JP2001031658A - ベンゾトリアゾール系化合物の製造方法 - Google Patents

ベンゾトリアゾール系化合物の製造方法

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JP2001031658A
JP2001031658A JP11206212A JP20621299A JP2001031658A JP 2001031658 A JP2001031658 A JP 2001031658A JP 11206212 A JP11206212 A JP 11206212A JP 20621299 A JP20621299 A JP 20621299A JP 2001031658 A JP2001031658 A JP 2001031658A
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benzotriazole
water
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hydroxy
reaction
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Takashi Yamashita
貴司 山下
Hide Honmaru
秀 本丸
Katsuaki Okawa
勝昭 大川
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Osaka Seika Kogyo KK
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Osaka Seika Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接アゾベンゼン誘導体からベンゾトリアゾ
ール系化合物を不純物の少ない状態で製造する。 【解決手段】 下記式(1)で表される2−ニトロ−2
´−ヒドロキシアゾベンゼン誘導体を、n−ブタノール
を用い、レドックス触媒及びアルカリの存在下、反応系
内の水の還流温度未満でヒドラジン又はその水和物によ
り還元し、さらにキシレンを用いて、水の還流温度でア
ルコール類により還元反応を行って、下記式(2)で表
される2−(2´−ヒドロキシフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール系化合物を製造する方法。 【化1】 【化2】 (式(1)、(2)中、Rは水素原子又は塩素原子を
表し、Rは水素原子、炭素数が1〜12のアルキル基
又はアルキル部分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表
し、Rは炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル
部分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収剤とし
て有用な2−(2´−ヒドロキシフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール系化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】紫外線吸収剤としての2−(2´−ヒドロ
キシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール系化合物
は、2−ニトロ−2´−ヒドロキシアゾベンゼン誘導体
を還元して得られる。従来、この還元に際しては、還元
剤としてホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を用い
て、前記アゾベンゼン誘導体を、2−(2´−ヒドロキ
シフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−N−オキサ
イド類に還元した後、さらに当該ベンゾトリアゾール−
N−オキサイド類をアルコール類によって還元して、ベ
ンゾトリアゾール系化合物が製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
製造方法では、アルデヒド類による還元に引き続いて、
温度を上げてアルコール類による還元反応を行った場
合、着色性不純物が副生するため、生成するベンゾトリ
アゾール系化合物は着色するという問題が生じる。その
ため、従来、アルデヒド類による還元反応の後、生成し
たベンゾトリアゾール−N−オキサイド類を一旦単離
し、この単離されたベンゾトリアゾール−N−オキサイ
ド類をアルコール類による還元反応に供して、ベンゾト
リアゾール系化合物を調製している。そのため、アゾベ
ンゼン誘導体からのベンゾトリアゾール系化合物の調製
は中間生成物を単離した後に、この単離した中間生成物
を更に反応に供するという2段階で行わなければなら
ず、工程が増えるためコストがかかるだけでなく、時間
も余計にかかるという問題がある。
【0004】なお、アゾベンゼン誘導体を還元する際
に、アルカリの存在下、アルデヒド類(例えば、ホルム
アルデヒドなど)、アルコール類を使用すると着色性不
純物、主として、ジアミン誘導体、アミノフェノール
類、及びこれら酸化生成物が副生する。これは、アゾベ
ンゼン誘導体は反応性が高く、激しい反応条件(反応温
度が高い条件)では、ベンゾトリアゾール−N−オキサ
イド類以外に前記ジアミン誘導体やアミノフェノール類
などの副生成物が生成するからである。従って、生成し
たベンゾトリアゾール系化合物は着色している。このよ
うな不純物の副生成物を含有しているベンゾトリアゾー
ル系化合物を精製しても、脱色することは極めて難し
い。
【0005】従って、本発明の目的は、ベンゾトリアゾ
ール系化合物をアゾベンゼン誘導体から高い純度で、容
易に調製することができる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、着色不純物の少ないベンゾトリア
ゾール系化合物を、アゾベンゼン誘導体から容易に調製
することができる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、アゾベンゼン誘導体を還元してベンゾトリアゾール
系化合物を調製するに際して、第1段階目の還元でヒド
ラジン又はその水和物を用いて、おだやかな反応条件で
還元を行うと、ベンゾトリアゾール−N−オキサイドを
単離せず、当該第1段階目の還元反応に引き続いて第2
段階目の還元反応をアルコール類により行っても、生成
したベンゾトリアゾール系化合物はほとんど着色してお
らず、純度が高いことを見出し本発明を完成させた。す
なわち、本発明は、下記式(1)で表される2−ニトロ
−2´−ヒドロキシアゾベンゼン誘導体を、
【化3】 (式中、Rは水素原子又は塩素原子を表し、Rは水
素原子、炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル部
分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表し、Rは炭素
数が1〜12のアルキル基又はアルキル部分の炭素数が
1〜4のアラルキル基を表す。) アルコール類を用いて、レドックス触媒及びアルカリの
存在下、水の還流温度未満でヒドラジン又はその水和物
により還元し、さらに疎水性溶剤を用いて、水の還流温
度でアルコール類により還元反応を行って、下記式
(2)で表される2−(2´−ヒドロキシフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール系化合物を製造する方法であ
る。
【化4】 (式中、Rは水素原子又は塩素原子を表し、Rは水
素原子、炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル部
分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表し、Rは炭素
数が1〜12のアルキル基又はアルキル部分の炭素数が
1〜4のアラルキル基を表す。)
【0007】このような反応系による調製方法では、生
成したベンゾトリアゾール系化合物はほとんど又は全く
着色しておらず、純度が高いベンゾトリアゾール系化合
物を高い収率で得ることができる。また、着色が僅かな
ため、工業的に簡単な脱色操作で無色の製品を得ること
ができる。
【0008】より具体的には、第1段階目の還元反応で
あるヒドラジン又はその水和物による還元反応では、下
記式(3)で表されるベンゾトリアゾール−N−オキサ
イド類と、
【化5】 (式中、Rは水素原子又は塩素原子を表し、Rは水
素原子、炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル部
分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表し、Rは炭素
数が1〜12のアルキル基又はアルキル部分の炭素数が
1〜4のアラルキル基を表す。) 副生成物として窒素(N)と水(HO)とが主とし
て生成する。副生成物としての窒素は、本反応系では不
活性であり、反応中又は反応後に系外に容易に除去する
ことができる。また、副生成物としての水は、第2段階
目の還元反応であるアルコール類による還元反応におい
て、当該還元反応を行いつつ、水を除去することができ
る。もちろん、当該還元反応後に水を除去することもで
きる。従って、本発明では、第1段階目の還元反応で副
生するものは窒素と水であり、当該副生成物は反応中及
び/又は反応後に容易に除去することができ、中間生成
物であるベンゾトリアゾール−N−オキサイド類を一旦
単離せず引き続いて第2段階目のアルコール類による還
元反応を行っても、生成したベンゾトリアゾール系化合
物はほとんど又は全く着色しておらず純度が高い。ま
た、反応効率も優れており、高い収率でベンゾトリアゾ
ール系化合物を調製することができる。これは、第1段
階目の還元反応が、水の還流温度未満というおだやかな
反応条件で、ヒドラジン又はその水和物により行われて
いるので、副生成物(ジアミン誘導体、アミノフェノー
ル類およびこれらの酸化生成物)の生成を抑えることが
できるからである。
【0009】本発明の好ましい態様では、アルコール類
がn−ブタノールである。また、疎水性溶剤がキシレン
であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】前記式(2)及び(1)におい
て、R及びRの炭素数が1〜12のアルキル基とし
ては、例えば、メチル、エチル、プロピル(n−プロピ
ル)、イソプロピル、ブチル(n−ブチル)、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル(n−ペンチル)、イソペン
チル、t−ペンチル、ヘキシル(n−ヘキシル)、ヘプ
チル(n−ヘプチル)、オクチル(n−オクチル)、t
−オクチル、デシル(n−デシル)、ドデシル(n−ド
デシル)基などが挙げられる。アルキル基は直鎖状であ
ってもよく分岐鎖状であってもよい。
【0011】また、R及びRのアルキル部分の炭素
数が1〜4のアラルキル基としては、特に制限されず、
例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α・α−
ジメチルベンジル基(クミル基)などが挙げられる。当
該アラルキル基としてはベンジル基、クミル基が好適に
用いられる。
【0012】より具体的には、本発明の製造方法におい
て目的とする生成物である前記式(2)で表されるベン
ゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2´
−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニ
ル)−2H−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2
´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3
´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ
−t−ブチルフェニル)−2H−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−
t−ペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジクミルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロ
キシ−5´−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5
´−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2
−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジドデシルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロ
キシ−5´−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−フェニルエチル
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられ
る。
【0013】また、原料としての前記式(1)で表され
るアゾベンゼン誘導体としては、例えば、2−ニトロ−
4−クロロ−2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5
´−メチルアゾベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒドロキ
シ−5´−t−オクチルアゾベンゼン、2−ニトロ−2
´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルアゾベン
ゼン、2−ニトロ−4−クロロ−2´−ヒドロキシ−3
´,5´−ジ−t−ブチルアゾベンゼン、2−ニトロ−
2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ペンチルアゾ
ベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒドロキシ−3´,5´
−ジクミルアゾベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒドロキ
シ−5´−クミルアゾベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒ
ドロキシ−3´−t−ブチル−5´−クミルアゾベンゼ
ン、2−ニトロ−2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジド
デシルアゾベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒドロキシ−
5´−メチルアゾベンゼン、2−ニトロ−2´−ヒドロ
キシ−5´−フェニルエチルアゾベンゼンなどが挙げら
れる。
【0014】本発明において用いられるヒドラジン又は
その水和物(以下、単に「ヒドラジン」と称する場合が
ある)は、市販品のものを用いることができる。ヒドラ
ジンは、水溶液の状態で用いることができる。例えば、
ヒドラジンとしては、日本ヒドラジン社から商品名:
「加水ヒドラジン」が市販されており、濃度が60%や
80%のものがある。ヒドラジンとしては、安全性の高
い、60%の濃度の水溶液の状態のものが好適である。
【0015】ヒドラジンの使用量は、特に制限されず、
例えば、原料であるアゾベンゼン誘導体1モルに対し
て、1〜5モル、好ましくは2〜3モルである。
【0016】また、本発明では、疎水性溶剤は主として
溶媒として用いられており、また、脱水用の共沸蒸留の
ためにも用いられている。疎水性溶剤は、予めアルコー
ル類とともに仕込んで第1段階目の還元反応でも用いる
ことができ、第2段階目の還元反応時に仕込んで用いる
こともできる。疎水性溶剤としては、特に制限されず、
例えば、キシレン、トルエン、塩素化ベンゼン、エチル
ベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、テトラヒドロナフ
タレン、オクタン、デカン、テトラクロロエチレン、テ
トラクロロエタン、メチルシクロヘキサンなどが用いら
れる。疎水性溶剤としては、沸点が80℃〜150℃
(好ましくは100〜150℃)の芳香族炭化水素系溶
剤が好適に用いられ、中でも、共沸蒸留で反応系から水
を効率よく除去することができるキシレン、エチルベン
ゼン、トルエンが好ましく、特に、温度(沸点)の点で
キシレンが最適である。疎水性溶剤の使用量は、特に制
限されない。
【0017】アルコール類は、第2段階目の還元反応
で、ベンゾトリアゾール−N−オキサイド類を還元する
ために用いられている。アルコール類としては、第1級
アルコール、第2級アルコール、第3級アルコールを用
いることができる。疎水性溶剤に移行することができる
水に難溶性のアルコール類が好ましい。アルコール類と
しては、例えば、n−ブタノール、2−ブタノール、n
−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノー
ル、2−エチルヘキサノール、2−エチルブタノール、
2−ヘプタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、2−メチルブタノールなどが用いられる。なお、反
応の容易さの他に、回収、再利用を考慮した場合、n−
ブタノール、n−ペンタノールが好ましく、特にn−ブ
タノールが最適である。炭素数1〜3のアルコールは、
水に対する溶解度が大きく、共沸蒸留の後、水層の方へ
移行し、疎水性溶剤層(油層)への移行する割合が少な
いため、アルコール類の回収及び再利用が困難になる。
この点、炭素数が4以上のアルコール(特にn−ブタノ
ール)は好適であり、共沸蒸留のときは、共沸蒸留物の
うちの油層に分配され、回収、再利用が容易になる。す
なわち、分液された水層には有機物が少なく、この水の
廃水負荷が少ないため、この水の処理は容易である。ま
た、アルコールは、疎水性溶剤と共に再利用することが
できる。なお、アルコール類の使用量は特に制限され
ず、少なくとも還元反応を完結するのに必要な量であれ
ばよい。
【0018】レドックス触媒としては、特に限定され
ず、例えば、芳香族共役ジケトン類又はその置換誘導
体、前記芳香族共役ジケトン類の還元物であるジヒドロ
化合物などが好適に用いられる。具体的には、ベンゾキ
ノン(1,4)、ベンゾキノン(1,2)、1,2−ナ
フトキノン、1,4−ナフトキノンや、これらのハロゲ
ン置換誘導体(例えば、2,3−ジクロロ−1,4−ナ
フトキノンなど)などが挙げられる。また、レドックス
触媒としては、他にレドックス触媒機能を有するもの、
例えば、ベンゾフェノン(置換誘導体等も含む)、9−
フルオレノン、9−キサンテノンなども使用することが
できる。レドックス触媒の使用量は、アゾベンゼン誘導
体1モルに対して、0.001〜0.1モル、好ましく
は0.05〜0.1モル程度である。
【0019】アルカリ(塩基)としては、特に制限され
ず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属の水酸化物が好適に用いられる。なお、本
発明では、アルカリは水溶液の状態で用いることができ
る。アルカリの使用量は、アゾベンゼン誘導体1モルに
対して、3〜5モル程度である。
【0020】本発明では、前記式(1)で表されるアゾ
ベンゼン誘導体を、アルコール類と、必要に応じて疎水
性溶剤とを用いて、レドックス触媒及びアルカリの存在
下、ヒドラジンを加えて加温し、水の還流温度未満で還
元反応を行い、さらに加熱して、疎水性溶剤を用いて、
水の還流温度で還元反応を行って、前記式(2)で表さ
れる2−(2´−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール系化合物を製造している。従って、原料、
溶媒、触媒などをすべて仕込んだ後、反応系の温度をコ
ントロールして、第1段階目の還元反応及びこれに続く
第2段階目の還元反応を行うことにより、中間生成物を
単離することなく、アゾベンゼン誘導体からベンゾトリ
アゾール系化合物を直接調製している。
【0021】水の還流温度未満での還元反応(第1段階
目の還元反応)では、ヒドラジンにより、前記式(1)
で表されるアゾベンゼン誘導体が還元され、前記式
(3)で表されるベンゾトリアゾール−N−オキサイド
類が生成している。ヒドラジンを使用して、低い温度
で、おだやかに還元反応を進行させている。当該還元反
応では、中間生成物であるベンゾトリアゾール−N−オ
キサイド類とともに、目的物である前記式(2)で表さ
れるベンゾトリアゾール系化合物も若干生成するが、ジ
アミン誘導体やアミノフェノール類などの着色に関与す
る副生成物はほとんど生成しない。なお、当該反応では
予め水を仕込んでいてもよいがその使用量は少ない方が
好ましい。また、前述のように、当該反応では水が副生
する。そのため、当該反応系には水が存在する。これら
の仕込み水や生成水は当該第1段階目の還元反応の後に
分液により容易に取り除くことが可能である。
【0022】第1段階目の還元反応は、おだやかな反応
条件、すなわち、水が環流する還流温度未満で行われて
いる。当該温度としては、前記還流温度未満であれば特
に制限されないが、例えば、50℃以上〜還流温度未満
である。当該温度としては50〜95℃であることが好
ましく、さらに好ましくは70〜90℃である。
【0023】水が環流する還流温度での還元反応(第2
段階目の還元反応)では、アルコール類により、中間生
成物であるベンゾトリアゾール−N−オキサイド類が還
元され、目的物であるベンゾトリアゾール系化合物が生
成している。このとき、水が生成するが、共沸・還流に
より除去することもできる。そのため、生成水、仕込み
水により反応が停止することがない。すなわち、当該反
応では、アルコール類による還元反応と共に、水が還流
や共沸蒸留により反応系外に除去されているので、水の
生成によるアルコール類の濃度低下などに起因する反応
の停止が起こらない。
【0024】第2段階目の還元反応は、激しい反応条
件、すなわち、水が環流する還流温度で行われている。
当該温度としては、前記還流温度であれば特に制限され
ないが、例えば、100℃以上である。当該温度として
は100〜150℃であることが好ましく、さらに好ま
しくは100〜130℃である。
【0025】従って、前記式(2)で表されるベンゾト
リアゾール系化合物は、本発明の方法では、着色は極め
て僅かで、常法の精製工程を加えることで商品となる精
製品を得ることができる。また、前述のように、アゾベ
ンゼン誘導体から容易に高い純度で調製することができ
る。そのため、本発明の製造方法は、極めて有用であ
る。なお、副生成物としては水及び窒素が生成するだけ
であるため、当該調製方法は環境にやさしい。
【0026】なお、本発明の方法では、最終生成物(ベ
ンゾトリアゾール系化合物)の粗製品は、褐色又は淡褐
色に着色している場合があるが、これらは通常行われて
いる精製又は脱色方法(例えば、白土処理方法など)に
より、透過率をほぼ100%(例えば、99.5%以
上)に容易に精製することができ、商品となりうる、ほ
とんど又は全く着色していないベンゾトリアゾール系化
合物を容易に調製することができる。本発明では、ベン
ゾトリアゾール系化合物の透過率は、クロロホルムに溶
解させたクロロホルム溶液(ベンゾトリアゾール系化合
物の濃度:10ppm)の状態で、1cmのセルを用い
て測定される。
【0027】このようなベンゾトリアゾール系化合物は
基材に配合されると、基材の耐光性、耐候性を向上させ
る用途に使用することができ、紫外線吸収剤として有用
な化合物として利用されている。なお、ベンゾトリアゾ
ール系化合物は、他の紫外線吸収剤や酸化防止剤、金属
石鹸、重金属不活性化剤、造核剤、可塑剤、発泡剤、帯
電防止剤、難燃剤、滑剤、加工助剤などと併用されるこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述するが、本
発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0029】(実施例1)下記の方法により、2−(2
´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェ
ニル)−2H−5−クロロベンゾトリアゾールを調製し
た。
【0030】撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容
量が1000mlの四つ口フラスコに、水:200ml
と、n−ブタノール:300mlとを入れ、次いで2−
ニトロ−4−クロロ−2´−ヒドロキシ−3´−t−ブ
チル−5´−メチルアゾベンゼン:120.4g、2,
3−ジクロロナフトキノン:0.44g、80%ヒドラ
ジン:13.2g、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナ
トリウムの濃度:48重量%):40gを加えた後、ゆ
っくりと60分間かけて80℃まで加温して、80〜8
5℃で3時間撹拌すると、反応系の色は赤色から黄色に
変化した。なお反応中に窒素が生成するのが観察され
た。反応終了後、62.5%硫酸水溶液で中和してpH
7に調整し、下層の水層を分液した。
【0031】この還元反応(第1回目の還元反応)の終
了後における反応物を、薄層クロマトグラフィーにて調
べたところ、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチ
ル−5´−メチルフェニル)−2H−5−クロロベンゾ
トリアゾール−1−オキシドが生成していることが確認
された。また、還元の進んだトリアゾール構造のものは
少なく、着色の原因になるジアミン誘導体、アミノフェ
ノール類などの分解物は認められなかった。
【0032】次に、油層に、キシレン:100mlを加
え、還流温度に達するまで加熱し、常に留出する水を除
去しながら5時間還流を継続したところ生成水の留出が
完全に停止するまでになり、加熱を停止した。このと
き、反応系内の温度は125℃であり、淡褐色の油状物
が得られた。
【0033】その後、反応系内の温度を80℃まで冷却
し、70℃の温水:200mlを滴下ロートにより入
れ、撹拌しながら硫酸水溶液(濃度62.5重量%)を
滴下ロートにより入れ約5分撹拌水洗してから、20%
硫酸水溶液で中和してpH7に調整した。静置後、下層
部の水層を分離して除去し、さらに200mlの温水で
2回洗浄した(水の使用量:計400ml)。その後、
溶剤回収工程に入る。200mlの温水を加えて、共沸
蒸留により、n−ブタノールとキシレンの混合物を回収
した。また、使用水のほぼ100%を回収した。回収し
た有機溶剤(n−ブタノール及びキシレン)はガスクロ
マトグラフィなどで組成を分析したところ問題がなかっ
たので、繰り返し使用することが可能であった。得られ
た固形の粗製品は淡褐色で98.2gであった。
【0034】粗生成物全量をトルエン:250mlに加
熱溶解させた。これに、活性白土:4.0gを加え、逆
流冷却下、還流撹拌して脱色させた。熱濾過し、得られ
た透明な濾液を5℃まで冷却し、析出する結晶をトルエ
ン:100mlで数回洗浄した後、乾燥機を用いて60
℃で乾燥したところ、88.4gの2−(2´−ヒドロ
キシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−2
H−5−クロロベンゾトリアゾールの白色針状結晶が得
られた(前記アゾベンゼン誘導体からの収率:80.8
重量%)。当該ベンゾトリアゾール系化合物は、融点が
139.7〜140.3℃であり、LC純度(液体クロ
マトグラフィによる純度)が99.9%であった。
【0035】(実施例2)下記の方法により、2−(2
´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾールを調製した。
【0036】撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容
量が1000mlの四つ口フラスコに、水:100ml
と、n−ブタノール:180mlとを入れ、次いで2−
ニトロ−2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルアゾベ
ンゼン:84.3g、2,3−ジクロロナフトキノン:
0.4g、80%ヒドラジン:9.0g、水酸化ナトリ
ウム水溶液(水酸化ナトリウムの濃度:48重量%):
30gを加えた後、ゆっくりと60分間かけて80℃ま
で加温して、80〜85℃で3時間撹拌すると、反応系
の色は赤色から黄色に変化した。なお反応中に窒素が生
成するのが観察された。反応終了後、62.5%硫酸水
溶液で中和してpH7に調整し、下層の水層を分液し
た。
【0037】この還元反応(第1回目の還元反応)の終
了後における反応物を、薄層クロマトグラフィーにて調
べたところ、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オク
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−1−オキ
シドが生成していることが確認された。また、還元の進
んだトリアゾール構造のものは少なく、着色の原因にな
るジアミン誘導体、アミノフェノール類などの分解物は
認められなかった。
【0038】次に、油層に、キシレン:100mlを加
え、還流温度に達するまで加熱し、常に留出する水を除
去しながら5時間還流を継続したところ生成水の留出が
完全に停止するまでになり、加熱を停止した。このと
き、反応系内の温度は125℃であり、淡褐色の油状物
が得られた。
【0039】その後、反応系内の温度を80℃まで冷却
し、70℃の温水:200mlを滴下ロートにより入
れ、撹拌しながら硫酸水溶液(濃度62.5重量%)を
滴下ロートにより入れ、約5分撹拌水洗してから、20
%硫酸水溶液で中和してpH7に調整した。静置後、下
層部の水層を分離して除去し、さらに200mlの温水
で2回洗浄した(水の使用量:計400ml)。その
後、溶剤回収工程に入る。200mlの温水を加えて、
共沸蒸留により、n−ブタノールとキシレンの混合物を
回収した。また、使用水のほぼ100%を回収した。回
収した有機溶剤(n−ブタノール及びキシレン)はガス
クロマトグラフィなどで組成を分析したところ問題がな
かったので、繰り返し使用することが可能であった。得
られた固形の粗製品は淡褐色で69.6gであった。
【0040】粗生成物全量をトルエン:200mlに加
熱溶解させた。これに、活性白土:3.5gを加え、逆
流冷却下、還流撹拌して脱色させた。熱濾過し、得られ
た透明な濾液を5℃まで冷却し、析出する結晶をトルエ
ン:100mlで数回洗浄した後、乾燥機を用いて60
℃で乾燥したところ、62.6gの2−(2´−ヒドロ
キシ−5´−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾールの白色針状結晶が得られた(前記アゾベンゼ
ン誘導体からの収率:81.6重量%)。当該ベンゾト
リアゾール系化合物は、融点が103.5〜104.6
℃であり、LC純度(液体クロマトグラフィによる純
度)が99.9%であった。
【0041】(比較例1)第1段階目の還元反応ではホ
ルムアルデヒド(ホルマリン)を用い、第2段階目の還
元反応ではn−ブタノールを用いて、以下の方法によ
り、2−ニトロ−4−クロロ−2´−ヒドロキシ−3´
−t−ブチル−5´−メチルアゾベンゼンから2−(2
´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェ
ニル)−2H−5−クロロベンゾトリアゾールを調製し
た。
【0042】撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容
量が1000mlの四つ口フラスコに、水:70ml
と、n−ブタノール:280mlとを入れ、次いで2−
ニトロ−4−クロロ−2´−ヒドロキシ−3´−t−ブ
チル−5´−メチルアゾベンゼン:120.4g、2,
3−ジクロロナフトキノン:0.44g、水酸化ナトリ
ウム水溶液(水酸化ナトリウムの濃度:48重量%):
130gを加えた後、ゆっくりと30℃まで冷却して、
92%ホルマリン:23.6gを40℃以上にならない
ように数回に分けて投入した。その後、30〜40℃で
2時間撹拌すると、反応系の色は赤色から黄色に変化し
た。反応終了後、62.5%硫酸水溶液で中和してpH
7に調整し、下層の水層を分液した。
【0043】次に、油層に、キシレン:100mlを加
え、還流温度に達するまで加熱し、常に留出する水を除
去しながら5時間還流を継続したところ生成水の留出が
完全に停止するまでになり、加熱を停止した。このと
き、反応系内の温度は125℃であり、淡褐色の油状物
が得られた。
【0044】その後、反応系内の温度を80℃まで冷却
し、70℃の温水:200mlを滴下ロートにより入
れ、撹拌しながら硫酸水溶液(濃度62.5重量%)を
滴下ロートにより入れ約5分撹拌水洗してから、20%
硫酸水溶液で中和してpH7に調整した。静置後、下層
部の水層を分離して除去し、さらに200mlの温水で
2回洗浄した(水の使用量:計400ml)。その後、
溶剤回収工程に入る。200mlの温水を加えて、共沸
蒸留により、n−ブタノールとキシレンの混合物を回収
した。また、使用水のほぼ100%を回収した。得られ
た固形の粗製品は褐色で82.7gであった。
【0045】粗生成物全量をトルエン:250mlに加
熱溶解させた。これに、活性白土:4.0gを加え、逆
流冷却下、還流撹拌して脱色させた。熱濾過し、得られ
た透明な濾液を5℃まで冷却し、析出する結晶をトルエ
ン:100mlで数回洗浄した後、乾燥機を用いて60
℃で乾燥したところ、74.4gの2−(2´−ヒドロ
キシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−2
H−5−クロロベンゾトリアゾールの黄色針状結晶が得
られた(前記アゾベンゼン誘導体からの収率:68.0
重量%)。当該ベンゾトリアゾール系化合物は、融点が
139.1〜139.9℃であり、LC純度(液体クロ
マトグラフィによる純度)が98.5%であった。
【0046】(比較例2)第1段階目の還元反応ではホ
ルムアルデヒド(ホルマリン)を用い、第2段階目の還
元反応ではn−ブタノールを用いて、以下の方法によ
り、2−ニトロ−2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチ
ルアゾベンゼンから2−(2´−ヒドロキシ−5´−t
−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを調
製した。
【0047】撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容
量が1000mlの四つ口フラスコに、水:70ml
と、n−ブタノール:280mlとを入れ、次いで2−
ニトロ−2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルアゾベ
ンゼン:84.3g、2,3−ジクロロナフトキノン:
1.6g、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム
の濃度:48重量%):90gを加えた後、ゆっくりと
30℃まで冷却して、92%ホルマリン:16.6gを
40℃以上にならないように数回に分けて投入した。そ
の後、30〜40℃で2時間撹拌すると、反応系の色は
赤色から黄色に変化した。反応終了後、62.5%硫酸
水溶液で中和してpH7に調整し、下層の水層を分液し
た。
【0048】次に、油層に、キシレン:100mlを加
え、還流温度に達するまで加熱し、常に留出する水を除
去しながら5時間還流を継続したところ生成水の留出が
完全に停止するまでになり、加熱を停止した。このと
き、反応系内の温度は125℃であり、淡褐色の油状物
が得られた。
【0049】その後、反応系内の温度を80℃まで冷却
し、70℃の温水:200mlを滴下ロートにより入
れ、撹拌しながら硫酸水溶液(濃度62.5重量%)を
滴下ロートにより入れ、約5分撹拌水洗してから、20
%硫酸水溶液で中和してpH7に調整した。静置後、下
層部の水層を分離して除去し、さらに200mlの温水
で2回洗浄した(水の使用量:計400ml)。その
後、溶剤回収工程に入る。200mlの温水を加えて、
共沸蒸留により、n−ブタノールとキシレンの混合物を
回収した。また、使用水のほぼ100%を回収した。得
られた固形の粗製品は褐色で46.1gであった。
【0050】粗生成物全量をトルエン:250mlに加
熱溶解させた。これに、活性白土:4.0gを加え、逆
流冷却下、還流撹拌して脱色させた。熱濾過し、得られ
た透明な濾液を5℃まで冷却し、析出する結晶をトルエ
ン:100mlで数回洗浄した後、乾燥機を用いて60
℃で乾燥したところ、42.0gの2−(2´−ヒドロ
キシ−5´−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾールの微黄白色針状結晶が得られた(前記アゾベ
ンゼン誘導体からの収率:54.8重量%)。当該ベン
ゾトリアゾール系化合物は、融点が103.0〜10
3.9℃であり、LC純度(液体クロマトグラフィによ
る純度)が98.1%であった。
【0051】(評価)実施例1〜2で得られたベンゾト
リアゾール系化合物、及び比較例1〜2で得られたベン
ゾトリアゾール系化合物について、精製前と精製後との
透過率を以下の方法により、ベンゾトリアゾール系化合
物の着色度合いを調べ評価した。 (透過率試験)実施例1〜2、比較例1〜2で得られた
ベンゾトリアゾール系化合物を、それぞれクロロホルム
に溶解させ、当該クロロホルム溶液(濃度:10pp
m)の透過率を、1cmのセルを用いて、波長500n
mの可視光で調べたところ、表1に示したような結果が
得られた。また、再精製の必要性も併記した。
【0052】
【表1】
【0053】従って、実施例1〜2では、アゾベンゼン
誘導体をヒドラジンによりおだやかな条件で還元した後
に、続いて温度を上げてアルコール類により還元してい
るので、得られたベンゾトリアゾール系化合物は、ほと
んど着色していない。なお、若干着色していてもほとん
ど着色していないため、活性白土などにより、容易に脱
色することができる。そのため、商品となりうる精製品
を容易に製造することができる。
【0054】一方、比較例1では、アゾベンゼン誘導体
をホルマリンで還元した後に、続いて温度を上げてアル
コール類(n−ブタノール)により還元しているので、
得られたベンゾトリアゾール系化合物は、黄色に着色さ
れている。また、脱色が容易でなく、脱色操作を行って
も、その水溶液の透過率は低く、ほぼ100%に近い透
過率を得ることはできない。また、複数回脱色操作を行
っても、商品となりうる精製品を製造することができな
い場合がある。
【0055】また、比較例2でも、得られたベンゾトリ
アゾール系化合物は着色しており、その水溶液の透過率
は低く、若干着色している。
【0056】従って、本発明の製造方法では、中間生成
物を単離しなくても、直接アゾベンゼン誘導体からベン
ゾトリアゾール系化合物をほとんど着色させることな
く、容易に調製することができる。特に、商品となりう
る精製品を容易に製造することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法では、アゾベンゼン誘
導体をヒドラジンによりおだやかな反応条件で還元した
後に、アルコール類により還元しているので、得られた
ベンゾトリアゾール系化合物は不純物の含有量が極めて
少なく、ほとんど又は全く着色していない。従って本発
明の製造方法では、容易に、アゾベンゼン誘導体からベ
ンゾトリアゾール系化合物を着色させることなく製造す
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表される2−ニトロ−2
    ´−ヒドロキシアゾベンゼン誘導体を、 【化1】 (式中、Rは水素原子又は塩素原子を表し、Rは水
    素原子、炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル部
    分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表し、Rは炭素
    数が1〜12のアルキル基又はアルキル部分の炭素数が
    1〜4のアラルキル基を表す。) アルコール類を用いて、レドックス触媒及びアルカリの
    存在下、水の還流温度未満でヒドラジン又はその水和物
    により還元し、さらに疎水性溶剤を用いて、水の還流温
    度でアルコール類により還元反応を行って、下記式
    (2)で表される2−(2´−ヒドロキシフェニル)−
    2H−ベンゾトリアゾール系化合物を製造する方法。 【化2】 (式中、Rは水素原子又は塩素原子を表し、Rは水
    素原子、炭素数が1〜12のアルキル基又はアルキル部
    分の炭素数が1〜4のアラルキル基を表し、Rは炭素
    数が1〜12のアルキル基又はアルキル部分の炭素数が
    1〜4のアラルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 アルコール類がn−ブタノールである請
    求項1記載のベンゾトリアゾール系化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 疎水性溶剤がキシレンである請求項1又
    は2記載のベンゾトリアゾール系化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007224014A (ja) * 2006-01-26 2007-09-06 Shiseido Co Ltd ベンゾトリアゾール誘導体の精製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5088072A (ja) * 1973-11-27 1975-07-15
JPS5363379A (en) * 1976-11-17 1978-06-06 Nippon Kayaku Co Ltd Preparation of 2-phenylbenzotriazoles or their n-oxides

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