JP2001035482A - 非水電解質二次電池用電極の製造法及びそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極の製造法及びそれを用いた非水電解質二次電池

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JP2001035482A
JP2001035482A JP11211182A JP21118299A JP2001035482A JP 2001035482 A JP2001035482 A JP 2001035482A JP 11211182 A JP11211182 A JP 11211182A JP 21118299 A JP21118299 A JP 21118299A JP 2001035482 A JP2001035482 A JP 2001035482A
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electrode
secondary battery
negative electrode
electrolyte secondary
battery
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Takeshi Usumi
羽隅  毅
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非水電解質二次電池においては、電極をロール
プレス等により圧縮加工した場合、電極表面のイオンの
拡散特性や電気泳動特性が低下し、分極の増大や充放電
特性の低下を引き起こした。 【解決手段】電極合剤層を圧縮加工した後、光エッチン
グにより電極合剤層表面を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用電極の製造法及びそれを用いた非水電解質二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、非水電解質二次電池として、リチ
ウム二次電池が実用化されている。リチウム二次電池
は、正極活物質としてコバルト酸リチウム、マンガン酸
リチウム、ニッケル酸リチウム等が使われ、負極活物質
にはグラファイトやカーボン等の炭素系材料、リチウム
合金、酸化物、そしてリチウム金属等が用いられてい
る。
【0003】一般に、金属リチウムを除けば、電極の活
物質層は粉末や微粒子といった形状の活物質により形成
されている。これは活物質の表面積を大きくすること
で、反応性を高め、大電流を取出し易くするためであ
る。
【0004】しかし、表面積の大きな粒子は、一般に嵩
高い。嵩高い活物質粉末を使って電極を作製した場合、
電極中の空孔体積が大きくなるため、電極の体積あたり
のエネルギー密度が低下する。
【0005】そこで、高率放電特性と体積あたりの容量
密度とを同時に向上するために、活物質層を電極に充填
もしくは塗布した後、活物質層をロールプレス等により
圧縮加工することが一般におこなわれている。この様な
プレスによって、電極のみかけの体積と電極中の空孔体
積とを減少させて電極体積あたりの容量密度を向上で
き、かつ活物質粒子と導電助剤との間、もしくは活物質
間の電子伝導性を向上できる。
【0006】しかしながら、加工度の大きいプレスをお
こなった場合、活物質粒子の変形や移動により、電極表
面での活物質間の空隙が非常に小さくなり、電極表面で
の多孔度ならびに電解液保持量が低下する問題がある。
【0007】特に、活物質粒子に結晶性の高いグラファ
イトが含まれる場合、加工応力によりグラファイト粒子
が変形し、特に電極表面で配向する問題がある。これ
は、グラファイトの変形がグラファイトの(001)面
のすべりによりおこりやすいため、電極表面においてグ
ラファイトの(001)面と電極が平行になるように配
向しやすいことによる。グラファイトの(001)面を
貫通するようにイオン挿入は生じないことから、(00
1)面はリチウムが電極内へ拡散する作用を妨害する。
この拡散特性の低下は、電極内での充放電レベルのムラ
を生じさせるため電池の充放電特性を低下させる原因と
なる。
【0008】特にリチウムイオン二次電池のような、充
放電によりリチウムイオンが正負極間を往復するロッキ
ングチェア型の電池の場合、電極表面での金属リチウム
の電析や分極の増大等の問題を生じさせる。つまり、よ
り高率放電、急速充電特性の優れた電池を開発するため
には、電極表面での多孔度低下とグラファイト配向の問
題を解決する必要があった。
【0009】一方、光による固体表面の加工法としてレ
ーザーを用いた方法がある。このレーザー加工法には熱
的加工法と光化学的加工法とがある。熱的加工法とは、
例えば、金属などの対象物にレーザーを照射し、レーザ
ー吸収による発熱により、溶断もしくは溶接等に使用さ
れてきた。これに対して光化学的加工法とは、紫外線域
に強い吸収を持つ、例えば有機物などの対象物に紫外線
を照射し、対象物を構成している分子の結合鎖を切断す
るものである。
【0010】この二つの作用を厳密に区別することはで
きないが、光化学的加工法に有用なレーザーの中にエキ
シマレーザーがある。これは励起状態の分子が基底状態
に落ちる時に放出される光である。この光を放出するた
めに使用される媒質ガスとしてXeF、XeCl、Xe
Br、KrF、KrCl、ArF、ArCl、F2等が
ある。
【0011】これらの媒質ガスは355〜157nmの
波長のパルスレーザーを放出する。これらのパルスレー
ザーは短波長で非常にエネルギーが高いため、この光が
対象物に照射されると対象物の分子の化学結合が切断さ
れ、その結果、対象物が原子レベルで分解する。このよ
うな加工法はこれまで半導体のエッチングに使用されて
きた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の非水電解質二次
電池においては、電極をロールプレス等により圧縮加工
することで、電極の体積あたりの容量密度を向上するこ
とや活物質間の電子伝導性を向上させることができた。
【0013】しかしながら、同時に、圧縮加工によって
電極表面で活物質が高密度で集合することによって、電
極表面で多孔度が減少すること、ならびに活物質の配向
が生じること等の問題があった。これらの電極表面での
高密度層の生成、ならびに配向の生成は、電極表面のイ
オンの拡散特性ならびに電気泳動特性を低下させ、分極
の増大や充放電特性の低下を引き起こすという問題があ
った。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための非水電解質二次電池用電極の製造方法とし
て、電極合剤層を圧縮加工した後、光エッチングにより
電極合剤層表面を加工することを特徴とするものであ
る。
【0015】さらに本発明は、紫外線光または/および
ピークパワーが0.1MW以上のパルス光により、電極
合剤層表面を光エッチングすることを特徴とするもので
ある。
【0016】また本発明は、非水電解質二次電池におい
て、上記方法で製造した電極を、正極または負極のいず
れか一方、または正極と負極両方に使用するものであ
る。
【0017】さらに本発明は、前記非水電解質二次電池
において、イオン伝導性高分子を使用し、特に有孔性イ
オン伝導性高分子を使用するものであり、また、正極中
または/および負極中にイオン伝導性高分子を備えるも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本発明になる非水電解質二
次電池用電極の製造方法について説明する。
【0019】活物質、導電助剤、結着材を混合し、適当
な有機溶媒を使用してペースト状とし、このペーストを
集電体としての金属薄膜に塗布し、乾燥する。その後、
ロールプレス等により電極合剤層表面を圧縮加工し、電
極合剤層の多孔度を調整する。次に、電極合剤層表面に
紫外線光またはエキシマレーザー等のパルス光を照射す
る。その結果、電極合剤層表面の中心線平均粗さが増大
する。
【0020】また本発明は、非水電解質二次電池におい
て、上記方法で製造した電極を、正極または負極のいず
れか一方、または正極と負極両方に使用する。
【0021】さらに本発明は、前記非水電解質二次電池
において、イオン伝導性高分子を使用し、特に有孔性イ
オン伝導性高分子を使用するものであり、また、正極中
または/および負極中にイオン伝導性高分子を備えるも
のである。
【0022】本発明における波長355nm以下の紫外
線光は、媒質としてXeF、XeCl、XeBr、Kr
F、KrCl、ArF、ArCl、F2等を使用したエ
キシマレーザー、Hgランプ、Hg−Xeランプ、Nd
3+レーザー、電子ビーム励起によるAr2レーザー、H
e−Neレーザー、Cdレーザー等を使用できる。ま
た、パルス光はコヒーレンスの高い光であるならば、発
振方法や光源はいずれでも良い。また、第二次高調波等
の高次高調波を使用するとより多くの光源を使用でき
る。
【0023】しかしながら、高次高調波はエネルギーの
ロスが大きいため、電極表面のエッチングするために
は、光子一個あたりのエネルギーが高い、355nmの
波長以下の紫外線を発生させる装置が好適であり、中で
もエキシマレーザー装置による紫外線が好適である。
【0024】また、本発明におけるピークパワーが0.
1MW以上のパルス光は、CO2パルスレーザー、HF
レーザー、Ti:Al23レーザー、色素パルスレーザ
ー、エキシマレーザー等により得ることができる。ま
た,0.1MW以上のピークパワーをもつレーザー光に
より、本発明による電極は製造可能であるが,このピー
クパワーは1MW以上であることが好ましく、さらに、
100MW以上であっても製作可能である。高ピークパ
ワーを照射する場合には、照射面積を広くすることが求
められる。また、パルス光のピークパワー(W)とパル
ス幅(秒)との積であるパルスエネルギー(J)と一秒
あたりのパルス数(Hz)との積である平均パワー
(W)は10mJ以上であることが好ましく、より好ま
しくは100mJ以上であり、最も好ましくは500m
J以上である。
【0025】また、この平均パワーを照射面積で割った
値は、0.05J/cm2以上であることが良く、より
好ましくは0.5J/cm2以上であり、もっとも好ま
しくは2.0J/cm2以上である。ただし、20J/
cm2以上の光を照射した場合、電極が焼ける恐れがあ
るため、好ましくない。なお、本発明においては、上記
紫外線光とパルス光を同時に使用することもできる。
【0026】本発明の電極を使用した非水電解質二次電
池においては、電解液としては有機溶媒とアニオンとカ
チオンとからなる有機電解液を使用することもできる
し、イオン伝導性高分子を使用することもできる。
【0027】有機電解液を構成する有機溶媒としては、
たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スル
ホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブトキシ
エチルホスフェート、1,2−ジメトキシエタン、1,
2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテー
ト等の極性溶媒及びこれらの混合物を用いてもよい。
【0028】有機電解液を構成する塩のカチオンとして
は、H+、Li+、Na+、K+、Mg 2+、Ca2+、Z
2+、Al3+から選択することができる。特にLi+
好ましい。また、これらを複数もちいてもよい。
【0029】有機電解液を構成する塩のアニオンとして
は、PF6 -、BF4 -、AsF6 -、ClO4 -、SCN-
-、Cl-、Br-、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(C
3SO22-、から選択することができる。また、こ
れらの複数を使用してもよい。特に、PF6 -、ClO4 -
が好ましい。
【0030】また、充放電特性、安全性、寿命特性また
は保存特性等を改良する目的で、他の化合物を非水電解
質に加えてもよい。例えば、ピリジン、ピロール、クラ
ウンエーテル、アルキルエーテル、トリエタノールアミ
ン、エチレンジアミン、ポリエチレングリコール、CO
2、HFなどである。また、これらの複数をもちいても
よい。
【0031】イオン伝導性高分子を構成する高分子と
は、高分子の部分がイオン伝導性を示すものである。リ
チウム二次電池においては、高分子の部分がリチウムイ
オン伝導性を示すものである。その高分子材料として
は、非水電解液で湿潤または膨潤することによってリチ
ウムイオン伝導性が得られる高分子、またはポリエチレ
ンオキシドなどのように非水電解液によって膨潤しない
でもリチウムイオンが移動可能な高分子などが用いられ
る。
【0032】具体的な例を挙げると、次のような高分子
を単独で、あるいは混合して用いてもよい。ポリエチレ
ンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ
メタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、
ポリスチレン、ポリイソプレン及びこれらの誘導体。ま
た、上記高分子を構成する各種モノマーを共重合させた
高分子を用いてもよい。
【0033】また、イオン伝導性高分子としては、有孔
性とすることが好ましい。有孔性イオン伝導性高分子を
使用することにより、孔中に含まれた遊離の有機電解液
中をリチウムイオンが高速に拡散することができ、連通
孔を有さないリチウムイオン伝導性高分子を用いた従来
の電池と異なって、二次電池として実用的な充放電性能
が得られる。
【0034】イオン伝導性高分子の有孔化の方法として
は、延伸法、溶媒除去法、針刺し法等があり、これらの
組み合わせでもよい。
【0035】上記の延伸法とは、上記の高分子の合成
後、一軸もしくは二軸で引っ張り応力を加えて有孔化す
る方法である。
【0036】上記の針刺し法とは、先端の鋭利な細線等
で機械的に高分子に孔をあける方法である。
【0037】上記の溶媒除去法とは、上記の高分子を溶
媒(A)に溶解した高分子溶液を、高分子に対して不溶
性で溶媒(A)に対して相溶性である溶媒(B)中に浸
漬することによって高分子溶液の溶媒を除去し、これに
よりその溶媒の除去された部分が孔となって高分子が固
化して有孔性高分子が得られる。
【0038】溶媒除去法に用いる溶媒(A)としては、
n−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセチルアセ
トン等から選択できる。また、これらの複数を選択し、
混合して用いてもよいまた、溶媒除去法に用いる溶媒
(B)としては、水、エタノール、メタノール、イソプ
ロピルアルコール等から選択できる。また、これらの中
から複数を選択し、混合して用いてもよい。
【0039】本発明で用いられる負極活物質としては、
負極炭素材料、ならび合金、ならび酸化物、オキシ水酸
化物、硫酸塩、窒化物等を使用してよい。
【0040】上記の負極炭素材料としては、例えば、炭
素前駆体を550℃〜1000℃の範囲で熱処理をして
得た低温焼成炭素がある。具体的には、コークス、フェ
ノール樹脂、ポリパラフェニレン、ペリレンなどを10
00℃以下で熱処理し、H、O、N等のヘテロ原子が一
部残った未炭化物がある。
【0041】また、炭素前駆体を1000℃〜2000
℃の範囲で熱処理をして得た結晶性の低い炭素質材料が
ある。具体的には石油や石炭から得られるタールピッチ
を原料とした易黒鉛化性炭素であり、より具体的にはコ
ークス、MCMB、メソフューズピッチ系炭素繊維、熱
分解気相成長炭素繊維などがある。
【0042】さらに熱硬化性樹脂を1000℃〜140
0℃で熱処理して得たガラス状炭素に代表される非晶質
構造に近い構造をもつ難黒鉛化性炭素がある。より具体
的にはフェノール樹脂焼成体、フルフリルアルコール樹
脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、疑似等方
性炭素などがある。
【0043】また、易黒鉛化性炭素を2000℃以上で
熱処理することによって得られる黒鉛質材料がある。具
体的には、人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒鉛化メソフュ
ーズピッチ系炭素繊維、黒鉛ウイスカーなどである。こ
れらに加えて、黒鉛質材料の中には天然黒鉛があり、そ
の形状は燐片状や土状そして球状のものがある。
【0044】上記の負極炭素材料は、乳鉢、ボールミ
ル、流星ボールミル、サンドミル、旋回気流型ジェット
ミル等により粉砕することで、所定の粒子径にすること
ができ、必要によって、この粉砕の後に分級をすること
ができる。よって、任意の粒子粒子径を選択することが
できるが、好ましくは、1〜100μmの粒子径を選択
するのがよい。
【0045】負極活物質に合金を使用する場合、具体的
な合金系としては、Li−Na、Li−Mg、Li−A
l、Li−Si、Li−Ca、Li−Zn、Li−G
a、Li−Ge、Li−Zr、Li−Ag、Li−C
d、Li−Sn、Li−Ir、Li−Pt、Li−P
b、Li−Bi等がある。また、ここで選択した二元系
合金を組み合わせて用いることができる。また、ここで
選択した合金に全く別の元素を加えた三元系以上の合金
も選択することができる。またLi金属も負極活物質と
して用いることができる。この中でも、好ましくは、L
i−Al、Li−Si、Li−Zn、Li−Sn系合金
が選択できる。
【0046】負極活物質に使用する酸化物、オキシ水酸
化物、硫酸塩としては、有機電解液を構成するカチオン
と合金化する元素の酸化物、オキシ水酸化物、硫酸塩が
選択できる。カチオンとしてリチウムが具体的には、S
nO、SnO2、SiO、AgO、PbO、Sn3
2(OH)2、SnSO4などが選択できる。また、これ
らの材料にP、S、B等を加えた非晶質負極材料を用い
てもよい。
【0047】負極活物質に使用する窒化物としては、L
3-AAN(0≦A≦1、M=Co、Ni、Cu)を用
いてもよい。
【0048】また、負極活物質としては、上記の負極炭
素材料、合金、金属、酸化物、オキシ水酸化物、硫酸
塩、窒化物等を単体として用いても、複数選択して混合
して用いてもよい。形状が異なった負極活物質を混合し
て用いても良い。混合の方法は、均一であっても、不均
一であっても、また、ある材料の表面に別の材料を担持
する形態を選択してもよい。
【0049】また、異なる二種類以上の負極活物質の選
択例としてLi−Al系合金と難黒鉛化性炭素、SnO
と金属Liと易黒鉛化性炭素、などがある。また、形状
の異なる二種類以上の負極活物質の例としては、黒鉛化
MCMBと燐片状天然黒鉛、黒鉛化MCMBと黒鉛化メ
ソフューズピッチ系炭素繊維などがある。
【0050】好ましくは、形状の異なる二種類以上の黒
鉛質材料炭素材料と、リチウム金属もしくは合金との組
み合わせ、形状の異なる二種類以上の黒鉛質材料とリチ
ウム金属またはリチウム合金との組み合わせである。具
体的には燐片状天然黒鉛と黒鉛化MCMBと金属Li、
黒鉛化MCMBと黒鉛化メソフューズピッチ系炭素繊維
と金属Li、黒鉛化MCMBと球状天然黒鉛とLi−S
i合金、燐片状天然黒鉛と黒鉛化MCMBと球状天然黒
鉛とLi−Al合金等である。
【0051】本発明で用いられる正極活物質としては、
無機化合物としては、組成式LiBMO2、またはLiC
24(ただし、Mは遷移金属、0≦B≦1.0≦C≦
2)で表される、複合酸化物、トンネル状の孔を有する
酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物、オキシ水酸化
物等を用いることができる。その具体例としては、Li
CoO2、LiNiO2、NiOOHLi、LiMn
24、Li2Mn24、MnO2、FeO2、V25、V6
13、TiO2、TiS2等が挙げられる。また、有機化
合物としては、例えばポリアニリン等の導電性高分子等
が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わ
ず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0052】上記の正極活物質、負極活物質に対して、
充放電特性、安全性、寿命特性、保存性等を向上させる
ために、表面処理をおこなってもよい。具体的には、酸
性水溶液による洗浄、アルカリ水溶液による洗浄、中性
水による洗浄、酸性雰囲気や還元性雰囲気中での焼成、
が挙げられる。
【0053】本発明における正極ならびに負極とは、電
子伝導性を有する基体に正極活物質、ならびに負極活物
質を備える電極により作ることができる。ここで、電子
伝導性を有する基体として、銅箔やアルミ箔等の金属の
箔、薄膜、フィルム等を使用でき、網や、エキスパンド
格子、発泡体、焼結体、多孔質体、繊維群の形成体等を
使用することもできる。また、これらの基体の材料に
は、銅やアルミニウムの他に鉄、ニッケル、金、炭素な
どを使用しても良い。特に、正極にはアルミニウム、負
極には銅を使用するのが好ましい。
【0054】また、正極または負極の電極合剤層表面の
エッチング後の中心線平均粗さ(Ra)は、2μm以上
であることが好ましく、より好ましくは5μm以上であ
り、さらに好ましくは10μm以上である。
【0055】中心線平均粗さの測定方法として、探針法
が取られる場合が多いが、電極の表面は針の接触により
変形する場合がある。そのため、非接触による測定法で
ある、レーザー顕微鏡や、原子間力顕微鏡によって、表
面粗さを測定することが好ましい。
【0056】また、正・負極に加えることのできる結着
剤として、ポリビニールアルコール、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、ポリ
ブタジエン、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系
樹脂やフッ素系ゴムから選択できる。
【0057】本発明で用いられるセパレータとしては、
従来から公知である有孔性ポリプロピレンや有孔性ポリ
エチレン、等を使用してもよい。また、上記の有孔性イ
オン伝導性高分子を使用してもよい。また、これらのセ
パレータにはフィラーを添加することができる。
【0058】上記のフィラーとしては、CaO、SiO
2、Al23等の酸化物やガラス等からなる繊維状材料
ならば何でも用いることができる。
【0059】本発明で用いられる電池の形状としては、
角型、シリンダー型、ボタン型、シート型、偏平型な
ど、いずれでもよい。
【0060】本発明で用いられる電池のケースには、材
料としてステンレス、アルミニウム、マグネシウム、鉄
等の金属ケースを用いても良く、また、アルミ合金、チ
タン合金等の金属合金ケースでもよい。また、酸化物系
セラミックス、非酸化物系セラミックスでもよい。さら
に、アルミニウム箔と樹脂膜とを複合化したアルミラミ
ネートにより形成してもよい。この樹脂膜として、具体
的にはポリプロリレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂等
があるが、電解液を透過しないものであればあらゆる樹
脂膜が使用できる。好ましい電池のケースの材料として
は、ステンレス、アルミ合金、マグネシウム合金、アル
ミラミネートフィルムが挙げられる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0062】はじめに、正極板の製作法について説明す
る。コバルト酸リチウム36wt%、アセチレンブラッ
ク3wt%、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)
6wt%、NMP55wt%を混合したものをアルミニ
ウム薄膜に塗布し、85℃で乾燥してNMPを蒸発させ
正極板を製作した。これをロールプレスすることにより
正極板(P)を製作した。
【0063】また、この正極板(P)をロールプレスす
る前に、ポリアクリロニトリル(PAN)7wt%とN
MP93wt%とを混合した高分子溶液を塗布して7分
間放置し、未プレス電極の孔中に浸透させた後に、蒸留
水に7分間浸漬して、PANを溶解しているNMPを蒸
留水で除去して、電極孔中のPANを多孔化する、有孔
性高分子含浸処理をおこなった。この正極を85℃にお
いて180分間乾燥して蒸留水を除去し、ロールプレス
することにより正極板(Q)を製作した。
【0064】この正極板(P)および正極板(Q)の電
極合剤層表面に、Ar−Fをレーザ触媒ガスとする波長
193nm、照射エネルギー密度0.9J/cm2のエ
キシマレーザを照射した。一回の照射面積1mm×1m
mであり、一つの領域に100Hzで5回、照射をおこ
なった。この照射は正極板の合剤層表面の全面におこな
い、かつ、となりあう照射領域同士が重なるようにする
ことで照射漏れのないようにした。この結果、エキシマ
レーザの照射前後で、電極の中心線平均粗さは0.7μ
mRaから2.7μmRaに増加した。正極板(P)に
エキシマレーザを照射した極板を正極板(R)、正極板
(Q)にエキシマレーザーを照射した極板を正極板
(S)とした。
【0065】つぎに負極板の製作法について説明する。
黒鉛化MCMB20wt%、燐片状天然黒鉛10wt
%、フェノール樹脂焼成体を粉砕して作製した炭素粉末
8wt%、PVdF7wt%、NMP55wt%を混合
した活物質ペーストを銅箔に塗布し、85℃で乾燥して
NMPを蒸発させ、負極板を製作した。これをロールプ
レスすることで負極板(W)を作製した。
【0066】また、この負極をロールプレスする前に、
ポリアクリロニトリル(PAN)7wt%とNMP93
wt%とを混合した高分子溶液を塗布して7分間放置
し、未プレス電極の孔中に浸透させた後に、蒸留水に7
分間浸漬して、PANを溶解しているNMPを蒸留水で
除去して、電極孔中のPANを多孔化する、有孔性高分
子含浸処理をおこなった。この電極を85℃において1
80分間乾燥して蒸留水を除去し、それから、この有孔
性高分子を備える負極をロールプレスすることにより負
極板(X)を作製した。
【0067】次に、これらの負極板(W)ならびに負極
板(X)の表面に、Ar−Fをレーザ触媒ガスとする波
長193nm、照射エネルギー密度0.9J/cm2
エキシマレーザを照射した。一回の照射面積1mm×1
mmであり、一つの領域に100Hzで5回、照射をお
こなった。この照射は負極板の合剤層表面の全面におこ
ない、かつ、となりあう照射領域同士が重なるようにす
ることで照射漏れのないようにした。この結果、エキシ
マレーザの照射により、電極の中心線平均粗さは1.1
μmRaから3.4μmRaに増加した。このエキシマ
レーザを照射した負極において、有孔性高分子を含まな
い極板を負極板(Y)、有孔性高分子を含む極板を負極
板(Z)とした。
【0068】次に、本発明による電池(A)〜(H)お
よび比較用の電池(I)〜(L)を作成した。
【0069】正極板(R)と負極板(W)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mのポリエチレンセパレータを挟んで巻回してエレメン
トを製作した。このエレメントを作製後、高さ45m
m、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿入
した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称容
量450mAhの電池(A)を製作した。
【0070】正極板(P)と負極板(Y)とを、幅20
mm、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22
mmのポリエチレンセパレータを挟んで巻回してエレメ
ントを製作した。このエレメントを作製後、高さ45m
m、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿入
した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称容
量450mAhの電池(B)を製作した。
【0071】正極板(R)と負極板板(Y)とを幅20
mm、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22
mmのポリエチレンセパレータを挟んで巻回してエレメ
ントを製作した。このエレメントを作製後、高さ45m
m、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿入
した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称容
量450mAhの電池(C)を製作した。
【0072】正極板(P)と負極板(W)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mのポリエチレンセパレータを挟んで巻回してエレメン
トを製作した。このエレメントを作製後、高さ45m
m、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿入
した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのLi
PF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称容
量450mAhの比較用の電池(I)を製作した。
【0073】別に、リチウム塩を含んだポリエチレンオ
キシドを、ポリエチレンセパレータと同じ幅と厚さにロ
ールプレスすることで、無孔性高分子電解質を製作し
た。また、ポリエチレンオキシドとNMPとを混合して
ポリエチレンオキシド溶液を製作し、ドクターブレード
法により形成した溶液膜を、蒸留水によりNMPを抽出
し、有孔性ポリエチレンオキシド膜を製作した。
【0074】正極板(R)と負極板(Y)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mのポリエチレンオキシド無孔性高分子電解質を挟んで
巻回してエレメントを製作した。このエレメントを作製
後、高さ45mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレ
スケースに挿入した。さらに、体積比1:1のエチレン
カーボネートとジメチルカーボネートとの混合液に1m
ol/lのLiPF6を加えた電解液を注入して、本発
明による公称容量450mAhの電池(D)を製作し
た。
【0075】正極板(R)と負極板(Y)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mの有孔性ポリエチレンオキシド膜を挟んで巻回してエ
レメントを製作した。こののち、エレメントを高さ45
mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿
入した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネート
とジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのL
iPF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称
容量450mAhの電池(E)を製作した。
【0076】正極板(P)と負極板(W)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mのポリエチレンオキシド無孔性高分子電解質を挟んで
巻回してエレメントを製作した。このエレメントを作製
後、高さ45mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレ
スケースに挿入した。さらに、体積比1:1のエチレン
カーボネートとジメチルカーボネートとの混合液に1m
ol/lのLiPF6を加えた電解液を注入して、公称
容量450mAhの比較用電池(J)を製作した。
【0077】正極板(P)と負極板(W)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mの有孔性ポリエチレンオキシド膜を挟んで巻回してエ
レメントを製作した。このエレメントを作製後、高さ4
5mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに
挿入した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネー
トとジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lの
LiPF6を加えた電解液を注入して、公称容量450
mAhの比較用電池(K)を製作した。
【0078】正極板(S)と負極板(X)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mの有孔性ポリエチレンオキシド膜を挟んで巻回してエ
レメントを製作した。このエレメントを作製後、高さ4
5mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに
挿入した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネー
トとジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lの
LiPF6を加えた電解液を注入して、本発明による公
称容量450mAhの電池(F)を製作した。
【0079】正極板(Q)と負極板(Z)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mの有孔性ポリエチレンオキシド膜を挟んで巻回してエ
レメントを製作した。こののち、エレメントを高さ45
mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿
入した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネート
とジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのL
iPF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称
容量450mAhの電池(G)を製作した。
【0080】正極板(S)と負極板(Z)とを幅20m
m、長さ550mmに切断し、厚さ27μm、巾22m
mの有孔性ポリエチレンオキシド膜を挟んで巻回してエ
レメントを製作した。こののち、エレメントを高さ45
mm、幅23mm、厚さ6mmのステンレスケースに挿
入した。さらに、体積比1:1のエチレンカーボネート
とジメチルカーボネートとの混合液に1mol/lのL
iPF6を加えた電解液を注入して、本発明による公称
容量450mAhの電池(H)を製作した正極板(Q)
と負極板(X)とを幅20mm、長さ550mmに切断
し、厚さ27μm、巾22mmの有孔性ポリエチレンオ
キシド膜を挟んで巻回してエレメントを製作した。この
エレメントを作製後、高さ45mm、幅23mm、厚さ
6mmのステンレスケースに挿入した。さらに、体積比
1:1のエチレンカーボネートとジメチルカーボネート
との混合液に1mol/lのLiPF6を加えた電解液
を注入して、公称容量450mAhの比較用電池(L)
を製作した。
【0081】本発明による電池(A)〜(H)と比較用
電池(I)〜(L)との充放電条件は以下の通りであ
る。500mAで4.15Vまで定電流充電したのち、
4.15Vでの定電圧充電を3時間おこなった。このの
ち、3時間ほど、休止時間をおいたあと、500mAで
2.5Vまで定電流放電した。電池の充放電試験はすべ
て室温でおこなった。
【0082】図1は本発明による電池(A、B、C)と
比較用電池(I)との放電特性を示したものである。本
発明による電池は比較用電池(I)と比べて高容量を示
すことがわかる。これは、光エッチングにより、電極合
剤層表面の中心線平均粗さ(Ra)が大きくなり、電極
間を移動するリチウムイオンの拡散特性ならびに、電気
泳動特性を向上させたため、分極が小さくなり、充放電
のしやすさが向上したためであると考えられる。
【0083】これに対して、比較用電池(I)では、放
電電気量が他の電池と比較して小さい値を示した。この
原因を調べるために比較用電池を分解した。これによっ
て、負極表面上に金属リチウムの電析が観察された。こ
れは、プレスによって電極表面に圧縮層が生じたため、
リチウムイオンの拡散特性が低下し、電極間分極が増大
したため、この金属リチウムがいわゆるデッドリチウム
となり、放電に、寄与できなかったのではないかと考え
られる。
【0084】図2は本発明による電池(D、E)と比較
用電池(J、K)との放電特性を示したものである。電
池(DJ)は無孔性ポリマー膜を使用し、電池(E,
K)は有孔性ポリマー膜を使用した。無孔性ポリマー膜
を使用した電池では、光エッチングをした電極を備えた
電池(D)が高容量を示し、また、有孔性ポリマー膜を
使用した電池においても、光エッチングをした電極を備
えた電池(E)が高容量を示した。これは、光エッチン
グにより、電極合剤層表面の中心線平均粗さ(Ra)が
大きくなり、電極間を移動するリチウムイオンの拡散特
性ならびに、電気泳動特性を向上させたため、分極が小
さくなり、充放電のしやすさが向上したためであると考
えられる。
【0085】図3は本発明による電池(F、G、H)と
従来の電池(L)との放電特性を示したものである。電
池(F、G、H)は、正極と負極の少なくとも一方に有
孔性高分子を含浸し、プレス後に電極表面を光エッチン
グしたものである。比較用電池(L)にくらべて、本発
明による電池(F、G、H)が高容量を示した。これ
は、光エッチングにより、電極合剤層表面の中心線平均
粗さ(Ra)が大きくなり、電極間を移動するリチウム
イオンの拡散特性ならびに、電気泳動特性を向上させた
ため、分極が小さくなり、充放電のしやすさが向上した
ためであると考えられる。
【0086】図4は本発明による電池(H)と比較用電
池(L)との放電電気量と温度との関係を示す。これ
は、500mAで4.15Vまで定電流充電したのち、
4.15Vでの定電圧充電を3時間おこない、休止時間
を3時間おいたあと、1Aで2.5Vまで定電流放電し
た時の結果である。充電はすべて室温、放電は−20
℃、0℃、25℃でおこなった。図4から、本発明によ
る電池(H)は従来の電池(L)と比較して、すべての
温度の領域での放電特性が向上することがわかった。
【0087】
【発明の効果】非水電解質二次電池においては、電極を
ロールプレス等の圧縮加工することによって、電極の体
積あたりの容量密度を向上することができるが、圧縮加
工をおこなった加工面つまり電極合剤層表面では、活物
質粒子が変形して、電極表面の多孔度が低下して密度が
高まる。
【0088】本発明では、電極合剤層表面にできる高密
度層を光学エッチングで取り除くことにより、電極合剤
層表面のエッチング後の中心線平均粗さ(Ra)を増大
させ、放電特性を向上し、低温特性をも向上するもので
ある。また、この電極と多孔性高分子電解質とを併せ持
つ電池においては従来の電池よりも安全性に優れた非水
電解質電池を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電池(A)、(B)、(C)と比
較用電池(I)との放電特性を示す図
【図2】本発明による電池(D)、(E)と比較用電池
(J)、(K)との放電特性を示す図
【図3】本発明による電池(F)、(G)、(H)と比
較用電池(L)との放電特性を示す図
【図4】本発明による電池(H)と比較用電池(J)と
の放電容量と放電温度との関係を示す図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極合剤層を圧縮加工した後、光エッチン
    グにより電極合剤層表面を加工することを特徴とする非
    水電解質二次電池用電極の製造法。
  2. 【請求項2】 紫外線光または/およびピークパワーが
    0.1MW以上のパルス光により、電極合剤層表面を光
    エッチングすることを特徴とする請求項1記載の非水電
    解質二次電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法で製造した
    電極を、正極または/および負極に使用することを特徴
    とする非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 イオン伝導性高分子を使用することを特
    徴とする請求項3記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 イオン伝導性高分子が有孔性であること
    を特徴とする請求項4記載の非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 正極中または/および負極中にイオン伝
    導性高分子を備えることを特徴とする請求項3、4また
    は5記載の非水電解質二次電池。
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