JP2001036122A - 太陽電池モジュール熱処理装置及び太陽電池モジュール熱処理方法 - Google Patents

太陽電池モジュール熱処理装置及び太陽電池モジュール熱処理方法

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JP2001036122A JP11206566A JP20656699A JP2001036122A JP 2001036122 A JP2001036122 A JP 2001036122A JP 11206566 A JP11206566 A JP 11206566A JP 20656699 A JP20656699 A JP 20656699A JP 2001036122 A JP2001036122 A JP 2001036122A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モジュール本体を熱処理するための装置の大
型化を招くこと無しに、生産体積当たりの処理枚数を高
め、これによって、太陽電池モジュールの生産効率の向
上を図る。 【解決手段】 オーブン7のケーシング8内に上下方向
に所定空間を存して複数枚のモジュール本体を重ね合わ
せて収容する。ケーシング8から取り出した気体を加熱
圧送するモジュール加熱手段9を設ける。モジュール加
熱手段9に、各モジュール本体同士の間の空間に向けて
高温気体を噴射する噴射ノズル94を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池モジュール
熱処理装置及び太陽電池モジュール熱処理方法に係る。
特に、太陽電池セルを板ガラスに接着封止するためのE
VA(エチレンビニルアセテート)樹脂フィルム等で成
るラミネート材を架橋反応させるための装置及び方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平10−2792
0号公報に開示されているように、一般的な太陽電池モ
ジュールは、太陽電池セルがEVA樹脂フィルム等のラ
ミネート材によって板ガラスに接着封止されている。
【0003】図1は太陽電池モジュール1を示してい
る。この図に示すように、太陽電池モジュール1は、モ
ジュール本体2の外縁がモジュールフレーム3に支持さ
れた構成となっている。図2はモジュール本体2の断面
構造を示している。この図のように、モジュール本体2
は、インタコネクタ付きの太陽電池セル4がEVA樹脂
フィルムで成るラミネート材5によって板ガラス6に接
着封止されている。このラミネート材5により、太陽電
池セル4と板ガラス6との接着力を十分に確保すると共
に、外部からの衝撃等から太陽電池セル4を保護してい
る。このようなラミネート材5の機能は、ラミネート工
程の後の熱処理によるEVA樹脂の架橋反応によって得
られるものである。
【0004】この熱処理は、1つのモジュール本体当た
り比較的長い時間(例えば30〜50分)を要する。こ
のため、太陽電池モジュール1の生産効率を高めるため
に、この熱処理を行う装置としては、複数のモジュール
本体を同時に熱処理可能な多段式のオーブンが使用され
ている。
【0005】また、この架橋反応はモジュール本体2の
加熱温度によって進行度合いが左右されるため、熱処理
時のモジュール本体2の温度分布は均一であることが要
求される。例えば、モジュール本体2の温度分布のばら
つきを±5℃までの範囲に抑える必要がある。この温度
分布のばらつきが大きい場合、架橋反応が部分的に遅れ
たり、部分的に進み過ぎたりすることがある。架橋反応
が遅れた部分では熱処理後のEVA樹脂の硬化不足が懸
念される。逆に、架橋反応が進み過ぎた部分ではEVA
樹脂が黄変するなどの不具合が生じてしまう。
【0006】従って、この温度分布を均一にするため
に、多段式のオーブンの各段の間隔を十分に確保し(例
えば20〜30cm)、オーブン内で循環する加熱気体
(空気等)を各段の間に偏流無く流すようにしていた。
つまり、各段の間隔が狭い場合(例えば20cm以下の場
合)には、加熱された気体がモジュール本体の中央部に
十分に行き渡らず、モジュール本体の周辺部の温度が高
く、中央部の温度が低くなるといった状況を招いてしま
い、上記不具合を引き起こしてしまう。このような状況
を回避するため、各段の間隔を十分に確保していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、太陽電池モ
ジュールの生産効率を更に高めるためには、オーブン内
の段数を多くして多数枚のモジュール本体を同時に熱処
理可能とすることが必要である。
【0008】しかし、上記の温度分布の均一化を維持し
ながら(各段の間隔を十分に確保しながら)多数枚のモ
ジュール本体を熱処理可能とするためには、オーブンの
大型化を招かざるを得ない。
【0009】これでは、オーブンの設置に要する空間が
大きく必要になり、生産体積当たりの(生産工場内の単
位スペース当たりの)処理枚数を高めることはできな
い。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、モジュール本体を熱
処理するための装置の大型化を招くこと無しに、生産体
積当たりの処理枚数を高め、これによって、太陽電池モ
ジュールの生産効率の向上を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するために、本発明は、オーブン内に収
容した複数枚のモジュール本体に対して高温気体を噴射
することによって各モジュール本体それぞれを全体に渡
って均一に加熱できるようにしている。
【0012】−解決手段− 具体的に、本発明が講じた手段は、太陽電池セルを樹脂
製ラミネート材によってラミネートして成るモジュール
本体の複数枚を、ケーシング内において所定間隔を存し
て重ね合わせ、これらモジュール本体に対して熱処理を
行って樹脂製ラミネート材に架橋反応を行わせる太陽電
池モジュール熱処理装置を前提とする。この太陽電池モ
ジュール熱処理装置に対し、ケーシング内の各モジュー
ル本体に向けて高温気体を噴射するモジュール加熱手段
を備えさせている。
【0013】この特定事項により、モジュール本体同士
の間隔寸法を小さくしても、このモジュール本体同士の
間の空間に高温気体が噴射されることにより、これらモ
ジュール本体の全体を均一に加熱することが可能にな
る。従って、装置の大型化を招くこと無しに、多数枚の
モジュール本体を同時に熱処理することが可能となる。
【0014】また、モジュール加熱手段は、各モジュー
ル本体の中央部に向かって高温気体を噴射するものであ
る。このため、従来の構成では十分な加熱が難しかった
モジュール本体の中央部に対しても十分に温風を流して
加熱することが可能になる。
【0015】また、モジュール加熱手段は、ケーシング
内から高温気体を取り出す取出配管と、ケーシング外に
配設され取出配管により取り出された高温気体を圧送す
る圧送手段と、この圧送手段により圧送された高温気体
をケーシング内に戻す戻し配管と、この戻し配管の下流
端に設けられて各モジュール本体に向けて高温気体を噴
射する噴射ノズルとを備えている。上記圧送手段をケー
シング外に配設したことにより、この圧送手段はケーシ
ング内の高温気体に晒されることはない。このため、圧
送手段の故障発生要因の削減及びメンテナンスの利便性
を確保することができる。
【0016】更に、上記圧送手段には、取出配管により
取り出された気体を所定温度まで加熱する加熱手段が備
えられている。また、噴射ノズルから噴射する高温気体
の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の
出力を受けこの高温気体の温度が所定の熱処理温度にな
るように加熱手段の加熱量を制御する加熱制御手段とを
備えさせている。このため、ケーシングから取り出され
た高温気体が外気によって冷却されて温度低下した場合
であっても、圧送手段に備えられた加熱手段によりこの
気体は加熱され、各モジュール本体の加熱温度が低下し
てしまうことはない。また、温度検出手段によって噴射
ノズルから噴射する高温気体の温度が検出されており、
この温度が一定になるように加熱手段の加熱量が制御さ
れているため、各モジュール本体の加熱温度は常に最適
に維持される。
【0017】また、噴射ノズルは、筒状に形成されてお
り、モジュール本体に対面する曲面にスリット状の噴射
孔が形成されている。このため、噴射孔から噴射された
高温気体をモジュール本体の略全面に亘って拡散させる
ことができ、モジュール本体全体をばらつき無しに加熱
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】−架橋用オーブンの説明− 図3は本形態に係る太陽電池モジュール熱処理装置とし
ての架橋用オーブン7を示している(この図3では、内
部に収容されるモジュール本体2を省略している)。こ
のオーブン7は、EVA樹脂フィルムにより成るラミネ
ート材5(図2参照)によって太陽電池セル4をラミネ
ートして成るモジュール本体2の熱処理を行うためのも
のである。つまり、このオーブン7は、ラミネート工程
の後、モジュール本体2をオーブン7内に収容し、熱処
理によりEVA樹脂の架橋反応を行わせるものである。
以下、このオーブン7の構成について説明する。
【0020】図3に示すように、このオーブン7は、直
方体状のケーシング8と、温風循環用のモジュール加熱
手段9とを備えている。
【0021】上記ケーシング8は、平面視形状が、熱処
理されるモジュール本体2,2,…の平面形状に略一致
している。このケーシング8の一つの面(図1における
手前側の面)には、このケーシング8内にモジュール本
体2を投入するための投入孔81が形成されている。図
4に示すように、ケーシング8の内部には、この投入孔
81から投入されたモジュール本体2をケーシング8内
の所定位置に移動させるためのリフタ82が備えられて
いる。このリフタ82は、上下方向に並設された複数の
棚部材83,83,…と、これら棚部材83,83,…
を昇降させる図示しない昇降機構とを備えている。つま
り、投入孔81からケーシング8内にモジュール本体2
が供給された際(図4の矢印A参照)、このモジュール
本体2が載置された1つの棚部材83のみが上昇移動
(図4の矢印B参照)するようになっている。図4は、
5枚のモジュール本体2,2,…それぞれが棚部材8
3,83,…に載置され、これら棚部材83,83,…
が上昇位置にある状態を示している。また、各棚部材8
3,83,…は、その上昇位置において、それぞれに載
置されているモジュール本体2,2,…同士の間に所定
間隔Sを存するようになっている。このモジュール本体
2,2,…同士の間の間隔Sの高さ寸法は例えば5cmに
設定されている。
【0022】モジュール加熱手段9は、図3に示すよう
に、ケーシング8内から高温気体を取り出す取出配管9
1と、上記ケーシング8の外部に配設され、取出配管9
1により取り出された高温気体を圧送する圧送手段とし
ての循環ポンプ92と、この循環ポンプ92により圧送
された高温気体をケーシング8内に戻す戻し配管93
と、この戻し配管93の下流端に設けられてモジュール
本体2に向けて高温気体を噴射する噴射ノズル94とを
備えている。
【0023】取出配管91の上流端(取り出し側の端
部)はケーシング8の側面下端に接続している。
【0024】循環ポンプ92は、内部に図示しない電気
ヒータを備えており、取出配管91から供給された空気
を所定温度まで加熱するようになっている。
【0025】戻し配管93は、上記投入孔81の下側の
ケーシング8の側壁を貫通してケーシング8の内部の底
面近傍を延びている。
【0026】噴射ノズル94は、戻し配管93の下流端
に接続し、上下方向に延び且つ上端面が閉塞された円筒
状の容器で形成されている。この噴射ノズル94は、図
4及び図5に示すように、ケーシング8内にモジュール
本体2,2,…が収容された状態で、これらモジュール
本体2,2,…の幅方向の中央部に対向する位置に配設
されている。また、この噴射ノズル94の側面には複数
の噴射孔95,95,…が形成されている。これら噴射
孔95,95,…の形成位置は、各モジュール本体2,
2,…同士の間に形成されている空間S,S,…に対向
する位置に設定されている。また、最上部に位置する噴
射孔95は、最上部に配置されたモジュール本体2上面
と略同じ高さ位置に形成されている。同様に、最下部に
位置する噴射孔95は、最下部に配置されたモジュール
本体2下面と略同じ高さ位置に形成されている。これに
より、ケーシング8内に収容された全てのモジュール本
体2,2,…の上面及び下面に沿って噴射孔95,9
5,…から温風を噴射できるようになっている。また、
噴射孔95,95,…は、湾曲面で成る噴射ノズル94
の側面に形成されているため、噴射された高温気体をモ
ジュール本体2の略全面に亘って拡散させることがで
き、モジュール本体2全体をばらつき無しに加熱するこ
とができるようになっている。また、この噴射ノズル9
4は、モジュール本体2,2,…の幅方向の中央部に対
向する位置に配設されているので、各噴射孔95,9
5,…からの温風はモジュール本体2,2,…中央部を
重点的に加熱するように噴射される。
【0027】図6に示すように、噴射ノズル94の一つ
の噴射孔(例えば最上部に位置する噴射孔)95には温
度検出手段としての熱電対96が設けられ、噴射孔95
から噴射される温風の温度をこの熱電対96が検出する
ようになってる。
【0028】本オーブン7には、リフタ82や循環ポン
プ92の駆動動作を制御するためのコントローラ71が
備えられている(図3参照)。このコントローラ71に
は、上記循環ポンプ92に備えられた電気ヒータの加熱
量を制御するための加熱制御手段72が備えられてい
る。この加熱制御手段72は、上記熱電対96の温度検
出信号を受け、それに応じて電気ヒータの加熱量を制御
するようになっている。つまり、噴射孔95から常に一
定温度(例えば140〜160℃の間の所定温度)の温
風が噴射されるようになっている。
【0029】−熱処理動作の説明− 次に、上述の如く構成されたオーブン7を利用したモジ
ュール本体2の熱処理動作について説明する。
【0030】先ず、オーブン7内へのモジュール本体2
の投入動作について説明する。この動作では、前工程で
太陽電池セル4にラミネート材5がラミネートされ且つ
板ガラス6が重ね合わされて成る各モジュール本体2,
2,…が投入孔81から連続的にケーシング8内に投入
される。つまり、投入孔81からケーシング8内にモジ
ュール本体2が投入された際、このモジュール本体2が
載置された1つの棚部材83のみが上昇移動する。この
ようにしてモジュール本体2の投入と棚部材83の上昇
とが交互に連続して行われ、図4に示すように、各モジ
ュール本体2,2,…同士の間に所定高さ寸法の空間S
を存した状態で、これらモジュール本体2,2,…が上
下方向に重ね合わされる。
【0031】モジュール加熱手段9の循環ポンプ92は
常に駆動状態にある。このため、循環ポンプ92の駆動
により、取出配管91によりケーシング8から取り出さ
れた空気が循環ポンプ92により圧送され、戻し配管9
3を経て噴射ノズル94の各噴射孔95,95,…より
各モジュール本体2,2,…の上下各面に沿って噴射さ
れる(図3に破線で示す矢印C参照)。また、循環ポン
プ92内の電気ヒータは通電されており、この循環する
空気が所定温度まで加熱され、これによって各モジュー
ル本体2,2,…が加熱される。この温風噴射による加
熱に伴いEVA樹脂が架橋反応し、太陽電池セル4はラ
ミネート材5によって板ガラス6に接着封止される。
【0032】この熱処理動作において、噴射ノズル94
の一つの噴射孔95に設けられた熱電対96からの温度
検出信号が、加熱制御手段72に送信される。加熱制御
手段72は、上記検出温度が所定温度になるように電気
ヒータの加熱量を制御する。つまり、ケーシング8から
取り出された空気が取出配管91を流れる間に外気によ
り冷却されて温度低下した場合であっても、電気ヒータ
によって加熱されることにより、噴射ノズル94の各噴
射孔95,95,…から噴射される温風温度は常に一定
に維持されることになる。このため、各モジュール本体
2,2,…は常に安定した温度で熱処理される。
【0033】この熱処理動作が所定時間行われた後、完
成品としての複数のモジュール本体2,2,…が得られ
る。
【0034】−実施形態の効果− 以上説明したように、本形態によれば、ケーシング8内
に収容された各モジュール本体2,2,…の上下各面に
沿って温風を噴射し、これによって各モジュール本体
2,2,…を加熱してEVA樹脂の架橋反応を行うよう
にしている。このため、各モジュール本体2,2,…の
全体を均一に加熱することができる。特に、従来のオー
ブンでは十分な加熱が難しかったモジュール本体2の中
央部に対しても十分に温風を流して加熱することができ
るので、モジュール本体2の全体に亘って均一に架橋反
応が行われる。その結果、モジュール本体2の一部分の
架橋反応が遅れてその部分に硬化不足が発生したり、モ
ジュール本体2の一部分の架橋反応が進み過ぎてその部
分が黄変するなどといった不具合を回避することができ
る。このように、各モジュール本体2,2,…の各面に
対して強制的に温風を流すようにしているため、EVA
樹脂の架橋反応を良好に行うことを可能にしながらも、
モジュール本体2,2同士の間の空間S(温風を流すた
めの空間)を狭くすることができる。従って、オーブン
7の大型化を招くこと無しに、オーブン7内の段数を多
くして多数枚のモジュール本体2,2,…を同時に熱処
理可能とすることができる(例えば、従来のものに比べ
て4〜5倍の枚数を処理することができる)。その結
果、生産体積当たりの処理枚数を高めることができ、こ
れによって、太陽電池モジュール1の生産効率の向上を
図ることができて、太陽電池モジュール1のコストダウ
ンが図れる。
【0035】また、本形態では、循環ポンプ92をケー
シング8外に設置している。このため、この循環ポンプ
92がケーシング8内の高温気体に晒されることはな
い。このため、循環ポンプ92の故障発生要因が削減で
き、長寿命化を図ることができる。また、循環ポンプ9
2のメンテナンスの利便性も向上する。
【0036】−その他の実施形態− 上述した実施形態では、ラミネート材5としてEVA樹
脂フィルムを採用したが、本発明はこれに限らず他の樹
脂材料を使用してもよい。
【0037】また、オーブン7のケーシング8内に収容
したモジュール本体2,2,…同士の間隔は5cmに設定
したが、本発明はこれに限らず、各モジュール本体2,
2,…を均一に加熱できる範囲であれば、これよりも小
さい値に設定してもよい。
【0038】更に、噴射ノズル94の形状は上述したも
のに限らず、モジュール本体2,2同士の間の各空間
S,S,…それぞれ対応して独立配置した複数の噴射ノ
ズルを備えさせるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ケーシング内に収容した複数枚のモジュール本体に対し
て高温気体を噴射することによって各モジュール本体そ
れぞれを全体に渡って均一に加熱できるようにしてい
る。このため、ラミネート材の架橋反応を良好に行うこ
とを可能にしながらも、モジュール本体同士の間の空間
を狭くすることができる。従って、装置の大型化を招く
こと無しに、ケーシング内の段数を多くして多数枚のモ
ジュール本体を同時に熱処理可能とすることができる。
その結果、生産体積当たりの処理枚数を高めることがで
き、これによって、太陽電池モジュールの生産効率の向
上を図ることができて、太陽電池モジュールのコストダ
ウンが図れる。
【0040】また、各モジュール本体の中央部に向かっ
て高温気体を噴射するようにした場合には、従来の構成
では十分な加熱が難しかったモジュール本体の中央部に
対しても十分に温風を流して加熱することが可能にな
り、モジュール本体の全体に亘って均一に架橋反応を行
わせることができる。その結果、モジュール本体の一部
分の架橋反応が遅れてその部分に硬化不足が発生した
り、モジュール本体の一部分の架橋反応が進み過ぎてそ
の部分が黄変するなどといった不具合を回避することが
できる。
【0041】また、モジュール加熱手段に、取出配管、
圧送手段、戻し配管、噴射ノズルを備えさせ、圧送手段
をケーシング外に配設させた場合には、この圧送手段が
ケーシング内の高温気体に晒されることはない。このた
め、圧送手段の故障発生要因が削減でき、その長寿命化
を図ることができる。また、圧送手段のメンテナンスの
利便性の向上を図ることもできる。
【0042】更に、上記圧送手段をケーシング外に配設
した場合において、この圧送手段に加熱手段を備えさせ
た場合には、ケーシングから取り出された高温気体が外
気によって冷却されて温度低下した場合であっても、加
熱手段によって所定温度に維持することができる。この
ため、各モジュール本体の加熱温度を良好に確保するこ
とができる。また、噴射ノズルから噴射する高温気体の
温度を検出しながら加熱手段の加熱量を制御するように
すれば、常に最適な熱処理温度を維持することができ、
装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0043】また、噴射ノズルを、筒状に形成し、モジ
ュール本体に対面する曲面にスリット状の噴射孔を形成
した場合には、噴射孔から噴射された高温気体をモジュ
ール本体の略全面に亘って拡散させることができ、モジ
ュール本体全体をばらつき無しに加熱することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】太陽電池モジュールを示す図である。
【図2】モジュール本体の断面構造を示す図である。
【図3】実施形態に係るオーブンを示す斜視図である。
【図4】モジュール本体の投入動作を説明するための図
である。
【図5】噴射ノズルからの温風噴射動作を説明するため
の図である。
【図6】熱電対の配設状態を示す図である。
【符号の説明】
1 太陽電池モジュール 2 モジュール本体 4 太陽電池セル 5 ラミネート材 7 オーブン(太陽電池モジュール熱処理装置) 8 ケーシング 9 モジュール加熱手段 91 取出配管 92 循環ポンプ(圧送手段) 93 戻し配管 94 噴射ノズル 95 噴射孔 96 熱電対(温度検出手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池セルを樹脂製ラミネート材によ
    ってラミネートして成るモジュール本体の複数枚を、ケ
    ーシング内において所定間隔を存して重ね合わせ、これ
    らモジュール本体に対して熱処理を行って樹脂製ラミネ
    ート材に架橋反応を行わせる太陽電池モジュール熱処理
    装置において、 上記ケーシング内の各モジュール本体に向けて高温気体
    を噴射するモジュール加熱手段を備えていることを特徴
    とする太陽電池モジュール熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の太陽電池モジュール熱処
    理装置において、 モジュール加熱手段は、各モジュール本体の中央部に向
    かって高温気体を噴射するものであることを特徴とする
    太陽電池モジュール熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の太陽電池モジュ
    ール熱処理装置において、 モジュール加熱手段は、 ケーシング内から高温気体を取り出す取出配管、 上記ケーシング外に配設され、取出配管により取り出さ
    れた高温気体を圧送する圧送手段、 この圧送手段により圧送された高温気体をケーシング内
    に戻す戻し配管、 この戻し配管の下流端に設けられて各モジュール本体に
    向けて高温気体を噴射する噴射ノズルを備えていること
    を特徴とする太陽電池モジュール熱処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の太陽電池モジュール熱処
    理装置において、 圧送手段には、取出配管により取り出された気体を所定
    温度まで加熱する加熱手段が備えられていることを特徴
    とする太陽電池モジュール熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の太陽電池モジュール熱処
    理装置において、 噴射ノズルから噴射する高温気体の温度を検出する温度
    検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、この高温気体の温度が
    所定の熱処理温度になるように加熱手段の加熱量を制御
    する加熱制御手段とを備えていることを特徴とする太陽
    電池モジュール熱処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、4または5記載の太陽電池モ
    ジュール熱処理装置において、 噴射ノズルは、筒状に形成されており、モジュール本体
    に対面する曲面にスリット状の噴射孔が形成されている
    ことを特徴とする太陽電池モジュール熱処理装置。
  7. 【請求項7】 太陽電池セルを樹脂製ラミネート材によ
    ってラミネートして成るモジュール本体の複数枚を、所
    定間隔を存して重ね合わせ、これらモジュール本体に対
    して熱処理を行って樹脂製ラミネート材に架橋反応を行
    わせる太陽電池モジュール熱処理方法において、 上記各モジュール本体に対向して配設された噴射ノズル
    から各モジュール本体に向かって高温気体を噴射するこ
    とにより樹脂製ラミネート材に架橋反応を行わせること
    を特徴とする太陽電池モジュール熱処理方法。
JP20656699A 1999-07-21 1999-07-21 太陽電池モジュール熱処理装置及び太陽電池モジュール熱処理方法 Expired - Fee Related JP3688941B2 (ja)

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