JP2001031741A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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JP2001031741A JP20612599A JP20612599A JP2001031741A JP 2001031741 A JP2001031741 A JP 2001031741A JP 20612599 A JP20612599 A JP 20612599A JP 20612599 A JP20612599 A JP 20612599A JP 2001031741 A JP2001031741 A JP 2001031741A
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Mitsuo Katayose
光雄 片寄
Seiichi Akagi
清一 赤城
Hiroyuki Saito
裕之 斎藤
Yoshihiro Takahashi
佳弘 高橋
Kazuyoshi Tendou
一良 天童
Megumi Matsui
恵 松井
Fumio Furusawa
文夫 古沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化の進んだ銅フレームに対しても、優れたは
んだ耐熱性を示し成形性に優れる封止用エポキシ樹脂成
形材料、及びそれにより封止した素子を備える電子部品
装置を提供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、を必須成分と
し、(A)成分中にスチルベン型エポキシ樹脂及びノボ
ラック型エポキシ樹脂を3/7〜7/3の重量比で含有
し、(B)成分中に硬化剤(B)全量に対して50重量
%以上のフェノール・アラルキル樹脂を含有し、(C)
成分中に有機第3ホスフィンとp−ベンゾキノンとのベ
タイン型付加物を含有することを特徴とする封止用エポ
キシ樹脂成形材料。この封止用エポキシ樹脂成形材料に
より封止された素子を備える電子部品装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に銅フレームを
用いた半導体装置において優れたはんだ耐熱性を示す封
止用エポキシ樹脂成形材料、及びその成形材料により封
止した素子を備える電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC、トランジスタなどの電子部品装置
は、小型化、高速化の要求に応えるため、年々その集積
度や動作速度が高まっており、消費電力の増大、すなわ
ち発熱量の増大を招いている。また、低コスト化の要求
もますます厳しく、近年、これらの要求に対応するた
め、電子部品装置に従来の42アロイフレームに換え
て、熱伝導率が高く低コストな銅フレームを用いる例が
増えている。しかし、銅フレームは42アロイフレーム
に比べて熱処理により表面が酸化されやすく、生成した
酸化膜は脆いため、素子の封止後ダイパッド裏面やイン
ナーリード部分で封止用エポキシ樹脂成形材料と剥離し
やすい傾向にあり、実装時のはんだ耐熱性に劣る、とい
う問題があった。そこで、銅フレームと封止用エポキシ
樹脂成形材料の接着性を向上させるため、成形材料に芳
香族アミノシラン系カップリング剤を添加する方法(特
開平5−25367号公報)、銅とキレートを形成する
化合物を添加する方法(特開平7−316399号公
報)、銅に配位する化合物を添加する方法(特開平7−
33860号公報)、封止材の線膨張係数を銅フレーム
に近づけるため結晶シリカを充填剤として添加する方法
(特開平7−273251号公報、特開平9−1297
86号公報)等の検討が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の添加剤あるいは充填剤では、はんだ耐熱性の改善は十
分でなく、特に素子の封止工程までに加わる熱処理条件
が厳しく、銅フレームの酸化が進んでいる場合は、むし
ろはんだ耐熱性が低下する、という問題があった。本発
明は、このように酸化の進んだ銅フレームに対しても、
優れたはんだ耐熱性を示し成形性に優れる封止用エポキ
シ樹脂成形材料、及びそれにより封止した素子を備える
電子部品装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、スチルベン型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
・アラルキル樹脂及びベタイン型硬化促進剤を組み合わ
せて特殊な配合で用いることにより、著しくはんだ耐熱
性を向上し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)(A)エポキ
シ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機
充填剤、を必須成分とし、(A)成分中に下記一般式
(I)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂及び下記一
般式(II)で示されるノボラック型エポキシ樹脂を3/
7〜7/3の重量比で含有し、(B)成分中に硬化剤
(B)全量に対して50重量%以上の下記一般式(II
I)で示されるフェノール・アラルキル樹脂を含有し、
(C)成分中に有機第3ホスフィンとp−ベンゾキノン
とのベタイン型付加物を含有することを特徴とする封止
用エポキシ樹脂成形材料、
【化4】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜5の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべて同一でも
異なっていてもよい。nは0〜10を示す。)
【化5】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
換の1価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
す。)
【化6】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
す。)(2)(C)成分の硬化促進剤がトリフェニルホ
スフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物を含
有することを特徴とする上記(1)記載の封止用エポキ
シ樹脂成形材料、(3)(D)成分の無機充填剤の含有
量がエポキシ樹脂成形材料全体に対して55〜90体積
%である上記(1)又は(2)記載の封止用エポキシ樹
脂成形材料、(4)上記(1)〜(3)記載のいずれか
の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備
える電子部品装置、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
成分のエポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料で
一般に使用されているもので特に限定はないが、少なく
とも下記一般式(I)のスチルベン型エポキシ樹脂及び
下記一般式(II)のノボラック型エポキシ樹脂を、3/
7〜7/3の重量比で含有していることが必要である。
【化7】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜5の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべて同一でも
異なっていてもよい。nは0〜10を示す。)
【化8】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
換の1価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
す。)
【0007】上記一般式(I)中のR1〜R4としては、
例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカ
プト基置換アルキル基などの炭素数1〜5の置換又は非
置換の一価の炭化水素基が挙げられ、中でもアルキル基
が好ましく、メチル基、t−ブチル基がより好ましい。
また、nは0〜10であることが必要で、流動性の観点
からは平均的に0〜5が好ましく、0〜3がより好まし
く、中でもnが0を主成分とする樹脂がさらに好まし
い。本発明に用いられる上記一般式(I)のスチルベン
型エポキシ樹脂の具体例としては、2,2’−ジヒドロ
キシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンの
エポキシ化物、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルスチルベンのエポキシ化物、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチル−α−メチルスチルベンのエポキシ化物、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,
5’−ジメチルスチルベンのエポキシ化物、4,4−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジ
メチルスチルベンのエポキシ化物、2,2’−ジヒドロ
キシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチル
スチルベンのエポキシ化物、3−t−ブチル−4,4’
−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベ
ンのエポキシ化物、3−t−ブチル−2,4’−ジヒド
ロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベンのエポ
キシ化物、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−
3’,5’,6−トリメチルスチルベンのエポキシ化物
等が挙げられ、これらは単独で用いることも2種類以上
を併用することも可能である。これらの中で、樹脂軟化
点の観点から3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ
−3’,5,5’−トリメチルスチルベンのエポキシ化
物、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルスチルベンのエポキシ化物及びこれらの混合
物が好ましく、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキ
シ−3’,5,5’−トリメチルスチルベンのエポキシ
化物及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’
−テトラメチルスチルベンのエポキシ化物の混合物がよ
り好ましい。
【0008】上記一般式(II)中のRとしては、例え
ば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプ
ト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非
置換の一価の炭化水素基が挙げられ、中でもメチル基、
エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がより好
ましい。本発明に用いられる一般式(II)のノボラック
型エポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂等が挙げられ、なかでもオルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂が好ましい。また、上記一般式
(II)で示されるノボラック型エポキシ樹脂の粘度は特
に限定されるものではないが、150℃におけるICI
粘度が0.5〜5ポイズであることが好ましく、0.6
〜3ポイズがより好ましい。0.5ポイズ未満ではポッ
トライフが低下する傾向にあり、5ポイズを超えると流
動性やはんだ耐熱性が低下しがちである。
【0009】上記一般式(I)のスチルベン型エポキシ
樹脂及び上記一般式(II)のノボラック型エポキシ樹脂
の配合量は、優れたはんだ耐熱性を達成するために、エ
ポキシ樹脂(A)全量に対して、それぞれ20重量%以
上であることが好ましく、30重量%以上がより好まし
い。また、両者の合計配合量は、エポキシ樹脂(A)全
量に対して60重量%以上であることが好ましく、70
重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好
ましい。一般式(I)のスチルベン型エポキシ樹脂と一
般式(II)のノボラック型エポキシ樹脂との併用割合
は、はんだ耐熱性の観点から重量比(I)/(II)が3
/7〜7/3に設定されることが必要で、4/6〜6/
4がより好ましく、5/5〜6/4がさらに好ましい。
一般式(I)のスチルベン型エポキシ樹脂の割合が多く
なると成形性が低下する傾向にあり、一般式(II)のノ
ボラック型エポキシ樹脂の割合が多くなるとはんだ耐熱
性が低下しがちでる。一般式(I)のスチルベン型エポ
キシ樹脂と一般式(II)のノボラック型エポキシ樹脂
は、成形材料作製の際に他の配合成分と共に配合しても
かまわないが、予め両者を混合して用いることが好まし
い。
【0010】本発明のエポキシ樹脂成形材料には、上記
一般式(I)のスチルベン型エポキシ樹脂及び上記一般
式(II)のノボラック型エポキシ樹脂の他に、封止用エ
ポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているエポキシ樹
脂を併用することができる。併用するエポキシ樹脂とし
ては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールSのエポキシ化物であるビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、ビフェノール類のエポキシ化物であるビフ
ェニル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イ
ソシアヌル酸等のポリアミンのエポキシ化物であるグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンと
フェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシク
ロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトール類とアルデ
ヒド類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるナフトールノ
ボラック型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エ
ポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結
合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポ
キシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂などが挙げられ、は
んだ耐熱性の面からはビフェニル型エポキシ樹脂が好適
である。
【0011】本発明において用いられる(B)成分の硬
化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用され
ているもので特に限定はないが、少なくとも下記一般式
(III)のフェノール・アラルキル樹脂を硬化剤(B)
全量に対して50重量%以上含有していることが必要で
ある。
【化9】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
す。) 上記一般式(III)のフェノール・アラルキル樹脂の中
でも、下記の式(IV)で示され、nが平均的に0〜8の
フェノール・アラルキル樹脂が好ましく、具体例として
は、p−キシリレン型ザイロックやm−キシリレン型ザ
イロック等が挙げられる。
【化10】
【0012】上記一般式(III)で示されるフェノール
・アラルキル樹脂の粘度は特に限定されるものではない
が、流動性の観点から150℃におけるICI粘度が4
ポイズ以下であることが好ましく、2ポイズ以下がより
好ましい。上記一般式(III)で示されるフェノール・
アラルキル樹脂の配合量は、流動性、硬化性及びはんだ
耐熱性のいずれかの観点から、硬化剤(B)全量に対し
て50重量%以上であることが必要であり、60重量%
以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
【0013】本発明のエポキシ樹脂成形材料には、上記
一般式(III)のフェノール・アラルキル樹脂の他に、
封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されている硬
化剤を併用することができる。併用する硬化剤として
は、例えばフェノール系化合物、酸無水物、アミン系化
合物等が挙げられ、中でもフェノール系化合物が好まし
い。フェノール系化合物としては、例えば、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、ハイドロキノン、レゾ
ルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−
ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類
とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の
アルデヒド類とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて
得られるノボラック型フェノール樹脂又はノボラック型
ナフトール樹脂、ナフトール類とジメトキシパラキシレ
ン等を反応させて得られるナフトール・アラルキル樹
脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類とを共縮合さ
せて得られるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、
メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール
樹脂、多環芳香族変性フェノール樹脂などが挙げられ
る。
【0014】本発明において(A)のエポキシ樹脂と
(B)成分の硬化剤との配合比率は、全エポキシ樹脂の
エポキシ当量に対する全硬化剤の水酸基当量の比率が
0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、より好
ましくは0.7〜1.5、さらに好ましくは0.8〜
1.3である。0.5未満ではエポキシ樹脂の硬化が不
充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性並びに電気特性が
劣りやすい。また、2を超えるとフェノール樹脂成分が
過剰になり硬化物中に多量のフェノール性水酸基が残る
ため、電気特性並びに耐湿性が悪くなりがちである。
【0015】本発明のエポキシ樹脂成形材料に配合され
る(C)成分の硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹
脂成形材料で一般に使用されているもので特に限定はな
いが、少なくとも有機第3ホスフィンとp−ベンゾキノ
ンとのベタイン型付加物を含有していることが必要であ
る。その配合量は、流動性及びはんだ耐熱性の観点から
硬化促進剤(C)全量に対して30重量%以上が好まし
く、50重量%以上がより好ましい。また、硬化促進剤
(C)の総配合量は、硬化促進効果が達成される量であ
れば特に限定されるものではないが、(A)成分のエポ
キシ樹脂と(B)成分の硬化剤の合計量100重量部に
対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは
0.3〜5重量部である。0.1重量部未満では短時間
で硬化させることが困難で、10重量部を超えると硬化
速度が早すぎて良好な成形品が得られない場合が生じ
る。
【0016】(C)成分中の有機第3ホスフィンとp−
ベンゾキノンとのベタイン型付加物の原料として用いら
れる有機第3ホスフィンとしては、例えば、トリフェニ
ルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、
トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アル
コキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アル
コキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェ
ニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホ
スフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィ
ン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリ
ス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テ
トラアルコキシフェニル)ホスフィン等が挙げられ、入
手しやすさの観点からはトリフェニルホスフィン、ジフ
ェニル(p−トリル)ホスフィン、及び、トリス(p−ト
リル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、
トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−メトキ
シフェニル)ホスフィン等のトリストリルホスフィンが
好ましく、トリフェニルホスフィンがさらに好ましい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂成形材料には、上記
の有機第3ホスフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン
型付加物の他に、封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に
使用されている硬化促進剤を必要に応じて併用すること
ができる。併用する硬化促進剤としては、例えば、1,
8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、
1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5、
6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.
4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及び
これらの化合物に無水マレイン酸、ベンゾキノン、ジア
ゾフェニルメタン等のπ結合をもつ化合物を付加してな
る分子内分極を有する化合物、トリエチレンジアミン、
ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
2―フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導
体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、
フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェ
ニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフ
ェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テ
トラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテ
トラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレー
ト、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等
のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙
げられる。
【0018】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に配
合される(D)成分の無機充填剤としては、例えば、溶
融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪
素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、
ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、
ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の微粉
未、またはこれらを球形化、中空球形化したビーズなど
が挙げられ、さらに、難燃効果のある無機充填剤として
は水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛
等が挙げられる。これらの1種類を単独で用いても2種
類以上を併用してもよい。中でも、線膨張係数低減の観
点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミ
ナが好ましい。
【0019】(D)成分の無機充填剤の配合量は、封止
用エポキシ樹脂成形材料全体に対して55〜90体積%
の範囲であることが好ましく、70〜82体積%の範囲
であることがより好ましい。これら無機充填剤は硬化物
の熱膨張係数や熱伝導率、弾性率などの改良を目的に添
加するものであり、配合量が55体積%未満ではこれら
の特性を充分に改良できず、90体積%を超えると樹脂
成形材料の粘度が著しく上昇し流動性が低下して成形が
困難になりがちである。また、無機充填剤(D)の平均
粒径は1〜50μmの範囲が好ましく、10〜30μm
がより好ましい。1μm未満では樹脂成形材料の粘度が
上昇しやすく、50μmを超えると樹脂成分と充墳剤と
が分離しやすくなり、硬化物が不均一になったりあるい
は硬化物特性がばらついたり、更には狭い隙間への充填
性が低下しがちである。(D)成分の無機充填剤の粒子
形状は、流動性の観点から角形より球形が好ましく、か
つ粒度分布が広範囲に分布したものが好ましい。例え
ば、充填剤を75体積%以上配合する場合、その70重
量%以上を球状粒子とし、0.1〜80μmという広範
囲に分布したものが好ましい。このような充填剤は最密
充填構造をとりやすいため配合量を増しても材料の粘度
上昇が少なく、流動性の優れた成形材料を得ることがで
きる。
【0020】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性を向
上させる観点からは、陰イオン交換体を添加することが
好ましい。ここで問題とする耐湿性とはICパッケージ
等の電子部品装置の耐湿信頼性であり、特にバイアス型
高温高湿試験、HAST(Highly Accelerated Humidit
y and Stress Test)などの電圧印加下での耐湿性試験
が対象である。これらの耐湿性試験で発生する不良モー
ドは殆どがICの素子上に形成されているアルミ配線の
腐食による断線であるが、本発明の(A)成分のエポキ
シ樹脂、(B)成分の硬化剤、(C)成分の硬化促進
剤、(D)成分の無機充填剤の組合せからなるエポキシ
樹脂成形材料を使用することで良好な耐湿信頼性を得る
ことができる。しかし、更に優れた電圧印加型の耐湿性
を得るためには陰イオン交換体の添加が有効である。電
圧印加型耐湿試験の場合は陽極側のアルミ配線が特に腐
食しやすく、この原因としては以下の現象が考えられ
る。陽極側の配線またはボンディングパッドは水分が存
在する場合、水の電気分解により発生する酸素により陽
極酸化を受け、表面に安定な酸化アルミの皮膜が形成さ
れるためアルミ腐食は進行しないはずである。しかし、
微量でも塩素などのハロゲンイオンが存在すると酸化ア
ルミ膜を可溶化するため、下地のアルミが溶解する孔食
腐食となる。この陽極側の孔食腐食は陰極側の粒界腐食
と比較し進行が速いため、電圧印加型耐湿試験では陽極
側のアルミ配線腐食が先に進行し不良となる。そこで、
陽極側の腐食を防止するためには微量のハロゲンイオン
を捕捉できる陰イオン交換体の添加が有効になる。
【0021】本発明において用いることのできる陰イオ
ン交換体としては特に制限はないが、例えば次式(V)
で示されるハイドロタルサイト類や、
【化11】 Mg1-XAlX(OH)2(CO3X/2・mH2O ……(V) (0<x≦0.5、mは正数) マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、
ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物若しくは水酸化
物が好ましく、これらを単独で用いても2種以上併用し
てもよい。
【0022】ハイドロタルサイト類は、ハロゲンイオン
などの陰イオンを構造中のCO3と置換することで捕捉
し、結晶構造の中に組み込まれたハロゲンイオンは約3
50℃以上で結晶構造が破壊するまで脱離しない性質を
持つ化合物である。この様な性質を持つハイドロタルサ
イト類を例示すれば、天然物として産出されるMg6
2(OH)16CO3・4H2Oや合成品としてMg4 . 3
2(OH)12 . 6CO3・mH2Oが挙げられる。また、
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は(B)成分の硬
化剤の影響で、純水を使用した硬化物の抽出液がPH値
3〜5と酸性を示す。したがって、両性金属であるアル
ミに対しては腐食しやすい環境となるが、ハイドロタル
サイト類は酸を吸着する作用も持つことから抽出液を中
性に近づける作用もあり、この作用効果もハイドロタル
サイト類添加がアルミ腐食防止に対し有効に働く要因で
あると推察できる。マグネシウム、アルミニウム、チタ
ン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸
化物若しくは水酸化物も、ハロゲンイオンを水酸イオン
と置換することで捕捉でき、さらにこれらのイオン交換
体は酸性側で優れたイオン交換能を示す。本発明の封止
用エポキシ樹脂成形材料については、前述のように抽出
液が酸性側となることから、これらの含水酸化物若しく
は水酸化物もアルミ腐食防止に対し特に有効である。
【0023】これらの陰イオン交換体の配合量は、ハロ
ゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば
特に限定されるものではないが、(A)成分のエポキシ
樹脂100重量部対して、0.1〜30重量部の範囲に
設定されることが好ましく、より好ましくは1〜5重量
部である。
【0024】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて樹脂成分と無機充填剤との接着性を高
めるためのカップリング剤として、エポキシシラン、メ
ルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレ
イドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チ
タン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム
/ジルコニウム系化合物等の公知の添加剤を用いること
ができる。また、カップリング剤以外に、銅フレームと
封止用エポキシ樹脂の接着性を向上させるため、必要に
応じて接着促進剤を用いることができる。この接着促進
剤としては、例えば、イミダゾール、トリアゾール、テ
トラゾール、トリアジン等の誘導体、アントラニル酸、
没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフ
ェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸ア
ミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘
導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以
上併用してもよい。また、カーボンブラック、有機染
料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の
化合物を着色剤として用いても良い。
【0025】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、成形時に金型との良好な離型性を持たせるため離型
剤を添加してもよい。この離型剤としては、酸化型若し
くは非酸化型のポリオレフィンを(A)成分のエポキシ
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部添加す
ることが好ましく、より好ましい添加量は0.1〜5重
量部である。0.01重量部未満では十分な離型性を得
ることができず、10重量部を超えると接着性が阻害さ
れるおそれがある。この酸化型若しくは非酸化型のポリ
オレフィンとしては、ヘキスト株式会社製H4やPE、
PEDシリーズ等の数平均分子量が500〜10000
程度の低分子量ポリエチレン等が挙げられる。また、こ
れ以外の離型剤としては、例えばカルナバワックス、モ
ンタン酸エステル、モンタン酸、ステアリン酸等が挙げ
られ、単独であるいは2種以上併用することができる。
酸化型若しくは非酸化型のポリオレフィンに加えてこれ
ら他の離型剤を併用する場合、その配合割合は(A)成
分のエポキシ樹脂100重量部に対して通常0.l〜1
0重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部
である。
【0026】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、電子部品装置に難燃性を付与するために難燃剤を添
加してもよい。この難燃剤としては、ハロゲン原子、ア
ンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機
又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられ、中で
も、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等が好まし
い。これらの難燃剤の配合量は(A)成分のエポキシ樹
脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、よ
り好ましくは2〜15重量部である。さらに、その他の
添加剤として、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末
等の応力緩和剤等を必要に応じて配合することができ
る。
【0027】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、
各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる
手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所
定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した
後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した
後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。例え
ば、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め
70〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エク
ストルーダーなどで混練、冷却し、粉砕するなどの方法
で得ることができる。成形条件に合うような寸法及び重
量でタブレット化すると使いやすい。
【0028】本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形
材料により素子を封止して得られる電子部品装置として
は、リードフレーム上に半導体素子を固定し、素子の端
子部(ボンディングパッドなど)とリード部をワイヤボ
ンディングやバンプなどで接続した後、封止用エポキシ
樹脂成形材料を用いてトランスファ成形などにより封止
してなる、一般的な樹脂封止型ICパッケージ等が挙げ
られる。これを例示すればDIP(Dual Inline Packag
e)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QF
P(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Pac
kage)、SOJ(Small Outline J-lead package)、T
SOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Th
in Quad Flat Package)などが挙げられ、特に表面実装
法により配線板に実装される電子部品装置に適用した場
合、優れた信頼性を発揮できる。また、上記に示したリ
ード(外部接続端子)を有する樹脂封止型パッケージの
形態であれば、封止される素子はトランジスタ、サイリ
スタ、IC、LSI、ダイオードなどの半導体素子ばか
りでなく、抵抗体、抵抗アレイ、コンデンサ、ポリスイ
ッチなどのスイッチ類なども対象となり、これらの素子
に対しても優れた信頼性を提供できるとともに、各種素
子や電子部品をセラミック基板に搭載した後に全体を封
止してなるハイブリットICについても優れた信頼性を
得ることができる。さらには、裏面に配線板接続用の端
子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプま
たはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成さ
れた配線を接続した後、封止用エポキシ樹脂成形材料を
用いて素子を封止してなる、BGA(Ball Grid Arra
y)やCSP(Chip Size Package)などの電子部品装置
についても優れた信頼性を得ることができる。プリント
回路板の製造などにも有効に使用できる。本発明で得ら
れる封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて、電子部品装
置を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法
が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮
成形法等を用いてもよい。
【0029】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1〜5、比較例1〜6 エポキシ樹脂としてはエポキシ当量206、融点134
℃のスチルベン型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社
製商品名LVX−210)、エポキシ当量196、軟化
点65℃のオルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂
(住友化学工業株式会社製商品名ESCN−190)、
エポキシ当量393、軟化点80℃、臭素含有量48重
量%のビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂、硬化剤
としては水酸基当量176、軟化点70℃のフェノール
・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレック
スXL−225)、水酸基当量106、軟化点64℃の
フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名
H−4)、硬化促進剤としてはトリフェニルホスフィン
とp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物(TPP−B
Q)、トリフェニルホスフィン(TPP)、無機充填剤
としては溶融石英粉を用い、その他の添加成分としては
カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、カルナバワックス、三酸化アンチモン、
カーボンブラックを、表1に示す重量比で配合し、混練
温度80〜90℃、混練時間15分の条件でロール混練
を行い、実施例1〜5及び比較例1〜6の封止用エポキ
シ樹脂成形材料を得た。
【0031】
【表1】
【0032】実施例、比較例で得られた封止用エポキシ
樹脂成形材料について、次の(1)〜(7)の各種特性
試験を行った。結果を表2に示す。 (1)スパイラルフロー EEMI1−66に準じて、180℃、7MPa、90
秒の条件で成形したときの流動長さ(インチ)を測定し
た。 (2)熱時硬度(ショアD) 180℃、7MPa、90秒の条件で成形したときの試
験片(50mmφ×3mmt)のショアD硬度を測定し
た。 (3)吸湿時熱時硬度(ショアD) 25℃/50%RHの条件で72時間放置後の樹脂組成
物を用いて上記(2)と同様に熱時硬度を測定した。 (4)ボイド発生数 寸法8×10×0.4mmのテスト用シリコンチップを
銀ペーストを用いて銅フレーム上に固定し、大気雰囲気
中200℃で2時間ベークを行い銀ペーストを硬化さ
せ、さらに230℃/40秒の加熱条件下でワイヤボン
ドを行った。その後、このシリコンチップが固定された
銅フレームを用いて外形寸法14×20×2.0mmの
QFP80ピンのパッケージを180℃、7MPa、9
0秒の条件で成形し、175℃、6時間の条件で後硬化
を行った。このパッケージを軟X線透視装置で観察して
0.1mmφ以上の大きさのボイド数をカウントした。 (5)バリ長さ EMMI規格に準じた金型を使用して180℃、7MP
a、90秒の条件で、2μm、5μm、10μm、20
μm、30μmの各スリット厚のバリ長さ(mm)を測
定し、これらの中で最大の値をバリ長さとした。 (6)はんだ耐熱性 上記パッケージを85℃、85%RHで、48〜96
h.の所定時間吸湿させ、ベーパーフェーズリフロー装
置により215℃、90秒の条件でリフロー処理を行っ
て、クラックの発生の有無を観察し、試験パッケージ数
に対するクラック発生パッケージ数を調べはんだ耐熱性
を評価した。 (7)耐湿性 線幅10μm、厚さ1μmのアルミ配線を施したTEG
チップを用いて作製したSOPパッケージ(18.3×
8.4×2.6mm、28ピン、銅フレーム)を、17
5℃で5時間アフタキュア後、85℃/85%RHで7
2時間加湿した。次いで215℃/90秒VPSリフロ
ー処理を行い、100〜1000h.の所定時間2気圧
PCT処理を行いアルミ配線腐食による断線の有無を観
察し、試験パッケージ数に対する断線発生パッケージ数
(累積数)で耐湿性を評価した。
【0033】
【表2】
【0034】本発明のスチルベン型エポキシ樹脂及びノ
ボラック型エポキシ樹脂のうちのいずれかを未配合か、
又は両者を含んでいても本発明の規定の重量比からはず
れる比較例1〜4では、良好なはんだ耐熱性が得られな
かった。また、両エポキシ樹脂を規定の重量比含むが、
本発明のフェノール・アラルキル樹脂を配合量が本発明
の規定量より低い比較例5でも良好なはんだ耐熱性を示
さなかった。本発明のベタイン型付加物を含有しない比
較例6は、ボイド及びはんだ耐熱性の点で劣っていた。
それに対して、本発明のスチルベン型エポキシ樹脂及び
ノボラック型エポキシ樹脂を7/3〜3/7の重量比で
配合し、硬化剤全量に対して50重量%以上の本発明の
フェノール・アラルキル樹脂、及び本発明のベタイン型
付加物を含む実施例1〜5は、いずれも良好なはんだ耐
熱性及び耐湿性を示し、ボイドの発生も見られなかっ
た。特に、LVX−210/ESCN−190を5/5
〜6/4の重量比で配合した実施例で優れたはんだ耐熱
性を示した。その他、流動性、熱時硬度及びバリ長さに
ついても実施例においては良好な特性を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明によって得られる封止用エポキシ
樹脂成形材料は、流動性、熱時硬度及びバリ長さにおい
て良好な特性を示し、特に、銅フレームを用いた電子部
品装置に適用した場合、実施例で示したように、優れた
はんだ耐熱性、耐湿性を示し、またボイドの発生も見ら
れず、さらに、200〜230℃という厳しい熱処理条
件下においても優れたはんだ耐熱性を示したので、銅フ
レームの酸化が進んだ状態であっても信頼性の高い電子
部品装置を得ることができ、その工業的価値は大であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 裕之 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 高橋 佳弘 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 天童 一良 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 松井 恵 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 古沢 文夫 茨城県結城市大字鹿窪1772−1 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4J036 AD10 AF06 DB28 DD07 FA03 FA04 FA05 FB06 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EA06 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB13 EB18 EB19 EC01 EC03 EC05 EC09 EC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、を必須成分と
    し、(A)成分中に下記一般式(I)で示されるスチル
    ベン型エポキシ樹脂及び下記一般式(II)で示されるノ
    ボラック型エポキシ樹脂を3/7〜7/3の重量比で含
    有し、(B)成分中に硬化剤(B)全量に対して50重
    量%以上の下記一般式(III)で示されるフェノール・
    アラルキル樹脂を含有し、(C)成分中に有機第3ホス
    フィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物を含有
    することを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化1】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜5の置換又は
    非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべて同一でも
    異なっていてもよい。nは0〜10を示す。) 【化2】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
    換の1価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
    す。) 【化3】 (ここで、Rは水素及び炭素数1〜10の置換又は非置
    換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10を示
    す。)
  2. 【請求項2】(C)成分の硬化促進剤がトリフェニルホ
    スフィンとp−ベンゾキノンとのベタイン型付加物を含
    有することを特徴とする請求項1記載の封止用エポキシ
    樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】(D)成分の無機充填剤の含有量がエポキ
    シ樹脂成形材料全体に対して55〜90体積%である請
    求項1又は請求項2記載の封止用エポキシ樹脂成形材
    料。
  4. 【請求項4】請求項1〜3各項記載のいずれかの封止用
    エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備える電子
    部品装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020045380A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 日立化成株式会社 硬化性樹脂組成物及び電子部品装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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