JP2001035716A - 複合材料およびその製造方法 - Google Patents
複合材料およびその製造方法Info
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- H01F1/0036—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 径を細くしても磁化の弱くならない磁気ワイ
ヤーとして使用できる複合材料を提供する。 【解決手段】 延性金属基体と、前記延性金属基体の軸
領域に分散させた永久磁石粒子とバインダー金属を備
え、前記延性金属基体およびバインダー金属が非磁性体
である複合材料を用いる。
ヤーとして使用できる複合材料を提供する。 【解決手段】 延性金属基体と、前記延性金属基体の軸
領域に分散させた永久磁石粒子とバインダー金属を備
え、前記延性金属基体およびバインダー金属が非磁性体
である複合材料を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延性金属材料と永
久磁石粒子を組合せた複合材料に関し、特に延性金属基
体の軸領域に永久磁石粒子を分散させた複合材料に係わ
る。
久磁石粒子を組合せた複合材料に関し、特に延性金属基
体の軸領域に永久磁石粒子を分散させた複合材料に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】長い線に磁気信号を記録する手段として
は、磁気ワイヤーがある。磁気ワイヤーは、金属磁性材
料を線状に加工したものであり、所定の間隔で磁化を付
与することにより、位置信号を記録したスケールとして
用いることができる。この磁気ワイヤーの用途の1つに
磁気信号線がある。これは、自動走行車輌を工場で走ら
せる場合に、地面に埋め込んだ磁気信号線を自動走行車
輌に備えたセンサーで感知して、磁気信号線が配列され
た領域内を走行させることができるというものである。
また、類似の用途である自動車の自動誘導装置(IT
S)は、道路に1m程の間隔で永久磁石(以下磁気ネイ
ルと言う)を埋めておいて、その上を走行する車輌に搭
載されたセンサーに磁気を読みとらせ、自動走行させる
というものである。
は、磁気ワイヤーがある。磁気ワイヤーは、金属磁性材
料を線状に加工したものであり、所定の間隔で磁化を付
与することにより、位置信号を記録したスケールとして
用いることができる。この磁気ワイヤーの用途の1つに
磁気信号線がある。これは、自動走行車輌を工場で走ら
せる場合に、地面に埋め込んだ磁気信号線を自動走行車
輌に備えたセンサーで感知して、磁気信号線が配列され
た領域内を走行させることができるというものである。
また、類似の用途である自動車の自動誘導装置(IT
S)は、道路に1m程の間隔で永久磁石(以下磁気ネイ
ルと言う)を埋めておいて、その上を走行する車輌に搭
載されたセンサーに磁気を読みとらせ、自動走行させる
というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気ネイルは地面に埋
め込んで使用する。磁気ネイルを長い距離にわたって配
置する場合、各々の磁気ネイルの間隔を大きくしすぎる
と情報が不正確になる。逆に近接して配置すると、必要
な磁気ネイルの数が多くなってしまう。そこで、不連続
な磁気ネイルの変わりに連続した長い線である磁気信号
線を使用することにより、情報が不連続であることによ
るセンシングのミスは少なくなり、自動走行車輌の細か
な動きを制御できるようになる。しかしながら、磁気ワ
イヤーは磁性合金を伸ばして形成したものであるため、
残留飽和磁束密度や保磁力は永久磁石に比べ劣るだけで
なく、細線化でその径を小さくすると、磁化しても発生
する磁界が弱くなり車輌に搭載したセンサーで磁気信号
線の存在を感知することが困難になる。
め込んで使用する。磁気ネイルを長い距離にわたって配
置する場合、各々の磁気ネイルの間隔を大きくしすぎる
と情報が不正確になる。逆に近接して配置すると、必要
な磁気ネイルの数が多くなってしまう。そこで、不連続
な磁気ネイルの変わりに連続した長い線である磁気信号
線を使用することにより、情報が不連続であることによ
るセンシングのミスは少なくなり、自動走行車輌の細か
な動きを制御できるようになる。しかしながら、磁気ワ
イヤーは磁性合金を伸ばして形成したものであるため、
残留飽和磁束密度や保磁力は永久磁石に比べ劣るだけで
なく、細線化でその径を小さくすると、磁化しても発生
する磁界が弱くなり車輌に搭載したセンサーで磁気信号
線の存在を感知することが困難になる。
【0004】また、磁性合金をそのまま埋設すると錆び
てしまうおそれがある。有機フィルムで表面を保護する
ことも考えられるが、有機フィルムの表面が傷んだとき
に、磁性合金が腐食されてしまうため、必ずしも十分な
保護とは言いがたい。そこで、本発明の目的は、径を細
くしても磁化の弱くならない磁気ワイヤーとして使用で
きる複合材料、あるいは表面を金属で被覆した耐食性の
よい複合材料を得ることにある。
てしまうおそれがある。有機フィルムで表面を保護する
ことも考えられるが、有機フィルムの表面が傷んだとき
に、磁性合金が腐食されてしまうため、必ずしも十分な
保護とは言いがたい。そこで、本発明の目的は、径を細
くしても磁化の弱くならない磁気ワイヤーとして使用で
きる複合材料、あるいは表面を金属で被覆した耐食性の
よい複合材料を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材料は、延
性金属基体と前記延性金属基体の軸領域に分散させた永
久磁石粒子とバインダー金属を備え、前記延性金属基体
およびバインダー金属が非磁性体であることを特徴とす
る。
性金属基体と前記延性金属基体の軸領域に分散させた永
久磁石粒子とバインダー金属を備え、前記延性金属基体
およびバインダー金属が非磁性体であることを特徴とす
る。
【0006】前記複合材料は金属を主として構成される
ため、プラスチックマグネットやゴム磁石よりも耐熱性
が高い。プラスチックが融ける温度でも正常に使用する
ことができる。また、永久磁石粒子の硬度が高くても、
表面を覆う延性金属基体が屈曲自在であるため、表面に
亀裂を生じたり、割れたりすることがない。延性金属基
体内では大多数の永久磁石粒子がバインダー金属で離隔
されている。従って、仮に延性金属基体に亀裂が入り永
久磁石粒子の腐食があったとしても、バインダー金属の
存在によりそれ以上腐蝕が進むことはない。ただし、好
ましくは、延性金属基体の表面を安定化させることが望
ましい。安定化させるには不動態化処理を施すか、ある
いは延性金属基体を包むようコーティングを施すとよ
い。不動態化処理は表面を酸化させるか、安定した酸化
物を被覆することをいう。コーティングは、絶縁膜を塗
布したり、安定した金属膜をメッキで被覆することをい
う。
ため、プラスチックマグネットやゴム磁石よりも耐熱性
が高い。プラスチックが融ける温度でも正常に使用する
ことができる。また、永久磁石粒子の硬度が高くても、
表面を覆う延性金属基体が屈曲自在であるため、表面に
亀裂を生じたり、割れたりすることがない。延性金属基
体内では大多数の永久磁石粒子がバインダー金属で離隔
されている。従って、仮に延性金属基体に亀裂が入り永
久磁石粒子の腐食があったとしても、バインダー金属の
存在によりそれ以上腐蝕が進むことはない。ただし、好
ましくは、延性金属基体の表面を安定化させることが望
ましい。安定化させるには不動態化処理を施すか、ある
いは延性金属基体を包むようコーティングを施すとよ
い。不動態化処理は表面を酸化させるか、安定した酸化
物を被覆することをいう。コーティングは、絶縁膜を塗
布したり、安定した金属膜をメッキで被覆することをい
う。
【0007】本発明において、上記永久磁石粒子は、ネ
オジム鉄ボロン系永久磁石、サマリウムコバルト系永久
磁石、サマリウム鉄系永久磁石から選ばれる少なくとも
1つの材料で構成されていることが望ましい。より具体
的に言うと上記永久磁石粒子として用いる永久磁石に
は、希土類金属(ランタン、サマリウム等)とコバルト
の化合物、サマリウムコバルト(SmCo5)、サマリ
ウム鉄コバルト銅(Sm(Co,Fe,C
u)6.8)、サマリウム鉄コバルト銅ジルコニウム
(Sm(Co,Fe,Cu,Zr)77.4)、ネオジ
ム鉄ボロン(Nd2Fe14B)あるいはこれに添加物
を加えたもの、サマリウム鉄窒素(Sm2Fe
17N)、サマリウム鉄チタンボロン窒素系(Sm(F
eTiB)系)、サマリウムジルコニウム鉄コバルト
系、サマリウムジルコニウム鉄コバルトボロン窒素系
((Sm,Zr)(Fe,Co)9B0.1NX)、サ
マリウム鉄窒素(SmFe17Nx)とα鉄を結合させ
た材料、アルニコ系(Al−Ni−Co)等が挙げられ
る。従来のボンド磁石やゴム磁石、プラスチック磁石を
構成する永久磁石材料を用いることも可能であるが、望
ましくは前記の永久磁石材料を用いる。
オジム鉄ボロン系永久磁石、サマリウムコバルト系永久
磁石、サマリウム鉄系永久磁石から選ばれる少なくとも
1つの材料で構成されていることが望ましい。より具体
的に言うと上記永久磁石粒子として用いる永久磁石に
は、希土類金属(ランタン、サマリウム等)とコバルト
の化合物、サマリウムコバルト(SmCo5)、サマリ
ウム鉄コバルト銅(Sm(Co,Fe,C
u)6.8)、サマリウム鉄コバルト銅ジルコニウム
(Sm(Co,Fe,Cu,Zr)77.4)、ネオジ
ム鉄ボロン(Nd2Fe14B)あるいはこれに添加物
を加えたもの、サマリウム鉄窒素(Sm2Fe
17N)、サマリウム鉄チタンボロン窒素系(Sm(F
eTiB)系)、サマリウムジルコニウム鉄コバルト
系、サマリウムジルコニウム鉄コバルトボロン窒素系
((Sm,Zr)(Fe,Co)9B0.1NX)、サ
マリウム鉄窒素(SmFe17Nx)とα鉄を結合させ
た材料、アルニコ系(Al−Ni−Co)等が挙げられ
る。従来のボンド磁石やゴム磁石、プラスチック磁石を
構成する永久磁石材料を用いることも可能であるが、望
ましくは前記の永久磁石材料を用いる。
【0008】本発明の他の複合材料は、延性金属基体
と、前記延性金属基体の軸領域に分散させた酸化物系永
久磁石粒子とバインダー金属を備え、前記延性金属基体
およびバインダー金属が非磁性体であることを特徴とす
る。前記酸化物粒子を構成する永久磁石には、フェライ
ト系永久磁石材料であるストロンチウムフェライト、バ
リウムフェライト等が挙げられる。
と、前記延性金属基体の軸領域に分散させた酸化物系永
久磁石粒子とバインダー金属を備え、前記延性金属基体
およびバインダー金属が非磁性体であることを特徴とす
る。前記酸化物粒子を構成する永久磁石には、フェライ
ト系永久磁石材料であるストロンチウムフェライト、バ
リウムフェライト等が挙げられる。
【0009】本発明において、上記金属系永久磁石粒子
あるいは酸化物系永久磁石粒子には、保磁力100[O
e]以上の強磁性材料を用いるべきである。保磁力が大
きいほど、複合材料で構成した金属線の径を細くして使
用できる。この発明に係る複合材料は、線引き加工を用
いて、その径を縮めることができるため、屈曲自在な金
属線として複雑な形状のものに合わせて変形させること
も可能である。なお、磁界を強くするために磁気異方性
を有する永久磁石材料を用いて、複合材料に磁気的な異
方性を付与してもよい。
あるいは酸化物系永久磁石粒子には、保磁力100[O
e]以上の強磁性材料を用いるべきである。保磁力が大
きいほど、複合材料で構成した金属線の径を細くして使
用できる。この発明に係る複合材料は、線引き加工を用
いて、その径を縮めることができるため、屈曲自在な金
属線として複雑な形状のものに合わせて変形させること
も可能である。なお、磁界を強くするために磁気異方性
を有する永久磁石材料を用いて、複合材料に磁気的な異
方性を付与してもよい。
【0010】本発明の他の複合材料は、上記延性金属基
体あるいはバインダー金属が、アルミニウム、金、銀、
銅、マグネシウム、鉄、ニッケル、チタニウム、亜鉛、
鉛、錫、カドミウム、インジウム、から選ばれる少なく
とも一つの材料で構成されることを特徴とする。この延
性金属基体に添加物として、シリコン、クロム、鉛、
錫、バナジウム、炭素、マンガン、マグネシューム等か
ら選ばれる少なくとも一つの材料を添加することもあ
る。延性金属基体およびバインダー金属の組成には、耐
食性と延性が共に良好なアルミニウムもしくは銅、アル
ミニウムもしくは銅を主とした添加元素を添加したも
の、またはアルミニウム合金もしくは銅合金を用いるこ
とが好ましい。他の材料で置換するにしても、加工性や
永久磁石粒子の取り込み性が他の材質に比べてよいこと
も考慮すると、基体にはアルミニウム系あるいは銅系の
材料が適している。
体あるいはバインダー金属が、アルミニウム、金、銀、
銅、マグネシウム、鉄、ニッケル、チタニウム、亜鉛、
鉛、錫、カドミウム、インジウム、から選ばれる少なく
とも一つの材料で構成されることを特徴とする。この延
性金属基体に添加物として、シリコン、クロム、鉛、
錫、バナジウム、炭素、マンガン、マグネシューム等か
ら選ばれる少なくとも一つの材料を添加することもあ
る。延性金属基体およびバインダー金属の組成には、耐
食性と延性が共に良好なアルミニウムもしくは銅、アル
ミニウムもしくは銅を主とした添加元素を添加したも
の、またはアルミニウム合金もしくは銅合金を用いるこ
とが好ましい。他の材料で置換するにしても、加工性や
永久磁石粒子の取り込み性が他の材質に比べてよいこと
も考慮すると、基体にはアルミニウム系あるいは銅系の
材料が適している。
【0011】上記金属系永久磁石粒子あるいは酸化物系
永久磁石粒子には、次に挙げる効果の少なくとも一つを
奏するような添加剤を使用してもよい。前記効果とし
て、粒子の粒径の均一化を図ること、永久磁石粒子の表
面を滑らかにすること、粒子の帯電を防止すること、粒
子同士の摩擦あるいは吸着を抑制すること、粒子の分散
を促進することなどが挙げられる。添加剤の形態は、粉
末、粒子、液体、あるいはこれらの少なくとも1つ以上
を混合させたものを用いることができる。例えば、減摩
剤、帯電防止剤等が挙げられる。
永久磁石粒子には、次に挙げる効果の少なくとも一つを
奏するような添加剤を使用してもよい。前記効果とし
て、粒子の粒径の均一化を図ること、永久磁石粒子の表
面を滑らかにすること、粒子の帯電を防止すること、粒
子同士の摩擦あるいは吸着を抑制すること、粒子の分散
を促進することなどが挙げられる。添加剤の形態は、粉
末、粒子、液体、あるいはこれらの少なくとも1つ以上
を混合させたものを用いることができる。例えば、減摩
剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0012】金属永久磁石粒子あるいは酸化物永久磁石
粒子の形状は、球状、楕円状、6面体や8面体もしくは
これ以上の多面体状、板状、フレーク状、針状、砕いた
岩石状、砂状、個々の形状に規則性が見いだし難い不定
形、またはこれらの組合せ形状のものを用いることがで
きる。また、単体の粒子ではなく、複数の粒子を結合さ
せた粒子を用いてもよい。ただし、複合材料を細い径ま
で線引き加工した後にも均一性を保持するためには、ほ
ぼ類似の形状であって粒径の分布が均一である粒子から
なる粉末を用いるほうが好ましい。
粒子の形状は、球状、楕円状、6面体や8面体もしくは
これ以上の多面体状、板状、フレーク状、針状、砕いた
岩石状、砂状、個々の形状に規則性が見いだし難い不定
形、またはこれらの組合せ形状のものを用いることがで
きる。また、単体の粒子ではなく、複数の粒子を結合さ
せた粒子を用いてもよい。ただし、複合材料を細い径ま
で線引き加工した後にも均一性を保持するためには、ほ
ぼ類似の形状であって粒径の分布が均一である粒子から
なる粉末を用いるほうが好ましい。
【0013】延性金属基体に永久磁石粒子を分散させる
度合いは適宜選択可能である。すなわち、基体断面の軸
領域に一様に永久磁石粒子を分布させた構成、基体断面
の軸領域中心付近に多く配置させて且つ軸領域断面の外
周近傍には少なく配置させた構成、基体断面の中心から
外周に向かって永久磁石粒子の密度を低減させた構成な
どを用いることができる。延性金属基体を線状あるいは
柱状とする場合、延性金属基体断面の軸領域に永久磁石
粒子を分散させた構成が最も好ましい。こうすると、延
性金属基体の径を小さくする加工を行っても、延性金属
基体の表面に永久磁石粒子が露出することがなく、永久
磁石粒子を保護する上で好ましい。ここで、延性金属基
体の断面とは、長手方向に直交する向きで切断した断面
のことをいう。これらの延性金属基体は、長手方向にお
いては粒子の分布が一様であることが好ましい。
度合いは適宜選択可能である。すなわち、基体断面の軸
領域に一様に永久磁石粒子を分布させた構成、基体断面
の軸領域中心付近に多く配置させて且つ軸領域断面の外
周近傍には少なく配置させた構成、基体断面の中心から
外周に向かって永久磁石粒子の密度を低減させた構成な
どを用いることができる。延性金属基体を線状あるいは
柱状とする場合、延性金属基体断面の軸領域に永久磁石
粒子を分散させた構成が最も好ましい。こうすると、延
性金属基体の径を小さくする加工を行っても、延性金属
基体の表面に永久磁石粒子が露出することがなく、永久
磁石粒子を保護する上で好ましい。ここで、延性金属基
体の断面とは、長手方向に直交する向きで切断した断面
のことをいう。これらの延性金属基体は、長手方向にお
いては粒子の分布が一様であることが好ましい。
【0014】延性金属基体の外観は、柱状(円柱、多角
柱等)、棒状(ピンまたはペレット)あるいは線状(ワ
イヤー)とする。ワイヤーについては、所望の形状に屈
曲自在である。延性金属基体の部分は、これを順に接続
してより長いものを作ることができる。磁気信号線を連
続した金属線にして用いると、これに電気信号を流すこ
とができる。従って、ITSに利用すると磁気的情報に
電気的情報を併せることで、自動車に伝達する情報量を
飛躍的に増大させることもできる。なお、延性金属基体
の外観形状としては、板状、シート状、四角柱状とする
こともできる。
柱等)、棒状(ピンまたはペレット)あるいは線状(ワ
イヤー)とする。ワイヤーについては、所望の形状に屈
曲自在である。延性金属基体の部分は、これを順に接続
してより長いものを作ることができる。磁気信号線を連
続した金属線にして用いると、これに電気信号を流すこ
とができる。従って、ITSに利用すると磁気的情報に
電気的情報を併せることで、自動車に伝達する情報量を
飛躍的に増大させることもできる。なお、延性金属基体
の外観形状としては、板状、シート状、四角柱状とする
こともできる。
【0015】本発明の複合材料において、前記金属系あ
るいは酸化物系永久磁石である粒子の粒径は、延性金属
基体断面の軸領域径の0.1%以上、かつ95%以下で
ある。好ましくは、1%以上、かつ70%以下である。
永久磁石を粉末にすると磁気特性の劣化が起こるため、
できる限り大きい方が好ましい。
るいは酸化物系永久磁石である粒子の粒径は、延性金属
基体断面の軸領域径の0.1%以上、かつ95%以下で
ある。好ましくは、1%以上、かつ70%以下である。
永久磁石を粉末にすると磁気特性の劣化が起こるため、
できる限り大きい方が好ましい。
【0016】本発明の複合材料において、前記バインダ
ー金属の粒径が、少なくとも単位面積中の粒子の80w
t%以上について、2μm以上、かつ70μm以下の範
囲にある。更に望ましくは、前記バインダー金属の重量
の80wt%以上について粒径が5μm以上、かつ70
μm以下の範囲内にあることとする。前記バインダー金
属のうち、1μm以下の粒子の個数は30%以下であ
る。1μm以下の粒子のうち、0.1μm未満の粒径に
ついては無視するものとする。
ー金属の粒径が、少なくとも単位面積中の粒子の80w
t%以上について、2μm以上、かつ70μm以下の範
囲にある。更に望ましくは、前記バインダー金属の重量
の80wt%以上について粒径が5μm以上、かつ70
μm以下の範囲内にあることとする。前記バインダー金
属のうち、1μm以下の粒子の個数は30%以下であ
る。1μm以下の粒子のうち、0.1μm未満の粒径に
ついては無視するものとする。
【0017】ここで上記粒径は、本発明の複合材料の側
面、あるいはこれを切断した断面で観察するものであ
る。断面は、複合材料の長手方向に垂直な断面あるいは
長手方向に平行な断面に限らず、任意に切断した断面と
してよい。断面で観察するときの粒径とは、粒子自体の
断面の径Rcの最大値をいう。平均粒径についても。前
記粒径Rcの平均値を指す。このように定義すると、粉
末混合前に測定した真の粒径または平均粒径(3次元で
みた粒子の最大寸法)の分布範囲と、前記定義により多
数の断面のサンプルで測定した粒径または平均粒径と
は、ほとんど差異がない。
面、あるいはこれを切断した断面で観察するものであ
る。断面は、複合材料の長手方向に垂直な断面あるいは
長手方向に平行な断面に限らず、任意に切断した断面と
してよい。断面で観察するときの粒径とは、粒子自体の
断面の径Rcの最大値をいう。平均粒径についても。前
記粒径Rcの平均値を指す。このように定義すると、粉
末混合前に測定した真の粒径または平均粒径(3次元で
みた粒子の最大寸法)の分布範囲と、前記定義により多
数の断面のサンプルで測定した粒径または平均粒径と
は、ほとんど差異がない。
【0018】粉末中で粒径の大きすぎる粒子の割合が増
えると、基体の長手方向における粒子の分布が不均一と
なったり、基体と粒子の間に空隙・ボイドが生じたりす
るおそれがある。そこで粒径の均一性を保持するため
に、粒径の小さいものの割合を確保したり、適切な平均
粒径を規定する。粒子の均一性を向上させるほど、複合
材料の長手方向における均一性がよくなる。
えると、基体の長手方向における粒子の分布が不均一と
なったり、基体と粒子の間に空隙・ボイドが生じたりす
るおそれがある。そこで粒径の均一性を保持するため
に、粒径の小さいものの割合を確保したり、適切な平均
粒径を規定する。粒子の均一性を向上させるほど、複合
材料の長手方向における均一性がよくなる。
【0019】本発明の複合材料の製造方法は、永久磁石
粒子とバインダー金属を混合した粉末を形成する混合工
程と、前記混合粉末を延性金属の管の中に充填する工程
と、前記延性金属の管を冷間加工して径を縮小して金属
線に加工する工程を備えることを特徴とする。これらの
工程の後に、前記金属線を分割してペレットあるいはピ
ン状の複合材料を得る工程を続けてもよい。以下、各々
の工程について説明する。
粒子とバインダー金属を混合した粉末を形成する混合工
程と、前記混合粉末を延性金属の管の中に充填する工程
と、前記延性金属の管を冷間加工して径を縮小して金属
線に加工する工程を備えることを特徴とする。これらの
工程の後に、前記金属線を分割してペレットあるいはピ
ン状の複合材料を得る工程を続けてもよい。以下、各々
の工程について説明する。
【0020】バインダー金属は、金属系あるいは酸化物
系永久磁石粒子と延性金属基体を一体として接合するバ
インダー(つなぎ)の機能を持つ。バインダー効果を有
効に達成するために、永久磁石粒子の寸法規定範囲に対
して、バインダー金属の寸法[μm]や、バインダー金
属と永久磁石粒子の混合比(重量比での比較、すなわち
[wt%])も規定する必要がある。永久磁石粒子より
もバインダー金属が少なければ、ペレット状に切断した
複合材料の側面から永久磁石粒子が剥離することがない
とも限らない。逆に、永久磁石粒子がバインダー金属に
対して少なすぎると、バインダー効果は十分であるが、
複合材料として機能が十分に得られないことも考えられ
る。バインダー金属は、延性金属基体と永久磁石粒子に
一体化することが望ましいが、バインダー金属の粒子が
観察されるような状態でも、延性金属基体と永久磁石粒
子を繋ぎ止める効果が得られれば構わないものである。
系永久磁石粒子と延性金属基体を一体として接合するバ
インダー(つなぎ)の機能を持つ。バインダー効果を有
効に達成するために、永久磁石粒子の寸法規定範囲に対
して、バインダー金属の寸法[μm]や、バインダー金
属と永久磁石粒子の混合比(重量比での比較、すなわち
[wt%])も規定する必要がある。永久磁石粒子より
もバインダー金属が少なければ、ペレット状に切断した
複合材料の側面から永久磁石粒子が剥離することがない
とも限らない。逆に、永久磁石粒子がバインダー金属に
対して少なすぎると、バインダー効果は十分であるが、
複合材料として機能が十分に得られないことも考えられ
る。バインダー金属は、延性金属基体と永久磁石粒子に
一体化することが望ましいが、バインダー金属の粒子が
観察されるような状態でも、延性金属基体と永久磁石粒
子を繋ぎ止める効果が得られれば構わないものである。
【0021】永久磁石粒子およびバインダー金属の作製
には、ガスアトマイズ法、ボールミリング法等を用いる
が、酸化を防止するため不活性ガス、もしくは不活性液
中で行うことが好ましい。永久磁石材料は、永久磁石か
ら磁力を取り除いた脱磁状態であることが必要である。
には、ガスアトマイズ法、ボールミリング法等を用いる
が、酸化を防止するため不活性ガス、もしくは不活性液
中で行うことが好ましい。永久磁石材料は、永久磁石か
ら磁力を取り除いた脱磁状態であることが必要である。
【0022】バインダー金属と永久磁石粒子の混合比
は、Rv={永久磁石粒子のwt%}/{バインダー金
属のwt%}で表し、Rv=0.5〜19とする。さら
に望ましくは、Rv=2〜15の範囲とすることで、双
方を混合させた粉末の均一性が向上される。2種類以上
の粒子を混合させる方法として、粉末を密封容器に入れ
不活性ガスを封入して、容器を回転、揺動させる混合
機、あるいは不活性ガスを封入出来るV型ミキサーを用
いる。不活性ガスを封入するのは粉末の酸化や爆発を防
ぐためである。また、密封容器は金属製のものを用い、
容器の一部をアースすることで静電気の帯電を防止し爆
発の危険性を下げる事で、安全に粉末を混合することが
出来る。また、上記のように粒径あるいは混合比等を規
定することで本発明のバインダー金属と永久磁石粒子を
含む複合材料を欠陥なく構成できる。
は、Rv={永久磁石粒子のwt%}/{バインダー金
属のwt%}で表し、Rv=0.5〜19とする。さら
に望ましくは、Rv=2〜15の範囲とすることで、双
方を混合させた粉末の均一性が向上される。2種類以上
の粒子を混合させる方法として、粉末を密封容器に入れ
不活性ガスを封入して、容器を回転、揺動させる混合
機、あるいは不活性ガスを封入出来るV型ミキサーを用
いる。不活性ガスを封入するのは粉末の酸化や爆発を防
ぐためである。また、密封容器は金属製のものを用い、
容器の一部をアースすることで静電気の帯電を防止し爆
発の危険性を下げる事で、安全に粉末を混合することが
出来る。また、上記のように粒径あるいは混合比等を規
定することで本発明のバインダー金属と永久磁石粒子を
含む複合材料を欠陥なく構成できる。
【0023】なお、製法において、永久磁石粒子とバイ
ンダー金属を混合するときに、ステアリン酸アルミニウ
ム等の減摩剤を金属粒子とバインダー金属と共に混合し
て、均一に混合させた粉末を得ることもできる。
ンダー金属を混合するときに、ステアリン酸アルミニウ
ム等の減摩剤を金属粒子とバインダー金属と共に混合し
て、均一に混合させた粉末を得ることもできる。
【0024】混合工程で得た混合粉末を管状の前記延性
金属基体(以下、金属管と称する)に充填する際には、
冷間加工の工程で混合粉末が漏洩しないように固定すべ
く、金属管の開口を閉じる必要がある。この開口部閉鎖
方法には、次の方法を用いることができる。金属管の一
方の端を機械的につぶして閉じる方法、金属管内の端部
近傍に固定用の栓を設ける方法、金属管の端を変形させ
て且つ固定用の栓を併用する方法などが挙がられる。固
定用の栓には、通気性あるいは弾力性を持たせることが
重要である。通気性は、混合粉末の隙間に含まれる空気
を逃がす作用をもたらし、結果として複合材料中の残留
酸素量を低減させたり、空隙や気泡等の発生を防止させ
る。弾力性は、栓の移動を防止して、粉末を漏らすこと
なく十分に充填させることに寄与する。
金属基体(以下、金属管と称する)に充填する際には、
冷間加工の工程で混合粉末が漏洩しないように固定すべ
く、金属管の開口を閉じる必要がある。この開口部閉鎖
方法には、次の方法を用いることができる。金属管の一
方の端を機械的につぶして閉じる方法、金属管内の端部
近傍に固定用の栓を設ける方法、金属管の端を変形させ
て且つ固定用の栓を併用する方法などが挙がられる。固
定用の栓には、通気性あるいは弾力性を持たせることが
重要である。通気性は、混合粉末の隙間に含まれる空気
を逃がす作用をもたらし、結果として複合材料中の残留
酸素量を低減させたり、空隙や気泡等の発生を防止させ
る。弾力性は、栓の移動を防止して、粉末を漏らすこと
なく十分に充填させることに寄与する。
【0025】前記の混合粉末固定の手段を金属管の一方
の側に設けた後、金属管の中に混合粉末を注入する。こ
の際、混合粉末の充填率(密度)を高めるための工程を
付加することができる。この工程では、一方の開口から
細い棒で粉末の上面を突き固める方法、あるいは金属管
をハンマーで叩いて衝撃で粉末の密度を上げる方法など
を用いることができる。金属管に超音波を与えて粒子間
の空隙を埋める方法などもあるが、振動を与えすぎると
永久磁石粒子とバインダー金属が分離して混合粉末の均
一性が低下する。従って衝撃や振動は注入した混合粉末
内に生じる空隙やボイドを無くす程度に加えて,混合粉
末の分離が起こらない程度にする。これら充填工程の
後、金属管の他方の開口を前記固定手段をもって閉鎖す
る。
の側に設けた後、金属管の中に混合粉末を注入する。こ
の際、混合粉末の充填率(密度)を高めるための工程を
付加することができる。この工程では、一方の開口から
細い棒で粉末の上面を突き固める方法、あるいは金属管
をハンマーで叩いて衝撃で粉末の密度を上げる方法など
を用いることができる。金属管に超音波を与えて粒子間
の空隙を埋める方法などもあるが、振動を与えすぎると
永久磁石粒子とバインダー金属が分離して混合粉末の均
一性が低下する。従って衝撃や振動は注入した混合粉末
内に生じる空隙やボイドを無くす程度に加えて,混合粉
末の分離が起こらない程度にする。これら充填工程の
後、金属管の他方の開口を前記固定手段をもって閉鎖す
る。
【0026】粉末を充填させた金属管を冷間加工するに
は、押し出し加工あるいは引き抜き加工(線引き加工と
もいう)を用いる。これらの加工方法は、線引きあるい
は押出し用ダイスに前記金属管を通すことによって圧縮
し、その径を細くさせて且つ長手方向に伸ばす。この圧
縮・伸長において、金属管や装置自体に対して熱処理の
付加は行わないが、冷間工程で圧縮されたバインダー金
属が塑性をもって流動するか、あるいは局所的に溶解す
るかして、永久磁石粒子の間に入り込むと考えられる。
こうして細く線引きされた金属管と永久磁石粒子の間に
隙間なくバインダーの金属が充填され、金属管とバイン
ダーは一体化して延性金属基体となり、実質的にこの延
性金属基体の軸領域に永久磁石粒子が分散する構造を得
る。この工程を繰り返すことにより金属管を細く長く伸
ばして金属線を得ることができる。こうして得た複合材
料の金属線を磁化する工程を加えると本発明に係る磁気
信号線を得る。なお、上記金属管として、線引き加工に
よって加工硬化を起こす材料を用いた場合、線引き工程
と併せて前記金属線を焼鈍する工程を設けることもあ
る。
は、押し出し加工あるいは引き抜き加工(線引き加工と
もいう)を用いる。これらの加工方法は、線引きあるい
は押出し用ダイスに前記金属管を通すことによって圧縮
し、その径を細くさせて且つ長手方向に伸ばす。この圧
縮・伸長において、金属管や装置自体に対して熱処理の
付加は行わないが、冷間工程で圧縮されたバインダー金
属が塑性をもって流動するか、あるいは局所的に溶解す
るかして、永久磁石粒子の間に入り込むと考えられる。
こうして細く線引きされた金属管と永久磁石粒子の間に
隙間なくバインダーの金属が充填され、金属管とバイン
ダーは一体化して延性金属基体となり、実質的にこの延
性金属基体の軸領域に永久磁石粒子が分散する構造を得
る。この工程を繰り返すことにより金属管を細く長く伸
ばして金属線を得ることができる。こうして得た複合材
料の金属線を磁化する工程を加えると本発明に係る磁気
信号線を得る。なお、上記金属管として、線引き加工に
よって加工硬化を起こす材料を用いた場合、線引き工程
と併せて前記金属線を焼鈍する工程を設けることもあ
る。
【0027】上記の工程を利用して延性金属基体と永久
磁石粒子およびバインダー金属を一体化するには、総合
線引き率を78%以上にすることが望ましい。総合線引
き率とは線引き前の断面積S1と数度に渡り線引きした
後の断面積S2の変化分の比をパーセント表示したもの
で、線引き率=(1−S2/S1)*100%で計算さ
れる。
磁石粒子およびバインダー金属を一体化するには、総合
線引き率を78%以上にすることが望ましい。総合線引
き率とは線引き前の断面積S1と数度に渡り線引きした
後の断面積S2の変化分の比をパーセント表示したもの
で、線引き率=(1−S2/S1)*100%で計算さ
れる。
【0028】総合線引き率を78%以上にした後、前記
金属線の端部つまり混合粉末の漏洩防止に使用した栓部
分を除去し、複数本の金属線を抵抗溶接で連結したの
ち、さらに線引き加工を行うことにより、長尺の複合材
料を得ることも可能である。
金属線の端部つまり混合粉末の漏洩防止に使用した栓部
分を除去し、複数本の金属線を抵抗溶接で連結したの
ち、さらに線引き加工を行うことにより、長尺の複合材
料を得ることも可能である。
【0029】分割工程では、ねじ切り、切断などによっ
て線引き後の金属線を所定の長さに切り分けてペレット
状の複合材料を得る。続けて、ペレットの端面にできた
バリを除去する。除去するには、面取り加工や丸め加工
を行う。面取り加工は、少なくとも複合材料の側面(長
手方向の面)の端部の角が面取りによって除去されてい
ることが望ましい。丸め加工は、ペレットの端を伸ばし
て、この伸ばした部分を内側に織り込んだ形状にするも
のである。
て線引き後の金属線を所定の長さに切り分けてペレット
状の複合材料を得る。続けて、ペレットの端面にできた
バリを除去する。除去するには、面取り加工や丸め加工
を行う。面取り加工は、少なくとも複合材料の側面(長
手方向の面)の端部の角が面取りによって除去されてい
ることが望ましい。丸め加工は、ペレットの端を伸ばし
て、この伸ばした部分を内側に織り込んだ形状にするも
のである。
【0030】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら本発明の実施
形態について、以下に詳細を説明する。図1は、本発明
の複合材料の一実施態様の斜視図であって、円柱状のア
ルミニウムの基体1と、前記アルミニウムの基体中に分
散させたサマリウム鉄コバルトの永久磁石粒子2を有す
る複合材料を示した。図2は、図1の複合材料の断面図
である。点線はアルミニウムの基体中の軸領域4に相当
し、主として永久磁石粒子2がバインダー金属であるア
ルミニウム中に分散されている領域である。この軸領域
4の側面には、わずかに永久磁石粒子2の一部が露出さ
れた。アルミニウムの基体1中の軸領域以外の部分は、
アルミニウムを主として構成され、永久磁石粒子2を含
まない。円柱の両方の端面には面取り3を施した。寸法
としてはアルミニウムの基体の外径をφ2.0mmとし
て、端面の面取りをC0.4mmとした。点線の軸領域
4の径を約φ0.75mmとして、長さを10mとし
た。前記寸法形状では軸領域のサマリウム鉄コバルトの
永久磁石の粒子が70wt%であり、バインダー金属の
アルミニウムが30wt%である組成比とした。
形態について、以下に詳細を説明する。図1は、本発明
の複合材料の一実施態様の斜視図であって、円柱状のア
ルミニウムの基体1と、前記アルミニウムの基体中に分
散させたサマリウム鉄コバルトの永久磁石粒子2を有す
る複合材料を示した。図2は、図1の複合材料の断面図
である。点線はアルミニウムの基体中の軸領域4に相当
し、主として永久磁石粒子2がバインダー金属であるア
ルミニウム中に分散されている領域である。この軸領域
4の側面には、わずかに永久磁石粒子2の一部が露出さ
れた。アルミニウムの基体1中の軸領域以外の部分は、
アルミニウムを主として構成され、永久磁石粒子2を含
まない。円柱の両方の端面には面取り3を施した。寸法
としてはアルミニウムの基体の外径をφ2.0mmとし
て、端面の面取りをC0.4mmとした。点線の軸領域
4の径を約φ0.75mmとして、長さを10mとし
た。前記寸法形状では軸領域のサマリウム鉄コバルトの
永久磁石の粒子が70wt%であり、バインダー金属の
アルミニウムが30wt%である組成比とした。
【0031】次に上記実施例1で用いた製造方法につい
て図3および図4で説明する。またこれらの工程図を図
5に示す。まず、アルミニウム粒子5とサマリウム鉄コ
バルトの永久磁石粒子2を密封容器6にいれて、密封容
器6を回転・揺動させて、アルミニウム粒子とサマリウ
ム鉄コバルトの永久磁石粒子を均一に混合した(ステッ
プ1)。混合させた粉末において、アルミニウム粒子は
平均粒径が約75μmであり、サマリウム鉄コバルトの
永久磁石粒子は平均粒径が約350μmとした。一般に
用いられている不純物濃度の低いアルミニウム管(パイ
プ)7には外径φ15.0mmであり、内径φ6.25
mmであり、長さ350mmの中空棒を用いた。アルミ
ニウム管7の中空部にアルミニウム粒子とサマリウム鉄
コバルト粒子を混ぜた粉末を充填する前に、各々の材料
の表面の油等の付着物や酸化皮膜を除去するため酸洗い
をおこなった。
て図3および図4で説明する。またこれらの工程図を図
5に示す。まず、アルミニウム粒子5とサマリウム鉄コ
バルトの永久磁石粒子2を密封容器6にいれて、密封容
器6を回転・揺動させて、アルミニウム粒子とサマリウ
ム鉄コバルトの永久磁石粒子を均一に混合した(ステッ
プ1)。混合させた粉末において、アルミニウム粒子は
平均粒径が約75μmであり、サマリウム鉄コバルトの
永久磁石粒子は平均粒径が約350μmとした。一般に
用いられている不純物濃度の低いアルミニウム管(パイ
プ)7には外径φ15.0mmであり、内径φ6.25
mmであり、長さ350mmの中空棒を用いた。アルミ
ニウム管7の中空部にアルミニウム粒子とサマリウム鉄
コバルト粒子を混ぜた粉末を充填する前に、各々の材料
の表面の油等の付着物や酸化皮膜を除去するため酸洗い
をおこなった。
【0032】次に、アルミニウム管7の両方の端をハン
マーで叩いて、内径を若干量小さくした。アルミニウム
管の一方の端に、綿状に丸めたステンレスワイヤーから
なる固定用栓8を詰めて固定した(ステップ2)。アル
ミニウム管の他方の端の開口からアルミニウムとサマリ
ウム鉄コバルトを混合させた粉末を注いで、細い棒で突
き固めた(ステップ3)。開口をふさぐように同様のス
テンレスワイヤーの固定用栓8を詰めて、アルミニウム
管に粉末を充填させた(ステップ4)。ステンレスワイ
ヤーの固定用栓8はφ18μmのSUS糸を絡ませた構
造であり、粉末を固定するに十分な弾力性と、通気性を
合わせ持つ。この通気性は、次の冷間加工工程でアルミ
ニウムとサマリウム鉄コバルトの混合粉末の粒子間に存
在する空気を排除させるための通気孔として機能する。
通気孔によって粉末内部の空気を除去することはアルミ
ニウム基体と永久磁石粒子およびバインダー金属の強固
な密着を得るために行った。空気が大量に残るとアルミ
ニウム基体と永久磁石粒子およびバインダー金属の間に
隙間が出来たり、アルミニウム管の端から永久磁石粒子
やバインダー金属が抜け落ちるおそれがある。
マーで叩いて、内径を若干量小さくした。アルミニウム
管の一方の端に、綿状に丸めたステンレスワイヤーから
なる固定用栓8を詰めて固定した(ステップ2)。アル
ミニウム管の他方の端の開口からアルミニウムとサマリ
ウム鉄コバルトを混合させた粉末を注いで、細い棒で突
き固めた(ステップ3)。開口をふさぐように同様のス
テンレスワイヤーの固定用栓8を詰めて、アルミニウム
管に粉末を充填させた(ステップ4)。ステンレスワイ
ヤーの固定用栓8はφ18μmのSUS糸を絡ませた構
造であり、粉末を固定するに十分な弾力性と、通気性を
合わせ持つ。この通気性は、次の冷間加工工程でアルミ
ニウムとサマリウム鉄コバルトの混合粉末の粒子間に存
在する空気を排除させるための通気孔として機能する。
通気孔によって粉末内部の空気を除去することはアルミ
ニウム基体と永久磁石粒子およびバインダー金属の強固
な密着を得るために行った。空気が大量に残るとアルミ
ニウム基体と永久磁石粒子およびバインダー金属の間に
隙間が出来たり、アルミニウム管の端から永久磁石粒子
やバインダー金属が抜け落ちるおそれがある。
【0033】次にアルミニウムとサマリウム鉄コバルト
の粉末を充填させたアルミニウム管を伸長させる冷間加
工工程を説明する。アルミニウム管の端をハンマーで均
一に叩き、アルミニウム管より径の小さい固定部9を形
成した。この固定部を線引き用ダイス10の孔に通し、
固定部9を引っ張り加重装置11に接続して引っ張り加
重をかけることで、線引き用ダイス10の孔からアルミ
ニウム管を引き抜いた(ステップ5)。引き抜きの速
度、すなわち伸線速度は約30[m/min]とした。
引き抜かれたアルミニウム管の外径は線引き用ダイス1
0の孔の径に絞られて小さくなった。この引き抜き工程
を線引きと呼称する。次に、線引き用ダイス10を孔の
径の小さいものに交換して、同様の引き抜き工程を行っ
て、アルミニウム管の径をさらに小さくした。この工程
を繰り返して、外径を徐々に細くさせてアルミニウム管
を伸長させ、所定の外径のアルミニウム線12を得た
(ステップ6)。
の粉末を充填させたアルミニウム管を伸長させる冷間加
工工程を説明する。アルミニウム管の端をハンマーで均
一に叩き、アルミニウム管より径の小さい固定部9を形
成した。この固定部を線引き用ダイス10の孔に通し、
固定部9を引っ張り加重装置11に接続して引っ張り加
重をかけることで、線引き用ダイス10の孔からアルミ
ニウム管を引き抜いた(ステップ5)。引き抜きの速
度、すなわち伸線速度は約30[m/min]とした。
引き抜かれたアルミニウム管の外径は線引き用ダイス1
0の孔の径に絞られて小さくなった。この引き抜き工程
を線引きと呼称する。次に、線引き用ダイス10を孔の
径の小さいものに交換して、同様の引き抜き工程を行っ
て、アルミニウム管の径をさらに小さくした。この工程
を繰り返して、外径を徐々に細くさせてアルミニウム管
を伸長させ、所定の外径のアルミニウム線12を得た
(ステップ6)。
【0034】冷間の引き抜き工程でアルミニウム管を外
径φ15mmから外径φ2.0mmまで加工するのに、
一回の線引きで断面積で約5〜10%の減少率としたた
め、45種の線引き用ダイスを使用した。ここで用いた
線引き用ダイスの孔の径Rd[mm]と、リダクション
Red.[%]の関係を図6のグラフに示す。リダクシ
ョンは、線引き前の外径に対する線引き後の外径であ
る。外径φ2.0mmになると、アルミニウム粒子とア
ルミニウム管は一体のアルミニウム基体となり、このア
ルミニウム基体の軸領域にサマリウム鉄コバルトの永久
磁石粒子が分散する構造を有するアルミニウム線13を
得ることができた(ステップ7)。この後、用途に応じ
て前記アルミニウム線を磁化する工程を加えた。
径φ15mmから外径φ2.0mmまで加工するのに、
一回の線引きで断面積で約5〜10%の減少率としたた
め、45種の線引き用ダイスを使用した。ここで用いた
線引き用ダイスの孔の径Rd[mm]と、リダクション
Red.[%]の関係を図6のグラフに示す。リダクシ
ョンは、線引き前の外径に対する線引き後の外径であ
る。外径φ2.0mmになると、アルミニウム粒子とア
ルミニウム管は一体のアルミニウム基体となり、このア
ルミニウム基体の軸領域にサマリウム鉄コバルトの永久
磁石粒子が分散する構造を有するアルミニウム線13を
得ることができた(ステップ7)。この後、用途に応じ
て前記アルミニウム線を磁化する工程を加えた。
【0035】上記の製造工程では、常温かつ大気圧中で
冷間線引き加工行ったが、熱間線引き加工することで一
回の線引きでの線引き率を上げ、線引きダイスの数を減
らすことは可能である。ただし、熱間線引きにおける熱
処理温度は、永久磁石粒子とバインダー金属および延性
金属基体が熱的に反応する温度より低い温度で行うもの
とした。本発明の製造方法は複数回の線引きを行うこと
が特徴であり、粉末の間に包含される空気を除去するに
は、時間をかけて線引きすることが望ましい。
冷間線引き加工行ったが、熱間線引き加工することで一
回の線引きでの線引き率を上げ、線引きダイスの数を減
らすことは可能である。ただし、熱間線引きにおける熱
処理温度は、永久磁石粒子とバインダー金属および延性
金属基体が熱的に反応する温度より低い温度で行うもの
とした。本発明の製造方法は複数回の線引きを行うこと
が特徴であり、粉末の間に包含される空気を除去するに
は、時間をかけて線引きすることが望ましい。
【0036】実施例2として、図7の(a)に本発明の
他の複合材料の断面図を示す。図7の(a)は、サマリ
ウム鉄コバルトの永久磁石粒子20と銅のバインダー金
属21を覆うように設けたアルミニウム基体22を備え
る金属線の断面図である。この複合材料の金属線は、銅
粒子とサマリウム鉄コバルト粒子を混ぜた粉末をアルミ
ニウム管の中に充填して、これを線引き加工して金属線
とした複合材料である。表皮となるアルミニウムは耐食
性を有する。永久磁石粒子を保持するマトリックスであ
る銅は屈曲自在で且つ柔らかいため大きな気泡や空隙を
残すことなく永久磁石粒子を包むことができる。
他の複合材料の断面図を示す。図7の(a)は、サマリ
ウム鉄コバルトの永久磁石粒子20と銅のバインダー金
属21を覆うように設けたアルミニウム基体22を備え
る金属線の断面図である。この複合材料の金属線は、銅
粒子とサマリウム鉄コバルト粒子を混ぜた粉末をアルミ
ニウム管の中に充填して、これを線引き加工して金属線
とした複合材料である。表皮となるアルミニウムは耐食
性を有する。永久磁石粒子を保持するマトリックスであ
る銅は屈曲自在で且つ柔らかいため大きな気泡や空隙を
残すことなく永久磁石粒子を包むことができる。
【0037】実施例3として、図7の(b)に本発明の
他の複合材料の断面図を示す。図7の(b)は、ネオジ
ウム鉄ボロンの永久磁石粒子23とアルミニウムと銅の
混合バインダー金属24を覆うアルミニウム基体25を
有する金属線の断面図である。混合バインダー金属24
は、アルミニウムと銅が混合された組織を有する。この
複合材料の金属線は、銅粒子とアルミニウム粒子とネオ
ジウム鉄ボロン粒子を混ぜた混合粉末をアルミニウム管
の中に充填して、これを線引き加工して金属線とした複
合材料である。
他の複合材料の断面図を示す。図7の(b)は、ネオジ
ウム鉄ボロンの永久磁石粒子23とアルミニウムと銅の
混合バインダー金属24を覆うアルミニウム基体25を
有する金属線の断面図である。混合バインダー金属24
は、アルミニウムと銅が混合された組織を有する。この
複合材料の金属線は、銅粒子とアルミニウム粒子とネオ
ジウム鉄ボロン粒子を混ぜた混合粉末をアルミニウム管
の中に充填して、これを線引き加工して金属線とした複
合材料である。
【0038】実施例4として、図7の(c)に本発明の
他の複合材料の断面図を示す。図7の(c)は、ネオジ
ウム鉄ボロンの永久磁石粒子26と銅のバインダー金属
27’を覆う銅基体27を有する金属線の断面図であ
る。この複合材料の金属線は、銅粒子とネオジウム鉄ボ
ロン粒子を混ぜた粉末を銅管の中に充填して、これを線
引き加工して金属線とした複合材料である。なお、この
金属線の表面を覆うように有機材料からなる絶縁被覆2
8を設けた。
他の複合材料の断面図を示す。図7の(c)は、ネオジ
ウム鉄ボロンの永久磁石粒子26と銅のバインダー金属
27’を覆う銅基体27を有する金属線の断面図であ
る。この複合材料の金属線は、銅粒子とネオジウム鉄ボ
ロン粒子を混ぜた粉末を銅管の中に充填して、これを線
引き加工して金属線とした複合材料である。なお、この
金属線の表面を覆うように有機材料からなる絶縁被覆2
8を設けた。
【0039】実施例5として、図7の(d)に本発明の
他の複合材料の断面図を示す。図7の(d)は、バリウ
ムフェライトの永久磁石粒子31とアルミニウムのバイ
ンダー金属32を覆うアルミニウム基体33を有する複
合材料線の断面図である。バリウムフェライトの永久磁
石粒子31とアルミニウムのバインダー金属32には、
減摩剤であるステアリン酸アルミニウムを約0.001
wt%混合した。この複合材料の金属線は、アルミニウ
ム粒子とバリウムフェライト永久磁石粒子と減摩剤を混
ぜた粉末をアルミニウム管の中に充填して、これを線引
き加工して金属線とした複合材料である。
他の複合材料の断面図を示す。図7の(d)は、バリウ
ムフェライトの永久磁石粒子31とアルミニウムのバイ
ンダー金属32を覆うアルミニウム基体33を有する複
合材料線の断面図である。バリウムフェライトの永久磁
石粒子31とアルミニウムのバインダー金属32には、
減摩剤であるステアリン酸アルミニウムを約0.001
wt%混合した。この複合材料の金属線は、アルミニウ
ム粒子とバリウムフェライト永久磁石粒子と減摩剤を混
ぜた粉末をアルミニウム管の中に充填して、これを線引
き加工して金属線とした複合材料である。
【0040】実施例6として図8に板状の複合材料の斜
視図を説明する。この複合材料は、内部に永久磁石粒子
を分散させたアルミニウム板である。まず、2つの開口
を有する長方形のアルミニウム筒を準備した。長方形の
アルミニウム筒は、押し出し成形された市販品を使用し
た。このアルミニウム筒の外観は板状とした。このアル
ミニウム筒の一方の開口に、ステンレスワイヤーを丸め
て作った固定用栓を詰めて粉体の漏れを防止した。この
状態で他方の開口から永久磁石粒子とアルミニウム粒子
を混合した混合粉末を注ぎこんだ。粉末を充填した後、
他方の開口に固定用栓を押し込んで粉末を固定した。次
にアルミニウム筒を圧延用ロールの間に通して、厚さt
を薄くさせた。この圧延ロールはアルミニウム筒の厚さ
tを薄くする平行な主ロールと、アルミニウム筒の幅w
を一定に抑えるために補助ロールを備える。続けて主ロ
ールの間隔を狭くした圧延用ロールに前記アルミニウム
筒を通して厚さtを薄くする工程を繰り返した。これら
の圧延工程によってアルミニウム筒とアルミニウム粒子
は一体化されて、板状のアルミニウム基体42の中に磁
永久磁石粒子41を分散させた複合材料を得た。なお、
この複合材料の形状は、主ロールと補助ロールの間隔の
組合せによって、板状、帯状、薄板状のいずれにも加工
することができた。
視図を説明する。この複合材料は、内部に永久磁石粒子
を分散させたアルミニウム板である。まず、2つの開口
を有する長方形のアルミニウム筒を準備した。長方形の
アルミニウム筒は、押し出し成形された市販品を使用し
た。このアルミニウム筒の外観は板状とした。このアル
ミニウム筒の一方の開口に、ステンレスワイヤーを丸め
て作った固定用栓を詰めて粉体の漏れを防止した。この
状態で他方の開口から永久磁石粒子とアルミニウム粒子
を混合した混合粉末を注ぎこんだ。粉末を充填した後、
他方の開口に固定用栓を押し込んで粉末を固定した。次
にアルミニウム筒を圧延用ロールの間に通して、厚さt
を薄くさせた。この圧延ロールはアルミニウム筒の厚さ
tを薄くする平行な主ロールと、アルミニウム筒の幅w
を一定に抑えるために補助ロールを備える。続けて主ロ
ールの間隔を狭くした圧延用ロールに前記アルミニウム
筒を通して厚さtを薄くする工程を繰り返した。これら
の圧延工程によってアルミニウム筒とアルミニウム粒子
は一体化されて、板状のアルミニウム基体42の中に磁
永久磁石粒子41を分散させた複合材料を得た。なお、
この複合材料の形状は、主ロールと補助ロールの間隔の
組合せによって、板状、帯状、薄板状のいずれにも加工
することができた。
【0041】実施例7として、永久磁石粒子を軸領域に
分散させたアルミニウム線を説明する。この線の第1の
用途は磁気信号線である。図9に本発明に係る磁気ワイ
ヤーを磁化して磁気信号線を得る様子を示す。複合材料
を所定の径に細くした金属線12の側面に沿って二つの
磁化装置51を対向させる。磁化装置51には複数の磁
極が設けられており、対向させた磁極間に強い磁界を発
生させるものである。この磁界発生装置によって、金属
線12を一定の間隔で磁化させた。なお、隣合う磁界の
向きは、同じとするかあるいは交互に逆向きとした。磁
界の向きの決定は、使用環境やセンサーの使用によって
任意に選択可能である。
分散させたアルミニウム線を説明する。この線の第1の
用途は磁気信号線である。図9に本発明に係る磁気ワイ
ヤーを磁化して磁気信号線を得る様子を示す。複合材料
を所定の径に細くした金属線12の側面に沿って二つの
磁化装置51を対向させる。磁化装置51には複数の磁
極が設けられており、対向させた磁極間に強い磁界を発
生させるものである。この磁界発生装置によって、金属
線12を一定の間隔で磁化させた。なお、隣合う磁界の
向きは、同じとするかあるいは交互に逆向きとした。磁
界の向きの決定は、使用環境やセンサーの使用によって
任意に選択可能である。
【0042】図10に連続した金属線の磁気信号線を用
いる様子を示す。床53に磁気信号線52を敷設してお
く。この磁気信号線52は細い線であるため、埋設せず
とも車輌の走行の邪魔とならない。この磁気信号線52
は自動走行車54を走らせたい軌道に沿って、接着剤や
粘着テープによって床53に設置した。もちろん、床5
3に埋設する場合にも、床を彫り込む深さが浅くて済む
という利点がある。この磁気信号線52に沿って、磁気
センサー55と自動走行制御装置と駆動装置を搭載した
自動走行車54を走行させた。自動走行車54は、荷物
56を搭載された後に、指定された搬送先に向かって自
動的に走行を開始した。この際、自動走行車は前記磁気
センサー55で磁気信号線をたどりながら、自らの進行
方向を制御しつつ走行した。やがて自動走行車は搬送先
に到達して停止して荷物56を配達した。磁気センサー
55にはMIセンサーやGMRセンサーを用いることが
できた。この走行方法は、従来の自動走行と一見同じよ
うに見えるが、次の点で利点がある。鉄道のレールの如
く、途中で磁気信号線を二股に分岐させる場合、枝の金
属線同士で磁化のピッチを変えておくと、自動走行車
は、どちらの枝の方に行くべきかを判別できる。
いる様子を示す。床53に磁気信号線52を敷設してお
く。この磁気信号線52は細い線であるため、埋設せず
とも車輌の走行の邪魔とならない。この磁気信号線52
は自動走行車54を走らせたい軌道に沿って、接着剤や
粘着テープによって床53に設置した。もちろん、床5
3に埋設する場合にも、床を彫り込む深さが浅くて済む
という利点がある。この磁気信号線52に沿って、磁気
センサー55と自動走行制御装置と駆動装置を搭載した
自動走行車54を走行させた。自動走行車54は、荷物
56を搭載された後に、指定された搬送先に向かって自
動的に走行を開始した。この際、自動走行車は前記磁気
センサー55で磁気信号線をたどりながら、自らの進行
方向を制御しつつ走行した。やがて自動走行車は搬送先
に到達して停止して荷物56を配達した。磁気センサー
55にはMIセンサーやGMRセンサーを用いることが
できた。この走行方法は、従来の自動走行と一見同じよ
うに見えるが、次の点で利点がある。鉄道のレールの如
く、途中で磁気信号線を二股に分岐させる場合、枝の金
属線同士で磁化のピッチを変えておくと、自動走行車
は、どちらの枝の方に行くべきかを判別できる。
【0043】実施例8として、複合材料の第2の用途で
ある鳥害忌避用磁気ワイヤーを説明する。建物の手すり
等に本発明にかかる複合材料の線を巻き付けておくと、
鳥が手すりに寄りつかなくなる。これによって鳥の糞害
を回避できる。前述した方法で磁気ワイヤーを磁化すれ
ば良いわけであるが、磁気信号線と異なり磁化の間隔や
磁化方向等はかなり自由度を有するものである。固形体
の磁石を手すりに付ける場合鉄製であれば容易に設置で
きるが、アルミニウム製や木製の場合にはボルト等で機
械的に固定するか、接着剤で固定する必要がある。容易
に曲げることができる本発明の磁気ワイヤーであれば、
アルミニウム製や木製の部分でも巻き付けるだけで固定
することが出来て取付け等が容易にできる利点がある。
磁気ワイヤーから発生させる磁界は、永久磁石粒子の量
やワイヤーの外径などで任意に制御できる。従って、鳥
を忌避するには十分で、かつ腕時計を狂わすには不十分
な適度な大きさの磁界が発生するように設計することも
可能である。
ある鳥害忌避用磁気ワイヤーを説明する。建物の手すり
等に本発明にかかる複合材料の線を巻き付けておくと、
鳥が手すりに寄りつかなくなる。これによって鳥の糞害
を回避できる。前述した方法で磁気ワイヤーを磁化すれ
ば良いわけであるが、磁気信号線と異なり磁化の間隔や
磁化方向等はかなり自由度を有するものである。固形体
の磁石を手すりに付ける場合鉄製であれば容易に設置で
きるが、アルミニウム製や木製の場合にはボルト等で機
械的に固定するか、接着剤で固定する必要がある。容易
に曲げることができる本発明の磁気ワイヤーであれば、
アルミニウム製や木製の部分でも巻き付けるだけで固定
することが出来て取付け等が容易にできる利点がある。
磁気ワイヤーから発生させる磁界は、永久磁石粒子の量
やワイヤーの外径などで任意に制御できる。従って、鳥
を忌避するには十分で、かつ腕時計を狂わすには不十分
な適度な大きさの磁界が発生するように設計することも
可能である。
【0044】また、ゴミ置き場に配設して、生ゴミを狙
う鳥が近づくことを回避する用途もある。ゴミ置き場の
構造物、例えば建物や金網に巻き付ける。本発明の複合
材料からなる磁気ワイヤーで金網を構成して、ゴミに被
せて置く方法を用いてもよい。ただし、光沢を呈する物
を収集する習性のある鳥、例えばカラス等を忌避する場
合には、磁気ワイヤーに塗装を施して、その光沢を失わ
せる方がより高い忌避効果を得る。また、果樹や野菜に
備え付けて害鳥を忌避することもできる。磁気ワイヤー
は軽量であるため、これらの植物に磁気ワイヤーを巻き
付けても大した重量の負荷とならず、植物の枝が折れる
ようなこともない。以上説明したように、要は鳥害にさ
らされるものであれば、この磁気ワイヤーを取り付ける
ことで害鳥を忌避する効果を得る。
う鳥が近づくことを回避する用途もある。ゴミ置き場の
構造物、例えば建物や金網に巻き付ける。本発明の複合
材料からなる磁気ワイヤーで金網を構成して、ゴミに被
せて置く方法を用いてもよい。ただし、光沢を呈する物
を収集する習性のある鳥、例えばカラス等を忌避する場
合には、磁気ワイヤーに塗装を施して、その光沢を失わ
せる方がより高い忌避効果を得る。また、果樹や野菜に
備え付けて害鳥を忌避することもできる。磁気ワイヤー
は軽量であるため、これらの植物に磁気ワイヤーを巻き
付けても大した重量の負荷とならず、植物の枝が折れる
ようなこともない。以上説明したように、要は鳥害にさ
らされるものであれば、この磁気ワイヤーを取り付ける
ことで害鳥を忌避する効果を得る。
【0045】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明に係る複
合材料を用いることにより、径を細くしても磁化の弱く
ならない磁気ワイヤーとして使用できる複合材料、ある
いは表面を金属で被覆した耐食性のよい複合材料を得る
ことが出来る。
合材料を用いることにより、径を細くしても磁化の弱く
ならない磁気ワイヤーとして使用できる複合材料、ある
いは表面を金属で被覆した耐食性のよい複合材料を得る
ことが出来る。
【図1】本発明の複合材料の斜視図である。
【図2】本発明の複合材料の断面図である。
【図3】本発明の複合材料に係る製造工程を説明する概
略図である。
略図である。
【図4】本発明の複合材料に係る製造工程を説明する概
略図である。
略図である。
【図5】図3及び4に係る製造工程を示す工程図であ
る。
る。
【図6】ダイスの径Rdとアルミニウム管のリダクショ
ンの関係を説明するグラフである。
ンの関係を説明するグラフである。
【図7】本発明の複合材料を説明する断面図である。
【図8】本発明の複合材料を説明する斜視図である。
【図9】本発明に係る磁気ワイヤーを着磁する様子を説
明する概略図である。
明する概略図である。
【図10】本発明に係る磁気ワイヤーを用いた自動走行
車システムの概略図である。
車システムの概略図である。
1 基体、2 永久磁石粒子、3 面取り、4 軸領
域、5 アルミニウム粒子、6 密封容器、7 アルミ
ニウム管、8 固定用栓、9 固定部、10 線引き用
ダイス、11 引っ張り加重装置、12 アルミニウム
線、13 細線にしたアルミニウム線、14 着磁装
置、20 永久磁石粒子、21 バインダー金属、22
アルミニウム基体、23 永久磁石粒子、24 混合
バインダー金属、25 アルミニウム基体、26 永久
磁石粒子、27 銅基体、27’ バインダー金属、2
8 絶縁被覆、29 銅基体、30 絶縁被覆、31
永久磁石粒子、32 バインダー金属、33 アルミニ
ウム基体、34 永久磁石粒子、35 アルミニウム基
体、41 永久磁石粒子、42 アルミニウム基体、5
1 磁化装置、52 磁気信号線、53 床、54 自
動走行車、55 磁気センサー、56 荷物
域、5 アルミニウム粒子、6 密封容器、7 アルミ
ニウム管、8 固定用栓、9 固定部、10 線引き用
ダイス、11 引っ張り加重装置、12 アルミニウム
線、13 細線にしたアルミニウム線、14 着磁装
置、20 永久磁石粒子、21 バインダー金属、22
アルミニウム基体、23 永久磁石粒子、24 混合
バインダー金属、25 アルミニウム基体、26 永久
磁石粒子、27 銅基体、27’ バインダー金属、2
8 絶縁被覆、29 銅基体、30 絶縁被覆、31
永久磁石粒子、32 バインダー金属、33 アルミニ
ウム基体、34 永久磁石粒子、35 アルミニウム基
体、41 永久磁石粒子、42 アルミニウム基体、5
1 磁化装置、52 磁気信号線、53 床、54 自
動走行車、55 磁気センサー、56 荷物
Claims (7)
- 【請求項1】 延性金属基体と、前記延性金属基体の軸
領域に分散させた金属系永久磁石粒子とバインダー金属
を備え、前記延性金属基体およびバインダー金属が非磁
性体であることを特徴とする複合材料。 - 【請求項2】 前記金属系永久磁石粒子が、ネオジム鉄
ボロン系永久磁石、サマリウムコバルト系永久磁石、サ
マリウム鉄系永久磁石、鉄とニッケルとコバルトもしく
はそれらを含む合金材料から選ばれる少なくとも1つの
材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載
の複合材料。 - 【請求項3】 延性金属基体と、前記延性金属基体の軸
領域に分散させた酸化物系永久磁石粒子およびバインダ
ー金属を備え、前記延性金属基体およびバインダー金属
が非磁性体であることを特徴とする複合材料。 - 【請求項4】 前記酸化物系永久磁石粒子が、フェライ
ト系永久磁石で構成されていることを特徴とする請求項
3に記載の複合材料。 - 【請求項5】 前記延性金属基体あるいはバインダー金
属が、アルミニウム、金、銀、銅、マグネシウム、亜
鉛、鉛、カドミウム、インジウムから選ばれる少なくと
も一つの材料で構成されることを特徴とする請求項1お
よび3に記載の複合材料。 - 【請求項6】 永久磁石粒子とバインダー金属を混合し
た粉末を形成する混合工程と、前記粉末を延性金属の管
の中に充填する工程と、前記延性金属の管を冷間加工し
て径を縮小して金属線に加工する工程とを備えることを
特徴とする複合材料の製造方法。 - 【請求項7】 前記金属線を形成した後に、前記金属線
を磁化する工程を有することを特徴とする請求項6に記
載の複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20860099A JP3372223B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20860099A JP3372223B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 複合材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001035716A true JP2001035716A (ja) | 2001-02-09 |
JP3372223B2 JP3372223B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=16558901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20860099A Expired - Fee Related JP3372223B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3372223B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257513A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Toyama Univ | 磁性アルミニウム複合体 |
-
1999
- 1999-07-23 JP JP20860099A patent/JP3372223B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257513A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Toyama Univ | 磁性アルミニウム複合体 |
JP4590633B2 (ja) * | 2005-03-17 | 2010-12-01 | 国立大学法人富山大学 | 磁性アルミニウム複合体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3372223B2 (ja) | 2003-01-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |