JP3714047B2 - 車両検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両検知装置に関する。例えば、駐車場や有料道路の料金所などに出入りする車両の有無を検知したり、車両の通過台数を計数するために使用される車両検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、駐車場や料金所などに出入りする車両の有無や通過台数などを検知するために、図1及び図2に示すような構成の車両検知装置1が用いられている。この車両検知装置1は、光ビームの走査によって車両5を検知するものであって、センサヘッド2と回帰反射板3とを備え、センサヘッド2と回帰反射板3とが道路4を挟んでアイランド4a、4bに対向配置される。
【0003】
センサヘッド2は、光ビームを出射する投光部6と、この投光部6からの光ビームを回帰反射板3に向けて出射し走査する光走査部7と、この光走査部7から出射され走査された光ビームの反射光を受光する受光部8とを備えている。
【0004】
投光部6は、半導体レーザーやLED等の発光素子9と、この発光素子9からの光を平行な光ビームに変換するコリメートレンズ10と、偏光板11とからなる。また、光走査部7は、例えばガルバノミラーで構成されており、一定の角度範囲でミラー12が回動する。さらに、受光部9は、偏光板13と、回帰反射板3からの反射光を集光するコンデンサレンズ14と、このコンデンサレンズ14で集光された光を受光して電気信号に変換するPD(フォトダイオード)等の受光素子15とからなる。
【0005】
一方、回帰反射板3は、センサヘッド2から出射される光ビームの走査方向に沿ってコーナーキューブを縦に並べて配置することにより、センサヘッド2からの光ビームを元来た方向へ反射させるように構成されている。この時、回帰反射板3に反射された光ビームの偏光方向は90°回転する。
【0006】
上記車両検知装置1においては、投光部6の発光素子9でパルス発光した光は、コリメートレンズ10によって平行な光ビームに変換され、偏光板11で直線偏光に変換され、これが光走査部7で反射され、回帰反射板3に向けて出射される。その場合、光走査部7のミラー12は、一定速度で回転しているので、光走査部7で反射された光ビームは、道路3を略直角に横切る状態でセンサヘッド2と回帰反射板3を共に含む平面内において扇状に順次走査される。従って、車両検知領域16は、図1のように、センサヘッド2を頂点、回帰反射板面3を頂点と対向する辺とする三角形になる。
【0007】
ここで、図3(a)に示すようにセンサヘッド2と回帰反射板3との間の道路上に車両5が存在しない場合には、センサヘッド2の投光部6から出射された光ビームは、回帰反射板3で元来た方向へ反射され、その反射光がセンサヘッド2の受光部8に入射する。図2において、回帰反射板3上に表されている黒点は、光ビームの照射点(反射点)3aを表している。そして、この反射光は、偏光板13を通過し、コンデンサレンズ14によって集光された後、受光素子15で受光されて電気信号に変換され、図外の信号処理回路へ出力される。
【0008】
一方、図3(b)に示すように、センサヘッド2と回帰反射板3との間の道路4上に車両5が存在する場合には、センサヘッド2から走査されつつ順次出射された光ビームは、途中で車両5によって遮光され、回帰反射板3に照射されなくなる。この場合、車両5からの反射光は、偏光方向が出射ビームと同じ方向でセンサヘッド2に戻ってくるので、偏光板13を通過せず、受光部8で反射光が受光されない。従って、信号処理回路によって受光素子15の受光強度をあらかじめ設定されたしきい値と比較することによって車両5の有無が判定される。
【0009】
また、図4(a)に示すように、検知対象となる車両5が、たとえば牽引車の場合には、牽引駆動車5aと牽引台車5bとの間が牽引棒17で連結されている。そして、このような牽引車は、駐車や料金の支払い等では、通常、全体で1台分の車両として取り扱われる。
【0010】
このため、車両検知装置1の分解能を上げることによって牽引棒17も検出できるようにしてあり、牽引棒17を検出するによって、図4(a)のように牽引棒17でつながれた1台分の車両5と、図4(b)のように接近した2台の車両5、5とを判別できるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、車両が存在する場合、存在しない場合などにおける、受光素子の受光強度を表している。車両検知装置1においては、LED等の発光素子9の寿命を長く保つため発光素子9をパルス発光させているが、1秒あたりのパルス発光回数は非常に多いので、図5では、発光素子9が連続発光しているとみなして受光素子15における受光強度の時間的変化を表している。
【0012】
図5(a)は図3(a)のように道路4上に車両5が存在しないときの受光強度の変化を表している。センサーヘッド2から出射され、回帰反射板3上を走査される光ビームは、回帰反射板3の両端よりも外へ走査されないように設定されているので、受光素子15の受光強度は「反射光有り」のレベルに維持されている。一方、図5(b)は図3(b)のようにセンサヘッド2と回帰反射板3との間に車両5が存在しているときの受光強度の変化を表している。センサヘッド2から走査された光ビームが車両5に当たって遮光されているときには、受光部8で反射光が受光されないので、センサヘッド2から出射された光ビームが車両5に当たって遮光されている走査期間は、受光素子15の受光強度は「反射光無し」のレベルとなり、車両5で遮光されることなく回帰反射板3で反射された走査期間には「反射光有り」のレベルとなっている。従って、この受光強度の変化の違いによって車両が検出されることになる。
【0013】
ところが、センサヘッド2は屋外に設置されるので、光走査部7の温度特性等によって光ビームの走査角が広くなることがある。光ビームの走査角が広がって回帰反射板3の両端よりも外側へ広がると、回帰反射板3の外側へ走査された光ビームは反射されず、従ってこの走査期間には受光部8で受光されないので、このような状況では受光部8における受光強度の時間的変化は図5(c)のようになる。従って、この場合には、車両5が存在していないにも拘わらず、車両5が存在するときの受光強度の変化と同様な受光強度の変化が検出され、車両検出装置1は車両が存在すると誤判定することになる。
【0014】
このような光走査部7の温度特性等に起因する誤判定を防止するためには、回帰反射板3の長さに余裕を持たせておく必要があり、回帰反射板3の長さを図1に示す車両検知領域16の縦辺(回帰反射板3と平行な辺)の長さよりも十分に長くしておかなければならない。そのためには、回帰反射板3の上端高さを高くしたり、回帰反射板3を設置されている箇所(アイランド)を掘り下げて回帰反射板の下端を低くしたりする必要があり、回帰反射板3の設置作業に手間が掛かっていた。
【0015】
次に、光走査部7のミラー12の中心位置は機械的に固定されており、光走査部7に掛かる電圧が0ボルトの場合には、ミラー12の停止位置は一定となっており、従来の車両検知装置1にあっては、光ビームの走査角の中心と振幅を調整するためのボリューム(図示せず)を有している。
【0016】
しかしながら、光ビームは微弱であり見えないため、調整作業が困難であった。また、調整の基準がなく、人為的な設定ばらつきが起きるという問題があった。
【0017】
本発明は上述の技術的問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、光ビームの走査角の中心や振幅が変動したり、光ビームの走査角の設定が不正確であっても、誤検知を起こしにくい車両検知装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段とその作用】
請求項1に記載の車両検知装置は、車両検知領域に対応して反射領域を設けた反射板と、この反射板の反射領域とその両側の背景領域を光ビームで走査する投光器と、前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受光器と、この受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時と反射領域の走査時とを判別する手段と、前記受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時間を測定する背景測定手段と、この背景測定手段の測定値に基いて、前記投光器による走査角を調整する調整手段とを有することを特徴としている。ここで、背景領域とは、反射板の反射領域外の、光ビームを受光器に向けて反射させない領域である。
【0019】
請求項1に記載の車両検知装置にあっては、車両検知領域の両端に反射光の無い背景領域を設け、その背景領域以外からの反射光の有無によって車両の有無を検出することができる。従って、温度特性などによって光ビームの走査角が変動しても、車両の検知に影響の無い背景領域だけが広がったり、狭くなったりするだけであり、車両の検知動作に影響が生じない。
【0020】
この結果、従来例のように温度特性などによって広がる車両検知領域を考慮して回帰反射板の上端を高くしたり、下端部を低くしたりする必要がなくなる。
【0022】
また、背景領域の走査時間を測定し、その測定値に基いて投光器による走査角を調整(例えば、ボリューム等による手動調整)することができるので、光ビームの走査角を自動的に、あるいは半自動的に行うことができる。
【0023】
請求項に記載の車両検知装置は、請求項に記載した車両検知装置において、前記調整手段は、前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲にあるように走査角を調整することを特徴としている。ここで、背景幅とは、背景領域の端から端までの距離もしくは走査時間である。
【0024】
請求項に記載の車両検知装置のように、前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲にあるように走査角を調整することにより、光ビーム走査角の振幅と中心位置を調整することができる。
【0025】
請求項に記載の車両検知装置は、前記判別手段により判別された前記背景領域又は前記反射領域を記憶し、反射領域における遮光により車両を検知する手段を備えた請求項1に記載の車両検知装置において、車両非検出時に前記判別手段により判別された背景領域又は反射領域を記憶データとして更新するようにしたことを特徴としている。
【0026】
請求項に記載の車両検知装置は、請求項に記載した車両検知装置において、前記反射領域の少なくとも一部が遮光されていることに基づき、車両検出動作中は、前記調整手段による背景領域又は反射領域の記憶データの更新を行わないことを特徴としている。
【0027】
請求項に記載の車両検知装置にあっては、車両検出動作中は背景領域又は反射領域の記憶データの更新を行わないようにしているので、走査角の調整動作によって車両の検出動作が妨げられたり、車両が検出されなかったりすることがなく、車両検知装置の信頼性を高めることができる。
【0028】
請求項に記載の車両検知装置は、車両検知領域に対応して反射領域を設けた反射板と、この反射板を光ビームで走査する投光器と、前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受光器と、この受光器の出力信号に基いて前記反射板から外れた領域の走査を検知し、該検知結果に基いて、前記投光器による走査角の振幅と中心位置を調整する調整手段とを有することを特徴としている。
【0029】
請求項に記載の車両検知装置にあっては、反射板の反射領域から外れた領域の走査を検知し、該検知結果に基いて投光器による走査角の振幅と中心位置を調整(例えば、マイコン等による計算結果に基づく自動調整)することができるので、光ビームの走査角の振幅と中心位置を容易に初期設定することができる。また、温度特性等による光ビームの走査角のずれも容易に補正することができる。
【0030】
請求項に記載の車両検知装置は、請求項に記載した車両検知装置において、前記調整手段は、所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整することを特徴としている。
【0031】
請求項に記載の車両検知装置にあっては、所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整しているから、温度特性等によって走査角が変動しても常に所定の振幅及び中心位置となるように走査角が調整される。
【0032】
請求項に記載の車両検知装置は、請求項1又は5に記載した車両検知装置において、通過車両が存在しないときには、前記投光器による光ビームの走査を停止させ、車両が通過するときには、前記投光器による光ビームの走査を行なわせることを特徴としている。
【0033】
請求項に記載の車両検知装置にあっては、通過車両が存在しないときには光ビームの走査を停止させておくことができるので、投光器の光走査部分を長時間停止させておくことができ、該光走査部分に余計な負荷を掛けないようにできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図6は本発明の一実施形態による車両検知装置21の構造を示す斜視図である。この車両検知装置21は、センサヘッド22と回帰反射板3とを備え、センサヘッド22と回帰反射板3は図8に示すように道路4を挟んでアイランド4a、4bに対向配置されている。
【0035】
センサヘッド22は、光ビームを出射する投光部6と、この投光部6からの光ビームを回帰反射板3に向けて走査する光走査部7と、この光走査部7で走査され出射された光ビームの反射光を受光する受光部(受光器)8とを備えている。なお、投光部6と光走査部7によって投光器が構成されている。これら投光部6、光走査部7及び受光部8、さらに回帰反射板3の構成は、従来例で説明したものと同様であるので、同一構成部分については、同一の符号を付すことによって詳しい説明は省略する。ただし、光走査部7には、ガルバノミラーに限らず、弾性振動子(金属板バネ、Si製弾性プレートなど)の弾性振動を利用したものを用いてもよい。
【0036】
図1に示した従来例の車両検知装置1と異なる点は、従来例の車両検知装置1ではセンサヘッド2による光ビームの走査角が回帰反射板3の内側であって、回帰反射板3の外側へ広がらないように使用されていたのに対し、本発明の車両検知装置21では、図6に示しているように、回帰反射板3の外側にも光ビームを走査し、回帰反射板3の外側で光ビームの走査方向が反転するようにしている。回帰反射板3の両端からはみ出た光ビーム走査領域(走査角両端の反射光が返ってこない走査領域)を以下においては、背景領域ないし背景と呼ぶ。
【0037】
このセンサヘッド22の信号処理回路の構成を図7に示す。パルス発振回路27はマイクロプロセッサ26によって制御されており、発光素子9はパルス発振回路27から出力されるパルス信号に同期して一定周期で発光させられる。マイクロプロセッサ26は、図9(d)に示すような走査信号をスキャナ駆動回路29へ出力しており、これによって光走査部7のミラー12は、図9(c)に示すように、一定の走査角で上下に走査される。光走査部7はスキャナ駆動回路29によって駆動されており、その回転範囲の中心及び振幅はスキャナ駆動回路29によって制御される。しかして、発光素子9でパルス発光させられた光ビームは、コリメートレンズ10及び偏光板11を透過して光走査部7のミラー12に入射し、ミラー12で反射されて窓28から外部へ出射されると共に光走査部7によって上下方向に走査される。
【0038】
窓28に対向する位置には、回帰反射板3が設置されており、回帰反射板3で反射されて元来た方向へ反射された反射光は窓28から再びセンサヘッド22内に入る。センサヘッド22内に戻ってきた反射光は再び光走査部7のミラー12で反射され、偏光板13及びコンデンサレンズ14を透過して受光素子15で受光される。
【0039】
受光素子15が反射光を受光すると、受光素子15からは受光強度に応じた受光電流が流れる。この受光電流は、増幅器30によって電圧信号に変換されると共に増幅される。サンプルホールド回路31は、パルス発振回路27からのパルス信号と同期して動作し、増幅器30から出力される電圧信号をサンプリングし、次のパルス信号までサンプリングした電圧信号を保持する。サンプル/ホールド回路31に保持されたアナログ電圧信号はA/D変換回路32によってデジタル信号に変換された後、マイクロプロセッサ26に送られる。
【0040】
車両有無判定手段はマイクロプロセッサ26によって構成されており、マイクロプロセッサ26は、該デジタル信号に基づいて車両検知領域16における車両5の有無を判定し、出力インターフェイス回路33を経て外部へ判定結果を出力する。
【0041】
背景測定手段及び調整手段はマイクロプロセッサによって構成されており、マイクロプロセッサ26は、受光素子15の受光信号に基づいて回帰反射板3の反射領域とその両端の背景領域における走査時間を測定し、その結果に応じてスキャナ駆動回路29を制御し、光走査部7による走査角の中心と振幅を自動調整する。また、光走査部7による走査角の中心と振幅は、それぞれスキャナ駆動回路29に設けられたボリューム35、36によっても調整することができ、マイクロプロセッサ26はボリューム35、36による調整結果が適正であるか否かを判断して報知することができる。
【0042】
さらに、マイクロプロセッサ26は、受光信号の強度に基づいてオートパワーコントローラ34を制御し、汚れなどの環境の変化があってもオートパワーコントローラ34によって受光量が一定になるように発光素子9の発光パワーを調整する。
【0043】
いま、図8(a)に示すように道路4を挟んで両側のアイランド4a、4bに設置されたセンサヘッド22と回帰反射板3の間に車両5が存在しない場合を考えると、センサヘッド22から出射され回帰反射板3の面上を走査される光ビームは、回帰反射板3の外側(背景領域)まで走査され、この背景領域では光ビームは反射されないので、受光部8における受光強度の時間的変化は、図9(a)に示すように、回帰反射板3による「反射光有り」のレベルと背景領域による「反射光無し」のレベルとが交互に繰り返される。すなわち、光走査部7の1走査時間(1周期)Ts内に2つの「反射光無し」のレベルが含まれ、センサヘッド22は、その「反射光無し」のレベルを背景と認識し、背景領域以外からの反射光の有無により車両5の有無を判別する。
【0044】
まず、車両5を検出していない状態における、センサヘッド22のボリューム35、36による背景領域の設定について説明する。上記のように光ビームを回帰反射板3の外側まで走査すると、図9(a)に示すように、1往復走査周期Ts毎に2つの「反射光無し」のレベル(背景領域)が存在することになる。1つの背景領域は、「反射光有り」のレベルから「反射光無し」のレベルへの立ち下がりと、「反射光無し」のレベルから「反射光有り」のレベルへの立ち上がりによって構成される。
【0045】
図10(a)に示す走査周期の割込み信号の立ち下がり時を時間原点とし、タイマー(マイクロプロセッサ26の内部タイマー)によって受光素子15における受光信号の立ち下がりと立ち上がりまでの時間を計測する。車両5を検知していない状態での受光信号の立ち下がり時間と立ち上がり時間を順にTT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3](以下、これらを背景値と呼ぶ)とすると、各背景幅(背景領域の幅)は、TT[1]−TT[0]、TT[3]−TT[2]で表わされる。また、背景中心(背景領域の中心)はそれぞれ(TT[0]+TT[1])/2、(TT[2]+TT[3])/2で表わされ、背景中心間の走査時間は、(TT[2]+TT[3])/2−(TT[0]+TT[1])/2で表わされる。
【0046】
センサヘッド22における走査角の初期設定は、センサヘッド22に設けられたボリューム35、36によって行なわれる。このボリューム35、36は、手動で調整することによりスキャナ駆動回路29の振幅電圧とオフセット電圧を調整することができ、それによって光ビームの走査角の中心と振幅を適正に調整することができる。すなわち、走査角の初期設定時には、ボリューム35、36を調整することにより、つぎの3条件を満たすように光ビーム走査角の中心と振幅を調整する。ただし、α、β、γは所定の定数、Tsは走査周期の割込み信号の立ち下がり時と次の立ち下がり時との間の時間、すなわち光走査部7の1走査時間である。
Figure 0003714047
【0047】
ここで、αは光走査部7の温度特性等によって光走査の振幅が狭くなっても背景による「反射光無し」のレベルが無くならないように決める。βは光走査部7による光ビームの走査角度が最大走査角に達しないように決める。γは読取精度と、背景値を更新するまでに温特等によって光走査の中心や振幅が変化する量とを考慮した値にしておく。
【0048】
また、上記▲1▼式及び▲2▼式は、背景幅の広さが適切な広さとなり、よって光ビームの走査角が回帰反射板の長さに対して適当な広さとなることを保証するものである。しかも、βの値が回帰反射板3の長さ(高さ)に比べて十分に小さければ、両背景幅がほぼ等しいと考えてよいから、TT[1]−TT[0]≒TT[3]−TT[2]となり、背景の中心どうしの中央位置(背景の重心という)、すなわち光ビームの走査角の中心が回帰反射板3の中央にほぼ一致することになる。また、〔(TT[2]+TT[3])−(TT[0]+TT[1])〕/2は受光信号(立ち下がりから立ち上がりまでの信号)の中心から受光信号の中心までの走査時間であるから、これがほぼ走査時間Ts/2に等しい(誤差がγより小さい)ということで、2つの受光信号がいずれも背景からの受光信号である(つまり、ノイズ等でない)ことを確認することができる。よって、上記▲1▼〜▲3▼式によって光ビーム走査角の振幅と中心位置が適切に保たれていることを保証している。
【0049】
なお、この説明からも分かるように、上記▲1▼〜▲3▼式に代えて、次の(i)〜(iii)式を用いてもよい。
Figure 0003714047
【0050】
マイクロプロセッサ26は、初期設定時においても、上記▲1▼〜▲3▼式又は(i)〜(iii)式が満たされているか否かを監視しており、ボリューム35、36が調整されて光ビームの走査角が上記▲1▼〜▲3▼式又は(i)〜(iii)式を満たしたと判断すると、マイクロプロセッサ26は、その旨を知らせるために信号を出力し、外部に報知する。従って、この方法によれば、容易に、かつ作業者の熟練やばらつきによらず、均一に光ビームの走査角を初期設定することができる。
【0051】
一方、図8(b)に示すようにセンサヘッド22と回帰反射板3の間に車両5が存在する場合には、センサヘッド22から出射され走査された光ビームは、回帰反射板3の外側の背景領域と車両5に遮られた領域との双方で反射光が戻らなくなるので、受光部8における受光強度の時間的変化は図9(b)のようになる。
【0052】
上記のようにして光ビームの走査角の初期設定が終了すると、マイクロプロセッサ26は、次に説明する方法で背景領域による「反射光無し」のレベルを車両5による「反射光無し」のレベルから判別する。車両検知動作時においては、マイクロプロセッサ26は、{TT0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}の区間と、{TT0[2]−λ}〜{TT0[3]+λ}の区間を背景領域とし、初期設定時と同様にして背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]を求め、この背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]が背景領域の区間{TT0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}、{TT0[2]−λ}〜{TT0[3]+λ}に納まっていれば、そのデータは背景のみであると判断して車両5を検出していないと判断する。なお、λは背景の読取精度を考慮した値である。
【0053】
これに対し、検出した背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]が、いずれも背景領域の区間{TT0[0]−λ}〜{TT0[1]+λ}、{TT0[2]−λ}〜{TT0[3]+λ}に納まっていなければ、背景以外のものが含まれ、車両5が存在していると判断する。
【0054】
また、光走査部7の温度特性による走査角の変動を±x%、背景の読取り精度を検出範囲のy%とすると、回帰反射板3の両端よりもz=〔(100+x)×(100+y)÷100−100〕%だけ大きく走査するようにすればよい。
【0055】
以上説明したように、この車両検知装置21によれば、車両検知領域16の両端に反射光の戻らない背景領域を設け、その背景領域以外からの反射光の有無によって車両5の有無を検出する。従って、温度特性などによって光ビームの走査角が変動しても、車両5の検知に影響の無い背景領域だけが広がったり、狭くなったりするだけであり、車両検知に影響が生じない。
【0056】
よって、従来例のように温度特性などによって光ビーム走査角が変動しても車両検知領域を確保するために回帰反射板3の上端を高くしたり、下端部を低くするためにアイランドを掘り下げたりする必要がなくなる。また、光ビームの初期設定作業も、背景幅や背景中心間の走査時間などを監視することにより、自動的に、あるいは半自動的に調整させることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に説明する実施形態は、背景値を自動的に更新する機能を備えた車両検知装置である。温度特性等による走査角の変動によって、背景値として保存されている値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]と、現時点で計測された背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]とが大きくずれた場合には、受光素子15における受光信号の立ち下がり、立ち上がりが保存されている背景領域から外れるため、誤動作が起きることがある。そこで、この実施形態では、保存している背景値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]の値を一定時間毎に更新することにより、その誤作動を防止している。
【0058】
この実施形態を図11により説明すると、TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]はセンサヘッド22に保存されている背景値であって、計測された背景値(現時点の背景値)TT[0]、TT[1]が保存されている背景値の幅TT0[0]〜TT0[1]の範囲に含まれており、かつ、計測された背景値TT[2]、TT[3]が保存されている背景値の幅TT0[2]〜TT0[3]の範囲に含まれている場合には車両5が存在していないと判定し、そうでなければ車両5が存在していると判定している。
【0059】
一方、現在保存している背景値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]を更新してから一定時間が経過していたら、現時点の背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3](あるいは、これらの背景値からλを増減させたもの)をそれぞれ新たな背景値TT0[0]、TT0[1]、TT0[2]、TT0[3]として保存し、次回からは新たな保存値を用いて車両5の有無を判断する。
【0060】
このように背景値を定期的に更新すれば、温度特性等によって光ビーム走査の振幅やその中心位置が変化しても、車両検知領域16の変動を抑制できる。
【0061】
なお、図示しないが、背景値を更新する場合には、背景値TT[0]、TT[1]、TT[2]、TT[3]を計測する際にパルス発振回路27のパルス周期を短くし、発光素子9の発光パルス間隔を短くするようにしてもよい。こうすれば、保存して車両5の検出に用いる背景値を高分解能で計測することができ、車両5の検出精度を高めることができる。しかも、発光素子9のパルス間隔を常に短くしておく必要がないので、発光素子9の寿命を長くすることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
つぎに説明する実施形態も、保存している背景値を一定時間毎に新しい値に更新するようにしたものである。この実施形態では、所定時間、例えば3分毎に背景値を更新するように設定されており、図12のフロー図に示すように、背景値の更新時間になっているか否か判断し(S1)、更新時間になっていない場合には、通常の車両検知処理を実行する(S5)。
【0063】
これに対し、背景値の更新時間に達していた場合には、車両検知中(車両通過中)でないか調べ(S2)、車両検知中でなければ、背景値の更新処理を実行し(S6)、更新処理が終了したら、次の背景値更新時間を所定時間(3分)に設定する(S7)。また、車両検知中であれば、車両検知処理を続行し(S3)、車両検知処理が完了したら次の背景値更新時間を所定時間よりも短い時間(例えば、1分)に設定する(S4)。
【0064】
この実施形態では、背景値更新時に車両5が通過していた場合には更新を行わないので、背景値更新により車両検知が妨げられることがない。しかも、車両5の渋滞時に背景値が更新されることなく、長い時間が経過した場合には、走査角が変化することによって誤動作を生じる恐れがあるが、この実施形態では、背景値の更新が行われなかった場合には、次回更新までの時間を短縮しているので、いつまでも古い背景値を用いて車両5の検出を行なわれることがなく、誤動作を防止することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
この実施形態も、保存している背景値を一定時間毎に新しい値に更新するようにしたものである。この実施形態でも、所定時間、例えば3分毎に背景値を更新するように設定されており、図13のフロー図に示すように、背景値の更新時間になっているか否か判断し(S1)、更新時間になっていない場合には、通常の車両検知処理を実行する(S5)。
【0066】
これに対し、背景値の更新時間に達していた場合には、車両検知中(車両通過中)でないか調べ(S2)、車両検知中でなければ、背景値の更新処理を実行する(S6)。また、車両検知中であれば、車両検知処理を続行し(S3)、車両検知処理が完了したら、背景値の更新処理を実行する(S8)。そして、背景値更新後、再び所定時間(3分)が経過すると、再び図13のフローを実行する。
【0067】
この実施形態では、背景値更新時に車両5が通過していた場合には更新を行わないので、背景値更新により車両検知が妨げられることがない。しかも、車両検知中であった場合には、車両検知処理が終了したら直ちに背景値の更新を行なっているので、車両の通過量が多い場所でも確実に背景値の更新を行なうことができる。
【0068】
(第5の実施形態)
図14は本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置41の構造を示す斜視図である。この車両検知装置41のセンサヘッド22の上面には、LED等の発光素子からなる振幅最大表示ランプ42、走査中心上方調整ランプ43、走査中心下方調整ランプ44が設けられている。
【0069】
しかして、車両5の存在しない状態で光ビームの走査角を初期設定する場合には、前記のようにスキャナ駆動回路29に設けたボリューム35、36によって光ビームの走査角の中心と振幅を調整することができるが、この実施形態では、各ランプ42、43、44によって調整を容易にすることができる。
【0070】
すなわち、振幅最大ランプ42は、ボリューム35によって走査角の振幅を調整するとき、走査角の振幅が電気的調整可能範囲の上限に達してそれ以上広げることができないようになった場合に点灯し、走査角が上限であることを知らせる。また、走査中心上方調整ランプ43及び走査中心下方調整ランプ44は、ボリューム36によって光ビームの走査角の中心を調整するとき、走査角の中心位置が電気的な調整可能範囲の下限又は上限に達した場合に点灯する。光走査部7の走査角の中心は機械的に固定されているから、走査中心上方調整ランプ43又は走査中心下方調整ランプ44が点灯した場合には、光走査部7の機械的な走査角中心位置を調整するか、センサヘッド22の設置角度を調整する必要がある。
【0071】
このように振幅最大表示ランプ42、走査中心上方調整ランプ43、走査中心下方調整ランプ44によって走査角の中心の調整方向が外部から分かり、その状況に対応することができるので、無駄な調整や間違った方向への調整を知ることができ、調整作業を容易にすることができる。また、ボリューム35、36の回し過ぎによって光走査部7に無理なストレスを掛けるのを避けることができる。
【0072】
(第6の実施形態)
図15は本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置51の信号処理回路を示す図である。この信号処理回路においては、センサヘッド52のマイクロプロセッサ26とスキャナ駆動回路29とがD/A変換回路53を通じて結ばれており、マイクロプロセッサ26がスキャナ駆動回路29を介して光走査部7の走査角を自動的に初期設定できるようになっている。
【0073】
初期設定を行う場合には、マイクロプロセッサ26は光ビームの走査角を狭く絞ると共に光ビームのパルス間隔を通常よりも狭くして光ビームを走査する。ついで、光ビームの走査角(振幅)を徐々に広げてゆく。このとき、図16(a)に示すように、光ビームの走査範囲が回帰反射板3よりも上に出て受光素子15が「反射光無し」のレベルを検知した場合には、マイクロプロセッサ26は走査角の中心位置を下方へ移動させて光ビームが回帰反射板3の上に出ないようにし、走査角の振幅を少し広げる。同様に、光ビームの走査範囲が回帰反射板3よりも上に出て受光素子15が「反射光無し」のレベルを検知した場合には、マイクロプロセッサ26は走査角の中心位置を上方へ移動させて光ビームが回帰反射板3の下に出ないようにし、走査角の振幅を少し広げる。このような動作を繰り返すことによって走査角の中心が回帰反射板3の中心に来るように自動調整することができる。
【0074】
また、走査角の中心位置を調整し終えたら、図16(b)に示すように、走査角の振幅を調整し、光ビームが回帰反射板3の端から出ないように調整する。例えば、センサヘッドの温度特性による走査角の変動をw%であるとすると、走査角の中心位置をw%だけ上下いずれの方向に動かしても光ビームが回帰反射板3の外に出ないように走査角の振幅を小さくし(あるいは、走査角の振幅をw%だけ小さくし)、温度変化によっても光ビームが回帰反射板3の外に出ないよう調整する。
【0075】
ここでは、初期設定の場合について説明したが、車両5を検出していない時を検出して、あるいは一定時間毎に、上記のような動作を行わせれば、車両検知装置51の運転中においても光ビームの走査角を自動補正することができる。
【0076】
従って、この実施形態でも、車両検知装置の調整作業を容易にし、人為的なばらつきを小さくすることができる。また、回帰反射板3を高くしたり、アイランドを掘り込んで回帰反射板の下端を低くしたりする必要もなくなる。
【0077】
また、この実施形態は、第1の実施形態のような背景領域を有する車両検知装置にも用いることができる。この場合には、光ビームの走査範囲が一定量だけ回帰反射板3の端から出るように調整し、例えば図11に示した背景値の補正方法に代えて、この方法により例えば一定時間毎に光ビームの走査角を補正すればよい。
【0078】
(第7の実施形態)
図17は本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置61における光ビーム走査角の初期設定方法を説明する図である。この車両検知装置61では、センサヘッド62の上面に、受光部8の受光量が極大になったときに点灯する光軸調整ランプ63が設けられている。そして、初期設定を行なう場合には、開口65を有するマスク64で回帰反射板3を覆い、回帰反射板3の中心部だけを開口65から露出させる。ついで、光走査部7を停止させたままで投光部6から光ビームを照射させ、受光部8における受光強度をモニターする。そして、図17にR1で示すように、センサヘッド62を左右に回動させ、受光部8における受光強度が最大になって光軸調整ランプ63が点灯する位置を探し、センサヘッド62の左右方向の角度をそこに決める。ついで、図17にR2で示すように、センサヘッド62を上下方向に回動させ(あるいは、センサヘッド62の設置高さを上下させ)、受光部8における受光強度が最大になって光軸調整ランプ63が点灯する位置を探し、センサヘッド62の上下方向の角度をそこに決める。なお、この調整時には、センサヘッド62そのものを動かすのでなく、光走査部7の左右方向の角度と上下方向の角度とを調整する内部調整機構を設けておくのが、より望ましい。
【0079】
こうして調整すると、光ビームの走査角の中心は、マスク64の開口65内(すなわち、回帰反射板3の中心部)に位置するので、その状態でセンサヘッド62ないし光走査部7を固定し、マスク64を回帰反射板3から剥離する。このような初期設定方法によっても、容易に光ビームの走査角の中心を簡単に調整することができる。
【0080】
(第8の実施形態)
また、センサヘッド内に時計を内蔵させておき、車両検知装置の設置位置における車両通行量が少ない時間帯では、光走査部を動作停止させるようにしてもよい。例えば、車両検知装置の設置場所における車両による前方遮光割合が図18のようであったとすれば、午前6時から午後11時までは車両が通行していないときにも光走査部7を動作させて光ビームを走査させておいて通行車両を検知する。これに対し、午後11時から午前6時までの通過車両の少ない時間帯では、光走査部7を動作停止させておき、車両が通過するときに光走査部を動作させ、車両がいなくなったら再び光走査部7を動作停止させる。
【0081】
このようにすれば、車両通行量の少ない時間帯では光走査部7を長時間停止させておくことができ、光走査部7に余計な負荷を掛けないようにすることができる。
【0082】
なお、図18の前方遮光割合は、その設置位置において、例えば1週間の間、図19(a)(b)のような各時間帯毎の車両通行台数を調べ、そのデータを平均することによって得ることができる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1に記載の車両検知装置によれば、車両検知領域の両端に反射光の無い背景領域を設け、その背景領域以外からの反射光の有無によって車両の有無を検出することができるので、温度特性などによって光ビームの走査角が変動しても、車両の検知に影響の無い背景領域だけが広がったり、狭くなったりするだけであり、車両の検知動作に影響が生じない。この結果、従来例のように温度特性などによって広がる車両検知領域を考慮して回帰反射板の上端を高くしたり、下端部を低くしたりする必要がなくなる。
【0084】
また、背景領域の走査時間を測定し、その測定値に基いて投光器による走査角を調整することができるので、光ビームの走査角を自動的に、あるいは半自動的に行うことができる。
【0085】
特に、請求項に記載の車両検知装置のように、前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲にあるように走査角を調整すれば、光ビーム走査角の振幅と中心位置を調整することができる。
【0086】
また、請求項に記載の車両検知装置によれば、車両検出動作中は背景領域又は反射領域の記憶データの更新を行わないようにしているので、走査角の調整動作によって車両の検出動作が妨げられたり、車両が検出されなかったりすることがなく、車両検知装置の信頼性を高めることができる。
【0087】
請求項に記載の車両検知装置によれば、反射板の反射領域から外れた領域の走査を検知し、該検知結果に基いて投光器による走査角の振幅と中心位置を調整することができるので、光ビームの走査角の振幅と中心位置を容易に初期設定することができる。また、温度特性等による光ビームの走査角のずれも容易に補正することができる。
【0088】
請求項に記載の車両検知装置によれば、所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整しているから、温度特性等によって走査角が変動しても常に所定の振幅及び中心位置となるように走査角が調整される。
【0089】
請求項に記載の車両検知装置によれば、通過車両が存在しないときには光ビームの走査を停止させておくことができるので、投光器の光走査部分を長時間停止させておくことができ、該光走査部分に余計な負荷を掛けないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】道路を挟んで設置された従来の車両検知装置とその車両検知領域を示す図である。
【図2】同上の車両検知装置の構造を示す斜視図である。
【図3】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在しないときの様子を示す図、(b)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在するときの様子を示す図である。
【図4】(a)は牽引車とその車両台数判定結果を示す図、(b)は2台の車両とその車両台数判定結果を示す図である。
【図5】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在しない場合の受光量変化を示す図、(b)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在する場合の受光量変化を示す図、(c)は光ビームの走査領域が回帰反射板の両端からはみ出ている場合の受光量変化を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による車両検知装置の構造を示す斜視図である。
【図7】同上の車両検知装置の信号処理回路の構成を示す概略図である。
【図8】(a)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在しないときの様子を示す図、(b)はセンサヘッドと回帰反射板との間に車両が存在するときの様子を示す図である。
【図9】(a)は車両が存在しない場合における受光素子の受光信号を示す図、(b)は車両が存在する場合における受光素子の受光信号を示す図、(c)は光ビームの走査方向を示す図、(d)は走査信号を示す図である。
【図10】背景値の設定条件を説明するための図である。
【図11】本発明の別な実施形態による車両検知装置における背景値の自動更新を説明するための図である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置における背景値の自動更新を説明するためのフロー図である。
【図13】本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置における背景値の自動更新を説明するためのフロー図である。
【図14】本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置の構造を示す斜視図である。
【図15】本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置の構成を示す図である。
【図16】(a)(b)は同上の車両検知装置における光ビーム走査角の調整方法を説明する図である。
【図17】本発明のさらに別な実施形態による車両検知装置における光ビーム走査角の中心の設定方法を示す図である。
【図18】センサヘッドの前方遮光割合の一例を示す図である。
【図19】(a)(b)は同上の前方遮光割合を求めるための平日及び休日の通行車両台数を示す図である。
【符号の説明】
3 回帰反射板
5 車両
6 投光部
7 光走査部
8 受光部
9 発光素子
15 受光素子
22、52、62 センサヘッド
26 マイクロプロセッサ
35、36 ボリューム
42 振幅最大表示ランプ
43 走査中心上方調整ランプ
44 走査中心下方調整ランプ
63 光軸調整ランプ
64 マスク

Claims (7)

  1. 車両検知領域に対応して反射領域を設けた反射板と、
    この反射板の反射領域とその両側の背景領域を光ビームで走査する投光器と、
    前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受光器と、
    この受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時と反射領域の走査時とを判別する手段と、
    前記受光器の出力信号に基いて前記背景領域の走査時間を測定する背景測定手段と、
    この背景測定手段の測定値に基いて、前記投光器による走査角を調整する調整手段とを有する車両検知装置。
  2. 前記調整手段は、前記背景測定手段の測定値に基いて背景幅が許容範囲にあるように走査角を調整することを特徴とする、請求項に記載の車両検知装置。
  3. 前記判別手段により判別された前記背景領域又は前記反射領域を記憶し、反射領域における遮光により車両を検知する手段を備えた請求項1に記載の車両検知装置において、
    車両非検出時に前記判別手段により判別された背景領域又は反射領域を記憶データとして更新するようにしたことを特徴とする車両検知装置。
  4. 前記反射領域の少なくとも一部が遮光されていることに基づき、車両検出動作中は、前記調整手段による背景領域又は反射領域の記憶データの更新を行わないことを特徴とする請求項に記載の車両検知装置。
  5. 車両検知領域に対応して反射領域を設けた反射板と、
    この反射板を光ビームで走査する投光器と、
    前記反射領域からの反射光を受光して信号を出力する受光器と、
    この受光器の出力信号に基いて前記反射板から外れた領域の走査を検知し、該検知結果に基いて、前記投光器による走査角の振幅と中心位置を調整する調整手段とを有する車両検知装置。
  6. 前記調整手段は、所定時間毎に走査角の振幅と中心位置を調整することを特徴とする、請求項に記載の車両検知装置。
  7. 通過車両が存在しないときには、前記投光器による光ビームの走査を停止させ、車両が通過するときには、前記投光器による光ビームの走査を行なわせることを特徴とする、請求項1又は5に記載の車両検知装置。
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