JP2001032747A - 多孔質オーステナイト系ステンレス鋼でピストンリング溝を強化した内燃機関用アルミニウム合金製ピストン及びその製造方法 - Google Patents

多孔質オーステナイト系ステンレス鋼でピストンリング溝を強化した内燃機関用アルミニウム合金製ピストン及びその製造方法

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JP2001032747A
JP2001032747A JP11206498A JP20649899A JP2001032747A JP 2001032747 A JP2001032747 A JP 2001032747A JP 11206498 A JP11206498 A JP 11206498A JP 20649899 A JP20649899 A JP 20649899A JP 2001032747 A JP2001032747 A JP 2001032747A
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Shigeo Inoue
茂夫 井上
Junya Takahashi
純也 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性及び切削性に優れ、さらに溶湯鍛造
後の焼き入れ時に母材と耐摩環との境界部に亀裂が発生
しない多孔質金属焼結体によりピストンリング溝を強化
した内燃機関用ピストン、及びその製造方法を提供する 【解決手段】 本発明のピストン1は、トップリング
(ファーストリング)用溝11、セカンドリング溝12及び
オイルリング用溝13を有し、トップリング溝11はアルミ
ニウム合金で鋳ぐるんだ多孔質支持部材3により構成さ
れている。支持部材3は円環状で、外周面に凹溝11が加
工されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直噴式ディーゼル
エンジン等に使用されるピストンであって、そのピスト
ンリング溝を多孔質オーステナイト系ステンレス鋼で強
化した内燃機関用アルミニウム合金製ピストン、及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車用ディーゼルエンジンでは排気ガスや二酸化炭素
の削減、出力向上等の要求から、EGR (Exhaust Gas Rec
irculation) 化、ターボ化、多弁化、高圧噴射化等の技
術が用いられ、ピストンヘの負荷が大きくなってきてい
る。特にピストンのトップリング溝は、高温下で高荷重
を受けるため、熱的及び機械的な負荷が大きい。そこで
耐摩耗性及び高温強度に優れた材料として、ニレジスト
鋳鉄を含む金属基複合材料等が耐摩環として使用されて
きた。ところが高圧噴射化の技術が進展するにつれて、
燃焼温度上昇、燃焼圧上昇、潤滑悪化等からピストンの
使用環境はますます過酷になると考えられ、ニレジスト
鋳鉄では過酷な使用環境に十分な耐久性を有さないこと
が分かった。そのため、このような耐摩環の改善方法が
主に3つの方向で検討されている。
【0003】第一の方法は、ニレジスト鋳鉄自身を改善
するものであるが、これは組織の最適化を行っているだ
けで注目すべき効果は得られていない。第二の方法は、
トップリング溝部を母材であるアルミニウム合金と強化
材との複合材で構成するものである。この場合の強化材
は、アルミニウム合金マトリックスを強化するために複
合されているため、その複合量は体積率で50%以下とな
る。このような複合材では、トップリング溝の叩かれた
時にマトリックスであるアルミニウム合金が塑性流動を
起こし、リングに付着して凝着摩耗が発生するため、耐
摩耗性に劣るといった問題がある。第三の方法は、上記
のような考え方とは異なり、耐摩耗性及び高温強度に優
れた材料でネットワーク状の多孔質焼結体を作り、高圧
下で溶湯を注入して鋳ぐるみ、トップリング溝を強化す
るというもので、特開昭53-31014号により提案されて以
来、数多くの特許出願がなされている。
【0004】第三の方法で実用化されているものとして
は、特開平3-30708 号及び特開平8-229663号に記載のも
のがあげられる。特開平3-30708 号に記載のピストン
は、相対密度が3〜50%のニッケル発泡体にアルミニウ
ム合金を溶湯鍛造により鋳ぐるんだものであるが、発泡
体の相対密度が低いため、ネットワークを構成している
ニッケル自体が叩き又は摺動中に塑性変形し、その結果
アルミニウム合金の凝着が発生し得る。
【0005】一方、特開平8-229663号では、耐摩環の溝
摩耗の原因としてアブレッシブ摩耗及び凝着摩耗に着目
し、アブレッシブ摩耗については硬質粒子(SKH57 等)
を添加することにより対応し、凝着摩耗についてはネッ
トワーク自身の耐摩耗性及び耐塑性変形性を高めるため
にFe−Cr合金、SKD 合金等を強固に焼結させ、粒子間の
ネッキング強さを向上させることにより対応している。
このため、耐摩耗特性その他の製品特性としては高出力
エンジンに適用しても問題ないものが得られるが、非常
に硬いSKH57 を添加し、かつネットワーク強度を高める
ために高温で焼結したことにより、耐摩環の加工性(切
削性)が低下している。また体心立方構造型の鉄系焼結
合金でネットワーク体(密度は70%程度)を構成してい
るため、焼き入れ時に母材のアルミニウム合金と耐摩環
との境界部において、熱膨張率の差から生じる熱応力に
より亀裂が発生するという問題がある。
【0006】従って本発明の目的は、特開平8-229663号
に記載の複合材料と同等の耐摩耗性を有するとともに切
削性に優れ、さらに溶湯鍛造後の焼き入れ時に母材と耐
摩環との境界部に亀裂が発生しない多孔質金属焼結体に
よりピストンリング溝を強化した内燃機関用ピストン、
及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、アルミニウム合金製ピストンの
ピストンリング溝を相対密度50〜80%のオーステナイト
系ステンレス鋼製多孔質体からなる支持部材により強化
することにより、焼き入れ時にピストン本体と支持部材
境界面にクラックが発生せず、耐摩耗性が向上した内燃
機関用アルミニウム合金製ピストンが得られることを発
見した。また支持部材中のステンレス鋼多孔質体中に
鉄、リン及び炭素の三元共晶であるステダイト化合物、
及び/又はクロム炭化物を微細かつ均一に析出させるこ
とにより、耐凝着摩耗性及び耐アブレッシブ摩耗性に優
れたピストンが得られることを発見した。本発明はかか
る発見に基づき完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の内燃機関用アルミニウ
ム合金製ピストンは、ピストンリング溝を構成する支持
部材を備え、前記支持部材は相対密度50〜80%のオース
テナイト系ステンレス鋼製多孔質体からなり、前記ピス
トン本体を構成するアルミニウム合金に鋳ぐるまれてい
ることを特徴とする。
【0009】また内燃機関用アルミニウム合金製ピスト
ンのピストンリング溝を構成するオーステナイト系ステ
ンレス鋼製多孔質体からなる支持部材を製造する本発明
の方法は、(1) 0.05〜2重量%のカーボン粉末、0.05〜
2重量%(リン基準)の鉄−リン合金粉末、1.5 重量%
以下の二硫化モリブデン粉末及び残部実質的にオーステ
ナイト系ステンレス鋼粉末からなる混合粉を作製し、
(2) 150 〜400 MPa の圧力でリング状に成形し、(3) 得
られたリング状成形体を1000〜1150℃で0.5 〜2時間焼
結し、50〜80%の相対密度を有する焼結体とすることを
特徴とする。
【0010】さらに、本発明の内燃機関用アルミニウム
合金製ピストンの製造方法は、(1)0.05〜2重量%のカ
ーボン粉末、0.05〜2重量%(リン基準)の鉄−リン合
金粉末、1.5 重量%以下の二硫化モリブデン粉末及び残
部実質的にオーステナイト系ステンレス鋼粉末からなる
混合粉を作製し、(2) 150 〜400 MPa の圧力でリング状
に成形し、(3) 得られたリング状成形体を1000〜1150℃
で0.5 〜2時間焼結して、50〜80%の相対密度を有する
リング状焼結体を作製し、(4) 前記リング状焼結体をピ
ストン鋳造用金型内に設置して、アルミニウム合金溶湯
を加圧下で注入することにより溶湯鍛造し、(5) 得られ
た溶湯鍛造品を温水中に投入することにより焼き入れを
行うことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の内燃機関用アルミニウム
合金製ピストンは、複合強化されたピストンリング溝を
構成する支持部材を備え、焼き入れ時の耐クラック性及
び加工時の切削性に優れ、かつ耐摩耗性に優れたもので
ある。以下本発明の内燃機関用アルミニウム合金製ピス
トン及びそれに用いる支持部材、並びにその製造方法に
ついて、図1を参照して説明する。
【0012】[1] ピストンリング溝を構成する支持部材 図1に示すようにアルミニウム合金製ピストン1に鋳ぐ
るむ多孔質支持部材3は、オーステナイト系ステンレス
鋼粉末、カーボン粉末、鉄−リン合金粉末及び二硫化モ
リブデン粉末の均一混合物を低圧で成形し、焼結したも
のである。
【0013】(A) 原料粉末 (1) オーステナイト系ステンレス鋼粉末 後述のように支持部材3をアルミニウム合金溶湯に鋳ぐ
るんだ後焼入れを行なうが、その時支持部材3とピスト
ン本体(アルミニウム母材)10との熱膨張率の差のため
に両者の境界面にクラックが発生するおそれがある。そ
のためアルミニウム合金との熱膨張率の差ができるだけ
小さい金属材料により支持部材3を作製する必要があ
り、オーステナイト系ステンレス鋼を使用する。オース
テナイト系ステンレス鋼の線膨張係数は16×10-6〜18×
10-6程度で、アルミニウム合金の線膨張係数(約20.4×
10-6)と近い。オーステナイト系ステンレス鋼のなかで
も、線膨張係数の大きいSUS302、SUS303、SUS304、SUS3
04LU、SUS308、SUS309等を使用するのが好ましい。
【0014】オーステナイト系ステンレス鋼の中でもク
ロム含有量の高いものを使用すると、支持部材3の耐摩
耗性を向上させることができる。これは焼結後のステン
レス鋼多孔質体中に耐摩耗性を有するクロム炭化物が微
細かつ均一に析出するためである。このようなクロム炭
化物の析出を促進するため、SUS304LUやSUS309のような
クロム含有量の高いステンレス鋼粉末を使用するのが好
ましい。高クロムステンレス鋼を使用すると、焼結時に
ステンレス鋼中のクロムとカーボンとが反応してクロム
炭化物を生成するとともに、ステンレス鋼自体はSUS304
のように低クロムの組成となり、良好な耐摩耗性及び高
い線膨張係数が得られる。
【0015】また切削性を向上させるために、Sn、Cu等
を添加した快削性のオーステナイト系ステンレス鋼粉末
を使用するのが好ましい。Sn、Cu等の添加量は、市販の
ステンレス鋼粉末(例えば、大同特殊鋼(株)製のオー
ステナイト系ステンレス鋼粉末)と同程度でよい。具体
的には、Cuを6重量%以下、Snを2.2 重量%以下含有す
るオーステナイト系ステンレス鋼粉末を使用するのが好
ましい。
【0016】耐クラック性、耐摩耗性及び切削性に優れ
た支持部材3を得るためには、オーステナイト系ステン
レス鋼粉末としてSUS304LUを使用するのが好ましい。
【0017】オーステナイト系ステンレス鋼粉末の平均
粒径は、10〜150 μmであるのが好ましい。10μm未満
では空孔の径が小さくなりすぎてアルミニウム合金の含
浸が困難となる。また150 μm超であると空孔の径が大
きくなりすぎるため、アルミニウム合金の含浸相の径も
大きくなりアルミニウムの凝着の原因となる。なおオー
ステナイト系ステンレス鋼粉末の添加量は実質的に残部
であり、他の成分の合計量を100 重量%から差し引いた
量である。
【0018】(2) カーボン粉末 カーボン粉末はCrと炭化物を形成することで強度を確保
し耐摩耗性を向上させるのに有効である。このようなカ
ーボン粉末の種類はいかなるものでも良いが、潤滑性の
観点から黒鉛粉末が好ましい。カーボン粉末の平均粒径
は、1〜50μmとするのが好ましい。1μm未満ではハ
ンドリングが困難となり、また50μmより大きいと均一
な分散が困難になる。またカーボン粉末の添加量は0.05
〜2重量%とするのが好ましい。0.05重量%未満では炭
化物がほとんど形成されず、2重量%より多いと炭化物
が過剰となり、靱性や耐衝撃性等が低下する。
【0019】(3) 鉄−リン合金粉末 鉄−リン合金粉末は、鉄、リン、炭素の3元共晶組織を
有するステダイト化合物の析出を促進するために添加す
る成分である。ステダイト化合物が微細かつ均一にステ
ンレス鋼多孔質体中に析出すると、硬度が高くなり耐摩
耗性が向上する。添加する鉄−リン合金粉末中の鉄/リ
ンの重量比は特に限定されないが、90/10〜50/50であ
るのが好ましい。鉄−リン合金粉末は市販されており、
市販品(リン含有量:25重量%程度)をそのまま使用す
ることができる。
【0020】鉄−リン合金粉末の平均粒径は1〜50μm
であるのが好ましい。1μm未満ではハンドリングが困
難となり、50μmより大きいと均一な分散が困難にな
る。また鉄−リン合金粉末の添加量はリンの添加量に換
算して、0.05〜2重量%とするのが好ましい。0.05重量
%未満であるとステダイト化合物の析出が十分でない。
また2重量%より多くなるとステダイト化合物が過剰と
なり、切削性が阻害される。鉄−リン合金粉末のより好
ましい添加量は、リンの添加量に換算して0.4 〜0.8 重
量%である。
【0021】(4) 二硫化モリブデン(MoS2 ) 粉末 二硫化モリブデン(MoS2 ) 粉末は成形時の潤滑作用を有
し、また焼成中にステンレス鋼中のMnと反応してMnS を
形成し、被削性を向上させる。二硫化モリブデン粉末の
平均粒径は1〜50μmとするのが好ましい。1μm未満
ではハンドリングが困難となり、50μmより大きいと均
一な分散が困難となるため好ましくない。なお成形時の
潤滑作用だけを考えればステアリン酸亜鉛でもよい。
【0022】二硫化モリブデン粉末の添加量は、Sのモ
ル量がオーステナイト系ステンレス鋼粉末中に含まれて
いるMnのモル量と同じになるように設定するのが好まし
い。通常オーステナイト系ステンレス鋼粉末には0.2 重
量%程度のMnが含まれているので、1.5 重量%以下、特
に0.1 〜1.5 重量%の二硫化モリブデン粉末を添加する
のが好ましい。
【0023】(5) 混合 オーステナイト系ステンレス鋼粉末、カーボン粉末、鉄
−リン合金粉末及び二硫化モリブデン粉末の混合は公知
な方法で行うことができるが、コスト等の理由からVミ
ルで行うのが好ましい。
【0024】(B) 成形 混合粉末の成形はプレス成形法、鋳込み成形法、射出成
形法等により行なうことができるが、薄いリング形状に
成形するためにプレス成形法が好ましい。プレス成形の
場合のプレス圧は、150 〜400MPaが好ましい。150MPa未
満では圧粉成形体の相対密度が不十分であるためにハン
ドリングできず、また400MPaより大きいと圧粉成形体の
相対密度が高くなりすぎ、焼結体の相対密度が80%超と
なってしまうため好ましくない。より好ましいプレス圧
は200 〜300MPaである。
【0025】(C) 焼結 得られた成形体用の焼結炉としては、真空炉、雰囲気加
圧炉、雰囲気調整型メッシュベルト炉のように焼結雰囲
気を真空又は還元性雰囲気にできるものであれば、いか
なるものでも使用できる。特に焼成中にステンレス鋼粉
末が酸化しないように、露点を−40℃以下に保つことが
重要である。
【0026】焼結温度は1000〜1150℃とする。1000℃未
満ではネットワークを構成するオーステナイト系ステン
レス鋼の焼結が進まず、ネットワークの強度が不足す
る。また1150℃より高いと焼結が進みすぎて相対密度が
大きくなりすぎ、空隙率が低くなりすぎる。焼結の進行
や、ステダイト化合物、クロム炭化物、MnS 等の生成を
考慮すると、より好ましい焼結温度は1080〜1120℃であ
る。
【0027】焼結時間は0.5 〜2時間とする。0.5 時間
未満では焼結不足であり、2時間より長いと焼結による
変形が大きくなる。より好ましい焼結時間は0.5 〜1時
間である。焼結温度及び時間を調整することにより、支
持部材3用リング状焼結体の相対密度を50〜80%のレベ
ルに設定することができる。
【0028】(D) 相対密度支持部材3は、焼結によりネ
ットワーク化された多孔質体である。この多孔質 体の相対密度は50〜80%である。相対密度が50%未満で
は多孔質体のネットワークが強固でなく摺動中にネット
ワークが変形したり、空隙を埋めているアルミニウム合
金が表面上に絞り出されるので、ピストンリングとの間
で凝着摩耗が発生する恐れがある。一方80%超では、空
隙率が20%未満となるため、溶湯鍛造時にアルミニウム
合金が多孔質体内に浸透しなくなる。多孔質体の空孔が
全て独立する密度(約93%)より多孔質体の相対密度が
低ければ、理論上は溶湯鍛造可能であるが、非常に大き
な圧力を要するとともに、溶湯温度を非常に高温にしな
ければならない。すると設備や運転条件上コストがかか
るのみならず、酸化等の問題も起こるので、実際的でな
い。相対密度が50〜80%の範囲にあれば、ネットワーク
がきちんと形成され、かつ溶湯鍛造が問題なく行える。
より好ましい相対密度は65〜80%である。このような多
孔質構造とすることで、溶湯鍛造時にアルミニウム合金
の溶湯が支持部材3の孔内に進入し、両者の密着性は向
上する。
【0029】(E) 組織 ネットワーク自身の強度を確保するために、支持部材3
は、ステダイト化合物及びクロム炭化物がステンレス鋼
多孔質体中に微細かつ均一に析出した構造を有するのが
好ましい。ネットワーク構造を有する支持部材3は非常
に高硬度のステダイト化合物とクロム炭化物の析出によ
り強化されるため、外部応力により変形せず、その結果
アルミニウム合金の絞り出しによる凝着摩耗が発生しな
い。またステダイト化合物、クロム炭化物という硬質粒
子がステンレス鋼多孔質体中に多く析出するので、耐摺
動摩耗性が向上している。
【0030】支持部材3の基地を構成するオーステナイ
ト系ステンレス鋼自体は延性が高く切削性は良くない
が、ステダイト化合物及びクロム炭化物等の硬質粒子が
析出しているため、切削性が改善されている。そのた
め、切り粉が分断され、バイト等にからみつくことがな
い。さらに切削抵抗を低くするために、快削性ステンレ
ス鋼粉末及び二硫化モリブデン粉末を使用して、Cu、S
n、MnS 等の被削性を向上させる微細粒子を基地内に均
一に分散させている。切削中の切り粉は、これらの相と
相の距離で決まる大きさに分断されるので、切削抵抗は
低い状態に保たれる。
【0031】[2] 内燃機関用アルミニウム合金製ピスト
ン 本発明の内燃機関用アルミニウム合金製ピストンは、上
記支持部材3をアルミニウム合金で鋳ぐるむとともに、
溶湯鍛造により支持部材3の空孔内にアルミニウム合金
を進入させて、両者を密着させた構造を有する。
【0032】(A) ピストンの構造 図1に本発明を適用することができるピストン1の一例
を示す。このピストン1は、トップリング(ファースト
リング)用溝11、セカンドリング溝12及びオイルリング
用溝13を有し、トップリング溝11は鋳ぐるんだ多孔質支
持部材3により構成されている。支持部材3は円環状
で、外周面に凹溝11が加工されている。
【0033】(B) 鋳ぐるみ 支持部材3用のリング状焼結体を金型内にセットする。
アルミニウム合金溶湯の温度降下を防止するために、金
型を200 〜500 ℃に予熱しておくのが好ましい。またリ
ング状焼結体は酸化しない程度の温度、具体的には200
〜600 ℃に予熱した後で、金型内にセットするのが好ま
しい。
【0034】アルミニウム合金溶湯を加圧下で金型内に
注入し、溶湯鍛造を行う。注入するアルミニウム合金溶
湯の温度は700 〜900 ℃とするが好ましい。700 ℃未満
では溶湯の粘性が高すぎて溶湯鍛造できない。また900
℃より高いと溶湯の酸化が激しくなる。溶湯の粘性及び
酸化防止の観点から、より好ましい温度範囲は750 〜85
0 ℃である。また溶湯鍛造時の圧力は1000〜2000kg/cm
2 とするが好ましい。1000kg/cm2 未満では溶湯が支持
部材3用のリング状焼結体の空孔内に十分に浸透せず、
また2000kg/cm2 より高くしてもそれに応じた効果の向
上が得られない。
【0035】(C) 焼き入れ 溶湯鍛造後Siが析出していない状態(溶体化状態)のう
ちに、具体的には500〜520 ℃、好ましくは505 〜520
℃になった直後に、温水中に投入することにより焼き入
れを行う。温水の温度は50℃以上が好ましく、特に50〜
80℃が好ましい。
【0036】(D) 熱処理・加工 焼き入れ後、焼戻し処理(T6の熱処理)を行い、次い
でピストンの外周面を研削し、リング状焼結体の外周面
を露出させる。次いでリング状焼結体の外周面に凹溝を
加工する。このようにしてピストンリング溝11を有する
支持部材3が一体的に鋳ぐるまれた内燃機関用アルミニ
ウム合金製ピストンが得られる。
【0037】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0038】実施例1〜3 (1) 支持部材用リング状焼結体の作製 表1aに示す化学成分及び1bに示す粒度分布を有するオー
ステナイト系ステンレス鋼粉末(SUS304LU、平均粒径65
μm)、カーボン粉末(揮発分:1.0 重量%以下、灰
分:2.0 重量%以下、固定炭素分:97重量%以上、平均
粒径11.1μm)、表2に示す化学成分、見掛け密度及び
粒度分布を有する鉄−リン合金粉末、及び市販の二硫化
モリブデン粉末を、表3に示す割合でかつ合計が3kgと
なるように3ロット秤量した。まずオーステナイト系ス
テンレス鋼粉末500 gと、他の粉末(カーボン粉末、鉄
−リン合金粉末及び二硫化モリブデン粉末)を容積5.5
リットルのVミル中に投入し、5分程度予備混合を行
い、次いで残りのオーステナイト系ステンレス鋼粉末を
投入し、約1時間37rpm で乾式混合した。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】 表3 粉末の配合(重量%) SUS304LU 鉄−リン合金 MoS2 実施例1 95.35 3.0 0.35 1.30 実施例2 95.85 2.5 0.35 1.30 実施例3 96.75 1.6 0.35 1.30
【0043】得られた混合粉末を124 gづつ小分けし、
各々を金型中に投入し、230MPaの成形圧力で10秒間保持
し、外径88.5mm、内径66.0mm及び高さ6.7 〜6.9mm のリ
ング状の圧粉成形体を作製した。各組成の圧粉成形体の
数は60個とした。得られた圧粉成形体を真空炉に6段重
ねにし、1080℃で1時間真空焼結を行って、支持部材用
リング状焼結体を作製した。リング状焼結体の相対密度
は実施例1で76.3%、実施例2で73.4%、実施例3で7
0.7%であった。
【0044】(2) ピストンの作製 リング状焼結体を大気炉で400 ℃に予熱した後、400 ℃
に予熱した金型内にセットし、825 ℃のアルミニウム合
金(AC8A,JIS 規格)の溶湯を金型内に注入し、1400 k
g/cm2 の加圧下で溶湯鍛造を行なった。505 〜520 ℃に
冷却した直後に、60℃の温水に投入して焼き入れを行な
った。次いで180 ℃で8時間保持する焼戻し処理(T6
の熱処理)を行い、ピストン素材を作製した。得られた
ピストン素材は図2(a) に示すように、リング状焼結体
が鋳ぐるまれた状態となっているので、外周面を図2
(b) に示すように切削加工し、ピストンリング溝用支持
部材が露出したピストン素材を作製した。この際、切削
加工後にカラーチェックを行い、亀裂の有無を調査し
た。結果を表4に示す。
【0045】比較例1 ニレジスト鋳鉄をリング状に加工しアルフィン処理した
後、金型内にセットして780 ℃のアルミニウム合金溶湯
を注入して重力鋳造を行い、505 〜520 ℃に冷却した直
後に60℃の温水中に投入して焼き入れを行い、次いでT
6処理を行い、実施例1と同一形状のアルミニウム合金
製ピストン素材を60個作製した。このピストン素材に対
して実施例1と同じ切削加工を行い、ピストンリング溝
用支持部材が露出したピストン素材を作製した。切削加
工後のカラーチェックによる亀裂の有無を表4に示す。
【0046】比較例2 特開平8-229663号に記載されている鉄−クロム合金粉末
及びSKH57 粉末を面積率でそれぞれ50%及び20%になる
ように混合し、リング状の成形体を作製し、1150℃で焼
成して、相対密度が70%の支持部材用リング状焼結体を
作製した。実施例1と同じ条件でこの支持部材用リング
状焼結体をアルミニウム合金で鋳ぐるみ、505 〜520 ℃
に冷却した直後に60℃の温水中に投入し、焼き入れを行
なった。次いでT6処理を行い、ピストン素材を60個作
製した。各ピストン素材に対して実施例1と同じ切削加
工を行い、ピストンリング溝用支持部材を有するピスト
ンを作製した。切削加工後のカラーチェックによる亀裂
の有無を表4に示す。
【0047】
【0048】表4に示すように、実施例1〜3のピスト
ン及び比較例1のピストンでは、亀裂は観察されなった
が、比較例2のピストンにおいては約8.3 %の素材に亀
裂が発生した。このように、支持部材3にアルミニウム
合金と線膨張係数がほとんど変わらないオーステナイト
系ステンレス鋼を使用すれば、焼き入れ時の界面に発生
する熱応力を抑制し、亀裂の発生を防止できることが分
かった。
【0049】次に、実施例1〜3及び比較例1,2のピ
ストン素材の支持部材3に対して図2(c) に示すように
溝加工を行い、その時のチップ先端の摩耗量を測定し
た。切削チップとして東芝タンガロイ(株)製のFGC3
(TiN コーティング)を使用した。溝加工は溝幅3mm、
溝深さ5mmになるまで各々60個について行った。切削試
験条件を以下に示す。また切削試験後のチップ先端摩耗
量を表5に示す。なお摩耗量の測定はチップ先端のフラ
ンク摩耗部で行った。
【0050】 バイト:東芝タンガロイ(株)製CFGS形バイト チップ材種:超硬+TiN コーティング(材種 T313V 、型番 FCG3、 前逃げ角 7°、横逃げ角 2°) 試験条件:NC旋盤 森精機(株)製SL-3 切削速度 100 m/分 送り速度 0.06mm/rpm 切削油 ユシローケンEC50T を50倍に水で希釈 切削距離 約1300m 切削深さ 5mm 切削個数 60個 試験片種類 実施例1〜3、比較例1(ニレジスト鋳鉄)、 比較例2(Fe-Cr 、SKH57 焼結材)
【0051】
【0052】表5より、比較例2のピストンは、溝入れ
加工を行うとチップ先端が欠けてしまい摩耗量を測定す
ることができなかった。一方、比較例1のピストンは、
実施例2と実施例3の中間程度の摩耗量であった。実施
例1〜3のピストンは比較例1と同程度の切削性を有し
ているといえる。
【0053】耐摩耗性を測定するため図3に示す叩き試
験機(リケン式凝着試験機)を用いて摩耗試験を行っ
た。まずピストンリング37を油圧により下方から荷重が
かかる回転駆動軸39の上端にある回転体38に固定した。
また試験片として実施例1〜3及び比較例1及び2の支
持部材3を回転体38の上方にある支持体33に固定した。
この支持体33にはヒータ34及び熱電対35が設けられてお
り、これらは制御装置(図示せず)に接続され、試験中
の温度が一定に保たれる。支持体33の上端に設けられた
加圧軸32の上端はカム31に摺接し、カム31の回転に応じ
て加圧軸32を介して支持体33が上下動し、支持体33の下
端面に固定された支持部材3は回転体38上のピストンリ
ング37を断続的に叩くことになる。この際、回転体38は
所定の間隔で正回転及び逆回転を繰り返すので、支持部
材3とピストンリング37の間に摩擦が生じ、支持部材3
が摩耗する。このときの支持部材3の摩耗量を測定する
ことにより、支持部材3の耐摩耗性を評価する。摩耗量
は、叩かれていない面を基準として、叩かれた面のプロ
ファイルを粗さ計で求め、叩かれた面のへこみ部の面積
量の総和から算出した。以下に試験条件を示し、測定結
果を表6に示す。
【0054】ピストンリング:窒化リング(直径:84.5
mm、幅:1.5 mm、厚さ:3.1 mm) 荷重:150kgf 沈みストローク:1.25mm 上下サイクル:5回/秒 リング回転数:30秒/1回転(正回転:10秒、逆回転:
8秒の繰り返し) 潤滑剤:無し 温度:280 ℃ 叩き数:3000回
【0055】
【0056】表6より、実施例1〜3及び比較例2で
は、摩耗量が非常に少なかったのに対し、比較例1で
は、これらの約10倍以上であった。以上から、比較例1
は耐亀裂性(耐クラック性)と切削性が良好であった
が、摩耗が激しく、たたき荷重に弱いことが分かった。
一方、比較例2は耐摩耗性が非常に高いが、焼き入れ時
の耐クラック性と切削性に問題があることが分かった。
これらに対して、実施例1〜〜3のアルミニウム合金製
ピストンは、耐クラック性、切削性及び耐摩耗性のいず
れも平均して優れていることが分かった。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアルミニ
ウム合金製ピストンは、オーステナイト系ステンレス鋼
からなる支持部材がピストンリング溝の強化材として使
用されているため、溶湯鍛造後の焼き入れ時にピストン
本体と支持部材境界面にクラックが発生しない。また支
持部材中には微細なステダイト化合物及びクロム炭化物
が析出しているため、耐摩耗性に優れている。さらに支
持部材中に切削性を向上させるためのCu,Sn,MnS 等が
析出しているので、従来の溶湯鍛造用多孔質体よりも切
削性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の内燃機関用アルミニウム合金製ピス
トンを示す部分断面側面図である。
【図2】 本発明の内燃機関用アルミニウム合金製ピス
トン素材の切削加工工程を示す断面図であり、(a) は切
削加工を施す前のピストン素材を示し、(b) は支持部材
の表面を露出させるための加工を施した後のピストン素
材を示し、(c)は支持部材の外周面に溝加工を施した後
のピストン素材を示す。
【図3】 実施例及び比較例のアルミニウム合金製ピス
トンの評価に使用する叩き試験機を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・内燃機関用アルミニウム合金製ピストン 3・・・・支持部材 10・・・・ピストン本体 11・・・・トップリング用凹溝 12・・・・セカンドリング溝 13・・・・オイルリング用溝

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンリング溝を構成する支持部材を
    備えた内燃機関用アルミニウム合金製ピストンにおい
    て、前記支持部材は相対密度50〜80%のオーステナイト
    系ステンレス鋼製多孔質体からなり、前記ピストン本体
    を構成するアルミニウム合金に鋳ぐるまれていることを
    特徴とする内燃機関用アルミニウム合金製ピストン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関用アルミニウ
    ム合金製ピストンにおいて、前記支持部材中のステンレ
    ス鋼多孔質体中に、鉄、リン及び炭素の三元共晶組織を
    有するステダイト化合物が微細かつ均一に析出している
    ことを特徴とする内燃機関用アルミニウム合金製ピスト
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の内燃機関用アル
    ミニウム合金製ピストンにおいて、前記支持部材中のス
    テンレス鋼多孔質体中にクロム炭化物が微細かつ均一に
    析出していることを特徴とする内燃機関用アルミニウム
    合金製ピストン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機
    関用アルミニウム合金製ピストンにおいて、前記支持部
    材中に切削性を高める微細粒子が均一に分散しているこ
    とを特徴とする内燃機関用アルミニウム合金製ピスト
    ン。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の内燃機関用アルミニウ
    ム合金製ピストンにおいて、前記切削性改善用微細粒子
    がMnS 、Pb及びSnからなる群から選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする内燃機関用アルミニウム合金
    製ピストン。
  6. 【請求項6】 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
    のピストンリング溝を構成するオーステナイト系ステン
    レス鋼製多孔質体からなる支持部材を製造する方法にお
    いて、(1) 0.05〜2重量%のカーボン粉末、0.05〜2重
    量%(リン基準)の鉄−リン合金粉末、1. 5重量%以下
    の二硫化モリブデン粉末及び残部実質的にオーステナイ
    ト系ステンレス鋼粉末からなる混合粉を作製し、(2) 15
    0 〜400MPa の圧力でリング状に成形し、(3) 得られた
    リング状成形体を1000〜1150℃で0.5 〜2時間焼結し、
    50〜80%の相対密度を有する焼結体とすることを特徴と
    する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機
    関用アルミニウム合金製ピストンの製造方法において、
    (1) 0.05〜2重量%のカーボン粉末、0.05〜2重量%
    (リン基準)の鉄−リン合金粉末、1. 5重量%以下の二
    硫化モリブデン粉末及び残部実質的にオーステナイト系
    ステンレス鋼粉末からなる混合粉を作製し、(2) 150 〜
    400 MPa の圧力でリング状に成形し、(3) 得られたリン
    グ状成形体を1000〜1150℃で0.5 〜2時間焼結して、50
    〜80%の相対密度を有するリング状焼結体を作製し、
    (4) 前記リング状焼結体をピストン鋳造用金型内に設置
    して、アルミニウム合金溶湯を加圧下で注入することに
    より溶湯鍛造し、(5) 得られた溶湯鍛造品を温水中に投
    入することにより焼き入れを行うことを特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の内燃機関用アルミニウ
    ム合金製ピストンの製造方法において、前記リング状焼
    結体を200 〜500 ℃に予熱した後でピストン鋳造用金型
    に設置し、700 〜900 ℃のアルミニウム合金溶湯を注入
    し、1000〜2000kgf/cm2 の加圧下で溶湯鍛造することを
    特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の内燃機関用アル
    ミニウム合金製ピストンの製造方法において、溶湯鍛造
    後500 〜520 ℃になった直後に、50℃以上の温水中に投
    入し、焼き入れを行なうことを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100793612B1 (ko) * 2003-07-31 2008-01-10 현대중공업 주식회사 선박 디젤 엔진용 피스톤 크라운 링 그루브의 경제적 제조방법
CN102425504A (zh) * 2011-11-16 2012-04-25 力帆实业(集团)股份有限公司 三气门发动机活塞
KR101700704B1 (ko) * 2015-09-25 2017-01-31 주식회사 케이엠씨 알루미늄 합금 단조 피스톤 제조 방법

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