JP2001043482A - 車両検知装置 - Google Patents

車両検知装置

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JP2001043482A
JP2001043482A JP11214433A JP21443399A JP2001043482A JP 2001043482 A JP2001043482 A JP 2001043482A JP 11214433 A JP11214433 A JP 11214433A JP 21443399 A JP21443399 A JP 21443399A JP 2001043482 A JP2001043482 A JP 2001043482A
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友紀 長谷川
Hiroshi Okabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ビームの走査角の中心や振幅が変動した
り、光ビームの走査角の設定が不正確であっても、誤検
知を起こしにくい車両検知装置を提供する。 【解決手段】 投光部6から光ビームを投射し、光走査
部7により回帰反射板3に沿って走査させる。このとき
光ビームは回帰反射板3の反射領域よりも外側(背景領
域)まで走査する。センサヘッド22は反射領域と背景
領域を区別し、反射領域から反射光を受光しない場合に
は、車両による遮光であると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両検知装置に関
する。例えば、駐車場や有料道路の料金所などに出入り
する車両の有無を検知したり、車両の通過台数を計数す
るために使用される車両検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駐車場や料金所などに出入りする
車両の有無や通過台数などを検知するために、図1及び
図2に示すような構成の車両検知装置1が用いられてい
る。この車両検知装置1は、光ビームの走査によって車
両5を検知するものであって、センサヘッド2と回帰反
射板3とを備え、センサヘッド2と回帰反射板3とが道
路4を挟んでアイランド4a、4bに対向配置される。
【0003】センサヘッド2は、光ビームを出射する投
光部6と、この投光部6からの光ビームを回帰反射板3
に向けて出射し走査する光走査部7と、この光走査部7
から出射され走査された光ビームの反射光を受光する受
光部8とを備えている。
【0004】投光部6は、半導体レーザーやLED等の
発光素子9と、この発光素子9からの光を平行な光ビー
ムに変換するコリメートレンズ10と、偏光板11とか
らなる。また、光走査部7は、例えばガルバノミラーで
構成されており、一定の角度範囲でミラー12が回動す
る。さらに、受光部9は、偏光板13と、回帰反射板3
からの反射光を集光するコンデンサレンズ14と、この
コンデンサレンズ14で集光された光を受光して電気信
号に変換するPD(フォトダイオード)等の受光素子1
5とからなる。
【0005】一方、回帰反射板3は、センサヘッド2か
ら出射される光ビームの走査方向に沿ってコーナーキュ
ーブを縦に並べて配置することにより、センサヘッド2
からの光ビームを元来た方向へ反射させるように構成さ
れている。この時、回帰反射板3に反射された光ビーム
の偏光方向は90°回転する。
【0006】上記車両検知装置1においては、投光部6
の発光素子9でパルス発光した光は、コリメートレンズ
10によって平行な光ビームに変換され、偏光板11で
直線偏光に変換され、これが光走査部7で反射され、回
帰反射板3に向けて出射される。その場合、光走査部7
のミラー12は、一定速度で回転しているので、光走査
部7で反射された光ビームは、道路3を略直角に横切る
状態でセンサヘッド2と回帰反射板3を共に含む平面内
において扇状に順次走査される。従って、車両検知領域
16は、図1のように、センサヘッド2を頂点、回帰反
射板面3を頂点と対向する辺とする三角形になる。
【0007】ここで、図3(a)に示すようにセンサヘ
ッド2と回帰反射板3との間の道路上に車両5が存在し
ない場合には、センサヘッド2の投光部6から出射され
た光ビームは、回帰反射板3で元来た方向へ反射され、
その反射光がセンサヘッド2の受光部8に入射する。図
2において、回帰反射板3上に表されている黒点は、光
ビームの照射点(反射点)3aを表している。そして、
この反射光は、偏光板13を通過し、コンデンサレンズ
14によって集光された後、受光素子15で受光されて
電気信号に変換され、図外の信号処理回路へ出力され
る。
【0008】一方、図3(b)に示すように、センサヘ
ッド2と回帰反射板3との間の道路4上に車両5が存在
する場合には、センサヘッド2から走査されつつ順次出
射された光ビームは、途中で車両5によって遮光され、
回帰反射板3に照射されなくなる。この場合、車両5か
らの反射光は、偏光方向が出射ビームと同じ方向でセン
サヘッド2に戻ってくるので、偏光板13を通過せず、
受光部8で反射光が受光されない。従って、信号処理回
路によって受光素子15の受光強度をあらかじめ設定さ
れたしきい値と比較することによって車両5の有無が判
定される。
【0009】また、図4(a)に示すように、検知対象
となる車両5が、たとえば牽引車の場合には、牽引駆動
車5aと牽引台車5bとの間が牽引棒17で連結されて
いる。そして、このような牽引車は、駐車や料金の支払
い等では、通常、全体で1台分の車両として取り扱われ
る。
【0010】このため、車両検知装置1の分解能を上げ
ることによって牽引棒17も検出できるようにしてあ
り、牽引棒17を検出するによって、図4(a)のよう
に牽引棒17でつながれた1台分の車両5と、図4
(b)のように接近した2台の車両5、5とを判別でき
るようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図5は、車両が存在す
る場合、存在しない場合などにおける、受光素子の受光
強度を表している。車両検知装置1においては、LED
等の発光素子9の寿命を長く保つため発光素子9をパル
ス発光させているが、1秒あたりのパルス発光回数は非
常に多いので、図5では、発光素子9が連続発光してい
るとみなして受光素子15における受光強度の時間的変
化を表している。
【0012】図5(a)は図3(a)のように道路4上
に車両5が存在しないときの受光強度の変化を表してい
る。センサーヘッド2から出射され、回帰反射板3上を
走査される光ビームは、回帰反射板3の両端よりも外へ
走査されないように設定されているので、受光素子15
の受光強度は「反射光有り」のレベルに維持されてい
る。一方、図5(b)は図3(b)のようにセンサヘッ
ド2と回帰反射板3との間に車両5が存在しているとき
の受光強度の変化を表している。センサヘッド2から走
査された光ビームが車両5に当たって遮光されていると
きには、受光部8で反射光が受光されないので、センサ
ヘッド2から出射された光ビームが車両5に当たって遮
光されている走査期間は、受光素子15の受光強度は
「反射光無し」のレベルとなり、車両5で遮光されるこ
となく回帰反射板3で反射された走査期間には「反射光
有り」のレベルとなっている。従って、この受光強度の
変化の違いによって車両が検出されることになる。
【0013】ところが、センサヘッド2は屋外に設置さ
れるので、光走査部7の温度特性等によって光ビームの
走査角が広くなることがある。光ビームの走査角が広が
って回帰反射板3の両端よりも外側へ広がると、回帰反
射板3の外側へ走査された光ビームは反射されず、従っ
てこの走査期間には受光部8で受光されないので、この
ような状況では受光部8における受光強度の時間的変化
は図5(c)のようになる。従って、この場合には、車
両5が存在していないにも拘わらず、車両5が存在する
ときの受光強度の変化と同様な受光強度の変化が検出さ
れ、車両検出装置1は車両が存在すると誤判定すること
になる。
【0014】このような光走査部7の温度特性等に起因
する誤判定を防止するためには、回帰反射板3の長さに
余裕を持たせておく必要があり、回帰反射板3の長さを
図1に示す車両検知領域16の縦辺(回帰反射板3と平
行な辺)の長さよりも十分に長くしておかなければなら
ない。そのためには、回帰反射板3の上端高さを高くし
たり、回帰反射板3を設置されている箇所(アイラン
ド)を掘り下げて回帰反射板の下端を低くしたりする必
要があり、回帰反射板3の設置作業に手間が掛かってい
た。
【0015】次に、光走査部7のミラー12の中心位置
は機械的に固定されており、光走査部7に掛かる電圧が
0ボルトの場合には、ミラー12の停止位置は一定とな
っており、従来の車両検知装置1にあっては、光ビーム
の走査角の中心と振幅を調整するためのボリューム(図
示せず)を有している。
【0016】しかしながら、光ビームは微弱であり見え
ないため、調整作業が困難であった。また、調整の基準
がなく、人為的な設定ばらつきが起きるという問題があ
った。
【0017】本発明は上述の技術的問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、光
ビームの走査角の中心や振幅が変動したり、光ビームの
走査角の設定が不正確であっても、誤検知を起こしにく
い車両検知装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段とその作用】請求項1に記
載の車両検知装置は、車両検知領域に対応して反射領域
を設けた反射板と、この反射板の反射領域とその両側の
背景領域を光ビームで走査する投光器と、前記反射領域
からの反射光を受光して信号を出力する受光器と、この
受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時と反射
領域の走査時とを判別する手段とを有することを特徴と
している。ここで、背景領域とは、反射板の反射領域外
の、光ビームを受光器に向けて反射させない領域であ
る。
【0019】請求項1に記載の車両検知装置にあって
は、車両検知領域の両端に反射光の無い背景領域を設
け、その背景領域以外からの反射光の有無によって車両
の有無を検出することができる。従って、温度特性など
によって光ビームの走査角が変動しても、車両の検知に
影響の無い背景領域だけが広がったり、狭くなったりす
るだけであり、車両の検知動作に影響が生じない。
【0020】この結果、従来例のように温度特性などに
よって広がる車両検知領域を考慮して回帰反射板の上端
を高くしたり、下端部を低くしたりする必要がなくな
る。
【0021】請求項2に記載の車両検知装置は、請求項
1に記載した車両検知装置において、前記受光器の出力
信号に基いて前記背景領域の走査時間を測定する背景測
定手段と、この背景測定手段の測定値に基いて、前記投
光器による走査角を調整する調整手段とを、さらに有す
ることを特徴としている。
【0022】請求項2に記載の車両検知装置にあって
は、背景領域の走査時間を測定し、その測定値に基いて
投光器による走査角を調整(例えば、ボリューム等によ
る手動調整)することができるので、光ビームの走査角
を自動的に、あるいは半自動的に行うことができる。
【0023】請求項3に記載の車両検知装置は、請求項
2に記載した車両検知装置において、前記調整手段は、
前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲に
あるように走査角を調整することを特徴としている。こ
こで、背景幅とは、背景領域の端から端までの距離もし
くは走査時間である。
【0024】請求項3に記載の車両検知装置のように、
前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲に
あるように走査角を調整することにより、光ビーム走査
角の振幅と中心位置を調整することができる。
【0025】請求項4に記載の車両検知装置は、前記判
別手段により判別された前記背景領域又は前記反射領域
を記憶し、反射領域における遮光により車両を検知する
手段を備えた請求項1に記載の車両検知装置において、
車両非検出時に前記判別手段により判別された背景領域
又は反射領域を記憶データとして更新するようにしたこ
とを特徴としている。
【0026】請求項5に記載の車両検知装置は、請求項
3に記載した車両検知装置において、前記反射領域の少
なくとも一部が遮光されていることに基づき、車両検出
動作中は、前記調整手段による背景領域又は反射領域の
記憶データの更新を行わないことを特徴としている。
【0027】請求項5に記載の車両検知装置にあって
は、車両検出動作中は背景領域又は反射領域の記憶デー
タの更新を行わないようにしているので、走査角の調整
動作によって車両の検出動作が妨げられたり、車両が検
出されなかったりすることがなく、車両検知装置の信頼
性を高めることができる。
【0028】請求項6に記載の車両検知装置は、車両検
知領域に対応して反射領域を設けた反射板と、この反射
板を光ビームで走査する投光器と、前記反射領域からの
反射光を受光して信号を出力する受光器と、この受光器
の出力信号に基いて前記反射板から外れた領域の走査を
検知し、該検知結果に基いて、前記投光器による走査角
の振幅と中心位置を調整する調整手段とを有することを
特徴としている。
【0029】請求項6に記載の車両検知装置にあって
は、反射板の反射領域から外れた領域の走査を検知し、
該検知結果に基いて投光器による走査角の振幅と中心位
置を調整(例えば、マイコン等による計算結果に基づく
自動調整)することができるので、光ビームの走査角の
振幅と中心位置を容易に初期設定することができる。ま
た、温度特性等による光ビームの走査角のずれも容易に
補正することができる。
【0030】請求項7に記載の車両検知装置は、請求項
6に記載した車両検知装置において、前記調整手段は、
所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整することを
特徴としている。
【0031】請求項7に記載の車両検知装置にあって
は、所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整してい
るから、温度特性等によって走査角が変動しても常に所
定の振幅及び中心位置となるように走査角が調整され
る。
【0032】請求項8に記載の車両検知装置は、請求項
1又は6に記載した車両検知装置において、通過車両が
存在しないときには、前記投光器による光ビームの走査
を停止させ、車両が通過するときには、前記投光器によ
る光ビームの走査を行なわせることを特徴としている。
【0033】請求項8に記載の車両検知装置にあって
は、通過車両が存在しないときには光ビームの走査を停
止させておくことができるので、投光器の光走査部分を
長時間停止させておくことができ、該光走査部分に余計
な負荷を掛けないようにできる。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図6は本発明
の一実施形態による車両検知装置21の構造を示す斜視
図である。この車両検知装置21は、センサヘッド22
と回帰反射板3とを備え、センサヘッド22と回帰反射
板3は図8に示すように道路4を挟んでアイランド4
a、4bに対向配置されている。
【0035】センサヘッド22は、光ビームを出射する
投光部6と、この投光部6からの光ビームを回帰反射板
3に向けて走査する光走査部7と、この光走査部7で走
査され出射された光ビームの反射光を受光する受光部
(受光器)8とを備えている。なお、投光部6と光走査
部7によって投光器が構成されている。これら投光部
6、光走査部7及び受光部8、さらに回帰反射板3の構
成は、従来例で説明したものと同様であるので、同一構
成部分については、同一の符号を付すことによって詳し
い説明は省略する。ただし、光走査部7には、ガルバノ
ミラーに限らず、弾性振動子(金属板バネ、Si製弾性
プレートなど)の弾性振動を利用したものを用いてもよ
い。
【0036】図1に示した従来例の車両検知装置1と異
なる点は、従来例の車両検知装置1ではセンサヘッド2
による光ビームの走査角が回帰反射板3の内側であっ
て、回帰反射板3の外側へ広がらないように使用されて
いたのに対し、本発明の車両検知装置21では、図6に
示しているように、回帰反射板3の外側にも光ビームを
走査し、回帰反射板3の外側で光ビームの走査方向が反
転するようにしている。回帰反射板3の両端からはみ出
た光ビーム走査領域(走査角両端の反射光が返ってこな
い走査領域)を以下においては、背景領域ないし背景と
呼ぶ。
【0037】このセンサヘッド22の信号処理回路の構
成を図7に示す。パルス発振回路27はマイクロプロセ
ッサ26によって制御されており、発光素子9はパルス
発振回路27から出力されるパルス信号に同期して一定
周期で発光させられる。マイクロプロセッサ26は、図
9(d)に示すような走査信号をスキャナ駆動回路29
へ出力しており、これによって光走査部7のミラー12
は、図9(c)に示すように、一定の走査角で上下に走
査される。光走査部7はスキャナ駆動回路29によって
駆動されており、その回転範囲の中心及び振幅はスキャ
ナ駆動回路29によって制御される。しかして、発光素
子9でパルス発光させられた光ビームは、コリメートレ
ンズ10及び偏光板11を透過して光走査部7のミラー
12に入射し、ミラー12で反射されて窓28から外部
へ出射されると共に光走査部7によって上下方向に走査
される。
【0038】窓28に対向する位置には、回帰反射板3
が設置されており、回帰反射板3で反射されて元来た方
向へ反射された反射光は窓28から再びセンサヘッド2
2内に入る。センサヘッド22内に戻ってきた反射光は
再び光走査部7のミラー12で反射され、偏光板13及
びコンデンサレンズ14を透過して受光素子15で受光
される。
【0039】受光素子15が反射光を受光すると、受光
素子15からは受光強度に応じた受光電流が流れる。こ
の受光電流は、増幅器30によって電圧信号に変換され
ると共に増幅される。サンプルホールド回路31は、パ
ルス発振回路27からのパルス信号と同期して動作し、
増幅器30から出力される電圧信号をサンプリングし、
次のパルス信号までサンプリングした電圧信号を保持す
る。サンプル/ホールド回路31に保持されたアナログ
電圧信号はA/D変換回路32によってデジタル信号に
変換された後、マイクロプロセッサ26に送られる。
【0040】車両有無判定手段はマイクロプロセッサ2
6によって構成されており、マイクロプロセッサ26
は、該デジタル信号に基づいて車両検知領域16におけ
る車両5の有無を判定し、出力インターフェイス回路3
3を経て外部へ判定結果を出力する。
【0041】背景測定手段及び調整手段はマイクロプロ
セッサによって構成されており、マイクロプロセッサ2
6は、受光素子15の受光信号に基づいて回帰反射板3
の反射領域とその両端の背景領域における走査時間を測
定し、その結果に応じてスキャナ駆動回路29を制御
し、光走査部7による走査角の中心と振幅を自動調整す
る。また、光走査部7による走査角の中心と振幅は、そ
れぞれスキャナ駆動回路29に設けられたボリューム3
5、36によっても調整することができ、マイクロプロ
セッサ26はボリューム35、36による調整結果が適
正であるか否かを判断して報知することができる。
【0042】さらに、マイクロプロセッサ26は、受光
信号の強度に基づいてオートパワーコントローラ34を
制御し、汚れなどの環境の変化があってもオートパワー
コントローラ34によって受光量が一定になるように発
光素子9の発光パワーを調整する。
【0043】いま、図8(a)に示すように道路4を挟
んで両側のアイランド4a、4bに設置されたセンサヘ
ッド22と回帰反射板3の間に車両5が存在しない場合
を考えると、センサヘッド22から出射され回帰反射板
3の面上を走査される光ビームは、回帰反射板3の外側
(背景領域)まで走査され、この背景領域では光ビーム
は反射されないので、受光部8における受光強度の時間
的変化は、図9(a)に示すように、回帰反射板3によ
る「反射光有り」のレベルと背景領域による「反射光無
し」のレベルとが交互に繰り返される。すなわち、光走
査部7の1走査時間(1周期)Ts内に2つの「反射光
無し」のレベルが含まれ、センサヘッド22は、その
「反射光無し」のレベルを背景と認識し、背景領域以外
からの反射光の有無により車両5の有無を判別する。
【0044】まず、車両5を検出していない状態におけ
る、センサヘッド22のボリューム35、36による背
景領域の設定について説明する。上記のように光ビーム
を回帰反射板3の外側まで走査すると、図9(a)に示
すように、1往復走査周期Ts毎に2つの「反射光無
し」のレベル(背景領域)が存在することになる。1つ
の背景領域は、「反射光有り」のレベルから「反射光無
し」のレベルへの立ち下がりと、「反射光無し」のレベ
ルから「反射光有り」のレベルへの立ち上がりによって
構成される。
【0045】図10(a)に示す走査周期の割込み信号
の立ち下がり時を時間原点とし、タイマー(マイクロプ
ロセッサ26の内部タイマー)によって受光素子15に
おける受光信号の立ち下がりと立ち上がりまでの時間を
計測する。車両5を検知していない状態での受光信号の
立ち下がり時間と立ち上がり時間を順にTT[0]、TT[1]、
TT[2]、TT[3](以下、これらを背景値と呼ぶ)とする
と、各背景幅(背景領域の幅)は、TT[1]−TT[0]、TT
[3]−TT[2]で表わされる。また、背景中心(背景領域の
中心)はそれぞれ(TT[0]+TT[1])/2、(TT[2]+TT
[3])/2で表わされ、背景中心間の走査時間は、(TT
[2]+TT[3])/2−(TT[0]+TT[1])/2で表わされ
る。
【0046】センサヘッド22における走査角の初期設
定は、センサヘッド22に設けられたボリューム35、
36によって行なわれる。このボリューム35、36
は、手動で調整することによりスキャナ駆動回路29の
振幅電圧とオフセット電圧を調整することができ、それ
によって光ビームの走査角の中心と振幅を適正に調整す
ることができる。すなわち、走査角の初期設定時には、
ボリューム35、36を調整することにより、つぎの3
条件を満たすように光ビーム走査角の中心と振幅を調整
する。ただし、α、β、γは所定の定数、Tsは走査周
期の割込み信号の立ち下がり時と次の立ち下がり時との
間の時間、すなわち光走査部7の1走査時間である。 背景幅の許容範囲 : α < TT[1]−TT[0] < β … α < TT[3]−TT[2] < β … 背景中心間の走査時間の許容範囲: |〔(TT[2]+TT[3])−(TT[0]+TT[1])〕/2−Ts/2| < γ …
【0047】ここで、αは光走査部7の温度特性等によ
って光走査の振幅が狭くなっても背景による「反射光無
し」のレベルが無くならないように決める。βは光走査
部7による光ビームの走査角度が最大走査角に達しない
ように決める。γは読取精度と、背景値を更新するまで
に温特等によって光走査の中心や振幅が変化する量とを
考慮した値にしておく。
【0048】また、上記式及び式は、背景幅の広さ
が適切な広さとなり、よって光ビームの走査角が回帰反
射板の長さに対して適当な広さとなることを保証するも
のである。しかも、βの値が回帰反射板3の長さ(高
さ)に比べて十分に小さければ、両背景幅がほぼ等しい
と考えてよいから、TT[1]−TT[0]≒TT[3]−TT[2]とな
り、背景の中心どうしの中央位置(背景の重心とい
う)、すなわち光ビームの走査角の中心が回帰反射板3
の中央にほぼ一致することになる。また、〔(TT[2]+T
T[3])−(TT[0]+TT[1])〕/2は受光信号(立ち下が
りから立ち上がりまでの信号)の中心から受光信号の中
心までの走査時間であるから、これがほぼ走査時間Ts
/2に等しい(誤差がγより小さい)ということで、2
つの受光信号がいずれも背景からの受光信号である(つ
まり、ノイズ等でない)ことを確認することができる。
よって、上記〜式によって光ビーム走査角の振幅と
中心位置が適切に保たれていることを保証している。
【0049】なお、この説明からも分かるように、上記
〜式に代えて、次の(i)〜(iii)式を用いてもよ
い。 背景幅の許容範囲 : α < TT[1]−TT[0] < β …(i) (又は、 α < TT[3]−TT[2] < β ) 背景の重心の許容条件 : TT[1]−TT[0]≒TT[3]−TT[2] …(ii) 背景中心間の走査時間の許容範囲: |〔(TT[2]+TT[3])−(TT[0]+TT[1])〕/2−Ts/2| < γ …(iii)
【0050】マイクロプロセッサ26は、初期設定時に
おいても、上記〜式又は(i)〜(iii)式が満たさ
れているか否かを監視しており、ボリューム35、36
が調整されて光ビームの走査角が上記〜式又は
(i)〜(iii)式を満たしたと判断すると、マイクロプ
ロセッサ26は、その旨を知らせるために信号を出力
し、外部に報知する。従って、この方法によれば、容易
に、かつ作業者の熟練やばらつきによらず、均一に光ビ
ームの走査角を初期設定することができる。
【0051】一方、図8(b)に示すようにセンサヘッ
ド22と回帰反射板3の間に車両5が存在する場合に
は、センサヘッド22から出射され走査された光ビーム
は、回帰反射板3の外側の背景領域と車両5に遮られた
領域との双方で反射光が戻らなくなるので、受光部8に
おける受光強度の時間的変化は図9(b)のようにな
る。
【0052】上記のようにして光ビームの走査角の初期
設定が終了すると、マイクロプロセッサ26は、次に説
明する方法で背景領域による「反射光無し」のレベルを
車両5による「反射光無し」のレベルから判別する。車
両検知動作時においては、マイクロプロセッサ26は、
{TT0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}の区間と、{TT0[2]−
λ}〜{TT0[3]+λ}の区間を背景領域とし、初期設定
時と同様にして背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]を求
め、この背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]が背景領域
の区間{TT0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}、{TT0[2]−
λ}〜{TT0[3]+λ}に納まっていれば、そのデータは
背景のみであると判断して車両5を検出していないと判
断する。なお、λは背景の読取精度を考慮した値であ
る。
【0053】これに対し、検出した背景値TT[0]、TT
[1]、TT[2]、TT[3]が、いずれも背景領域の区間{TT
0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}、{TT0[2]−λ}〜{TT
0[3]+λ}に納まっていなければ、背景以外のものが含
まれ、車両5が存在していると判断する。
【0054】また、光走査部7の温度特性による走査角
の変動を±x%、背景の読取り精度を検出範囲のy%と
すると、回帰反射板3の両端よりもz=〔(100+
x)×(100+y)÷100−100〕%だけ大きく
走査するようにすればよい。
【0055】以上説明したように、この車両検知装置2
1によれば、車両検知領域16の両端に反射光の戻らな
い背景領域を設け、その背景領域以外からの反射光の有
無によって車両5の有無を検出する。従って、温度特性
などによって光ビームの走査角が変動しても、車両5の
検知に影響の無い背景領域だけが広がったり、狭くなっ
たりするだけであり、車両検知に影響が生じない。
【0056】よって、従来例のように温度特性などによ
って光ビーム走査角が変動しても車両検知領域を確保す
るために回帰反射板3の上端を高くしたり、下端部を低
くするためにアイランドを掘り下げたりする必要がなく
なる。また、光ビームの初期設定作業も、背景幅や背景
中心間の走査時間などを監視することにより、自動的
に、あるいは半自動的に調整させることができる。
【0057】(第2の実施形態)次に説明する実施形態
は、背景値を自動的に更新する機能を備えた車両検知装
置である。温度特性等による走査角の変動によって、背
景値として保存されている値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、
TT0[3]と、現時点で計測された背景値TT[0]、TT[1]、TT
[2]、TT[3]とが大きくずれた場合には、受光素子15に
おける受光信号の立ち下がり、立ち上がりが保存されて
いる背景領域から外れるため、誤動作が起きることがあ
る。そこで、この実施形態では、保存している背景値TT
0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]の値を一定時間毎に更新
することにより、その誤作動を防止している。
【0058】この実施形態を図11により説明すると、
TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]はセンサヘッド22に
保存されている背景値であって、計測された背景値(現
時点の背景値)TT[0]、TT[1]が保存されている背景値の
幅TT0[0]〜TT0[1]の範囲に含まれており、かつ、計測さ
れた背景値TT[2]、TT[3]が保存されている背景値の幅TT
0[2]〜TT0[3]の範囲に含まれている場合には車両5が存
在していないと判定し、そうでなければ車両5が存在し
ていると判定している。
【0059】一方、現在保存している背景値TT0[0]、TT
0[1]、TT0[2]、TT0[3]を更新してから一定時間が経過し
ていたら、現時点の背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]
(あるいは、これらの背景値からλを増減させたもの)
をそれぞれ新たな背景値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT
0[3]として保存し、次回からは新たな保存値を用いて車
両5の有無を判断する。
【0060】このように背景値を定期的に更新すれば、
温度特性等によって光ビーム走査の振幅やその中心位置
が変化しても、車両検知領域16の変動を抑制できる。
【0061】なお、図示しないが、背景値を更新する場
合には、背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]を計測する
際にパルス発振回路27のパルス周期を短くし、発光素
子9の発光パルス間隔を短くするようにしてもよい。こ
うすれば、保存して車両5の検出に用いる背景値を高分
解能で計測することができ、車両5の検出精度を高める
ことができる。しかも、発光素子9のパルス間隔を常に
短くしておく必要がないので、発光素子9の寿命を長く
することができる。
【0062】(第3の実施形態)つぎに説明する実施形
態も、保存している背景値を一定時間毎に新しい値に更
新するようにしたものである。この実施形態では、所定
時間、例えば3分毎に背景値を更新するように設定され
ており、図12のフロー図に示すように、背景値の更新
時間になっているか否か判断し(S1)、更新時間にな
っていない場合には、通常の車両検知処理を実行する
(S5)。
【0063】これに対し、背景値の更新時間に達してい
た場合には、車両検知中(車両通過中)でないか調べ
(S2)、車両検知中でなければ、背景値の更新処理を
実行し(S6)、更新処理が終了したら、次の背景値更
新時間を所定時間(3分)に設定する(S7)。また、
車両検知中であれば、車両検知処理を続行し(S3)、
車両検知処理が完了したら次の背景値更新時間を所定時
間よりも短い時間(例えば、1分)に設定する(S
4)。
【0064】この実施形態では、背景値更新時に車両5
が通過していた場合には更新を行わないので、背景値更
新により車両検知が妨げられることがない。しかも、車
両5の渋滞時に背景値が更新されることなく、長い時間
が経過した場合には、走査角が変化することによって誤
動作を生じる恐れがあるが、この実施形態では、背景値
の更新が行われなかった場合には、次回更新までの時間
を短縮しているので、いつまでも古い背景値を用いて車
両5の検出を行なわれることがなく、誤動作を防止する
ことができる。
【0065】(第4の実施形態)この実施形態も、保存
している背景値を一定時間毎に新しい値に更新するよう
にしたものである。この実施形態でも、所定時間、例え
ば3分毎に背景値を更新するように設定されており、図
13のフロー図に示すように、背景値の更新時間になっ
ているか否か判断し(S1)、更新時間になっていない
場合には、通常の車両検知処理を実行する(S5)。
【0066】これに対し、背景値の更新時間に達してい
た場合には、車両検知中(車両通過中)でないか調べ
(S2)、車両検知中でなければ、背景値の更新処理を
実行する(S6)。また、車両検知中であれば、車両検
知処理を続行し(S3)、車両検知処理が完了したら、
背景値の更新処理を実行する(S8)。そして、背景値
更新後、再び所定時間(3分)が経過すると、再び図1
3のフローを実行する。
【0067】この実施形態では、背景値更新時に車両5
が通過していた場合には更新を行わないので、背景値更
新により車両検知が妨げられることがない。しかも、車
両検知中であった場合には、車両検知処理が終了したら
直ちに背景値の更新を行なっているので、車両の通過量
が多い場所でも確実に背景値の更新を行なうことができ
る。
【0068】(第5の実施形態)図14は本発明のさら
に別な実施形態による車両検知装置41の構造を示す斜
視図である。この車両検知装置41のセンサヘッド22
の上面には、LED等の発光素子からなる振幅最大表示
ランプ42、走査中心上方調整ランプ43、走査中心下
方調整ランプ44が設けられている。
【0069】しかして、車両5の存在しない状態で光ビ
ームの走査角を初期設定する場合には、前記のようにス
キャナ駆動回路29に設けたボリューム35、36によ
って光ビームの走査角の中心と振幅を調整することがで
きるが、この実施形態では、各ランプ42、43、44
によって調整を容易にすることができる。
【0070】すなわち、振幅最大ランプ42は、ボリュ
ーム35によって走査角の振幅を調整するとき、走査角
の振幅が電気的調整可能範囲の上限に達してそれ以上広
げることができないようになった場合に点灯し、走査角
が上限であることを知らせる。また、走査中心上方調整
ランプ43及び走査中心下方調整ランプ44は、ボリュ
ーム36によって光ビームの走査角の中心を調整すると
き、走査角の中心位置が電気的な調整可能範囲の下限又
は上限に達した場合に点灯する。光走査部7の走査角の
中心は機械的に固定されているから、走査中心上方調整
ランプ43又は走査中心下方調整ランプ44が点灯した
場合には、光走査部7の機械的な走査角中心位置を調整
するか、センサヘッド22の設置角度を調整する必要が
ある。
【0071】このように振幅最大表示ランプ42、走査
中心上方調整ランプ43、走査中心下方調整ランプ44
によって走査角の中心の調整方向が外部から分かり、そ
の状況に対応することができるので、無駄な調整や間違
った方向への調整を知ることができ、調整作業を容易に
することができる。また、ボリューム35、36の回し
過ぎによって光走査部7に無理なストレスを掛けるのを
避けることができる。
【0072】(第6の実施形態)図15は本発明のさら
に別な実施形態による車両検知装置51の信号処理回路
を示す図である。この信号処理回路においては、センサ
ヘッド52のマイクロプロセッサ26とスキャナ駆動回
路29とがD/A変換回路53を通じて結ばれており、
マイクロプロセッサ26がスキャナ駆動回路29を介し
て光走査部7の走査角を自動的に初期設定できるように
なっている。
【0073】初期設定を行う場合には、マイクロプロセ
ッサ26は光ビームの走査角を狭く絞ると共に光ビーム
のパルス間隔を通常よりも狭くして光ビームを走査す
る。ついで、光ビームの走査角(振幅)を徐々に広げて
ゆく。このとき、図16(a)に示すように、光ビーム
の走査範囲が回帰反射板3よりも上に出て受光素子15
が「反射光無し」のレベルを検知した場合には、マイク
ロプロセッサ26は走査角の中心位置を下方へ移動させ
て光ビームが回帰反射板3の上に出ないようにし、走査
角の振幅を少し広げる。同様に、光ビームの走査範囲が
回帰反射板3よりも上に出て受光素子15が「反射光無
し」のレベルを検知した場合には、マイクロプロセッサ
26は走査角の中心位置を上方へ移動させて光ビームが
回帰反射板3の下に出ないようにし、走査角の振幅を少
し広げる。このような動作を繰り返すことによって走査
角の中心が回帰反射板3の中心に来るように自動調整す
ることができる。
【0074】また、走査角の中心位置を調整し終えた
ら、図16(b)に示すように、走査角の振幅を調整
し、光ビームが回帰反射板3の端から出ないように調整
する。例えば、センサヘッドの温度特性による走査角の
変動をw%であるとすると、走査角の中心位置をw%だ
け上下いずれの方向に動かしても光ビームが回帰反射板
3の外に出ないように走査角の振幅を小さくし(あるい
は、走査角の振幅をw%だけ小さくし)、温度変化によ
っても光ビームが回帰反射板3の外に出ないよう調整す
る。
【0075】ここでは、初期設定の場合について説明し
たが、車両5を検出していない時を検出して、あるいは
一定時間毎に、上記のような動作を行わせれば、車両検
知装置51の運転中においても光ビームの走査角を自動
補正することができる。
【0076】従って、この実施形態でも、車両検知装置
の調整作業を容易にし、人為的なばらつきを小さくする
ことができる。また、回帰反射板3を高くしたり、アイ
ランドを掘り込んで回帰反射板の下端を低くしたりする
必要もなくなる。
【0077】また、この実施形態は、第1の実施形態の
ような背景領域を有する車両検知装置にも用いることが
できる。この場合には、光ビームの走査範囲が一定量だ
け回帰反射板3の端から出るように調整し、例えば図1
1に示した背景値の補正方法に代えて、この方法により
例えば一定時間毎に光ビームの走査角を補正すればよ
い。
【0078】(第7の実施形態)図17は本発明のさら
に別な実施形態による車両検知装置61における光ビー
ム走査角の初期設定方法を説明する図である。この車両
検知装置61では、センサヘッド62の上面に、受光部
8の受光量が極大になったときに点灯する光軸調整ラン
プ63が設けられている。そして、初期設定を行なう場
合には、開口65を有するマスク64で回帰反射板3を
覆い、回帰反射板3の中心部だけを開口65から露出さ
せる。ついで、光走査部7を停止させたままで投光部6
から光ビームを照射させ、受光部8における受光強度を
モニターする。そして、図17にR1で示すように、セ
ンサヘッド62を左右に回動させ、受光部8における受
光強度が最大になって光軸調整ランプ63が点灯する位
置を探し、センサヘッド62の左右方向の角度をそこに
決める。ついで、図17にR2で示すように、センサヘ
ッド62を上下方向に回動させ(あるいは、センサヘッ
ド62の設置高さを上下させ)、受光部8における受光
強度が最大になって光軸調整ランプ63が点灯する位置
を探し、センサヘッド62の上下方向の角度をそこに決
める。なお、この調整時には、センサヘッド62そのも
のを動かすのでなく、光走査部7の左右方向の角度と上
下方向の角度とを調整する内部調整機構を設けておくの
が、より望ましい。
【0079】こうして調整すると、光ビームの走査角の
中心は、マスク64の開口65内(すなわち、回帰反射
板3の中心部)に位置するので、その状態でセンサヘッ
ド62ないし光走査部7を固定し、マスク64を回帰反
射板3から剥離する。このような初期設定方法によって
も、容易に光ビームの走査角の中心を簡単に調整するこ
とができる。
【0080】(第8の実施形態)また、センサヘッド内
に時計を内蔵させておき、車両検知装置の設置位置にお
ける車両通行量が少ない時間帯では、光走査部を動作停
止させるようにしてもよい。例えば、車両検知装置の設
置場所における車両による前方遮光割合が図18のよう
であったとすれば、午前6時から午後11時までは車両
が通行していないときにも光走査部7を動作させて光ビ
ームを走査させておいて通行車両を検知する。これに対
し、午後11時から午前6時までの通過車両の少ない時
間帯では、光走査部7を動作停止させておき、車両が通
過するときに光走査部を動作させ、車両がいなくなった
ら再び光走査部7を動作停止させる。
【0081】このようにすれば、車両通行量の少ない時
間帯では光走査部7を長時間停止させておくことがで
き、光走査部7に余計な負荷を掛けないようにすること
ができる。
【0082】なお、図18の前方遮光割合は、その設置
位置において、例えば1週間の間、図19(a)(b)
のような各時間帯毎の車両通行台数を調べ、そのデータ
を平均することによって得ることができる。
【0083】
【発明の効果】請求項1に記載の車両検知装置によれ
ば、車両検知領域の両端に反射光の無い背景領域を設
け、その背景領域以外からの反射光の有無によって車両
の有無を検出することができるので、温度特性などによ
って光ビームの走査角が変動しても、車両の検知に影響
の無い背景領域だけが広がったり、狭くなったりするだ
けであり、車両の検知動作に影響が生じない。この結
果、従来例のように温度特性などによって広がる車両検
知領域を考慮して回帰反射板の上端を高くしたり、下端
部を低くしたりする必要がなくなる。
【0084】請求項2に記載の車両検知装置によれば、
背景領域の走査時間を測定し、その測定値に基いて投光
器による走査角を調整することができるので、光ビーム
の走査角を自動的に、あるいは半自動的に行うことがで
きる。
【0085】特に、請求項3に記載の車両検知装置のよ
うに、前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容
範囲にあるように走査角を調整すれば、光ビーム走査角
の振幅と中心位置を調整することができる。
【0086】また、請求項5に記載の車両検知装置によ
れば、車両検出動作中は背景領域又は反射領域の記憶デ
ータの更新を行わないようにしているので、走査角の調
整動作によって車両の検出動作が妨げられたり、車両が
検出されなかったりすることがなく、車両検知装置の信
頼性を高めることができる。
【0087】請求項6に記載の車両検知装置によれば、
反射板の反射領域から外れた領域の走査を検知し、該検
知結果に基いて投光器による走査角の振幅と中心位置を
調整することができるので、光ビームの走査角の振幅と
中心位置を容易に初期設定することができる。また、温
度特性等による光ビームの走査角のずれも容易に補正す
ることができる。
【0088】請求項7に記載の車両検知装置によれば、
所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整しているか
ら、温度特性等によって走査角が変動しても常に所定の
振幅及び中心位置となるように走査角が調整される。
【0089】請求項8に記載の車両検知装置によれば、
通過車両が存在しないときには光ビームの走査を停止さ
せておくことができるので、投光器の光走査部分を長時
間停止させておくことができ、該光走査部分に余計な負
荷を掛けないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】道路を挟んで設置された従来の車両検知装置と
その車両検知領域を示す図である。
【図2】同上の車両検知装置の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車
両が存在しないときの様子を示す図、(b)はセンサヘ
ッドと回帰反射板との間に車両が存在するときの様子を
示す図である。
【図4】(a)は牽引車とその車両台数判定結果を示す
図、(b)は2台の車両とその車両台数判定結果を示す
図である。
【図5】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車
両が存在しない場合の受光量変化を示す図、(b)はセ
ンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在する場合の
受光量変化を示す図、(c)は光ビームの走査領域が回
帰反射板の両端からはみ出ている場合の受光量変化を示
す図である。
【図6】本発明の一実施形態による車両検知装置の構造
を示す斜視図である。
【図7】同上の車両検知装置の信号処理回路の構成を示
す概略図である。
【図8】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車
両が存在しないときの様子を示す図、(b)はセンサヘ
ッドと回帰反射板との間に車両が存在するときの様子を
示す図である。
【図9】(a)は車両が存在しない場合における受光素
子の受光信号を示す図、(b)は車両が存在する場合に
おける受光素子の受光信号を示す図、(c)は光ビーム
の走査方向を示す図、(d)は走査信号を示す図であ
る。
【図10】背景値の設定条件を説明するための図であ
る。
【図11】本発明の別な実施形態による車両検知装置に
おける背景値の自動更新を説明するための図である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態による車両検知
装置における背景値の自動更新を説明するためのフロー
図である。
【図13】本発明のさらに別な実施形態による車両検知
装置における背景値の自動更新を説明するためのフロー
図である。
【図14】本発明のさらに別な実施形態による車両検知
装置の構造を示す斜視図である。
【図15】本発明のさらに別な実施形態による車両検知
装置の構成を示す図である。
【図16】(a)(b)は同上の車両検知装置における
光ビーム走査角の調整方法を説明する図である。
【図17】本発明のさらに別な実施形態による車両検知
装置における光ビーム走査角の中心の設定方法を示す図
である。
【図18】センサヘッドの前方遮光割合の一例を示す図
である。
【図19】(a)(b)は同上の前方遮光割合を求める
ための平日及び休日の通行車両台数を示す図である。
【符号の説明】
3 回帰反射板 5 車両 6 投光部 7 光走査部 8 受光部 9 発光素子 15 受光素子 22、52、62 センサヘッド 26 マイクロプロセッサ 35、36 ボリューム 42 振幅最大表示ランプ 43 走査中心上方調整ランプ 44 走査中心下方調整ランプ 63 光軸調整ランプ 64 マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H180 AA01 CC01 CC07 DD02 5J084 AA02 AB01 AD01 BA04 BA11 BA36 BB04 BB28 CA03 CA31 CA61 DA01 DA09 EA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両検知領域に対応して反射領域を設け
    た反射板と、 この反射板の反射領域とその両側の背景領域を光ビーム
    で走査する投光器と、 前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受
    光器と、 この受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時と
    反射領域の走査時とを判別する手段とを有する車両検知
    装置。
  2. 【請求項2】 前記受光器の出力信号に基いて前記背景
    領域の走査時間を測定する背景測定手段と、 この背景測定手段の測定値に基いて、前記投光器による
    走査角を調整する調整手段とを、さらに有する、請求項
    1に記載の車両検知装置。
  3. 【請求項3】 前記調整手段は、前記背景測定手段の測
    定値に基いて背景幅が許容範囲にあるように走査角を調
    整することを特徴とする、請求項2に記載の車両検知装
    置。
  4. 【請求項4】 前記判別手段により判別された前記背景
    領域又は前記反射領域を記憶し、反射領域における遮光
    により車両を検知する手段を備えた請求項1に記載の車
    両検知装置において、 車両非検出時に前記判別手段により判別された背景領域
    又は反射領域を記憶データとして更新するようにしたこ
    とを特徴とする車両検知装置。
  5. 【請求項5】 前記反射領域の少なくとも一部が遮光さ
    れていることに基づき、車両検出動作中は、前記調整手
    段による背景領域又は反射領域の記憶データの更新を行
    わないことを特徴とする請求項3に記載の車両検知装
    置。
  6. 【請求項6】 車両検知領域に対応して反射領域を設け
    た反射板と、 この反射板を光ビームで走査する投光器と、 前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受
    光器と、 この受光器の出力信号に基いて前記反射板から外れた領
    域の走査を検知し、該検知結果に基いて、前記投光器に
    よる走査角の振幅と中心位置を調整する調整手段とを有
    する車両検知装置。
  7. 【請求項7】 前記調整手段は、所定時間毎に走査角の
    振幅と中心位置を調整することを特徴とする、請求項6
    に記載の車両検知装置。
  8. 【請求項8】 通過車両が存在しないときには、前記投
    光器による光ビームの走査を停止させ、車両が通過する
    ときには、前記投光器による光ビームの走査を行なわせ
    ることを特徴とする、請求項1又は6に記載の車両検知
    装置。
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