JP2001044153A - 半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents

半導体ウェーハの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨不良ウェーハの再生率を高めた半導体ウ
ェーハの製造方法を提供する。再生処理を原因とした再
生ウェーハの強度低下を防止する。 【解決手段】 エッチング後の半導体ウェーハの表面を
研磨し、その研磨面の平坦度検査を行う。基準値を満た
さず平坦度不良と判定されたウェーハには、プラズマエ
ッチングが施されて再生される。研磨ウェーハのGBI
Rは1μm前後であるが、再生エッチング後のウェーハ
平坦度は、GBIRで0.3μm以下となる。不良ウェ
ーハの再生率を高めることができる。再生エッチング時
のエッチング量をGBIRと略同じにすれば、再生ウェ
ーハの厚さは平坦度良のウェーハとほとんどかわらな
い。再生処理を原因とした再生ウェーハの強度低下を防
ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体ウェーハの
製造方法、詳しくは平坦度不良と判定された研磨ウェー
ハの再生率を高められる半導体ウェーハの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のシリコンウェーハの製造方法の一
例を図6のフローチャートを参照して説明する。まず、
スライス工程(S601)では、CZ法により引き上げ
られたシリコン単結晶インゴットからシリコンウェーハ
をスライスする。次の面取り工程(S602)では、こ
のシリコンウェーハの外周部に面取り加工を施す。続く
ラッピング工程(S603)においては、ラップ盤によ
りシリコンウェーハの表裏両面にラップ加工を施す。次
のエッチング工程(S604)では、ラップドウェーハ
を所定のエッチング液(混酸、または、アルカリ)に浸
漬し、そのラップ加工での歪み、面取り工程での歪みな
どを除去する。この場合、通常、片面で20μm、両面
で40μm程度のエッチングとなる。
【0003】それから、シリコンウェーハの表面を鏡面
研磨する(S605)。この工程は、研磨装置の研磨ヘ
ッドの下面に固定されたシリコンウェーハの表面を、回
転中の研磨定盤上に展張された研磨布に押し付けること
で行われる。研磨終了後、研磨ヘッドからシリコンウェ
ーハを取り外し、ウェーハ平坦度の検査を行う(S60
6)。この検査には平坦度測定器が用いられる。例えば
GBIR(TTV)で、1.5μm以下を平坦度良(製
品ウェーハ)とし、これに満たない場合には平坦度不良
(不良ウェーハ)と判定される。基準値を満たし、平坦
度良と判定された製品ウェーハは、その後、梱包されて
出荷される(S607)。一方、基準値を満たさず、平
坦度不良と判定された不良ウェーハは、ふたたび鏡面研
磨工程(S605)に戻されて、再生研磨が行われる。
なお、この再生研磨の終了後に、もう一度、平坦度不良
と判定された再不良ウェーハ(S608でNO)は、そ
のまま廃棄処分される(S609)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来法によるシリコンウェーハの鏡面研磨によれ
ば、以下の欠点があった。すなわち、(1)図4の研磨
後の半導体ウェーハのGBIRを示すグラフから明らか
なように、従来のウェーハ製造方法では、仕上げ洗浄工
程へ送られるシリコンウェーハのGBIR(TTV)が
1μm前後であった。そのため、規格をGBIRが1.
5μm以下とした場合、再生研磨を行っても、一般的に
3%前後の出現率で、ふたたび平坦度不良と判定される
シリコンウェーハが存在していた。
【0005】(2)また、研磨装置によるシリコンウェ
ーハの研磨は、研磨布の研磨作用面に所定圧力でウェー
ハ表面を押し付けるという主に機械的な研磨である。そ
のため、例えば研磨布の素材の種類、研磨布の目詰まり
の度合い、研磨ヘッド側からウェーハに加えられる研磨
圧の偏りなど、研磨量を増減させる要素が多い。これに
より、現実的にシリコンウェーハの研磨量を微細に制御
することはむずかしい。このため、鏡面研磨時の研磨量
は、5〜20μmと比較的大きな値となっていた。よっ
て、再生研磨時にも、これと同じ研磨量での研磨が行わ
れることになる。なお、この再研磨時の研磨量は、通
常、再生研磨される不良ウェーハのGBIRを超える大
きさである。図7は従来手段に係る半導体ウェーハの再
生研磨量を示す説明図である。したがって、再生された
シリコンウェーハ(以下、再生ウェーハという場合があ
る)はその厚さが薄くなり、十分なウェーハ強度が得ら
れないという懸念があった。
【0006】そこで、発明者は、鋭意研究の結果、平坦
度不良の半導体ウェーハの研磨面に、GBIRが0.3
μm以下となるプラズマエッチング(再生エッチング)
を施せば、不良ウェーハの再生率を略100%にするこ
とができることを知見し、この発明を完成させた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、不良ウェーハの再生率を高
めることができる半導体ウェーハの製造方法を提供する
ことを、その目的としている。また、この発明は、再生
処理を原因とした再生ウェーハの強度低下を防止するこ
とができる半導体ウェーハの製造方法を提供すること
を、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体ウェーハをエッチングするエッチング工程
と、エッチング後、この半導体ウェーハの表面を研磨す
る研磨工程と、研磨された半導体ウェーハの平坦度を検
査する検査工程と、検査工程で、平坦度不良と判定され
た半導体ウェーハの研磨面にプラズマエッチングを施す
再生エッチング工程とを備えた半導体ウェーハの製造方
法である。半導体ウェーハの品種は限定されない。例え
ばシリコンウェーハ、ガリウム砒素ウェーハなどが挙げ
られる。半導体ウェーハの研磨後の平坦度は、例えばG
BIRで1μm程度である(図4のグラフ参照)。
【0009】この研磨工程で使用される研磨装置は限定
されない。例えば、1枚ずつ鏡面研磨する枚葉式の研磨
装置でも、複数枚の半導体ウェーハを一括して鏡面研磨
するバッチ式の研磨装置でもよい。研磨面は、半導体ウ
ェーハの表面である。ただし、ここでいう表面とは、外
部に露出された面を意味する。したがってウェーハ裏面
を含む。また、半導体ウェーハの研磨取代は限定されな
い。ただし、通常は片面当たり5〜20μm、好ましく
は10〜15μmである。5μm未満では研磨ウェーハ
の面質の改善すなわち完全鏡面化ができない。また、2
0μmを超えると、加工時間の増加に伴い生産性が低下
するという不都合が生じる。
【0010】ウェーハ平坦度の検査法としては、例えば
ウェーハ表面に対してプリズムなどを使って測定光を斜
めに投射させ、その反射光と、基準リファレンス面から
の反射光とにより形成される干渉縞から、ウェーハ平坦
度を測定する斜入射干渉計方式、ウェーハ表面に対して
測定光を垂直に投射し、その反射光と基準リファレンス
面からの反射光とにより形成される干渉縞により、ウェ
ーハ平坦度を測定するフィゾー干渉計方式、ウェーハ表
面とセンサ電極間の静電容量の変化量を検出して平坦度
を測定する静電容量方式、レーザビーム、赤外ビームな
どを使用して、ウェーハ表面からの反射光を受光素子に
より検出し、これに基づいて反射光量差や反射光の移動
量を検出することでウェーハ平坦度を測定する光電方
式、超音波を音源とし、これがウェーハ表面から反射さ
れる時間を検出してウェーハ平坦度を測定する超音波方
式などの各種の検査法が挙げられる。この検査における
良否判定の基準値は限定されない。例えば、GBIRで
1.5μmなどが挙げられる。
【0011】上記プラスマエッチングとは、反応性ガス
プラズマを利用したドライエッチングの一種であり、一
般的には、高周波放電プラズマ中に発生した化学的に活
性度の高い励起状態にある原子または分子(ラジカル)
を反応種として用いる化学反応をいう。再生エッチング
時のエッチング量は限定されない。ただし、通常は0.
5〜5μmである。また、プラズマエッチングのエッチ
ングレートは、通常200mmウェーハで0.5〜1.
0μm/分である。このプラズマエッチング後の半導体
ウェーハのGBIRは、図5のプラズマエッチング後の
半導体ウェーハのGBIRを示すグラフからわかるよう
に、0.3μm前後の高平坦度である。
【0012】使用されるエッチングガスは、一般的に、
プラズマエッチングされる対象材料によって決定され
る。そのガスの選択では、まず対象材料と化学反応し、
蒸気圧の高い反応生成物を形成できるものを選択する。
半導体ウェーハのエッチングには、一般にハロゲンを含
むガスが用いられる。例えば、シリコンウェーハのエッ
チングではSF、SiF、SiCl、SiBr
などが挙げられる。いずれも、蒸気圧が高く、エッチン
グ用のガスとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素といっ
たハロゲン元素を含有する安定的なガス分子となる。
【0013】プラズマエッチングにおけるエッチングガ
スの動作圧力領域は、通常、0.1〜数Torrと、希薄な
気相状態のプラズマが用いられる。なお、この低圧ガス
プラズマの制御には、ガス圧力と放電パラメータを定量
的に設定する必要がある。高周波電力は、容量的または
誘導的に印加される。半導体ウェーハは電気的に浮遊状
態におかれるので、プラズマ中のイオンは、プラズマ電
位と浮遊電位との差によって加速され、半導体ウェーハ
に入射される。なお、プラズマ電位と浮遊電位との差
は、数十Vくらいと小さい。主なエッチング種は前述し
たラジカルであり、加工形状は等方的である。
【0014】半導体ウェーハの表面を均一にプラズマエ
ッチングするのに適した方法として、PACE(Plasma
Assisted Chemical Etching)法が知られている。これ
は、Heughes Danbary Optical Systems社が開発したプ
ラズマアシスト化学エッチング法のひとつであり、エッ
チング前のウェーハ形状情報を部分的なエッチング代に
フィードバックすることで、プラズマエッチング後の半
導体ウェーハの厚さ精度や平坦度精度を高める方法であ
る。すなわち、このPACE法によるプラズマエッチン
グに際しては、通常、これに付随した前工程として、例
えば反射分光法を採用した面粗さ測定装置などを用い
て、プラズマエッチングされるウェーハ表面の面粗さの
測定が行われる。その後、この得られた測定データに基
づいて、エッチングガスに供給される高周波の大きさを
制御したり、半導体ウェーハを面方向に移動させる際の
速度を変化させたりしてエッチングが行われる。
【0015】プラズマエッチング工程に用いられるプラ
ズマエッチング装置は限定されない。例えばこのPAC
E法を採用したプラズマエッチング装置などが挙げられ
る。これは、エッチング反応炉内にエッチングガスを流
しながら、この反応炉内に配置されたプラズマ発生電極
と、半導体ウェーハの真空チャックを兼用するチャック
兼用電極との間に、高周波電源から高周波電圧を連続的
に印加してプラズマ発生電極内でプラズマを発生させ
る。そして、このプラズマ発生電極を、あらかじめ得ら
れたウェーハ形状情報に基づき移動させることで、プラ
ズマにより励起されたラジカル種を、供給管からウェー
ハ所定位置へと順次供給してエッチングする装置であ
る。また、これ以外のプラズマエッチング装置として、
例えば円筒形の石英容器の外周に電極を配設させ、エッ
チング室内のプラズマにより生成された中性活性種によ
って、この室内の半導体ウェーハがエッチングされる円
筒型プラズマエッチング装置なども挙げられる。
【0016】請求項2に記載の発明は、上記再生エッチ
ング工程におけるプラズマエッチングによる最大エッチ
ング量を、上記検査工程で平坦度不良と判定された半導
体ウェーハのGBIRと略同じ大きさとした請求項1に
記載の半導体ウェーハの製造方法である。不良ウェーハ
のGBIRは、通常、1.5〜5μmである。この値が
再生エッチング時の最大エッチング量となる。
【0017】
【作用】この発明によれば、エッチング後の半導体ウェ
ーハの表面を研磨する。その後、ウェーハ平坦度の検査
を行う。ここで、平坦度が基準値を満たさない平坦度不
良と判定されたウェーハは再生プラズマエッチング工程
へ送られ、ここでプラズマエッチングが施されて、ウェ
ーハが再生される。なお、研磨後のウェーハ平坦度はG
BIRで、通常、最小でも1μm前後である(図4のグ
ラフ参照)。これに対して、再生エッチング後のウェー
ハ平坦度は、GBIRで0.3μm以下である(図5の
プラズマエッチング後の半導体ウェーハのGBIRを示
すグラフ参照)。その結果、不良ウェーハの再生率を高
めることができる。
【0018】しかも、請求項2に記載した発明のよう
に、再生エッチング時のエッチング量をGBIRと略同
じ大きさにすれば、再生ウェーハの厚さは平坦度良のウ
ェーハとほとんどかわらなくなる。これにより、この再
生処理を原因とした再生ウェーハの強度低下を防ぐこと
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1は、この発明の一実施例に係る
半導体ウェーハの製造方法を示すフローチャートであ
る。図2は、この発明の一実施例に係る半導体ウェーハ
の製造方法に用いられるプラズマエッチング装置の説明
図である。図3は、この発明の一実施例に係る半導体ウ
ェーハの再生エッチング量を示す説明図である。図1に
示すように、この一実施例にあっては、大略、スライ
ス,面取り,ラッピング,エッチング,粗研磨,仕上げ
研磨,洗浄,検査,製品ウェーハの場合の出荷,不良ウ
ェーハの場合の再生エッチングの各工程を経て、シリコ
ンウェーハが作製される。以下、各工程を詳細に説明す
る。
【0020】CZ法により引き上げられたシリコンイン
ゴットは、スライス工程(S101)で、厚さ860μ
m程度の例えば8インチのシリコンウェーハW(図2参
照)にスライスされる。次に、スライス後のシリコンウ
ェーハWは、面取り工程(S102)で、その周縁部が
面取り用の砥石により所定の形状に面取りされる。これ
により、シリコンウェーハWの周縁部は、所定の丸みを
帯びた形状(例えばMOS型の面取り形状)に成形され
る。そして、この面取りされたシリコンウェーハWは、
ラッピング工程(S103)においてラッピングされ
る。この工程は、シリコンウェーハWを互いに平行な一
対のラップ定盤間に配置し、その後、このラップ定盤間
に、アルミナ砥粒と分散剤と水の混合物であるラップ液
を流し込む。それから、加圧下で回転・摺り合わせを行
うことにより、このウェーハの表裏両面を機械的にラッ
ピングする。この際、シリコンウェーハWのラップ量
は、ウェーハの表裏両面を合わせて30〜80μm程度
である。
【0021】次いで、このラッピング後のウェーハをエ
ッチングする(S104)。具体的には、フッ酸と硝酸
とを混合した混酸液(常温〜50℃)中にシリコンウェ
ーハWを浸漬する。その後、シリコンウェーハWの裏面
を、研磨装置の上部を構成する研磨ヘッドの下面に着脱
可能に取り付けられたキャリアプレートにワックスによ
り貼着する。そして、このシリコンウェーハWの表面
を、研磨装置の下部を構成する、回転中の研磨定盤上に
展張された研磨布に押し付けて粗研磨する(S10
5)。このときの研磨取代は15μmである。この粗研
磨においては、所定のスラリーを供給して行うものとす
る。
【0022】続いて、このシリコンウェーハWの粗研磨
面に仕上げ研磨を施す(S106)。仕上げ研磨時の研
磨量は0.5μm以下である。この仕上げ研磨が施され
たシリコンウェーハWのGBIRは、通常、1μm前後
である(図4のグラフ参照)。次にまた、仕上げ研磨後
のシリコンウェーハWを洗浄する洗浄工程(S107)
を行う。SC1洗浄である。それから、洗浄されたシリ
コンウェーハWを検査工程(S108)へ送り、ウェー
ハ平坦度を測定する。ここでは、一例としてGBIRが
1.5μm以下のものを平坦度良の製品ウェーハと判定
する。測定には、静電容量方式の測定装置が用いられ
る。その後、製品ウェーハは、ウェーハケースに密封さ
れてデバイスメーカなどへ出荷される(S109)。
【0023】一方、この検査工程(S108)で、平坦
度不良と判定された不良ウェーハは、再生エッチング工
程(S110)へ送られる。ここで、シリコンウェーハ
Wの表面が、図2に示すPACE方式のプラズマエッチ
ング装置10により、プラズマアシスト化学エッチング
される。すなわち、このプラズマエッチングは、高周波
電源11を用いて、エッチングガスSFを100〜1
000cc/分でエッチング反応炉内に流しながら、こ
の反応炉内に配置された断面が下向きコの字形のプラズ
マ発生電極12(電極サイズ7〜50mm)と、シリコ
ンウェーハWの静電チャックを兼用するチャック兼用電
極13との間に、周波数13.56MHz、電力400
〜700ワットの高周波電圧を連続的に印加する。これ
により、ブラズマ発生電極12の内部空間で、エッチン
グガスSFが励起されてプラズマ14が発生する。す
なわち、このエッチングガスSFがプラズマ発生電極
12下に達したとき、プラズマのエネルギを受けて化学
的に活性化する。
【0024】その後、このプラズマ発生電極12を、シ
リコンウェーハWの表面に沿って、シリコンウェーハW
の表層のうねり部aの厚さに合わせて移動速度を変更し
ながら動かすことで、プラズマ14により励起されたラ
ジカル種15が、供給管16からこのウェーハWの所定
位置へと順次供給される。これにより、プラズマ領域下
のシリコンが、20〜50μm/分のエッチングレー
ト、エッチング量1〜5μmで、うねり部aの厚さ1〜
5μmに合わせてエッチングされる(図3参照)。これ
により、このシリコンウェーハWの表面上から、うねり
部aがきれいに除去される。なお、うねり部aの最大厚
5μmが、このシリコンウェーハWのGBIR値、すな
わち最大再生エッチング量である。ところで、うねり部
aの厚さの測定は、あらかじめプラズマエッチング前に
反射分光法により測定される。具体的には、このシリコ
ンウェーハWの表面全域のうねり部aの厚さ分布は、例
えば512×512画素を有する二次元のCCDアレイ
などにより比較的簡単に測定することができる。なお、
上記検査工程(S108)で用いられた平坦度測定装置
からの検出データを援用してもよい。
【0025】この実施例では、平坦度不良と判定された
シリコンウェーハWの研磨面にプラズマエッチングによ
る再生エッチングを施すようにしたので、再生されたシ
リコンウェーハWの平坦度が、GBIRで0.3μm以
下となる(図5のグラフ参照)。なお、前述したように
平坦度良の判定基準値はGBIRで1.5μmである。
そのため、再生エッチングを施した後も、平坦度不良と
なる1.5μmを超えた再不良ウェーハが現出するおそ
れは略皆無となる。したがって、不良ウェーハの再生率
を略100%まで高めることができる。
【0026】しかも、再生ウェーハにあっては、このよ
うに平坦度良と判定された製品ウェーハW(GBIR;
1μm前後)に比べ、その平坦度が高い(GBIR;
0.3μm以下)。このため、前者の製品ウェーハWで
は、今日、次期主流デバイスとして注目を集めている、
集積度が256MB、メモリセル面積が1μm以下の
超LSI(MOSDRAM)用のウェーハとして対応す
ることができなかった。これに対して、再生ウェーハの
場合は、その平坦度がGBIR0.3μm以下であるた
めに、この集積度256Mbit用のものとしても対応
することができる。
【0027】この実施例では、再生エッチング時のエッ
チング量がGBIRと同じ大きさに設定されている。そ
の結果、再生ウェーハの厚さは、最初の検査時に平坦度
良と判定された製品ウェーハWとほとんどかわらない。
よって、この再生処理を原因とした再生ウェーハの強度
低下を防ぐことができる。なお、この再生ウェーハは、
仕上げ研磨工程S106へ送られる。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、このように研磨後の
検査時に、平坦度不良と判定された不良ウェーハに対し
て、プラズマエッチングの再生エッチングを行うように
したので、不良ウェーハの再生率を高めることができ
る。
【0029】特に、請求項2の発明によれば、再生エッ
チング時のエッチング量をGBIRと略同じ大きさとし
たので、再生ウェーハの厚さが平坦度良のウェーハとほ
とんどかわらなくなり、その結果、再生処理を原因とし
た再生ウェーハの強度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハの製
造方法を示すフローチャートである。
【図2】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハの製
造方法に用いられるプラズマエッチング装置の説明図で
ある。
【図3】この発明の一実施例に係る半導体ウェーハの再
生エッチング量を示す説明図である。
【図4】研磨後の半導体ウェーハのGBIRを示すグラ
フである。
【図5】プラズマエッチング後の半導体ウェーハのGB
IRを示すグラフである。
【図6】従来手段に係る半導体ウェーハの製造方法を示
すフローチャートである。
【図7】従来手段に係る半導体ウェーハの再生研磨量を
示す説明図である。
【符号の説明】
10 プラズマエッチング装置、 W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハをエッチングするエッチ
    ング工程と、 エッチング後、この半導体ウェーハの表面を研磨する研
    磨工程と、 半導体ウェーハの研磨面の平坦度を検査する検査工程
    と、 検査工程で、平坦度不良と判定された半導体ウェーハの
    研磨面にプラズマエッチングを施す再生エッチング工程
    とを備えた半導体ウェーハの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記再生エッチング工程におけるプラズ
    マエッチングでの最大エッチング量を、上記検査工程で
    平坦度不良と判定された半導体ウェーハのGBIRと略
    同じ大きさとした請求項1に記載の半導体ウェーハの製
    造方法。
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