率は
99.0%、フマル酸に対する液中の過硫酸イオンの量
はフマル酸1kg当り8.8ミリモルであった。
【0021】このフマル酸スラリーに、濃度25重量%
のアンモニア水159.5g、塩化カルシウム・2水和
物1.5g及び水147.0gを添加して、フマル酸と
して174g/Lのフマル酸アンモニウム水溶液を調製
した。これに、ブレビバクテリウム・フラバム MJ−
233−AB−41(FERM BP−1498)の培
養液を限外濾過膜(旭化成社製品、ACV−3050)
で濾過して得た濃縮菌体(菌体含量約50重量%)1.
9gを添加し、45℃に保持しL−アスパラギン酸を生
成させた。30分後にフマル酸の濃度を測定し、菌体の
比活性値を算出した。なお、比活性の基準としては市販
の精フマル酸を用いて上記と同じフマル酸アンモニウム
水溶液を調製し、これを用いた以外は上記と全く同様に
してL−アスパラギン酸を生成させた場合の菌体の活性
値を用いた。結果を表−1に示す。
【0022】比較例2 濃度40.0重量%のマレイン酸水溶液300.0gを
500mLの反応器に仕込んだ。この水溶液を70℃に
維持して、これに濃度5重量%の臭素酸カリウム水溶液
24gを1時間かけて添加した。添加終了後直ちに冷水
中に浸漬して30℃まで急冷した。この時点でのマレイ
ン酸の転化率は95.0%であり、フマル酸に対する液
中の臭素酸イオンの量はフマル酸1kg当り12.5ミ
リモルであった。このフマル酸スラリーに濃度25重量
%のアンモニア水158.6g、塩化カルシウム・2水
和物1.5g及び水122.8gを添加してフマル酸ア
ンモニウム水溶液を調製した。この水溶液を用いた以外
は比較例1と全く同様にして、L−アスパラギン酸を生
成させた。結果を表−1に示す。
【0023】実施例1 濃度40.0重量%のマレイン酸水溶液300.0gと
臭化アンモニウム0.240gを500mLの反応器に
仕込んだ。この水溶液を65℃に維持して、これに濃度
5重量%の過硫酸アンモニウム水溶液24gを1時間か
けて添加した。添加終了後65℃にさらに5分間保持し
たのち冷水中に浸漬して30℃まで急冷した。この時点
でのマレイン酸の転化率は99.0%、フマル酸に対す
る過硫酸イオンの量はフマル酸1kg当り5.3ミリモ
ルであった。このフマル酸スラリーに濃度25重量%の
アンモニア水159.5g、塩化カルシウム・2水和物
1.5g及び水147.0gを添加してフマル酸アンモ
ニウム水溶液を調製し、これを用いた以外は比較例1と
全く同様にしてL−アスパラギン酸を生成させた。結果
を表−1に示す。
【0024】実施例2 実施例1において過硫酸アンモニウム添加終了後の保持
時間を5分間から10分間に延長した。マレイン酸の転
化率は99.0%、過硫酸イオンの量はフマル酸1kg
当り4.4ミリモルであった。このフマル酸スラリーに
濃度25重量%のアンモニア水159.5g、塩化カル
シウム・2水和物1.5g及び水147.0gを添加し
てフマル酸アンモニウム水溶液を調製し、これを用いた
以外は比較例1と全く同様にしてL−アスパラギン酸を
生成させた。結果を表−1に示す。
【0025】実施例3 比較例2において、臭素酸カリウム水溶液を添加終了
後、70℃でさらに10分間保持したのち冷水中に浸漬
して30℃に急冷した。マレイン酸の転化率は95.0
%であり、臭素酸イオンの量はフマル酸1kg当り4.
4ミリモルであった。このフマル酸スラリーに25重量
%アンモニア水159.5g、塩化カルシウム・2水和
物1.5g及び水147.0gを添加してフマル酸アン
モニウム水溶液を調製し、これを用いた以外は比較例1
と全く同様にしてL−アスパラギン酸を生成させた。結
果を表−1に示す。
【0026】実施例4 実施例1においてマレイン酸からフマル酸への異性化温
度を80℃とした以外は実施例1と全く同様にしてフマ
ル酸スラリーを生成させた。マレイン酸の転化率は9
9.5%であり、過硫酸イオンの量はフマル酸1kg当
り2.2ミリモルであった。このフマル酸スラリーに濃
度25重量%のアンモニア水溶液159.5g、塩化カ
ルシウム・2水和物1.5g及び水150.0gを添加
してフマル酸アンモニウム水溶液を調製し、これを用い
た以外は実施例1と全く同様にしてL−アスパラギン酸
を生成させた。結果を表−1に示す。
【0027】実施例5 実施例4と全く同様にしてマレイン酸からフマル酸への
異性化反応を行った。得られたフマル酸スラリーを濾過
してフマル酸結晶130.6gを取得した。このものの
含水率は10%であり、フマル酸回収率は97.8%で
あった。また、過硫酸イオンの量はフマル酸1kg当り
0.5ミリモルであった。このフマル酸を濃度25重量
%のアンモニア水158.2g、塩化カルシウム・2水
和物1.5g及び水342.0gと混合して、フマル酸
として174g/Lのフマル酸アンモニウム水溶液を調
製した。この水溶液を用いた以外は比較例1と全く同様
にしてL−アスパラギン酸を生成させた。結果を表−1
に示す。
【0028】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性臭素化合物及び標準電極電位が1
    V以上の化合物、又は臭素酸イオンの存在下、マレイン
    酸水溶液を異性化して、標準電極電位が1V以上の化合
    物又は臭素酸イオンの含有量がフマル酸1kgに対して
    6.0ミリモル以下のフマル酸スラリーを生成させ、こ
    のフマル酸スラリーにアンモニア及びアスパルターゼ又
    はアスパルターゼを産生する微生物を添加して、水溶液
    中でフマル酸からL−アスパラギン酸への反応を行わせ
    ることを特徴とするL−アスパラギン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 標準電極電位が1V以上の化合物又は臭
    素酸イオンの含有量がフマル酸1kgに対して3.0ミ
    リモル以下のフマル酸スラリーを生成させることを特徴
    とする請求項1記載のL−アスパラギン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性臭素化合物及び標準電極電位が1
    V以上の化合物、又は臭素酸イオンの存在下、マレイン
    酸水溶液を異性化してフマル酸スラリーを生成させ、こ
    のスラリーからフマル酸結晶と共存している水溶液中の
    標準電極電位が1V以上の化合物又は臭素酸イオンの少
    くとも一部を除去して、標準電極電位が1V以上の化合
    物又は臭素酸イオンの含有量がフマル酸1kgに対して
    6.0ミリモル以下のフマル酸スラリーを生成させ、こ
    れにアンモニア及びアスパルターゼ又はアスパルターゼ
    を産生する微生物を添加して、水溶液中でフマル酸から
    L−アスパラギン酸への反応を行わせることを特徴とす
    るL−アスパラギン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 フマル酸スラリーからフマル酸結晶と共
    存している水溶液中の標準電極電位が1V以上の化合物
    又は臭素酸イオンの少くとも一部を除去して、標準電極
    電位が1V以上の化合物又は臭素酸イオンの含有量がフ
    マル酸1kgに対して3.0ミリモル以下のフマル酸ス
    ラリーとすることを特徴とする請求項3記載のL−アス
    パラギン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 フマル酸スラリーからの、フマル酸結晶
    と共存している水溶液中の標準電極電位が1V以上の化
    合物又は臭素酸イオンの除去を、フマル酸スラリーを濾
    過・水洗することにより行うことを特徴とする請求項3
    又は4に記載のL−アスパラギン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 マレイン酸水溶液からフマル酸スラリー
    を生成させる異性化工程を、マレイン酸に対して0.0
    08〜7.7重量%の臭素酸イオンを供給することによ
    り行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載のL−アスパラギン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 マレイン酸水溶液からフマル酸スラリー
    を生成させる異性化工程を、マレイン酸に対して0.0
    04〜8.4モル%の標準電極電位が1V以上の化合物
    を供給することにより行うことを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載のL−アスパラギン酸の製造方
    法。
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