JP2001035396A - プラズマディスプレイ装置及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隔壁上に塗布されたフリットガラスで基板を
相互接合したプラズマディスプレイ装置を提供する 【解決手段】 相互に対向して接合される前面ガラス基
板及び背面ガラス基板と、前記前面ガラス基板及び前記
背面ガラス基板の内側の面に相互に直角の方向に形成さ
れたストリップ状のディスプレイ電極及びアドレス電極
と、前記ディスプレイ電極及び前記アドレス電極を覆う
ように、前記前面ガラス基板及び前記背面ガラス基板の
内表面に形成された誘電層と、前記背面ガラス基板上の
誘電層上に形成された隔壁と、前記隔壁により形成され
たセルに塗布された蛍光体と、前記隔壁の上部に前記前
面ガラス基板を加熱融着するように前記隔壁の上部表面
とそれに対応した前面ガラス基板との間に形成されたフ
リットガラス層とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イ装置及びその製造方法に係り、より詳細には背面ガラ
ス基板に形成された隔壁上部にフリットガラスを塗布す
ることによって隔壁と上板ガラスの接合がなされたプラ
ズマディスプレイ装置及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的にプラズマディスプレイ装置は、
ガス放電現象を用いて画像を表示するためのものであっ
て、表示容量、輝度、コントラスト、残像、視野角など
の各種表示能力に優れて、CRTに代わるディスプレイ装
置として注目されている。このようなプラズマディスプ
レイ装置は、電極に印加される直流または交流電圧によ
って電極間のガスから放電が発生し、これに伴う紫外線
の放射によって蛍光体を励起して発光する。

【０００３】プラズマディスプレイ装置は、放電メカニ
ズムよって交流型(AC型)と直流型(DC型)に分けられる。
直流型は、プラズマ表示パネルを構成する各電極が放電
セルに封入されるガス層に直接的に露出されて、それに
印加される電圧がそのまま放電ガス層に印加されるもの
であって、交流型は、各電極が放電ガス層と誘電体層に
よって分離されて放電現象時発生する荷電粒子を前記電
極が吸収せずに壁電荷を形成し、このような壁電荷を用
いて次の放電を起こすものである。

【０００４】図１には、一般的な交流型プラズマディス
プレイ装置の構造に対する概略的な分解斜視図が示され
ている。

【０００５】図面を参照すれば、前面ガラス基板１１と
背面ガラス基板１２との間に透明なディスプレイ電極の
第１電極１３aとアドレス電極の第２電極１３bが形成さ
れる。参照符号１３cで示されたものはバス電極であ
る。第１電極１３aと第２電極１３bは前面ガラス基板１
１及び背面ガラス基板１２の内側の面に各々ストリップ
状に形成され、基板１１、１２が相互に組み立てられた
時相互に直角に交差する。前面ガラス基板１１の内側の
面には誘電層１４と保護層１５が順次に積層される。一
方、背面ガラス基板１２には誘電層１４'の上部表面に
隔壁１７が形成され、隔壁１７により放電空間のセル１
９が形成される。セル１９内にはアルゴンのような不活
性ガスが充填される。また各々のセル１９を形成する隔
壁１７の内側には所定部位に蛍光体１８が塗布される。

【０００６】前記のような構成を有するプラズマディス
プレイ装置の作動を概略的に説明すれば、まず電極１３
a、１３bが放電を起こしうるように高電圧のトリガ電圧
が印加される。トリガ電圧により誘電層１４に陽イオン
が蓄積されると、放電が発生する。トリガ電圧がスレシ
ョルド電圧を越えればセル１９内に充填されたアルゴン
ガスは放電によりプラズマ状態になり、電極１３a、１
３b間で安定した放電状態を維持できる。安定した放電
状態では放電光中で紫外線領域の光が蛍光体１８に衝突
して発光し、それによってセル１９毎に形成される各々
の画素は画像を表示することができる。

【０００７】一般的にプラズマディスプレイ装置は、製
作以後の低圧条件信頼性を確保するために約１５０Ｔｏ
ｒｒ（トル）（Ｔｏｒｒ＝１０１，３２５／７６０ ｐ
ａｓｃａｌ）以下の極低圧条件で破損されずに耐えられ
ることが要求される。このような条件は、海抜８０００
ｆｔ（フィート）における大気圧下で装置の作動が正常
的になされる条件に該当する。ところが、前述されたプ
ラズマディスプレイ装置は、隔壁１７の上部表面に前面
ガラス基板１１が支持されている状態ではあるが、隔壁
１７と前面ガラス基板１１が相互に接合した状態ではな
い。前面ガラス基板１１と背面ガラス基板１２は、基板
の端部にフリットガラス(図示せず)を塗布して融着する
ことによって相互接合状態を維持する。完成されたプラ
ズマディスプレイ装置内部の圧力は外部の圧力より相対
的に低いため、基板１１、１２の端部だけをフリットガ
ラスで融着することによっても十分に真空状態の機密が
維持されうる。

【０００８】しかし、上記のような構造のプラズマディ
スプレイ装置が相対的に低い外部圧力条件下に放置され
れば上記の状況は反転される。隔壁１７は前面ガラス基
板１１を支持できなくなり、それによって前面ガラス基
板１１が隔壁１７の上部表面から浮かぶ状態になる。さ
らに圧力差が大きくなる場合、基板１１、１２の端部に
位置したフリットガラスは強い応力を受け、このような
応力が臨界点を過ぎれば破損が発生する。

【０００９】一方、プラズマディスプレイ装置で放電発
光効率を高めるためには、放電ガスの圧力がさらに高く
なる必要がある。このような場合、プラズマディスプレ
イパネルは高圧のガス注入に耐えられなければならない
が、既存の端部接合方式では高圧の放電ガス圧力に耐え
られない。一方、装置画面が大型化になればなるほどガ
ラス基板の変形が発生しやすく、また装置内の発熱によ
りガラス基板が変形しやすい問題点がある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点を解決するために、基板の接合性が向上できるよ
うに隔壁上に塗布されたフリットガラスで基板を相互接
合したプラズマディスプレイ装置を提供することを目的
とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第１の態様は、相互対向して接合される
前面ガラス基板及び背面ガラス基板と、前記前面ガラス
基板及び前記背面ガラス基板の内側の面に相互に直角の
方向に形成されたストリップ状のディスプレイ電極及び
アドレス電極と、前記ディスプレイ電極及び前記アドレ
ス電極を覆うように、前記前面ガラス基板及び前記背面
ガラス基板の内側の面に形成された誘電層と、前記背面
ガラス基板上の誘電層上に形成された隔壁と、前記隔壁
により形成されたセルに塗布された蛍光体と、前記隔壁
の上部に前記前面ガラス基板を加熱融着するように前記
隔壁の上部表面とそれに対応した前面ガラス基板との間
に形成されたフリットガラス層と、を有するプラズマデ
ィスプレイ装置を提供する。

【００１２】本発明の第２の態様は、前記前面ガラス基
板と前記背面ガラス基板の封着以後に、前記隔壁の上部
に形成されたフリットガラス層の幅が前記隔壁上部表面
の幅に対して約１０乃至１００％である。

【００１３】本発明の第３の態様は、前記前面ガラス基
板と前記背面ガラス基板の封着以後に、前記フリットガ
ラス層の厚さが１乃至５０マイクロメートルである。

【００１４】本発明の第４の態様は、前面ガラス基板及
び背面ガラス基板の内側の面に相互に交差する電極と前
記電極を覆う誘電層を形成するステップと、前記背面ガ
ラス基板の誘電層上部に隔壁を形成し蛍光体を塗布する
ステップと、前記隔壁の上部表面にフリットガラスを塗
布して乾燥させるステップと、前記フリットガラスを加
熱して前記前面ガラス基板の内側の面に対して封着する
ことによって、前記前面ガラス基板と前記隔壁上部表面
との間にフリットガラスの層を形成するステップと、前
記封着された状態の基板結合体内に放電ガスを注入して
封止するステップと、を有するプラズマディスプレイ装
置の製造方法を提供する。

【００１５】本発明の第５の態様は、前記形成するステ
ップにおける封着は、前記基板を相互に固定させた状態
で大気圧下で遂行され、前記封止するステップ以前に前
記封着された基板間の空間に含まれたガスを加熱排気す
るステップをさらに有する。

【００１６】本発明の第６の態様は、前記形成するステ
ップにおける封着は、前記基板を離隔した状態で真空チ
ャンバ内に配置することによって、加熱排気した後に前
記基板を相互結合することによって遂行される。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を添付した図面に示
した一実施例を参照してより詳細に説明する。

【００１８】図２には、本発明に係るプラズマディスプ
レイ装置に対する概略的な分解斜視図が示されている。

【００１９】図２を参照すれば、本発明のプラズマディ
スプレイ装置の全体的な構造は、図１に示した一般的な
プラズマディスプレイ装置の構造に似ている。即ち、前
面ガラス基板２１と背面ガラス基板２２との間に透明な
ディスプレイ電極の第１電極２３aとアドレス電極の第
２電極２３bが形成される。参照符号号２３cで示された
ものはバス電極である。第１電極２３aと第２電極２３b
は前面ガラス基板２１及び背面ガラス基板２２の内側の
面に各々ストリップ状で形成されて、相互に直角で交差
する。前面ガラス基板２１の内側の面には誘電層２４と
保護層２５が順次積層される。一方、背面ガラス基板２
２には誘電層２４'の上部表面に隔壁２７が形成され、
隔壁２７によりセル２９が形成される。セル２９内には
アルゴンのような不活性ガスが充填され、隔壁２７の内
側には所定部位に蛍光体２８が塗布される。

【００２０】本発明によれば、隔壁２７の上部表面には
フリットガラスが塗布されて形成されたフリットガラス
層３１が存在し、これは融着を通じて前面ガラス基板２
１の内側の面に接合される。即ち、隔壁２７が前面ガラ
ス基板２１を支持する作用と共に、隔壁２７の上部に塗
布されたフリットガラス層３１が前面ガラス基板２１に
対して融着を通じて接合される。このような隔壁２７の
上部表面での接合は、基板２１、２２の端部でなされる
フリットガラスの接合と共に並行されることによって接
合強度を向上させる効果をもたらす。

【００２１】隔壁２７の上部表面へのフリットガラス層
３１の塗布は印刷方式により遂行されうり、塗布後は充
分な時間をおいて乾燥させる。次に、前面ガラス基板２
１と背面ガラス基板２２をクリップで相互に固定した状
態で大気圧下で加熱することによって、フリットガラス
層３１が前面ガラス基板２１の内側の面に封着されう
る。基板の封着以後には充分に加熱排気がなされるべき
である。即ち、フリットガラスの融解時に発生する不純
なガスが封着されたプラズマパネル装置のセル２９や隔
壁、蛍光体、誘電体の内側の面の微小孔極に残留するの
で、これを従来の工程より長時間加熱して排気する必要
がある。加熱排気以後には排気管を通じて放電ガスを注
入し、最終的に排気管を封止する。

【００２２】他の例では、隔壁２７の上部に印刷の方法
でフリットガラス層３１を塗布及び乾燥させ、基板の相
互封着以前に基板を真空チャンバ(図示せず)内で加熱す
る。即ち、基板２１、２２を相互離隔した状態で加熱す
ることによって発生する不純なガスを真空チャンバ外部
に排気できるようにする。次に真空チャンバ内で基板２
１、２２を相互封着及び冷却する。その後、排気管を通
じて放電ガスを注入し排気管を封止する。

【００２３】図２で隔壁２７の上部表面にフリットガラ
ス層３１を塗布する幅と厚さは封着以後の状態を考慮し
て決定することが望ましい。即ち、封着以後にフリット
ガラス層３１の幅が隔壁２７上部表面の幅に対して約１
０乃至１００%に該当するようにフリットガラス層３１
を塗布する。また封着以後にフリットガラス層３１の厚
さが１乃至５０マイクロメートルになるようにフリット
ガラスを塗布することが望ましい。

【００２４】

【発明の効果】本発明に係るプラズマディスプレイ装置
は、隔壁の上部表面と前面ガラス基板の内側の面がフリ
ットガラスを通じて接合されているため、基板の接合性
が向上されるという長所がある。従って外部圧力が低圧
の状態でも前面ガラス基板が隔壁上部表面から離脱せ
ず、基板の端部に形成されたフリットガラスに加わる応
力が顕著に減る。また放電効率を向上させるために放電
ガスを高圧で注入してもこれに耐えることができ、装置
内で発生する熱により基板が変形することを防止でき
る。さらに、広い面積の基板を使用できるので画面の大
型化を可能にする。

【００２５】本発明は、添付した図面に示した一実施例
を参照して説明されたが、これは例示的なことに過ぎ
ず、当該分野で通常の知識を有する者であればこれによ
り多様な変形及び同等な他の実施例が可能であることを
理解するはずである。従って本発明の真の保護範囲は請
求範囲によりのみ決まるべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術におけるプラズマディスプレイ装置の
概略的な分解斜視図。

【図２】本発明に係るプラズマディスプレイ装置の概略
的な分解斜視図。

【符号の説明】

２１ 前面ガラス基板 ２２ 背面ガラス基板 ２３a 第１電極 ２３b 第２電極 ２３c バス電極 ２４ 誘電層 ２５ 保護層 ２７ 隔壁 ２９ セル ３１ フリットガラス層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 忠 ▲よぷ▼ 大韓民国 忠清南道 天安市 双龍洞 388−２番地 現代アパート 301棟 303 号 (72)発明者 黄 羲 栄 大韓民国 忠清南道 天安市 星井洞 636−５番地 常住 ビラー 402号

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に対向して接合される前面ガラス基
   板及び背面ガラス基板と、 前記前面ガラス基板及び前記背面ガラス基板の内側の面
   に相互に直角の方向に形成されたストリップ状のディス
   プレイ電極及びアドレス電極と、 前記ディスプレイ電極及び前記アドレス電極を覆うよう
   に、前記前面ガラス基板及び前記背面ガラス基板の内側
   の面に形成された誘電層と、 前記背面ガラス基板上の誘電層上に形成された隔壁と、 前記隔壁により形成されたセルに塗布された蛍光体と、 前記隔壁の上部に前記前面ガラス基板を加熱融着するよ
   うに前記隔壁の上部表面とそれに対応した前面ガラス基
   板との間に形成されたフリットガラス層と、を有するプ
   ラズマディスプレイ装置。
2. 【請求項２】 前記前面ガラス基板と前記背面ガラス基
   板の封着後に、前記隔壁の上部に形成されたフリットガ
   ラス層の幅が前記隔壁上部表面の幅に対して約１０乃至
   １００％であることを特徴とする請求項１に記載のプラ
   ズマディスプレイ装置。
3. 【請求項３】 前記前面ガラス基板と前記背面ガラス基
   板の封着以後に、前記フリットガラス層の厚さが１乃至
   ５０マイクロメートルであることを特徴とする請求項１
   に記載のプラズマディスプレイ装置。
4. 【請求項４】 前面ガラス基板及び背面ガラス基板の内
   側の面に相互に交差する電極と前記電極を覆う誘電層を
   形成するステップと、 前記背面ガラス基板の誘電層上部に隔壁を形成し、蛍光
   体を塗布するステップと、 前記隔壁の上部表面にフリットガラスを塗布して乾燥さ
   せるステップと、 前記フリットガラスを加熱して前記前面ガラス基板の内
   側の面に対して封着することによって、該前面ガラス基
   板と前記隔壁上部表面との間に該フリットガラスの層を
   形成するステップと、 前記形成するステップにおいて、封着された基板結合体
   内に放電ガスを注入して封止するステップと、を有する
   プラズマディスプレイ装置の製造方法。
5. 【請求項５】 前記形成するステップにおける封着は、
   前記基板を相互に固定させた状態で大気圧下で遂行さ
   れ、前記封止するステップ以前に前記封着された基板間
   の空間に含まれたガスを加熱排気するステップをさらに
   有する請求項４に記載のプラズマディスプレイ装置の製
   造方法。
6. 【請求項６】 前記形成するステップにおける封着は、
   前記基板を離隔した状態で真空チャンバ内に配置するこ
   とによって、加熱排気した後に前記基板を相互結合する
   ことによって遂行されることを特徴とする請求項４に記
   載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。