JP2001040206A - ポリアミド系樹脂組成物及びその架橋物 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物及びその架橋物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく架橋可能なポリアミド系樹脂組成
物、及びそれから得られる成形性や耐熱性等が向上した
架橋型ポリアミド系樹脂を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアミド系樹脂と、(B)特定
構造の1,2−ジフェニルエタン誘導体またはジイソプ
ロピルベンゼンオリゴマーから選ばれる1種のラジカル
発生剤と、(C)分子中に少なくとも2個以上の炭素間
二重結合を有する多官能モノマーとからなるポリアミド
系樹脂組成物、及びそれを220〜320℃の温度で加
熱・架橋して得られる架橋型ポリアミド系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、効率よく架橋可能
なポリアミド系樹脂組成物及びそれから得られる成形性
や耐熱性等が向上した架橋型ポリアミド系樹脂に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系樹脂は、その物理的、化学
的特性が優れているため、合成繊維、フィルム、各種成
形材料等として多方面にわたって利用されている。特に
近年、ポリアミド系樹脂が有する耐摩耗性、耐熱性、機
械的特性、電気的特性などの特性を活かしてエンジニア
リングプラスチックとして種々の電子・電気部品、自動
車部品、機械部品などに広く利用されるようになってき
ている。しかながら、用途の拡大、多様化に伴い、樹脂
に対しては更に高度な性能や特殊な機能が求められてい
る。
【0003】例えば、ブロー成形や押出成形をする際、
ポリアミド系樹脂は溶融粘度が低くなって、成形をする
ことが困難となるため、ポリアミド系樹脂の溶融粘度の
向上が求められている。また、より一層厳しい使用環境
下に耐えられるように耐熱性の向上も要求されている。
一般に、熱可塑性樹脂に架橋構造や分岐構造を形成させ
ることにより溶融粘度や耐熱性を向上できることは良く
知られている。例えば、ジャーナル・オブ・ポリマー・
エンジニアリング、17巻、39〜60、1997年に
は、共重合ポリアミドであるナイロン6/69中に2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン−3等のペルオキシドを添加して、190℃で溶
融混練することにより、ポリアミド系樹脂の溶融粘度を
向上できることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ペルオキシドを用いる方法は、ペルオキシドの使用温度
に適した比較的融点が低いポリアミド系樹脂に対しては
有効ではあるが、工業的に広く用いられているナイロン
6やナイロン66のように200℃を越える高融点のポ
リアミド系樹脂に対しては、樹脂が十分に溶融する前に
ペルオキシドが分解してしまったり、また高温下でペル
オキシドが急激に分解してしまうため、効果的に架橋を
行なうことが困難であった。
【0005】この発明は、上記従来技術に存在する問題
点に着目してなされたものである。その目的とするとこ
ろは、効率よく架橋可能なポリアミド系樹脂組成物及び
それから得られる成形性や耐熱性等が向上した架橋型ポ
リアミド系樹脂を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリアミド系樹脂
に特定のラジカル発生剤及び多官能モノマーを添加した
配合物を加熱することにより優れた架橋型ポリアミド系
樹脂が得られることを見出し本発明を完成した。
【0007】即ち、第1の発明は、(A)ポリアミド系
樹脂と、(B)下記一般式(1)に示す1,2−ジフェ
ニルエタン誘導体または一般式(2)に示すジイソプロ
ピルベンゼンオリゴマーから選ばれる1種以上のラジカ
ル発生剤と、(C)分子中に少なくとも2個以上の炭素
間二重結合を有する多官能モノマーとからなるポリアミ
ド系樹脂組成物である。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1、R2、R3及びR4は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数
3〜10のシクロアルキル基、フェニル基または炭素数
1〜5のアルキル置換フェニル基であり、X及びYは水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基また
は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、nは平均値として2〜50であ
る。) 第2の発明は、第1の発明のポリアミド系樹脂組成物を
220〜320℃の温度で加熱・架橋させて得られる架
橋型ポリアミド系樹脂である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて詳細に説明する。本発明における成分(A)のポリ
アミド系樹脂としては、ヘキサメチレンジアミン、デカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタ
ン)、m−またはp−キシリレンジアミン等の脂肪族、
脂環族、芳香族等のジアミンとアジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸等の脂肪族、脂環族、芳香族等の
ジカルボン酸との重縮合によって得られるポリアミド、
ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等の
アミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、
ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタム
から得られるポリアミドあるいはこれらの成分からなる
共重合ポリアミド、これらのポリアミドの混合物等が例
示される。具体的には例えば、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン9、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン
66/610、ナイロン6/11等の市販品が挙げられ
る。これらの中では、成形性や耐熱性を向上するという
観点から、特にナイロン6及びナイロン66が好まし
い。
【0013】本発明で使用される成分(B)のラジカル
発生剤は、前記一般式(1)に示す1,2−ジフェニル
エタン誘導体または一般式(2)に示すジイソプロピル
ベンゼンオリゴマーから選ばれる1種以上の化合物であ
り、200℃以上の高温下で炭素間結合の開裂により有
効にラジカルを発生する化合物である。一般式(1)に
示す化合物としては具体的には、例えば、2,3−ジメ
チル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−
2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジメチル−2,3
−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−ジエチル
−2,3−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−
ジメチル−2,3−ジ(p−ブロモフェニル)ブタン、
2,3−ジエチル−2,3−ジ(p−ブロモフェニル)
ブタン、2,3−ジメチル−2,3−ジ(p−クロロフ
ェニル)ブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジ(p−
クロロフェニル)ブタン、2,3−ジメチル−2,3−
ジ(p−エトキシフェニル)ブタンが挙げられ、特に
2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンが好まし
い。
【0014】一般式(2)に示すジイソプロピルベンゼ
ンオリゴマーにおいて、nは平均値として2〜50であ
り、好ましくは3〜40である。nが1の時は、架橋反
応過程においてラジカルを生成することができないので
ラジカル発生剤としては作用しない。一方、nが50を
越えると、ポリアミド系樹脂との相溶性が低下して架橋
反応効率が低下する傾向にある。
【0015】前記ジイソプロピルベンゼンオリゴマー
は、ジイソプロピルベンゼンを、ポリマー・サイエンス
・U.S.S.R.、1巻、341頁、1960年に記
載されている方法に準じ、ジ−t−ブチルペルオキシド
のようなペルオキシドを用いて酸化多重再結合(以下、
酸化重合と略記する。)の反応をさせることにより得る
ことができる。原料となるジイソプロピルベンゼンとし
ては、例えばm−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソ
プロピルベンゼン、及びm−ジイソプロピルベンゼンと
p−ジイソプロピルベンゼンの混合物が挙げられる。原
料としてm−ジイソプロピルベンゼンを用いた場合は、
一般式(2)の構成単位はメタ体からなり、p−ジイソ
プロピルベンゼンを用いた場合はパラ体からなる。一
方、m−ジイソプロピルベンゼンとp−ジイソプロピル
ベンゼンの混合物を用いた場合は、ジイソプロピルベン
ゼンオリゴマー中にメタ体とパラ体の構成単位が両方含
まれる。
【0016】ジイソプロピルベンゼンオリゴマーの製造
は通常、ペルオキシドの分解物に由来する低沸点成分を
除去しながら行われる。その後、ジイソプロピルベンゼ
ンオリゴマー以外の揮発成分を常圧下または減圧下で留
去させる濃縮法ないしメタノール等の有機溶媒を用いた
再沈殿法により単離精製される。その結果得られるジイ
ソプロピルベンゼンオリゴマーは通常、分子量分布をも
つ多分散型オリゴマーとなる。すなわち、一般式(2)
中のnの値が異なる複数の化合物の混合物からなる。本
発明においては、nの平均値が2〜50の範囲であれば
よく、nが1の成分またはnが50を越える成分を含ん
でいても差し支えない。また、nが1のジイソプロピル
ベンゼンは希釈剤として含有させることも可能であり、
そのような場合は、nの平均値は2未満であってもよ
い。前記平均値として定義されるnは、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより測定されるオリゴマー
の数平均分子量から求めることができ、その値は小数点
を含む実数で通常表される。
【0017】本発明のジイソプロピルベンゼンオリゴマ
ーは、精製前のものをラジカル発生剤として用いても良
いし、また前記方法により精製後のもの用いても良い。
さらに、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、アジピン酸エステル、フタル酸エステル等の液
状物質またはシリカ、炭酸カルシウム、ポリオレフィン
等の固体状物質により希釈された状態でも使用可能であ
る。
【0018】また、高温分解型のペルオキシドを本発明
のラジカル発生剤と併用して使用することができる。併
用可能なペルオキシドとしては具体的には、例えばt−
ブチルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオ
キシド、クメンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒド
ロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオ
キシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロ
ペルオキシド等のヒドロペルオキシド類;ジ−t−ブチ
ルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジク
ミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン等の
ジアルキルペルオキシド類が挙げられる。これらペルオ
キシドの使用割合は、本発明のラジカル発生剤100重
量部に対して100重量部以下が好ましい。
【0019】ラジカル発生剤の添加量は、ポリアミド系
樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好
ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未
満では溶融粘度を上昇させる効果が小さい。また、10
重量部を越えると多量のラジカル発生剤の分解物が残存
するため、ポリアミド系樹脂の物性が低下する傾向にあ
る。
【0020】本発明で使用される成分(C)の多官能モ
ノマーは、分子中に少なくとも2個以上の炭素間二重結
合を有する多官能性エチレン系不飽和化合物のことであ
り、例えばジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、
N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジイソプロ
ペニルベンゼン、ポリブタジエン、多官能性(メタ)ア
クリル酸エステル等が挙げられ、これらは単独または2
種以上の組み合わせで使用される。
【0021】前記多官能性(メタ)アクリル酸エステル
としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリント
リ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリメチロール
エタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリメチ
ロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,
1,1−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)
アクリレート、1,4−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロキシシク
ロヘキサン)プロパン、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン等が挙げられる。
【0022】前記多官能モノマーの中で好ましいもの
は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、1,1,1−トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニ
ルベンゼンであり、特にトリアリルイソシアヌレートは
溶融粘度を上げる効果が大きいため好ましい。
【0023】また、スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、酢酸ビニル、アリルグリシジルエーテル、メタクリ
ル酸グリシジル、アクリル酸グリシジルなどのラジカル
重合性の単官能モノマーの1種または2種以上を本発明
の多官能モノマーと併用して使用することが可能であ
る。
【0024】多官能モノマーの使用量は、ポリアミド系
樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好
ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未
満では溶融粘度を上昇させる効果が小さい。また、10
重量部を越えると、ポリアミド系樹脂の物性が低下する
傾向にある。
【0025】本発明において、多官能モノマーを使用せ
ず、ラジカル発生剤のみを用いた場合には、溶融粘度は
ほとんど増加しない。これは、本発明のラジカル発生剤
から生成するラジカルは比較的安定であり、ポリアミド
系樹脂から直接水素原子を引き抜くことは困難なためと
推定される。しかし、本発明のようにラジカル発生剤と
多官能モノマーとを併用して使用すると、ラジカル発生
剤から生成するラジカルは多官能モノマーへの付加反応
を経て、より活性なラジカルに変換されるため、ポリア
ミド系樹脂からの水素原子引き抜きが可能となり、架橋
または分岐化反応が効率的に進行するものと考えられ
る。
【0026】また、その用途に応じて所望の性能をさら
に付与させるため、本発明の目的を損なわない範囲の量
の無機充填剤や添加剤を配合することができる。無機充
填剤としては、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状ま
たは中空状および繊維状が挙げられ、具体的には例えば
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、ウオラストナイト、
クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、
酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、
シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラ
ックなどの粉粒状充填剤、雲母、ガラス板、セリサイ
ト、パイロフィライト、アルミフレークなどの金属箔、
黒鉛などの平板状もしくは鱗板状充填剤、シラスバルー
ン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石などの中空状
充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウ
ィスカー、金属繊維、シリコーンカーバイト繊維、アス
ベストなどの繊維状充填剤等の例を挙げることができ
る。これら無機充填剤の表面は、例えばステアリン酸、
オレイン酸、パルミチン酸またはそれらの金属塩、パラ
フィンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの
変性物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等を
使用して表面処理を施したものが好ましい。これら無機
充填剤は1種又は2種以上併用することができ、添加量
はポリアミド系樹脂100重量部に対して120重量部
以下、好ましくは70重量部以下である。
【0027】前記添加剤としては、通常使用される難燃
剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、滑剤、離
型剤、核剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤
等が挙げられる。
【0028】また、他の熱可塑性樹脂、例えばポリスチ
レン樹脂、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン樹
脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン樹脂)、
ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等を添加して
も差し支えない。
【0029】本発明の架橋型ポリアミド系樹脂は成分
(A)、(B)及び(C)の配合物を加熱することによ
り、高分子ラジカルが関与したラジカル反応が生起し、
ポリアミド系樹脂に分岐構造や網目状の架橋構造が形成
されるため溶融粘度が増加する。本発明において架橋型
とは網目状に至る前の分岐型も含まれる。即ち、架橋型
ポリアミド系樹脂中に分岐構造単位及び/または架橋構
造単位を部分的に有しているものである。加熱温度は2
20〜320℃、好ましくは240〜300℃、特に好
ましくはポリアミド系樹脂の融点より10℃高い温度以
上で、かつ290℃以下である。220℃未満ではポリ
アミド系樹脂の溶融が不十分であり、かつラジカル発生
剤の分解速度が遅く架橋反応が効率的に進行しない。ま
た320℃を越えると、樹脂の分解や異常反応を生じ好
ましくない。
【0030】本発明の架橋型ポリアミド系樹脂は通常、
前記成分(A)、(B)及び(C)を溶融混練すること
により製造することができる。この溶融混練に使用する
装置としては、例えばバンバリーミキサー、加圧ニーダ
ー、混練押出機、二軸押出機、ロール等の通常用いられ
る混練機により行なうことができる。
【0031】本発明の架橋型ポリアミド系樹脂の溶融粘
度は、ラジカル発生剤及び多官能モノマーの添加量によ
り調整できる。溶融粘度を僅かに上昇させたい場合は、
ラジカル発生剤及び多官能モノマーの添加量を少なく
し、分岐構造にとどめるかあるいは微架橋程度にすれば
よい。一方、溶融粘度を大きく上昇させたり、高度に架
橋したものを得たい場合は、ラジカル発生剤及び多官能
モノマーの添加量を多くすれば良い。
【0032】本発明の架橋型ポリアミド系樹脂は成形材
料として有用であり、その溶融粘度に応じて射出成形、
押出成形、ブロー成形等により各種成形品とすることが
できる。また、成分(A)、(B)及び(C)が配合さ
れたポリアミド系樹脂組成物は、圧縮成形、トランスフ
ァー成形等により成形と同時に加熱架橋させることも可
能である。
【0033】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、この発
明をさらに具体的に説明する。なお、各例中の部、%は
特に断らない限り重量部および重量%を示す。また、各
例中の略記号は以下の化合物を示す PDIB−1:参考例1で製造されたジイソプロピルベ
ンゼンオリゴマー PDIB−2:参考例2で製造されたジイソプロピルベ
ンゼンオリゴマー BC:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン
(商品名:ノフマーBC、日本油脂(株)製) TAIC:トリアリルイソシアヌレート MPBM:N,N’−m−フェニレンビスマレイミド DEDMA:ジエチレングリコールジメタクリレート DVB:ジビニルベンゼン
【0034】参考例1(PDIB−1の合成) 撹拌機、温度計、滴下漏斗、低沸点物の留去装置を備え
た200mlの4つ口フラスコにm−ジイソプロピルベ
ンゼン59.4%およびp−ジイソプロピルベンゼン4
0.6%からなるジイソプロピルベンゼンの混合物50
gを入れた。フラスコの空間部分を撹拌しながら窒素ガ
スで置換した。その後、撹拌下、内容物の温度を130
〜170℃に保ちながら、ジ−t−ブチルペルオキシド
90gを7時間にわたって滴下した。そして滴下操作の
一方で、ジ−t−ブチルペルオキシドの分解物であるt
−ブタノール等の低沸点成分の留去操作を行なった。留
去操作が完了してから冷却し、固形物(PDIB−1)
42gを得た。
【0035】この化合物の1H−NMRスペクトルを測
定した結果、ジイソプロピルベンゼン単位由来の芳香族
プロトン、メチルプロトン、メチンプロトンのシグナル
が観測された。さらに、ゲルパーミエーションクロマト
グラフ(以下、GPCと略記。)により測定されたポリ
スチレン換算の数平均分子量は920であり、得られた
化合物は、一般式(2)中のnが平均で5.7であるジ
イソプロピルベンゼンオリゴマーであることが確認され
た。
【0036】参考例2(PDIB−2の合成) ジ−t−ブチルペルオキシドの添加量を120gに代え
た他は、参考例1に準じて合成を行なった。その結果、
固形物(PDIB−2)43gを得た。この化合物の1
H−NMRスペクトルを測定した結果、ジイソプロピル
ベンゼン単位由来の芳香族プロトン、メチルプロトン、
メチンプロトンのシグナルが観測された。さらに、GP
Cにより測定されたポリスチレン換算の数平均分子量は
2210であり、得られた化合物は、一般式(2)中の
nが平均で13.8であるジイソプロピルベンゼンオリ
ゴマーであることが確認された。
【0037】実施例1 ナイロン66(UBEナイロン2020B、宇部興産
(株)製)100部、BC0.5部、TAIC 0.1
部をバンバリーミキサーを用いて温度280℃、回転数
100rpmの条件で10分間溶融混練した。溶融混練
10分後のトルク値を最終トルク値として測定した。最
終トルク値は樹脂の溶融粘度を表すものであり、数値が
高いほど溶融粘度が高いことを示す。得られた混練物か
ら試料を約0.2g採取し、それを容積比で1:1のフ
ェノール/テトラクロロエタン混合溶剤10ml中に還
流温度で30分間浸漬した。混合溶剤に溶解しなかった
試料の乾燥重量を測定し、下記数式(1)
【0038】
【数1】
【0039】によりゲル分率を求めた。ゲル分率は架橋
度を表すものであり、数値が高いほど架橋度が高いこと
を示す。ラジカル発生剤、多官能モノマー、最終トルク
値及びゲル分率に関する結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】(注)添加量はナイロン66の100重量
部に対する重量部を示す。
【0042】実施例2〜10 実施例1においてラジカル発生剤の種類と添加量および
多官能モノマーの種類と添加量を表1の通りに代えた他
は、実施例1に準じて実施した。結果を表1に示した。
【0043】実施例11 ポリアミド系樹脂としてナイロン6(鐘紡(株)製、商
品名:MC100L)を用い、混練温度を240℃に代
えた他は実施例1に準じて実施した。溶融混練10分後
の最終トルク値は、ナイロン6のみを溶融混練して得ら
れた値よりも上昇することが確認された。
【0044】比較例1 実施例1においてBC及びTAICを添加しない他は実
施例1に準じて実施した。結果を表1に示した。
【0045】比較例2 実施例6においてBCを添加しない他は実施例6に準じ
て実施した。結果を表1に示した。
【0046】比較例3 実施例6においてTAICを添加しない他は実施例6に
準じて実施した。結果を表1に示した。
【0047】表1の実施例1〜10と比較例1の比較か
ら、ポリアミド系樹脂に特定のラジカル発生剤と多官能
モノマーを添加し、加熱処理して得られる本発明の架橋
型ポリアミド系樹脂は架橋構造または分岐構造が形成さ
れ、溶融粘度が上昇していることがわかった。一方、比
較例2、3の結果から明らかなように、ラジカル発生剤
又は多官能モノマーのいずれか一方を添加するだけで
は、架橋構造または分岐構造は形成されず、溶融粘度の
上昇は認められなかった。さらに、実施例1の結果よ
り、ラジカル発生剤及び多官能モノマーの添加量が比較
的少ない場合は、溶融粘度は増加するがゲルの生成がな
い分岐型のポリアミド系樹脂が選択的に得られることが
わかった。一方、実施例6、7の結果より、ラジカル発
生剤及び多官能モノマーの添加量を比較的多くすると、
ゲル分率が高い高架橋型のポリアミド系樹脂が得られる
ことがわかった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のポリアミ
ド系樹脂組成物にはポリアミド系樹脂に高温下で効率よ
くラジカルを発生する化合物と多官能モノマーが配合さ
れているために、架橋または分岐構造を有した溶融粘度
の高い架橋型ポリアミド系樹脂を容易に得ることができ
る。本発明の架橋型ポリアミド系樹脂の溶融粘度は、ラ
ジカル発生剤および多官能モノマーの添加量により容易
に調整できる。従って、所望の溶融粘度に調整後、射出
成形、押出し成形、ブロー成形等により各種成形品を得
ることができる。さらに、本発明の架橋型ポリアミド系
樹脂は、架橋または分岐構造を有しているので、耐熱性
や機械的性質等に優れた成形材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/06 C08K 5/06 C08L 65/00 C08L 65/00 Fターム(参考) 4F070 AA54 AC32 AC33 AC38 AC44 AC45 AC84 AE08 GA09 GB02 4J002 AC033 CE002 CH053 CL011 CL031 CL051 EA046 EA047 EB126 EB136 ED056 EH077 EH147 EU027 EU187 EU197 FD010 FD140 FD142 FD146 FD150 FD153 FD157

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド系樹脂と、(B)下記
    一般式(1)に示す1,2−ジフェニルエタン誘導体ま
    たは一般式(2)に示すジイソプロピルベンゼンオリゴ
    マーから選ばれる1種以上のラジカル発生剤と、(C)
    分子中に少なくとも2個以上の炭素間二重結合を有する
    多官能モノマーとからなるポリアミド系樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜10のシク
    ロアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルキ
    ル置換フェニル基であり、X及びYは水素原子、ハロゲ
    ン原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜4
    のアルコキシ基を表す。) 【化2】 (式中、nは平均値として2〜50である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド系樹脂組成物
    を220〜320℃の温度で加熱・架橋させて得られる
    架橋型ポリアミド系樹脂。
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