JP2001034071A - 湿式画像形成装置 - Google Patents

湿式画像形成装置

Info

Publication number
JP2001034071A
JP2001034071A JP11208957A JP20895799A JP2001034071A JP 2001034071 A JP2001034071 A JP 2001034071A JP 11208957 A JP11208957 A JP 11208957A JP 20895799 A JP20895799 A JP 20895799A JP 2001034071 A JP2001034071 A JP 2001034071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
coating
liquid
liquid developer
different
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11208957A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Nakano
徹 仲野
Toshio Sakai
捷夫 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP11208957A priority Critical patent/JP2001034071A/ja
Publication of JP2001034071A publication Critical patent/JP2001034071A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing For Electrophotography (AREA)
  • Wet Developing In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 異なる性質を持った液体現像剤に関して、塗
布工程において、それぞれ最適な塗布ニップ通過時間を
設定し、十分な量の顕像化粒子を現像剤支持体に転移さ
せ、画像濃度を向上させて画質の向上を図ることができ
る湿式画像形成装置を提供する。 【解決手段】 4色の液体現像剤の塗布ローラに対向す
るそれぞれの対向ローラ305、306、307、30
8の軸間距離d1、d2、d3、d4を変えて、それぞ
れの液体現像剤について、最適な塗布ニップ通過時間を
設定し、塗布ニップ通過時間を異ならせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の湿式画像形成装置に係り、詳しく
は、複数色の液体現像剤を用いて潜像担持体に形成され
た潜像を顕像化する現像手段と、該現像手段の現像剤支
持体に液体現像剤を薄層に塗布する塗布手段と、該塗布
手段にバイアスを印加するバイアス印加手段とを備えた
湿式画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体現像剤を用いる画像形成法におい
て、顕像化工程は、該液体現像剤に含まれる顕像化粒子
を現像剤支持体からそれに対向して配置された潜像担持
体上に転移することで顕像化せしめている。この工程
は、あらかじめ電荷付与装置によって帯電させられた潜
像担持体と、現像剤支持体との間に働く電気的作用で静
電的に顕像化粒子を潜像担持体上に引き寄せる。このと
き、現像剤支持体にバイアスを印加することで、画像部
に付着する顕像化粒子の移動を最適化し、結果的に高画
質の画像を得ることができる。
【0003】また、液体現像剤の塗布工程においても、
現像剤支持体上へのバイアスの印加は、画像濃度の向上
といった画質向上の上で必要である。その理由として
は、例えばプラス帯電した顕像化粒子を含む液体現像剤
を用いた場合、塗布手段として例えば塗布ローラにプラ
スのバイアスを印加し、現像剤支持体を接地しておくこ
とで、この電位差により、塗布ローラから現像剤支持体
に十分な量の顕像化粒子を転移させることができるため
である。
【0004】なお、液体現像剤は、現像剤の電気的特
性、顕像化粒子の分散性の点から、電荷制御剤や現像剤
分散剤といった顕像化粒子以外を含むことも必要であ
る。液体現像剤は、これら電荷制御剤や現像剤分散剤の
液体現像剤の全体に対する割合に加えて、トナー粒子の
濃度(固形分率)や液体現像剤の粘度などの違いによっ
て、異なる性質を持つことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記異
なる性質を持った液体現像剤について、塗布工程でバイ
アスを印加するとかえって画質が悪くなる現像剤があっ
た。その原因について鋭意研究したところ、現像剤によ
ってバイアス印加の最適時間があり、これを越えるとか
えって画質が悪くなることがわかった。なお、バイアス
の印加は塗布ニップを通過する間に行われるので、塗布
ニップ通過時間を設定することでバイアスの印加時間を
設定することができる。
【0006】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、異なる性質を持った
液体現像剤に関して、塗布工程において、それぞれ最適
な塗布ニップ通過時間を設定し、十分な量の顕像化粒子
を現像剤支持体に転移させ、画像濃度を向上させて画質
の向上を図ることができる湿式画像形成装置を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数色の液体現像剤を用いて潜
像担持体に形成された潜像を顕像化する現像手段と、該
現像手段の現像剤支持体に液体現像剤を薄層に塗布する
塗布手段と、該塗布手段にバイアスを印加するバイアス
印加手段とを備えた湿式画像形成装置において、上記複
数色の液体現像剤のうち少なくとも2以上の液体現像剤
について、上記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互いに
異ならせることを特徴とするものである。
【0008】この湿式画像形成装置では、上記現像剤支
持体上に塗布される複数色の液体現像剤のうち少なくと
も2以上の液体現像剤について、上記塗布手段の塗布ニ
ップ通過時間を異ならせる。各色液体現像剤は、固形分
率、電荷制御剤の全現像剤量に対する割合、現像剤分散
剤の全現像剤量に対する割合、あるいは液体現像剤を構
成するキャリアの粘度の違いにより、上記塗布ニップに
おける顕像化粒子の現像剤支持体への転移状態が異な
る。よって、各色液体現像剤についてそれぞれ最適な塗
布ニップ通過時間を設定することで、十分な量の顕像化
粒子を現像剤支持体上へ転移させ、画像濃度を向上させ
て画質の向上を図ることが可能になる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の湿式画像形
成装置において、上記液体現像剤に含まれる固形分の固
形分率が互いに異なる2以上の液体現像剤について、上
記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互いに異ならせるこ
とを特徴とするものである。
【0010】この湿式画像形成装置では、各色液体現像
剤に含まれる顕像化粒子の固形分率によって、上記塗布
手段の塗布ニップ通過時間を異ならせる。すべてのトナ
ー粒子の周辺には電荷制御剤、現像剤分散剤が付着して
おり、トナー粒子1個当たりの電荷制御剤、現像剤分散
剤の付着量が電気泳動を支配していると考えられる。該
2種の剤の全体に対する量(分率)が同じ場合には、固
形分が増せばトナー粒子1個当たりに付着する該2種の
剤は少なくなる。その結果としてトナー粒子の泳動に対
する影響が少なくなり、バイアス印加時間が短い方がよ
いことになる。逆に固形分が減ればバイアス印加時間を
長くする必要がある。よって、各色液体現像剤の固形分
率により、それぞれ最適な塗布ニップ通過時間を設定す
ることで、十分な量の顕像化粒子を現像剤支持体上へ転
移させ、画像濃度を向上させて画質の向上を図ることが
可能になる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1又は2の湿式
画像形成装置において、上記液体現像剤に含まれる電荷
制御剤量の割合が互いに異なる2以上の液体現像剤につ
いて、上記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互いに異な
らせることを特徴とするものである。
【0012】この湿式画像形成装置では、各色液体現像
剤に含まれる電荷制御剤量の割合によって、上記塗布手
段の塗布ニップ通過時間を異ならせる。帯電しているト
ナー粒子の周りには、そこに付着した薄い周辺層があ
り、この周辺層に正負等量のイオンが存在している。バ
イアス印加する塗布工程では、強い電場を形成してお
り、正イオンが周辺層から解離して負イオンが残りトナ
ーの帯電極性が反転することになる。周辺に正イオンが
存在するときは反転したトナーを取り込んで元に戻るこ
とが可能であるが、先の強い電場によって、正イオンが
現像剤支持体上に移動しトナー粒子周辺にいなくなる
と、一旦トナー粒子は見かけ上負帯電のまま、本来の方
向(現像剤支持体上)とは逆の方向(塗布ローラ上)に
向かう。バイアス印加時間を長くすることで、このトナ
ー粒子は本来の正帯電に戻り、現像剤支持体上に向かう
ことが可能となる。以上の理由から、電荷制御剤の割合
を増やせば正負のイオンの量は増加し、バイアス印加時
間を長くする必要がある。よって、各色液体現像剤の電
荷制御剤分率により、それぞれ最適な塗布ニップ通過時
間を設定することで、十分な量の顕像化粒子を現像剤支
持体上へ転移させ、画像濃度を向上させて画質の向上を
図ることが可能になる。ここで電荷制御剤は、金属石鹸
類等により構成することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
湿式画像形成装置において、上記液体現像剤に含まれる
現像剤分散剤量の割合が互いに異なる2以上の液体現像
剤について、上記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互い
に異ならせることを特徴とするものである。
【0014】この湿式画像形成装置では、各色液体現像
剤に含まれる現像剤分散剤量の割合によって、上記塗布
手段の塗布ニップ通過時間を異ならせる。帯電している
トナー粒子の周りには、そこに付着した薄い周辺層があ
り、この周辺層に正負等量のイオンが存在している。バ
イアス印加する塗布工程では、強い電場を形成してお
り、正イオンが周辺層から解離して負イオンが残りトナ
ーの帯電極性が反転することになる。周辺に正イオンが
存在するときは反転したトナーを取り込んで元に戻るこ
とが可能であるが、先の強い電場によって、正イオンが
現像剤支持体上に移動しトナー粒子周辺にいなくなる
と、一旦トナー粒子は見かけ上負帯電のまま、本来の方
向(現像剤支持体上)とは逆の方向(塗布ローラ上)に
向かう。バイアス印加時間を長くすることで、このトナ
ー粒子は本来の正帯電に戻り、現像剤支持体上に向かう
ことが可能となる。以上の理由から、現像剤分散剤の割
合を増やせば正負のイオンの量は増加し、バイアス印加
時間を長くする必要がある。よって、各色液体現像剤の
現像剤分散剤分率により、それぞれ最適な塗布ニップ通
過時間を設定することで、十分な量の顕像化粒子を現像
剤支持体上へ転移させ、画像濃度を向上させて画質の向
上を図ることが可能になる。ここで現像剤分散剤は、可
溶性高分子を現像剤に吸着させることによって、ポリマ
ーブラシを形成し立体安定化機構を形成するグラフトポ
リマー類等により構成することができる。
【0015】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4の湿式画像形成装置において、上記液体現像剤に含ま
れるキャリアの粘度が互いに異なる2以上の液体現像剤
について、上記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互いに
異ならせることを特徴とするものである。
【0016】この湿式画像形成装置では、各色液体現像
剤に含まれるキャリアの粘度によって、上記塗布手段の
塗布ニップ通過時間を異ならせる。該キャリアの粘度が
高くなれば、液体中を電気泳動している現像剤粒子が移
動しにくくなり泳動に十分な時間が必要であるため、塗
布ニップ通過時間を長くする必要がある。よって、各色
液体現像剤に含まれるキャリアの粘度により、それぞれ
最適な塗布ニップ通過時間を設定することで、十分な量
の顕像化粒子を現像剤支持体上へ転移させ、画像濃度を
向上させて画質の向上を図ることが可能になる。ここ
で、液体現像剤の粘度は、該キャリアの粘度とほぼ等し
い。
【0017】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕本実施形態におい
ては、固形分率のみが異なる液体現像剤について、最適
な塗布ニップ通過時間が得られる湿式画像形成装置につ
いて説明する。
【0018】固形分率が異なる各液体現像剤について、
それぞれ最適な塗布ニップ通過時間を求めるべく、実験
を行った。この実験について、以下に説明する。
【0019】図2(a)は本実験に用いた湿式電子写真
複写機(以下単に「複写機」という)の要部概略構成図
である。図2(b)は図2(a)中の矢視A方向からみ
た平面図である。また、図3は図2(a)中の塗布ロー
ラ24近傍の拡大図である。
【0020】まず、本実験に用いた複写機の概略構成に
ついて説明する。図2(a)に示すように、潜像担持体
としての感光体ドラム1の回りに、帯電ローラ2、現像
ユニット3、中間転写体4、除電ランプ5、感光体ドラ
ムクリーニングユニット6等が配設されている。また、
上記中間転写体4に対向し、最終転写材としての転写紙
Pに現像像を転写するための転写手段として転写ローラ
7、及び、中間転写体クリーニングユニット8も配設さ
れている。
【0021】現像ユニット3の現像剤支持体は、現像ベ
ルト31と、該現像ベルト31の張力を保った状態で回
転駆動させるための回転ローラ32、33、34、3
5、36、37とにより構成され、回転ローラ32が駆
動ローラとなっている。現像ベルト31の高速化によ
り、画像形成を高速化させる場合、正常な画像を安定し
て形成するためには、回転ローラ32、33、34、3
5、36、37のうち少なくとも2つ以上は駆動ローラ
となっていることが好ましい。なお、回転ローラ35、
36は感光体ドラム1と現像ベルト31との間に現像バ
イアスを印加するためのバイアスローラを兼ねている。
ここで現像部で正常な画像を形成すべく、現像ベルト3
1の表面移動速度は感光体ドラム1の表面移動速度と等
速に設定されている。
【0022】現像ベルト31への液体現像剤の塗布は、
塗布装置20の現像液溜り22に蓄えられた液体現像剤
を塗布ローラ23、24、25を介して薄層化すること
により行われる。塗布装置20中の塗布ローラ25は現
像剤液溜り22から供給される液体現像剤量を規制する
ために配置されたローラである。
【0023】現像ベルト31の回転方向に対して、クリ
ーニングブレード40の下流側であって塗布ローラ24
の上流側に反射型の位置センサー50を設けた。また、
図2(b)に示すように、現像ベルト31上のクリーニ
ングブレード40に接触しない端部に反射シール45を
取り付け、位置センサー50で反射シール45を検知す
る構成とした。なお、反射シール45は、最終転写材と
しての転写紙Pに形成される画像の先端部に対応する位
置に取り付けられている。
【0024】図3に示すように、位置センサー50は塗
布ローラ24にバイアス印加を開始するタイミングを制
御するカウンタ(以下「カウンタ1」とする)を備えた
制御装置60と接続されており、位置センサー50の出
力信号が制御装置60に入力されるようになっている。
また、制御装置60は、高圧電源61と電気的に接続さ
れている。
【0025】位置センサー50と反射シール45とが最
も近接する位置で位置センサー50から信号が出力され
る。該出力信号は制御装置60でカウンタ1を起動し、
反射シール45がセンサ50から塗布位置に到達するま
での時間をカウントする。現像ベルト31の反射シール
45が設けてあるベルト周方向位置の箇所が回転ローラ
33に当接する位置101でカウンタ1がカウントを終
了すると、そのタイミングで高圧電源61から所定のバ
イアス印加を開始するように設定されている。カウンタ
1がカウントアップするタイミングは現像ベルト31の
線速に応じて設定することが可能である。また、制御装
置60には位置センサー50からの信号により作動する
カウンタ1のほかに、このカウンタ1がカウントアップ
すると同時にカウントを開始するカウンタ(以下「カウ
ンタ2」とする)を備えている。このカウンタ2は実時
間をカウントし、設定した値で塗布ローラバイアスを切
断するように設定されている。
【0026】現像ベルト31の線速は、以下に説明する
いずれの実験でも140mm/秒で行った。図3に示す
位置100で反射シール45を検知し、高圧電源61、
カウンタ1、2を備えた制御装置60により、反射シー
ル45が位置101に達すると所定の値のバイアスを塗
布ローラ24に印加する。ここで位置101は、現像ベ
ルト31の回転ローラ33への巻き付き位置である。そ
して、この時点でカウンタ2が起動し、塗布ローラ24
と現像ベルト31とが接した後、カウンタ2に対して設
定した値(時間)でバイアスが切断するようになってい
る。現像ベルト31を挟んで回転ローラ33と該回転ロ
ーラ33よりも弾性の高い塗布ローラ24の接触距離
(ニップ長)は5mmとした。位置101から現像ベル
ト31と塗布ローラ24とが離れる位置102までがバ
イアスを印加する時間が最大で、線速140mm/秒の
とき、0.1秒となる。実際に顕像化粒子が電気的な作
用を受ける有効な位置は位置103からであるが、高圧
電源61、制御装置60の応答を考慮し、回転ローラ3
3と現像ベルト31とが接する位置101からバイアス
を印加開始するように設定されている。
【0027】次に、上記構成の複写機で、画像を形成す
る動作について説明する。本実験では、実験用の画像と
してベタ画像を形成するようになっている。図2(a)
に示すように、感光体ドラム1は図示しないモータ等の
駆動手段によって画像形成時には一定速度で矢印B方向
に回転駆動される。そして帯電ローラ2により暗中にて
均一に正帯電された後に、実験用の画像情報に基づいて
書込露光9が照射結像されて静電潜像が感光体ドラム1
上に形成される。そして、塗布ローラを有する塗布装置
20によって液体現像剤が均一な膜厚で塗布された現像
ベルト31が、現像部で感光体ドラム1に当接する。
【0028】上記現像部では、現像ベルト31に回転ロ
ーラ35、36を介して高圧電源38により、感光体ド
ラム1上の潜像電位の最小値と最大値との間の電位が印
加されている。例えば+300Vの現像バイアスが印加
される。現像ベルト31上の液体現像剤は感光体ドラム
1上の静電潜像の電位が現像ベルトバイアス電位より高
い領域では感光体ドラム1に転移し、逆に静電潜像電位
より現像バイアス電位が低い領域では感光体ドラム1に
は転移せず、現像ベルト31上に残存したままである。
このように、現像部において現像ベルト31に現像バイ
アスを印加することで、感光体ドラム1上に画像が形成
される。
【0029】感光体ドラム1上に形成された画像は、感
光体ドラム1と等速駆動されている中間転写体4上に転
写される。中間転写体4上に転写された画像は、図示し
ない給紙カセットから転写部に搬送された転写紙Pに、
転写ローラ7により転写される。そして、転写終了後、
この転写紙Pは図示しない定着ユニットにより定着さ
れ、図示しない排紙トレイに排紙される。そして、本実
験では、最終転写材としての転写紙Pに形成された実験
用画像の濃度を測定した。
【0030】次に、上記構成の実験装置で、異なる性質
を持った液体現像剤によって実験用の画像を形成し、画
像濃度が最大となる塗布ニップ通過時間を測定した実験
結果について説明する。
【0031】まず、顕像化粒子の液体現像剤中に含まれ
る固形分率を変えた実験結果について説明する。液体現
像剤中の固形分率が15、20、25%の現像剤につい
て実施した。なお、電荷制御剤分率は1.5%、現像剤
分散剤分率は4%、キャリア液粘度は100cStで各
液体現像剤において同じである。図4は、各固形分率の
液体現像剤において、画像濃度が最大となるようなバイ
アスを印加し始める位置101からのバイアス印加時間
と、液体現像剤の固形分率との関係を示すグラフであ
る。ここで、塗布ローラ24と現像ベルト31が接する
時間は0.04秒である。
【0032】図4において、固形分率が20%以上では
バイアス印加時間が0.05秒で画像濃度が最大にな
る。固形分率が高い液体現像剤に関しては、塗布ローラ
24と現像ベルト31が接してから瞬時に顕像化粒子が
現像ベルト31に転移しているため画像濃度が高くな
る。それに対し、固形分率が低い(15%)液体現像剤
では、現像ベルト31と塗布ローラ24とが離れる位置
102までバイアスを印加する必要がある。
【0033】これらの理由としては、電荷制御剤、現像
剤分散剤と関連があるが、この2種の剤は現像剤の全体
に対する濃度によって影響を及ぼしているのではなく、
トナー粒子の固形分率に対する濃度が影響を及ぼしてい
るためであると考えられる。電荷制御剤、現像剤分散剤
はすべてトナー粒子の周辺に付着し、トナー粒子1個当
たりの電荷制御剤、現像剤分散剤の付着量が電気泳動を
支配していると考えられる。上記2種の剤の全体に対す
る量(分率)が同じ場合には、固形分が増せばトナー粒
子1個当たりに付着する2種の剤は少なくなる。その結
果としてトナー粒子の泳動に対する影響が少なくなり、
バイアス印加時間が短い方がよいことになる。逆に固形
分が減ればバイアス印加時間を長くする必要があると考
えられる。このように、固形分率が異なる液体現像剤で
も、バイアスを印加する時間(塗布ニップ通過時間)を
設定することで高濃度の画像が得られる。
【0034】次に、本発明を4種類の異なる液体現像剤
を用いてカラー画像を形成する複写機に適用した一実施
形態について説明する。図1(a)は、本実施形態に係
るイエロー塗布装置によってイエロー液体現像剤を現像
ベルトに塗布している状態を示す要部概略構成図であ
る。同様に、図1(b)はマゼンタ液体現像剤、(c)
はシアン液体現像剤、(d)は黒液体現像剤をそれぞれ
現像ベルトに塗布している状態を示す要部概略構成図で
ある。上記実験装置と実質的に同一又は対応する部材に
は同一符号を用いて説明する。なお、本実施形態では、
高濃度の液体現像剤であって、正電荷を有する現像剤を
使用した例について説明する。
【0035】まず、本実施形態に係る複写機の概略につ
いて図1(a)に基づいて説明する。潜像担持体として
の感光体ドラム1の回りに、帯電ローラ2、現像ユニッ
ト300、中間転写体4、除電ランプ5、感光体ドラム
クリーニングユニット6等が配設されている。また、上
記中間転写体4に対向し、最終転写材としての転写紙P
に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ
7、及び、中間転写体クリーニングユニット8も配設さ
れている。
【0036】各塗布装置は図示しない設置台に配設され
ており、該設置台には、イエロー塗布装置310、マゼ
ンタ塗布装置320、シアン塗布装置330、及び黒塗
布装置340の各塗布装置が配設されている。これらの
塗布装置は図示しないソレノイド等の駆動手段によっ
て、現像ベルト301に対して接離可能になっている。
塗布装置の構成として、例えばイエロー塗布装置310
は、液体現像剤を蓄える現像液溜まり311と、塗布ロ
ーラ312、313、314とから主に構成されてい
る。この構成は他の色の塗布装置でも同様である。
【0037】現像剤支持体は、現像ベルト301と、該
現像ベルト301の張力を保った状態で回転駆動させる
ための回転ローラ302、303、304と、それぞれ
一対のローラからなる対向ローラ305、306、30
7、308とにより構成され、回転ローラ304が駆動
ローラとなっている。本実施形態に係る装置では、現像
ベルト301の表面移動速度は一定に保たれているの
で、各塗布装置の塗布ローラに対向する一対の対向ロー
ラの軸間距離を変えることによって、各色液体現像剤の
最適な塗布ニップ通過時間を設定している。ここで、d
1は、イエロー塗布装置310の塗布ローラに対向する
一対の対向ローラ305a、305bの軸間距離、d2
は、マゼンタ塗布装置320の塗布ローラに対向する一
対の対向ローラ306a、306bの軸間距離、d3
は、シアン塗布装置330の塗布ローラに対向する一対
の対向ローラ307a、307bの軸間距離、d4は、
黒塗布装置340の塗布ローラに対向する一対の対向ロ
ーラ308a、308bの軸間距離とする。
【0038】なお、一対の対向ローラの軸間距離dとニ
ップ長Lとは次の数1の関係がある。
【0039】
【数1】d=2(r+R)sin(L/2R) ここで、rは対向ローラの半径、Rは塗布ローラの半径
である。但し、sinの計算は[rad]の単位による。
【0040】本実施形態では、塗布ローラの半径Rは1
0mm、対向ローラの半径rは4mmのものを用いた。
【0041】次に、上記構成の複写機で、画像を形成す
る動作について説明する。図1(a)に示すように、感
光体ドラム1は、図示しないモータ等の駆動手段によっ
て画像形成時には一定速度で矢印B方向に回転駆動され
る。そして帯電ローラ2により暗中にて一様に帯電され
た後に、図示しない光書込ユニットにより、画像情報に
基づいて書込光LBが照射結像されて静電潜像が感光体
ドラム1上に形成される。この画像情報は所望のフルカ
ラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の色情
報に分解した単色の画像情報である。そして、図示しな
い設置台上に配設された所望色の塗布装置が現像ベルト
301に当接し、液体現像剤を現像ベルト301に塗布
する。上記静電潜像は、現像ベルト301が回転移動
し、現像部で感光体ドラム1に当接することによって、
各々所定のイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒トナー
で現像され、感光体ドラム1上に各色画像が形成され
る。
【0042】感光体ドラム1上に形成された各色画像
は、感光体ドラム1と等速駆動されている中間転写体4
上に、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の単色毎、
順次重ねて転写される。中間転写体4上に重ね合わされ
たイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の画像は、図示
しない給紙カセットから転写部に搬送された転写紙P
に、転写ローラ7により一括転写される。そして、転写
終了後、この転写紙Pは図示しない定着ユニットにより
定着され、図示しない排紙トレイに排紙される。なお、
中間転写体4上に転写されなかった感光体ドラム1上に
残留した液体現像剤は、感光体ドラム1の表面が除電ラ
ンプ5により残留電位が除去された後に、クリーニング
ブレード6によって除去されて次の画像形成に備えられ
る。また、現像部を通過した後の現像ベルト301上の
残存現像剤はクリーニングブレード40により現像ベル
ト301から除去される。
【0043】次に、本実施形態に係る複写機の各塗布装
置に使用する固形分率のみ異なる液体現像剤と軸間距離
及びニップ長との関係の一例について表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】以上説明したように、本実施形態に係る複
写機では、少なくとも2以上の液体現像剤について固形
分率を異ならせることによって、各塗布装置の塗布ロー
ラと対向する一対の対向ローラの軸間距離を変えて、最
適な塗布ニップ通過時間を設定し、塗布ニップ通過時間
を異ならせた。このことによって、各色液体現像剤に含
まれる顕像化粒子の現像剤支持体への移動に最適な状態
を与え、最終的な記録媒体上での画像濃度を制御し、結
果的に画像品質の向上を図ることが可能となる。
【0046】〔実施形態2〕本実施形態においては、電
荷制御剤の全現像剤量に対する割合(電荷制御剤分率)
のみを異ならせた液体現像剤について、最適な塗布ニッ
プ通過時間が得られる湿式画像形成装置について説明す
る。
【0047】電荷制御剤の全現像剤量に対する割合を異
ならせた液体現像剤について、それぞれ最適な塗布ニッ
プ通過時間を求めるべく、実験を行った。この実験につ
いて、以下に説明する。なお、本実験では、上記実施形
態1で用いた実験装置(複写機)と同様のものを用いた
(図2(a)、(b)及び図3参照)。
【0048】液体現像剤中の電荷制御剤の全体に対する
割合が0、0.5、1、3%の液体現像剤について実施
した。なお、固形分率は15%、現像剤分散剤分率は4
%、キャリア液粘度は100cStで各液体現像剤にお
いて同じである。図5は、各電荷制御剤分率において、
画像濃度が最大となるようなバイアスを印加し始める位
置101からのバイアス印加時間と、液体現像剤中の電
荷制御剤の全体に対する割合との関係を示すグラフであ
る。なお、電荷制御剤は金属石鹸類により構成すること
ができる。特に、正極性電荷制御剤としては、金属とし
てCa、Ba、Zn、Ti、Zr、Cuの金属と、ナフ
テン酸、オクチル酸、オレイン酸、カルボン酸等からな
る金属石鹸類により構成することができる。
【0049】図5において、画像濃度が最大となるバイ
アス印加時間は電荷制御剤分率0%から3%までの変化
で増加する。電荷制御剤が0%つまり全くない場合、バ
イアス印加時間が0.05秒で画像濃度が最大になる。
電荷制御剤分率が低い液体現像剤に関しては、塗布ロー
ラ24と現像ベルト31が接してから瞬時に顕像化粒子
が現像ベルト31に転移しているため画像濃度が高くな
る。それに対し、電荷制御剤分率が高い(3%)液体現
像剤では、現像ベルト31と塗布ローラ24とが離れる
位置102までバイアスを印加する必要がある。
【0050】帯電しているトナー粒子の周りには、そこ
に付着した薄い周辺層があり、この周辺層に正負等量の
イオンが存在している。本実験のようにバイアス印加す
る塗布工程では、強い電場を形成しており、正イオンが
周辺層から解離して負イオンが残りトナーの帯電極性が
反転することになる。周辺に正イオンが存在するときは
反転したトナーを取り込んで元に戻ることが可能である
が、先の強い電場によって、正イオンが現像ベルト31
上に移動しトナー粒子周辺にいなくなると、一旦トナー
粒子は見かけ上負帯電のまま、本来の方向(現像ベルト
31上)とは逆の方向(塗布ローラ24上)に向かう。
バイアス印加時間を長くすることで、このトナー粒子は
本来の正帯電に戻り、現像ベルト31上に向かうことが
可能となる。以上の理由で、電荷制御剤の割合を増やせ
ば正負のイオンの量は増加し、バイアス印加時間を長く
する必要があると考えられる。これにより、電荷制御剤
分率が異なる液体現像剤でも、バイアスを印加する時間
(塗布ニップ通過時間)を設定することで高濃度の画像
が得られる。
【0051】次に、本発明を4種類の異なる液体現像剤
を用いてカラー画像を形成する複写機に適用した場合
の、各塗布装置に使用する液体現像剤と軸間距離及びニ
ップ長との関係の一例について表2に示す。本実施形態
に係る複写機は上記実施形態1の複写機と同様のものを
用いた(図1参照)。
【0052】
【表2】
【0053】以上説明したように、本実施形態に係る複
写機では、少なくとも2以上の液体現像剤について電荷
制御剤分率を異ならせることによって、各塗布装置の塗
布ローラと対向する一対の対向ローラの軸間距離を変え
て、最適な塗布ニップ通過時間を設定し、塗布ニップ通
過時間を異ならせた。このことによって、各色液体現像
剤に含まれる顕像化粒子の現像剤支持体への移動に最適
な状態を与え、最終的な記録媒体上での画像濃度を制御
し、結果的に画像品質の向上を図ることが可能となる。
【0054】〔実施形態3〕本実施形態においては、現
像剤分散剤の全現像剤量に対する割合(現像剤分散剤分
率)のみを異ならせた液体現像剤について、最適な塗布
ニップ通過時間が得られる湿式画像形成装置について説
明する。
【0055】現像剤分散剤の全現像剤量に対する割合を
異ならせた液体現像剤について、それぞれ最適な塗布ニ
ップ通過時間を求めるべく、実験を行った。この実験に
ついて、以下に説明する。なお、本実験では、上記実施
形態1で用いた実験装置(複写機)と同様のものを用い
た(図2(a)、(b)及び図3参照)。
【0056】液体現像剤中の現像剤分散剤の全体に対す
る割合が0、1、2、3、4、5%の液体現像剤につい
て実施した。なお、固形分率は15%、電荷制御剤分率
は1.5%、キャリア液粘度は100cStで各液体現
像剤において同じである。図6は、各電荷制御剤分率に
おいて、画像濃度が最大となるようなバイアスを印加し
始める位置101からのバイアス印加時間と、液体現像
剤中の現像剤分散剤の全体に対する割合との関係を示す
グラフである。なお、現像剤分散剤とは可溶性高分子を
現像剤に吸着させることによって、ポリマーブラシを形
成し立体安定化機構を形成するものであり、グラフトポ
リマー類により構成することができる。具体的には、ラ
ウリルメタアクリルレート(LMA)を用いた。
【0057】図6において、画像濃度が最大となるバイ
アス印加時間は現像剤分散剤分率が1%から3%までは
一定で、3%から5%までは増加する。現像剤分散剤分
率が0%から3%までは、バイアス印加時間が0.05
秒で画像濃度が最大になる。現像剤分散剤分率が3%以
下の液体現像剤に関しては、塗布ローラ24と現像ベル
ト31が接してから瞬時に顕像化粒子が現像ベルト31
に転移しているため画像濃度が高くなる。それに対し、
現像剤分散剤分率が高い(5%)液体現像剤では、現像
ベルト31と塗布ローラ24とが離れる位置102まで
バイアスを印加する必要がある。
【0058】これは、上記実施形態2における電荷制御
剤の実験と同様の理由により、現像剤分散剤の割合を増
やせば正負のイオンの量は増加し、バイアス印加時間を
長くする必要があるためと考えられる。これにより、現
像剤分散剤分率が異なる液体現像剤でも、バイアスを印
加する時間(塗布ニップ通過時間)を設定することで高
濃度の画像が得られる。
【0059】次に、本発明を4種類の異なる液体現像剤
を用いてカラー画像を形成する複写機に適用した場合
の、各塗布装置に使用する液体現像剤と軸間距離及びニ
ップ長との関係の一例について表3に示す。本実施形態
に係る複写機は上記実施形態1の複写機と同様のものを
用いた(図1参照)。
【0060】
【表3】
【0061】以上説明したように、本実施形態に係る複
写機では、少なくとも2以上の液体現像剤について現像
剤分散剤分率を異ならせることによって、各塗布装置の
塗布ローラと対向する一対の対向ローラの軸間距離を変
えて、最適な塗布ニップ通過時間を設定し、塗布ニップ
通過時間を異ならせた。このことによって、各色液体現
像剤に含まれる顕像化粒子の現像剤支持体への移動に最
適な状態を与え、最終的な記録媒体上での画像濃度を制
御し、結果的に画像品質の向上を図ることが可能とな
る。
【0062】〔実施形態4〕本実施形態においては、粘
度のみを異ならせた液体現像剤を使用した構成につい
て、最適な塗布ニップ通過時間が得られる湿式画像形成
装置について説明する。
【0063】粘度を異ならせた液体現像剤について、そ
れぞれ最適な塗布ニップ通過時間を求めるべく、実験を
行った。液体現像剤の粘度はキャリア液の粘度とほぼ一
致することから、キャリア液の粘度を変えた実験結果に
ついて説明する。なお、本実験では、上記実施形態1で
用いた実験装置(複写機)と同様のものを用いた(図2
(a)、(b)及び図3参照)。
【0064】液体現像剤中のキャリアの粘度が20、1
00、250、500cStの液体現像剤について実施
した。なお、固形分率は15%、電荷制御剤分率は1.
5%、現像剤分散剤分率は4%で各液体現像剤において
同じである。図7は、各キャリア粘度において、画像濃
度が最大となるようなバイアスを印加し始める位置10
1からのバイアス印加時間と、液体現像剤中のキャリア
粘度に対する関係を示すグラフである。
【0065】図7において、画像濃度が最大となるバイ
アス印加時間はキャリア粘度が100cStまでは一定
で、それ以後、500cStまで増加する。キャリア粘
度が100cStまでは、バイアス印加時間が0.05
秒で画像濃度が最大になる。液体現像剤中のキャリアが
100cStまでの液体現像剤では塗布ローラ24と現
像ベルト31が接してから瞬時に顕像化粒子が現像ベル
ト31に転移しているため画像濃度が高くなる。それに
対し、キャリア粘度が高い(500cSt)液体現像剤
では、現像ベルト31と塗布ローラ24とが離れる位置
102までバイアスを印加する必要がある。
【0066】これは、キャリア液の粘度が高ければ、液
体中を電気泳動している現像剤粒子が移動しにくくなる
ために泳動に十分な時間が必要であるためと考えられ
る。これにより、液体現像剤中のキャリアの粘度が異な
る液体現像剤でも、バイアスを印加する時間(塗布ニッ
プ通過時間)を設定することで高濃度の画像が得られ
る。
【0067】次に、本発明を4種類の異なる液体現像剤
を用いてカラー画像を形成する複写機に適用した場合
の、各塗布装置に使用する液体現像剤と軸間距離及びニ
ップ長との関係の一例について表4に示す。本実施形態
に係る複写機は上記実施形態1の複写機と同様のものを
用いた(図1参照)。
【0068】
【表4】
【0069】以上説明したように、本実施形態に係る複
写機では、少なくとも2以上の液体現像剤についてキャ
リア液粘度を異ならせることによって、各塗布装置の塗
布ローラと対向する一対の対向ローラの軸間距離を変え
て、最適な塗布ニップ通過時間を設定し、塗布ニップ通
過時間を異ならせた。このことによって、各色液体現像
剤に含まれる顕像化粒子の現像剤支持体への移動に最適
な状態を与え、最終的な記録媒体上での画像濃度を制御
し、結果的に画像品質の向上を図ることが可能となる。
【0070】〔実施形態5〕上記実施形態1乃至4にお
いては、液体現像剤の固形分率、電荷制御剤分率、現像
剤分散剤分率若しくはキャリア液粘度のいずれか一つの
性質のみを異ならせる構成について説明したが、複数の
性質を異ならせる構成とすることもできる。
【0071】本発明を4種類の異なる液体現像剤を用い
てカラー画像を形成する複写機に適用した場合の、各塗
布装置に使用する液体現像剤と軸間距離及びニップ長と
の関係の一例について表5に示す。本実施形態に係る複
写機は上記実施形態1の複写機と同様のものを用いた
(図1参照)。
【0072】
【表5】
【0073】表5に示すように、固形分率とキャリア液
粘度はすべての現像剤で等しい。これに対して、マゼン
タ現像剤の電荷制御剤分率が他の現像剤よりも低く(0
%)、また、シアン現像剤の現像剤分散剤分率が他の現
像剤よりも高い(5%)液体現像剤を用いた。
【0074】上記各液体現像剤の性質から、本実施形態
に係る複写機においては、対向ローラの軸間距離d1、
d2、d3およびd4を次の数2が成り立つように構成
し、最適な塗布ニップ通過時間を得られるようになって
いる。
【0075】
【数2】d3>d1=d4>d2 ここで、d1は、イエロー塗布装置310の塗布ローラ
に対向する一対の対向ローラ305a、305bの軸間
距離、d2は、マゼンタ塗布装置320の塗布ローラに
対向する一対の対向ローラ306a、306bの軸間距
離、d3は、シアン塗布装置330の塗布ローラに対向
する一対の対向ローラ307a、307bの軸間距離、
d4は、黒塗布装置340の塗布ローラに対向する一対
の対向ローラ308a、308bの軸間距離である。
【0076】イエロー現像剤と黒現像剤とは、表5に示
すように電荷制御剤分率、現像剤分散剤分率、固形分率
及びキャリア粘度がいずれも等しいので、軸間距離d1
とd4とが等しくなっている。なお、マゼンタ現像剤で
は他の現像剤に比べて電荷制御剤分率が低いので、軸間
距離d2は短くなっている。また、シアン現像剤では他
の現像剤に比べて現像剤分散剤分率が高い(5%)の
で、軸間距離d3が長くなっている。
【0077】以上説明したように、本実施形態に係る複
写機では、マゼンタ現像剤の電荷制御剤分率とシアン現
像剤の現像剤分散剤分率とを他の現像剤と異ならせるこ
とによって、各塗布装置の塗布ローラと対向する一対の
対向ローラの軸間距離を変えて、最適な塗布ニップ通過
時間を設定し、塗布ニップ通過時間を異ならせた。この
ことによって、各色液体現像剤に含まれる顕像化粒子の
現像剤支持体への移動に最適な状態を与え、最終的な記
録媒体上での画像濃度を制御し、結果的に画像品質の向
上を図ることが可能となる。
【0078】
【発明の効果】請求項1乃至5の発明によれば、異なる
性質を持った液体現像剤に関して、それぞれ最適な塗布
ニップ通過時間を設定し、塗布工程において十分な量の
顕像化粒子を現像剤支持体に転移させ、画像濃度を向上
させて画質の向上を図ることが可能になるという優れた
効果がある。
【0079】特に、請求項2の発明によれば、液体現像
剤中の顕像化粒子の固形分率によって、上記塗布ニップ
通過時間を変化させることで、塗布工程において十分な
量の顕像化粒子を現像剤支持体に転移させることが可能
になるという優れた効果がある。
【0080】特に、請求項3の発明によれば、液体現像
剤中に含まれる電荷制御剤の現像剤全体に対する割合に
よって、上記塗布ニップ通過時間を変化させることで、
塗布工程において十分な量の顕像化粒子を現像剤支持体
に転移させることが可能になるという優れた効果があ
る。
【0081】特に、請求項4の発明によれば、液体現像
剤中に含まれる現像剤分散剤の現像剤全体に対する割合
によって、上記塗布ニップ通過時間を変化させること
で、塗布工程において十分な量の顕像化粒子を現像剤支
持体に転移させることが可能になるという優れた効果が
ある。
【0082】特に、請求項5の発明によれば、液体現像
剤の粘度によって、上記塗布ニップ通過時間を変化させ
ることで、塗布工程において十分な量の顕像化粒子を現
像剤支持体に転移させることが可能になるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)、(d)は、実施形態
に係る複写機の要部概略構成図。
【図2】(a)は、実施形態に係る実験用の複写機の要
部概略構成図。(b)は、(a)中の矢視A方向からみ
た正面図。
【図3】図2における現像装置の要部拡大の説明図。
【図4】固形分率の異なる液体現像剤での、最大画像濃
度のバイアス印加時間の変化の説明図。
【図5】電荷制御剤分率の異なる液体現像剤での、最大
画像濃度のバイアス印加時間の変化の説明図。
【図6】現像剤分散剤分率の異なる液体現像剤での、最
大画像濃度のバイアス印加時間の変化の説明図。
【図7】キャリア粘度が異なる液体現像剤での、最大画
像濃度のバイアス印加時間の変化の説明図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電ローラ 3 現像ユニット 20 塗布装置 22 現像剤液溜り 23、24 塗布ローラ 25 現像剤量規制ローラ(塗布ローラ) 31 現像ベルト 32、33、34、35、36、37 回転ローラ 40 現像ベルトのクリーニングブレード 50 位置センサー 60 カウンタ内臓の制御装置 61 高圧電源 300 現像ユニット 301 現像ベルト 310、320、330、340 塗布装置 305、306、307、308 対向ローラ d1 対向ローラ305aと305bとの軸間距離 d2 対向ローラ306aと306bとの軸間距離 d3 対向ローラ307aと307bとの軸間距離 d4 対向ローラ308aと308bとの軸間距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数色の液体現像剤を用いて潜像担持体に
    形成された潜像を顕像化する現像手段と、該現像手段の
    現像剤支持体に液体現像剤を薄層に塗布する塗布手段
    と、該塗布手段にバイアスを印加するバイアス印加手段
    とを備えた湿式画像形成装置において、上記複数色の液
    体現像剤のうち少なくとも2以上の液体現像剤につい
    て、上記塗布手段の塗布ニップ通過時間を互いに異なら
    せることを特徴とする湿式画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の湿式画像形成装置において、上
    記液体現像剤に含まれる固形分の固形分率が互いに異な
    る2以上の液体現像剤について、上記塗布手段の塗布ニ
    ップ通過時間を互いに異ならせることを特徴とする湿式
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の湿式画像形成装置におい
    て、上記液体現像剤に含まれる電荷制御剤量の割合が互
    いに異なる2以上の液体現像剤について、上記塗布手段
    の塗布ニップ通過時間を互いに異ならせることを特徴と
    する湿式画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の湿式画像形成装置に
    おいて、上記液体現像剤に含まれる現像剤分散剤量の割
    合が互いに異なる2以上の液体現像剤について、上記塗
    布手段の塗布ニップ通過時間を互いに異ならせることを
    特徴とする湿式画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の湿式画像形成装
    置において、上記液体現像剤に含まれるキャリアの粘度
    が互いに異なる2以上の液体現像剤について、上記塗布
    手段の塗布ニップ通過時間を互いに異ならせることを特
    徴とする湿式画像形成装置。
JP11208957A 1999-07-23 1999-07-23 湿式画像形成装置 Withdrawn JP2001034071A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11208957A JP2001034071A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 湿式画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11208957A JP2001034071A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 湿式画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001034071A true JP2001034071A (ja) 2001-02-09

Family

ID=16564959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11208957A Withdrawn JP2001034071A (ja) 1999-07-23 1999-07-23 湿式画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001034071A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004254731A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Naoki Miyaguchi 膝用のサポータ
JP2015040893A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 コニカミノルタ株式会社 湿式画像形成方法および湿式画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004254731A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Naoki Miyaguchi 膝用のサポータ
JP4538195B2 (ja) * 2003-02-24 2010-09-08 直樹 宮口 膝用のサポータ
JP2015040893A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 コニカミノルタ株式会社 湿式画像形成方法および湿式画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2653933B1 (en) Image forming apparatus
US7738803B2 (en) Image forming method and apparatus for effectively charging an image carrier
JP2006259198A (ja) 画像形成装置
US6226480B1 (en) Image forming apparatus supplying charging accelerating particles to image bearing body in non-image forming
JP4794276B2 (ja) 電子写真画像形成装置
US6640072B2 (en) Image forming apparatus including an image bearing member and a charging member featuring a controlled peripheral velocity difference therebetween during charging
JP2001034071A (ja) 湿式画像形成装置
JP3702523B2 (ja) 液体現像剤を用いた現像装置
JP2003091222A (ja) 画像形成装置
JP2001051496A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JPH11272078A (ja) 画像形成装置
JPH1073997A (ja) 湿式現像装置
JPH0667500A (ja) 画像形成装置
JP2004341193A (ja) 画像記録装置
JP2589071B2 (ja) 画像形成装置
JP2001134102A (ja) 湿式画像形成装置
JP2023140388A (ja) 画像形成装置
JP2002351222A (ja) 液体現像装置及び画像形成装置
JPH1031360A (ja) 画像形成装置
JPH09114337A (ja) 画像形成装置
JP2023140389A (ja) 画像形成装置
JP3674281B2 (ja) 現像装置
JP2001281970A (ja) 画像形成装置
JPH06186859A (ja) 転写式電子写真装置における湿式画像形成装置
JPH09297460A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003