JP2001035123A - ガイドローラの製造方法及びそのガイドローラを用いたテープカセット - Google Patents

ガイドローラの製造方法及びそのガイドローラを用いたテープカセット

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JP2001035123A
JP2001035123A JP20913399A JP20913399A JP2001035123A JP 2001035123 A JP2001035123 A JP 2001035123A JP 20913399 A JP20913399 A JP 20913399A JP 20913399 A JP20913399 A JP 20913399A JP 2001035123 A JP2001035123 A JP 2001035123A
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guide roller
tape
ultrasonic cleaning
guide
particles
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Katsuyuki Yajima
勝行 谷島
Hiroshi Ozaki
博 尾崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープなどの記録媒体を巻装したテープ
リールが収納され、記録再生が可能でビデオまたは音響
機器用として使用されるテープカセットのガイドローラ
の製造方法及びこのガイドローラを用いたテープカセッ
トを提供するにある。 【解決手段】 少なくともテープ状の記録媒体の走行を
ガイドするためにテープカセットに装備して使用される
ガイドローラであって、このガイドローラを最終形状に
近い形状に形成してから、これを研削する研削工程を経
て、少なくとも、超音波洗浄機により超音波洗浄を行っ
て表面の付着物量を低減してから最終的なガイドローラ
とするガイドローラの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープなどの
記録媒体を巻装したテープリールが収納され、記録再生
が可能でビデオまたは音響機器用として使用されるテー
プカセットのガイドローラの製造方法及びこのガイドロ
ーラを用いたテープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のテープカセットとしては、図7
に要部のみを示した構成のものが従来例として知られて
いる。この従来例のテープカセットには、その内部に少
なくともテープ状の記録媒体、即ち磁気テープ3を巻装
した一対のテープリール4、5が、下ハーフ2のリール
駆動軸挿入孔2a、2bに対応して収納されている。
【0003】一対のテープリール4、5は、それぞれ上
フランジ4a、5aと、下フランジ4b、5bと、該下
フランジ4b、5bの中心部に起立状態で一体的に形成
されたリールハブ4c、5cとから構成されており、上
フランジ4a、5aはリールハブ4c、5cの頂部に溶
着かしめ手段により取り付けられている。そして、磁気
テープ3の各端部は、リーダーテープ12を介してリー
ルハブ4c、5cに止着されている。
【0004】この場合に、リーダテープ12の一端側
は、クランプ部材4d、5dを介してリールハブ4c、
5cにそれぞれ止着されており、そのリーダテープ12
の他端側と磁気テープ3の端部とはスプライシングテー
プ13を介して一連に強固に連結されている。
【0005】また、下ハーフ2の磁気テープ3が走行す
る側のケースの一部には、磁気テープ3が走行するため
の一対の切欠部14、15が形成され、この切欠部1
4、15の近傍にはピン16a、17aが起立状態で下
ハーフ2に一体的に形成されており、これらのピン16
a、17aには金属製で円筒状のテープガイド16b、
17bが挿入されている。
【0006】さらに、これらの一対のテープガイド16
b、17bの内部側の斜め後方には、一対のガイドピン
18a、19aが下ハーフ2と一体的に形成されてお
り、これらのガイドピン18a、19aの中に合成樹脂
製のガイドローラ18b、19bが回転可能なように挿
入されセットされている。
【0007】そして、磁気テープ3は、テープリール5
が回転駆動されると、テープリール4から繰り出され、
ガイドローラ18b、テープガイド16b、テープガイ
ド17b、ガイドローラ19bを経由してテープリール
5に巻き取られる。
【0008】この場合に、テープガイド16bとテープ
ガイド17bとの間に存在する磁気テープ3の中間位置
の近傍で、図示していない磁気ヘッドが磁気テープ3に
当接されて、磁気テーブ3に記録された映像ないし音声
情報を読み取る。
【0009】このような、ビデオカセットに代表される
ようなテープカセットに使用されるガイドローラ18
b、19bは、合成樹脂を円筒状に成型或いは切削した
後、ガイドローラ18b、19bの表面のバリやゲート
を取り除くため、センターレス研磨などの研削を施し
て、この後、洗浄し、乾燥工程を経て、最終的に製品に
組み込まれる部品としてのガイドローラとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ようにガイドローラを単に洗浄しただけ、或いは洗浄が
不十分であると、センターレス研磨を行った際に発生す
る削れ粉などがガイドローラの表面に付着したまま残っ
てしまう。
【0011】このようなガイドローラを用いたテープカ
セットに磁気テープを組み込むと、ガイドローラと磁気
テープの摺動により、ガイドローラの表面に付いている
削れ粉が磁気テープ上に乗り移ってしまう。
【0012】このようなテープカセットを、例えばビデ
オテープレコーダ(VTR)などで走行させると、磁気
テープと磁気ヘッドとの摺動により、削れ粉が磁気ヘッ
ド上に落ち、この磁気ヘッド上に落ちた削れ粉の量が多
くなると、磁気テープと磁気ヘッドとのスペーシングに
より、映像信号などを読み出しできなくなったり、或い
は映像信号が書き込めなくなったりする問題が発生す
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためのガイドローラの製造方法として、少なく
ともテープ状の記録媒体の走行をガイドするためにテー
プカセットに装備して使用されるガイドローラであっ
て、該ガイドローラを最終形状に近い形状に形成してか
ら、これを研削する研削工程を経て、少なくとも、超音
波洗浄機により超音波洗浄を行って表面の付着物量を低
減してから最終的なガイドローラとするようにしてもの
である。
【0014】また、以上の課題を解決するためのこのガ
イドローラを用いたテープカセットの構成として、少な
くともテープ状の記録媒体を巻装した一対のテープリー
ルを上下ハーフ間に収納し、該記録媒体がガイドローラ
を介して走行するテープカセットであって、該ガイドロ
ーラはその表面が超音波洗浄により洗浄されているよう
にしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガイドローラ
の製造方法と、該方法を用いて製造されたガイドローラ
を含むテープカセットの実施の形態について図を用いて
説明する。なお、理解を容易にするため、従来例と同一
部分には同一符号を付して説明する。
【0016】先ず、図1に示した本発明の一実施の形態
に係るテープカセットは、上ハーフ1と下ハーフ2とを
合体して外殻が構成されるものであり、その内部に少な
くともテープ状の記録媒体、即ち磁気テープ3を巻装し
た一対のテープリール4、5が配設されている。
【0017】そして、内部に配設された一対のテープリ
ール4、5を押圧支持するT字状のリールバネが6が上
ハーフ1の内側に配設されている。また、上ハーフ1に
は、前面側に位置する磁気テープ3を保護するためのリ
ッド7がバネ8を介して開閉自在に設けられている。
【0018】上ハーフ1には、窓部9が設けられると共
に、該窓部9には内部が透視できテープ残量が視認でき
るように、例えばプラスチック製の透明板10が内部か
ら嵌め込まれ、接着手段などによって一体的に取り付け
られている。
【0019】一対のテープリール4、5はそれぞれ上フ
ランジ4a、5aと、下フランジ4b、5bと、該下フ
ランジ4b、5bの中心部に起立状態で一体的に形成さ
れたリールハブ4c、5cとから構成されており、上フ
ランジ4a、5aはリールハブ4c、5cの頂部に溶着
かしめ手段により取り付けられている。そして、磁気テ
ープ3の各端部は、リーダテープ12を介してリールハ
ブ4c、5cに止着されている。
【0020】この場合に、リーダテープ12の一端側
は、クランプ部材4d、5dを介してリールハブ4c、
5cにそれぞれ止着されており、そのリーダテープ12
の他端側と磁気テープ3の端部とはスプライシングテー
プ13を介して一連に強固に連結されている。
【0021】下ハーフ2には、リール駆動軸挿入孔2
a、2bが設けられており、該リール駆動軸挿入孔2
a、2bに対応して一対のテープリール4、5が組み込
まれるものである。そして、その組み込まれた両テープ
リール4、5は、テープカセットの不使用時に自由に回
転しないようにバネ20、21で付勢されたロック機構
22、23によって抑止されている。また、上ハーフ1
に取り付けられたリッド7は、下ハーフ2に設けたロッ
ク手段24によってその開閉が制限されている。
【0022】さらに、下ハーフ2の磁気テープ3が走行
する側のケースの一部に、磁気テープ3が走行するため
の一対の切欠部14、15が形成され、この切欠部1
4、15の近傍にはピン16a、17aが起立状態で下
ハーフ2に一体的に形成されており、これらのピン16
a、17aには金属製で円筒状のテープガイド16b、
17bが挿入されている。
【0023】さらに、これらの一対のテープガイド16
b、17bの内部側の斜め後方には、一対のガイドピン
18a、19aが下ハーフ2と一体的に形成されてお
り、これらのガイドピン18a、19aの中に合成樹脂
製のガイドローラ18c、19cが回転可能なように挿
入されセットされている。
【0024】さらに、下ハーフ2には、録画又は録音禁
止用の切替手段25が所定位置に配設されると共に、テ
ープガイド16b、17bの近傍には磁気テープ3のた
るみを防止するために、たるみ防止手段26、27が設
けられ、その他に、図示していないが、適宜の必要な機
能部品が組み込まれるのである。
【0025】そして、下ハーフ2に対して上ハーフ1を
被着するようにセットし、複数本のビスなどの適宜固定
手段29により上下ハーフ1、2を一体的に合体固定さ
せてテープカセットが形成されるのである。
【0026】このように構成されたテープカセットは、
テープリール5が回転駆動されると、磁気テープ3がテ
ープリール4から繰り出され、ガイドローラ18c、テ
ープガイド16b、テープガイド17b、ガイドローラ
19cを経由してテープリール5に巻き取られる。
【0027】この場合に、テープガイド16bとテープ
ガイド17bとの間に存在する磁気テープ3の中間位置
の近傍で、図示していない磁気ヘッドが磁気テープ3に
当接されて、磁気テーブ3に記録された映像ないし音声
情報を読み取ることになる。
【0028】本発明は、このようなテープカセットにお
いて、内部に組み込まれるガイドローラの改良に関する
ものである。図1で説明したように、磁気テープ3がテ
ープリール4から繰り出され、ガイドローラ18c、テ
ープガイド16b、テープガイド17b、ガイドローラ
19cを経由してテープリール5に巻き取られる途中の
テープガイド16bとテープガイド17bとの中間で、
磁気ヘッドが磁気テープ3に当接された状態となってい
る。
【0029】このため、合成樹脂製のガイドローラ18
c、19cの表面に削れ粉などの付着物が存在し、磁気
テープ3の走行が長時間繰り返されると、これらの付着
物が磁気ヘッド上に少しずつ落下し、磁気ヘッドによる
信号の読み取り書き込みができなくなる。
【0030】そこで、図2に示す各種の工程を経て、こ
のような不都合の生じない最終部品としてのガイドロー
ラ18c、19cを製造するが、実際には、ロット単位
で複数本まとめて製造される。以下の説明では、わかり
やすくするために、1本のガイドローラ18cをベース
として説明する。
【0031】先ず、図2に示すように、合成樹脂などの
素材を用いて最終形状のガイドローラ18cに近い円筒
形状のガイドローラ30aを成型工程A(図2(A))
において製作するが、このガイドローラ30aは必ずし
も成型工程Aによる成型でなくても、例えば切削工程で
も良いが、代表して成型工程Aとして説明する。
【0032】この成型工程Aで成型されたガイドローラ
30aは、次の研削工程B(図2(B))でガイドロー
ラ30aの表面のバリやゲートを取り除くためセンター
レス研削を行い、ガイドローラ30bとして表面をなめ
らかに仕上げる。
【0033】この状態のままでは、センターレス研削を
行った際に付着した大きなゴミ、ほこりなどが付着して
いるので、これらを除去するために、次の通常洗浄工程
C(図2(C))で、例えば洗浄槽などにガイドローラ
30bを入れて通常洗浄を行い、ガイドローラ30cと
する。
【0034】この後、ガイドローラ30cを次のすすぎ
工程D(図2(D))において、新鮮な水ですすいでガ
イドローラ30dとし、次いでこのガイドローラ30d
を脱水工程E(図2(E))で脱水して水分を除去して
ガイドローラ30eとする。
【0035】次に、図2(F)に示す超音波洗浄工程F
に移行する。すすぎ工程Dと脱水工程Eでは、比較的大
きな付着物はガイドローラ30eの表面から除去できて
も微細な粒子であるパーテクル状のものは、ガイドロー
ラ30eへの吸着力が強いので、ガイドローラ30eの
表面にしっかりと付着したまま残っており、除去するこ
とができない。
【0036】そこで、超音波洗浄工程Fでは、これらの
パーテイクルを、例えば後述するような超音波洗浄機を
用いて超音波により水中に微細な泡を発生させ、この泡
の発生・破裂などにより生じる強力な剥離力を利用して
微細なパーテイクルをガイドローラ30eの表面から引
き離して付着物を除去することにより、パーテイクルを
大幅に低減させたガイドローラ30fとする。
【0037】このような超音波洗浄は、超音波洗浄機の
洗浄能力にもよるが、1回の洗浄で3000本程度を超
音波洗浄機に投入し、例えば5分間程度の超音波洗浄を
実行するが、この洗浄時間はこれにとらわれず、場合に
よっては10分程度にしてもよい。
【0038】この洗浄時間については、要は、超音波洗
浄機の能力、一度に投入するガイドローラの数などを考
慮して、後述するようにガイドローラの表面に付着して
いる1μm以上のパーテイクルの数が、ほぼ50万個以
下になるように設定すればよい。
【0039】そして、このパーテイクル数の計測は、後
に詳述するパーテイクルカウンタによりカウントして決
定されるが、この計数値がほぼ50万個以下の製造ロッ
トのガイドローラを用いれば、付着物が磁気ヘッド上に
少しずつ落下し、磁気ヘッドによる信号の読み取り書き
込みができなくなるといった不都合を大幅に解消するこ
とができる。また、洗浄工程もパーテイクル数がほぼ5
0万個以下になるようにアレンジしても良い。
【0040】この後、このガイドローラ30fを通常洗
浄工程G(図2(G))で通常の洗浄をしてガイドロー
ラ30gとし、さらに、すすぎ工程H(図2(H))で
すすいでガイドローラ30hとし、さらにこれを脱水工
程I(図2(I))で脱水しガイドローラ30Iとす
る。
【0041】このすすぎ工程と脱水工程は、確実を期す
ために再度繰り返され、すすぎ工程J(図2(J))と
脱水工程K(図2(K))を経て、ガイドローラ30j
とガイドローラ30kとして次の乾燥工程L(図2
(L))に移行し、この乾燥工程Lで十分に乾燥されて
ガイドローラ30lとされ、これを最終部品であるガイ
ドローラ18cとしてテープカセットに組み込まれるこ
ととなる。
【0042】このようにして、製造されたガイドローラ
18cは、その表面に付着している付着物が極度に低下
した状態となるので、長時間の磁気テープ3の走行に対
して磁気ヘッドに付着する粉落ち量が極端に小さくな
り、耐久性を向上させることができる。
【0043】次に、本発明に係る超音波洗浄によるガイ
ドローラ18cからの粉落ち量の低減効果について、図
3〜図6を用いて説明する。先ず、磁気ヘッドへの粉落
ち量の低減効果を評価する前提として、ガイドローラ1
8cの表面に残っている削れ粉などの付着物量の算定に
ついて図3を用いて説明する。
【0044】図3(A)に示すように、例えば70cc
の容量を有し蓋のできる10本のガラスビン31A〜3
1Jを用意し、このガラスビン31A〜31Jの内部を
純水PWで充分に洗浄する。この際に用いる純水PW
は、例えば、日本電装製TA−1「ミズジュンコ」など
を用いて作ることができるが、これに限られることはな
い。
【0045】次に、図3(B)に示すように、10本の
ガラスビン31A〜31Jの中に粉落ち量の低減効果を
評価するために使用するガイドローラ32を製造ロット
ごとに抜き取った50本をガラスビン31A〜31Jに
格別に入れ、この状態で図3(C)に示すように、ガラ
スビン31A〜31Jの口ぎりぎりの深さLまで、純水
PWを入れて、これらのガラスビン31A〜31Jの開
口部を蓋33A〜33Jを用いて閉じる。
【0046】ここで、使用するガラスビンを10本にし
たのは、超音波洗浄機の容量に合わせるためであり、も
しこれを1、2本にするとガラスビンが超音波洗浄機の
中で暴れてしまうからである。このように、一回の測定
につきガラスビン10本、つまり最高10ロット分の測
定が可能となるが、2ないし3ロット分をまとめて測定
する場合には、残りの8ないし7個のガラスビンの中に
はダミーとして水のみを入れておけばよい。
【0047】次に、図3(D)に示すように、超音波洗
浄機34の洗浄槽34aに水を入れるが、この超音波洗
浄機34は、例えば、ブランソン社製B−5200J−
4、120W、47KHZ相当のものなどを用いること
ができる。
【0048】この後、図3(E)に示すように、ガラス
ビン31A〜31Jの蓋33A〜33Jを取り去って、
ガラスビン31A〜31Jを洗浄槽34aの中に入れ、
洗浄槽34aの中の水をガラスビン31A〜31Jに入
っている純水PWの深さLと同じ深さLになるようし
て、超音波洗浄機34で例えば10分間の超音波洗浄を
行う。
【0049】洗浄後に、図3(F)に示すように、ガラ
スビン31A〜31Jに入っている洗浄水WWを10c
cだけメスシリンダ35に入れ、さらに図3(G)に示
すように、純水PWを60cc加えて、7倍に希釈して
希釈水SWを作る。
【0050】このようにして作られた希釈水SWは、図
3(H)に示すように、パーテイクルカウンタ36でパ
ーテイクル数が測定されるが、このパーテイクルカウン
タ36は、例えばリオン社製KL−11、KS−60、
KZ−30Wなどを用いることができるが、このパーテ
イクルカウンタ36はパーテイクル(微粒子)の大きさ
を1μm、2μm、5μm、10μm、20μm、40
μmなどに設定してカウントすることができるが、その
ほかにトータルの個数も表示できる。以下のパーテイク
ルの測定では、1μm以上の大きさのトータルのパーテ
イクル数を対象とする。
【0051】トータルのパーテイクル数の測定に当たっ
ては、先ず、純水PWのパーテイクル数PWNを測定す
る。この後、希釈水SWの測定開始に先立ってパーテイ
クルカウンタ36に内蔵されるポンプで洗浄水SWを1
ccを吸引して洗浄して廃棄し、この後、洗浄水SWを
10cc/minの吸引速度で10ccを吸引して、洗
浄水SWのパーテイクル数SWNを測定するが、このパ
ーテイクル数SWNの測定は、3回行ってその平均値<
SWN>で算出する。これによりメスシリンダ35に確
保されている70ccの希釈水SWを全て使い切る。
【0052】以上のようにして、ガイドローラ32のパ
ーテイクル数GLPは、洗浄水SWを7倍に希釈してい
ることを考慮して7倍し、 GLP={<SWN>−PWN}×7 なる算定式で算出することができる。
【0053】このようにして、所定のロットで製造され
たガイドローラの入ったガラスビン31A〜31Jの中
の各洗浄水SWにより、各製造ロットで製造されたガイ
ドローラに付着している付着物の付着物量をそのロット
のガイドローラのパーテイクル数GLPとして知ること
ができる。
【0054】次に、このようにして計測されたパーテイ
クル数GLPをもつガイドローラの各ロットのガイドロ
ーラを用いて、実際に磁気テープ3を走行させて磁気ヘ
ッドに粉落ちする程度を顕微鏡により観測するのである
が、その場合の評価を、図4に示す評価基準図を用いて
評価する。
【0055】図4に示す評価基準では、粉落ちの程度を
ケース1〜8の8段階に分け、各ケースでの磁気ヘッド
への粉落ちの程度を磁気ヘッドとの相対位置関係と大き
さからケースに応じてクラス分けしている。
【0056】ケース1では、粉落ちがない状態であり、
この場合の判定レベルは○とし、これに対する評価点と
して0を割り当てる。ケース2は、若干の部分的で小さ
なバラツキを持って磁気ヘッドの周囲に付着している状
態で、この場合の判定レベルは△とし、これに対して評
価点1を割り当てる。
【0057】ケース3は、孤立した小さな付着物が磁気
ヘッドの周囲の所定部分に付着した状態で、この場合の
判定レベルは△△とし、評価点として2点を割り当て
る。ケース4は、ケース3よりも大きく孤立した付着物
が磁気ヘッドの周囲の所定部分に付着した状態で、この
場合の判定レベルは▲とし、評価点として4点を割り当
てる。
【0058】ケース5は、ケース4よりも大きな孤立し
た付着物が磁気ヘッドに接する状態で付着した状態で、
この場合の判定レベルは▲▲とし、評価点として6点を
割り当てる。ケース6は、磁気ヘッドまでは達していな
いがケース5よりも大きな付着物が存在し、磁気ヘッド
にもう少しで到達する状態で付着したもので、この場合
の判定レベルは×とし、評価点として8点を割り当て
る。
【0059】ケース7は、左右の一方の磁気ヘッドまで
付着物が達する大きな付着となって所定部分に付着した
状態で、この場合の判定レベルは××とし、評価点とし
て16点を割り当てる。ケース8は、左右の磁気ヘッド
まで付着物が達する大きな付着となって所定部分に付着
した状態で、この場合の判定レベルは×××とし、評価
点として32点を割り当てる。
【0060】以上のようにして、ガイドローラによる磁
気ヘッドへの粉落ちによる付着の程度を段階的に分けて
評価し、これを評価点で数値化し、この数値の少ない方
が、粉落ちが少ないものとして評価する。
【0061】以上の評価基準に基づいて評価した11個
のガイドローラのロットによるパーテイクル数に依存す
る粉落ちの程度は、図5に示され、超音波洗浄をしたロ
ット数が7個、超音波洗浄をしないロット数が4個の合
計11個について評価している。いずれの場合も、図3
に示す方法で測定したガイドローラ50本そのものでは
なく、これらのガイドローラと同じロットで製造された
ガイドローラが用いられているが、パーテイクル数その
ものは図3に示したガイドローラ50本の値を用いてい
る。
【0062】また、粉落ち量の測定時間としては、1巻
のカセットで「35分記録−巻き戻し−35分再生−巻
き戻し」の動作を行うと約70分を必要とするので、こ
れを17巻行って合計で約20時間とし、この20時間
走行後に顕微鏡で磁気ヘッド上の粉落ち量を観察し、図
4に示す判定基準によって、図5に示すように、記号
化、点数化をしている。
【0063】さらに、評価に用いられるビデオテープレ
コーダは、ドラムにビデオヘッドが10個付いているの
で、これをビデオヘッド番号1〜10として表記してあ
るが、これらに含まれるビデオヘッドの機能としては、
記録又は再生ヘッド、再生専用ヘッド、消去ヘッドなど
があり、これらが混在して使われている。
【0064】これらの10個のビデオヘッドについて、
20時間走行評価を行い、図4で示す判定レベルで評価
した結果、ロット番号1で製造した超音波洗浄によるガ
イドローラの1μm以上のパーテイクル数の合計値は、
315322個で、粉落ち評価点はビデオヘッド番号1
〜10の10個の合計値で7点である。
【0065】以下、同様にして、ロット番号2の超音波
洗浄によるガイドローラのパーテイクル数は49232
4個で粉落ち評価点は10点、ロット番号3の超音波洗
浄によるガイドローラのパーテイクル数は395122
個で粉落ち評価点は6点、ロット番号4の超音波洗浄に
よるガイドローラのパーテイクル数は325262個で
粉落ち評価点は9点、ロット番号5の超音波洗浄による
ガイドローラのパーテイクル数は359077個で粉落
ち評価点は2点、ロット番号6の超音波洗浄によるガイ
ドローラのパーテイクル数は258818個で粉落ち評
価点は5点、ロット番号7の超音波洗浄によるガイドロ
ーラのパーテイクル数は353542個で粉落ち評価点
は11点となっている。
【0066】一方、ロット番号8で製造したガイドロー
ラは超音波洗浄を行わず、この場合のガイドローラのパ
ーテイクル数は880124と大きく、これに伴って粉
落ち評価点はビデオヘッド1〜10の合計で30点と大
きな数字になっている。ロット番号9でも超音波洗浄は
行わず、この場合はガイドローラのパーテイクル数は5
90186と大きく、これに伴って粉落ち評価点は24
点と大きな数字になっている。
【0067】また、ロット番号10でも超音波洗浄は行
わず、この場合はガイドローラのパーテイクル数は12
01630と非常に大きく、これに伴って粉落ち評価点
は60点と大きな数字になっている。ロット番号11で
も超音波洗浄は行わず、この場合はガイドローラのパー
テイクル数は901254と大きく、これに伴って粉落
ち評価点は38点と大きな数字になっている。
【0068】以上のように、超音波洗浄を施したガイド
ローラを用いた場合には、超音波洗浄を行わない場合に
比べて、全体として良好な粉落ちの評価点を得ているこ
とがわかる。
【0069】以上のパーテイクル数と粉落ちの評価点数
の関係は、図6の相関図に示すように、一定の相関関係
を有しており、yは粉落ち評価点数、xはパーテイクル
数として、回帰線は、 y=6E−05x−12.616 で示され、標準偏差は R2 =0.9405 となる。
【0070】ここで、以上のような超音波洗浄を施した
ガイドローラは、図6に点線で示したように、1μm以
上のパーテイクル数が全て50万個以下であり、良好な
粉落ち評価点数を得ている。超音波洗浄をしないガイド
ローラと超音波洗浄をしたガイドローラとを比べると、
超音波洗浄をすることによりパーテイクル数が格段に減
少し、超音波洗浄による効果は、歴然として良好な粉落
ち評価点数を得ていることがわかる。以上、述べたパー
テイクル数測定方法及び粉落ち評価方法は、1例であ
り、別の方法で確認しても良い。
【0071】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るガ
イドローラの製造方法によれば、少なくともテープ状の
記録媒体の走行をガイドするためにテープカセットに装
備して使用されるガイドローラであって、ガイドローラ
を最終形状に近い形状に形成してから、これを研削する
研削工程を経て、少なくとも、超音波洗浄機により超音
波洗浄を行って表面の付着物量を低減してから最終的な
ガイドローラとするようにしたので、記録媒体を走行さ
せたときに磁気ヘッドに付着する付着物量を大幅に低減
させることができ、このためこの製造方法によるガイド
ローラによれば耐久性を大きくのばすことができ、品質
向上に大きく寄与する。
【0072】また、本発明に係るテープカセットによれ
ば、少なくともテープ状の記録媒体を巻装した一対のテ
ープリールを上下ハーフ間に収納し、記録媒体がガイド
ローラを介して走行するテープカセットであって、この
ガイドローラはその表面が超音波洗浄により洗浄されて
いるので、記録媒体を走行させたときに磁気ヘッドに付
着する付着物量を大幅に低減することができ、このため
記録媒体と磁気ヘッドとのスペーシングによる信号の読
み出し或いは信号の書き込みエラーを低減させることが
でき、このようなテープカセットを使用することにより
テープカセットの信頼性を大きく向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1実施の形態に係るテープカセッ
トを分解し細部の機能部品を省略して示した要部の射視
図である。
【図2】本発明に係るガイドローラの製造工程を示す工
程図である。
【図3】図2に示す超音波洗浄の評価をする手順を略示
的に示す工程図である。
【図4】磁気ヘッドに粉落ちする程度を評価するための
評価基準を示す評価基準図である。
【図5】図4に示す評価基準図を用いて粉落ちの程度を
計測した評価図である。
【図6】図5に示す評価の内容の相関関係を示す相関図
である。
【図7】従来のテープカセットを分解し、細部の機能部
品を省略して示した射視図である。
【符号の説明】
1;上ハーフ、2;下ハーフ、2a;リール駆動軸挿入
孔、2b;リール駆動軸挿入孔、3;磁気テープ、4;
テープリール、5、;テープリール、4a;上フラン
ジ、5a;上フランジ、4b;下フランジ、5b;下フ
ランジ、4c;リールハブ、5c;リールハブ、4d;
クランプ部材、5d;クランプ部材、6;リールハブ、
7;リッド、9;窓部、10;透明板、12;リードテ
ープ、13;スプライシングテープ、14;切欠部、1
5;切欠部、16b;テープガイド、17b;テープガ
イド、18b;ガイドローラ、19b;ガイドローラ、
18c;ガイドローラ、19c;ガイドローラ、25;
切替手段、26;たるみ防止手段、27;たるみ防止手
段、30a;ガイドローラ、30b;ガイドローラ、3
0c;ガイドローラ、34;超音波洗浄機、36;パー
テイクルカウンタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともテープ状の記録媒体の走行を
    ガイドするためにテープカセットに装備して使用される
    ガイドローラであって、該ガイドローラを最終形状に近
    い形状に形成してから、これを研削する研削工程を経
    て、少なくとも、超音波洗浄機により超音波洗浄を行っ
    て表面の付着物量を低減してから最終的なガイドローラ
    とすることを特徴とするガイドローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波洗浄により前記ガイドローラ
    の表面に付着している1μm以上の大きさのパーテイク
    ル数をパーテイクルカウンタにより計測して50万個以
    下とする請求項1に記載のガイドローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくともテープ状の記録媒体を巻装し
    た一対のテープリールを上下ハーフ間に収納し、該記録
    媒体がガイドローラを介して走行するテープカセットで
    あって、該ガイドローラはその表面が超音波洗浄により
    洗浄されていることを特徴とするガイドローラを用いた
    テープカセット。
  4. 【請求項4】 前記超音波洗浄により前記ガイドローラ
    の表面に付着している1μm以上の大きさのパーテイク
    ル数を50万個以下とした請求項3に記載のテープカセ
    ット。
JP20913399A 1999-07-23 1999-07-23 ガイドローラの製造方法及びそのガイドローラを用いたテープカセット Pending JP2001035123A (ja)

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JP2012032270A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Nhk Spring Co Ltd 被検査物の清浄度検査装置と、清浄度検査方法

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