JP2001044060A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
積層セラミックコンデンサInfo
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Abstract
ととともに、外部電極表面とメッキ膜との接合力が強い
積層セラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】少なくともBa、TiおよびMnを含有す
る非還元性誘電体磁器組成物からなる誘電体層4と卑金
属を主成分とする内部電極層3とを交互に積層してなる
コンデンサ本体1と、該コンデンサ本体1の両端部に、
コンデンサ本体1と同時焼成して設けられた外部電極2
とを具備してなり、外部電極2が、卑金属を主成分と
し、少なくともBa、TiおよびMnを含有するセラミ
ック粒子11を含有するとともに、該セラミック粒子1
1が外部電極2表面に露出し、該露出した部分のセラミ
ック粒子11の平均粒径が2μm以上である。
Description
ンデンサに関するもので、特に、携帯電話、VTR、カ
メラ及びパソコン等の電子機器に使用される積層セラミ
ックコンデンサに関するものである。
デンサ本体の両端部に外部電極を形成して構成されてい
る。この外部電極は、コンデンサ本体と同時焼成して形
成される。コンデンサ本体は、内部電極層と誘電体層を
交互に積層してなる容量部の積層方向の両面に、誘電体
層と同一材料からなる絶縁層を形成して構成されてい
る。また外部電極の表面には、順にCuメッキ層、Ni
メッキ層、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メッキ
層が形成されている。
電極層となる内部電極ペーストを所定のパターンで印刷
した未焼成誘電体グリーンシートを多数枚積層し、その
上下面に、内部電極ペーストを塗布していないグリーン
シートを積層し、これを所定の大きさに切断して積層成
形体を作製し、この積層成形体の両端部に、外部電極ペ
ーストを塗布した後、脱バインダーして焼成する。その
後、外部電極の表面にCuメッキ層を施し、その次にN
iメッキ層を施し、その後、SnメッキもしくはSn−
Pb合金メッキ層を施すのが一般的である(特開平7−
57959号公報参照)。
ダーとなる樹脂を有機溶剤に溶解して得られたビヒクル
中に、Ni等の卑金属粉末及び未焼成セラミックを分散
させ、有機溶剤を加えたものである(特開平4−260
314号公報参照)。
未焼成セラミックとしてチタン酸バリウムを用いて、金
属粉に対するチタン酸バリウムの割合(重量割合)を変
更した場合のクラック発生率とメッキ付着性の関係が開
示されている。これによると、未焼成セラミックの割合
を少なくするとメッキ付着性は良くなるが、クラックが
発生する傾向にあり、金属粉に対するチタン酸バリウム
の割合は10〜40重量部が望ましいことが記載されて
いる。
極中のチタン酸バリウムの割合が適性であっても、コン
デンサ本体との同時焼成後においては外部電極中のチタ
ン酸バリウムの結晶粒子の粒子径が細かく、外部電極の
表面をこの細かいセラミック結晶粒子が覆ってしまい、
外部電極表面にメッキ膜が形成できなくなるという問題
があった。
タン酸バリウムのセラミック結晶粒子が、比較的大きい
金属粒子の表面を隙間なく被覆してしまい、外部電極表
面のメッキ処理が困難になるという問題があった。
表面とメッキ膜との接合力が低くなるという問題もあっ
た。
成が容易であるととともに、外部電極表面とメッキ膜と
の接合力が強い積層セラミックコンデンサを提供するこ
とを目的とする。
コンデンサは、例えば、少なくともBa、TiおよびM
nを含有する非還元性誘電体磁器組成物からなる誘電体
層と卑金属を主成分とする内部電極層とを交互に積層し
てなるコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の両端部
に、前記コンデンサ本体と同時焼成して設けられた外部
電極とを具備してなり、前記外部電極が、卑金属を主成
分とし、例えば、少なくともBa、TiおよびMnを含
有するセラミック粒子を含有するとともに、該セラミッ
ク粒子が前記外部電極表面に露出し、該露出した部分の
前記セラミック粒子の平均粒径が2μm以上であること
を特徴とする。
子の平均粒径を2μm以上とすることにより、外部電極
中の金属粒子の表面をセラミック粒子が覆うことを抑制
でき、これにより外部電極表面に金属粒子を露出でき、
メッキを容易に行うことができるとともに、メッキ膜と
外部電極との接合力を向上できる。
セラミック粒子の面積が、前記外部電極の全表面積の1
0〜40%であることが望ましい。これにより、メッキ
膜の形成が容易で、かつメッキ膜と外部電極との接合力
を向上できるとともに、外部電極の過焼結によるクラッ
クの発生を防止できる。
ンデンサを示すもので、コンデンサ本体1の両端部に外
部電極2を形成して構成されている。この外部電極2
は、コンデンサ本体1と同時焼成して形成される。コン
デンサ本体1は、内部電極層3と誘電体層4を交互に積
層してなる容量部5の積層方向の両面に、誘電体層4と
同一材料からなる絶縁層6を形成して構成されている。
また外部電極2の表面には、順にCuメッキ層7、Ni
メッキ層8、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メッ
キ層9が形成されている。
TiおよびMnを含む非還元性誘電体磁器組成物からな
り、その成分は、チタン酸バリウムやチタン酸バリウム
に酸化イットリウム、酸化マグネシウム、炭酸マンガ
ン、ガラスなどを含有して構成されており、焼成後の1
層当たりの層厚みは10〜30μmが望しい。
略矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3層目、
第5層目・・・の奇数層の内部電極層3は、その一端が
コンデンサ本体1の一方端面に露出しており、上から第
2層目、第4層目、第6層目・・・の内部電極層3は、
その一端がコンデンサ本体1の他方端面に露出してい
る。
等があり、そのうち安価であるという理由からNiが望
ましい。Niを主成分とする内部電極層3とは、Niの
みからなる場合も含まれる概念であるが、Niの酸化物
を含有することがあり、さらに、例えば、Cr、Co及
びCu等の金属や化合物等が意図的に、また不純物とし
て含まれる場合を含め、これらを総称して本発明では、
Niを主成分とする内部電極層3という。
両端面に、外部電極ペーストを塗布、脱バインダー、焼
成することによって形成されるものである。外部電極2
は、卑金属を主成分とし、例えば、少なくともBa、T
iおよびMnを含む非還元性誘電体磁器組成物を含有す
るものである。
誘電体磁器組成物は成分が同一であっても、異なってい
ても良いが、製造上の点から同一であることが望まし
い。
うに、外部電極2表面にセラミック粒子11が露出して
おり、その露出した部分のセラミック粒子11の平均粒
径が2μm以上とされている。これは、露出した部分の
セラミック粒子11の平均粒径が2μm未満の場合、こ
れら微細なセラミック粒子11が金属粒子13を覆って
しまい、外部電極2表面にメッキ膜を形成できなくなる
からである。また形成できても、外部電極2とメッキ膜
の間に微細なセラミック粒子11が存在している部分が
多く、メッキ膜と外部電極2との接合力が低くなるから
である。
粒径dとは、図2(b)に示すように、外部電極2を平
面視した時のセラミック粒子11の粒径をいう。具体的
には、外部電極2表面を無作為に3箇所選び、これらを
走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して撮影し、これ
らの写真から200個のセラミック粒子を無作為に選ん
で、任意の直線によって横切られたセラミック粒子の線
分の長さから粒径を算出し(インターセプト法)、平均
値を求めてその平均粒径とした。
dを変更する手法としては以下の3つの方法がある。一
つ目の方法は、外部電極ペースト中の非還元性誘電体磁
器組成物の割合を増量させる。二つ目の方法は、外部電
極ペースト中のガラス量を増量させる。三つ目の方法
は、誘電体層および外部電極中に、少なくともBa、T
i、Mnを含有せしめ、外部電極表面のTiに対するM
nのモル比を、コンデンサ本体の誘電体磁器組成物のT
iに対するMnのモル比の1.5〜15倍に制御する方
法である。
Mnのモル比が、コンデンサ本体の誘電体磁器組成物の
Tiに対するMnのモル比の1.5〜15倍であると
は、例えば、誘電体層の非還元性誘電体磁器組成物がB
aTiO3 100モル部に対して、Y2 O3 を1.0モ
ル部、MnO2 を0.2モル部とから構成され、外部電
極2中の非還元性誘電体磁器組成物がBaTiO3 10
0モル部に対して、Y2O3 を1.0モル部、MnO2
を2.0モル部とから構成されている場合には、誘電体
層のTiに対するMnのモル比が0.002であり、外
部電極2表面におけるTiに対するMnのモル比が0.
02であり、これにより、外部電極2表面におけるTi
に対するMnのモル比は、誘電体層4のモル比の10倍
となる。尚、外部電極2表面のMn量は、波長分散型X
線分析法(EPMA)で定性、定量した値である。
セラミック粒子11の面積が、外部電極2全表面積の1
0〜40%であることが望ましい。これはメッキ膜の形
成が容易で、かつメッキ膜と外部電極2との接合力を向
上できるとともに、外部電極2の過焼結によるクラック
の発生を防止できるからである。一方、10%未満で
は、焼成の際、金属粒子13が過焼結となりやすく、ク
ラックが発生する虞があるからである。40%より大き
くなると、メッキ膜と外部電極2との付着強度が低くな
る傾向にあるからである。
1の面積の測定は、外部電極2表面を無作為に3箇所選
び、これらを走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して
撮影し、これらの写真から画像解析装置にて外部電極表
面を占めるセラミック粒子11の面積を測定した。
が形成されている。Cuメッキ層7は外部電極2とNi
メッキ層8、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メッ
キ層9の密着性を向上させるものである。Cuメッキ層
7の表面には順にNiメッキ層8、Snメッキ層もしく
はSn−Pb合金メッキ層9が構成されている。これら
は外部電極2の半田食われ防止や半田濡れ性を補うもの
である。
えば、内部電極層となる内部電極ペーストを所定のパタ
ーンで印刷した未焼成誘電体グリーンシートを多数枚積
層し、その上下面に、内部電極ペーストを塗布していな
いグリーンシートを積層し、これを所定の大きさに切断
して未焼成のコンデンサ本体(積層成形体)を作製し、
この未焼成のコンデンサ本体の両端部に、外部電極ペー
ストを塗布した後、脱バインダーして焼成する。その
後、外部電極の表面にCuメッキ層を施し、その次にN
iメッキ層を施し、その後、SnメッキもしくはSn−
Pb合金メッキ層を施すことにより作製できる。
ダとなる樹脂を有機溶剤に溶解して得られたビヒクル中
に、例えば卑金属としてNiを、さらに未焼成セラミッ
ク粉末を分散させ有機溶剤を加えたものである。
オール等が用いられ、またバインダー樹脂としてはエチ
ルセルロース等のセルロース系樹脂やブチルメタクリレ
ート等のアクリル系樹脂が使用される。有機溶剤には、
n−デカン等の直鎖状の飽和炭化水素やテルピネオール
が使用される。
ストが収容された槽に向かって、未焼成のコンデンサ本
体を垂直に降下させ、その端部を所定の付着寸法まで外
部電極ペースト槽に浸漬させた後、未焼成のコンデンサ
本体を引き上げることで行われている。
外部電極表面に露出するセラミック粒子の平均粒径を2
μm以上とすることにより、外部電極中の金属粒子の表
面をセラミック粒子が覆うことを抑制でき、これにより
外部電極表面に金属粒子を露出でき、メッキを容易に行
うことができるとともに、メッキ膜と外部電極との接合
力を向上できる。
末、及び未焼成セラミック粉末を有機ビヒクル中に三本
ロールによって分散させた。Ni粉末は、化学純度9
9.5%、平均粒径2.0μmである。
バリウム(BaTiO3 )と、該チタン酸バリウム10
0重量部に対して酸化イットリウム(Y2 O3 )を1重
量部、酸化マグネシウム(MgO)を0.2重量部、炭
酸マンガン(MnCO3 )を所定量、Li2 OとSiO
2 とからなるガラス成分(LiとSiのモル比が1:
1)を所定量からなる。そして、炭酸マンガンの添加量
を変化させることにより、外部電極表面のTiに対する
Mnのモル比を変化させた。
μmで、添加量はNi粉末100重量部に対して、表1
に示すような量だけ添加した。有機ビヒクルは、テルピ
ネオールが100重量部に対してエチルセルロースが1
0重量部になる様に溶解した。その後、固形分が60重
量%になるように有機溶剤を添加して、混合攪拌して外
部電極ペーストを作製した。
まず、セラミックグリーンシートを作製した。すなわち
チタン酸バリウム(BaTiO3 )と、このチタン酸バ
リウム100重量部に対して酸化イットリウム(Y2 O
3 )を1重量部、酸化マグネシウム(MgO)を0.2
重量部、炭酸マンガン(MnCO3 )0.1重量部、L
i2 OとSiO2 とからなるガラス成分(LiとSiの
モル比が1:1)を0.5重量部含有する非還元性誘電
体磁器組成物の粉末を、直径が10mmのZrO2 ボー
ルを用いたボールミルにて平均粒径が約0.9μmにな
るまで湿式粉砕した。
分布計で測定した値である。このセラミック粉末と有機
バインダを混合し、スラリーを得た後、ドクターブレー
ド法により、厚さ10μmのグリーンシートを成形し
た。尚、誘電体層のTiに対するMnのモル比は、0.
002である。
末と、エチルセルロース、テルピネオールとからなる内
部電極ペーストを用いてスクリーン印刷した。その際、
電極の有効面積は4.5mm2 である。該内部電極ペー
ストを印刷したグリーンシートを100枚積層し、その
上下面に、内部電極ペーストを印刷していないグリーン
シートをそれぞれ20枚積層し、ホットプレスして一体
化し、所定寸法に切断して未焼成のコンデンサ本体を作
製した。
コンデンサ本体の両端部に外部電極ペーストを60μm
の厚みで塗布した。外部電極ペーストの塗布は、外部電
極ペーストが収容された槽に向かって、未焼成のコンデ
ンサ本体を垂直に降下させ、その端部を所定の付着寸法
まで外部電極ペースト槽に浸漬させた後、該未焼成のコ
ンデンサ本体を引き上げることで行い、その後120℃
で10分乾燥した。
ー処理を行い、その後1250℃(酸素分圧10-11 a
tm)で2時間焼成し、続いて大気雰囲気中800℃で
再酸化処理をした。この焼成によってコンデンサ本体の
焼成と同時に外部電極の形成を行った。その後、外部電
極上に順にCuメッキ、Niメッキ、Snメッキを施し
た。
コンデンサに対して以下の評価を行った。まず、焼成後
の積層セラミックコンデンサの外部電極の外観の確認を
各試験のコンデンサについて各500個ずつ行った。外
観は、外部電極全面にメッキ膜が形成しているかどうか
を確認することにより行い、外部電極全面にメッキ膜が
形成されていない場合を不良とし、メッキ膜形成不良率
を示した。
て、外部電極の引張強度を測定した。これは、両方の外
部電極に半田にてリード線を取り付け、このリード線を
軸方向に引張った際における破壊荷重、すなわち外部電
極表面とメッキ膜との間で分離した際の破壊荷重を示し
ている。破壊荷重が1kgf以上を良品とした。これら
の結果を表1に示す。
面積、並びに外部電極表面におけるTiに対するMnの
モル比が、コンデンサ本体の誘電体磁器組成物のTiに
対するMnのモル比にの何倍であるかは、上述した方法
て調べた。
の外部電極表面上のセラミック粒子の平均粒径は2μm
未満であり、試料No.1、12は、メッキ膜の形成不
良が発生して、引張り強度は1kgfに満たない。また
試料No.2、13では、メッキ膜の形成不良は発生し
ないが、引張り強度は1kgfに満たないものであっ
た。
極全面にメッキ膜を形成でき、さらに引張り強度は1k
gf以上と優れたものであった。
は、セラミック粒子が外部電極表面に露出し、該露出し
た部分のセラミック粒子の平均粒径を2μm以上とする
ことにより、外部電極中の金属粒子の表面をセラミック
粒子が覆うことを抑制でき、これにより外部電極表面に
金属粒子を露出でき、メッキを容易に行うことができる
とともに、メッキ膜と外部電極との付着強度を向上でき
る。
面図である。
平面図、(b)はセラミック粒子の平均粒径の測定法を
説明するための図である。
Claims (3)
- 【請求項1】非還元性誘電体磁器組成物からなる誘電体
層と卑金属を主成分とする内部電極層とを交互に積層し
てなるコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の両端部
に、前記コンデンサ本体と同時焼成して設けられた外部
電極とを具備してなり、前記外部電極が、卑金属を主成
分とし、セラミック粒子を含有するとともに、該セラミ
ック粒子が前記外部電極表面に露出し、該露出した部分
の前記セラミック粒子の平均粒径が2μm以上であるこ
とを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項2】誘電体層が少なくともBa、TiおよびM
nを含有するとともに、外部電極中のセラミック粒子が
少なくともBa、TiおよびMnを含有することを特徴
とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項3】外部電極表面を占めるセラミック粒子の面
積が、前記外部電極の全表面積の10〜40%であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の積層セラミック
コンデンサ。
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JP3692263B2 JP3692263B2 (ja) | 2005-09-07 |
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-
1999
- 1999-07-30 JP JP21701599A patent/JP3692263B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2024075470A1 (ja) * | 2022-10-07 | 2024-04-11 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
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