JP2001040299A - 鑑識用粘着シ−ト及び痕跡採取方法 - Google Patents
鑑識用粘着シ−ト及び痕跡採取方法Info
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Abstract
い得る指紋痕跡の採取採取方法を提供する。 【解決手段】痕跡指紋を粘着面に転写して採取する粘着
シ−ト1において、粘着剤12がウレタン系粘着剤であ
る。
Description
跡等の採取に使用する鑑識用粘着シ−ト及びそのシ−ト
を用いた指紋等の痕跡の採取方法に関するものである。
足跡等の情報を視覚化して採取し、その情報を捜査官、
裁判官、弁護士等に客観的に伝達しなければならない。
而して、従来、指紋を採取するには、手の指が接触した
箇所に指紋隆線の汗腺開口からの分泌物が付着するの
で、その分泌物に対して付着性の微粉末を撒布したり、
その分泌物と反応して発色する薬品を噴霧して指紋を視
覚化し、その視覚物をゼラチン紙に転写している。
ノ酸、尿素)に付着溶解させて光照射すると蛍光を発す
る物質、例えば、アミノ酸の蛍光試薬である7−クロロ
−4ニトロベンゾ−オキサ−1,3−アゾルのメタノ−
ル溶液、オルトフタルアルデヒドの水溶液、尿素の蛍光
試薬であるパラジメチルアミノシンナマアルデヒドのア
セトン溶液等を上記ゼラチンに含有させておき、このゼ
ラチン紙を指紋が潜在的に付着した対象面に接触させ、
ゼラチン紙を剥離のうえ対象面にレ−ザ光を照射して指
紋の螢光像を表出させる方法も提案されている(特開昭
61−154533号)。
する方法では、夏場において自動車のフレ−ム等に付着
した指紋を採取する場合、該フレ−ムが70℃以上もの
温度になることが往々にしてあり、50℃で軟化溶融す
るゼラチン質では流動してしまい指紋を採取できない。
また、環境温度の如何によっては、指紋採取後、周囲温
度が上昇し指紋が変化してしまい、鑑識に供し得ないこ
とも往々にしてある。更に、冬場でも暖房器具の近傍で
の指紋採取は至難である。更にまた、ゼラチン質が親水
性であるため湿気に弱く、水気を含む場所では膨潤のた
めに使用できないこともある。
系粘着シ−トを使用することが提案されている(特開平
3−80833号)。
ル系粘着剤では、凹凸の急峻の隆起面に付着した指紋を
採取する場合、採取対象面にアクリル系粘着シ−トを密
接すると、角等の急峻な面変化箇所で粘着剤層が伸びて
薄肉化してその箇所での粘着剤量が不足し正確な採取が
難しくなる。一方、粘着剤層を厚くすると、それだけ粘
着力がアップし、アクリル系粘着剤の本来の高い粘着力
と相俟って、採取対象面の塗装の剥離等、原状破損が生
じ易くなる。
紙に転写した指紋痕跡を再度、黒色台紙に転写して指紋
原紙を作りこれを保管しており、採取のための転写と、
保管のための転写の2回の転写が必要であり、めんどう
である。
いウレタン系粘着剤を用いて粘着シ−トにより指紋採取
を正確に、かつ指紋採取対象面を傷付けることなく容易
に行い得る鑑識用粘着シ−トを提供することにある。更
に、本発明の目的は、一回の転写で指紋痕跡の採取・保
管を簡易に行い得る指紋痕跡の採取方法を提供すること
にある。
シ−トは、指紋痕跡を粘着面に転写して採取する粘着シ
−トにおいて、粘着剤がウレタン系粘着剤であることを
特徴とする構成であり、ウレタン系粘着剤層の粘着力が
2N/20mm以下、貯蔵弾性率が3e+04〜8e+05dyn/c
m、厚みが80〜1000μmとされ、ウレタン系粘着剤
には、ジイソシヤネ−トが脂肪族ウレタンまたは脂環族
ウレタンを有するイソシヤネ−ト化合物であり、ポリオ
−ルがプロピレングリコ−ルであるポリエ−テル−ポリ
ウレタンを使用することが好ましい。
末の撒布や薬品噴霧により視覚化した指紋痕跡を採取す
る方法であり、透明支持フィルムの片面にウレタン系粘
着剤を塗工した粘着シ−トを、片面を上記視覚化した指
紋痕跡に対し異色とした台紙の片面に貼着して成る採取
シ−トを用意しておき、台紙を剥離して粘着シ−トのウ
レタン系粘着剤層に前記の視覚化した指紋痕跡を転写
し、ついでこの転写粘着シ−トを上記台紙の離型処理面
に再貼着することを特徴とする構成であり、粘着シ−ト
には、前記のウレタン粘着シ−トが使用される。
実施の形態について説明する。図1は本発明に係る鑑識
用粘着シ−トを示している。図1において、1は透明な
支持フィルム11の片面にウレタン系粘着剤12を塗工
したウレタン粘着シ−トである。2は台紙であり、表面
に事件番号記入欄、採取日時の記入欄、採取物件記入
欄、採取者氏名記入欄、立会人氏名記入欄等を印刷した
紙質シ−ト21の裏面に、離型性の黒色または白色プラ
スチックフィルム22を接着または融着してあり、離型
性プラスチックフィルム面22に前記ウレタン粘着シ−
ト1のウレタン系粘着剤層面12を貼着してある。
000μm、好ましくはは100〜300μmとし、粘着
力は2N/20mm以下、好ましくはは1.8N/20mm以下と
し、貯蔵弾性率は3e+04〜8e+05dyn/cm、好ましく
4e+04〜6e+05dyn/cmとしてある。
指紋を採取するには、指紋採取対象面にアルミナ粉末ま
たはストンパウダ−やカ−バン粉末をダスタ−刷毛等で
少しづつ撒布し、穂先で軽く払うようにして、指紋隆線
の部分だけに粉を付着させ指紋を浮き上げていく。次
に、前記ウレタン粘着シ−ト1を台紙2から剥離し、ウ
レタン系粘着剤層面12を指紋採取面に密接に当接し、
更に剥離して前記の浮き上げ指紋をウレタン系粘着剤層
面12に転写させる。而るのち、この指紋転写粘着シ−
トを台紙2の離型性プラスチックフィルム面22に再貼
着し、台紙表面の記入欄に所定事項を記入し、これにて
指紋採取を終了する。
ンパウダ−(白色)またはカ−ボン粉末(黒色)により
視覚化されており、台紙の離型性プラスチックフィルム
面をこれらそれぞれの色彩とコントラストの強い黒色ま
たは白色としてあり、かつウレタン系粘着剤層及び支持
フィルムが共に透明であるから、浮き上げ指紋を転写し
たウレタン粘着シ−トを台紙に再貼着した状態で指紋を
明確に鑑識できる。
リル系粘着剤等の粘着シ−トとして汎用されている粘着
剤に較べて貯蔵弾性率が小であり、ドアノブ等の面変化
の急峻な指紋採取対象面にウレタン粘着シ−トを密接に
当接しても、ウレタン系粘着剤層の曲げ歪みに伴う伸び
で生じる薄肉化を軽度にとどめ得、凹凸の急峻な採取対
象面でもウレタン系粘着剤量を充分に保有させて指紋採
取を満足に行い得る。
ウレタン系粘着剤層の厚みを80〜100μmとした理
由は、80μm未満では粘着力が低くなり過ぎ上記の浮
き上げ指紋の転写を満足に行い難く、1000μmを越
えると粘着力が高くなり過ぎ、指紋採取対象面の如何に
よっては壁面の塗装剥げ等の原状破損が避けられないか
らである。また、粘着剤層の粘着力を2N/20mm以下とし
た理由は、2N/20mmを越えると粘着力が高くなり過ぎ、
指紋採取対象面の如何によっては壁面の塗装剥げ等の原
状破損が生じるからである。更に、貯蔵弾性率を3e+0
4〜8e+05dyn/cmにした理由は、3e+04dyn/cm未満
ではドアノブ等の面変化の急峻な指紋採取対象面の場
合、ウレタン系粘着剤層の曲げ歪みに伴う伸びで生じる
薄肉化のために上記の厚みでは指紋採取を満足に行い難
く、ウレタン系粘着剤の厚みをそれ以上厚くすると粘着
剤の加圧による流動で指紋を正確に転写し難くなり、8
e+05dyn/cmを越えるとウレタン系ではかかる高弾性の
達成が困難であるからである。
ポリオ−ルにプロピレングリコ−ルを、ジイソシアネ−
トに脂肪族ウレタンまたは脂環族ウレタンを有するイソ
シヤネ−ト化合物を使用したポリエ−テル−ポリウレタ
ン系を使用することが好ましく、脂肪族ウレタンとして
は、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト)、XD
I(キシリレンジイソシアネ−ト)、水添MDI〔4,
4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−
ト)〕等を挙げることができ、脂環族ウレタンとして
は、IPDI(イソホロンジイソシアネ−ト)、H6X
DI〔1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ
サン〕等を挙げることができる。更に、XDI系、HD
I系アダクトタイプ、トリマ−タイプ等の架橋剤を分散
させて熱硬化型とすることもできる。
指紋の視覚化を、指紋隆線に沿って開口された汗腺から
分泌されて対象面に付着した汗に微粉末を付着させる方
法を使用しているが、分泌物中のアミノ酸に反応して発
色するニンヒドリン溶液を噴霧する方法、分泌物中の尿
素に反応して発色す硝酸銀溶液を噴霧する方法等を使用
することもできる。
ムには、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテ
レフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエス
テルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンフィルム、セルロ−ズジアセテ−ト、セルロ
−ズトリアセテ−ト等のセルロ−ス系樹脂フィルム、ポ
リカ−ボネ−トフィルム等の延伸または無延伸フィルム
を使用でき、就中、耐熱性、機械的強度、寸法安定性の
何れにも優れた二軸延伸ポリエステルフィルムが好まし
く、特にポリエチレンテレフタレ−トフィルムが耐熱
性、透明性、経済性の観点より最適である。この支持フ
ィルムの粘着剤塗工面には、投錨力を向上させるために
必要に応じコロナ処理等の接着性向上処理を施すことが
できる。この支持フィルムの厚みは柔軟性を満たせば特
に限定されず、好ましい厚みは一般に50〜125μm
である。
色の離型性フィルムには、臨界表面張力が35dynes/cm
以下のものがものが使用され、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリビニルブチラ−ル、ポリプロピレン、ポリ弗
化ビニル、ポリ弗化エチル、等のフィルムを使用でき、
必要に応じ背面処理剤で剥離処理することもできる。こ
の離型性フィルムとしては、延伸または無延伸の何れの
フィルムも使用できるが、フィルム強度上二軸延伸した
フィルムを使用することが好ましく、厚みは25〜12
5μm、特に取扱性や加工性の点から25〜100μmの
ものを使用することが好ましい。
指紋採取以外に、堅い床やアスファルト面に付着した土
ほこりが作る履物の底やタイヤ接地面の紋様の採取・保
管にも使用できる。
支持フィルムには厚み750μmの透明ポリエチテンテ
レフタレ−トフィルムを、離型性フィルムには臨界表面
張力35dynes/cm、厚み50μmの黒色プロピレンフィ
ルムを使用し、台紙本体には上質紙を使用した。
オ−ルにプロピレングリコ−ルを使用し、イソシヤネ−
ト化合物にHDI(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト)
を使用したポリエ−テル−ポリウレタン粘着剤の85重
量%トルエン溶液に架橋剤を9.5重量%添加したウレ
タン系粘着剤溶液を支持フィルム上に塗布し、140℃
×5分の条件で硬化させて厚み100μmの熱硬化型ウ
レタン系粘着剤層を形成し、台紙を貼着した。
の厚みを280μmとした以外、実施例1に同じとし
た。
%トルエン溶液にアルキレ−ト化合物(硬化剤)を2重
量%添加したアクリル系粘着剤溶液を支持フィルム上に
塗布し、110℃×10分の硬化条件で硬化させて厚み
100μmのアクリル系粘着剤層を形成し、他は実施例
に同じとした。
%トルエン溶液にアルキレ−ト化合物(硬化剤)を2重
量%添加したアクリル系粘着剤溶液を支持フィルム上に
塗布し、110℃×10分の硬化条件で硬化させて厚み
280μmのアクリル系粘着剤層を形成し、他は実施例
に同じとした。
の指紋採取性、粘着力、貯蔵弾性率、耐熱性を測定・評
価したところ、表1の通りであった。ただし、それらの
測定・評価方法は次の通りとした。 〔粘着力〕粘着シ−トをステンレス板に2kgロ−ラの
1往復で圧着し、圧着30後に180°ピ−ル、引張り
速度300mm/minの条件で粘着力を測定した。 〔粘着剤層の貯蔵弾性率〕Rheometric Sc
ientific社のARESを使用して測定した。 〔指紋採取性A〕急峻な面変化の金属対象面に指紋を付
け、ストンパウダ−をダスタ−刷毛等で少しづつ撒布
し、穂先で軽く払うようにして指紋を浮き上らせ、これ
を粘着シ−トに転写させ、指紋全体を鮮明に採取できた
ときを○、指紋の一部分を転写できなかったものを△と
評価した。 〔指紋採取性B〕古い塗装対象面に指紋を付け、これに
粘着シ−トを粘着・剥離したときに、塗装の剥離がなか
ったものを○、塗装の剥離があったものを×と評価し
た。
ば、貯蔵弾性率が3e+04〜8e+05dyn/cmと高いウレ
タン系粘着剤を使用しているから、面変化の急峻な指紋
採取対象面に当接しても粘着剤層の厚みをよく保持させ
て満足に指紋を転写させ得、更に、ウレタン粘着剤層の
厚みを80〜1000μmとし、粘着力を5N/20mm以下
として粘着力を充分に低くしているから、指紋採取対象
面の塗装剥げ等の原状破損を確実に回避できる。また、
本発明に係る指紋痕跡の採取方法によれば、上記の優れ
た指紋採取を一回の転写で行うことができるから、採取
作業の簡易化を図ることができる。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】指紋痕跡を粘着面に転写して採取する粘着
シ−トにおいて、粘着剤がウレタン系粘着剤であること
を特徴とする鑑識用粘着シ−ト。 - 【請求項2】粘着剤層の貯蔵弾性率が3e+04〜8e+0
5dyn/cm、厚みが80〜1000μmである請求項1記
載の鑑識用粘着シ−ト。 - 【請求項3】粘着剤層の粘着力が2N/20mm以下である請
求項1または2記載の鑑識用粘着シ−ト。 - 【請求項4】ジイソシヤネ−トが脂肪族ウレタンまたは
脂環族ウレタンを有するイソシヤネ−ト化合物であり、
ポリオ−ルがプロピレングリコ−ルであるポリエ−テル
−ポリウレタンを粘着剤とする請求項1または2記載の
鑑識用粘着シ−ト。 - 【請求項5】微粉末の撒布や薬品噴霧により視覚化した
指紋痕跡を採取する方法であり、透明支持フィルムの片
面にウレタン系粘着剤を塗工した粘着シ−トを、片面を
上記視覚化した指紋痕跡に対し異色とした台紙の片面に
貼着して成る採取シ−トを用意しておき、台紙を剥離し
て粘着シ−トのウレタン系粘着剤層に前記視覚化した指
紋痕跡を転写し、ついでこの転写粘着シ−トを上記台紙
の離型処理面に再貼着することを特徴とする痕跡採取方
法。 - 【請求項6】粘着剤がウレタン系粘着剤である粘着テ−
プによって足跡やタイヤ跡を採取することを特徴とする
痕跡採取方法。
Priority Applications (1)
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JP2001040299A5 JP2001040299A5 (ja) | 2006-03-09 |
JP3774338B2 JP3774338B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
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Family Applications (1)
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