JP2001038246A - 生体微小成分の分離方法と分離装置 - Google Patents
生体微小成分の分離方法と分離装置Info
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- JP2001038246A JP2001038246A JP11219323A JP21932399A JP2001038246A JP 2001038246 A JP2001038246 A JP 2001038246A JP 11219323 A JP11219323 A JP 11219323A JP 21932399 A JP21932399 A JP 21932399A JP 2001038246 A JP2001038246 A JP 2001038246A
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- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Sorting Of Articles (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 タンパク質分子やオルガネラ等の生体微小成
分を高精度に分離・回収する方法と装置を提供する。 【解決手段】 注入部から分岐点を介して2ヶ所の排出
部に連通する微細流路に、蛍光標識した生体微小成分を
含む生体物質混合溶液をその注入部から注入し、注入部
に電圧を印加して溶液中物質を微細流路に流し、微細流
路の分岐点にレーザーを照射して溶液中物質の蛍光シグ
ナルを検出し、目的とする生体微小成分に標識した蛍光
シグナルの有無に応じて2ヶ所の排出部の一方に電圧を
印加して他方の排出部から溶液を回収する。
分を高精度に分離・回収する方法と装置を提供する。 【解決手段】 注入部から分岐点を介して2ヶ所の排出
部に連通する微細流路に、蛍光標識した生体微小成分を
含む生体物質混合溶液をその注入部から注入し、注入部
に電圧を印加して溶液中物質を微細流路に流し、微細流
路の分岐点にレーザーを照射して溶液中物質の蛍光シグ
ナルを検出し、目的とする生体微小成分に標識した蛍光
シグナルの有無に応じて2ヶ所の排出部の一方に電圧を
印加して他方の排出部から溶液を回収する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、タンパク
質分子やオルガネラ(細胞小器官)等の生体微小成分を
分離・精製する分離方法と分離装置(ソーター:sorte
r)に関するものである。さらに詳しくは、この出願の
発明は、生物学、化学、医学等の研究開発分野において
有用な生体微小成分の分離方法と分離装置に関するもの
である。
質分子やオルガネラ(細胞小器官)等の生体微小成分を
分離・精製する分離方法と分離装置(ソーター:sorte
r)に関するものである。さらに詳しくは、この出願の
発明は、生物学、化学、医学等の研究開発分野において
有用な生体微小成分の分離方法と分離装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】種々の細胞混合物から目的とする細胞を
分離・精製する装置として、蛍光細胞解析分離装置(ま
たは蛍光活性化セルソーター:fluorescence-activated
cellsorter)が広く利用されている。この装置はフロ
ーサイトメーター(flow cytometer)の一種であり、レ
ーザー発生装置、光学系、ノズル、データ処理装置等か
らなり、分別した細胞を一括して採取することが可能で
ある。具体的には、蛍光標識した細胞を細い管に流しな
がらレーザーを照射して各細胞の蛍光を検出し、液滴中
に0個または1個の細胞が入るように液滴を作り、管の
出口から落下させる。細胞を含む液滴に、蛍光の有無に
よって正か負の電荷を与え、さらに電場を加えることに
よって液滴の進路を変え、必要な液滴を回収することに
よって、目的とする細胞を分離することを可能としてい
る。
分離・精製する装置として、蛍光細胞解析分離装置(ま
たは蛍光活性化セルソーター:fluorescence-activated
cellsorter)が広く利用されている。この装置はフロ
ーサイトメーター(flow cytometer)の一種であり、レ
ーザー発生装置、光学系、ノズル、データ処理装置等か
らなり、分別した細胞を一括して採取することが可能で
ある。具体的には、蛍光標識した細胞を細い管に流しな
がらレーザーを照射して各細胞の蛍光を検出し、液滴中
に0個または1個の細胞が入るように液滴を作り、管の
出口から落下させる。細胞を含む液滴に、蛍光の有無に
よって正か負の電荷を与え、さらに電場を加えることに
よって液滴の進路を変え、必要な液滴を回収することに
よって、目的とする細胞を分離することを可能としてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各種のゲノム解析プロ
ジェクトの進展により、ヒトをはじめとする様々な生物
種の遺伝子配列情報が詳細に理解されるようになってき
ている。しかしながら、これらの遺伝子情報を有効に活
用するためには、遺伝子がコードするタンパク質の機能
を解析することが必要であり、そのための研究体制の確
立が迫られている。そして、そのようなタンパク質の機
能解析のためには、既知のタンパク質を指標として、そ
れと相互作用する未知のタンパク質分子の探索や、特定
のオルガネラに含まれる未知の生体成分の探索が重要で
あり、特定のタンパク質分子やオルガネラを高精度に分
離・精製する手段が必須である。
ジェクトの進展により、ヒトをはじめとする様々な生物
種の遺伝子配列情報が詳細に理解されるようになってき
ている。しかしながら、これらの遺伝子情報を有効に活
用するためには、遺伝子がコードするタンパク質の機能
を解析することが必要であり、そのための研究体制の確
立が迫られている。そして、そのようなタンパク質の機
能解析のためには、既知のタンパク質を指標として、そ
れと相互作用する未知のタンパク質分子の探索や、特定
のオルガネラに含まれる未知の生体成分の探索が重要で
あり、特定のタンパク質分子やオルガネラを高精度に分
離・精製する手段が必須である。
【0004】しかしながら、従来の蛍光細解析分離装置
では、蛍光の検出感度が低いため、タンパク質分子やオ
ルガネラを分離することは困難であった。また、極微少
のタンパク質分子やオルガネラを対象とする場合には、
液滴中に標的物質が1個以下になるように調節すること
も困難であった。
では、蛍光の検出感度が低いため、タンパク質分子やオ
ルガネラを分離することは困難であった。また、極微少
のタンパク質分子やオルガネラを対象とする場合には、
液滴中に標的物質が1個以下になるように調節すること
も困難であった。
【0005】この出願の発明は以上のとおりの事情に鑑
みてなされたものであって、従来の方法・装置では不可
能であった生体微小成分の分離方法と分離装置を提供す
ることを課題としている。
みてなされたものであって、従来の方法・装置では不可
能であった生体微小成分の分離方法と分離装置を提供す
ることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するための方法発明として、注入部から分岐点を
介して2ヶ所の排出部に連通する微細流路に、蛍光標識
した生体微小成分を含む生体物質混合溶液をその注入部
から注入し、注入部に電圧を印加して溶液中物質を微細
流路に流し、微細流路の分岐点にレーザーを照射して溶
液中物質の蛍光シグナルを検出し、目的とする生体微小
成分に標識した蛍光シグナルの有無に応じて2ヶ所の排
出部の一方に電圧を印加して他方の排出部から溶液を回
収することを特徴とする生体微小成分の分離方法を提供
する。
を解決するための方法発明として、注入部から分岐点を
介して2ヶ所の排出部に連通する微細流路に、蛍光標識
した生体微小成分を含む生体物質混合溶液をその注入部
から注入し、注入部に電圧を印加して溶液中物質を微細
流路に流し、微細流路の分岐点にレーザーを照射して溶
液中物質の蛍光シグナルを検出し、目的とする生体微小
成分に標識した蛍光シグナルの有無に応じて2ヶ所の排
出部の一方に電圧を印加して他方の排出部から溶液を回
収することを特徴とする生体微小成分の分離方法を提供
する。
【0007】またこの出願は、前記の課題を解決するた
めの装置発明として、蛍光標識した生体微小成分を含む
生体物質混合溶液から、目的とする標識分子または標識
オルガネラを分離する装置であって、(a) 蛍光顕微鏡、
(b) 蛍光顕微鏡(a)のステージにセットされ、溶液注入
部から分岐点を介して2ヶ所の溶液排出部に連通する微
細流路を有する透明基板、(c) 透明基板(b)の微細流路
の注入部および2ヶ所の排出部にそれぞれ電圧を印加す
る電源、(d) 透明基板(b)の微細流路の分岐点にレーザ
ーを照射するレーザー照射装置、(e) レーザー照射によ
って励起された溶液中物質の蛍光強度を検出する蛍光検
出器、(f) 蛍光検出器(e)により検出された蛍光強度を
分析するとともに、電源(c)による電圧印加を制御する
分析・制御装置を備えていることを特徴とする生体微小
成分の分離装置を提供する。
めの装置発明として、蛍光標識した生体微小成分を含む
生体物質混合溶液から、目的とする標識分子または標識
オルガネラを分離する装置であって、(a) 蛍光顕微鏡、
(b) 蛍光顕微鏡(a)のステージにセットされ、溶液注入
部から分岐点を介して2ヶ所の溶液排出部に連通する微
細流路を有する透明基板、(c) 透明基板(b)の微細流路
の注入部および2ヶ所の排出部にそれぞれ電圧を印加す
る電源、(d) 透明基板(b)の微細流路の分岐点にレーザ
ーを照射するレーザー照射装置、(e) レーザー照射によ
って励起された溶液中物質の蛍光強度を検出する蛍光検
出器、(f) 蛍光検出器(e)により検出された蛍光強度を
分析するとともに、電源(c)による電圧印加を制御する
分析・制御装置を備えていることを特徴とする生体微小
成分の分離装置を提供する。
【0008】なお、この分離装置においては、微細流路
の幅が5〜100μmであることを好ましい態様としてもい
る。さらにこの出願は、溶液注入部から分岐点を介して
2ヶ所の溶液排出部に連通する微細流路を有する透明基
板をも提供する。
の幅が5〜100μmであることを好ましい態様としてもい
る。さらにこの出願は、溶液注入部から分岐点を介して
2ヶ所の溶液排出部に連通する微細流路を有する透明基
板をも提供する。
【0009】以下、各発明について実施形態を詳しく説
明する。
明する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の方法発明は、分離を目
的とするタンパク質分子やオルガネラ等の生体微小成分
を予め蛍光物質で標識する。蛍光物質としては、例え
ば、蛍光抗体法等において標識として用いられるフルオ
レセインイオチオシアネート(FITC)やテトラメチ
ルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等を用
いることができる。あるいはまた、遺伝子工学的な手法
により、分子・オルガネラを緑色蛍光タンパク質(GF
R:green fluorescent protein)との融合タンパク質
として発現させることもできる。GFR遺伝子はオワン
クラゲからクローニングされており、このGFR遺伝子
と特定のタンパク質の遺伝子とを連結してベクターに組
み込み、適当な宿主細胞に導入すれば、この宿主細胞の
産生物としてGFR標識タンパク質分子を得ることがで
きる。
的とするタンパク質分子やオルガネラ等の生体微小成分
を予め蛍光物質で標識する。蛍光物質としては、例え
ば、蛍光抗体法等において標識として用いられるフルオ
レセインイオチオシアネート(FITC)やテトラメチ
ルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等を用
いることができる。あるいはまた、遺伝子工学的な手法
により、分子・オルガネラを緑色蛍光タンパク質(GF
R:green fluorescent protein)との融合タンパク質
として発現させることもできる。GFR遺伝子はオワン
クラゲからクローニングされており、このGFR遺伝子
と特定のタンパク質の遺伝子とを連結してベクターに組
み込み、適当な宿主細胞に導入すれば、この宿主細胞の
産生物としてGFR標識タンパク質分子を得ることがで
きる。
【0011】このようにして蛍光標識した生体微小成分
は、他の生体物質と共に、生理食塩水や適当な緩衝液等
により希釈して混合溶液とし、この出願によって提供さ
れる透明基板の微細流路に流す。
は、他の生体物質と共に、生理食塩水や適当な緩衝液等
により希釈して混合溶液とし、この出願によって提供さ
れる透明基板の微細流路に流す。
【0012】透明基板の微細流路は、例えばガラス板等
の透明板を気相エッチングや液相エッチング等の公知の
手法により微細切削加工することによって形成すること
ができる。微細流路の幅は、5〜100μmの範囲とするこ
とができる。
の透明板を気相エッチングや液相エッチング等の公知の
手法により微細切削加工することによって形成すること
ができる。微細流路の幅は、5〜100μmの範囲とするこ
とができる。
【0013】微細流路は一端に溶液注入部を備えてお
り、流路途中の分岐点から二股に分かれ、それぞれの終
端に溶液排出部を備えている。そして、注入部およびの
2ヶ所の排出部にはそれぞれ電圧を印加できるようにな
っており、この電圧印加による電気浸透現象あるいは電
気泳動現象によって、注入部から注入した溶液を微細流
路内に移行させるとともに、いずれか一方の排出部から
溶液を排出させることができるようになっている。注入
する溶液の流量は100pl/sec〜100nl/sec程度であり、溶
液中の生体物質の濃度は5fM〜50pM程度とすることがで
きる。印加する電圧は、注入部および排出部の各々にお
いて0〜2000V程度とすることができる。また、微細流
路の長さは、注入部から分岐点までが5〜20mm程度、分
岐点から2ヶ所の排出部までの流路がそれぞれ5〜20mm
程度とすることができる。
り、流路途中の分岐点から二股に分かれ、それぞれの終
端に溶液排出部を備えている。そして、注入部およびの
2ヶ所の排出部にはそれぞれ電圧を印加できるようにな
っており、この電圧印加による電気浸透現象あるいは電
気泳動現象によって、注入部から注入した溶液を微細流
路内に移行させるとともに、いずれか一方の排出部から
溶液を排出させることができるようになっている。注入
する溶液の流量は100pl/sec〜100nl/sec程度であり、溶
液中の生体物質の濃度は5fM〜50pM程度とすることがで
きる。印加する電圧は、注入部および排出部の各々にお
いて0〜2000V程度とすることができる。また、微細流
路の長さは、注入部から分岐点までが5〜20mm程度、分
岐点から2ヶ所の排出部までの流路がそれぞれ5〜20mm
程度とすることができる。
【0014】図1は、微細流路の構成を例示した模式図
である。注入部(1)に生体物質(2)の混合溶液を注入し、
注入部(1)に電圧を印加して溶液を微細流路(3)に流す。
そして、微細流路(3)の分岐点(4)において蛍光シグナル
を検出・分析することによって溶液中に目的とする生体
微小成分が存在するか否かを判定する。目的成分の存在
を示す蛍光シグナルが検出されない場合には、図1Aに
示したように一方の排出部(5)には電圧を印加せず、他
方の排出部(6)には電圧を印加して、溶液を排出部(5)か
ら排出させる。
である。注入部(1)に生体物質(2)の混合溶液を注入し、
注入部(1)に電圧を印加して溶液を微細流路(3)に流す。
そして、微細流路(3)の分岐点(4)において蛍光シグナル
を検出・分析することによって溶液中に目的とする生体
微小成分が存在するか否かを判定する。目的成分の存在
を示す蛍光シグナルが検出されない場合には、図1Aに
示したように一方の排出部(5)には電圧を印加せず、他
方の排出部(6)には電圧を印加して、溶液を排出部(5)か
ら排出させる。
【0015】一方、生体物質中(2)中に目的とする分子
・オルガネラが存在することを示す蛍光シグナルが検出
された場合には、図1Bに示したように、注入部(1)と
排出部(5)に電圧を印加し、電圧を印加していない排出
部(6)から溶液を排出させ、目的とする分子・オルガネ
ラを回収する。
・オルガネラが存在することを示す蛍光シグナルが検出
された場合には、図1Bに示したように、注入部(1)と
排出部(5)に電圧を印加し、電圧を印加していない排出
部(6)から溶液を排出させ、目的とする分子・オルガネ
ラを回収する。
【0016】蛍光標識した生体微小成分は、レーザーに
よって蛍光を励起し、蛍光顕微鏡によって蛍光を集め、
検出器によって蛍光シグナルを分析することによって特
定することができる。蛍光顕微鏡としては、共焦点レー
ザー顕微鏡等を用いることができる。蛍光シグナルの分
析は、コンピューター等も用いて行うことができる。ま
た、このコンピューターは、蛍光シグナルの分析結果に
応じて、電圧印加を制御するためにも用いることができ
る。
よって蛍光を励起し、蛍光顕微鏡によって蛍光を集め、
検出器によって蛍光シグナルを分析することによって特
定することができる。蛍光顕微鏡としては、共焦点レー
ザー顕微鏡等を用いることができる。蛍光シグナルの分
析は、コンピューター等も用いて行うことができる。ま
た、このコンピューターは、蛍光シグナルの分析結果に
応じて、電圧印加を制御するためにも用いることができ
る。
【0017】以上のとおりの分離方法は、この出願によ
って提供される透明基板の他は、既存の装置、部品等を
組み合わせて実施することができるが、この出願によっ
て提供される分離装置を用いることによって、さらに簡
便かつ確実にこの出願の方法発明を実施することができ
る。
って提供される透明基板の他は、既存の装置、部品等を
組み合わせて実施することができるが、この出願によっ
て提供される分離装置を用いることによって、さらに簡
便かつ確実にこの出願の方法発明を実施することができ
る。
【0018】以下、実施例としてこの分離装置の構成を
例示するが、この装置発明は以下の例によって限定され
るものではない。
例示するが、この装置発明は以下の例によって限定され
るものではない。
【0019】
【実施例】図2は、この出願の分離装置を例示した構成
図である。蛍光顕微鏡(a)のステージ(a1)には透明基板
(b)がセットされている。この透明基板(b)には微細流路
が形成され、その溶液注入部および2ヶ所の溶液排出部
には各々、電源(c)からの配線(c1)が接続している。
図である。蛍光顕微鏡(a)のステージ(a1)には透明基板
(b)がセットされている。この透明基板(b)には微細流路
が形成され、その溶液注入部および2ヶ所の溶液排出部
には各々、電源(c)からの配線(c1)が接続している。
【0020】レーザー照射装置(d)から発せられたレー
ザー光は、蛍光顕微鏡(a)のダイクロイックミラー(a2)
および対物レンズ(a3)を介して、透明基板(b)の微細流
路分岐点に照射され、このレーザー光により蛍光が励起
される。励起された蛍光は、対物レンズ(a3)、ダイクロ
イックミラー(a2)を通過してミラー(a4)に反射し、蛍光
検出器(e)に送られる。その際に、蛍光以外の背景光は
フィルター(e1)によって取り除かれている。
ザー光は、蛍光顕微鏡(a)のダイクロイックミラー(a2)
および対物レンズ(a3)を介して、透明基板(b)の微細流
路分岐点に照射され、このレーザー光により蛍光が励起
される。励起された蛍光は、対物レンズ(a3)、ダイクロ
イックミラー(a2)を通過してミラー(a4)に反射し、蛍光
検出器(e)に送られる。その際に、蛍光以外の背景光は
フィルター(e1)によって取り除かれている。
【0021】蛍光検出器(e)によって検出された蛍光シ
グナルは、さらに分析・制御装置(f)により分析され、
その分析結果に応じて分析・制御装置(f)は電源(c)を制
御し、透明基板(b)の微細流路のいずれか一方の溶液排
出部に電圧を印加して溶液を排出させる。
グナルは、さらに分析・制御装置(f)により分析され、
その分析結果に応じて分析・制御装置(f)は電源(c)を制
御し、透明基板(b)の微細流路のいずれか一方の溶液排
出部に電圧を印加して溶液を排出させる。
【0022】以上の構成からなる分離装置によって、例
えばGFP標識した特定タンパク質、またはGFP標識
タンパク質を含むオルガネラ等を高精度に、しかも連続
的に分離することが可能である。
えばGFP標識した特定タンパク質、またはGFP標識
タンパク質を含むオルガネラ等を高精度に、しかも連続
的に分離することが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
方法発明および装置発明によって、従来は不可能であっ
たタンパク質成分やオルガネラ等の生体微小成分の正確
かつ簡便な分離・回収が可能となる。これによって、回
収したタンパク質、あるいはオルガネラ中のタンパク質
のアミノ酸部分配列を決定したり、あるいは2次元電気
泳動マップと比較することなどにより、極微量試料から
の未知タンパク質の同定や、そのタンパク質の機能推定
が可能となる。
方法発明および装置発明によって、従来は不可能であっ
たタンパク質成分やオルガネラ等の生体微小成分の正確
かつ簡便な分離・回収が可能となる。これによって、回
収したタンパク質、あるいはオルガネラ中のタンパク質
のアミノ酸部分配列を決定したり、あるいは2次元電気
泳動マップと比較することなどにより、極微量試料から
の未知タンパク質の同定や、そのタンパク質の機能推定
が可能となる。
【図1】AおよびBは、この出願によって提供される透
明基板の微細流路構成と、その作用メカニズムを例示し
た模式図である。
明基板の微細流路構成と、その作用メカニズムを例示し
た模式図である。
【図2】この出願によって提供される装置発明の構成例
を示した模式図である。
を示した模式図である。
1 溶液注入部 2 生体物質 3 微細流路 4 分岐点 5 排出部 6 排出部 a 蛍光顕微鏡 a1 ステージ a2 ダイクロイックミラー a3 対物レンズ a4 ミラー b 透明基板 c 電源 c1 配線 d レーザー照射装置 e 蛍光検出器 e1 フィルター f 分析・制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/64 G01N 21/64 F 33/48 33/48 M 33/483 33/483 C // C12Q 1/02 C12Q 1/02 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 CA03 DA05 EA01 FA02 GA07 GB11 HA01 HA02 JA02 KA09 LA01 2G045 AA02 BB03 CB01 FA12 FA16 FA34 FB07 FB12 JA07 3F079 AD17 CA31 CA37 CB25 CB31 CC05 4B063 QA01 QQ08 QQ79 QR66 QS12 QS39 QX02 4D054 FA10 FB11 FB12 FB18
Claims (4)
- 【請求項1】 注入部から分岐点を介して2ヶ所の排出
部に連通する微細流路に、蛍光標識した生体微小成分を
含む生体物質混合溶液をその注入部から注入し、注入部
に電圧を印加して溶液中物質を微細流路に流し、微細流
路の分岐点にレーザーを照射して溶液中物質の蛍光シグ
ナルを検出し、目的とする生体微小成分に標識した蛍光
シグナルの有無に応じて2ヶ所の排出部の一方に電圧を
印加して他方の排出部から溶液を回収することを特徴と
する生体分子およびオルガネラの分離方法。 - 【請求項2】 蛍光標識した生体微小成分を含む生体物
質混合溶液から、目的とする標識成分を分離する装置で
あって、(a) 蛍光顕微鏡、(b) 蛍光顕微鏡(a)のステー
ジにセットされ、溶液注入部から分岐点を介して2ヶ所
の溶液排出部に連通する微細流路を有する透明基板、
(c) 透明基板(b)の微細流路の注入部および2ヶ所の排
出部にそれぞれ電圧を印加する電源、(d) 透明基板(b)
の微細流路の分岐点にレーザーを照射するレーザー照射
装置、(e) レーザー照射によって励起された溶液中物質
の蛍光強度を検出する蛍光検出器、(f) 蛍光検出器(e)
により検出された蛍光強度を分析するとともに、電源
(c)による電圧印加を制御する分析・制御装置を備えて
いることを特徴とする生体分子およびオルガネラの分離
装置。 - 【請求項3】 微細流路の幅が5〜100μmである請求項
2の分離装置。 - 【請求項4】 溶液注入部から分岐点を介して2ヶ所の
溶液排出部に連通する微細流路を有する透明基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219323A JP2001038246A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 生体微小成分の分離方法と分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11219323A JP2001038246A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 生体微小成分の分離方法と分離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001038246A true JP2001038246A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16733679
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11219323A Pending JP2001038246A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 生体微小成分の分離方法と分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001038246A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1999
- 1999-08-02 JP JP11219323A patent/JP2001038246A/ja active Pending
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