JP2001039739A - フォトクロミックガラスの製造方法 - Google Patents

フォトクロミックガラスの製造方法

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JP2001039739A
JP2001039739A JP2000111126A JP2000111126A JP2001039739A JP 2001039739 A JP2001039739 A JP 2001039739A JP 2000111126 A JP2000111126 A JP 2000111126A JP 2000111126 A JP2000111126 A JP 2000111126A JP 2001039739 A JP2001039739 A JP 2001039739A
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Hiroyuki Tomonaga
浩之 朝長
Takeshi Morimoto
剛 森本
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基体上に被膜が形成されてなり、着退色特性に
優れるフォトクロミックガラスの製造方法の提供。 【解決手段】銀を含む超微粒子と、第1のケイ素化合物
と、熱分解によりハロゲンを遊離する化合物とを含む塗
布液をガラス基体上に塗布、加熱して下層膜を形成し、
第2のケイ素化合物と銅化合物とを含む塗布液を塗布、
加熱して上層膜を形成するフォトクロミックガラスの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトクロミックガ
ラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線によって着色するガラス、すなわ
ちフォトクロミックガラスは、窓材としての応用だけで
はなく、ホログラム素子等への応用も期待されているガ
ラスである。フォトクロミック性を示す材料としては、
ハロゲン化銀や金属酸化物(例えば酸化チタン)等の無
機系材料と、ジアリールエテンやスピロピラン等の有機
系材料がある。フォトクロミックガラスで最も重要な耐
久性の因子である耐光性という観点から見ると一般的に
無機系の材料の方が優れる。
【0003】無機系材料中でも、ハロゲン化銀系のフォ
トクロミックガラスはサングラス用に実用化されてい
る。ハロゲン化銀系のフォトクロミックガラスは、ガラ
ス溶融素地中に銀、ハロゲンを添加し、ガラス化させた
後再加熱してハロゲン化銀をガラス中に析出させたもの
である。
【0004】しかし、これらを窓材等に応用しようとす
ると、ガラス素地は通常の窓ガラスに利用されているソ
ーダライムガラスではなく、アルミノホウケイ酸塩系ガ
ラスやリン酸系ガラスであるため、専用の窯や製造ライ
ンが必要となる。このため、ガラス基体上に薄いフォト
クロミック性を有する被膜を簡便に形成できるフォトク
ロミックガラスの製造方法が望まれている。
【0005】従来、ガラス基体上にハロゲン化銀系のフ
ォトクロミック性を有する被膜を形成する方法がいくつ
か提案されている。例えば、1)アルコキシシランと可
溶性銀塩とを含む溶液をガラス基体上に塗布した後、塩
化水素ガス中でハロゲン化処理をする方法(SPIE
Proc.,1590,152−159(199
1))、または2)末端がハロゲンに置換された炭化水
素基が結合したアルコキシシランを用い、膜を高温熱処
理することによって熱分解によって遊離ハロゲンを発生
させる方法(J.Sol−GelSci.Tech.,
1,217−231(1994))等が提案されてい
る。
【0006】しかし、1)の方法では、塩化水素ガスの
腐食性が強く、扱いが不便であるとともに、形成された
膜が侵食される。また、2)の方法では、高温での熱分
解が必要なため、ハロゲン化銀結晶が成長して粗大化し
て退色が進行しにくくなり、退色させるために数百度の
加熱が必要となるばかりでなく、熱分解の温度によって
はハロゲン化銀の昇華、揮散が起きてフォトクロミック
特性が損なわれるおそれもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の問題点に鑑み、基体上に被膜が形成されて
なり、溶融法によって得られるフォトクロミックガラス
と同等レベルの着退色特性を有するフォトクロミックガ
ラスの製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、銀を含む超微
粒子と、第1のケイ素化合物と、熱分解によりハロゲン
を遊離する化合物とを含む塗布液をガラス基体上に塗
布、加熱して下層膜を形成した後、下層膜の上に、第2
のケイ素化合物と銅化合物とを含む塗布液を塗布、加熱
して上層膜を形成するフォトクロミックガラスの製造方
法を提供する。
【0009】以下、下層膜を形成する工程を工程1とい
い、上層膜を形成する工程を工程2という。工程1は、
酸化ケイ素膜中にハロゲン化銀微結晶を析出させたフォ
トクロミック性被膜を形成する工程である。
【0010】銀からなる超微粒子は、塗布液中で分散状
態を保たせるため、コロイド状分散液の形で導入される
のが好ましい。銀のコロイド状分散液は、硝酸銀等の可
溶性塩の湿式還元により得ることが好ましい。
【0011】分散媒としては水がもっとも好ましく用い
られ、これにアルコール等の有機溶媒を添加してもよ
い。コロイド状分散液の固形分濃度は1〜20質量%で
あることが好ましい。1質量%未満ではフォトクロミッ
ク性の発現が劣る傾向にあり、20質量%超では分散液
そのものの安定性が乏しくなるおそれがある。
【0012】銀を含む超微粒子としては、着色度向上の
観点から、銀と銅の合金からなる超微粒子を用いること
が好ましい。銀と銅の合金からなる超微粒子において
は、銅を過剰に含むと、逆に着色阻害剤として働くおそ
れがあるため、銀(Ag)/銅(Cu)の質量比は9
9.99/0.01〜95/5であることが好ましく、
99.95/0.05〜99/1であることが特に好ま
しい。
【0013】銀を含む超微粒子の平均粒径は50nm以
下であることが好ましい。50nm超では得られる被膜
の透明性が低下する傾向にある。特に20nm以下であ
ることが好ましい。また、あまり小さいとフォトクロミ
ック性を示さなくなるおそれがあるため、5nm以上で
あることが好ましい。平均粒径は顕微鏡観察等によって
調べられる。
【0014】第1のケイ素化合物はガラス質の被膜を形
成する成分として用いられる。第1のケイ素化合物とし
ては、RaSiX4-a(Rは置換されていてもよい有機基
であり、Xはアルコキシ基であり、aは0〜2の整数で
ある。aが2のときRは互いに同一の基でも異なる基で
もよく、aが2以下のときXは互いに同一の基でも異な
る基でもよい。)で表されるアルコキシシラン化合物を
用いることが好ましい。
【0015】アルコキシシラン化合物の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラメトキシシランの縮合体(例えばメチルシリケート
51)、テトラエトキシシランの縮合体(例えばエチル
シリケート40)、メチルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシブロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシブロピルメチルジメ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン等が挙げられる。
【0016】アルコキシシラン化合物は、水を添加して
加水分解させた形で液中に存在していることが好まし
い。アルコキシ基が加水分解されることでバインダ性が
発現し、その条件を制御することで液中で適度なネット
ワーク構造を形成する。
【0017】熱分解によりハロゲンを遊離する化合物
(以下、単にハロゲン遊離化合物という)は、工程1の
加熱においてハロゲンを遊離し銀を含む超微粒子と直接
反応してハロゲン化銀微結晶となる。したがって、塗布
液中ではハロゲンを遊離せず、熱分解によってはじめて
ハロゲンが遊離する必要がある。なお、本明細書におけ
る「ハロゲン」とは塩素、臭素、ヨウ素から選ばれる1
種以上の意である。特に光照射時の着色性と退色時の透
明性の観点から、塩素、臭素が好ましい。また、若干の
ヨウ素添加は特に可視光線に対する感度を高め、太陽光
での着色性を増大させる効果がある。
【0018】本発明においてはハロゲン遊離化合物とし
て、トリハロゲノ酢酸化合物(例えばトリクロロ酢酸や
トリブロモ酢酸)またはハロゲン元素を含む有機基がS
iに直結したアルコキシシラン化合物(例えば3−クロ
ロプロピルトリメトキシシランや3−ブロモプロピルト
リエトキシシラン)を用いることが好ましい。
【0019】本発明においては下層膜形成用塗布液にお
ける銀(Ag)/ケイ素(Si)のモル比を1/5〜1
/20とすることが好ましい。Siに対してAgが過剰
では被膜形成成分が相対的に少なくなり、成膜性が乏し
くなるおそれがあり、Siに対してAgが過少では有効
な着色性を付与させられない。
【0020】また、下層膜形成用塗布液におけるAg/
ハロゲンのモル比を2/1〜1/10とすることが好ま
しい。Agに対してハロゲンが過少ではハロゲン化銀の
形成にあずからないAgの量が多くなり、Agに対して
ハロゲンが過剰では着色しにくくなる。
【0021】工程1において用いる塗布液には、塗布性
を高めるための親水性有機溶媒(例えばアルコール)や
界面活性剤、またはコロイドの分散性を向上させる分散
剤等を添加できる。また、ガラス質被膜の形成成分とな
り得るジルコニウム、チタン、アルミニウム、ホウ素、
リン等の化合物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の
化合物を添加できる。
【0022】塗布方法としては公知の方法を使用でき、
例えば、ディップコート法、スピンコート法、スプレー
コート法、フローコート法、ダイコート法、ロールコー
ト法、転写印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
【0023】工程1における加熱温度は100℃以上で
あることが好ましい。ハロゲン遊離化合物として、ハロ
ゲン元素を含む有機基がSiに直結したアルコキシシラ
ン化合物を用いた場合には、250〜500℃(特に3
00〜500℃)が好ましく、トリハロゲノ酢酸化合物
を用いた場合には100〜500℃(特に200〜50
0℃)が好ましい。500℃超では被膜中で遊離したハ
ロゲンが揮散するおそれがある。
【0024】工程1によって得られる下層膜の膜厚は1
00〜10000nmであることが好ましい。100n
m未満では有効な着色性を具備させられず、10000
nm超では被膜にクラックが入ったりまたは剥がれたり
する傾向にある。フォトクロミック特性と被膜の機械的
強度の観点からは、300〜3000nmであることが
好ましい。
【0025】下層膜はそれ自身だけでも光によって着色
し、フォトクロミック性を示すが、退色に加熱が必要で
ある。工程2により退色を促進させ、室温での着退色サ
イクルが可能となるフォトクロミックガラスが得られ
る。
【0026】工程2で用いる第2のケイ素化合物もガラ
ス質の被膜を形成する成分として用いられる。第2のケ
イ素化合物としては、第1のケイ素化合物と同様のアル
コキシシラン化合物を用いることが好ましい。また、第
2のケイ素化合物としてはコロイド状シリカ等(例え
ば、水または有機溶媒に分散されたコロイド状シリカ)
も好ましい。
【0027】銅化合物は、フォトクロミック被膜の暗所
での退色を促進させるために用いられる。銅化合物とし
ては、硝酸銅、塩化銅、硫酸銅等の可溶性無機塩や、酢
酸塩、アセチルアセトナート、アルコキシド等の有機金
属化合物等が使用できる。また、平均粒径50nm以下
の酸化銅の超微粒子を塗布液中に分散させてもよい。銅
化合物としては、ケイ素化合物溶液への溶解性の観点か
ら、硝酸銅、塩化銅、臭化銅、酢酸銅および硫酸銅から
なる群から選ばれる1種以上の銅化合物を用いることが
好ましい。
【0028】上層膜の形成によってフォトクロミック特
性(特に暗所での退色性)が著しく向上する。下層膜
は、塗膜中に存在する有機物を分解させて得られ、微視
的には空隙の比較的多い被膜となっており、上層膜形成
用塗布液が下層膜中にも浸透すると考えられることか
ら、下層膜中へ浸透した銅イオンが下層膜の退色性を著
しく向上させていると考えられる。また第2のケイ素化
合物は下層膜の表面を被う保護膜を形成し、下層膜中の
ハロゲン化銀の揮散等を抑制する。
【0029】本発明においては上層膜形成用塗布液にお
けるCu/Siのモル比を0.01〜0.1とすること
が好ましい。0.01未満では銅化合物添加の効果が発
現しないおそれがあり、0.1超では得られる被膜が透
明性を損なったり、フォトクロミック特性を逆に低下さ
せるおそれもある。特に、Cu/Siのモル比が0.0
3〜0.07の場合に添加の効果が高い。
【0030】また上層膜形成用塗布液にも、ガラス質被
膜の形成成分となり得るジルコニウム、チタン、アルミ
ニウム、ホウ素、リン等の化合物や、アルカリ金属やア
ルカリ土類金属の化合物を添加できる。塗布方法として
は前述した工程1同様の各種方法を使用できる。
【0031】工程2における加熱温度は200℃以上で
あることが好ましい。上限は500℃とすることが好ま
しい。500℃超では下層膜中のハロゲン化銀が揮散す
るおそれがある。特に200〜500℃、さらには30
0〜500℃とすることが好ましい。
【0032】上層膜の膜厚は、前述のように下層膜への
浸透があるために厳密な意味での定義は困難であるが、
(2層膜の合計膜厚)−(下層膜の膜厚)で定義する
と、上層膜の膜厚としては30〜2000nmであるこ
とが好ましい。30nm未満では退色促進に必要な銅の
量が不足するおそれがあり、2000nm超では被膜に
クラックが入りやすい。特に、50〜300nmである
ことが好ましい。
【0033】本発明において用いられるガラス基体とし
ては、特に限定されず、ソーダライムガラス基板、ホウ
ケイ酸塩ガラス基板、無アルカリガラス基板、石英ガラ
ス基板等が挙げられる。ガラス基体としてソーダライム
ガラス基体等のアルカリ成分を多量に含むガラス基体を
用いる場合は、ガラス基体からのアルカリのマイグレー
ションに伴って被膜中の銀イオンがイオン交換されてガ
ラス基体中に拡散する傾向にあるので、該マイグレーシ
ョンの防止のため、被膜が形成されるガラス基体表面に
酸化ケイ素を主成分とする膜(例えばSiO2膜)が形
成されたガラス基体を用いることが好ましい。
【0034】
【実施例】以下に例を挙げて説明するが、本発明は以下
の例に限定されない。 (コロイド状Ag分散液Aの調製)硫酸第一鉄30%水
溶液500g、クエン酸三ナトリウム30%水溶液70
0gを混合し、よく撹拌しながら10%硝酸銀水溶液5
00gを滴下し、得られた沈殿物を純水でよく洗浄した
後にAg濃度が5質量%となるように純水を添加して再
分散させ、コロイド状Ag分散液A(以下、単にAgコ
ロイド液Aという)を得た。得られたAg粒子の平均粒
径は電子顕微鏡観察の結果、約10nmであった。
【0035】(コロイド状のAg/Cu合金分散液Bの
調製)Agコロイド液Aを固形分2%に純水で希釈した
液160gにクエン酸三ナトリウム30%水溶液40
g、硫酸第一鉄30%水溶液20gを添加した後に、2
%硝酸銅水溶液を10g滴下した。得られた沈殿物を純
水で良く洗浄した後に、AgとCuの合計の濃度が5質
量%となるように純水を添加して再分散させ、コロイド
状のAg/Cu合金分散液B(以下、単にAg/Cuコ
ロイド液Bという)を得た。得られた分散液中の固形分
について組成分析を行ったところ、Ag/Cuの質量比
は99.5/0.5であった。得られたAg/Cu合金
微粒子の平均粒径は電子顕微鏡観察の結果、約10nm
であった。
【0036】(例1)メチルトリメトキシシラン6.2
g、3−クロロプロピルトリメトキシシラン36g、エ
タノール20gを混合し、pH4の硝酸水溶液を12g
添加し、室温で24時間反応させた液にAgコロイド液
Aを49g添加し、ジメチルシリコーン0.2gを加え
て塗布液Cとした。厚さ100nmのSiO2膜が形成
された100mm角のソーダライムガラス基板を用意
し、該基板のSiO2膜が形成された表面に塗布液Cを
スピンコート法によって塗布し、60℃で15分乾燥さ
せた後に330℃で15分間加熱し酸化ケイ素膜中に塩
化銀微結晶が析出した下層膜を形成した。下層膜が形成
されたガラス基板は透明で、下層膜の膜厚は1000n
m、下層膜が形成されたガラス基板の透過率は90%で
あった。
【0037】テトラエトキシシラン10.4g、硝酸銅
0.6g、エタノール78g、1%硝酸水溶液7gを混
合し、室温で2時間撹拌した液を、前記の下層膜の上に
スピンコート法によって塗布し、100℃で5分乾燥し
た後に350℃で30分間加熱して上層膜を形成した。
上層膜の膜厚は100nmで、2層膜つきガラス基板
(フォトクロミックガラス)の透過率は86%であっ
た。
【0038】得られたフォトクロミックガラスに、1.
5kWのキセノンランプを使用し、275nmのローパ
スフィルタを介して1mW/cm2の照度で紫外線を3
0分間照射するとフォトクロミックガラスは茶褐色に着
色し、透過率は55%になった。またこのフォトクロミ
ックガラスを暗所に放置すると、15分後には透過率が
68%、60分後には78%、10時間後には81%ま
で回復していた。結果を表1に示す。なお、表1中の
「Cu/Siモル比」は、上層膜形成液用塗布液中にお
けるCu/Siのモル比である。また、紫外線照射と暗
所10時間放置のサイクルを繰り返してサイクル耐性を
調べたが、10サイクル繰り返しても着退色特性に変化
は見られなかった。
【0039】(例2)Agコロイド液Aを、Ag/Cu
コロイド液Bに変更した以外は例1と同様にしてフォト
クロミックガラスを得た。下層膜、上層膜の膜厚はそれ
ぞれ1000nm、100nmであった。結果を表1に
示す。例2で得られたフォトクロミックガラスに、例1
と同様にして30分間の紫外線照射をした後に暗所に放
置した。透過率の経時変化を図1に示す。
【0040】(例3)例2で用いた3−クロロプロピル
トリメトキシシラン36gを、3−クロロプロピルトリ
メトキシシラン28gと3−ブロモプロピルトリメトキ
シシラン8gとの混合物に変更した以外は例2と同様に
行った。下層膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000n
m、100nmであった。結果を表1に示す。
【0041】(例4)例2で用いた3−クロロプロピル
トリメトキシシラン36gを、3−クロロプロピルトリ
メトキシシラン33gと3−ヨードプロピルトリメトキ
シシラン2gとの混合物に変更した以外は例2と同様に
行った。下層膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000n
m、100nmであった。結果を表1に示す。
【0042】(例5)例2で用いた上層膜形成用塗布液
のテトラエトキシシラン10.4gを、テトラメトキシ
シラン6.1gとトリメトキシボロン1.04gとの混合
物に変更した以外は例2と同様に行った。下層膜、上層
膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100nmであっ
た。結果を表1に示す。
【0043】(例6)例2で用いた硝酸銅0.6gを、
酢酸銅0.5gに変更した以外は例2と同様に行った。
下層膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100
nmであった。結果を表1に示す。
【0044】(例7)例2で用いた硝酸銅0.6gを、
0.12gに変更した以外は例2と同様に行った。下層
膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100nm
であった。結果を表1に示す。
【0045】(例8)例2で用いた硝酸銅0.6gを、
1.2gに変更した以外は例2と同様に行った。下層
膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100nm
であった。結果を表1に示す。
【0046】(例9)例2で用いた3−クロロプロピル
トリメトキシシラン36gを、トリクロロ酢酸2.6g
に変更し、かつ330℃、15分の加熱を210℃、3
0分の加熱に変更した以外は例2と同様に行った。下層
膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100nm
であった。結果を表1に示す。
【0047】(例10(比較例))上層膜を形成しない
以外は例2と同様に行った。下層膜の膜厚は1000n
mであった。結果を表1に示す。
【0048】(例11(比較例))上層膜形成用塗布液
に硝酸銅を添加しない以外は例2と同様に行った。下層
膜、上層膜の膜厚はそれぞれ1000nm、100nm
であった。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、塗布、加熱という簡便
な方法でガラス基体上にフォトクロミック性を有する被
膜を形成でき、溶融法によって得られるフォトクロミッ
クガラスと同等レベルの着退色特性を有するフォトクロ
ミックガラスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例2で得られたフォトクロミックガラスの透過
率の経時変化を示すグラフ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀を含む超微粒子と、第1のケイ素化合物
    と、熱分解によりハロゲンを遊離する化合物とを含む塗
    布液をガラス基体上に塗布、加熱して下層膜を形成した
    後、下層膜の上に、第2のケイ素化合物と銅化合物とを
    含む塗布液を塗布、加熱して上層膜を形成するフォトク
    ロミックガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】銀を含む超微粒子が、銀と銅の合金からな
    る超微粒子であり、銀/銅の質量比が99.99/0.
    01〜95/5である請求項1に記載のフォトクロミッ
    クガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】銀を含む超微粒子の平均粒径が50nm以
    下である請求項1または2に記載のフォトクロミックガ
    ラスの製造方法。
  4. 【請求項4】第1のケイ素化合物および/または第2の
    ケイ素化合物として、RaSiX4-a(Rは置換されてい
    てもよい有機基であり、Xはアルコキシ基であり、aは
    0〜2の整数である。aが2のときRは互いに同一の基
    でも異なる基でもよく、aが2以下のときXは互いに同
    一の基でも異なる基でもよい。)で表されるアルコキシ
    シラン化合物を用いる請求項1、2または3に記載のフ
    ォトクロミックガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】熱分解によりハロゲンを遊離する化合物と
    して、トリハロゲノ酢酸化合物またはハロゲン元素を含
    む有機基がSiに直結したアルコキシシラン化合物を用
    いる請求項1、2、3または4に記載のフォトクロミッ
    クガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】銅化合物として、硝酸銅、塩化銅、臭化
    銅、酢酸銅および硫酸銅からなる群から選ばれる1種以
    上の銅化合物を用いる請求項1、2、3、4または5に
    記載のフォトクロミックガラスの製造方法。
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