JPH11254155A - アルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法及びその継手形状並びに該継手形状を備えたアルミニウム系押出形材 - Google Patents

アルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法及びその継手形状並びに該継手形状を備えたアルミニウム系押出形材

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JPH11254155A
JPH11254155A JP10060219A JP6021998A JPH11254155A JP H11254155 A JPH11254155 A JP H11254155A JP 10060219 A JP10060219 A JP 10060219A JP 6021998 A JP6021998 A JP 6021998A JP H11254155 A JPH11254155 A JP H11254155A
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stir welding
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久司 堀
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慎也 牧田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】非時効処理材と時効処理材の各々につき高い継
手強度が得られるAl系押出形材の摩擦攪拌接合方法、
継手形状、該継手形状を備えたAl系押出形材の提供。 【解決手段】 母材部板厚t1(mm),接合部深さt2(m
m),熱影響部板厚t3(mm),接合ビード外端〜母材部内端
間厚肉部幅w1(mm),摩擦攪拌接合後母材部硬さHM, ビ
ード部硬さHB 、時効処理後母材部硬さHMa, ビード部
硬さHBa, 熱影響部硬さHHaとし、非時効処理材は式1,
式2 を、時効処理材は式2 〜4 を各々満足する摩擦攪拌
接合方法、継手形状、該継手形状を備えるAl系押出形材
を適用することを解決手段とする。 t1 ×(HM /HB ) ×0.85≦t2 ≦t1 ×(HM /H
B ) ×1.0 ─式1 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3
─式2 t1 ×(HMa/HBA) ×0.95≦t2 ≦t1 ×(HMA/H
BA) ×1.0 ─式3 t1 ×(HMa/HHa) ×0.9 ≦t3 ≦t1 ×(HMA/H
Ha) ×1.0 ─式4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶用、車両用、
建築・土木用構造体等の製造に適する優れた接合部強度
が得られるアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法
及びその継手の形状並びに該継手形状を備えたアルミニ
ウム系押出形材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来アルミニウム及びアルミニウム合金
(以下アルミニウム系と称する)押出形材を溶接する方
法としては、TIG溶接およびMIG溶接等の溶融溶接
法が用いられている。しかし、これらの溶接方法では、
溶接部近傍に大きい溶接変形が生じるため、溶接後に変
形部の矯正が行われている。このような溶接変形を小さ
くできる方法としてレーザ溶接方法があるが、この方法
では溶接部に欠陥が発生しやすいという欠点がある。
【0003】上記のような問題点は、特表平7−505
090号公報や特表平9−508073号公報に開示さ
れている摩擦攪拌接合方法によって解決されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
なアルミニウム系押出形材である「JIS H 410
0」に規定される2000系、6000系、7000系
のアルミニウム系押出形材の接合部強度は、摩擦攪拌接
合した場合でも低い。そこで、摩擦攪拌接合による接合
部強度の回復のための措置として、摩擦攪拌接合後に時
効処理を行うことが検討されている。しかし、大型の構
造体の場合は時効処理が困難である。また、時効処理の
効果は知られているが、時効処理を予め考慮した摩擦攪
拌接合用の継手形状はまだ開発されていない。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解消
し、予め熱処理又は加工硬化処理されたアルミニウム系
押出形材を摩擦攪拌接合し、その後時効処理を施さない
場合と施す場合の各々において、優れた接合部強度の得
られるアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法及び
その継手形状並びに該継手形状を備えたアルミニウム系
押出形材の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は、「JIS H
4000」に規定されるアルミニウム合金押出形材6N
01−T5の摩擦攪拌接合された継手の上面の接合ビー
ド中心からの水平距離とビッカース硬度HV の関係(硬
度分布)の例を、接合後と接合後に時効処理した後につ
いて各々測定した結果を示す。図1によれば、摩擦攪拌
接合によって、母材部より硬さの低い熱影響部が発生す
ることが確認され、接合ビ−ド部の硬さは前記熱影響部
と同等かそれよりも低いことが確認された。そして、こ
の摩擦攪拌接合されたアルミニウム合金押出形材を18
0℃×5時間の時効処理を施した結果、前記接合ビ−ド
部および熱影響部の硬さがかなり回復すること、しかし
ながら、母材部の硬さと同等までは回復しないこと、さ
らに熱影響部の硬さは接合ビ−ド部よりやや低くなるこ
と、等が確認された。
【0007】本発明者らは、上記の様な調査結果・知見
から、前記課題を解決するためには以下の点を考慮すれ
ばこよいことを考えつき、この考えに基づき実験した結
果、本発明を創案した。 (1)継手の引張り強さを母材と略同等まで高くするに
は、摩擦攪拌接合後に時効処理を行わない場合は、母材
部の厚みt1(mm) と、摩擦攪拌接合後の最も硬さの低く
なる接合ビ−ド部の硬さHB に対する母材部の硬さHM
の比率を考慮して、接合後の接合部の板厚に相当する接
合深さt2(mm) を決めればよい。 (2)継手の引張り強さを母材と略同等まで高くするに
は、摩擦攪拌接合後に時効処理を行う場合は、母材部の
厚みt1(mm) と、時効処理後の接合ビ−ド部の硬さHBa
に対する母材部の硬さHMaの比率を考慮して、接合後の
接合部の板厚に相当する接合深さt2(mm) を決めればよ
い。また、熱影響部の板厚t3(mm) は、母材部の厚みt
1(mm) と、時効処理後の熱影響部の硬さHHaに対する母
材部の硬さHMaの比率を考慮して決めればよい。 (3)継手の引張り強さを母材と略同等まで高くするに
は、接合ビ−ドの外端より母材部(薄肉部)の突合わせ
部側端までのいわゆる熱影響部に相当する厚肉部の幅w
1(mm) は、母材部の板厚t1(mm) が小さくなれば、前記
接合深さt2(mm)も当然小さくなり、それに従って、熱
影響部の幅も小さくなることから、厚肉部の幅w1(mm)
を前記母材部の板厚t1(mm) を考慮して決めればよい。
【0008】上記の考え方を取り入れた本発明の具体的
な構成を述べると以下のとおりである。
【0009】本発明は、前記課題を解決するために、第
1の手段として、アルミニウム系押出形材の板状部端面
同士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを突合わ
せ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記凹面また
は平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面に押
圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせライン
に沿って移動させることにより、突合わせ部の押出形材
を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法
を、予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニウム
系押出形材を摩擦攪拌接合し、その後時効処理を施さな
い場合に、前記摩擦攪拌接合を、溶け込み深さt2(mm)
が下記式1を満足し、かつ接合ビード外端と押出形材母
材部の前記突合わせ部端との間の厚肉部の幅w1(mm) が
下記式2を満足する条件下で行うことを特徴とするよう
構成したものである。 t1 ×(HM /HB )×0.85≦t2 ≦t1 ×(HM /HB )×1.0 ─式1 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 ここで、 t1 :押出形材母材部の板厚(mm) HM :摩擦攪拌接合後の母材部の硬さ HB :摩擦攪拌接合後の接合ビード部の硬さ
【0010】本発明は、前記課題を解決するために、第
2の手段として、アルミニウム系押出形材の板状部端面
同士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを突合わ
せ部の押出形材上部に回転させつつ押し込み、前記凹面
または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面
に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラ
インに沿って移動させることにより、突合わせ部の押出
形材を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合
方法を、予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニ
ウム系押出形材を摩擦攪拌接合した後に時効処理する場
合に、前記摩擦攪拌接合を、接合深さt2(mm) が下記式
3を満足し、接合ビード外端と押出形材母材部の前記突
合わせ部側端との間の厚肉部の幅w1(mm) が下記式2を
満足し、かつ熱影響部すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部
の板厚t3(mm) が下記式4を満足する条件下で行うこ
と、を特徴とするように構成することが望ましい。 t1 ×(HMa/HBa)×0.95≦t2 ≦t1 ×(HMa/HBa)×1.0 ─式3 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 t1 ×(HMa/HHa)×0.9 ≦t3 ≦t1 ×(HMa/HHa)×1.0 ─式4 ここで、 HMa:時効処理後の母材部の硬さ HBa:時効処理後の接合ビード部の硬さ HHa:時効処理後の熱影響部の硬さ
【0011】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第3の手段として、前記第2の手段に記載の摩擦
攪拌接合方法を、前記式3を満足する接合深さt2(mm)
の上下限値間の範囲Rt2と、前記式4を満足する熱影響
部すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) の上
下限値間の範囲Rt3との間に重複部があるか、または、
Rt3>Rt2となる場合には、前記接合深さt2(mm) を前
記範囲Rt3内にあって前記厚肉部の板厚t3(mm) に等し
くなるように決めて構成してもよい。
【0012】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第4の手段として、アルミニウム系押出形材の板
状部端面同士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ
部を形成し、凹面または平面の円形底面の中央から下方
に突出する攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピン
を突合わせ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記
凹面または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材
上面に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わ
せラインに沿って移動させることにより、突合わせ部の
押出形材を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌
接合用継手形状を、予め熱処理または加工硬化処理され
たアルミニウム系押出形材を摩擦攪拌接合し、その後時
効処理を施さない場合で、予定接合深さt2(mm) が下記
式1を満足する場合には、接合ビード外端と押出形材上
面母材肉薄部の前記リブ側端との間の厚肉部の幅w1(m
m) が下記式2を満足するように予め形成したことを特
徴とするように構成した。 t1 ×(HM /HB )×0.85≦t2 ≦t1 ×(HM /HB )×1.0 ─式1 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 ここで、 t1 :押出形材母材部の板厚(mm) HM :摩擦攪拌接合後の母材部の硬さ HB :摩擦攪拌接合後の接合ビード部の硬さ
【0013】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第5の手段として、アルミニウム系押出形材の板
状部端面同士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ
部を形成し、凹面または平面の円形底面の中央から下方
に突出する攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピン
を突合わせ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記
凹面または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材
上面に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わ
せラインに沿って移動させること接合深さt2(mm) の上
下限値間の範囲Rt2と、前記式4を満足する熱影響部す
なわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) の上下限
値により、突合わせ部の押出形材を接合するアルミニウ
ム系押出形材の摩擦攪拌接合用継手形状を、予め熱処理
または加工硬化処理されたアルミニウム系押出形材を摩
擦攪拌接合した後に時効処理する場合で、予定接合深さ
2(mm) が下記式3を満足する場合には、接合ビード外
端と押出形材母材部の前記突合わせ部側端との間の厚肉
部の幅w 1(mm) が下記式2を満足し、かつ熱影響部すな
わち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) が下記式4
を満足するように予め形成したことを特徴とするように
構成した。 t1 ×(HMa/HBa)×0.95≦t2 ≦t1 ×(HMa/HBa)×1.0 ─式3 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 t1 ×(HMa/HHa)×0.9 ≦t3 ≦t1 ×(HMa/HHa)×1.0 ─式4 ここで、 HMa:時効処理後の母材部の硬さ HBa:時効処理後の接合ビード部の硬さ HHa:時効処理後の熱影響部の硬さ
【0014】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第6の手段として、前記第5の手段に記載のアル
ミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合用継手形状を、前記
式3を満足する予定接合深さt2(mm) の上下限値間の範
囲Rt2と、前記式4を満足する熱影響部すなわち前記幅
1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) の上下限値間の範囲R
t3との間に重複部があるか、または、Rt3>Rt2となる
場合には、前記接合深さt2(mm) を前記範囲Rt3内にあ
って前記厚肉部の板厚t3(mm) に等しくなるように決め
て構成してもよい。
【0015】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第7の手段として、摩擦攪拌接合用アルミニウム
系押出形材を、前記第4の手段に記載の摩擦攪拌接合用
継手形状を備えるように予め形成して構成するようにし
たものである。
【0016】本発明においては、前記課題を解決するた
めに、第8の手段として、摩擦攪拌接合用アルミニウム
系押出形材を、前記第5の手段または第6の手段に記載
の摩擦攪拌接合用継手形状を備えるように予め形成して
構成するようにしたものである。
【0017】なお、以上の本発明において、前記式1〜
式4における接合深さまたは予定接合深さt2(mm) 、熱
影響部の幅w1(mm) 、および、前記幅w1(mm) の厚肉部
の板厚t3(mm) の上限値は、継手部の引張り強さ(N/mm
2) が母材部の引張り強さを超えてあまり高くなっても
特に利点はなく、また、接合深さまたは予定接合深さ、
すなわち、接合部の板厚t2(mm) 、熱影響部の幅w1(m
m) 、前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) 等の実際
値がが大きくなり過ぎると材料コストや摩擦攪拌接合コ
ストが上昇し、また摩擦攪拌接合能率が低下するため、
経済的でないことを考慮して決めたものである。また、
前記式1〜式4における接合深さまたは予定接合深さt
2(mm) 、熱影響部の幅w1(mm) 、および、前記幅w1(m
m) の厚肉部の板厚t3(mm) の下限値は、以下の実施の
形態で述べる実施例に基づき、継手強度が母材部の強度
と略同等となるように決めたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面と具体的な実施例を用いて、以下に説明する。
【0019】図2(a)は、請求項1、請求項4および
請求項7に係る本発明の実施の形態において、板状部の
端面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
せ部を摩擦攪拌接合する場合の継手形状と前記式1、式
2で使用する各寸法を定義・説明するための概略断面図
であり、図2(b)は、前記図2(a)で示した継手を
摩擦攪拌接合した後の、接合ビード部と熱影響部および
母材部間の区分を示す概略断面図である。
【0020】図3(a)は、請求項2、請求項5および
請求項8に係る本発明の実施の形態において、板状部の
端面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
せ部を摩擦攪拌接合する場合の継手形状と前記式2〜式
4で使用する各寸法を定義・説明するための概略断面図
であり、図3(b)は、前記図3(a)で示した継手を
摩擦攪拌接合した後の、接合ビード部、熱影響部および
母材部間の区分を示す概略断面図である。
【0021】図4(a)は、請求項2、請求項5および
請求項8に係る本発明の別の実施の形態、または、請求
項3、請求項6および請求項8に係る本発明の実施の形
態において、板状部の端面同士を突き合わせて突合わせ
部を形成し、該突合わせ部を摩擦攪拌接合する場合の継
手形状と前記式2〜式4で使用する各寸法を定義・説明
するための概略断面図であり、図4(b)は、前記図4
(a)で示した継手を摩擦攪拌接合した後の、接合ビー
ド部、熱影響部および母材部間の区分を示す概略断面図
である。
【0022】図2〜図4において、各々の母材部M1
2 の厚みがt1(mm) の一対のアルミニウム系押出形材
の板状部1と2のそれぞれの端面1esと2esとを接触さ
せて突合わせ部3を形成している。該突合わせ部3の下
端線を略中心とする前記板状部1と2の下面には、図示
せぬ裏当が当てられ、摩擦攪拌接合中の塑性流動固相が
前記板状部1と2の下面から漏れださないように板状部
1と2の下面と接触し、該下面を支持している。
【0023】凹面または平面の円形底面4bsを備えた外
径dのプローブ本体4の前記凹面または平面の円形底面
4bsの中心に固定され前記プローブ本体4の回転軸と同
軸に下方へ突出している攪拌ピン5を、前記プローブ本
体4とともに回転させつつ前記突合わせ部3の板状部1
と2の中へ前記攪拌ピン先端が前記板状部1と2の下面
に略達するまで押し込み、前記プローブ本体4を矢印F
方向へ所定の押圧力Fで押圧して、前記凹面または平面
の円形底面4bsを前記突合わせ部3近傍の板状部1と2
の上面に押し付け、前記プローブ本体4を回転しつつ突
合わせライン(突合わせ部3の上端線)に沿って移動さ
せる。その結果、前記プローブ本体4とともに回転する
前記攪拌ピン5の周囲および前記凹面円形底面4bsの下
方に発生する摩擦熱により、前記板状部1と2の突合わ
せ部3近辺の温度が固相塑性流動を起こす程度まで上昇
したのちプローブ本体4と攪拌ピン5の前記接合ビ−ド
ライン方向への移動とともに、周辺部や前記裏当への熱
伝達や上面からの熱放射等により冷却されて接合ビード
部Bが形成される。
【0024】なお、前記プローブ本体4の凹面の円形下
面4bsの前記プローブ本体4の外周面位置から少し中心
に近づいた位置に頂点を有する直径dbeの下方へ突出し
た輪状稜線4beが形成されていて、該輪状稜線4beが上
記プローブ本体4に作用する押圧力Fにより、前記板状
部1と2の上面部にややくい込んで、前記攪拌ピン5の
周囲の上部の塑性流動固相が前記輪状稜線4beよりも外
側の前記板状部1と2の上面に漏れださないようになっ
ている。このため、前記接合ビ−ドBの上端外周は前記
輪状稜線4beの直径dbeと略等しい幅に形成される。
【0025】また、前記プローブ本体4の円形下面4bs
が平面の場合には、上記プローブ本体4に作用する押圧
力Fによる前記該円形下面4bsの前記板状部1と2の上
部へのくい込みは凹面の円形底面のものよりも小さく、
前記攪拌ピン5の周囲の上部の塑性流動固相が前記平面
の 円形下面4bsの外周より漏れださないように制御さ
れる。そして、接合ビードBの上端外周は前記プローブ
本体4の円形下面4bsの外径dと略等しい幅に形成され
る。なお、実際のプローブにおいては、プローブ本体4
の円形下面4bsの外径dと、前記凹面の円形下面4bsの
前記輪状稜線4beの直径dbeとの間には、あまり大きな
差はないので、実際上はd≒dbeとして取り扱っても問
題がない。
【0026】前記接合部深さt2(mm) は、突合わせ部3
の近辺の前記板状部1と2の上面から攪拌ピン5の先端
までの高さと略等しく、従って、突合わせ部3の近辺の
前記板状部1と2の板厚に略等しい。接合ビ−ド部Bの
外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側の内
端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) は、前記プロー
ブ本体4の凹面または平面の円形底面4bsの輪状稜線4
beから前記内端1me、2meまでの水平距離に略等しい。
図3(b)における熱影響部HAZ1 、HAZ 2 の厚み
3(mm) は、図3(a)における前記母材部M1 、M2
の各々の突合わせ部3側の内端1me、2meと前記プロー
ブ本体4の凹面または平面の円形底面4bsの輪状稜線4
beのとの間の厚肉部の板厚を意味する。
【0027】なお、前記図1に示すように摩擦攪拌接合
後および時効処理後の熱影響部の硬度(Hv )は、熱影
響部の接合ビ−ドビード部よりの位置で最低値を示した
後、母材部に近づくに従って母材部の硬度(Hv )に略
等しくなるまで略直線状に上昇している。従って、前記
図2における熱影響部HAZ1 、HAZ2 に相当する幅
1 の部位の厚みは接合部深さt2(mm) すなわち接合部
板厚から母材部厚みt1(mm) までテーパ状に漸減するよ
うにしたが、必ずしもこのようにする必要はなく、幅w
1 の全領域にわたって接合部深さt2(mm) すなわち接合
部板厚に等しいフラットな形状に形成してもよい。一
方、図3および図4における熱影響部HAZ1 、HAZ
2 に相当する幅w1 の部位の厚みは、幅w1 の全領域に
わたって厚みt3(mm) のフラットな厚みとしたが、必ず
しもこのようにする必要はなく、時効処理後の熱影響部
の硬度HHaとして最低値を採用するようにすれば、接合
ビード部Bの外周端の厚みを、前記最低値としての熱影
響部の硬度HHaを用いて前記式4から決まる厚みt3(m
m) とし、幅幅w1 の熱影響部のなかで前記接合ビード
部Bの外端から熱影響部の硬度HHaが最低値を示すまで
の間は厚みt3(mm) のフラット部と、該フラット部の外
端から母材部の内端までの厚みを厚みt3(mm)から母材
部の厚みt1(mm) まで漸減するテーパ状に形成してもよ
い。
【0028】1.実施例1 請求項1、請求項4、請求項7に係る本発明の実施の形
態を具体的な実施例に基づき説明する。予め熱処理され
た、図2の母材部(薄肉部)M1 、M2 の板厚t1 が2
mm、4mmの「JIS H 4100」に規定されたアル
ミニウム合金押出形材6N01−T5と、母材部板厚t
1 が8mmのアルミニウム合金押出形材6N01−T6を
用いて、図2に示す継手形状の摩擦攪拌接合を行った。
接合深さt2(mm) すなわち突合わせ部の板厚を前記母材
部の板厚t1(mm) に応じて各6段階に変え、接合ビ−ド
部Bの外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3
側の内端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) 、すなわ
ち、前記プローブ本体4の凹面円形底面4bsの輪状稜線
4beから前記内端1me、2meまでの水平距離も、前記板
厚t1(mm)に応じて各数段階に変えて、摩擦攪拌接合後
の各継手の引張り強さ(N/mm2) を測定して、下記表1に
示した。なお、これらの継手における摩擦攪拌接合域の
押出形材母材部M1 、M2 の硬さHM および摩擦攪拌接
合後の接合ビード部Bの硬さHB は、予め実施した予備
実験での測定結果によれば、各々ビッカース硬度で98
V と65HV であり、前記式1を満たす前記接合深さ
2(mm) の下限値t2Lと上限値t2U、また前記式2を満
たす前記厚肉部の幅w1(mm) の下限値w1Lと上限値w1U
(mm)は、それぞれ下記表1に示すとおりである。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1によると、アンダーラインで示し
たように、接合深さt2(mm) が前記式1の下限値t2L(m
m)と上限値t2U(mm)との間にあり、かつ前記接合ビ−ド
Bの外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側
の内端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) が前記式2
の下限値w1L(mm)と上限値w1U(mm)との間にあれば、接
合深さt2(mm) が前記の式1の、厚肉部の幅w1(mm) が
前記式2のいずれかを満足しない場合に比べて、優れた
継手の引張り強さ(N/mm2) が得られている。
【0031】2.実施例2 つぎに、請求項2、請求項5、請求項8に係る本発明の
実施の形態を具体的な実施例に基づき説明する。予め熱
処理された、図3の母材部(薄肉部)M1 、M2 の板厚
1 が2mm、4mmの「JIS H 4100」に規定さ
れたアルミニウム合金押出形材6N01−T5と、母材
部板厚t1 が8mmのアルミニウム合金押出形材6N01
−T6を用いて、図3または図4に示す継手形状の摩擦
攪拌接合を行い、その後180℃×5時間の時効処理を
行った。
【0032】図3に示す接合深さt2(mm) と熱影響部の
厚さt3(mm) の組み合わせを、前記母材部の板厚t1(m
m) に応じて各6組づつ作り、また前記接合ビ−ド部B
の外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側の
内端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) も、前記板厚
1(mm) に応じて各々数段階に変えて、時効処理後の各
継手の引張り強さ(N/mm2) を測定して、下記表2に示し
た。なお、これらの継手における時効処理後の押出形材
母材部M1 、M2 の硬さHMa、接合ビード部Bの硬さH
Baおよび熱影響部HAZ1 、HAZ2 の硬さHHaは、予
め実施した予備実験での測定結果によれば、各々ビッカ
ース硬度で99HV 、90HV 、82HVであり、前記
式3を満たす前記接合深さt2(mm) の下限値t2Lと上限
値t2U、また前記式2を満たす前記厚肉部の幅w1(mm)
の下限値w1Lと上限値w1U(mm)および前記式4を満たす
熱影響部の厚さt3(mm) の下限値t3Lと上限値t3Uは、
それぞれ下記表2に示すとおりである。
【0033】
【表2】
【0034】上記表2によると、アンダーラインで示し
たように、接合深さt2(mm) が前記式3の下限値t2L(m
m)と上限値t2U(mm)との間に、前記厚肉部の幅w1(mm)
が前記式2の下限値w1L(mm)と上限値w1U(mm)との間
に、また前記熱影響部の板厚t 3(mm) が前記式4の下限
値t3L(mm)と上限値t3U(mm)との間に、それぞれあれ
ば、接合深さt2(mm) が前記式3の、厚肉部の幅w1(m
m) が前記式2の、かつ熱影響部の板厚t3(mm) が前記
式4の、各々いずれかを満足しない場合に比べて、優れ
た継手の引張り強さ(N/mm2) が得られている。
【0035】なお、請求項3、請求項6および請求項8
に係る実施の形態として、上記実施例2において、押出
形材の製造上および、薄肉部と厚肉部との境界への応力
集中によるクラック発生による強度低下を防止する観点
から、前記式3を満たす接合深さt2(mm) の下限値t2L
(mm)と上限値t2U(mm)との間の範囲Rt2と前記式4を満
たす熱影響部の厚さt3(mm) の下限値t3Lと上限値t3U
との間の範囲Rt3に重複がある場合や、このような範囲
の重複がなくRt2<Rt3となるような場合には、押出形
材の製造上および、薄肉部と厚肉部との境界への応力集
中によるクラック発生による強度低下を防止する観点か
ら、図4に示すように、実際の継手の形状はt2 =t3
とし、t2 (mm)が前記範囲Rt3内にあるように決めて形
成してもよい。
【0036】3.実施例3 さらに、請求項1、請求項4、請求項7に係る本発明の
実施の形態を他の具体的な実施例に基づき説明する。予
め熱処理された、図2の母材部(薄肉部)M1 、M2
板厚t1 が2mm、4mmの「JIS H 4100」に規
定されたアルミニウム合金押出形材2014−T6を用
いて、図2に示す継手形状の摩擦攪拌接合を行った。接
合深さt2(mm) を前記母材部の板厚t1(mm) に応じて各
6段階に変え、接合ビ−ドBの外端から各々の母材部M
1 、M2 の突合わせ部3側の内端1me、2meまでの厚肉
部の幅w1(mm) も、前記板厚t1(mm) に応じて各数段階
に変えて、摩擦攪拌接合後の各継手の引張り強さ(N/m
m2) を測定して、下記表3に示した。なお、これらの継
手における摩擦攪拌接合後の押出形材母材部M1 、M2
の硬さHM および接合ビード部HB の硬さは、予め実施
した予備実験での測定結果によれば、各々ビッカース硬
度で156HV と103HV であり、前記式1を満たす
前記接合深さt2(mm) の下限値t2Lと上限値t2U、また
前記式2を満たす前記厚肉部の幅w1(mm) の下限値w1L
と上限値w1U(mm)は、それぞれ下記表3に示すとおりで
ある。
【0037】
【表3】
【0038】上記表3によると、アンダーラインで示し
たように、接合深さt2(mm) が前記式1の下限値t2L(m
m)と上限値t2U(mm)との間にあり、かつ前記接合ビ−ド
Bの外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側
の内端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) が前記式2
の下限値w1L(mm)と上限値w1U(mm)との間にあれば、接
合深さt2(mm) が前記の式1の、厚肉部の幅w1(mm) が
前記式2の、各々いずれかを満足しない場合に比べて、
優れた継手の引張り強さ(N/mm2) が得られている。
【0039】4.実施例4 さらに、請求項2、請求項5、請求項8に係る本発明の
実施の形態を他の具体的な実施例に基づき説明する。予
め熱処理された、図3の母材部(薄肉部)M1 、M2
板厚t1 が4mmの前記実施例3と同じアルミニウム合金
押出形材2017−T6を用いて、図3に示す継手形状
の摩擦攪拌接合を行い、その後160℃×10時間の時
効処理を施した。
【0040】図3示す接合深さt2(mm) と熱影響部の厚
さt3(mm) の組み合わせを、前記母材部の板厚t1(mm)
に応じて6組づつ作り、また前記接合ビ−ドBの外端か
ら各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側の内端1m
e、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) を4段階に変えて、
時効処理後の各継手の引張り強さ(N/mm2) を測定して、
下記表4に示した。なお、これらの継手における時効処
理後の押出形材母材部M 1 、M2 の硬さHMa、接合ビー
ド部Bの硬さHBaおよび熱影響部HAZ1 、HAZ2
硬さHHaは、予め実施した予備実験での測定結果によれ
ば、各々ビッカース硬度で140HV 、127HV 、1
15HV であり、前記式3を満たす前記接合深さt2(m
m) の下限値t2Lと上限値t2U、また前記式2を満たす
前記厚肉部の幅w1(mm) の下限値w1Lとw1U(mm)および
前記式4を満たす熱影響部の厚さt3(mm) の下限値t3L
と上限値t3Uは、それぞれ下記表4に示すとおりであ
る。
【0041】
【表4】
【0042】上記表4によると、アンダーラインで示し
たように、接合深さt2(mm) が前記式3の下限値t2L(m
m)と上限値t2U(mm)との間に、かつ前記厚肉部の幅w
1(mm)が前記式2の下限値w1L(mm)と上限値w1U(mm)と
の間に、かつまた前記熱影響部の板厚t3(mm) が前記式
4の下限値t3L(mm)と上限値t3U(mm)との間に、それぞ
れあれば、接合深さt2(mm) が前記式3の、厚肉部の幅
1(mm) が前記式2の、かつ熱影響部の板厚t3(mm) が
前記式4の、各々いずれかを満足しない場合に比べて、
優れた継手の引張り強さ(N/mm2) が得られている。
【0043】なお、請求項3、請求項6および請求項8
に係る本発明の実施の形態として、上記の場合も、前記
実施例2で述べたように、前記式3を満たす接合深さt
2(mm) の下限値t2L(mm)と上限値t2U(mm)との間の範囲
Rt2と前記式4を満たす熱影響部の厚さt3(mm) の下限
値t3Lと上限値t3Uとの間の範囲Rt3に重複がある場合
や、このような範囲の重複がなくRt2<Rt3となるよう
な場合には、押出形材の製造上および、薄肉部と厚肉部
との境界への応力集中によるクラック発生による強度低
下を防止する観点から、図4に示すように、実際の継手
の形状はt2 =t3 とし、t2 (mm)が前記範囲Rt3内に
あるように決めて形成してもよい。
【0044】5.実施例5 さらに、請求項1、請求項4、請求項7に係る本発明の
実施の形態をさらに他の具体的な実施例に基づき説明す
る。予め加工硬化処理された、図2の母材部(薄肉部)
1 、M2 の板厚t1 が4mmの「JIS H 410
0」に規定されたアルミニウム合金押出形材5083−
H34を用いて、図2に示す継手形状の摩擦攪拌接合を
行った。接合深さt2(mm) を6段階に変え、接合ビ−ド
Bの外端から各々の母材部M1 、M2 の突合わせ部3側
の内端1me、2meまでの厚肉部の幅w1(mm) も5段階に
変えて、摩擦攪拌接合後の各継手の引張り強さ(N/mm2)
を測定して、下記表5に示した。なお、これらの継手に
おける摩擦攪拌接合後の押出形材母材部M1 、M2 の硬
さHM および接合ビード部の硬さHB は、予め実施した
予備実験での測定結果によれば、各々ビッカース硬度で
115HV と76HV であり、前記式1を満たす前記接
合深さt2(mm) の下限値t2Lと上限値t2U、また前記式
2を満たす前記厚肉部の幅w1(mm) の下限値w1Lとw1U
(mm)は、それぞれ下記表5に示すとおりである。
【0045】
【表5】
【0046】上記表5によると、アンダーラインで示し
たように、予め加工硬化処理されたアルミニウム系押出
形材でも、前記実施例1に示した予め熱処理された材料
と同様に、アンダーラインで示したように、接合深さt
2(mm) が前記式1の下限値t 2L(mm)と上限値t2U(mm)と
の間にあり、かつ前記接合ビ−ドBの外端から各々の母
材部M1 、M2 の突合わせ部3側の内端1me、2meまで
の厚肉部の幅w1(mm)が前記式2の下限値w1L(mm)と上
限値w1U(mm)との間にあれば、接合深さt2(mm) が前記
の式1の、厚肉部の幅w1(mm) が前記式2の、各々いず
れかを満足しない場合に比べて、優れた継手の引張り強
さ(N/mm2) が得られている。
【0047】以上、前記実施例1、実施例3および実施
例5に示されるように、予め熱処理又は加工硬化処理さ
れたアルミニウム系押出形材を摩擦攪拌接合し、その後
時効処理を行わない場合に、本発明の請求項1のアルミ
ニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法、請求項4の摩擦
攪拌接合用継手の形状、および、請求項7の前記請求項
4の摩擦攪拌接合用継手の形状を予め備えるように形成
されたアルミニウム系押出形材を適用すれば、優れた接
合部強度を有する船舶用、車両用、建築・土木構造体等
の製造が可能である。
【0048】また、前記実施例2および実施例4に示さ
れるように、予め熱処理又は加工硬化処理されたアルミ
ニウム系押出形材を摩擦攪拌接合した後、時効処理する
場合に、本発明の請求項2または請求項3のアルミニウ
ム系押出形材の摩擦攪拌接合方法、請求項5または請求
項6の摩擦攪拌接合用継手の形状、および、請求項8の
ように前記請求項5または請求項6の摩擦攪拌接合用継
手の形状を予め備えるように形成されたアルミニウム系
押出形材を適用すれば、優れた接合部強度を有する船舶
用、車両用、建築・土木構造体等の製造が可能である。
【0049】以上の実施例において、摩擦攪拌接合後の
母材部および接合ビード部の硬さ、時効処理後の母材
部、接合ビード部および熱影響部の硬さをそれぞれビッ
カース硬度で測定・表示したが、本発明はこれに限るも
のではなく、ロックウエル硬度、ヌープ硬度等、測定対
象材料の真の硬さと測定硬さの間に比例関係の成り立つ
測定方法に基づいた硬度で表示してもよいことは勿論で
ある。
【0050】以上の本発明の実施の形態は、前記図2か
ら図4に示したように、アルミニウム系押出形材の板状
部の端面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突
合わせ部を摩擦攪拌接合する場合について、具体的な実
施例について述べたが、本発明はこれに限られるもので
はなく、例えば、断面形状方形あるいは方形以外の中空
押出形材、C字形やL字形等の断面形状を有するアルミ
ニウム系押出形材で、該押出形材のリブの外面同士を突
合わせ・接触させて行う突合わせ摩擦攪拌接合方法及び
その継手形状並びに該継手形状を備えるアルミニウム系
押出形材にも適用可能である。
【0051】図5(a)は、請求項1、請求項4、請求
項7に係る本発明の実施の形態において、中空押出形材
のリブ外面同志を突き合わせて突合わせ部を形成し、該
突合わせ部を摩擦攪拌接合し、その後時効処理しない場
合の継手形状と前記式1と式2で使用する各寸法を定義
・説明するための概略断面図であり、図5(b)は、前
記図5(a)で示した継手を摩擦攪拌接合した後の、接
合ビード部、熱影響部および母材部間の区分を示す概略
断面図である。
【0052】図6(a)は、請求項2、請求項5、請求
項8に係る本発明の実施の形態において、中空押出形材
のリブ外面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該
突合わせ部を摩擦攪拌接合し、その後時効処理する場合
の継手形状と前記式2〜式4で使用する各寸法を定義・
説明するための概略断面図であり、図6(b)は、前記
図6(a)で示した継手を摩擦攪拌接合した後の、接合
ビード部、熱影響部、および母材部間の区分を示す概略
断面図である。
【0053】図5、図6において、各々の母材部M11
12の厚みがt1(mm) の上部板状部11と12を備える
一対のアルミニウム系中空押出形材8、9のそれぞれの
リブ11r 、12r のそれぞれの外面同士を接触させて
突合わせ部13を形成している。
【0054】凹面または平面の円形底面4bsを備えた外
径dのプローブ本体4の前記凹面または平面の円形底面
4bsの中心に固定され前記プローブ本体4の回転軸と同
軸に下方へ突出している攪拌ピン5を、前記プローブ本
体4とともに回転させつつ前記突合わせ部の押出形材
8、9の中へ前記攪拌ピン先端が前記板状部11と12
の上面から所定の深さに達するまで押し込み、前記プロ
ーブ本体4を矢印F方向へ所定の押圧力Fで押圧して、
前記凹面または平面の円形底面4bsを前記突合わせ部1
3近傍の板状部11と12の上面に押し付け、前記プロ
ーブ本体4を回転しつつ突合わせライン(突合わせ部1
3の上端線)に沿って移動させ、前記プローブ本体4と
ともに回転する前記攪拌ピン5の周囲および前記凹面ま
たは平面の円形底面4bsの下方に発生する摩擦熱によ
り、前記板状部11と12の突合わせ部13の上部の近
辺の温度が固相塑性流動を起こす程度まで上昇した後、
プローブ本体4と攪拌ピン5の前記接合ライン方向への
移動とともに、周辺部への熱伝達や上面からの熱放射等
により冷却されて接合ビード部Bが形成される。
【0055】なお、前記プローブ本体4の凹面の円形底
面4bsの前記プローブ本体4の外周面位置から少し中心
に近づいた位置に頂点を有する直径dbeの下方へ突出し
た輪状稜線4beが形成されていて、該輪状稜線4beが上
記プローブ本体4に作用する押圧力Fにより前記板状部
1と2の上面部にややくい込んで、前記攪拌ピン5の周
囲の上部の塑性流動固相が前記輪状稜線4beよりも外側
の前記板状部11と12の上面に漏れださないようにな
っている。このため、前記接合ビ−ド部Bの上端外周は
前記輪状稜線4beの直径dbeと略等しい幅に形成され
る。
【0056】また、前記プローブ本体4の円形下面4bs
が平面の場合には、上記プローブ本体4に作用する押圧
力Fによる前記該円形下面4bsの前記板状部1と2の上
部へのくい込みは凹面の円形底面のものよりも小さく、
前記攪拌ピン5の周囲の上部の塑性流動固相が前記平面
の 円形下面4bsの外周より漏れださないように制御さ
れる。そして、接合ビードBの上端外周は前記プローブ
本体4の円形下面4bsの外径dと略等しい幅に形成され
る。なお、実際のプローブにおいては、プローブ本体4
の円形下面4bsの外径dと、前記凹面の円形下面4bsの
前記輪状稜線4beの直径dbeとの間には、あまり大きな
差はないので、実際上はd≒dbeとして取り扱っても問
題がない。
【0057】前記接合深さt2(mm) は、突合わせ部3の
近辺の前記板状部1と2の上面から攪拌ピン5の先端ま
での高さと略等しい。接合ビ−ド部Bの外端から各々の
母材部M11、M12の突合わせ部13側の内端11me、1
2meまでの厚肉部の幅w1(mm) は、前記プローブ本体4
の凹面の円形底面4bsの輪状稜線4beから前記内端1m
e、2meまでの水平距離に略等しい。図5(b)におけ
る熱影響部HAZ1 、HAZ2 の厚みt3(mm) は、図5
(a)における前記母材部M11、M12の各々の突合わせ
部13側の内端11me、12meと突合わせ部13との間
の厚肉部の板厚を意味する。
【0058】なお、図5、図6のw2(mm) は前記リブ1
1r 、12r の上部コーナー内周面と前記攪拌ピン5の
外面との間の最短距離を示す。この最短距離w2(mm)
は、本出願人が先に出願した特願平10−030110
号において提案したように、前記接合ビ−ド部Bの底部
の空洞状欠陥の防止のためには、0.6mm以上、望まし
くは1.2mm以上となるように攪拌ピン5の外径、接合
深さ(突合わせ部13の上端より攪拌ピン5の先端まで
の深さ)t2(mm) および、前記リブ11r 、12r の上
部コーナー内周面の曲率半径等を総合的に決めることが
望ましい。
【0059】予め熱処理または加工硬化処理したしたア
ルミニウム系押出形材を摩擦攪拌接合し、その後時効処
理を施さない場合に、上記図5で定義された接合深さt
2(mm) と、接合ビ−ドBの外端から各々の母材部M11
12の突合わせ部13側の内端11me、12meまでの厚
肉部の幅w1(mm) のそれぞれを、前記式1と前記式2の
各々を満足するような条件下で、予め熱処理または加工
硬化処理したアルミニウム系押出形材を摩擦攪拌接合
し、また予定接合深さt2(mm) が前記式1を満足する場
合に、前記接合ビ−ドBの外端から各々の母材部M11
12の突合わせ部13側の内端11me、12meまでの厚
肉部の幅w1(mm) が前記式2を満足するように図5で示
す継手形状を形成し、また該継手形状を有するようにア
ルミニウム系押出形材を形成しておけば、上記実施例
1、実施例3および実施例5と同じように、優れた接合
部強度を有する船舶用、車両用、建築・土木構造体等の
製造が可能である。
【0060】さらに、予め熱処理または加工硬化処理し
たしたアルミニウム系押出形材を摩擦攪拌接合後時効処
理する場合に、上記図6で定義された接合深さt2(mm)
、接合ビ−ドBの外端から各々の母材部M11、M12
突合わせ部13側の内端11me、12meまでの厚肉部の
幅w1(mm) および熱影響部の板厚t3(mm) のそれぞれ
が、前記式3、式2および式4の各々を満足する条件下
で摩擦攪拌接合し、また予定接合深さt2(mm) が前記式
3を満足する場合に、前記接合ビ−ド部Bの外端から各
々の母材部M11、M12の突合わせ部13側の内端11m
e、12meまでの厚肉部の幅w1(mm) が前記式2を満足
するように、かつ前記熱影響部の板厚t3(mm)が前記式
4を満足するように図6で示す継手形状を形成し、また
該継手形状を有するようにアルミニウム系押出形材を形
成しておけば、上記実施例2および実施例4と同じよう
に、優れた接合部強度を有する船舶用、車両用、建築・
土木構造体等の製造が可能である。
【0061】なお、請求項3、請求項6および請求項8
に係る本発明の実施の形態として、上記の場合も、前記
実施例2や前記実施例4で述べたように、前記式3を満
たす接合深さt2(mm) の下限値t2L(mm)と上限値t2U(m
m)との間の範囲Rt2と前記式4を満たす熱影響部の厚さ
3(mm) の下限値t3Lと上限値t3Uとの間の範囲Rt3
重複がある場合や、このような範囲の重複がなくRt2
Rt3となるような場合には、押出形材の製造上および、
薄肉部と厚肉部との境界への応力集中によるクラック発
生による強度低下を防止する観点から、図4に示すよう
に、実際の継手の形状はt2 =t3 とし、t2 (mm)が前
記範囲Rt3内にあるように決めて形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、予め熱処理または加工
硬化処理したアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合し
て、その後時効処理を行わない場合とその後時効処理を
行う場合のそれぞれの場合に、それぞれに前記した適切
な条件下で摩擦攪拌接合を行うか、予めそれぞれに適し
た継手を予め形成しておくか、該継手を備えたアルミニ
ウム系押出形材を用いることによって、優れた接合部強
度が得られ、船舶用、車両用、建築・土木用構造体等の
製造が容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルミニウム合金押出形材6N01−T5の
摩擦攪拌接合された継手の上面の接合ビード中心からの
水平距離とビッカース硬度HV の関係(硬度分布)を、
摩擦攪拌接合後とその後時効処理した後について示す図
である。
【図2】 (a)は、請求項1、請求項4および請求項
7に係る本発明の実施の形態において、板状部の端面同
士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わせ部を
摩擦攪拌接合する場合の継手形状の概略断面図であり、
(b)は、前記(a)で示した継手を摩擦攪拌接合した
後の、接合ビード部、熱処理部および母材部間の区分を
示す概略断面図である。
【図3】 (a)は、請求項2、請求項5および請求項
8に係る本発明の実施の形態において、板状部の端面同
士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わせ部を
摩擦攪拌接合する場合の継手形状の概略断面図であり、
(b)は、前記(a)で示した継手を摩擦攪拌接合した
後の、接合ビード部、熱影響部および母材部間の区分を
示す概略断面図である。
【図4】 (a)は、請求項2、請求項5および請求項
8に係る本発明の別の実施の形態、または、請求項3、
請求項6および請求項8に係る本発明の実施の形態にお
いて、板状部の端面同士を突き合わせて突合わせ部を形
成し、該突合わせ部を摩擦攪拌接合する場合の継手形状
の概略断面図であり、(b)は、前記(a)で示した継
手を摩擦攪拌接合した後の、接合ビード部、熱影響部お
よび母材部間の区分を示す概略断面図である。
【図5】 (a)は、請求項1、請求項4、請求項7に
係る本発明の実施の形態において、中空押出形材のリブ
外面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
せ部を摩擦攪拌接合する場合の継手形状の概略断面図で
あり、(b)は、前記(a)で示した継手を摩擦攪拌接
合した後の、接合ビード部、熱影響部および母材部間の
区分を示す概略断面図である。
【図6】 (a)は、請求項2、請求項5、請求項8に
係る本発明の実施の形態において、中空押出形材のリブ
外面同士を突き合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
せ部を摩擦攪拌接合する場合の継手形状概略断面図であ
り、(b)は、前記(a)で示した継手を摩擦攪拌接合
した後の、接合ビード部、熱影響部、および母材部間の
区分を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、2 押出形材の板状部 3 突合わせ部 4 プローブ本体 4bs 円形底面 4be 輪状稜線 5 攪拌ピン M1 、M2 母材部 B 接合ビード部 HAZ1 熱影響部 HAZ2 熱影響部 8、9 中空押出形材 11、12 中空押出形材の上部板状部 11r リブ 12r リブ 13 突合わせ部 HAZ11 熱影響部 HAZ12 熱影響部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム系押出形材の板状部端面同
    士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
    し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
    る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを前記突
    合わせ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記凹面
    または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面
    に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラ
    インに沿って移動させることにより、突合わせ部の押出
    形材を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合
    方法において、 予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニウム系押
    出形材を摩擦攪拌接合し、その後時効処理を施さない場
    合に、 前記摩擦攪拌接合を、接合深さt2 (mm)が下記式1を満
    足し、かつ接合ビード外端と押出形材母材部の前記突合
    わせ部側端との間の厚肉部の幅w1(mm) が下記式2を満
    足する条件下で行うことを特徴とするアルミニウム系押
    出形材の摩擦攪拌接合方法。 t1 ×(HM /HB )×0.85≦t2 ≦t1 ×(HM /HB )×1.0 ─式1 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 ここで、 t1 :押出形材母材部の板厚(mm) HM :摩擦攪拌接合後の母材部の硬さ HB :摩擦攪拌接合後の接合ビード部の硬さ
  2. 【請求項2】 アルミニウム系押出形材の板状部端面同
    士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
    し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
    る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを前記突
    合わせ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記凹面
    または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面
    に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラ
    インに沿って移動させることにより、突合わせ部の押出
    形材を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合
    方法において、 予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニウム系押
    出形材を摩擦攪拌接合した後に時効処理する場合に、 前記摩擦攪拌接合を、接合深さt2(mm) が下記式3を満
    足し、接合ビード外端と押出形材母材部の前記突合わせ
    部側端との間の厚肉部の幅w1(mm) が下記式2を満足
    し、かつ熱影響部すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板
    厚t3(mm) が下記式4を満足する条件下で行うことを特
    徴とするアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法。 t1 ×(HMa/HBa)×0.95≦t2 ≦t1 ×(HMa/HBa)×1.0 ─式3 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 t1 ×(HMa/HHa)×0.9 ≦t3 ≦t1 ×(HMa/HHa)×1.0 ─式4 ここで、 HMa:時効処理後の母材部の硬さ HBa:時効処理後の接合ビード部の硬さ HHa:時効処理後の熱影響部の硬さ
  3. 【請求項3】 前記式3を満足する接合深さt2(mm) の
    上下限値間の範囲Rt2と、前記式4を満足する熱影響部
    すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm) の上下
    限値間の範囲Rt3との間に重複部があるか、または、R
    t3>Rt2となる場合には、前記接合深さt2(mm) を前記
    範囲Rt3内にあって前記厚肉部の板厚t3(mm) に等しく
    なるように決めることを特徴とする請求項2に記載のア
    ルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム系押出形材の板状部端面同
    士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
    し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
    る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを突合わ
    せ部の押出形材上部に回転させつつ押し込み、前記凹面
    または平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面
    に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラ
    インに沿って移動させることにより、突合わせ部の押出
    形材上部を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌
    接合用継手形状であって、 予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニウム系押
    出形材を摩擦攪拌接合し、その後時効処理を施さない場
    合で、 予定接合深さt2(mm) が下記式1を満足する場合には、 接合ビード外端と押出形材母材部の前記突合わせ部側端
    の間の厚肉部の幅w1(mm) が下記式2を満足するように
    予め形成したことを特徴としたアルミニウム系押出形材
    の摩擦攪拌接合用継手形状。 t1 ×(HM /HB )×0.85≦t2 ≦t1 ×(HM /HB )×1.0 ─式1 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 ここで、 t1 :押出形材上面母材薄肉部の板厚(mm) HM :摩擦攪拌接合後の母材部の硬さ HB :摩擦攪拌接合後の接合ビード部の硬さ
  5. 【請求項5】 アルミニウム系押出形材の板状部端面同
    士またはリブ外面同士を突合わせて突合わせ部を形成
    し、凹面または平面の円形底面の中央から下方に突出す
    る攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを突合わ
    せ部の押出形材に回転させつつ押し込み、前記凹面また
    は平面の円形底面を突合わせ部近傍の押出形材上面に押
    圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わせライン
    に沿って移動させることにより、突合わせ部の押出形材
    を接合するアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合用継
    手形状であって、 予め熱処理または加工硬化処理されたアルミニウム系押
    出形材を摩擦攪拌接合した後に時効処理する場合で、 予定接合深さt2(mm) が下記式3を満足する場合には、 接合ビード部外端と押出形材母材部の前記突合わせ部側
    端の間の厚肉部の幅w 1(mm) が下記式2を満足し、 かつ熱影響部すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t
    3(mm) が下記式4を満足するように予め形成したことを
    特徴とするアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合用継
    手形状。 t1 ×(HMa/HBa)×0.95≦t2 ≦t1 ×(HMa/HBa)×1.0 ─式3 t1 ×1 ≦w1 ≦t1 ×3 ────式2 t1 ×(HMa/HHa)×0.9 ≦t3 ≦t1 ×(HMa/HHa)×1.0 ─式4 ここで、 HMa:時効処理後の母材部の硬さ HBa:時効処理後の接合ビード部の硬さ HHa:時効処理後の熱影響部の硬さ
  6. 【請求項6】 前記式3を満足する予定接合深さt2(m
    m) の上下限値間の範囲Rt2と、前記式4を満足する熱
    影響部すなわち前記幅w1(mm) の厚肉部の板厚t3(mm)
    の上下限値間の範囲Rt3との間に重複部があるか、また
    は、Rt3>Rt2となる場合には、前記接合深さt2(mm)
    を前記範囲Rt3内にあって前記厚肉部の板厚t3(mm) に
    等しくなるように決めることを特徴とする請求項5に記
    載のアルミニウム系押出形材の摩擦攪拌接合用継手形
    状。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の摩擦攪拌接合用継手形
    状を備えるように予め形成された摩擦攪拌接合用アルミ
    ニウム系押出形材。
  8. 【請求項8】 請求項5または請求項6に記載の摩擦攪
    拌接合用継手形状を備えるように予め形成された摩擦攪
    拌接合用アルミニウム系押出形材。
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