JP2001038478A - 中空パネル構造体とその製造方法及びその製造用中空押出形材 - Google Patents

中空パネル構造体とその製造方法及びその製造用中空押出形材

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久司 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦攪拌接合必要個所を1/2以下まで
減少でき、幅方向拘束個所を省略しても突合せ部の目開
きによる接合部欠陥の発生もなく、又、接合用の特別な
継ぎ手の製作・セットの必要もなく、製品化粧面に回転
・移動軌跡が残らないため接合後の研削・研磨の必要性
がなく、生産性の飛躍的な向上が可能で、設備コストや
製造コストの低減の可能な中空パネル構造体とその製造
方法及びその製造用中空押出形材の提供を課題とする。 【解決手段】 中空パネル構造体を、一対の中空押出形
材1,1からなり、各々の中空押出形材の幅方向端部1
A,1Bに形成された下部被嵌合部1Aib,1Bib
同士を嵌合した下部嵌合部5bを備えるとともに、前記
一対の中空押出形材の各々の表裏一対の面板1up,1
bpの一方の面板1up,1upに形成された被突合せ
部1Au,1Bu同士を突合わせた突合せ部2に摩擦攪
拌接合部6を備えて、主要部を構成することを解決手段
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空パネル構造体
とその製造方法及びその製造用中空押出形材に関し、特
に、アルミニウム及びアルミニウム合金等のアルミニウ
ム系材料からなる中空パネル構造体とその製造方法及び
その製造用アルミニウム系中空押出形材に関する。
【0002】
【従来の技術】トラックのアオリ等は、通常複数のアル
ミニウム系中空押出形材を相互に嵌合して製造されてい
る。このように嵌合して構築された構造体の水密性を向
上させるために摩擦攪拌接合を適用とした技術として、
先に本出願人が出願した特願平10−158190号に
提案されたものがある。
【0003】又、高強度の要求される鉄道車両の構造体
として使用される広幅の二面中空パネル構造体の製造
に、表裏一対の平行な面板の間に長さ方向に伸びるリブ
を形成した複数のアルミニウム系中空押出形材を用い、
その接合に摩擦攪拌接合を適用した例としては、特開平
9−309164号公報に開示の技術がある。この公報
に開示の技術としては、以下のものがある。
【0004】(A)図23(a),(b)に示すよう
に、相互に平行な表裏の面板133,134と、該表裏
の面板133,134をつなぎ長さ方向(図の紙面に垂
直な方向)に伸びる斜めのリブ135と、前記表裏の面
板133,134の端部をつなぎ長さ方向に伸びる垂直
リブ136とからなる一対の中空押出形材131,13
2の、前記垂直リブ136,136の外面同士を突き合
わせて突合せ部を形成し、凹面の底面153を備える回
転体151と、前記凹面の底面153より同軸に前記回
転体151の外方へ突出する攪拌ピン152とからなる
回転ツール150を用いて、前記突合せ部を表面側から
摩擦攪拌接合する。その後、表面側を接合した二面中空
パネル構造体を反転し、裏面側から突合せ部を摩擦攪拌
接合する。
【0005】(B)図24(a),(b)に示すよう
に、相互に平行な表裏の面板133,134と、該表裏
の面板133,134をつなぎ長さ方向(図の紙面に垂
直な方向)に伸びる斜めのリブ135と、前記表裏の面
板133,134の端部をつなぎ長さ方向に伸びる垂直
リブ136とからなる中空押出形材131と、前記表裏
の面板133,134の端部をつなぎ長さ方向に伸びる
垂直リブ136のない中空押出形材132を接合するに
際し、前記中空押出形材131の垂直リブ136の垂直
方向の角部は、他方の中空押出形材132の表裏の面板
133,134の端部の突片138u,138bの先端
を載せることができるように、中空押出形材131の厚
さ方向及びこれに直交する方向(中空押出形材132
側)に開放した切欠き部133a,134aを予め形成
してある。この切欠き部133a,134aに前記突片
138u,138bの各々の先端を載せた状態で、突合
せ部を前記の回転ツール150を用いて、前記(A)項
で述べたのと同様に表裏両面の各々の側から摩擦攪拌接
合する。
【0006】(C)一方のみから上下二面の接合を行え
るようにしたものとして、図25に示す技術がある。即
ち、中空押出形材131,132の下面の面板134,
134と同一面から突片134a、134aをそれぞれ
他方の中空押出形材側に大きく突き出している。突片1
34a,134aの先端は相互に実質的に接触してい
る。上部の面板133,133の先端は下部面の面板1
34,134の突片134a,134aの先端よりも後
方に位置している。上部の面板133,133の先端部
と下部の面板134,134とは垂直なリブ136,1
36によって接続されている。垂直リブ136,136
は下部の面板134,134の途中に接続している。垂
直リブ136,136の上部に縦断面T字形の継ぎ手1
60が重なる切欠き部139,139がある。継ぎ手1
60を切欠き部139,139に載せたとき、継ぎ手1
60の上面板160uの上面は、上部の面板133,1
33の上面と同一面になる。二つの垂直リブ136,1
36の相互の間隔は回転ツール150を挿入できる大き
さであり、できるだけ小さい方がよい。摩擦攪拌接合手
順は以下のとおりである。
【0007】1)図25(a)の状態で、回転ツール1
50によって下部の面板134,134の突片134
a,134aの先端同士を接合する。この時、中空押出
形材131,132は突片134a,134aの接合部
を含めて図示せぬベッドの上に載っている。接合部のベ
ッド(接合部の裏当て)の上面は平らである。回転ツー
ル150の攪拌ピン152の高さは突片134a,13
4aの厚さよりも小さい。
【0008】2)図25(b)のように、一対の中空押出
形材131,132の間に継ぎ手160を載せる。継ぎ
手160の上面板160uの両端を垂直リブ136,1
36の上端部の切欠き部139,139に重ねたとき、
垂直片161の下端は下面の面板の接合部145との間
に隙間を有する。垂直片161はなくてもよい。
【0009】3)図25(c)のように、継ぎ手160
の上面板160uと中空押出形材131との突合せ部を
回転ツール150で摩擦攪拌接合する。
【0010】4)図25(d)のように、継ぎ手160
の上面板160uと中空押出形材132との突合せ部を
回転ツール150で摩擦攪拌接合する。
【0011】(D)中空押出形材131,132の上下
の面板を同時に摩擦攪拌接合するようにしたものとし
て、図26に示した技術がある。上部の面板133,1
33を上方から摩擦攪拌接合する回転ツール150uの
鉛直方向下方に、下部の面板134,134を接合する
回転ツール150bが配置されている。回転ツール15
0bの攪拌ピン152bは上方を向いている。二つの回
転ツール150u,150bを対向させた状態で、同一
速度で移動させ、上下同時に摩擦攪拌接合を行う。回転
ツール150uと150bの回転中心は同一線上にあ
り、この線上に中空押出形材131,132の接合部が
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記のトラックのアオ
リのように、中空押出形材を嵌合して製造された中空パ
ネル構造体は、構造体として適用するためには強度及び
水密性が不充分であり、さらに振動が付与される場所に
使用した場合、嵌合部の摩擦音が発生する等の問題があ
る。
【0013】又、、前記特願平10−158190号に
提案された水密構造体では、水密性は改善されるもの
の、接合強度及び摩擦音の抑制が不充分である。接合強
度が不充分な理由は、接合深さが非常に浅いためであ
る。
【0014】前記特開平9−309164号公報に開示
の二面中空パネル構造体、摩擦攪拌接合方法及びパネル
では、前記の問題が解消できるが、以下のような問題点
がある。
【0015】即ち、前記(A)項,(B)項で説明した
技術には、下記のような問題点が存在する。 (1)表裏両面を摩擦攪拌接合する必要があり、一方の
面を上方から摩擦攪拌接合した後、中空パネル構造体を
反転させる必要がある。そのため、生産性が低く、製造
コストが嵩む。 (2)表裏両面を摩擦攪拌接合した場合、両面に回転ツ
ールの底面の回転・移動によって生じる円弧状の模様の
ついたアンダーカット状の痕跡が残るので、少なくとも
化粧面となる側の面板の突合せ部両側の外面を予め周囲
の面よりやや高くなるように形成しておくとともに、摩
擦攪拌接合後に前記のアンダーカット状の痕跡が消える
ように研削・研磨処理することが必要となる。そのた
め、工程が増えて生産性が低下すると共に、研削・研磨
処理設備の設備コスト、ランニングコスト、メンテナン
スコスト等が嵩む。 (3)摩擦攪拌接合に際して突合せ部が目開きして接合
部欠陥が発生するのを防止するために、幅方向両側から
適切な拘束力で拘束する必要があり、幅方向拘束手段を
備えた摩擦攪拌接合装置を必要とする。 (4)突合せ部の上面に摩擦攪拌接合用回転ツールによ
って付加される軸方向即ち中空部側への押圧力によりリ
ブの変形・座屈、あるいは突合せ部両側の垂直リブの内
周面側の熱変形による接合部欠陥等の発生の問題があ
り、このような接合部欠陥等の発生の防止のために、前
記押圧力、リブの形状・寸法、摩擦攪拌接合回転ツール
の諸元や接合深さ等を相互に関連させて検討し決めてや
る等、何らかの対策が必要であった。 (5)広幅の中空パネル構造体の製造のために三以上の
中空押出形材の幅方向端部の各々を相互に接合する場合
には、表裏両面の突合せ部の数が表裏両面を合わせて非
常に多くなり、さらに生産性が低下し、製造コストが増
大する。又、熱変形や上面側の摩擦攪拌接合後に反転す
るために生じる機械的な変形が大きい。 (6)前記(2)項の問題に起因して、擦攪拌接合前
に、中空パネル構造体の製品における化粧面となる表面
を予め陽極酸化処理、電解着色処理や電着塗装処理等の
表面処理をしておくことに問題があり、他方摩擦攪拌接
合後に前記の研削・研磨処理を行い、その後にこれらの
処理を行う場合は、広幅の材料となっているため、大型
の処理設備が必要になり、設備コストやメンテナンスコ
ストが嵩む。又、研削・研磨部とその他の押出成形のま
まの部分の表面状態に微妙な差があり、この表面状態の
微妙な差が、特に陽極酸化処理、電解着色処理や電着塗
装処理等の表面処理の場合には表面の色調や光沢度の微
妙な違いとなって現れ、製品の外観性に問題がある。
【0016】前記(2)項及び(6)項の問題点を解決
するために、前記(C)項で説明したような技術が提案
されているが、この技術では、以下の問題点がある。 (a)断面T字形の継ぎ手160もしくはこの継ぎ手1
60から垂直片161を省いた上面板160uのみから
なる継ぎ手を用意し、これを摩擦攪拌接合作業の途中で
セットしてやる必要があり、継ぎ手の製作とセットに手
間が掛かり製造コストが嵩む。 (b)摩擦攪拌接合を三個所・三度にわたって行う必要
があり、作業時間が長く、生産性が低下して製造コスト
が嵩む。
【0017】前記(1)項の問題点を解決するために、
前記(D)項で説明した技術が提案されているが、制御
装置を含む設備コスト及びメンテナンスコストが嵩むば
かりでなく、下方から摩擦攪拌接合した場合に、塑性流
動化(可塑化)した固相が重力で下方に流れやすく、下
面側の接合部上部に空洞欠陥が発生しやすいという問題
がある。
【0018】本発明は前記従来技術の有する問題点を解
消し、下記の事項をその課題とする。 (1)摩擦攪拌接合必要個所を半減もしくは1/3まで
減少させるとともに、摩擦攪拌接合時に幅方向の拘束を
省略しても突合せ部が目開きして接合部欠陥が発生する
こともなく、又、摩擦攪拌接合用の特別の継ぎ手を製作
してセットする必要もなく、製品の化粧面に摩擦攪拌接
合用回転ツールの回転・移動のアンダーカット状の痕跡
が残らないため、接合後に研削・研磨する必要性がな
く、通常の摩擦攪拌接合設備を用いても生産性を飛躍的
に向上させることが可能で、設備コスト、メンテナンス
コスト及び製造コストの低減の可能な中空パネル構造体
とその製造方法及びその製造用中空押出形材の提供を第
1の課題とする。
【0019】(2)摩擦攪拌接合時に、突合せ部の中空
部側の垂直リブの内周面側の熱変形や垂直リブの最小厚
み部の変形・座屈による接合部欠陥を生じることがな
く、十分な接合深さをとって高い接合強度の得られるア
ルミニウム系中空パネル構造体の製造方法及びその製造
用アルミニウム系中空押出形材の提供を第2の課題とす
る。
【0020】(3)同時に三以上の中空押出形材を摩擦
攪拌接合可能で、生産性を飛躍的に高めることのできる
中空パネル構造体の製造方法の提供を第3の課題とす
る。
【0021】(4)摩擦攪拌接合前に、中空押出形材の
製品で化粧面となる表面の陽極酸化処理、電解着色処理
や電着塗装処理が可能で、大型の処理設備を必要とせ
ず、設備コストやメンテナンスコストの嵩むことのない
中空パネル構造体の製造方法及びその製造用中空押出形
材の提供を第4の課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】特許請求の範囲及び以下
の説明において使用する用語の定義は、以下のとおりと
する。 (1)被嵌合部とは、個々の中空押出形材の幅方向端部
又はその近傍に形成され、複数の中空押出形材の幅方向
端部同士を接合するに際して、相互に嵌合される部分又
は部材を意味する。又、嵌合部とは、複数の中空押出形
材の個々の幅方向端部又はその近傍に形成された被嵌合
部同士を相互に嵌合して部分的に一体化された部分を意
味する。 (2)被突合せ部とは、個々の中空押出形材の幅方向端
部に形成され、複数の中空押出形材の幅方向端部同士を
接合するに際して、相互に突き合わされ(実質的に接触
し合う状態にされ)る部分又は部材を意味する。又、突
合せ部とは、複数の中空押出形材の個々の幅方向端部又
はその近傍に形成された前記被突合せ部同士を相互に突
き合わせ(実質的に接触し合う状態にし)て形成された
部分を意味する。
【0023】本発明の中空パネル構造体は、前記の第1
の課題を解決するために、第1の手段として、複数の中
空押出形材からなり、それぞれの中空押出形材の幅方向
端部に形成された、嵌合部を備えるとともに、表裏一対
の面板の一方の側に形成された突合せ部に摩擦攪拌接合
部を備えたことを特徴とするように構成したものであ
る。
【0024】前記本発明においては、第2の手段とし
て、前記突合せ部を構成する一方の前記被突合せ部の直
下の中空部側に、他方の前記被突合せ部をも支持する垂
直リブを備えることが望ましい。
【0025】前記本発明においては、第3の手段とし
て、前記突合せ部を構成する前記被突合せ部の各々の、
一方の中空部側に垂直リブを、他方の中空部側に前記被
嵌合部の一部を兼ねる垂直リブを、それぞれ備えるよう
にしてもよい。
【0026】本発明の中空パネル構造体の製造方法は、
前記の第1及び第2の課題を解決するために、第1の手
段として、押出し工程において、複数のアルミニウム系
中空押出形材の幅方向端部に、被嵌合部を形成するとと
もに、表裏一対の面板の一方の側に被突合せ部を形成し
ておき、前記被嵌合部同士を嵌合して嵌合部を形成する
とともに、前記被突合せ部同士を突き合わせて突合せ部
を形成し、該突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴と
するよう構成したものである。
【0027】前記第1の手段を採用した本発明方法にお
いては、第2の手段として、前記押出し工程において、
前記複数の中空押出形材の、一方の前記被突合せ部の直
下の中空部側に、他方の前記被突合せ部をも支持可能な
垂直リブを形成しておくことが望ましい。
【0028】前記第1の手段を採用した本発明方法にお
いては、第3の手段として、前記押出し工程において、
前記複数の中空押出形材の前記被突合せ部の各々の、一
方の中空部側に垂直リブを、他方の中空部側に前記被嵌
合部の一部を兼ねる垂直リブを、それぞれ形成しておい
てもよい。
【0029】前記第2又は第3の手段を採用した本発明
のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法において
は、第4の手段として、前記突合せ部の摩擦攪拌接合に
際して、該突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌接合用回転
ツールの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中空部側の垂
直リブの内周面との間の最短距離w1を0.6mm以上
に保つことが望ましい。
【0030】前記第4の手段を採用した本発明のアルミ
ニウム系中空パネル構造体の製造方法においては、第5
の手段として、前記突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌接
合用回転ツールの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中空
部側の垂直リブの内周面との間の最短距離w1を1.2
mm以上に保つことがより望ましい。
【0031】前記第4の手段を採用した本発明のアルミ
ニウム系中空パネル構造体の製造方法においては、第6
の手段として、前記突合せ部の中空部側の垂直リブの内
周面を冷却しつつ摩擦攪拌接合することがより望まし
い。
【0032】前記第4〜第6の手段の何れかを採用した
本発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法に
おいては、第7の手段として、前記垂直リブの最小厚み
部の厚みw2が下記式1及び下記式2を満足するよう
に、回転ツールの軸方向押圧力F(kgf)及び/又は
回転ツール底部の直径D(mm)を選択して摩擦攪拌接
合することが望ましい。 w2≧w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1 w2≧w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2 ここで、 w2A :第1の変形・座屈限界厚み(mm) w2B :第2の変形・座屈限界厚み(mm) F :回転ツールの軸方向押圧力(kgf) D :回転ツール底部の直径(mm) σ0.2:アルミニウム系中空押出形材の耐力(kgf/
mm2) H :中空押出形材の高さ、即ち表裏一対の面板の外
面間距離(mm) n :突合せ部における垂直リブの数(1あるいは
2)
【0033】前記第1〜第7の手段の何れか一つの手段
を採用した本発明の中空パネル構造体の製造方法におい
ては、前記第3の課題を解決するために、第8の手段と
して、同時に三以上の中空押出形材を用いて複数の突合
せ部を形成し、該突合せ部の数と同数以上の摩擦攪拌接
合用回転ツールを備えた摩擦攪拌接合設備を用いて、前
記複数の突合せ部を同時に摩擦攪拌接合するようにして
もよい。
【0034】前記第1〜第7の手段の何れか一つの手段
を採用した本発明の中空パネル構造体の製造方法におい
ては、前記第4の課題を解決するために、第9の手段と
して、前記複数の中空押出形材の、前記被突合せ部の形
成された面板とは反対側の面板の外面を、摩擦攪拌接合
工程に先立って予め陽極酸化処理、電解着色処理、又
は、電着塗装処理しておく方が望ましい。
【0035】本発明の中空パネル構造体製造用中空押出
形材においては、前記第1及び第2の課題を解決するた
めの第1の手段として、幅方向端部に、被嵌合部が形成
されるとともに、表裏一対の面板の一方の側に被突合せ
部が形成されたことを特徴とするよう構成している。
【0036】前記の本発明の中空パネル構造体製造用の
中空押出形材においては、第2の手段として、複数の中
空押出形材の前記被突合せ部の各々の、一方の側の突合
せ部の中空部側に他方の側の突合せ部も支持可能な垂直
リブが形成されていることを特徴とするように構成する
ことが望ましい。
【0037】前記の本発明の中空パネル構造体製造用の
中空押出形材においては、第3の手段として、複数の中
空押出形材の前記被突合せ部の各々の、一方の側の被突
合せ部の中空部側に垂直リブが、他方の側の被突合せ部
の中空部側に前記被嵌合部の一部を兼ねる垂直リブが形
成されていることを特徴として構成してもよい。
【0038】前記第2又、は第3の手段を採用した本発
明の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形
材においては、第4の手段として、複数のアルミニウム
系中空押出形材の前記被突合せ部を突き合わせて形成さ
れた突合せ部の摩擦攪拌接合における予定接合深さにお
いて、該突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌接合用回転ツ
ールの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中空部側の垂直
リブの内周面との間の最短距離w1を0.6mm以上に
保つように、予め形成されていることが望ましい。
【0039】前記第4の手段を採用した本発明の中空パ
ネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材において
は、第5の手段として、前記突合せ部に押し込まれる摩
擦攪拌接合用回転ツールの攪拌ピンの外面と前記突合せ
部の中空部側の垂直リブの内周面との間の最短距離w1
を1.2mm以上に保つように、予め形成されているこ
とがより望ましい。
【0040】前記第4又は第5の手段を採用した本発明
の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材
においては、第6の手段として、前記リブの最小厚み部
の厚みw2が下記式1及び下記式2を満足するように、
予め形成されていることが望ましい。 w2≧w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1 w2≧w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2 ここで、 w2A :第1の変形・座屈限界厚み(mm) w2B :第2の変形・座屈限界厚み(mm) F :回転ツールの軸方向押圧力(kgf) D :回転ツール底部の直径(mm) σ0.2:アルミニウム系中空押出形材の耐力(kgf/
mm2) H :中空押出形材の高さ、即ち表裏一対の面板の外
面間距離(mm) n :突合せ部における垂直リブの数(1あるいは
2)
【0041】前記第1〜第6の何れかの手段を採用した
本発明の中空パネル構造体製造用の中空押出形材におい
ては、前記第4の課題を解決するために、第7の手段と
して、前記被突合せ部の形成された面板とは反対側の面
板の外面が、摩擦攪拌接合工程に先立って予め陽極酸化
処理、電解着色処理、又は、電着塗装処理されているこ
とが望ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】請求項1に係る本発明の中空パネ
ル構造体の一実施の形態を、添付の図面を参照して以下
に説明する。図1は、本実施の形態の中空パネル構造体
の主要部を長手方向から見た縦断面図である。
【0043】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSは、図1に示すように、一対の中空押出形材1,1
からなり、それぞれの中空押出形材1,1の幅方向端部
1A,1Bに形成された、下部被嵌合部1Aib,1B
ib同士を嵌合した下部嵌合部5bを備えるとともに、
前記一対の中空押出形材1,1のそれぞれの表裏一対の
面板1up,1bpの一方の側の面板1up,1upに
形成された被突合せ部1Au,1Bu同士を突き合せた
突合せ部2に摩擦攪拌接合部6を備えて、主要部が構成
されている。
【0044】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成を備える。即ち、一方の被突合せ部1Au
は、上部の面板1upよりも厚肉に形成され、その先端
部の上部に他方の被突合せ部1Buの先端部が載るよう
に切欠き部1Aunが形成されている。そして、この切
欠き部1Aunの上部の面板1upの外面に垂直な面と
被突合せ部1Bの先端面とが突合せ部2(図の破線)を
形成し、この突合せ部2が摩擦攪拌接合されて摩擦攪拌
接合部6が形成されている。
【0045】一方の被突合せ部1Auの基部には、表裏
の面板1up,1bpをつなぐ厚肉の垂直リブ1Arが
形成されていて、後述する摩擦攪拌接合時に回転ツール
3を前記突合せ部2の両側の上部面板1up,1upの
上面に押し付ける軸方向(下向き)の押圧力Fによる被
突合せ部1Au,1Buの変形を防止するように前記被
突合せ部1Auを下方から補強するとともに、中空パネ
ル構造体HPSの補強材を兼ねている。
【0046】他方の被突合せ部1Buの基部には、下部
の面板1bpに起始する下部被嵌合部1Bibの一部と
上部面板1upをつなぐ垂直リブ兼被嵌合部材1Bri
が形成されていて、下部被嵌合部1Bibの補強材と中
空パネル構造体HPSの補強材を兼ねている。
【0047】前記のように形成された本実施の形態の中
空パネル構造体HPSにおいては、摩擦攪拌接合個所が
表裏一対の面板の一方の面板1up,1upの突合せ部
2に限られ、前記従来技術に比べて半減もしくは1/3
まで減少しており、又、嵌合部の存在により、摩擦攪拌
接合時に幅方向の拘束を省略しても突合せ部2が目開き
して接合部欠陥が発生することもない。又、摩擦攪拌接
合用の特別の継ぎ手を製作してセットする必要もなく、
摩擦攪拌接合部のない下部面板1bpの外面を製品の化
粧面とすれば、化粧面に摩擦攪拌接合用回転ツールの回
転・移動のアンダーカット状の痕跡が残らないため、接
合後に研削・研磨する必要性がなく、通常の摩擦攪拌接
合設備を用いても生産性を飛躍的に向上させることが可
能で、設備コスト、メンテナンスコスト及び製造コスト
の大幅な低減が可能である。
【0048】請求項2に係る本発明の中空パネル構造体
の第1の実施の形態を、添付の図面を参照して以下に説
明する。図2は、本実施の形態の中空パネル構造体の主
要部を長手方向から見た縦断面図である。
【0049】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSは、図2に示すように、一対の中空押出形材1,1
からなり、それぞれの中空押出形材1,1の幅方向端部
1A,1Bに形成された、下部被嵌合部1Aib,1B
ib同士を嵌合した下部嵌合部5bと、上部被嵌合部1
Aiu,1Biu同士を嵌合した上部嵌合部5uとを備
える。そして、前記一対の中空押出形材1,1のそれぞ
れの表裏一対の面板1up,1bpの一方の側の面板1
up,1upに形成された被突合せ部1Au,1Bu同
士を突き合せた突合せ部2(図の破線)に摩擦攪拌接合
部6を備え、さらに、前記突合せ部2を構成する一方の
前記被突合せ部1Auの被突合せ面(換言すれば、突合
せ部2)の直下の中空部側に、他方の前記被突合せ部1
Buの先端部をも支持する垂直リブ1Arを備えて、主
要部が構成されている。
【0050】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成を備える。即ち、前記垂直リブ1Arの上
部から前記被突合せ部1Buの基部の方向へ水平に、そ
の上面が前記被突合せ部1Buの下面に接するように棚
部1Asuが張り出していて、先端部に段状の上部被嵌
合部1Aiuが形成されており、前記被突合せ部1Bu
の基部の下面に形成された溝状の上部被嵌合部1Biu
と嵌合して上部嵌合部5uを構成している。その他の具
体的な構成は、図1を参照して説明した請求項1に係る
前記の実施の形態と同様であるので、説明を省く。
【0051】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSの構成の作用・効果は、下記の点を除いて、図1を
参照して説明した前記請求項1に係る本発明の中空パネ
ル構造体HPSの実施の形態の作用・効果と同様であ
る。 (1)嵌合部が下部嵌合部5bと上部嵌合部5uとの2
箇所になっており、下部嵌合部5bのみの前記の実施の
形態よりも多く、摩擦攪拌接合部6をも含めて、より強
固な、安定した接合が得られる。 (2)突合せ部2の直下に垂直リブ1Arが配置されて
いるため、後述する摩擦攪拌接合時に回転ツール3を前
記突合せ部2の上面に押し付ける軸方向(下向き)の押
圧力Fによる被突合せ部1Au,1Buの変形を防止す
る効果が前記請求項1に係る本発明の実施の形態よりも
高く、変形に伴う接合部欠陥が発生しにくい。
【0052】請求項2に係る本発明の中空パネル構造体
の第2の実施の形態を、添付の図面を参照して以下に説
明する。図3は、本実施の形態の中空パネル構造体の主
要部を長手方向から見た縦断面図である。
【0053】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSは、図3に示すように、一対の中空押出形材1,1
からなり、それぞれの中空押出形材1,1の幅方向端部
1A,1Bに形成された、第1の下部被嵌合部1Aib
x,1Bibx同士を嵌合した第1の下部嵌合部5bx
と、第2の下部被嵌合部1Aiby,1Biby同士を
嵌合した第2の下部嵌合部5byと、上部被嵌合部1A
iu,1Biu同士を嵌合した上部嵌合部5uとを備え
る。そして、前記一対の中空押出形材1,1のそれぞれ
の表裏一対の面板1up,1bpの一方の側の面板1u
p,1upに形成された被突合せ部1Au,1Bu同士
を突き合せた突合せ部2(図の破線)に摩擦攪拌接合部
6を備え、さらに、前記突合せ部2を構成する一方の前
記被突合せ部1Auの被突合せ面(換言すれば、突合せ
部2)の直下の中空部側に、他方の前記被突合せ部1B
uの先端部をも支持する垂直リブ1Arを備えて、主要
部が構成されている。
【0054】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成を備える。即ち、一方の被突合せ部1Au
は、面板1upよりも厚肉に形成され、その先端部の上
部に他方の被突合せ部1Bの先端部が載るように切欠き
部1Aunが形成されている。そして、この切欠き部1
Aunの上部の面板1upの外面に垂直な面と被突合せ
部1Buの先端面とが突合せ部2(図の破線)を形成
し、この突合せ部2が摩擦攪拌接合されて摩擦攪拌接合
部6が形成されている。
【0055】一方の被突合せ部1Auの切欠き部1Au
nの垂直面(即ち突合せ部2)の直下)には、前記被突
合せ部1Auと下部面板1bpをつなぐ垂直リブ1Ar
が形成されていて、後述する摩擦攪拌接合時に回転ツー
ル3を前記突合せ部2の両側の上部面板1up,1up
の上面に押し付ける軸方向(下向き)の押圧力Fによる
被突合せ部1Au,1Buの変形を防止するように前記
被突合せ部1Auを下方から支持するとともに、中空パ
ネル構造体HPSの補強材を兼ねている。
【0056】第1の下部嵌合部5bxの上方には、下部
の面板1bpに起始する第1の被嵌合部1Bibxの上
部と上部面板1upをつなぐ垂直リブ兼被嵌合部材1B
rixが形成されていて、第1の被嵌合部1Bibxの
補強材と中空パネル構造体HPSの補強材を兼ねてい
る。
【0057】第2の下部嵌合部5byの上方には、下部
の面板1bpに起始する第2の被嵌合部1Aibyの上
端から湾曲しつつ斜め上方に伸び、一方の上部被嵌合部
1Aiuを支持するリブ兼被嵌合部材1Ariが形成さ
れていて、上部被嵌合部1Aiuの支持材と中空パネル
構造体HPSの補強材を兼ねている。
【0058】他方の上部被嵌合部1Biuは、上部面板
の一部1upzの下面と上部面板1upの内面から中空
部側へ突出する突起1Biuzの側面で構成されてい
て、前記の一方の上部被嵌合部1Aiuの上面と先端面
のそれぞれを前記上部面板の一部1upzの下面と前記
突起1Biuzの側面で受けて上部嵌合部5uを形成し
ている。
【0059】前記垂直リブ1Arと前記リブ兼被嵌合部
材1Ariとの間には、一方の被突合せ部1Buの下面
に起始して斜め下方に伸び、その下端部で一方の第2の
下部被嵌合部1Bibyを支持するリブ兼被嵌合部材1
Briyが形成されていて第2の下部被嵌合部1Bib
yの支持材と中空パネル構造体HPSの補強材を兼ねて
いる。
【0060】他方の第2の下部被嵌合部1Aibyは下
部の面板1bpの内面に起始し、垂直に立ち上がった
後、水平に屈曲する部材として形成され、その水平部下
面と垂直部側面上端部(隅角部)の各々で前記第2の下
部被嵌合部1Bibyの上面と先端部の各々を受けて第
2の下部嵌合部5byを形成している。
【0061】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSの構成の作用・効果は、下記の点を除いて、図2を
参照して説明した前記第1の実施の形態の作用・効果と
同様である。即ち、嵌合部が第1の下部嵌合部5bx、
第2の下部嵌合部5byと上部嵌合部5uとの3箇所に
なっており、前記第1の実施の形態よりもより嵌合部の
数が一つ多く、摩擦攪拌接合部6をも含めて、前記第1
の実施の形態よりもさらに強固な、安定した接合が得ら
れる。
【0062】請求項3に係る本発明の中空パネル構造体
の一実施の形態を、添付の図面を参照して以下に説明す
る。図4は、本実施の形態の中空パネル構造体の主要部
を長手方向から見た縦断面図である。
【0063】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSは、図4に示すように、一対の中空押出形材1,1
からなり、それぞれの中空押出形材1,1の幅方向各部
に形成された、第1の下部被嵌合部1Aibx,1Bi
bx同士を嵌合した第1の下部嵌合部5bxと、第2の
下部被嵌合部1Aiby,1Biby同士を嵌合した第
2の下部嵌合部5byと、上部被嵌合部1Aiu,1B
iu同士を嵌合した上部嵌合部5uとを備える。そし
て、前記一対の中空押出形材1,1のそれぞれの表裏一
対の面板1up,1bpの一方の側の面板1up,1u
pに形成された被突合せ部1Au,1Bu同士を突き合
せた上部突合せ部2u(図の破線)に摩擦攪拌接合部6
を備え、さらに、前記上部突合せ部2uを構成する一方
の前記被突合せ部1Auの幅方向端部に垂直リブ1Ar
を備えるとともに、他方の前記被突合せ部1Buの幅方
向端部に前記垂直リブ1Arの外面にその外面が接触す
る垂直リブ兼被嵌合部1Brivを備えて、主要部が構
成されている。
【0064】前記の実施の形態は、さらに以下のような
具体的な構成を備える。即ち、前記垂直リブ部兼被嵌合
部1Brivは、その下端が直角に前記垂直リブ1Ar
の外面より離隔する方向に屈曲して水平部を形成した
後、さらその水平部の先端が円弧状に上方へ屈曲して前
記第2の下部被嵌合部1Bibyを形成している。
【0065】そして、前記垂直リブ1Arの外面と垂直
リブ兼被嵌合部1Brivの外面とが突合されて突合せ
部2が形成され、この突合せ部2の上部2u(図の破
線)が摩擦攪拌接合されて摩擦攪拌接合部6が形成され
ている。その他の具体的な構成は、前記図3を参照して
説明した前記請求項2に係る本発明の中空パネル構造体
の第2の実施の形態と同様である。
【0066】本実施の形態における中空パネル構造体H
PSの構成の作用・効果は、下記の点を除いて、図3を
参照して説明した前記請求項2に係る本発明の中空パネ
ル構造体の第2の実施の形態の作用・効果と同様であ
る。即ち、前記請求項2に係る本発明の中空パネル構造
体の第2の実施の形態においては、突合せ部2の直下に
垂直リブ1Arが配置されているため、後述する摩擦攪
拌接合時に回転ツール3を前記突合せ部2の両側の上部
面板1up,1upの上面に押し付ける軸方向(下向
き)の押圧力Fによる被突合せ部1Au,1Buの変形
を防止しているのに対して、本実施の形態においては、
突合せ部2の両側に、垂直リブ1Arと垂直リブ兼被嵌
合部1Brivが形成されており、この二つの部材によ
り、後述する摩擦攪拌接合時に回転ツール3を前記突合
せ部2の上端両側の上部面板1up,1upの上面に押
し付ける軸方向(下向き)の押圧力Fによる被突合せ部
1Au,1Buの変形を防止し、変形に起因する接合部
欠陥の発生を抑止している。
【0067】次に、請求項4に係る本発明の中空パネル
構造体の製造方法の一実施の形態及び請求項13に係る
本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の一実施
の形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。図5
(a)は、請求項4に係る本発明の中空パネル構造体の
製造方法の一実施の形態における押出し工程で製造され
た、請求項13に係る中空パネル構造体製造用中空押出
形材の一実施の形態を長手方向から見た縦断面図、図5
(b),(c)は、各々、(a)に示された中空押出形
材の幅方向の右端部と左端部の各々の縦断面図である。
【0068】請求項4に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の一実施の形態の手順と、請求項13に係る
本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の一実施
の形態の構成は以下の通りである。 (1)押出し工程において、図5に示すような中空押出
形材1を製造する。即ち、中空押出形材1の幅方向端部
1A,1Bの各々に、下部被嵌合部1Aib,1Bib
を各々形成するとともに、表裏一対の面板1up,1b
pの一方の面板1up側に、被突合せ面2Aを有する切
欠き部1Aunを設けた被突合せ部1Auと、被突合せ
面2Bを有する被突合せ部1Buを形成しておく。な
お、中空押出形材1の幅方向中央部には、表裏の面板1
up,1bpをつなぐ補強用の中央部垂直リブ1Crを
形成しておく。 (2)前記図1に示すように、複数の図5に示された中
空押出形材1,1の前記被嵌合部1Aib,1Bib同
士を嵌合して下部嵌合部5bを形成するとともに、前記
被突合せ部1Au,1Buの各々の被突合せ面2A,2
B同士を突き合わせて突合せ部2を形成し、該突合せ部
2を摩擦攪拌接合して、摩擦攪拌接合部6を形成する。
【0069】前記のように構成された請求項4に係る本
発明の中空パネル構造体の製造方法の一実施の形態及び
請求項13に係る本発明の中空パネル構造体製造用中空
押出形材の一実施の形態は、前記図1を参照して説明し
た本発明の中空パネル構造体HPSの一実施の形態と同
様の作用・効果を奏する。
【0070】請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第1の実施の形態及び請求項14に係る本
発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の第1の実
施の形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。図
6(a)は、請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第1の実施の形態における押出し工程で製
造された、請求項14に係る本発明の中空パネル構造体
製造用中空押出形材の第1の実施の形態の長手方向から
見た縦断面図、図6(b),(c)は、各々、(a)に
示された中空押出形材の幅方向の右端部と左端部の各々
の縦断面図である。
【0071】請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第1の実施の形態の手順と、請求項14に
係る本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の第
1の実施の形態の構成は以下の通りである。 (1)押出し工程において、図6に示すような中空押出
形材1を製造する。即ち、中空押出形材1の幅方向端部
1A,1Bの各々に、下部被嵌合部1Aib,1Bib
を各々形成するとともに、棚部1Asuとその先端の上
部被嵌合部1Aiu及び上部被嵌合部1Biuを各々形
成しておく。さらに、表裏一対の面板1up,1bpの
一方の面板1up側に、被突合せ面2A,2Bを各々有
する被突合せ部1Au,1Buをそれぞれ形成してお
く。又、前記被突合せ面2Aの直下に垂直リブ1Arを
形成しておく。なお、中空押出形材1の幅方向中央部に
は、表裏の面板1up,1bpをつなぐ補強用の中央部
垂直リブ1Crを形成しておく。 (2)前記図2に示すように、複数の図6に示された中
空押出形材1,1の、前記下部被嵌合部1Aib,1B
ib同士を嵌合して下部嵌合部5bを形成するととも
に、前記上部被嵌合部1Aiu,1Biu同士を嵌合し
て上部嵌合部5uを形成する。又、前記被突合せ部1A
u,1Buの各々の被突合せ面2A,2B同士を突き合
わせて突合せ部2を形成し、該突合せ部2を摩擦攪拌接
合して、摩擦攪拌接合部6を形成する。
【0072】前記のように構成された請求項5に係る本
発明の中空パネル構造体の製造方法の第1の実施の形態
及び請求項14に係る本発明の中空パネル構造体製造用
中空押出形材の第1の実施の形態は、前記図2を参照し
て説明した請求項2に係る本発明の中空パネル構造体H
PSの第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0073】請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第2の実施の形態及び請求項14に係る本
発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の第2の実
施の形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。図
7(a)は、請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第2の実施の形態における押出し工程で製
造された、請求項14に係る本発明の中空パネル構造体
製造用中空押出形材の第2の実施の形態の長手方向から
見た縦断面図、図7(b),(c)は、各々、(a)に
示された中空押出形材の幅方向の右端部と左端部の各々
の縦断面図である。
【0074】請求項5に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の第2の実施の形態の手順と、請求項14に
係る本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の第
2の実施の形態の構成は以下の通りである。 (1)押出し工程において、図7に示す中空押出形材1
を製造する。即ち、中空押出形材1の幅方向各部に、第
1の下部被嵌合部1Aibx,1Bibxの各々と、第
2の下部被嵌合部1Aiby及び上部面板1upの下面
に起始し斜め下方に伸びるリブ兼被嵌合部材1Briy
とその先端に位置する第2の下部被嵌合部1Bibyを
各々形成する。又、前記第2の下部被嵌合部1Aiby
の上端に起始し湾曲しつつ斜め上方に延びてその先端に
水平な上部被嵌合部1Aiuを支持するリブ兼支持部材
1Ariと、上部面板の一部1upzの下面と上部面板
1upの内面から中空部側に突出する突起1Biuzの
側面で構成される別の上部被嵌合部1Biuとを各々形
成しておく。さらに表裏一対の面板1up,1bpの一
方の面板1up側に、被突合せ面2Aを有する切欠き部
1Aunを備えた被突合せ部1Auと先端に被突合せ面
2Bを有する被突合せ1Buをそれぞれ形成しておく。
又、前記被突合せ面2Aの直下に垂直リブ1Arを形成
しておく。 (2)前記図3に示すように、複数の図7に示された中
空押出形材1,1の、前記第1の下部被嵌合部1Aib
x,1Bibx同士を嵌合して第1の下部嵌合部5bx
を形成するとともに、前記第2の下部被嵌合部1Aib
y,1Biby同士を嵌合して第2の下部嵌合部5by
を形成する。又、上部被嵌合部1Aiu,1Biu同士
を嵌合して上部嵌合部5uを形成する。さらに、前記被
突合せ部1Au,1Buの各々の被突合せ面2A,2B
同士を突き合わせて突合せ部2を形成し、該突合せ部2
を摩擦攪拌接合して、摩擦攪拌接合部6を形成する。
【0075】前記のように構成された請求項5に係る本
発明の中空パネル構造体の製造方法の第2の実施の形態
及び請求項14に係る本発明の中空パネル構造体製造用
中空押出形材の第2の実施の形態は、前記図3を参照し
て説明した請求項2に係る本発明の中空パネル構造体H
PSの第2の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0076】請求項6に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の一実施の形態及び請求項15に係る本発明
の中空パネル構造体製造用中空押出形材の一実施の形態
を、添付の図面を参照して以下に説明する。図8(a)
は、請求項6に係る本発明の中空パネル構造体の製造方
法の一実施の形態における押出し工程で製造された、請
求項15に係る本発明の中空パネル構造体製造用中空押
出形材の一実施の形態の長手方向から見た縦断面図、図
8(b),(c)は、各々、(a)に示された中空押出
形材の幅方向の右端部と左端部の各々の縦断面図であ
る。
【0077】請求項6に係る本発明の中空パネル構造体
の製造方法の一実施の形態の手順と、請求項15に係る
本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の一実施
の形態の構成は以下の通りである。 (1)押出し工程において、図8に示す中空押出形材1
を製造する。即ち、中空押出形材1の、幅方向端部1A
の上部の面板1upの端部に被突合せ面(外面)2Aを
備えた垂直リブ1Arを、幅方向端部1Bの上部の面板
1upの端部に被突合せ面(外面)2Bを備え下端部に
直角に屈曲した第2の下部被嵌合部1Bibyを備えた
垂直リブ兼被嵌合部1Brivを、各々形成しておく。
その他の構成は、前記請求項5に係る本発明の中空パネ
ル構造体の製造方法の第2の実施の形態における手順
(1)での説明と同様である。 (2)前記図4に示すように、複数の図8に示された中
空押出形材1,1の幅方向端部1A,1Bのそれぞれの
対応した被嵌合部同士を嵌合した第1、第2の下部嵌合
部5bx,5byと上部嵌合部5uを各々形成すると共
に、前記の垂直リブ1Arと垂直リブ兼被嵌合部1Br
ivの各々の被突合せ面(外面)2A,2Bを突き合わ
せて、突合せ部2を形成し、該突合せ部の上部2uを摩
擦攪拌接合して、摩擦攪拌接合部6を形成する。
【0078】前記のように構成された請求項6に係る本
発明の中空パネル構造体の製造方法の一実施の形態及び
請求項15に係る本発明の中空パネル構造体製造用中空
押出形材の一実施の形態は、前記図4を参照して説明し
た請求項3に係る本発明の中空パネル構造体HPSの一
実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0079】次に、請求項7〜請求項10の各々に係る
本発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法の
実施の形態と請求項16〜請求項18の各々に係る本発
明の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形
材の実施の形態を、添付の図面と具体的な実施例を参照
して以下に説明する。
【0080】図9は、請求項7〜請求項10の各々に係
る本発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法
の一実施の形態における摩擦攪拌接合方法の概要と、請
求項16〜請求項18の各々に係る本発明の中空パネル
構造体製造用アルミニウム系中空押出形材の一実施の形
態の説明で使用する各種寸法の定義を説明するための断
面図である。
【0081】図9に示すように、上下の面板1up,1
bpの厚みがt1(mm)で、垂直高さH(mm)のア
ルミニウム系中空押出形材(以後、単に中空押出形材と
いう)1aの上部面板1upの端部に形成された最小厚
み部の厚みがw2(mm)の垂直リブ1arの上端部に
形成された切欠き部1aunに、他方の中空押出形材1
bの上部面板1upの端部を載せて、突合せ部2を形成
する。
【0082】凹面又は平面の円形底面3bの中央部から
軸方向(下向き)に突出する直径d(mm)の攪拌ピン
4を備えた底部の直径D(mm)の回転ツール3の、前記攪
拌ピン4を突合せ部2の中空押出形材1aの上部面板1
upと垂直リブ1arの上部及び中空押出形材1bの1
upの中に回転させつつ押し込み、前記回転ツール3の
凹面又は平面の円形底面3bを突合せ部2の両側の上部
面板1up,1upの各々の上面1af,1bfを押圧
力F(kgf)で軸方向(下向き)に押圧しながら、前
記回転ツール3を回転しつつ突合せライン(中空押出形
材1a,1bの長手方向)に沿って移動させることによ
り、突合せ部2が摩擦攪拌接合される。なお、w1(m
m)は前記攪拌ピン4の外面と中空押出形材1aの垂直
リブ1arの内周面1as,1asとの間の最短距離を
示す。
【0083】図10は、請求項7〜請求項10の各々に
係る本発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方
法の別の実施の形態における摩擦攪拌接合方法の概要
と、請求項16〜請求項18の各々に係る本発明の第中
空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材の別
の実施の形態の説明で使用する各種寸法の定義を説明す
るための断面図である。
【0084】図10に示すように、上下の面板の厚みが
1(mm)で、中空押出形材垂直高さH(mm)のア
ルミニウム系中空押出形材(以下単に中空押出形材とい
う)1cと1dの各々の、最小厚み部の厚みがw2(m
m)のそれぞれの垂直リブ兼被嵌合部材1criと垂直
リブ1drの外面同士を突合せ・接触させて、突合せ部
2を形成する。
【0085】凹面又は平面の円形底面3bの中央部から
軸方向(下向き)に突出する直径d(mm)の攪拌ピン
4を備えた底部の直径D(mm)の回転ツール3の、前
記攪拌ピン4を突合せ部2の中空押出形材1cと1dの
上部の中に回転させつつ押し込み、前記回転ツール3の
凹面、又は、平面の円形底面3bを突合せ部2の両側の
上部面板1up,1upの上面の中空押出形材1c,1
dの各々の上面1cf,1dfを押圧力F(kgf)で
軸方向(下向き)に押圧しながら、前記回転ツール3を
回転しつつ中空押出形材1c,1dの長手方向(図の紙
面に垂直な方向)に沿って移動させることにより、突合
せ部2の中空押出形材1cと1dの上部が摩擦攪拌接合
される。
【0086】なお、w1(mm) は、前記攪拌ピン4の外面
と中空押出形材1cの垂直リブ兼被嵌合部材1criと
中空押出形材1dの垂直リブ1drの各々のリブ内周面
1cs,1dsとの間の最短距離をしめす。又、中空押
出形材1cの垂直リブ兼被嵌合部材1criと中空押出
形材1dの垂直リブ1drの垂直部の最小厚み部の厚み
が異なる場合は、厚みの小さい方の厚みをw2(mm)
として用いるものする。
【0087】まず、請求項7〜請求項9の各々に係る本
発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法の実
施の形態と、請求項16、請求項17の各々に係る中空
パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材の実施
の形態を、添付の図面と具体的な実施例を参照して、以
下に述べる。
【0088】1.実施例1 図11は、本実施例の摩擦攪拌接合に用いた一対の中空
パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材1a,
1bの形状・寸法と、摩擦攪拌接合用の攪拌ピン4との
位置関係を示す縦断面図である。図11において、直径
d=4mmで下端部が曲率半径r=4mmで面取りされ
た攪拌ピン4を備えた底部の直径D=15mmの回転ツ
ール3を用い、突合せ部2の両側の上部面板1up,1
upの上面1af、1bfからの攪拌ピン4の外周面下
端までの深さ(以下予定接合深さという)hが3.0m
m、4.0mm、5.0mmのそれぞれの場合で、リブ
内周面の曲率半径R=8mmの場合における、攪拌ピン
4の外面とリブ内周面1as,1asとの最短距離w1
(mm)を図の垂直リブ1arの右側に示している。
又、、前記予定接合深さhが4.0mmでリブ内周面1
as,1asの曲率半径R=8mmとR=6mmのそれ
ぞれの場合における、攪拌ピン4の外面とリブ内周面1
as,1asとの最短距離w1(mm)を図の垂直リブ
1arの左側に示している。なお、用いた材料は、「J
IS H 4100」に示されるアルミニウム合金中空
押出形材6063−T5材である。
【0089】前記図11のように、リブ内周面の曲率半
径R=8mmの場合で、攪拌ピン4の高さを変化させるこ
とにより予定接合深さh(mm)を変化させて、攪拌ピ
ン4の外面と垂直リブ1arの内周面1as,1asと
の間の最短距離w1(mm)が摩擦攪拌接合部の品質に
及ぼす影響を調査した。又、予定接合深さh(mm)を
固定して、リブ内周面1as,1asの曲率半径Rを変
化させ、攪拌ピン4の外面とリブ内周面1as,1as
との間の最短距離w1(mm)が摩擦攪拌接合部の品質
に及ぼす影響を調査した。以上の調査結果を下記表1に
示した。
【0090】
【表1】
【0091】表1に示されるように、w1が0.5mm
以下の場合は接合部の底部に大きな空洞状の欠陥が発生
し、w1が0.6mmの場合は目視では判別できない小
さな点状欠陥が発生した。w1が1.2mm以上では全
く欠陥のない健全な接合部が得られた。
【0092】2.実施例2 本実施例で用いた一対の中空パネル構造体製造用アルミ
ニウム系中空押出形材1a,1bの縦断面形状・寸法を
図12に示す。回転ツール3と攪拌ピン4の形状・寸法
は、前記実施例1で用いたものと同様である。用いた材
料は、「JIS H 4100」に示されるアルミニウ
ム合金中空押出形材6N01−T5材である。そして、
中空押出形材の突合せ部上部に押し込まれる攪拌ピン4
の深さh(mm)を変化させて、攪拌ピン4の外面とリ
ブ内周面1as,1asとの間の最短距離w1(mm)
が摩擦攪拌接合部の品質に及ぼす影響を調査した。その
調査結果を下記表2示した。
【0093】
【表2】
【0094】表2に示すように、w1が0.4mm以下
では前記実施例1のw1が0.5mm以下の場合と同様
に接合部の底部に大きな空洞状の欠陥が発生し、w1
0.8mmの場合は目視では判別できない小さな点状欠
陥が発生した。w1が1.2mm以上では欠陥のない健
全な接合部が得られた。
【0095】3.実施例3 図13は、本実施例の摩擦攪拌接合に用いた一対の中空
パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材1c,
1dの形状・寸法と、摩擦攪拌接合用の攪拌ピン4との
位置関係を示す縦断面図である。図13において、直径
d=4mmで下端部が曲率半径r=4mmで面取りされ
た攪拌ピン4を備えた底部の直径D=15mmの回転ツ
ール3を用い、突合せ部2の両側の上部面板1up,1
upの上面の中空押出形材1d上面1dfからの攪拌ピ
ン4の外周面下端までの深さ(以下予定接合深さとい
う)hが3.0mm,4.0mm,5.0mmのそれぞ
れの場合でリブ内周面1dsの曲率半径R=8mmの場
合における、攪拌ピン4の外面とリブ内周面1dsとの
最短距離w1(mm)を図の突合せ部2の右側に示して
いる。又、、前記予定接合深さhが4.0mmでリブ内
周面1csの曲率半径R=8mmとR=6mmのそれぞ
れの場合における、攪拌ピン4の外面とリブ内周面1c
sとの最短距離w1(mm)を図の突合せ部2の左側に
示している。なお、用いた材料は、「JIS H 41
00」に示されるアルミニウム合金中空押出形材606
3−T5材である。
【0096】前記図13のように、リブ内周面の曲率半
径R=8mmの場合で、攪拌ピン4の高さを変化させる
ことにより予定接合深さh(mm)を変化させて、攪拌
ピン4の外面とリブ内周面1cs,1dsとの間の最短
距離w1(mm)が摩擦攪拌接合部の品質に及ぼす影響
を調査した。又、予定接合深さh(mm)を固定して、
リブ内周面の曲率半径Rを変化させ、攪拌ピン4の外面
とリブ内周面1cs,1dsとの間の最短距離w1(m
m)が摩擦攪拌接合部の品質に及ぼす影響を調査した。
以上の調査結果を下記表3に示した。
【0097】
【表3】
【0098】表3に示されるように、w1が0.5mm
以下の場合は接合部の底部に大きな空洞状の欠陥が発生
し、w1が0.6mmの場合は目視では判別できない小
さな点状欠陥が発生した。w1が1.2mm以上では全
く欠陥のない健全な接合部が得られた。
【0099】4.実施例4 本実施例で用いた一対のアルミニウム系中空押出形材1
c,1dの形状・寸法を図14に示す。回転ツール3と
攪拌ピン4の形状・寸法は、前記実施例3で用いたもの
と同様である。用いた材料は、「JIS H 410
0」に示されるアルミニウム合金中空押出形材6N01
−T5材である。そして、中空押出形材の突合せ部上部
に押し込まれる攪拌ピン4の深さh(mm)を変化させ
て、攪拌ピン4の外面とリブ内周面との間の最短距離w
1(mm)が摩擦攪拌接合部の品質に及ぼす影響を調査
した。その調査結果を下記表4に示した。
【0100】
【表4】
【0101】表4に示すように、w1が0.4mm以下
では前記実施例3のw1が0.5mm以下の場合と同様
に接合部の底部に大きな空洞状の欠陥が発生し、w1
0.8mmの場合は目視では判別できない小さな点状欠
陥が発生した。w1が1.2mm以上では欠陥のない健
全な接合部が得られた。
【0102】前記実施例1の表1、前記実施例2の表
2、前記実施例3の表3及び前記実施例4の表4のそれ
ぞれの結果を総合すると、攪拌ピンの外面と垂直リブ内
周面との間の最短距離w1は少なくとも0.6mm以
上、好ましくは1.2mm以上とすることが必要であ
る。
【0103】又、前記突合せ部の中空押出形材上部の予
定接合深さh(mm)における、突合せ部の中空押出形
材上部の中に押し込まれる攪拌ピンの外面と該中空押出
形材の垂直リブ内周面との間の最短距離w1を0.6mm
以上に保つように、中空パネル構造体製造用アルミニウ
ム系中空押出形材を予め形成しておけば、摩擦攪拌接合
時に前記のとおり目視できない程度の点状の接合部欠陥
しか生じることがないので、該アルミニウム系中空パネ
ル構造体の用途があまり厳しい機械的強度等の要求され
ない用途であれば、十分に使用に耐えることができる。
【0104】さらに、前記突合せ部の中空押出形材上部
の予定接合深さh(mm)における、前記突合せ部の中
空押出形材上部の中に押し込まれる前記攪拌ピンの外面
と該中空押出形材の垂直リブ内周面との間の最短距離w
1を1.2mm以上に保つように、中空パネル構造体製
造用アルミニウム系中空押出形材を予め形成しておけ
ば、前記のように摩擦攪拌接合時に接合部欠陥を全く生
じることがないので、該アルミニウム系中空パネル構造
体の用途が厳しい機械的強度等の要求される用途であっ
ても、十分に使用に耐えることができる。
【0105】ところで、前記のような摩擦攪拌接合部の
底部に発生する空洞状欠陥の発生原因について、実験中
の観察等も含めて考察すると下記の通りである。
【0106】(1)攪拌ピン4の外面と垂直リブ内周面
との間の最短距離w1が0.5mm以下の場合は、図1
5(a)及び図16(a)の左側の図に示すように、前
記のような攪拌ピン4の外面と中空押出形材の垂直リブ
内周面との間の薄いリブが外側に広がるように大きく変
形し、その変形量が大きい場合、攪拌ピン4の下部両側
の上部面板1up,1upの上面の接合部の底部の内容
積の拡大が目視できる程に大きくなる。従って、図15
(a)及び図16(a)の右側の図に示すように、該接
合部底部への塑性流動によるメタルの補充が不足して、
その不足量が多いために、接合部の底部に目視で判別可
能な程度の大きな空洞状欠陥dfbが生じる。
【0107】(2)攪拌ピン4の外面と垂直リブ内周面
との間の最短距離w1が0.6mm以上1.2mm未満
の場合は、図15(b)及び図16(b)の左側の図に
示すように、前記のような攪拌ピン4の外面とリブ内周
面との間の薄いリブが外側に僅かに広がるように変形す
ることがあるが、その変形量は小さく、従って、攪拌ピ
ン4の下部両側の上部面板1up,1upの上面の接合
部底部の内容積の拡大が目視できる程に大きくない。そ
れゆえ、図15(b)及び図16(b)の右側の図に示
すように、該接合部底部への塑性流動によるメタルの補
充が不足しても、その不足量はあまり大きくなく、その
結果、接合部の底部に目視で判別できない程度の点状欠
陥dfsが生じる。
【0108】(3)攪拌ピン4の外面との垂直リブ内周
面との間の最短距離w1が1.2mm以上と十分厚くな
ると、図15(c)及び図16(c)の左側の図に示す
ように、前記(1)、(2)で述べたように垂直リブの
内周面側が外側に広がるように変形することが全くなく
なり、従って、塑性流動によるメタルの補充が不足する
ことは全くなく、図15(c)及び図16(c)の右側
の図に示すように、前記のような接合部底部の空洞状あ
るいは点状の欠陥が発生することがない。
【0109】5.実施例5 次に、前記実施例1及び実施例2において、又、前記実
施例3及び実施例4において、それぞれ、目視判別でき
ない程度の接合部欠陥(点状欠陥)の発生した条件、す
なわち、攪拌ピンの外面と中空押出形材の垂直リブ内周
面との間の最短距離w1が0.6mm以上1.2mm未満の
場合に、垂直リブ内周面を、(1)冷却なし(自然冷
却)、(2)送風冷却、(3)冷却水噴霧冷却、の3段
階の冷却レベルで冷却しつつ摩擦攪拌接合を行い、冷却
レベルが摩擦攪拌接合部の品質に及ぼす影響を調査し
た。その調査結果を下記表5、表6に示した。
【0110】
【表5】
【0111】
【表6】
【0112】前記表5及び表6に示すように、攪拌ピン
の外面とリブ内周面との間の最短距離w1が0.6mm
以上1.2mm未満の場合に、(1)冷却なし(自然冷
却)では、前記表1〜表4に示されたのと同様に、目視
判別できない程度の接合部欠陥(点状欠陥)の発生を認
めたが、(2)送風冷却と、(3)冷却水噴霧冷却の場
合には、目視判別できない程度の接合部欠陥(点状欠
陥)の発生もなく、良好な摩擦攪拌接合部の品質を得る
ことができた。従って、攪拌ピンの外面とリブ内周面と
の間の最短距離w1が0.6mm以上1.2mm未満の
場合には、リブ内周面を送風冷却法もしくは冷却水噴霧
冷却法等による積極的な冷却を行うことが、接合部欠陥
の発生を防止し接合部品質を向上させるためには好まし
い。
【0113】次に、請求項10に係る本発明のアルミニ
ウム系中空パネル構造体の製造方法の実施の形態と、請
求項18に係る中空パネル構造体製造用アルミニウム系
中空押出形材の実施の形態を、添付の図面と具体的な実
施例を参照して、以下に説明する。
【0114】6.実施例6 「JIS H 4100」に規定されたアルミニウム合
金中空押出形材6N01−T5及び6N01−T1材の
図17に示すような形状・寸法の一対の中空押出形材1
a,1bを、それぞれの材質同士で、中空押出形材1a
の幅方向端部の垂直リブ1arの上部の切欠き部1au
nと中空押出形材1bの上部面板1upの幅方向端部と
を突合せ・接触させて、長手方向(図17の紙面に垂直
な方向)に摩擦攪拌接合を行った。この時の接合部深さ
(中空押出形材上面から攪拌ピンの外周下端までの深
さ)h=2mm、攪拌ピンの外面と垂直リブ内周面との
間の最短距離w1=5mm、回転ツール底部の直径D=
10mm、回転ツールの軸方向押圧力F=250kgf
の一定条件の下で、前記中空押出形材の高さHを50〜
400mmの間で段階的に変化させて、突合せ部における
垂直リブの数n=1の場合における、前記式1の変形・
座屈限界厚みw2A(mm)と前記式2の変形・座屈限界
厚みw2B(mm)とを変化させ、これら変形・座屈限界
厚みw2A,w2Bと垂直リブ1arの最小厚み部の厚みw
2との大小関係が接合部品質に及ぼす影響を調査した。
その調査結果を下記表7に示す。
【0115】
【表7】
【0116】前記表7から以下のことがいえる。 (1)6N01−T5材(耐力σ0.2=225N/m
2)では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が2.0m
mの場合は、接合部に欠陥の発生はなかった。この時、
中空押出形材の高さHが50〜400mmの何れの場合に
も、w2>w2B、かつ、w2>w2Aであった。 (2)前記(1)項と同じ材質で、垂直リブの最小厚み
部の厚みw2が1.5mmの場合は、全ての場合にw2
2Bという条件を満たしていた。そして、中空押出形材
の高さHが100mmまで、即ち、w2>w2Aの場合は
接合部欠陥は発生しなかった。中空押出形材の高さH=
200mm、即ち、w2≒w2Aの場合は目視では判別で
きない程度の欠陥が発生した。中空押出形材の高さH=
300mm(w2<w2A)では重欠陥が発生し、中空押出
形材の高さH=400mm(w2<<w2A)では接合不可
能であった。 (3)6N01−T1材(耐力σ0.2=90N/mm2
では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が2.0mmの
場合は、中空押出形材の高さHが100mm以下の場合
でも、接合部欠陥が発生した。このとき、w2>w2A
あったが、w2<w 2Bであった。 (4)前記(3)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みw2=3.0mmに増加した場合、w2>w2B、か
つ、w2>w2Aとなり、欠陥のない健全な接合部が得ら
れた。
【0117】7.実施例7 前記実施例6と同じ2種の材質で、前記実施例6と同じ
図17に示すような形状・寸法の一対の中空押出形材1
a,1bを、それぞれの材質同士で、中空押出形材1a
の幅方向端部の垂直リブ1arの上部の切欠き部1au
nと中空押出形材1bの上部面板1upの幅方向端部と
を突合せて、長手方向(図17の紙面に垂直な方向)に
摩擦攪拌接合を行った。この時の接合深さh=4mm、
攪拌ピンの外面とリブ内周面との間の最短距離w1=5
mm、回転ツール底部の直径D=15mm、回転ツール
の押圧力F=400kgfの一定条件の下で、前記中空
押出形材の垂直高さHを50〜400mmの間で段階的
に変化させて、突合せ部における垂直リブの数n=1の
場合の前記式1の変形・座屈限界厚みw2Aと前記式2の
変形・座屈限界厚みw2Bを変化させ、これら変形・座屈
限界厚みw2A,w2Bと垂直リブ1arの最小厚み部の厚
みw2との大小関係が接合部品質に及ぼす影響を調査し
た。その調査結果を下記表8に示す。
【0118】
【表8】
【0119】前記表8から以下のことがいえる。 (1)6N01−T5材(耐力σ0.2=225N/m
2)では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が2.0m
mの場合、中空押出形材の高さHが50〜300mmの
場合には接合部に欠陥の発生はなかった。この時、中空
押出形材の高さHが50〜300mmの何れの合にも、
2>w2A、かつ、w2>w2Bであった。しかし、中空押
出形材の高さH=400mm(w2≒w2A、かつ、w2
2B)の場合には、接合部に目視では判別できない欠陥
が発生した。 (2)前記(1)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みw2が1.5mmの場合は、全ての場合にw2>w
2Bという条件を満たしていた。そして、中空押出形材の
高さHが100mmまで、すなわち、w2>w2Aの場合
は接合部欠陥は発生しなかった。中空押出形材の高さH
=200〜300mm、すなわち、w2<w2Aの場合は
接合部欠陥が発生した。中空押出形材の高さH=400
mm(w 2<<w2A)では接合不可能であった。 (3)6N01−T1材(耐力σ0.2=90N/mm2
では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が2.0mmの
場合は、中空押出形材の高さHが50mmの場合でも、
接合部欠陥が発生した。このとき、w2>w2Aであった
が、w2<w2Bであった。 (4)前記(3)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みをw2=3.0mmに増加した場合、w2>w2A
かつ、w2≒w2Bとなり、目視では判別できない接合部
欠陥が発生した。 (5)前記(3)と同じ材質で、リブの最小厚み部の厚
みをw2=4.0mmに増加した場合、w2>w2A、か
つ、w2>w2Bとなり、欠陥のない健全な接合部が得ら
れた。
【0120】8.実施例8 「JIS H 4100」に規定されたアルミニウム合
金中空押出形材6N01−T5及び6N01−T1材の
図18に示すような形状・寸法の一対の中空押出形材1
c,1dを、それぞれの材質同士で、中空押出形材1c
の幅方向端部の垂直リブ兼被嵌合部材1criの外面と
中空押出形材1dの垂直リブ1drの外面とを突合せ、
突合せ部2の上部2uを上部面板1up,1upの上面
側から長手方向(図18の紙面に垂直な方向)に摩擦攪
拌接合を行った。この時の接合深さh=2mm、攪拌ピ
ンの外面と垂直リブ内周面との間の最短距離w1=5m
m、回転ツール底部の直径D=10mm、回転ツールの
軸方向押圧力F=250kgfの一定条件の下で、前記
中空押出形材の高さHを50〜400mmの間で段階的に
変化させて、突合せ部における垂直リブの数n=2の場
合の前記式1の変形・座屈限界厚みw2A(mm)と前記
式2の変形・座屈限界厚みw2B(mm)とを変化させ、
これら変形・座屈限界厚みw2A,w2Bと垂直リブ兼被嵌
合部1cri及び垂直リブ1drの最小厚み部の厚みw
2との大小関係が接合部品質に及ぼす影響を調査した。
その調査結果を下記表9に示す。
【0121】
【表9】
【0122】前記表9から以下のことがいえる。 (1)6N01−T5材(耐力σ0.2=225N/m
2)では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が1.0m
mの場合は、接合部に欠陥の発生はなかった。この時、
中空押出形材の高さHが50〜400mmの何れの場合に
も、w2>w2B、かつ、w2>w2Aであった。 (2)前記(1)項と同じ材質で、垂直リブの最小厚み
部の厚みw2が0.75mmの場合は、全ての場合にw2
>w2Bという条件を満たしていた。そして、中空押出形
材の高さHが100mmまで、即ち、w2>w2Aの場合
は接合部欠陥は発生しなかった。中空押出形材の高さH
=200mm、即ち、w2≒w2Aの場合は目視では判別
できない程度の欠陥が発生した。中空押出形材の高さH
=300mm(w2<w2A)では重欠陥が発生し、中空押
出形材の高さH=400mm(w2<<w2A)では接合不
可能であった。 (3)6N01−T1材(耐力σ0.2 =90N/mm2 )で
は、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が1.0mmの場
合は、中空押出形材の高さHが100mm以下の場合で
も、接合部欠陥が発生した。このとき、w2>w2Aであ
ったが、w2<w2Bであった。 (4)前記(3)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みw2=1.5mmに増加した場合、w2>w2B、か
つ、w2>w2Aとなり、欠陥のない健全な接合部が得ら
れた。
【0123】9.実施例9 前記実施例8と同じ2種の材質で、前記実施例6と同じ
図18に示すような形状・寸法の一対の中空押出形材1
c,1dを、それぞれの材質同士で、垂直リブ兼被嵌合
部材1criの外面と垂直リブ1drの外面同士を突き
合わせて、長手方向(図18の紙面に垂直な方向)に摩
擦攪拌接合を行った。この時の接合深さh=4mm、攪
拌ピンの外面とリブ内周面との間の最短距離w1=5m
m、回転ツール底部の直径D=15mm、回転ツールの
軸方向押圧力F=400kgfの一定条件の下で、前記
中空押出形材の高さHを50〜400mmの間で段階的
に変化させて、突合せ部における垂直リブの数n=2の
場合の前記式1の変形・座屈限界厚みw2Aと前記式2の
変形・座屈限界厚みw2Bを変化させ、これら変形・座屈
限界厚みw2A、w2Bと垂直リブ兼被嵌合部材1cri及
び垂直リブ1drの最小厚み部の厚みw2との大小関係が
接合部品質に及ぼす影響を調査した。その調査結果を下
記表10に示す。
【0124】
【表10】
【0125】前記表10から以下のことがいえる。 (1)6N01−T5材(耐力σ0.2=225N/m
2)では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が1.0m
mの場合、中空押出形材の高さHが50〜300mmの
場合には接合部欠陥の発生はなかった。この時、中空押
出形材の高さHが50〜300mmの何れの場合にも、
2>w2A、かつ、w2>w2Bであった。しかし、中空押
出形材の高さH=400mm(w2≒w2A、かつ、w2
2B)の場合には、接合部に目視では判別できない欠陥
が発生した。 (2)前記(1)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みw2が0.75mmの場合は、全ての場合にw2
2Bという条件を満たしていた。そして、中空押出形材
の高さHが100mmまで、すなわち、w2>w2Aの場
合は接合部欠陥は発生しなかった。中空押出形材の高さ
H=200〜300mm、すなわち、w 2<w2Aの場合
は接合部欠陥が発生した。中空押出形材の高さH=40
0mm(w2<<w2A)では接合不可能であった。 (3)6N01−T1材(耐力σ0.2=90N/mm2
では、垂直リブの最小厚み部の厚みw2が1.0mmの
場合は、中空押出形材の高さHが50mmの場合でも、
接合部欠陥が発生した。このとき、w2>w2Aであった
が、w2<w2Bであった。 (4)前記(3)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みをw2=1.5mmに増加した場合、w2>w2A
かつ、w2≒w2Bとなり、目視では判別できない接合部
欠陥が発生した。 (5)前記(3)と同じ材質で、垂直リブの最小厚み部
の厚みをw2=2.0mmに増加した場合、w2>w2A
かつ、w2>w2Bとなり、欠陥のない健全な接合部が得
られた。
【0126】前記実施例6の表7、実施例7の表8、実
施例8の表9及び実施例9の表10からの知見をまとめ
ると、以下のとおりである。 (1)アルミニウム系中空押出形材の突合せ部の垂直リ
ブの最小厚み部の厚みw 2(mm)が、前記式1で定義
された第1の変形・座屈限界厚みw2A(mm)以上の場
合でも、前記式2で定義された第2の変形・座屈限界厚
みw2B(mm)より小さい場合は目視で判別可能な大き
な接合部欠陥が発生するか接合不可能となり、又、w2
(mm)が前記w2B(mm)と等しい場合には目視では
判別できない程度の欠陥が発生する。このことから、目
視では判別できない程度の欠陥の発生を許容するものと
して、目視で判別可能な接合部欠陥の発生を防止するた
めには、w2≧w2A、かつ、w2≧w2Bとする必要があ
る。 (2)前記のようにw2≧w2Bという条件を満たして
も、w2が前記式1で定義された第1の座屈限界厚みw
2Aより小さい場合は目視で判別可能な大きな接合部欠陥
が発生し、w2が前記w2Aと等しい場合には目視では判
別できない程度の欠陥が発生する。このことから、目視
では判別できない程度の欠陥の発生を許容するものとし
て、目視で判別可能な接合部欠陥の発生を防止するため
には、やはり、w2≧w2A、かつ、w2≧w2Bとする必要
がある。 (3)目視で判別不可能な接合部欠陥の発生をも防止す
るためには、w2>w2A、かつ、w2>w2Bとする必要が
ある。
【0127】従って、前記摩擦攪拌接合部の目視では判
別できない程度の欠陥の発生を許容するものとして、前
記の攪拌ピンの外面とリブ内周面との最短距離w1
0.6mm以上に保ちつつ、前記突合せ部を形成するリブ
の最小厚み部の厚みw2(mm)が下記式1及び下記式
2を満足するように、前記摩擦攪拌接合用アルミニウム
系中空押出形材を予め形成するか、前記接合深さh(m
m)、回転ツールの軸方向押圧力F(kgf)及び/又
は回転ツール底部の直径D(mm)を選択して摩擦攪拌
接合することが望ましい。 w2≧w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1 w2≧w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2 ここで、 w2A :第1の変形・座屈限界厚み(mm) w2B :第2の変形・座屈限界厚み(mm) F :回転ツールの軸方向押圧力(kgf) D :回転ツール底部の直径(mm) σ0.2 :アルミニウム系中空押出形材の耐力(kgf
/mm2) H :中空押出形材の高さ、即ち上下面板の外面間
距離(mm) n :突合せ部における垂直リブの数(1あるいは
2)
【0128】さらに、前記摩擦攪拌接合部の目視では判
別できない程度の欠陥の発生をも許容できない厳しい用
途に用いる場合は、前記の攪拌ピンの外面とリブ内周面
との最短距離w1を1.2mm以上に保ちつつ、前記突
合せ部における垂直リブの最小厚み部の厚みw2(mm)が
下記式1’及び下記式2’を満足するように、摩擦攪拌
接合用アルミニウム系中空押出形材を予め形成しておく
か、前記接合深さh(mm)、回転ツールの軸方向押圧
力F(kgf)及び/又は回転ツール底部の直径D(m
m)を選択して摩擦攪拌接合することが望ましい。 w2>w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1’ w2>w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2’
【0129】なお、前記被突合せ面を形成するリブの最
小厚み部の厚みw2が前記のような条件を満足しない場
合に発生する接合部欠陥は、以下のようにして生じると
考えられる。
【0130】(1)垂直リブの最小厚み部の厚みw
2が、回転ツール3の軸方向押圧力F(kgf)に対し
て、図19に示すように垂直リブ1arが変形・座屈を
起こさない変形・座屈限界厚みとしての、あるいは、図
20に示すように相対する垂直リブ1cri及び1dr
がそれぞれの垂直リブの内面側に撓むような変形・座屈
を起こさない変形・座屈限界厚みとしての、前記式1で
与えられるw2Aと前記式2で与えられるw2Bの何れか以
下になった場合に、図19に示す一方の中空押出形材1
aの垂直リブ1arの上端部に形成された切欠き部1a
uと他方の中空押出形材1bの上部面板1upの被突合
せ部先端部との間に隙間2guが生じるような変形・座
屈が生じるか、あるいは、図20に示すように一対の中
空押出形材1c,1dの外面同士が接触し合う垂直リブ
兼被嵌合部1criと垂直リブ1drとの間に隙間2g
が生じるような変形・座屈が生じ、こうして生じた隙間
2gが被接合中空押出形材1aと1bの上部の接合部ま
で及び、接合方向に連続する空洞状欠陥を生じるか、甚
だしい場合は接合不可能になるものである。
【0131】(2)前記垂直リブの最小厚み部の厚みw
2が、前記w2Aとw2Bのいずれか一方の値より十分に大
きくて、他の一方の値と略等しい場合は、前記の垂直リ
ブの変形・座屈の程度があまり大きくならず、その結果
生じる前記隙間2gu又、は隙間2gが比較的狭くて済
み、この隙間2gの前記被接合形材1cと1dの上部の
接合部に及ぼす影響が余り大きくないときには、目視で
は判別できない欠陥の発生で済むものと考えられる。
【0132】(3)前記垂直リブの最小厚み部の厚みw
2が、前記w2Aとw2Bの両者よりも大きい場合は、前記
の変形・座屈が生じないか、生じても無視できる程度に
小さく、その結果、前記のような隙間2gu又は隙間2
gが生じないか、生じても影響のない程度に狭く、目視
では判別できない欠陥の発生もない健全な接合部が得ら
れるものと考えられる。
【0133】10.実施例10 図21(a)に示すような断面形状・寸法で長さ2mの
アルミニウム系中空押出形材を用い、図3に示すような
嵌合部と摩擦攪拌接合部を備える中空パネル構造体を製
造した。その際の、前記の攪拌ピンの外面とリブ内周面
との最短距離w1を1.2mm以上に保ちつつ、前記突
合せ部における垂直リブの最小厚み部の厚みw2(m
m)が、突合せ部における垂直リブの数n=1の場合の
前記式1’及び下記式2’を満足するように、摩擦攪拌
接合条件を選択した。用いた材料は「JIS H410
0」に規定された6N01−T5材である。
【0134】比較例として、前記実施例と同じ材料を用
いて、(1)図21(b)に示すような断面形状・寸法
で長さ2mのアルミニウム系中空押出形材を、前記特開
平9−309164号公報に開示され前記図23を参照
して説明したような表裏二面の摩擦攪拌接合で接合し、
中空パネル構造体を製造した場合、(2)図21(a)
に示すような断面形状・寸法で長さ2mのアルミニウム
系中空押出形材を、嵌合のみで連結して、中空パネル構
造体を製造した場合、をとり、前記実施例と比較例のそ
れぞれの中空パネル構造体の水密性、摩擦音、強度及び
製造コストを比較した結果を表11に示した。
【0135】
【表11】
【0136】表11に示すように、本発明実施例のアル
ミニウム系中空パネル構造体は、(a)比較例(1)の
両面摩擦攪拌接合による構造体に比べて、強度の点では
若干劣るが、製造コストではかなり優れ、その他の点で
は同等である。(b)比較例(2)の嵌合のみによる構
造体に比べて、製造コストの点では若干劣るが、その他
の点でははるかに優れている。
【0137】次に、請求項11に係る本発明の中空パネ
ル構造体の製造方法の実施の形態を、添付の図面と具体
的な実施例を参照して、以下に説明する。
【0138】11.実施例11 前記図21(a)に示したような断面形状・寸法で長さ
が2mの中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押
出形材を下記の方法により、各々3枚嵌合・摩擦攪拌接
合して、中空パネル構造体を製造した。 (1)実施例1として、2箇所の突合せ部を、2箇所同
時に接合可能な摩擦攪拌接合設備を用いて、上方から摩
擦攪拌接合する(請求項11に係る本発明の中空パネル
構造体の製造方法の実施例に相当)。 (2)比較例1として、2箇所の突合せ部を、1箇所ず
つ2度に分けて、上方から摩擦攪拌接合する。なお、上
記いずれの場合も摩擦攪拌接合中の幅方向の拘束は行わ
なかった。
【0139】比較例2として、前記前記図21(b)に
示したような断面形状・寸法で、長さが2mの中空パネ
ル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材を、前記特
開平9−309164号公報に開示され前記図23を参
照して説明したように、上面側から2箇所を順次摩擦攪
拌接合した後に、反転して残る裏面側の2箇所を順次に
摩擦攪拌接合を行う方法により、3枚接合して、中空パ
ネル構造体を製造した。この場合は、摩擦攪拌接合中の
幅方向の温度差の発生に伴う幅方向における長手方向熱
膨張量差によって、突合せ部に目開きが発生し接合部欠
陥が発生するのを防止するために、幅方向の拘束を行っ
た。
【0140】前記の実施例1、比較例1と比較例2につ
いて、摩擦攪拌接合工程における作業時間と接合後の製
品中空パネル構造体の変形量を測定して、下記表12に
示した。なお、変形量の測定は、図22に示す下記のよ
うな方法で行った。上反りの場合は、図22(a)に示す
ように、中空パネル構造体HPSの幅方左端の下面エッ
ジElbを平坦な定盤10の上面10usに接触するよ
うに押し付け、幅方向右端の下面エッジErbと定盤1
0の上面10usとの間の間隙hu(mm)を隙間ゲー
ジで長手方向の複数箇所測定し、間隙hu(mm)の最
大値を上反り量とした。下反りの場合は、図22(b)に
示すように、中空パネル構造体HPSの幅方左端の上面
エッジEluを平坦な定盤10の上面10usに接触す
るように押し付け、幅方向右端の上面エッジEruと定
盤の10の上面10usとの間の間隙hb(mm)を隙
間ゲージで長手方向の複数箇所測定し、間隙hb(m
m)の最大値を下反り量とした。
【0141】
【表12】
【0142】表12から下記のことがいえる。 (a)前記実施例1の方法の作業時間は、前記比較例2
の作業時間の略1/3、前記比較例2の略1/6と短
い。 (b) 前記実施例1の方法による中空パネル構造体の変
形量は0.5mmで、前記比較例1の方法による中空パ
ネル構造体の変形量2.0mmの1/4と小さく、前記
比較例2の方法による中空パネル構造体の変形量1.0
mmに比べて1/2と著しく小さい。比較例のように1
組づつ接合した場合、接合変形量は加算されて製品パネ
ル全体の変形量は大きくなる。しかし、本発明実施例の
ようにパネル全体を同時に接合した場合は、前記のよう
な変形量の加算がないので製品パネル全体の変形量は小
さくなる。さらに、摩擦攪拌接合回転ツールが左右の接
合部に押し込まれる中央の材料には逆歪が付与されるこ
とになるので、接合変形量はさらに抑制されることにな
る。
【0143】次に、請求項12に係る本発明の中空パネ
ル構造体の製造方法の一実施の形態、及び、請求項19
に係る本発明の中空パネル構造体製造用中空押出形材の
実施の形態について、具体的な実施例を参照して以下に
説明する。
【0144】12.実施例12 前記図21(a)に示した断面形状・寸法で、長さが10
mの中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形
材の下部面板1bpの表面を、摩擦攪拌接合工程に先立
って、予め陽極酸化処理及び電解着色処理したものを製
造しておき、3枚を相互に嵌合するとともに、上部面板
1upの突合せ部を摩擦攪拌接合して、中空パネル構造
体を製造した。
【0145】比較例として、前記図21(b)に示すよ
うな断面形状・寸法で、長さが10mの中空パネル構造
体製造用アルミニウム系中空押出形材を製造しておき、
前記特開平9−309164号公報に開示され前記図2
3を参照して説明したように、上面側から2個所を順次
摩擦攪拌接合した後に、反転して残る裏面側の2個所を
順次摩擦攪拌接合を行う方法により3枚を相互に摩擦攪
拌接合して、中空パネル構造体を製造した。
【0146】前記比較例の場合の表面処理は下記の二方
法の各々によって行った。 (1)下部面板1bpの表面を、摩擦攪拌接合工程に先
立って予め陽極酸化処理しておき、摩擦攪拌接合後に下
部面板1bpの突合せ接合部両側の厚肉部1bptを研
削・研磨して、アンダーカット状の摩擦攪拌接合用回転
ツールの回転・移動痕跡を除去し、研削・研磨部を再び
陽極酸化処理及び電解着色処理する。 (2)摩擦攪拌接合工程前に予め表面処理しないで、摩
擦攪拌接合後に下部面板1bpの突合せ接合部両側の厚
肉部1bptを研削・研磨して、アンダーカット状の摩
擦攪拌接合用回転ツールの回転・移動痕跡を除去し、そ
の後下部面板1bpの表面全面を陽極酸化処理及び電解
着色処理する。
【0147】前記の本発明実施例と比較例(1)及び
(2)の各々の中空パネル構造体の、表面処理(アルマ
イト処理及び/又は塗装処理)のコスト及び突合せ接合
部の研削・研磨コストと、表面処理(陽極酸化処理及び
電解着色処理)した面の外観性について、色調及び光沢
度の均一性の観点から評価した結果を表13に比較して
示した。
【0148】
【表13】
【0149】表13から下記のことがいえる。 (a)請求項19に係る本発明の中空パネル構造体製造
用中空押出形材の実施の形態を用いて、請求項12に係
る本発明の中空パネル構造体の製造方法により前記実施
例のように製造したアルミニウム系中空パネル構造体の
研削・研磨コスト指標は0で、その合計コスト指標は従
来の単品を独立処理したものと同等となり、比較例
(1)の表面処理及び研削・研磨のトータルコスト比較
して、最もコストが低い。 (b)本発明実施例によるアルミニウム系中空パネル構
造体の外観性は、色調及び光沢度の均一性が従来の単品
と変わらない。これに対して、前記比較例(1)による
アルミニウム系中空パネル構造体の外観性は、研削・研
磨部の陽極酸化皮膜厚さが約2倍異なり、その結果、研
削・研磨部の色調が淡色に、又は、不透明になり当該部
分が筋状に浮き出て見える。 (c)比較例(2)によるアルミニウム系中空パネル構
造体の外観性は、本発明実施例と変わらないが、大型表
面処理設備(液槽、懸垂治具、電流供給治具等)が必要
で、設備コストが嵩む。
【0150】以上本発明の実施の形態を、添付の図面と
具体的な実施例を参照して説明したが、本発明はこれら
に限られるものではなく、発明の構成の主旨を逸脱しな
い範囲内で、他の実施の形態をも含むことは論を待たな
い。例えば、前記実施例は、アルミニウム合金中空押出
形材の特定の材質を用いた供試材について述べたが、本
発明は、前記以外の材質のアルミニウム系材料や、押出
成形及び摩擦攪拌接合の適用可能な他の金属材料にも適
用できるものである。
【0151】
【発明の効果】本発明は以下のような優れた効果を奏す
る。即ち、 (1)請求項1〜請求項3の各々に係る本発明の中空パ
ネル構造体、請求項4〜請求項6の各々に係る本発明の
中空パネル構造体の製造方法及び請求項13〜請求項1
5の各々に係る本発明の中空パネル構造体製造用中空押
出形材によれば、摩擦攪拌接合必要個所を半減もしくは
1/3まで減少させるとともに、摩擦攪拌接合時に幅方
向の拘束を省略しても突合せ部が目開きして接合部欠陥
が発生することもなく、又、摩擦攪拌接合用の特別の継
ぎ手を製作してセットする必要もなく、さらに、製品の
化粧面に摩擦攪拌接合用回転ツールの回転・移動のアン
ダーカット状の痕跡が残らないため、接合後に研削・研
磨する必要性がなく、通常の摩擦攪拌接合設備を用いて
も生産性を飛躍的に向上させることが可能で、設備コス
ト、保守コスト及び製造コストの大幅な低減が可能であ
る。特に、請求項2及び請求項3の各々、請求項5及び
請求項6の各々、請求項14及び請求項15の各々に係
る本発明によれば、摩擦攪拌接合時に回転ツールの軸方
向押圧力による突合せ部の下向きの変形が効果的に防止
され、変形に伴う接合部欠陥の発生を抑止可能である。
【0152】(2)請求項7に係る本発明のアルミニウ
ム系中空パネル構造体の製造方法及び請求項16に係る
本発明の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押
出形材によれば、摩擦攪拌接合時における突合せ部の中
空部側の垂直リブの上部内周面の小さな熱変形による目
視判別不可能な接合部底部の空洞状欠陥を許容するもの
として、接合部強度がそれほど厳しく要求されない用途
にも十分対応可能な摩擦攪拌接合部の品質が得られる。
【0153】(3)請求項8及び請求項9の各々に係る
本発明のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法と
請求項17に係る本発明の中空パネル構造体製造用アル
ミニウム系中空押出形材によれば、摩擦攪拌接合時に、
突合せ部の中空部側の垂直リブの上部内周面の小さな熱
変形による目視判別不可能な接合部底部の空洞状欠陥の
発生をも防止でき、接合部強度が比較的厳しく要求され
る用途にも十分対応可能な摩擦攪拌接合部の品質が得ら
れる。
【0154】(4)請求項10に係る本発明のアルミニ
ウム系中空パネル構造体の製造方法及び請求項18に係
る本発明の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空
押出形材によれば、突合せ部の中空側の垂直リブの上部
の内周面のリブの熱変形による接合部底部の少なくとも
目視可能な空洞状欠陥の発生を抑制・防止できるととも
に、垂直リブの最小厚み部の変形・座屈に起因して突合
せ部に隙間が生じ、該隙間に起因して生じる、少なくと
も目視可能な接合部の空洞状欠陥の抑制・防止が可能で
ある。
【0155】そこで、予め摩擦攪拌接合条件を決めてお
き、その条件で摩擦攪拌接合する中空パネル構造体製造
用アルミニウム系中空押出形材を設計・製造するにあた
り、摩擦攪拌接合用回転ツールの攪拌ピンの外面とリブ
内周面との間の最短距離w1(mm)とリブの最小厚み
部の厚みw2(mm)を、要求される接合部品質のレベ
ルに応じて適切に設定しておけば、接合部強度がそれほ
ど厳しく要求されない用途に十分対応可能な摩擦攪拌接
合部の品質、さらには、接合部強度が比較的厳しく要求
される用途にも十分対応可能な摩擦攪拌接合部の品質を
選択的に得ることができる。
【0156】(5)請求項11に係る本発明の中空パネ
ル構造体の製造方法によれば、同時に三以上の中空押出
形材を片面側から摩擦攪拌接合可能で、生産性を飛躍的
高めることのできる。又、上下の二面を上方と下方から
回転ツールの移動を同期させて摩擦攪拌接合する方法に
比べて、制御装置を含めて、設備コスト及び保守コスト
が低い。又、下方から摩擦攪拌接合する場合に比べて、
塑性流動化(可塑化)固相の重力による下方への移動・
漏れによる下部面板の接合部欠陥の発生の可能性が全く
無い。また、接合変形量も小さくなる。
【0157】(6)請求項12に係る本発明の中空パネ
ル構造体の製造法方法及び請求項19に係る本発明の中
空パネル構造体製造用中空押出形材によれば、摩擦攪拌
接合前に中空パネル構造体の製品で化粧面となる表面の
陽極酸化処理、電解着色処理や電着塗装処理等の表面処
理を行い、非化粧面となる方の面を摩擦攪拌接合するの
で、摩擦攪拌接合に回転ツールによるアンダーカット状
の回転・移動痕跡の研削・研磨が不要で、色調や光沢度
の均一性の高い優れた化粧面が得られる。又、大型の表
面処理設備を必要とせず、設備コストや保守コストが嵩
むこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る本発明の中空パネル構造体
の一実施の形態の主要部を長手方向から見た縦断面図で
ある。
【図2】 請求項2に係る本発明の中空パネル構造体
の第1の実施の形態の主要部を長手方向から見た縦断面
図である。
【図3】 請求項2に係る本発明の中空パネル構造体
の第2の実施の形態の主要部を長手方向から見た縦断面
図である。
【図4】 請求項3に係る本発明の中空パネル構造体
の一実施の形態の主要部を長手方向から見た縦断面図で
ある。
【図5】 (a)は請求項13に係る本発明の中空パ
ネル構造体製造用中空押出形材の一実施の形態を長手方
向から見た縦断面図、(b),(c)は(a)に示された中
空押出形材の右端部と左端部の各々の拡大断面図であ
る。
【図6】 (a)は請求項14に係る本発明の中空パ
ネル構造体製造用中空押出形材の第1の実施の形態を長
手方向から見た縦断面図、(b),(c)は(a)に示され
た中空押出形材の右端部と左端部の各々の拡大断面図で
ある。
【図7】 (a)は請求項14に係る本発明の中空パ
ネル構造体製造用中空押出形材の第2の実施の形態を長
手方向から見た縦断面図、(b),(c)は(a)に示され
た中空押出形材の右端部と左端部の各々の拡大断面図で
ある。
【図8】 (a)は請求項15に係る本発明の中空パ
ネル構造体製造用中空押出形材の一実施の形態を長手方
向から見た縦断面図、(b),(c)は(a)に示された中
空押出形材の右端部と左端部の各々の拡大断面図であ
る。
【図9】 請求項7〜請求項10の各々に係る本発明
のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法の一実施
の形態における摩擦攪拌接合の概要と、請求項16〜請
求項18の各々に係る本発明の中空パネル構造体製造用
アルミニウム系中空押出形材の一実施の形態の説明で使
用する各所寸法の定義を説明するための断面図である。
【図10】 請求項7〜請求項10の各々に係る本発明
のアルミニウム系中空パネル構造体の製造方法の別の実
施の形態における摩擦攪拌接合の概要と、請求項16〜
請求項18に係る本発明の中空パネル構造体製造用アル
ミニウム系中空押出形材の別の実施の形態の説明で使用
する各所寸法の定義を説明するための断面図である。
【図11】 本発明の実施例1の摩擦攪拌接合に用いた
一対の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出
形材1a,1bの断面形状・寸法と、摩擦攪拌接合用の
攪拌ピン4との位置関係を示す縦断面図である。
【図12】 本発明の実施例2で用いた一対の中空パネ
ル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材1a,1b
の断面形状・寸法を示す縦断面図である。
【図13】 本発明の実施例3の摩擦攪拌接合に用いた
一対の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出
形材1c,1dの断面形状・寸法と、摩擦攪拌接合用の
攪拌ピン4との位置関係を示す縦断面図である。
【図14】 本発明の実施例4で用いた一対の中空パネ
ル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材1c,1d
の断面形状・寸法を示す縦断面図である。
【図15】 アルミニウム系中空押出形材1aの垂直リ
ブ1arの上部内周面側の変形に起因する接合部底部の
空洞状欠陥発生のメカニズムを示す断面図である。
【図16】 一対のアルミニウム系中空押出形材1c,
1dの幅方後端部の突合せ部2の両側の垂直リブ兼被嵌
合部1cri及び垂直リブ1drの上部内周面側の変形
に起因する接合部底部の空洞状欠陥発生のメカニズムを
示す断面図である。
【図17】 本発明の実施例6、実施例7で用いた一対
の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材
1a,1bの断面形状・寸法を示す縦断面図である。
【図18】 本発明の実施例8、実施例9で用いた一対
の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材
1c,1dの断面形状・寸法を示す縦断面図である。
【図19】 本発明の実施例6、実施例7で用いた一対
の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材
1a,1bの、突合せ部2の直下の垂直リブ1arの最小
厚み部の変形・座屈による接合部欠陥発生のメカニズム
を説明するための縦断面図である。
【図20】 本発明の実施例8、実施例9で用いた一対
の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形材
1c,1dの各々の、突合せ部の垂直リブ兼被嵌合部1
cri及び垂直リブ1drの最小厚み部の変形・座屈に
よる接合部欠陥発生のメカニズムを説明するための縦断
面図である。
【図21】 (a)は実施例10、実施例11で用いた
本発明のアルミニウム系中空押出形材の断面形状・寸法
を示し、(b)は比較例のアルミニウム系中空押出形材
の断面形状・寸法を示す、各々長手方向から見た縦断面
図である。
【図22】 製品中空パネル構造体の変形量の測定方法
を示し、(a)は上反りの場合を、(b)は下反りの場
合を、各々示す斜視図である。
【図23】 特開平9−309164号公報に開示され
た従来技術の第1の例を示す縦断面図である。
【図24】 特開平9−309164号公報に開示され
た従来技術の第2の例を示す縦断面図である。
【図25】 特開平9−309164号公報に開示され
た従来技術の第3の例を示す縦断面図である。
【図26】 特開平9−309164号公報に開示され
た従来技術の第4の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
HPS 中空パネル構造体 1 中空押出形材 1up 上部面板 1bp 下部面板 1A,1B 幅方向端部 1Aib,1Bib 下部被嵌合部 1Aibx,1Bibx 第1の下部被嵌合部 1Aiby,1Biby 第2の下部被嵌合部 1Aiu,1Biu 上部被嵌合部 1Au,1Bu 被突合せ部 1Aun、1aun 欠き部 1Ar,1ar,1dr 垂直リブ 1Briv,1cri 垂直リブ兼被嵌合部 1Ari,1Briy リブ兼被嵌合部 1Bri,1Brix 垂直リブ兼被嵌合部 1a,1b,1c,1d 中空押出形材 1as,1cs,1ds 垂直リブ内周面 1af,1bf 上部面板の上面 1cf,1df 上部面板の上面 2 突合せ部 2u 上部突合せ部 2A,2B 被突合せ面 2g 隙間 2gu 隙間 3 回転ツール 3b 底面 4 攪拌ピン 5b 下部嵌合部 5bx 第1の下部嵌合部 5by 第2の下部嵌合部 5u 上部嵌合部 6 摩擦攪拌接合部 dfb 目視可能な空洞欠陥 dfs 目視不可能な点状空洞欠陥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:04 103:10 Fターム(参考) 4E029 AA06 EA02 4E067 AA05 BG00 BG02 DA13 DA17 EB00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の中空押出形材からなり、それぞ
    れの中空押出形材の幅方向端部に形成された、嵌合部を
    備えるとともに、表裏一対の面板の一方の側に形成され
    た突合せ部に摩擦攪拌接合部を備えたことを特徴とする
    中空パネル構造体。
  2. 【請求項2】 前記突合せ部を構成する一方の被突合
    せ部の直下の中空部側に、他方の被突合せ部をも支持す
    る垂直リブを備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    中空パネル構造体。
  3. 【請求項3】 前記突合せ部を構成する被突合せ部の
    各々の、一方の中空部側に垂直リブを、他方の中空部側
    に前記被嵌合部の一部を兼ねる垂直リブを、それぞれ備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の中空パネル構造
    体。
  4. 【請求項4】 押出し工程において、複数の中空押出
    形材の幅方向端部に、被嵌合部を形成するとともに、表
    裏一対の面板の一方の側に被突合せ部を形成しておき、 前記被嵌合部同士を嵌合して嵌合部を形成するととも
    に、前記被突合せ部同士を突き合わせて突合せ部を形成
    し、該突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とした中
    空パネル構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記押出し工程において、前記複数の
    中空押出形材の、一方の前記被突合せ部の直下の中空部
    側に、他方の前記被突合せ部をも支持可能な垂直リブを
    形成しておくことを特徴とした請求項4に記載の中空パ
    ネル構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記押出し工程において、前記複数の
    中空押出形材の前記被突合せ部の各々の、一方の中空部
    側に垂直リブを、他方の中空部側に前記被嵌合部の一部
    を兼ねる垂直リブを、それぞれ形成しておくことを特徴
    とした請求項4に記載の中空パネル構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記突合せ部の摩擦攪拌接合に際し
    て、該突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌接合用回転ツー
    ルの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中空部側の垂直リ
    ブの内周面との間の最短距離w1を0.6mm以上に保
    つことを特徴とした請求項5又は請求項6に記載のアル
    ミニウム系中空パネル構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌
    接合用回転ツールの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中
    空部側の垂直リブの内周面との間の最短距離w1を1.
    2mm以上に保つことを特徴とした請求項7に記載のア
    ルミニウム系中空パネル構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記突合せ部の中空部側の垂直リブの
    内周面を冷却しつつ摩擦攪拌接合することを特徴とした
    請求項7に記載のアルミニウム系中空パネル構造体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記垂直リブの最小厚み部の厚みw2
    が下記式1及び下記式2を満足するように、回転ツール
    の軸方向押圧力F(kgf)及び/又は回転ツール底部
    の直径D(mm)を選択して摩擦攪拌接合することを特
    徴とする請求項7〜請求項9の何れか1項に記載のアル
    ミニウム系中空パネル構造体の製造方法。 w2≧w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1 w2≧w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2 ここで、 w2A :第1の変形・座屈限界厚み(mm) w2B :第2の変形・座屈限界厚み(mm) F :回転ツールの軸方向押圧力(kgf) D :回転ツール底部の直径(mm) σ0.2:アルミニウム系中空押出形材の耐力(kgf/
    mm2) H :中空押出形材の高さ、即ち表裏一対の面板の外
    面間距離(mm) n :突合せ部における垂直リブの数(1あるいは
    2)
  11. 【請求項11】 同時に三以上の中空押出形材を用いて
    複数の突合せ部を形成し、該突合せ部の数と同数以上の
    摩擦攪拌接合用回転ツールを備えた摩擦攪拌接合設備を
    用いて、前記複数の突合せ部を同時に摩擦攪拌接合する
    ことを特徴とした請求項4〜請求項10の何れか1項に
    記載の中空パネル構造体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記複数の中空押出形材の、前記被突
    合せ部の形成された面板とは反対側の面板の外面を、摩
    擦攪拌接合工程に先立って予め陽極酸化処理、電解着色
    処理、又は、電着塗装処理しておくことを特徴とした請
    求項4〜請求項11の何れか1項に記載の中空パネル構
    造体の製造方法。
  13. 【請求項13】 幅方向端部に、被嵌合部が形成される
    とともに、表裏一対の面板の一方の側に被突合せ部が形
    成されたことを特徴とする中空パネル構造体製造用中空
    押出形材。
  14. 【請求項14】 複数の中空押出形材の前記被突合せ部
    の各々の、一方の側の突合せ部の中空部側に他方の側の
    突合せ部も支持可能な垂直リブが形成されていることを
    特徴とした請求項13に記載の中空パネル構造体製造用
    中空押出形材。
  15. 【請求項15】 複数の中空押出形材の前記被突合せ部
    の各々の、一方の側の被突合せ部の中空部側に垂直リブ
    が、他方の側の被突合せ部の中空部側に前記被嵌合部の
    一部を兼ねる垂直リブが形成されいることを特徴とした
    請求項13に記載の中空パネル構造体製造用中空押出形
    材。
  16. 【請求項16】 複数のアルミニウム系中空押出形材の
    前記被突合せ部を突き合わせて形成される突合せ部の摩
    擦攪拌接合における予定接合深さにおいて、該突合せ部
    に押し込まれる摩擦攪拌接合用回転ツールの攪拌ピンの
    外面と前記突合せ部の中空部側の垂直リブの内周面との
    間の最短距離w1を0.6mm以上に保つように、予め
    形成されたことを特徴とした請求項14又は請求項15
    に記載の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押
    出形材。
  17. 【請求項17】 前記突合せ部に押し込まれる摩擦攪拌
    接合用回転ツールの攪拌ピンの外面と前記突合せ部の中
    空部側の垂直リブの内周面との間の最短距離w1を1.
    2mm以上に保つように、予め形成されたことを特徴と
    した請求項16に記載の中空パネル構造体製造用アルミ
    ニウム系中空押出形材。
  18. 【請求項18】 前記垂直リブの最小厚み部の厚みw2
    が下記式1及び下記式2を満足するように、予め形成さ
    れたことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載
    の中空パネル構造体製造用アルミニウム系中空押出形
    材。 w2≧w2A={(F×H)/(1439×D)}1/3/n −−式1 w2≧w2B=F/(n×D×σ0.2) −−式2 ここで、 w2A :第1の変形・座屈限界厚み(mm) w2B :第2の変形・座屈限界厚み(mm) F :回転ツールの軸方向押圧力(kgf) D :回転ツール底部の直径(mm) σ0.2:アルミニウム系中空押出形材の耐力(kgf/
    mm2) H :中空押出形材の高さ、即ち表裏一対の面板の外
    面間距離(mm) n :突合せ部における垂直リブの数(1あるいは
    2)
  19. 【請求項19】 前記被突合せ部の形成された面板と
    は反対側の面板の外面が、摩擦攪拌接合工程に先立って
    予め陽極酸化処理、電解着色処理、又は、電着塗装され
    ていることを特徴とした請求項13〜請求項18の何れ
    か1項に記載の中空パネル構造体製造用中空押出形材。
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