JP2007232631A - 生細胞内の特定タンパク質の定量方法および標準蛍光マイクロビーズの作製方法 - Google Patents

生細胞内の特定タンパク質の定量方法および標準蛍光マイクロビーズの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、測定対象となる細胞に存在する標的タンパク質の分子数を定量する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、1)測定対象となる細胞内の標的タンパク質に由来する蛍光の強度を測定し;2)細胞の周辺に撒布した標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定し;そして、3)1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光強度と、2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する、ことを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「細胞内ネットワークのダイナミズム解析技術開発/複数種生体分子の細胞内識別技術の開発、細胞内の複数種生体分子同時解析技術の開発、総合調査研究」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)である。
本発明は、測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量する方法に関する。さらに、本発明は、上記本発明の方法に記載するための標準蛍光マイクロビーズおよび標準蛍光マイクロビーズのセット、ならびに標準蛍光マイクロビーズの作成方法に関する。
分子生物学の研究においては、特定のタンパク質を蛍光標識し、その特定タンパク質の動態を解析するという方法が採られることが多く、その蛍光標識の方法として、例えば、クラゲの一種であるAequorea victoriaの緑色蛍光タンパク質(GFP)が使用される。GFPのcDNA配列は既に報告されており(非特許文献1)、このGFP遺伝子を他の特定タンパク質の遺伝子と融合させる形で種々の細胞・生体中に導入し、発現させることにより、上記のような解析が可能となる。なお、GFP以外の蛍光タンパク質としては、赤色蛍光タンパク質(RFP)(非特許文献2)、黄色蛍光タンパク質(YFP)(非特許文献3)、青色蛍光タンパク質(CFP)(非特許文献4)が公知である。
最近ではさらに、上記天然の公知の蛍光タンパク質から高効率の蛍光を発する蛍光タンパク質が種々開発されている。例えば、EGFPは天然のGFPのアミノ酸配列を基にするものであるが、哺乳動物細胞での発現を容易にするために一部のアミノ酸が置換されている。それらの蛍光タンパク質を用いて蛍光顕微鏡下で、細胞内のタンパク質の動態を観察することが可能となってきた。しかしながら、その方法では、蛍光標識された特定タンパク質の細胞内における局在情報は得られるが、その定量化は通常の蛍光顕微鏡観察だけでは困難である。
特に、生きた細胞のままでの細胞周期、発生、分化、および体内時計等に関与する遺伝子発現の経時的解析、とりわけタンパク質レベルでの解析を行う場合には、そのタンパク質の発現量を経時的に定量化することが重要である。しかしながら、それらの遺伝子の発現レベルは元々低いことが多く、上記のような遺伝子発現量の定量化は困難であった。
従来技術では、細胞内の特定タンパク質の発現量の動態を経時的に定量しようとする場合、たとえば、解析の対象となる細胞を経時的にサンプリングし、その細胞から全タンパク質を抽出して、特定タンパク質に対する特異的抗体を用いたウェスタン分析により、特定タンパク質の細胞内含量を定量することが通常行われる。しかしながら、その場合には高純度に精製された特定タンパク質やそれに対して特異的に反応する抗体を事前に用意する必要がある。さらに、細胞を溶解しタンパク質を抽出することから、経時的な標的タンパク質の定量化を行う場合、測定時点の数に応じた回数の実験を行わなければならなかった。
また、抗体を結合した蛍光色素を含有する蛍光マイクロビーズを用いた免疫測定法に関する発明も過去になされているが(特許文献1〜3)、これらの技術は細胞内の特定タンパク質の分子数を定量することを可能にするものではない。
以上の背景から、測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を、蛍光顕微鏡観察下で簡便に定量できる技術が求められている。
特開平5−249114 特開平6−300762 特開平6−300763 Prasher,D.C.ら、Gene 111,229−233(1992) Matz,M.V.ら、Nat Biotechnol 17,969−973(1999) Ormo,M.ら、Science 273,1392−1395(1996) Heim,R.ら、Curr Biol 6,178−182(1996)
本発明は、測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量する方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の工程:
1)以下のいずれかの蛍光強度を測定し、
i)標的タンパク質が蛍光タンパク質の場合に、当該蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、
ii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質と融合するように構築された蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、または
iii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する蛍光の強度;
2)前記細胞の周辺に撒布した標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定し;そして、
3)1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光強度と、2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する、ことを含む。
本発明は、一態様において、標準蛍光マイクロビーズは、既知分子数の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を担体に固定させたものである。
本発明はまた、一態様において、工程1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光と、工程2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光が、同種の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する場合、標準蛍光マイクロビーズは既知分子数の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を担体に固定させたものであり、1細胞当たりの標的タンパク質の分子数は以下の式Iで算出される:
本発明は、一態様において、標的タンパク質となる、および/または、標準蛍光マイクロビーズに使用される蛍光タンパク質は、GFP、CFP、RFPおよびYFPからなる群から選択される1つまたは2つ以上の蛍光タンパク質である。
本発明はまた、一態様において、標準蛍光マイクロビーズの蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を結合する担体の粒子径は0.5〜10μmである。
本発明はまた、一態様において、担体に固定させる蛍光タンパク質は1〜140万分子である。
本発明はまた、一態様において、標準蛍光マイクロビーズに使用される蛍光化合物は、FITC、テキサスレッド、Cy3およびCy5からなる群から選択される1つまたは2つ以上の蛍光化合物である。
本発明はまた、一態様において、担体に固定させる蛍光化合物の分子数は1〜1000分子である。
本発明はさらに、一態様において、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合であって、工程1)において、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光化合物に由来する蛍光の強度を測定し、そして、標準蛍光マイクロビーズは、既知分子数の蛍光化合物を担体に固定させたものである。
本発明はまた、一態様において、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を結合する担体は、Ni−NTAアガロース、アガロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリカ、または金属である。
本発明はまた、一態様において、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物と担体を結合する方法は、NiとHis6量体とのアフィニティ、化学結合、またはジスルフィド結合である。
本発明はさらにまた、一態様において、測定対象となる細胞は生細胞である。
本発明はまた、一態様において、標的タンパク質の分子数の定量はリアルタイムで行われる。
本発明はさらに、一態様において、測定対象となる細胞内における、工程1)の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の蛍光の強度と、工程2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光の強度との測定は、蛍光顕微鏡の同一視野で行う。
本発明はさらに、一態様において、蛍光タンパク質以外の標的タンパク質は、細胞周期、細胞の分化、細胞の癌化、細胞の老化および、生物時計に関わるタンパク質、からなる群から選択される1つまたは2つ以上のタンパク質である。
本発明はまた、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、本発明の方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズを提供することを目的とする。
本発明はさらに、本発明の方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズのセットであって、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数が異なる複数種類のマイクロビーズを含む、前記セットを提供することを目的とする。
本発明はさらにまた、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、標準蛍光マイクロビーズ、あるいは、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数が異なる複数種類のマイクロビーズのセットの、本発明の方法への使用を提供することを目的とする。
本発明はさらに、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、標準蛍光マイクロビーズの作成方法であって、
1)所期の量の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を所期の量の担体と混合し、
2)未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の量を測定し、そして、
3)1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を算出することを含む、前記作成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究に努めた結果、測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量することに成功し、本発明を想到した。
I.測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量する方法
本発明は、測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量する方法を提供する。本発明の方法は:
1)以下のいずれかの蛍光強度を測定し、
i)標的タンパク質が蛍光タンパク質の場合に、当該蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、
ii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質と融合するように構築された蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、または
iii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合させた蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する蛍光の強度;
2)前記細胞の周辺に撒布した標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定し;そして、
3)1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光強度と、2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する、ことを含む。
1)測定対象となる細胞中の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物由来の蛍光強度を測定する工程
本発明の方法は、測定対象となる細胞中の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物由来の蛍光強度を測定する工程を含む。測定対象となる細胞に存在する標的タンパク質は、蛍光タンパク質および蛍光タンパク質以外のタンパク質のいずれであってもよい。
また、「測定対象となる細胞」とは、細胞株、初代培養細胞、および組織由来の切片等、細胞であればどのようなものであってもよい。
i)の場合
標的タンパク質が蛍光タンパク質の場合には、当該標的タンパク質自体が蛍光を発する。
ここで、「標的タンパク質」とは、本発明の方法により細胞内における分子数の定量を目的とするタンパク質のことである。標的タンパク質は特に限定されず、外因性の遺伝子に由来するタンパク質であっても、内因性の遺伝子に由来するタンパク質であってもよい。
また、「蛍光タンパク質」とは、特定の励起波長の光線をあてると、特定の蛍光波長の蛍光を発するタンパク質である。これは特に限定されないが、例えば、GFP、CFP、RFPおよびYFPなどが当該技術分野で知られており、そのことは[背景技術]の項目で触れたとおりである。ここで、本明細書中の「GFP」の用語には、天然型のGFPのみならず、天然のアミノ酸配列から1または数個のアミノ酸の欠失、置換および/または付加を有するものも含まれる。これは例えば、哺乳動物でのコドン使用パターンを考慮して、天然型GFPの塩基配列を改変し、64番目のフェニルアラニンがロイシンに、65番目のセリンがスレオニンに、そして231番目のヒスチジンがロイシンに置換されたGFP(EGFP(Enhanced Green Fluorescent Protein)と呼ばれる)などがある。また、GFPだけでなく、CFP、RFPおよびYFPの用語についても同様に、それらのアミノ酸配列から1または数個のアミノ酸の欠失、置換および/または付加を有するものも含まれる。
ii)の場合
標的タンパク質が蛍光タンパク質以外のタンパク質である場合には、自ら蛍光を発することがない。本態様では、標的タンパク質が蛍光タンパク質により蛍光を発するように、標的タンパク質は蛍光タンパク質と融合するように構築されている。
標的タンパク質と蛍光タンパク質の融合の位置関係は、標的タンパク質の機能を失わせなければどのようなものでもよく、例えば、蛍光タンパク質が標的タンパク質のN末端側、C末端側、もしくは標的タンパク質の内部に融合していてもよい。ここで、「融合」とは、2つの遺伝子の塩基配列がインフレームで連結されており、タンパク質に翻訳された際に、2つの遺伝子の産物が連結されて産生されることをいう。また、蛍光タンパク質と標的タンパク質の間に、1つまたはそれより多くのアミノ酸残基からなるリンカー配列を適宜含んでもよい。
また、好ましい態様において、蛍光タンパク質以外の標的タンパク質は、細胞周期、細胞の分化、細胞の癌化、細胞の老化および、生物時計に関わるタンパク質からなる群から選択される1つまたは2つ以上のタンパク質である。これらの生物現象に関わるタンパク質は、経時的におよび/または細胞の状態等によって、その分子数が変化することが知られている。本発明によれば、これらの生物現象に関わるタンパク質の経時的なタンパク質の分子数の変化をもまた定量することができる。
iii)の場合
また、好ましい態様において、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外のタンパク質である場合、標的タンパク質は当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物により、標的タンパク質の分子数に応じて蛍光を発する。本態様においては、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物は標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合していても、標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体を認識する二次抗体に結合していても、いずれでもよい。本態様においては、標的タンパク質は内因性および外因性のいずれであることも可能である。
「モノクローナル抗体」とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体であり、抗原の単一の抗原決定基を認識する。本発明で使用するモノクローナル抗体は、標的タンパク質との結合性を有するものであればどのようなものでもよい。また「二次抗体」とは、前記モノクローナル抗体を抗原として結合する抗体をいい、モノクローナル抗体であることが好ましい。蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物は、前記モノクローナル抗体に結合していても、二次抗体に結合していてもよいが、抗体の標的タンパク質への結合を妨げないように結合していなければならない。また、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が前記モノクローナル抗体に結合している場合、二次抗体は使用されない。
また、「蛍光化合物」とは、特定の励起波長の光線をあてると、特定の蛍光波長の蛍光を発する化合物である。本発明に使用される蛍光化合物は特に限定されないが、好ましくはFITC(モレキュラープローブ社製)、テキサスレッド(モレキュラープローブ社製)、Cy3およびCy5(ゼネラル・エレクトリック・ヘルスケア社製)である。
「蛍光強度」とは、蛍光タンパク質および/または蛍光化合物に由来する蛍光の強さをいう。蛍光タンパク質および蛍光化合物の1分子あたりの発する蛍光は、その分子の蛍光量子収率等により決まっているために、蛍光強度は蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の分子数を反映していると考えられ、このことは本明細書の実施例により実証されている。
また、上記のような蛍光タンパク質および/または蛍光化合物由来の蛍光の測定は、好ましくは蛍光顕微鏡下で行われる。蛍光顕微鏡写真またはこの画像データのピクセル数をカウントすることにより蛍光の測定を行うこともできる。ただし、これらの画像は蛍光顕微鏡に付属のソフトウェアによりピクセル数が補正されることがあるために、直接的に蛍光強度の値を得ることが望ましい。
2)標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定する工程
本発明の方法は、測定対象となる細胞の周辺に撒布した標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定する工程を含む。
「標準蛍光マイクロビーズ」とは、特定の粒径を有するビーズ(球形の担体)に蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が結合したものである。
ここで「周辺」とは、同一のカルチャーディッシュまたは同一のマルチウェルデッシュのウェルの中の範囲という意味であり、好ましくは、蛍光顕微鏡下の観察で測定対象となる細胞と同一視野に入る範囲内をいう。
また、「撒布」とは、測定対象となる細胞を培養しているカルチャープレート内に標準蛍光マイクロビーズを任意の濃度で添加することであり、好ましくはカルチャープレート内の細胞数の約5倍の粒子数の最終濃度で添加される。
本発明の方法の好ましい態様において、標準蛍光マイクロビーズは、既知分子数の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を担体に固定させたものである。
1つのマイクロビーズに結合している蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数は、以下のようにあらかじめ決定されているものである。即ち、結合している蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数の測定方法は、「IV.標準蛍光マイクロビーズの作成方法」の項目で詳述されるが、例えば以下のように行われる:i)濃度および分子数が判明している蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物溶液と粒子数が判明している担体溶液とを、緩衝液中で混合する;ii)担体と蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の結合したビーズを分離した後、緩衝液中に残存する未結合の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物量蛍光強度を測定する;そして、iii)ii)で測定した蛍光強度から未結合の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の量を決定し、1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の分子数を算出する。この際、あらかじめ緩衝液中の蛍光強度と蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の分子数についての検量線を作成しておき、これに基づいて未結合の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の量を決定することが望ましい。
好ましい態様において、蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を結合する担体の粒子径が0.5〜10μmであり、好ましくはおよそ3μmである。
本発明の標準蛍光マイクロビーズに使用される蛍光タンパク質または蛍光化合物は、標的タンパク質が蛍光タンパク質の場合には、直接的に比較することが可能なため、同種の蛍光タンパク質であることが望ましい。また、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外であって、当該標的タンパク質が蛍光タンパク質と融合するように構築されている場合はもまた、直接的に比較することが可能なため、同種の蛍光タンパク質であることが望ましい。さらに、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外であって、当該標的タンパク質がモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物により認識される場合、直接的に比較することが可能なため、同種の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物であることが望ましい。
しかしながら、測定対象となる細胞中の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が、標準蛍光マイクロビーズのものと異なっていたとしても、測定に十分な同程度の蛍光波長を有する場合は、これらを使用することができる。これは例えば、限定するわけではないが、測定対象となる細胞の標的タンパク質がEGFP(蛍光波長:およそ510nm)であり、標準蛍光マイクロビーズに結合する化合物がFITC(蛍光波長:およそ520nm)のような場合である。ただし、このような場合は、後述するように得られた蛍光強度を補正することが必要となる。
標準蛍光マイクロビーズに使用される蛍光タンパク質は、特に限定されないが、好ましくはGFP、CFP、RFPおよびYFPからなる群から選択される1つまたは2つ以上の蛍光タンパク質であり、さらに好ましくはGFPである。ここで、GFP、CFP、RFPおよびYFPは天然由来ものでもよいが、上述したように、天然のアミノ酸配列に1または数個のアミノ酸の欠失、置換および/または付加を有するものも含まれる。例えば、哺乳動物細胞での使用を考慮してコドン使用パターンが哺乳動物型に置換されている変異体等(GFPに対するEGFP)や、担体との結合を容易にするような修飾体、例えばHis6量体タグの付加等、も使用されうる。
また、担体に固定させる蛍光タンパク質は、好ましくは1〜140万分子であるが、測定対象となる細胞の蛍光強度に応じて、これ以上の分子であってもよい。また、担体に固定させる蛍光タンパク質は、さらに好ましくはおよそ1000、2000、5000、10000、20000、60000、153000、または1394000分子である。
また、標準蛍光マイクロビーズに使用される蛍光化合物は、特に限定はされないが、好ましくはFITC、テキサスレッド、Cy3およびCy5からなる群から選択される1つまたは2つ以上の蛍光化合物である。また、担体に固定させる蛍光化合物の分子数が、1〜1000万分子である。
標準蛍光マイクロビーズに蛍光化合物を使用した場合、測定対象となる細胞中の標的タンパク質を認識する蛍光物質は、好ましくは蛍光化合物であり、さらに好ましくは同種の蛍光化合物である。即ち、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外であって、当該標的タンパク質がモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物により認識される場合が望ましい。しかしながら、測定対象となる細胞中の標的タンパク質を認識する蛍光物質が蛍光タンパク質であったとしても、測定に十分な同程度の蛍光波長を有する場合は、これらを使用することができる。ただし、このような場合は、後述するように得られた蛍光強度を補正することが必要となる。
本発明の方法の好ましい態様において、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を結合する担体は、アガロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリカ、または金属であり、さらに好ましくは、Ni−NTAアガロースである。また、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物と担体を結合する方法は、NiとHis6量体とのアフィニティ、化学結合、またはジスルフィド結合であり、好ましくは、NiとHis6量体とのアフィニティである。これらの結合様式を達成するために、蛍光タンパク質は、例えばHis6量体タグが付加するような修飾を有したり、蛍光タンパク質のアミノ酸残基が1または数個のシステイン残基に置換および/または付加されていてもよい。
3)1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光強度と、2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する工程
本発明の方法は、測定対象となる細胞の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物由来の蛍光強度と、標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する工程を含む。
本工程の蛍光強度の比較はいずれの方法によってもよいが、好ましくは比較される2つの蛍光強度は同種の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する。
また、本工程の好ましい態様において、蛍光が同種の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する場合、1細胞あたりの標的タンパク質の分子数は、以下の式Iにより算出される。
1細胞あたりの蛍光強度は、好ましくは、1細胞の平均蛍光強度と細胞面積の積で求める。
1ビーズあたりの蛍光強度は、複数個の標準蛍光マイクロビーズの平均蛍光強度と1ビーズあたりのビーズ面積の積で求められる。ここで、ビーズ間の蛍光強度の誤差を少なくするために複数個の標準蛍光マイクロビーズ、好ましくは4〜10個、最も好ましくは8個のビーズで蛍光強度の平均をとり、この平均値を採用する。
また、本発明の標準蛍光マイクロビーズは、限定されるわけでないが、以下の「IV.標準蛍光マイクロビーズの作成方法」の項目に記載するように作成されたものを利用することができる。標準蛍光マイクロビーズは、それに結合している蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数はあらかじめ定量されている。
測定対象となる細胞中の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の蛍光と標準蛍光マイクロビーズの蛍光が、異なる蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する場合であっても、測定に十分な同程度の蛍光波長を有する場合は本発明に含まれる。例えば、限定するわけではないが、測定対象となる細胞の標的タンパク質がEGFP(蛍光波長:およそ510nm)であり、標準蛍光マイクロビーズに結合する化合物がFITC(蛍光波長:およそ520nm)のような場合である。このような場合であっても、上記算出式に各蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の蛍光量子収率を補正した計算式を加えることにより、標的タンパク質の分子数を定量することができる。例えば、上記の例において、蛍光量子収率は、EGFPが0.70であり、FITCが0.59であることから、以下の式
・FITCを使用した1ビーズあたりの蛍光強度÷FITCの蛍光量子収率(0.59)×EGFPの蛍光量子収率(0.70)
の解を、「EGFPを使用した1ビーズあたりの蛍光強度」として使用することができる。ただし、使用される蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物ごとの分子吸光効率が高い場合にはこれを考慮しなければならない。ここで「蛍光量子収率」とは、吸収された光子数と放出された光子数の割合であり、多くの蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物について蛍光量子収率は公知であるし、未知であったとしても当該技術分野の慣用技術を用いてこれを測定することができる。また「分子吸光効率」とは、一定の波長の光に対する蛍光物質の吸収の強さをいう。
また、本発明の方法は、1種類の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を結合した標準蛍光マイクロビーズを2種類以上同時に使用することにより、同時に2種類以上の標的タンパク質の定量を行うことが可能である。これは、2種類以上の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が互いに異なる蛍光波長を有するような場合に実行可能である。このような場合は、測定対象となる細胞中の2種類以上の標的タンパク質が発するそれぞれの蛍光波長に応じて、使用する標準蛍光マイクロビーズを適宜選択する。好ましくは、2種類以上の標的タンパク質の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物由来の蛍光波長と、対応する標準蛍光マイクロビーズの蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の蛍光波長は、測定に十分な同程度の蛍光波長を数する。さらに好ましくは、2種類以上の標的タンパク質の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物と、対応する標準蛍光マイクロビーズの蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物は同じである。
また同様にして、本発明の方法は、2種類以上の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が結合した標準蛍光マイクロビーズを使用することにより、同時に2種類以上の標的タンパク質の定量を行うことも可能である。
また、好ましい態様において、標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光化合物に由来する蛍光の強度を測定し、そして、標準蛍光マイクロビーズは、既知分子数の蛍光化合物を担体に固定させたものである。本態様においては、標的タンパク質由来の蛍光および標準蛍光マイクロビーズ由来の蛍光がいずれも蛍光化合物由来である。これらの蛍光化合物は異なることも可能であるが、好ましくは同種の化合物である。蛍光化合物が異なる場合は、測定に十分な同程度の蛍光波長を両蛍光化合物が放出するならば、上述したように、本発明の方法により標的タンパク質の分子数を定量することが可能である。
また、本工程の好ましい態様において、測定対象となる細胞内における、蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の蛍光の強度と、標準蛍光マイクロビーズの蛍光の強度との測定が、蛍光顕微鏡の同一視野で行われる。これは、蛍光顕微鏡下での測定では、測定時間、蛍光ランプの強度、プラスチック器具の温度膨張もしくは収縮による焦点のズレ、または測定場所の照度等の原因により、測定機会ごとに測定値がばらつくことが予測されるからであり、両蛍光の測定が蛍光顕微鏡の同一視野で行われることが好ましい。
本工程の好ましい態様において、測定対象となる細胞は生細胞である。従来は、標的タンパク質の分子数を定量する方法は、専らウエスタンブロット法などによっており、この方法によると細胞を生きたまま標的タンパク質の分子数を定量することはできなかった。本態様によれば、測定対象となる細胞中の蛍光タンパク質または蛍光化合物の蛍光強度と、標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定することのみで、標的タンパク質の分子数の定量ができるために細胞を生きたまま取り扱うことができる。
また、本工程の好ましい態様において、本発明の方法は標的タンパク質の分子数の定量がリアルタイムに行われる。即ち、本態様においては、同一の細胞について追跡することにより、標的タンパク質の定量を経時的に行うことができる。上述のように、蛍光強度を測定することのみにより標的タンパク質の分子数を定量することができるため、同じ細胞試料に対して時間を追った標的タンパク質の発現解析が可能となる。この場合、所望の測定時間ごとに手動で蛍光顕微鏡下で蛍光を測定しても、所望の測定時間ごとに自動的に蛍光を測定する機械を使用してもよい。
II.標準蛍光マイクロビーズおよびその使用
本発明は、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、上記標的タンパク質の分子数を定量する方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズおよびその使用を提供する。
ここで、標準蛍光マイクロビーズとは、上述の 2)標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定する工程中の定義と同じであり、本発明ではこれを、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とし、上記標的タンパク質の分子数を定量する方法に使用する。
既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を担体に固定する方法は、以下の「VI.標準蛍光マイクロビーズの作成方法」の項目および実施例を参照されたい。
また、担体に固定されている蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を定量する方法は、上述の通りであり、さらに実施例においても例示される。当該標準蛍光マイクロビーズを本発明の定量方法に使用することにより、測定対象となる細胞における、蛍光強度と分子数の関係が明らかとなり、標的タンパク質の分子数を定量することが可能となる。
III.標準蛍光マイクロビーズセットおよびその使用
本発明は、上記標的タンパク質の分子数を定量する方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズのセットであって、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の数が異なる複数種類のマイクロビーズを含む、前記セットおよびその使用を提供する。
細胞内におけるタンパク質の分子数は、そのタンパク質をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターの種類、細胞周期、細胞の分化状態、または細胞の置かれる環境等により変化することが知られている。ここで、細胞における標的タンパク質に由来する蛍光が、標準蛍光マイクロビーズに由来する蛍光よりも著しく強いまたは弱い場合には、本発明の標的タンパク質の分子数を定量する方法により同定された分子数が正確なものではない可能性が生じうる。そのため、本発明は、細胞内に存在する標的タンパク質の分子数に応じて使用するために、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の数が異なる複数種類のマイクロビーズのセットを提供する。
「複数種類のマイクロビーズのセット」とは、好ましくは2〜12種類、さらに好ましくは4〜10種類、最も好ましくは、9種類の結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の数が異なる標準蛍光マイクロビーズを含むセットである。これら標準蛍光マイクロビーズのセットは、特定対象となる細胞の蛍光強度に応じて、1ないし3個程度の標準蛍光マイクロビーズをセットから適宜選択し使用することができる。
好ましくは、本発明の標準蛍光マイクロビーズのセットは、1担体あたり1〜140万分子の蛍光タンパク質または1〜1000万分子の蛍光化合物の範囲内にある、複数種類の標準蛍光マイクロビーズを含む。
IV.標準蛍光マイクロビーズの作成方法
また、本発明は、既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、標準蛍光マイクロビーズの作成方法を提供する。
本発明の方法は、
(1)所期の量の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を所期の量の担体と混合し、
(2)未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の量を測定し、そして、
(3)1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を算出することを含む。
(1)所期の量の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を所期の量の担体と混合する工程
蛍光タンパク質の量は当該技術分野で公知のアッセイにより測定することが可能であり、蛍光強度と蛍光タンパク質の量との関係が判明していれば、蛍光強度を測定することにより測定可能である。また、蛍光化合物の量は、市販の製品であればラベルに記載の情報から知ることもでき、蛍光強度と蛍光化合物量との関係が判明していれば、蛍光タンパク質同様、蛍光強度を測定することにより測定可能である。
また、担体の量は平均粒径や質量等から、当該技術分野の通常の知識により決定することができ、市販の製品であればラベルに記載の情報から知ることもできる。本発明の方法の好ましい態様において、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を結合する担体は、アガロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリカ、または金属であり、さらに好ましくは、Ni−NTAアガロースである。
本工程では、所期の量の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を所期の量の担体と混合することにより、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物と担体を結合させる。好ましくは、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物と担体を結合する方法は、NiとHis6量体とのアフィニティ、化学結合、またはジスルフィド結合である。これらの結合様式を達成するために、蛍光タンパク質は、例えばHis6量体タグが付加するような修飾を有したり、蛍光タンパク質のアミノ酸残基が1または数個のシステイン残基に置換および/または付加されたりしていてもよい。
(2)未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の量を測定する工程
(1)の工程に次いで、蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を結合した担体は、例えば遠心分離などの方法により上清と分離される。担体に結合しなかった蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の量は、(1)の工程の測定方法と同様の方法により測定されうる。好ましくは、あらかじめ使用された蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の蛍光強度と量の関係を示す検量線を作成しておき、これに基づいて算出される。
(3)1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を算出する工程
(1)の工程で使用した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数および担体の粒子数と、(2)の工程で決定した担体に未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を用いて、以下の算出式により1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を算出することができる:
・{(1)の工程で使用した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数 − (2)の工程で決定した担体に未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数}÷(1)の工程で使用した担体の粒子数
本発明により、細胞内の特定タンパク質を簡便に定量化できることによって、タンパク質の動態を定量的に解析することが可能となる。たとえば、シグナル伝達分子の動態解析を定量的に行うことによって、癌など、シグナル伝達の異常によって起こる疾患の分子メカニズムをより詳細に解明することが可能となり、新たな創薬ターゲットの発見に繋がることが期待される。
以下、実施例によって本発明を説明するが、実施例は例証のためのものであり、本発明を制限するものではない。本発明の範囲は、請求の範囲の記載に基づいて判断される。さらに、当業者は本明細書の記載に基づいて、容易に修正、変更を加えることが可能である。
実施例1 標準蛍光マイクロビーズの作成方法
高度に精製された6×His Tag融合EGFPタンパク質(以下EGFPと略す)をPIERCE社のBCA Compat−Able Protein Assay Kitによって正確に定量し、24.2μg/μlの50mM Tris (pH8.0) EGFP懸濁溶液を調製した。さらに、この終濃度が5,1,0.1,0.01,0.001μg/μlとなるようにTris−tween緩衝液(終濃度50mM Tris pH8.0, 0.05% Tween20, 0.05% アジ化ナトリウム)に懸濁した。
6×His Tag融合EGFPを固定するビーズはMicromer社のMicromer Ni−NTA 平均粒径3μm(3.4×10粒子/ml)を用いた。表1に示したように既知濃度のEGFPと既知粒子数のMicromer Ni−NTA 200μl(6.8×10粒子)を遮光条件下4℃で一晩混合した。翌日、微量高速遠心機(6000rpm、4℃、5分間)で遠心を行い、上清とビーズを分離した。未結合の6×His EGFPの濃度は、EGFP濃度100ng/μl〜50pg/μlの間で11段階の希釈溶液を日立ハイテクノロジー社製蛍光光度計F−3000(励起光 488 nm)もしくは、富士フィルム社製蛍光アナライザーFLA−5000(励起光 473 nm)で蛍光強度を測定した結果得られた検量線に基づいて算出した。分離したビーズはTris−Tween緩衝液にて2回洗浄を行い、最後にPBS緩衝液200μlに溶解させたものを標準蛍光マイクロビーズとした。なお、1ビーズあたりに結合している6×His EGFPは表1で示したような概算値となった。
実施例2 蛍光マイクロビーズの蛍光強度の直線性
実施例1で作製した標準蛍光マイクロビーズ1〜9もしくは、PBS緩衝液でビーズ濃度を5倍希釈したもの各80μlをBDファルコン社製 Microtest 96 well Assay Plateに分注した後、富士フィルム社製蛍光アナライザーFLA−5000(励起光 473nm)で蛍光強度を測定しプロットした(図1および2)。希釈せずに測定した結果からは1ビーズあたりのEGFPが1000〜20000分子数の間で、5倍希釈したものでは1394000分子数まで蛍光強度との高い直線性が確認できた。このことから、EGFPの分子数と蛍光強度との間には一定の比例関係があることが示唆された。
実施例3 生細胞内で発現しているEGFPの定量例
EGFPを発現している細胞は、ヒト子宮由来Hela細胞の染色体上にCMV(サイトメガロウィルス)もしくはEF1−α(ヒト伸長因子)由来のプロモーター制御下のEGFP発現カセットが複数個挿入された安定形質転換細胞を用いた。これらの細胞を1ウェルあたり1×10細胞/ウェルとなるように、旭テクノガラス社製EZ Viewカルチャープレートに継代を行い、2日後細胞が接着していることを確認した後、培地を蛍光観察に適したPBS緩衝液に置き換えた。
実施例1で作製した標準蛍光マイクロビーズ1〜9をPBS緩衝液で50倍希釈(6.8×10粒子/ml)して各ウェルに20μlを添加し、ビーズが底面に沈むまで10分程度放置して細胞と蛍光マイクロビーズの蛍光顕微鏡観察及び画像取得行った。使用した蛍光顕微鏡、冷却CCDカメラ、解析ソフトについては表2に示す。
画像はすべて16bit非圧縮画像として取得した。取得した画像からImage J ver. 1.29を用いて任意にビーズ8個、細胞3個の蛍光強度を解析した。使用した標準蛍光マイクロビーズ1〜9のうち、標準蛍光マイクロビーズ1が本実施例に使用した細胞の蛍光強度に最も近かったために、これを採用して以下の実験を行った。CMV−EGFP安定形質転換細胞と標準蛍光マイクロビーズ1の撮影像(図3)、およびEF1−α−EGFP安定形質転換細胞と標準蛍光マイクロビーズ1の撮影像(図4)、並びにそれらの解析例(表3)を示した。ここで、図3および4の撮影像は、画像解析ソフトによる自動補正後の解析像であり、各ビーズおよび細胞の正しい蛍光強度を反映しているのは表3の値である。なお、1細胞あたりのEGFP発現分子数は下記の式で算出した。
・1細胞あたりのEGFP発現分子数=(1細胞あたりの蛍光強度)÷(1ビーズあたりの蛍光強度)×(1ビーズあたりに結合しているEGFP分子数)
・1細胞あたりの蛍光強度=1細胞の平均蛍光強度×細胞面積
・1ビーズあたりの蛍光強度=8個の蛍光マイクロビーズの平均蛍光強度×1個あたりのビーズ面積
上記の計算式を元に図3の撮影像中のCMV−EGFP安定形質転換細胞(10,11,12)及び図4の撮影像中のEF1−α−EGFP安定形質転換細胞(10,11,12)のEGFP発現分子数を算出した結果を表4に示す。
実施例4 定量した分子数の検証
また、本実験で得られたEGFP発現分子数が妥当な値であるかを検証するため、ウェスタンブロッティングによるEGFP発現分子数の定量を行った。CMV−EGFP安定形質転換細胞及びEF1−α−EGFP安定形質転換細胞からPIERCE社M−PER Mammalian Protein Extraction Reagent を用いてタンパク抽出を行った。4×10細胞相当のタンパク抽出液とEGFPを5,1,0.5,0.1,0.05,0.01,0.005μg(標準物質)をSDS−PAGEした後、ウェスタンブロッティング(1次抗体:Invitrogen社製 GFP抗血清、2次抗体:アマシャム社製 Anti−rabbit IgG−HRP、検出フィルム:アマシャム社製 Hyper Film MP Enveloped)により検出を行った。フィルムに感光したバンド強度をImage J ver.1.92で計測し、標準物質から得られた検量線をもとに1細胞あたりのEGFP発現分子数を定量した結果についても表4に示す。
蛍光マイクロビーズを用いた本発明の定量法が,ウェスタンブロッティングを用いた定量法とほぼ同じ値となったことからも本方法の有効性が実証できた。
本技術を用いて測定したEGFP安定形質転換細胞の1細胞あたりのEGFP発現分子数は、従来のウェスタン解析で算出した1細胞あたりのEGFP発現分子数とほぼ同等の値を示した。
EGFP分子数と蛍光強度の相関を示す。 EGFP分子数と蛍光強度の相関(5倍希釈の場合)を示す。 CMV−EGFP細胞と蛍光マイクロビーズ1の蛍光顕微鏡写真を示す。 EF1−α−EGFP細胞と蛍光マイクロビーズ1の蛍光顕微鏡写真を示す。

Claims (11)

  1. 測定対象となる細胞に存在する、標的タンパク質の分子数を定量する方法であって、
    1)以下のいずれかの蛍光強度を測定し、
    i)標的タンパク質が蛍光タンパク質の場合に、当該蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、
    ii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質と融合するように構築された蛍光タンパク質に由来する蛍光の強度、または
    iii)標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合に、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する蛍光の強度;
    2)前記細胞の周辺に撒布した標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度を測定し;そして、
    3)1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光強度と、2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光強度とを比較する
    ことを含む、前記方法。
  2. 標準蛍光マイクロビーズが、既知分子数の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を担体に固定させたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 工程1)の蛍光タンパク質または蛍光化合物由来の蛍光と、工程2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光が、同種の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物に由来する場合、標準蛍光マイクロビーズが、既知分子数の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物を担体に固定させたものであり、1細胞当たりの標的タンパク質の分子数を以下の式Iで算出する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 標的タンパク質が蛍光タンパク質以外の場合であって、工程1)において、当該標的タンパク質を認識するモノクローナル抗体に結合した、または当該モノクローナル抗体に結合する二次抗体に結合した蛍光化合物に由来する蛍光の強度を測定し、そして、標準蛍光マイクロビーズが、既知分子数の蛍光化合物を担体に固定させたものである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 測定対象となる細胞が生細胞である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 標的タンパク質の分子数の定量がリアルタイムで行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 測定対象となる細胞内における、工程1)の蛍光タンパク質および/または蛍光化合物の蛍光の強度と、工程2)の標準蛍光マイクロビーズの蛍光の強度の測定を、蛍光顕微鏡の同一視野で行う、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズ。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の方法に使用するための、標準蛍光マイクロビーズのセットであって、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数が異なる複数種類のマイクロビーズを含む、前記セット。
  10. 既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、標準蛍光マイクロビーズ、あるいは、結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数が異なる複数種類のマイクロビーズのセットの、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法への使用。
  11. 既知分子数の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物が担体に固定されていることを特徴とする、標準蛍光マイクロビーズの作成方法であって、
    1)所期の量の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物を所期の量の担体と混合し、
    2)未結合の蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の量を測定し、そして、
    3)1ビーズあたりに結合した蛍光タンパク質もしくは蛍光化合物の分子数を算出することを含む、前記作成方法。
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