JP2001041110A - Egrクーラ付きegr装置 - Google Patents

Egrクーラ付きegr装置

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JP2001041110A
JP2001041110A JP11218640A JP21864099A JP2001041110A JP 2001041110 A JP2001041110 A JP 2001041110A JP 11218640 A JP11218640 A JP 11218640A JP 21864099 A JP21864099 A JP 21864099A JP 2001041110 A JP2001041110 A JP 2001041110A
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passage
gas
cooler
temperature
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Hiroyuki Ichikawa
弘之 市川
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンの運転状態に応じて、EGRクーラを
通過するEGRガスと通過しないEGガスとの混合比を
調整して、適正な温度のEGRガスを吸気系に供給し
て、安定した燃焼ができるEGRクーラー付きEGR装
置を提供する。 【解決手段】エンジンEの排気通路2と吸気通路3を連
通するEGR通路4にEGR弁41を設けると共に、該E
GR弁41の上流側のEGR通路4aを分岐して、EGR
クーラ42を配設したEGRガス冷却通路4bと、流量調
整弁43を有する冷却バイパス通路4cとの二通路で形成
し、前記流量調整弁43の弁開度を調整することにより、
前記EGRガス冷却通路4bと前記冷却バイパス通路4
cを通過するEGRガス量の割合を変化させて、前記吸
気通路3に供給するEGRガス温度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのEGR
において、EGRクーラを使用してEGRガスの温度を
下げることにより、各気筒における空気の吸入効率を向
上させて、エンジンの燃焼を良好に保ちながら、燃焼温
度を下げて排気ガス中のNOxを低減するEGRクーラ
付きEGR装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンなどの排気ガス対策
において、排気ガス中のNOxの排出量を低減するため
に、排気ガスの一部を吸気に還流することで、燃焼温度
を低く抑えて、NOxの生成を抑制させるEGR(排気
再循環)が有効であることが知られ、広く実用化されて
いる。
【0003】このEGR装置においては、例えば、図2
に示すように、エンジンEの排気通路2から排気ガスを
分流するEGR通路4を吸気通路3側に接続して、EG
R通路4に設けたEGR弁41でEGRガスGeの流量を
調整しながらEGRを行っている。
【0004】しかし、高温のEGRガスGeをそのまま
吸気側に循環させると、高温で膨張したままのEGRガ
スGeが吸気マニホールド3dに供給されるので、吸気
時の気筒(シリンダ)内でEGRガスが占める割合が多
くなり、その分各気筒内に入る空気量が減少してしま
い、燃焼が悪化し、排ガス成分も悪化するという問題が
ある。
【0005】そのため、EGR通路4の途中に水冷式の
EGRクーラー42を設けて、エンジン冷却水Wを冷却水
通路7a,7bを通じて循環して、この冷却水Wにより
EGRガスGeを冷却して体積を減少してから、吸気マ
ニホールド3dに供給し、これによって、各気筒内に供
給される空気量を確保し、良好な燃焼と低NOxを実現
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EGR
クーラには、エンジンのジャケット内を循環する冷却水
が常に流されており、この冷却水の流量によって、EG
Rクーラ自体の交換熱量が決まってしまうために、冬季
やエンジンスタート直後のようにエンジン冷却水及びE
GRクーラが冷えている時や、低EGR率のEGRガス
量の少ない運転時には、EGRクーラを通過したEGR
ガスが過冷却(オーバクール)状態となる場合がある。
【0007】そして、EGRガスが過冷却されると、エ
ンジンの暖機が遅れるばかりでなく、この過冷却状態の
低温のEGRガスが気筒内に入って燃焼状態を悪化させ
て、エンジンの性能の不安定化を招くという問題があ
る。
【0008】また、エンジンの排気ガスであるEGRガ
ス中には燃焼により生成される水分が水蒸気として含ま
れているので、この水蒸気分がEGRガスの過冷却によ
り結露し、この結露水が気筒に入って燃焼不良を起こす
という問題がある。
【0009】更に、EGRクーラ内やEGR通路やその
下流で、EGRガス中の水蒸気が結露し、この結露水に
EGRガス中の硫黄酸化物が溶解して硫酸を生じて、E
GRクーラやEGR通路、更にはエンジン内部を硫酸腐
蝕するので、エンジンの耐久性が悪化するという問題が
ある。
【0010】また、EGRクーラ内の結露に、EGRガ
ス中の未燃カーボンが捕捉され、この結露が伝熱管内部
に付着して、カーボンの伝熱抵抗層を形成して、EGR
クーラの効率を低下させたり、カーボン付着によりEG
Rクーラが詰まったりする等の不具合が発生するという
問題がある。
【0011】更には、結露水が吸気行程で潤滑油中に溶
けると、潤滑油を酸化するので潤滑性能が低下して各部
の磨耗が促進されるという問題もある。
【0012】これらの問題を解決するために、特開昭55
-131556 号公報や特開昭55-131557号公報では、EGR
クーラへの冷却水の循環量を制御してEGRガス温度を
ある温度範囲に抑える方法が提案されているが、ガスの
比熱に比較して水の比熱が著しく大きいので、冷却水の
流量コントロールでEGRガスの冷却温度を精密にコン
トロールすることは非常に難しく、また、冷却後のEG
Rガス温度が変動するので、EGRクーラ内における結
露を防止しながら、適正な温度まで冷却したEGRガス
を安定してシリンダ内に供給し続けることは困難である
という問題がある。
【0013】また、特開平10-176611 号公報や特開平10
-196464 号公報に提案されているEGR装置では、EG
Rクーラの上流側に新気の一部を導入してEGRガスを
希釈して水蒸気濃度を低下させたり、EGRクーラを通
過したEGRガスの一部を排気戻し通路から排気通路に
戻すことにより、EGRクーラに多量の排気ガスを流し
てEGRガスの過冷却を防止しているが、EGRクーラ
を通過するガス量がいずれも増加するので、EGRクー
ラが大型化するという問題がある。
【0014】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたもので、その目的は、エンジンのEGRクーラ付
きEGR装置において、エンジンの運転状態に応じて、
EGRクーラを通過する冷却されたEGRガスと通過し
ない高温のままのEGRガスとの混合比を調整すること
により、EGRガス温度を適正な温度にして吸気系に供
給して、安定した良好な燃焼を得ることができるEGR
クーラー付きEGR装置を提供することにある。
【0015】また、第2の目的は、EGRクーラに結露
しないように、最低量のEGRガスを流すことにより、
硫酸腐蝕及びカーボンの付着の原因となるEGRクーラ
ー内の結露を防止して、EGRクーラー、更に、EGR
通路、ひいてはエンジンの耐久性を向上できるEGRク
ーラー付きEGR装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するためのEGRクーラー付きEGR装置は、以下のよ
うに構成される。 1)エンジンの排気通路と吸気通路を連通するEGR通
路にEGR弁を設けると共に、該EGR弁の上流側のE
GR通路を分岐して、EGRクーラを配設したEGRガ
ス冷却通路と、該EGRガス冷却通路と並行し、かつ、
流量調整弁を有する冷却バイパス通路とで形成し、前記
流量調整弁の弁開度を調整することにより、前記EGR
ガス冷却通路と前記冷却バイパス通路を通過するEGR
ガス量の割合を変化させて、前記吸気通路に供給される
EGRガス温度を調整するように構成する。
【0017】このEGRガス量の割合の変化は、流量調
整弁の弁開度の調整を次のように行うことで達成でき
る。
【0018】即ち、流量調整弁の弁開度を大きくして、
冷却バイパス通路の通気抵抗をEGRガス冷却通路の通
気抵抗よりも下げることで、EGRガスを通気抵抗の少
ない冷却バイパス通路側に優先的に流すことができ、高
温のままのEGRガスの割合を増加でき、冷却されたE
GRガスと混合したEGRガスの温度を上昇させること
ができる。
【0019】また、流量調整弁の弁開度を小さくして、
冷却バイパス通路の通気抵抗をEGRガス冷却通路の通
気抵抗よりも上げることで、EGRガスを通気抵抗の少
ないEGRガス冷却通路側に優先的に流すことができ、
冷却されるEGRガスの割合を増加でき、冷却されない
EGRガスと混合したEGRガスの温度を下降させるこ
とができる。
【0020】以上の構成のEGRクーラ付きEGR装置
によれば、EGRクーラを通過するEGRガス量を、並
行する冷却バイバス通路の流量調整弁で調整してEGR
ガス温度を調整することができ、また、EGR率はEG
R弁で調整することができるので、適切なEGR率とガ
ス温度のEGRガスでEGR運転でき、良好な燃焼状態
を維持しながら、排気ガスを低NOx状態にすることが
できる。
【0021】これにより、エンジンチューニングをより
精密に行うことができ、また、EGRクーラを通過する
排気ガスの過冷却を防止できるので、結露及び結露に起
因する硫酸腐蝕や、カーボン付着によるEGRクーラの
詰まりを防止できる。 2)そして、上記のEGRクーラ付きEGR装置におい
て、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
と、該運転状態検出手段による検出値に基づいて、前記
流量調整弁を制御する制御手段とを備えて構成する。
【0022】以上の構成のEGRクーラ付きEGR装置
によれば、エンジンのEGRクーラシステムにおいて、
EGRクーラを通過して冷却された低温のEGRガス
と、バイパス通路を通過し冷却されていない高温のEG
Rガスとの割合をエンジンの運転条件、例えば、エンジ
ン回転数、負荷(アクセル開度)、冷却水温度、吸気温
度、吸気量等の幾つかの組み合わせを指標とする運転条
件に応じて流量調整弁で調整制御し、EGRガスの温度
を最適な温度に調整できるので、この運転条件に対する
最適なEGR率及びEGRガス温度でEGR運転でき
る。 3)また、上記のEGRクーラ付きEGR装置におい
て、EGRガス冷却通路と冷却バイパス通路とが合流し
た後の下流側のEGRガス冷却通路にEGRガスの温度
を検出する第1ガス温度検出手段を設け、該第1ガス温
度検出手段の検出値に基づいて前記流量調整弁を制御す
るように構成する。
【0023】この構成により、EGRガス冷却通路と冷
却バイパス通路とを通過して合流した後のEGRガスの
温度を基にして流量調整弁の弁開度を制御するので、よ
り精密に排気ガス温度の調整を行うことが可能となる。 4)あるいは、上記のEGRクーラ付きEGR装置にお
いて、EGRクーラの内部又は、該EGRクーラの下流
側のEGRガス冷却通路に、EGRガスの温度を検出す
る第2ガス温度検出手段を設け、該第2ガス温度検出手
段の検出値に基づいて前記流量調整弁を制御するように
構成する。
【0024】この構成により、EGRクーラ内またはE
GRクーラ通過後のガス温度でEGRクーラを通過する
ガス量を調整制御できるので、即ち、EGRクーラ内の
ガス温度を正確に把握して露点以上に維持できるので、
EGR通路内における結露を確実に防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明のEG
Rクーラ付きEGR装置の実施の形態について説明す
る。 〔第1の実施の形態〕第1の実施の形態のEGRクーラ
付きEGR装置は、図1に示すように、エンジンEの排
気マニホールド2aや排気管2bなどの排気通路2と吸
気通路3とを、EGR弁41を設けたEGR通路4で接続
し、このEGR弁41の上流側のEGR通路4aを2つの
並行する通路、即ち、EGRクーラ42を配設したEGR
ガス冷却通路4bと、このEGRガス冷却通路4bを迂
回し、流量調整弁43を配設した冷却バイパス通路4cに
分岐して形成し、この両通路4b,4cをEGR弁41よ
り上流側(4y)で合流させる。
【0026】このEGRクーラ42には、冷却水ポンプ6
とエンジン本体1とにそれぞれ連通する冷却水通路7
a,7bを設けて、冷却水ポンプ6から供給されるエン
ジンEの冷却水Wを循環させて、EGRガス冷却通路4
bを通過するEGRガスGbを冷却するように構成す
る。
【0027】そして、このEGR弁41と流量調整弁43の
弁開度の調整制御を、エンジンEの運転条件を示す検出
値に応じて行うコントローラ(制御手段)5を設ける。
【0028】この運転条件を示す検出値は、より具体的
には、エンジンEの回転数(回転速度)Ne、負荷(ア
クセル開度)Acc、冷却水温度Tw、吸気温度、吸気
量、気圧等の各種のデータの一部の組み合わせで得られ
るものであり、通常は、エンジンEの回転数(回転速
度)Ne、負荷(アクセル開度)Acc、冷却水温度T
w等が選定され、この選定された各種データに対して、
EGR率及びEGRガス温度が設定され、マップデータ
等として予めコントローラ5に入力される。
【0029】このコントローラ5は、図示しない回転数
センサやアクセル開度センサ等の周知のセンサ類(運転
状態検出手段)から検出される回転数Neや負荷Acc
等の検出データを入力して、予め入力及び設定された運
転データや運転プログラムに従って、この運転条件を示
す検出値と予め入力されたデータとを比較して、設定さ
れたEGR率とEGRガス温度になるように、EGR弁
41と流量調整弁43とを制御する。
【0030】つまり、このエンジンEの運転状態に応じ
た最適なEGRガスGeの流量になるようにEGR弁41
を制御し、また、最適なEGRガスGeのガス温度にな
るように、冷却バイパス通路4cを通過するEGRガス
Gcの流量を調整するために、流量調整弁43を制御す
る。
【0031】この流量調整弁43の制御は、予め実験や計
測や計算などによって設定された、運転条件とEGRガ
ス温度の関係から導かれる弁開度になるように行う。
【0032】以上の構成のEGRクーラ付きEGR装置
によって、EGR運転する場合について、図1のターボ
チャージャ9を備えたエンジンEを例にして説明する。
【0033】排気通路2に設けられたターボチャージャ
9のタービン9aによって駆動されるコンプレッサ9b
により、吸気通路3からクリーナー8を経由して吸い込
まれた新気Aは、排気通路3a,3b,3cを順に経由
して吸気マニホールド3dに入り、エンジンEの各気筒
に供給される。
【0034】一方、各気筒から排気マニホールド2aに
排出された排気ガスG+Geの殆どの部分Gはタービン
9aを回転した後、排気通路2cを経由して図示しない
排気ガス浄化装置を通過して排出され、EGR運転時に
は、その一部であるEGRガスGeは、コントローラ5
によって制御されるEGR弁41の弁開度によって、その
流量を調整されながら、EGR通路4aを経由し、分岐
点4xでEGRガス冷却通路4bと冷却バイパス通路4
cに分岐し、その一部分GbはEGRクーラ42により冷
却され、他の部分Gc(=Ge−Gb)はEGRクーラ
42を迂回して冷却されないまま通過して、再度合流点4
yで合流し、排気通路4dを経由して、吸気通路3に合
流して新気Aと混合し、この混合ガスA+Geが各気筒
に入る。
【0035】このEGR運転時に、流量調整弁43の弁開
度を調整制御して、EGRガスGeの内のEGRクーラ
42で冷却される低温のガス量Gbと冷却しない高温のガ
ス量Gcとの割合を調整し、EGRガスGeの温度Te
を、その運転状態に応じた最適な温度にする。
【0036】そして、低EGR率の運転領域では、即
ち、EGRガスGeが過冷却され結露が生じ易い運転領
域では、流量制御弁43の弁開度を小さくしてEGRクー
ラ42を通過する排気ガス量Gbを増加することにより、
EGRクーラ42内のEGRガス温度を上げてその露点温
度以上に保つ。
【0037】以上の構成のEGRクーラ付きEGR装置
によれば、EGRガスGeの内の冷却される量を調整で
きるので、EGRガス温度をエンジンEの運転状態に最
適な温度に調整することができる。従って、EGRガス
Geの過冷却を防止しながら、良好な燃焼を維持するこ
とができるので、効率よくEGR運転できる。
【0038】また、このEGRガス温度の調整、即ち、
冷却バイパス通路4cの流量調整弁43の弁開度の調整に
より、EGRガス冷却通路4bを通過するEGRガスG
bの流量も調整できるので、間接的ながらEGRクーラ
42内のEGRガスGbの温度も調整できる。このEGR
クーラ42内のEGRガスGbの温度調整により、EGR
クーラ42内を結露しない温度域に維持できるので、結露
に起因する硫酸腐蝕やカーボン付着による目詰まりを防
止できる。 〔第2の実施の形態〕次の第2の実施の形態のEGRク
ーラ付きEGR装置について説明する。
【0039】この第2の実施の形態においては、第1の
実施の形態のEGRクーラ付きEGR装置に加えて、E
GRガス冷却通路4bと冷却バイパス通路4cとを経由
し合流した後のEGRガスGe(=Gb+Gc)の温度
を検出するために、熱電対などの温度センサー(第1ガ
ス温度検出手段)51を合流点(4y)より下流側のEG
R通路4dに設ける。
【0040】そして、この温度センサー51によって検出
したEGRガス温度Teをコントローラ5に入力して、
このEGRガス温度Teと目標のEGRガス温度との偏
差によって流量制御弁43の弁開度を調整し、EGRガス
温度Teが目標のEGRガス温度になるようにフィード
バック制御するように構成される。
【0041】この目標のEGRガス温度は、エンジンの
運転状態に応じて変化する値であってもよく、制御を簡
単にするためにEGRガスの露点以上の適当な固定値で
あってもよい。
【0042】更に、EGRクーラ42で結露しないEGR
ガス温度Teの上限値Teuを、予め実験や計測や計算
などによって設定し、計測したEGRガス温度Teがこ
の上限値Teu以下になるように流量制御弁43の弁開度
を制御する。
【0043】即ち、上限値Teu以上になりそうな場合
には、流量制御弁43の弁開度を小さくして、EGRガス
冷却通路4bに流れるEGRガスGbの量を増加して、
EGRクーラ42の過冷却を防止する。
【0044】このEGR装置によれば、合流後のEGR
ガス温度Teを目標値としたフィードバック制御によ
り、EGRガスGeの冷却量を調整して、EGRガス温
度TeをエンジンEの運転状態に応じた最適な温度に精
度よく調整することができる。
【0045】つまり、EGRガス温度Teを入力とする
フィードバック制御等の制御方法を採用して流量調整弁
43を制御することにより、EGRガスGeの冷却量を的
確に調整して、吸気通路2に供給するEGRガスGeの
温度Teを精度良く調整することが可能となる。
【0046】また、EGRガスGeの温度調整により、
EGRクーラ42を通過するEGRガスGbの流量を調整
できるので、間接的ながらEGRクーラ42内のEGRガ
スGbの温度も調整でき、EGRクーラ42内を結露しな
い温度域に維持できる。 〔第3の実施の形態〕次の第3の実施の形態のEGRク
ーラ付きEGR装置について説明する。
【0047】この第3の実施の形態においては、第2の
実施の形態のEGRクーラ付きEGR装置において、合
流したEGRガスGeの温度を計測する温度センサ51の
代わりに、又は、この温度センサ51に追加して、EGR
クーラ42内またはEGRクーラ42の下流側のEGRガス
冷却通路4bに、熱電対等の温度センサ(第2ガス温度
検出手段)52を設けて構成する。
【0048】そして、この温度センサ52で計測するEG
Rクーラ42で冷却された後のEGRガス温度Tbをコン
トローラ5に入力して、このEGRガス温度Tbが、予
め実験や計測や計算などによって設定した、EGRクー
ラ42で結露しないEGRガス温度の下限値Tbd以下
に、EGRガス温度Tbがならないように、流量制御弁
43の弁開度を制御する。
【0049】即ち、下限値Tbd以下になりそうな場合
には、流量制御弁43の弁開度を小さくして、EGRガス
冷却通路4bに流れるEGRガスGbの量を増加する。
【0050】この第3の実施の形態のEGRクーラ付き
EGR装置によれば、EGRクーラ42を通過中または通
過後のガス温度Tbを直接監視しながら、流量制御弁43
の制御によりEGRクーラ42を通過させるEGRガスG
bの流量を調整できるので、EGRクーラ42内における
結露を確実に防止することができる。 〔効果〕従って、以上の構成のEGRクーラ付きEGR
装置によれば、次の効果を奏することができる。1)最
適なEGR率及び最適なEGRガス温度でEGR運転で
きる。
【0051】エンジンEにおいてEGR運転する場合
に、吸気通路3に送り込むEGRガス量GeはEGR弁
41により調整できるので、エンジンEの運転条件に応じ
たEGR率でEGRすることができる。
【0052】また、EGRガス冷却通路4bと冷却バイ
パス通路4cとの通過量の割合を、流量制御弁43により
調整制御できるので、EGRクーラ42を通過するEGR
ガスGbの流量GbとEGRクーラ42を迂回するEGR
ガスGcの割合を調整して、吸気通路2に入るEGRガ
ス温度を調整できる。
【0053】従って、EGR運転時のエンジンの運転状
態に最適なガス温度のEGRガスを供給することができ
るので、結露水の侵入や冷たいEGRガスの吸入を避け
て、吸気効率を良好に保ちながら、良好な燃焼状態でエ
ンジンを運転でき、しかも、適切なEGRを行っている
ので低NOxの排ガスとすることができる。2)EGR
通路における結露を防止できる。
【0054】EGRクーラ42及びEGR通路4をEGR
ガスの露点温度以上に保つことができ、EGRガスGb
内の水蒸気の結露を防止できるので、この結露水に排気
ガス中の硫黄酸化物が溶解して発生する硫酸腐蝕も防止
でき、EGRクーラ42、更に、EGR通路4、ひいては
エンジンEの耐久性を向上できる。
【0055】また、結露水がEGRガス中のカーボンを
捕捉してEGRクーラ42内の伝熱管にカーボンを付着さ
せて伝熱抵抗層を形成するのを防止できるので、EGR
クーラ42の冷却効率の低下を防止できる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係るEGRクーラー付きEGR
装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0057】EGRクーラを通過した低温になったEG
Rガスの量と、バイパス回路を通過してきた高温のEG
Rガスの量との比を、その時にエンジンの運転条件に応
じて調整して、最適なEGRガス温度にして吸気通路に
供給することができる。
【0058】そのため、エンジンの出力を高く維持しな
がら、しかも低NOxで運転でき、チューニングをより
精密に行うことができる。
【0059】冷却バイパス通路に設けた流量調整弁によ
り、冷却バイパス通路とEGRガス冷却通路を流れるE
GRガスの割合を変化させることができるので、EGR
ガス温度を露点温度以上に保つことができる排気ガス量
をEGRクーラに常時流すように制御でき、EGRクー
ラを通過するEGRガスが過冷却されることを防止し
て、EGRクーラやEGR通路における結露を防止でき
る。
【0060】従って、この結露に起因する硫酸腐蝕や伝
熱管へのカーボン付着を防止でき、EGRクーラやEG
R通路等の耐久性を向上でき、また、冷却効率の低下も
防止できる。
【0061】更に、吸気通路に供給されるEGRガスの
ガス温度に基づいて流量調整弁を制御する構成により、
EGRガス温度を精度よく目標にEGRガス温度に近づ
けることができる。
【0062】また、EGRクーラの下流側の排気ガス温
度に基づいて、流量制御弁を制御する構成により、EG
Rクーラ通過中のEGRガスの温度を直接的に調整する
ことが可能となるので、簡単な制御により確実にEGR
ガスの結露を防止できる。
【0063】そして、特に、これらのEGRクーラ付き
EGR装置をディーゼルエンジンに適用した場合は、デ
ィーゼルエンジンの燃料油は水分及び硫黄分の含有量が
比較的多いので、燃焼後の硫酸及びカーボンの発生量が
多く、硫酸腐蝕やカーボン付着の可能性が高まるのでよ
り効果的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すEGRクーラ付きE
GR装置の模式的構成図である。
【図2】従来技術のEGRクーラ付きEGR装置の模式
的構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 排気通路 2a 排気マニホールド 2b,2c 排気管 3 吸気通路 3d 吸気マニホールド 4 EGR通路 5 コントローラ(制御手段) 6 冷却水ポンプ 7a,7b,7c 冷却水通路 9 ターボチャージャ 9a タービン 9c コンプレッサ 41 EGR弁 42 EGRクーラ 43 流量調整弁 51 温度センサー(第1ガス温度検出手段) 52 温度センサー(第2ガス温度検出手段) A 新気 E エンジン G 排気ガス Gb EGRガス冷却通路を通過するEGRガス Gc 冷却バイパス通路を通過するEGRガス Ge EGRガス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気通路と吸気通路を連通す
    るEGR通路にEGR弁を設けると共に、該EGR弁の
    上流側のEGR通路を分岐して、EGRクーラを配設し
    たEGRガス冷却通路と、該EGRガス冷却通路と並行
    し、かつ、流量調整弁を有する冷却バイパス通路とで形
    成し、前記流量調整弁の弁開度を調整することにより、
    前記EGRガス冷却通路と前記冷却バイパス通路を通過
    するEGRガス量の割合を変化させて、前記吸気通路に
    供給されるEGRガス温度を調整することを特徴とする
    EGRクーラ付きEGR装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの運転状態を検出する運転状態
    検出手段と、該運転状態検出手段による検出値に基づい
    て、前記流量調整弁を制御する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1記載のEGRクーラ付きEGR装
    置。
  3. 【請求項3】前記EGRガス冷却通路と前記冷却バイパ
    ス通路とが合流した後の下流側の前記EGR通路にEG
    Rガスの温度を検出する第1ガス温度検出手段を設け、
    該第1ガス温度検出手段の検出値に基づいて前記流量調
    整弁を制御するように構成した請求項1又は2に記載の
    EGRクーラ付きEGR装置。
  4. 【請求項4】前記EGRクーラの内部又は、該EGRク
    ーラの下流側の前記EGRガス冷却通路に、EGRガス
    の温度を検出する第2ガス温度検出手段を設け、該第2
    ガス温度検出手段の検出値に基づいて前記流量調整弁を
    制御するように構成した請求項1〜3のいずれか記載の
    EGRクーラ付きEGR装置。
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