JP2001030176A - 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置 - Google Patents

切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置

Info

Publication number
JP2001030176A
JP2001030176A JP20785599A JP20785599A JP2001030176A JP 2001030176 A JP2001030176 A JP 2001030176A JP 20785599 A JP20785599 A JP 20785599A JP 20785599 A JP20785599 A JP 20785599A JP 2001030176 A JP2001030176 A JP 2001030176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
optical material
whetstone
cut
grindstone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20785599A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Akita
俊哉 秋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP20785599A priority Critical patent/JP2001030176A/ja
Publication of JP2001030176A publication Critical patent/JP2001030176A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素材に欠けを発生させることなく切断加
工を行う。 【解決手段】 円環状の台金部7a、8aと、台金部7
a、8aの外周側に形成される砥粒層7c、8cよりな
る切断砥石7,8を用いて光学素材14を切断する。砥
粒層7c、8cの少なくとも一方の側面の少なくとも一
部が、外周に向かって厚さが減少するテーパー形状に形
成され、台金部7a、8aの厚さよりも砥粒層7c、8
cの最大厚さが大きく、且つ台金部7a、8aの側面よ
りも砥粒層7c、8cが突出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素材を切断する
ための切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素材切
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学素材では、円等の外周形状に対し、
2つの平行な弦に沿って切断を行うことにより、略小判
型形状等ののレンズに加工することが行われている。特
開平10−202650号公報には、このような切断を
行う従来の切断装置が記載されている。図19〜図22
はこの切断装置を示す。図19及び図20に示すよう
に、切断装置はレンズ切断用保持装置110と、マルチ
カッター130とを備えている。
【0003】レンズ切断用保持装置110は、金属等の
材料からなる本体111と、可動当接部112を備えて
いる。本体111には、略環状に形成されると共にその
中央に略円形の断面で開設されたレンズ保持用開口11
1aが設けられている。レンズ保持用開口111aの内
部の上方には、段状に形成され円環状の上面を有するレ
ンズ支持台部111hが設けられている。レンズ支持台
部111は切断される円形状のレンズ素材Lを上面に支
持するものである。
【0004】本体111には、溝底面111j,111
kまでする深さhを有したカッター収容用溝111c,
111d,111e,111fが形成されている。カッ
ター収容溝111c、111d、111e、111f
は、レンズ素材Lの円形状の外周を弦状に切断して略小
判形状とするマルチカッター130の切断砥石132,
133の移動を可能とするための溝であり、切断砥石1
32,133はこれらの溝111c、111d、111
e、111fを通過するようになっている。このうち、
カッター収容用溝111c及び111eは、レンズ素材
Lの両側を切断するための2つの切断線C1,C2のう
ちの一方の切断線C1の線上に配置されている。カッタ
ー収容用溝111dと111fは、他方の切断線C2の
線上に配置される。
【0005】カッター収容用溝111cと111dとに
挟まれた本体111の部分は、固定当接部111bとな
っており、この固定当接部111bにおけるマルチカッ
ター130側の内面はレンズ素材Lの外面に当接する第
1当接面111m、111nとなっている。
【0006】一方、カッター収容用溝111eと111
fとに挟まれた本体111の部分には、可動当接部11
2が設けられている。可動当接部112は押えフレーム
113と、可動体114と、締付ねじ115および11
6を有している。押えフレーム113は、図21及び図
22に示すように、平板部113aの一側端から下方に
垂直部113bが垂設されたL字形となっている。平板
部113aの略中央部には、内壁に雌ねじが形成された
ねじ孔113cが垂直下方に向けて開設されている。垂
直部113bの略中央部には、内壁に雌ねじが形成され
たねじ孔113dが水平方向に向けて開設されている。
【0007】可動体114は略直方体状に形成されたブ
ロック状となっており、押えフレーム113の内側に配
設されている。可動体114の略中央部分には、断面が
略長円形の長穴114dが垂直下方に向けて開設されて
いる。また、可動体114の前面部分(すなわち、レン
ズ素材Lの外周部側)には、第2密接補助用溝114c
が設けられている。この第2密接補助用溝114cを挟
んた両側には、レンズ素材Lの外周面が当接するための
略円筒面状の第2当接面114a、114bが設けられ
ている。
【0008】締付ねじ115は、可動体114を移動さ
せるためのねじであり、本体111のねじ孔113dと
螺合可能な雄ねじが形成されている。締付ねじ116は
押えフレーム113を固定するためのねじであり、押え
フレーム113のねじ孔113cおよび本体111のね
じ孔111rと螺合可能な雄ねじが形成されている。
【0009】マルチカッター130は図19及び図20
に示すように、外周部分に刃部132a、133aが形
成された2枚の同径の切断砥石132,133を有して
いる。これらの切断砥石132,133は回転軸131
に対して平行に固定されており、回転軸131の回転に
よって同時に同方向に回転する。
【0010】このように構成されたレンズ切断装置11
0では、まず、1面のレンズ面が凸面で他面のレンズ面
が平面となっているレンズ素材Lの平面部分が下になる
ようにしてレンズ切断用保持装置111のレンズ保持用
開口111a内に挿入し、レンズ素材Lの下面の外周付
近をレンズ保持台部111hに載置する。
【0011】次に、押えフレ_ム113のねじ孔113
dに締付ねじ115をねじ込むと、可動体114が移動
し、可動体114の前面の第2当接面114a、114
bがレンズ素材Lの外周面に当接し、さらに僅かにねじ
込むと、レンズ素材Lは固定当接部111bの2つの第
1当接面111m,111nと、可動体114の2つの
第2当接面114a,114bとによって狭持されてレ
ンズ切断用保持装置110に固定される。この状態で、
締付ねじ116をねじ込むと、可動体114は押えフレ
ーム113と本体111の溝底面111hとの間に挟み
込まれて、可動当接部112が本体111に固定され
る。
【0012】この状態で、マルチカッター130の回転
軸131を回転中心線A回りに回転させて、2枚の切断
砥石132,133を回転させる。そして、切断砥石1
32,133の面の方向を切断線C1、C2と一致さ
せ、切断砥石132,133の刃部132a,133a
の下端がレンズ保持台部111hよりも下方で、かつレ
ンズ切断用保持装置110のカッター収容用溝111c
〜111fの溝底面111j,111kよりも上方の位
置となるように設定する。その後、レンズ切断用保持装
置110をマルチカッター130に接近する方向に移動
させることにより、レンズ素材Lをレンズ切断用保持装
置110で動かないように保持しながら切断線Cl,C
2に沿って切断する。これにより、レンズ素材Lを略小
判形状に形成することができる。なお、この切断持に
は、2枚の切断砥石132,133の刃部132a,1
33は、それぞれカッター収容溝111c〜111f内
に収容される。
【0013】切断後は、押えフレーム113のねじ孔1
13dにねじ込まれた締付ねじ115を逆方向に回動さ
せて、可動体114によるレンズ素材Lの締付けを緩ま
せることにより、固定当接部111bと可動当接部11
2の間に挟まれた切断後のレンズ素材Lを取り出す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術では、切断加工後にレンズ素材Lより削り
取られる両端の三日月形状の切れ端部L1はは、図23
に示すように、切断加工中ではマルチカッター130と
反対側の未加工部L2だけで製品レンズとなる略小判形
状部L3とつながっている。
【0015】切断加工では、マルチカッター130の加
工振動およびレンズ切断用保持装置110を保持してマ
ルチカッター130の方向へ移動させる送り機構(図示
省略)から発生する振動がレンズ素材Lに伝わる。略小
判形状部L3は、その両端が固定当接部111b及び可
動体114によって狭持されることにより保持されてい
るが、切れ端部L1は一方の端がすでに切断されてフリ
ーになっているため、切断加工終了間際、すなわち未加
工部L2の切断線上の幅が小さくなればなるほど、切れ
端部L1のフリーになっている部分の振動が大きくな
る。
【0016】この振動により、切断加工が進行して未加
工部L2がなくなり、略小判形状部L3と切れ端部L1
とが切り離される前に、未加工部L2に亀裂が入り、割
れるようにして切れ端部L1が取り除かれる。そのと
き、切断溝L4となる範囲で割れるのではなく、図23
をレンズ素材Lの矢印E方向から見た図24に示すよう
に、切断砥石132,133による切断面L6より内
側、すなわち、切断面L6と凸面部LA及び平面部LB
との稜線部に欠けL5が発生する。
【0017】かかる欠けL5の大きさは、レンズ素材L
の切断面L6と球面部LA及び平面部LBとのなす角度
θの大きさに影響される。一般的に、レンズ素材Lの切
断面L6とレンズ面とのなす角度θが小さいとき(レン
ズ面が凹面の時)は、角度θが小さくなり、欠けが大き
くなる。また、欠けL5はマルチカッター130の回転
方向にも影響され、ダウンカットのときは下側のレンズ
面の欠けが、アップカットのときは上側のレンズ球面の
欠けが大きくなる。すなわち、光学素子のような脆性材
料の場合では、レンズ素材Lに対して、切断砥石13
2,133の抜け側に欠けが発生し易いものである。
【0018】近年、カメラ分野ではコンパクト化が進
み、その光学系も同様に、光学的な有効範囲と光学素子
の外周(レンズ素材の切断面に相当する部分)との隙間
が最小値となることが望ましい。このようなことから、
上述した欠けL5は最小限に抑えることが求められてい
る。
【0019】このような欠けL5を少なくするため、切
断加工の送り速度を遅くして加工振動を抑えたり、切断
砥石132,133の砥粒のメッシュを高くして砥粒径
を小さくすることがなされているが、これらの手段で
は、加工時間が長くなって、生産性が低下する新たな問
題が発生している。
【0020】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、生産性を保ちつつ、光学素材の
欠けを最小限に抑えることができる切断砥石及び光学素
材切断方法並びに光学素材切断装置を提供することを目
的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の切断砥石は、円環状の台金部と、
台金部の外周側に形成される砥粒層よりなる切断砥石で
あって、前記砥粒層の少なくとも一方の側面の少なくと
も一部が、外周に向かって厚さが減少するテーパー形状
に形成されると共に、前記台金部の厚さよりも前記砥粒
層の最大厚さが大きく、且つ台金部の側面よりも砥粒層
が突出していることを特徴とする。
【0022】この発明では、切断砥石の砥粒層によって
光学素材を切断加工を行い、この切断によって光学素材
に割れが発生する。この切断では、外周に向かって厚さ
が減少するテーパー形状の砥粒層の側面が、割れ残りの
部分を除去しながら切断が進行する。このため、切断終
了時には割れた部分は残らず、光学素材の切断面との稜
線には欠けが発生することがなくなる。また、砥粒層が
台金部の側面よりも突出しているため、台金部が光学素
材の切断面を擦ることがなく、欠けの悪化を防止するこ
とができる。
【0023】請求項2の発明の切断方法は、光学素材を
光学素材用保持装置に保持した状態で、請求項1記載の
切断砥石を用いて切断加工を行うことを特徴とする。
【0024】この発明では、請求項1記載の切断砥石を
用いて光学素材を切断するため、光学素材の切断面との
稜線に欠けが発生することなく、切断を行うことができ
る。従って、切断の加工時間を遅くする必要がなくな
る。
【0025】請求項3の発明は、請求項2記載の光学素
材切断方法であって、前記切断砥石を2個用いると共
に、切断砥石の各々の砥粒層のテーパー形状を有する側
面を光学素材の切断面に接触させながら切断加工を行う
ことを特徴とする。
【0026】この発明では、切断砥石を2個用いるた
め、光学素材の切断面との稜線に欠けが発生することの
ない切断加工を迅速に、且つ簡単に行うことができる。
【0027】請求項4の発明は、円環状の台金部と、台
金部の外周側に形成される砥粒層とよりなる少なくとも
第1及び第2の切断砥石からなる切断砥石であって、第
1の切断砥石はその砥粒層が台金部の厚さよりも大きな
四角形状断面に形成されると共に、砥粒層が台金部の側
面よりも突出しており、第2の切断砥石はその砥粒層の
一方の側面が台金部よりも突出しており、第2の切断砥
石の砥粒層の他方の側面が第1の切断砥石の台金部に密
着するように組み合わせられることを特徴とする。
【0028】この発明では、第1の切断砥石の砥粒層に
よって光学素材の切断加工が開始され、光学素材が割れ
るが、第2の切断砥石は割れによって発生した欠けを除
去しながら光学素材を切断加工する。このため、切断加
工終了時には、割れた部分は残ることがなく、欠けの発
生しない切断を行うことができる。
【0029】この発明では、第1の切断砥石の砥粒層が
台金部よりも厚くなっていると共に、第2の切断砥石の
砥粒層が台金部の側面よりも突出しているため、第1及
び第2の切断砥石の台金部が光学素材の切断面を擦るこ
とがなく、欠けの悪化を防止することができる。
【0030】請求項5の発明の光学素材切断方法は、光
学素材を光学素材用保持装置に保持した状態で、請求項
4記載の切断砥石を用いて切断加工を行うことを特徴と
する。
【0031】この発明では、請求項4記載の切断砥石を
用いて光学素材を切断するため、光学素材の切断面との
稜線に欠けが発生することなく、切断を行うことがで
き、切断の加工時間を遅くする必要がなくなる。
【0032】請求項6の発明は、請求項5記載の光学素
材切断方法であって、前記切断砥石を2個用いると共
に、各々の切断砥石の第2の切断砥石を光学素材の切断
面に接触させながら切断加工を行うことを特徴とする。
【0033】この発明では、請求項4項記載の切断砥石
を2個用いるため、光学素材の切断面との稜線に欠けが
発生することのない切断加工を迅速に、且つ簡単に行う
ことができる。
【0034】請求項7の発明の光学素材切断装置は、請
求項1または請求項4記載の切断砥石と、この切断砥石
の台金部の一方の側面に当接する端面を有する砥石フラ
ンジと、前記台金部の他方の側面に当接する端面を有す
る押えフランジと、前記砥石フランジ及び押えフラシジ
の先端とを固定するフランジナットと、前記砥石フラン
ジとスピンドルとを固定するスピンドルナットとを備え
ていることを特徴とする。
【0035】この発明では、砥石フランジ及び押えフラ
ンジによって切断砥石が狭持され、フランジナットが砥
石フランジ及び押えフランジを固定するため、切断砥石
を確実に固定することができる。また、スピンドルナッ
トはスピンドルと砥石フランジとを固定するため、砥石
フランジを介して切断砥石が回転する。これにより、光
学素材の切断加工を行うことができる。
【0036】請求項8の発明は、請求項1または請求項
4記載の切断砥石2個と、2個の切断砥石の間に設けら
れ光学素材の切断幅をその厚さとして有する円柱形状の
スペーサと、2個の切断砥石及び前記スペーサの内径部
に挿入され、一方の切断砥石の台金部に当接する端面部
を有する砥石フランジと、他方の切断砥石の台金部に当
接する端面部を有する押えフランジと、前記砥石フラン
ジと押えフランジの先端とを固定するフランジナット
と、前記砥石フランジとスピンドルとを固定するスピン
ドルナットとを備えていることを特徴とする。
【0037】この発明では、スペーサを挟んだ2個の切
断砥石を砥石フランジ及び押えフランジが狭持するた
め、2個の切断砥石であっても、その固定を簡単に行う
ことができ、この固定状態で光学素材を切断加工するこ
とができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態により具体的に説明する。なお、各実施の形態におい
て、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0039】(実施の形態1)図1〜図6は本発明の実
施の形態1であり、図1はレンズ素材切断装置の正面
図、図2は図1のレンズ素材切断装置をx−x線に沿っ
て断面にした側面図、図3は図1の切断砥石における矢
印Gで示す先端部の拡大断面図、図4は図2のレンズ素
材切断用保持装置15を矢印F方向から見た側面図、図
5は切断加工中のレンズ素材14の正面図を示し、図6
は切断砥石の変形々態を示す。
【0040】図1及び図2に示すように、レンズ素材切
断装置はスピンドル1と、レンズ素材切断用保持装置1
5とを備えている。スピンドル1は回転自在となってお
り、そのテーパー状の回転軸部1aが砥石フランジ2に
挿入される。砥石フランジ2は2枚の切断砥石7,8を
位置決め状態で固定するものである。この砥石フランジ
2は、砥石軸Aに対して垂直面となる端面部2aと、こ
の端面部2aに連設する円柱状の砥石保持部2bとを備
えている。端面部2aは切断砥石7を位置決めする部分
であり、砥石保持部2bは切断砥石7,8の内径部7
b,8bに挿入されると共に、2枚の切断砥石7,8の
間に狭持される円環状のスペーサ3に挿入される。
【0041】2枚の切断砥石7,8は同径の円盤状とな
っており、金属、WCなどの超硬合金、セラミック、そ
の他の材料によって成形された円盤状の台金部7a、8
aと、台金部7a、8aの外周面上に形成された砥粒層
7b、8bとによって構成されている。砥粒層7b、8
bはダイヤモンド、CBNなどの砥粒と、樹脂或いは金
属などのボンド材との混合によって形成されている。
【0042】図3は、図1の切断砥石7の先端部Gの拡
大図であり、切断砥石7の砥粒層7cはスペーサ3から
離れるのにつれて先端ほど細くなったテーパー形状にな
っている。また、砥粒層7cの先端部は台金部7aの先
端面と平行な端面となっている。さらに、砥粒層7cの
台金部7a側の最大幅(厚さ)T1は、台金部7aの幅
(厚さ)より広く、かつ、台金部7aの両側より広がる
ようになっている。これにより、砥粒層7cの先端部は
台金部7aの両側面よりも外側に突出している。切断砥
石8の砥粒層8cも同様であり、砥粒層7cと同様なテ
ーパー形状になるように構成されている。
【0043】切断砥石7の台金部7aのスピンドル1側
の一側面は、砥石フランジ2の端面部2aに当接される
一方、台金部7aの他側面は、スペーサ3の端面部3a
に当接されている。スペーサ3は砥石フランジ2の端面
部2aと同一の外径の円環状となっている。切断砥石8
の台金部8aのスピンドル1側の一側面は、スペーサ3
の反対側の端面部3bに当接され、他側面は押えフラン
ジ4の端面部4aに当接されている。押えフランジ4は
砥石フランジ2の端面部2aと同一径を有する円環形状
となっている。
【0044】押えフランジ4の外側には、フランジナッ
ト5及びスピンドルナット6が配置されている。スピン
ドルナット6は、スピンドル1の先端の雄ねじからなる
ねじ部1bに螺合されている。このスピンドルナット6
がねじ部1bに螺合されたとき、スピンドルナット6は
砥石フランジ2の砥石保持部2bの先端を押圧する。こ
れにより、スピンドル1と砥石フランジ2が固定され
る。また、フランジナット5は、砥石フランジ2の先端
の雄ねじからなるねじ部2cに螺合される。このとき、
フランジナット5の端面部5aは押えフランジ4のスピ
ンドル1先端側の端面部4bを押圧する。これにより、
砥石フランジ2と、切断砥石7,8と、スペーサ3とが
押えフランジ4を介して固定される。
【0045】レンズ素材切断用保持装置15はレンズ素
材14を保持するものであり、金属、セラミック等から
なるべ一ス9と、押え板10と、押えねじ12,13と
を備えている。
【0046】ベース9は基台部分が直方体状に形成さ
れ、図4に示すように、基台部分の中央部分から凸部9
aが立設している。従って、ベース9の全体はT字形状
に成型されている。凸部9aの高さは、レンズ素材14
の切断時に切断砥石7,8(と粒層7c、8c)が干渉
しないように設定されるものである。また、凸部9aの
幅は、レンズ素材14を切断する切断線C1,C2の間
隔よりも小さくなっている。
【0047】凸部9aの中心線x−x上には、レンズ外
周用開口部9bと、レンズ球面用開口部9cとが開設さ
れている。レンズ外周用開口部9bは、中心線x−xと
レンズ素材14の光軸とが直交するようにレンズ素材の
円形状の外周が挿入されるものである。レンズ球面用開
口部9cは、レンズ素材14の球面部14aの外周付近
が当接してレンズ素材14の上下方向に位置決めを行う
ものである。なお、これらのレンズ外周用開口部9b及
びレンズ球面用開口部9cとは同心状に設けられるもの
である。また、レンズ球面用開口部9cにレンズ素材1
4が載置されたとき、凸部9aの上面からレンズ素材1
4の外周が少量突き出るようにレンズ外周用開口部9b
の深さが設定されるものである。
【0048】押え板10はベース9の凸部9aと同一の
幅を有した板状となっており、凸部9aに上から重ねら
れる。押え板10の長さ方向の両端部分には、ザグリ穴
10a、10bが形成されており、このザグリ穴10
a、10bと対向するベース9の凸部9aには雌ねじか
らなるねじ部9d、9eが形成されている。従って、ね
じ12,13をザグリ穴10a、10bから挿入して、
ねじ部9d、9eに螺合することにより、押え板10が
凸部9a上に固定され、これにより押え板10がレンズ
素材14を上から押さえ付ける。この押え板10の凸部
9a側の面には、ポリウレタン、ビニール、ナイロン、
ゴム等の弾性体からなる緩衝シート11が接着されてい
る。
【0049】このような構造では、まず、べ一ス9の凸
部9aに設けられたレンズ外周用開口9bに、球面14
aが下になるようにしてレンズ素材14をそれぞれ挿入
する。そして、押え板10をレンズ素材14の上方から
べ一ス9の凸部9a上に載置して、レンズ素材14を押
さえる。その後、ねじ12,13をザグリ穴10a、1
0bからべ一ス9の凸部9aのねじ部9d、9eに螺合
する。これにより、レンズ素材14がべ一ス9と、シー
ト11を介した押え板10との間に挟み込むようにして
保持される。
【0050】レンズ素材14の切断では、レンズ切断用
保持装置15に保持されたレンズ素材14の切断線C
1、C2に対して、切断砥石7、8の砥粒層7c、8c
のそれぞれのスペーサ3側の端面を合わせる。スピンド
ル1を回転させ、図示省略したノズルから研削液をレン
ズ素材切断用保持装置15の方向から供給する。この状
態でレンズ素材切断用保持装置15をスピンドル1の方
向に移動することにより、レンズ素材14を切断加工す
る。
【0051】図5は切断加工中のレンズ素材14を示
す。なお、図5は切断砥石7によって切断される部分を
示すものである。レンズ素材14の切断溝14bは、切
断線C1に沿って形成される。切れ端部14は一方の端
が既に切断されてフリーになっているため、切断加工終
了間際には、加工振動により振動する。この振動によ
り、切れ端部14cの切断溝14bの先端14eから亀
裂が入り、割れるようにして切れ端部14cが取り除か
れる。このとき、切断砥石7の砥粒層7cの先端は、テ
ーパー形状になっているため、切断線C1よりも外側に
割れる。
【0052】その後、切断加工が進行すると、砥粒層7
cのテーパー形状の部分で、割れ残りの部分を除去しな
がら、切断線C1に沿ってレンズ素材14を切断加工す
る。このため、割れた部分は切断加工終了時には残ら
ず、製品となる略小判形状部14dの切断面との稜線に
は欠けが発生することがなくなる。なお、切断砥石8に
より切断される稜線も、切断砥石7と同様な作用により
欠けが発生しない。また、砥粒層7c、8cの幅が台金
部7a、8aの幅より広く、且つ砥粒層7c、8cが台
金部7a、8aの側面よりも外側に突出しているため、
レンズ素材14の切断面を台金部7a、8aで擦ること
がない。このため、台金部7a、8aによるカケの悪化
を防止することができる。
【0053】このような実施の形態では、切断砥石を高
メッシュ化したり、加工時間を遅くすることなく、レン
ズ素材14の切れ端部14c が割れるときに発生する
欠けを防止することができる。なお、この実施の形態で
は、一列にしたレンズ素材14の両側を2枚の切断砥石
7,8によって切断加工しているが、レンズ素材14を
複数の列に設けると共に、切断砥石7、8を1組とした
マルチカッター(例えば、4枚、6枚、8枚……)にし
ても同様な効果が得られる。
【0054】図6は、この実施の形態の変形々態であ
り、同図(A)では、砥粒層7cのテーパー部を先端ま
で設けた針状となっている。このようにすることによ
り、レンズ素材14の切れ端部14cからの割れが切断
線C1よりもさらに外側になるため、砥粒層7cの幅を
より狭く設定することができる。これにより、レンズ素
材14の除去量が減少し、加工速度を向上させることが
できる。
【0055】同図(B)では、砥粒層7cのテーパー形
状側に平面部7eが形成されている。このように平面部
7eを設けることにより、切断砥石の量産加工時におい
て、平面部7eが摩耗するまで、切断線C1、C2の寸
法が持続できるので、寸法精度を維持できるとともに、
切断砥石の寿命が向上してランニングコストを低減する
ことができる。なお、この実施の形態では、砥粒層7
c、8cにまで台金部7a、8aを延長し、その表面に
砥粒層を電着しても同様な効果が得られる。
【0056】(実施の形態2)図7〜図9は実施の形態
2を示し、図7はレンズ素材切断装置の正面図、図8は
図7における切断砥石を一部断面にした先端部Hの拡大
断面図、図9は切断砥石の変形々態の断面図である。
【0057】この実施の形態では、1個の切断砥石20
によってレンズ素材14を切断加工するものである。こ
のため、この実施の形態では、実施の形態1における切
断砥石7,8に挟まれるスペーサ3が不要となり、砥石
フランジ2の端面2aと押えフランジ4の端面部4a砥
によって切断砥石20を保持している。なお、レンズ素
材切断用保持装置15は実施の形態1と同様な構成であ
る。
【0058】切断砥石210は金属、超硬合金、セラミ
ックなどによって成形された台金部20aと、台金部2
0aの外周面上に形成された円環状の砥粒層20cを有
する。砥粒層20はダイヤモンド、CBNなどの砥粒
と、樹脂や金属などのボンド材とによって構成されてい
る。
【0059】切断砥石20における砥粒層20cの先端
部Hは、図8に拡大して示すように、両側面20c1、
20c2が先端ほど細くなるようなテーパー形状となっ
ている。また、砥粒層20cの先端面20c3は平面状
となっている。また、砥粒層20cの台金部20a側の
最大幅T2は、台金部20aの幅より広く、且つ台金部
20aの両側より広がるようになっており、従って、砥
粒層20cは台金部20aの両側面よりも外側に突出し
ている。
【0060】このような実施の形態では、実施の形態1
と同様にしてレンズ素材14をレンズ素材切断用保持装
置15に保持する。その後のレンズ素材14の切断は、
レンズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14
の切断線C1に、切断砥石20の砥粒層20cの側面2
0c1を合わせる。そして、スピンドル1を回転させ、
図示省略したノズルから研削液をレンズ素材切断用保持
装置15の方向から供給する。そして、レンズ素材切断
用保持装置15をスピンドル1の方向に移動することに
より、レンズ素材14の切断線C1を切断加工する。次
に、スピンドル1を砥石軸A方向に移動させた後、レン
ズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14の切
断線C2に切断砥石20の砥粒層20cの側面20c2
を合わせ、同様にレンズ素材14の切断線C2を切断加
工する。
【0061】かかる切断では、砥粒層20cのテーパー
形状になっている側面20c1、20c2が設けられて
いるため、どちらの切断加工においても、切断線C1、
C2より外側で割れる。その後、切断加工が進行する
と、砥粒層20cのテーパー形状の部分で上述した割れ
残りの部分を除去しながら、切断線C1、C2に沿って
レンズ素材14を切断加工する。このため、割れた部分
は切断加工終了時には残らず、製品となる略小判形状部
14dの切断面との稜線に欠けが発生することがない。
また、砥粒層20cの幅が台金部20あの幅より広く、
且つ砥粒層20cの台金部20a側が台金部20aの側
面よりも外側に突出しているため、レンズ素材14の切
断面を台金部20aで擦ることがない。このため、台金
部20aによる欠けの悪化を防止することができる。
【0062】従って、この実施の形態によれば、単刃に
よる切断加工においても、砥石を高メッシュ化したり、
加工時間を遅くすることなく、レンズ素材14の切れ端
部が割れるときに発生する欠けを防止することができ
る。
【0063】図9は砥粒層20cの変形々態であり、同
図(A)では、砥粒層20cの端面20c3をなくし、
両側面20c1、20c2を先端まで延ばしたテーパー
形状となっている。これにより、レンズ素材14の切れ
端部からの割れがさらに外側になるため、砥粒層20c
の幅をより狭く設定することができ、レンズ素材14の
除去量を減少させることができ、加工速度を向上させる
ことができる。
【0064】同図(B)では、砥粒層20cの両側面2
0c1、20c2の台金部20a側に、平面部20c
4,20c5が設けられている。これにより量産加工時
において、平面部20c4,20c5が摩耗するまで、
切断線C1、C2の寸法を持続でき、寸法精度を維持で
きるとともに、切断砥石の寿命が向上してランニングコ
ストが低減できる。なお、砥粒層20cにまで台金部2
0aを延長し、その表面に砥粒層を電着しても同様な効
果が得られる。
【0065】(実施の形態3)図10〜図12は、実施
の形態3を示し、図10はレンズ素材切断装置の正面
図、図11は図10における切断砥石を下部断面にした
先端部Iの拡大断面図、図12切断砥石の変形々態の断
面図である。
【0066】この実施の形態では、実施の形態1におけ
る切断砥石7に代えて、第1の切断砥石31及び第2の
切断砥石33を重ね合わせて用いるものである。これら
の第1及び第2の切断砥石31,33は、いずれも台金
部31a、33aの外周側に砥粒層31c、33cを備
えて構成される。
【0067】第1の切断砥石31は砥石フランジ2側に
配置されるものであり、その砥粒層31cは台金部31
aの側面よりも突出し、且つその幅が台金部31aより
も広い四角形状となっている。第2の切断砥石33はス
ペーサ3側に配置されるものであり、その砥粒層33c
は、両側面が平面となっていると共に、外周側の端面が
先端に向かって形状に傾斜状に細くなるテーパー形状と
なっている。また、砥粒層33cに比べて台金部33a
の側面が低くなっている。
【0068】さらに、この実施の形態では、実施の形態
1の切断砥石8に代えて、第1の切断砥石32及び第2
の切断砥石34を重ね合わせて用いるものである。これ
らの第1及び第2の切断砥石32,34は、いずれも台
金部32a、34aの外周側に砥粒層32c、34cを
備えて構成される。
【0069】第1の切断砥石32は押えフランジ4側に
配置されるものであり、その砥粒層32cは台金部32
aの側面よりも突出し、且つその幅が台金部32aより
も広い四角形状となっている。第2の切断砥石34はス
ペーサ3側に配置されるものであり、その砥粒層34c
は、両側面が平面となっていると共に、外周側の端面が
先端に向かって形状に傾斜状に細くなるテーパー形状と
なっている。また、砥粒層34cに比べて台金部34a
の側面が低くなっている。
【0070】これらの重ね合わせられて対となる第1の
切断砥石31,32及び第2の切断砥石32,34にお
いては、第2の切断砥石32,34の先端直径が、対応
した第1の切断砥石31,32の台金部31a、32a
の最外径よりも小さくなるように設定されている。ま
た、切断砥石33,34の砥粒層33c、34cのスペ
ーサ3側の側面がそれぞれレンズ素材14の切断線C
1,C2一致するようにスペーサ3の厚さが設定され
る。
【0071】この実施の形態においても、実施の形態1
と同様にしてレンズ素材14をレンズ素材切断用保持装
置15に保持する。その後のレンズ素材14の切断は、
レンズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14
の切断線C1、C2に、第2の切断砥石33,34の砥
粒層33c、34cスペーサ3側の側面を合わせる。そ
して、スピンドル1を回転させ、図示省略したノズルか
ら研削液をレンズ素材切断用保持装置15の方向から供
給する。この状態で、レンズ素材切断用保持装置15を
スピンドル1の方向に移動することにより、レンズ素材
14を切断加工する。
【0072】このレンズの切断時において、切断加工中
の切れ端部14cは、一方の端が既に切断されてフリー
になっているため、切断加工終了間際には、加工振動に
より振動する。この振動により、レンズ素材14に亀裂
が入り、割れるようにして切れ端部14cが取り除かれ
る。このとき、第1の切断砥石31,32の切断溝から
レンズ素材14に亀裂が入る。その後、その中側に設け
た第2の切断砥石33,34が亀裂により欠けが発生し
た部分を除去しながら、切断線C1,C2に沿ってレン
ズ素材14を切断加工する。このため、割れた部分は切
断加工終了時には残らず、製品となる略小判形状部14
dの切断面との稜線には欠けが発生しない。また、この
実施の形態では、砥粒層31c,32cの幅が台金部3
1a,32aの幅より広く、砥粒層31c、32cが台
金部31a、32aの側面よりも突出しており、且つ、
砥粒層33c,34cのスペーサ3側の側面より台金部
33a,34aのスペーサ3側の側面が低いため、レン
ズ素材14の切断面を台金部31a、32a、33a、
34aで擦ることがない。このため、台金部による欠け
の悪化を防止することができる。
【0073】従って、この実施の形態によれば、切断砥
石を高メッシュ化したり、加工時間を遅くすることな
く、レンズ素材14の切れ端部が割れるときに発生する
欠けを防止することができる。なお、この実施の形態で
は、第1の切断砥石31,32の砥粒メッシュよりも、
第2の切断砥石33,34の砥粒メッシュを細かくする
ことができ、これにより、レンズ素材14の切断面の面
粗さ及び通常切断面の稜線の欠け(チッピング)を抑制
することができる。また、第1の切断砥石31,32の
ボンド材をメタルボンドとし、第2の切断砥石33,3
4のボンド材をレジンボンドにすることにより、即ち、
第1の切断砥石31、32のボンド材を硬くすることも
可能であり、これにより、加工時間を延ばすことなく、
切断面の面粗さ及び通常切断面の稜線の欠け(チッピン
グ)を抑えることができる。さらに、砥粒層31c、3
2c、33c、34cにまで台金部31a、32a、3
3a、34aを延長し、その表面に砥粒層を電着しても
同様な効果が得られる。
【0074】図12はこの実施の形態の変形々態を示
し、同図(A)では、第2の切断砥石33,34の砥粒
層33c、34cの先端部分の端面が砥石軸Aと平行と
なっており、(B)では、砥粒層33c、34cの先端
部分の端面が曲面となっている。これらの場合にも、同
様に作用することができる。
【0075】(実施の形態4)図13及び図14は実施
の形態4であり、図13はレンズ素材切断装置の正面
図、図14は図13における切断砥石の先端部Jの拡大
断面図を示す。
【0076】この実施の形態では、実施の形態2と同様
に単一の切断砥石によってレンズ素材14を切断加工す
るものであり、切断砥石は実施の形態3の第1の切断砥
石31及び第2の切断砥石33と、第3の切断砥石40
とが重ね合わせられて構成されている。第3の切断砥石
40は第2の切断砥石33と反対側から第1の切断砥石
31に重ね合わせられ、これにより砥石フランジ2側に
位置している。この第3の切断砥石40は、第2の切断
砥石33と同様な構成となっており、従って、台金部4
0aの外周側に砥粒層40cが設けられていると共に、
砥粒層40cは、両側面が平面となっていると共に、外
周側の端面が先端に向かって形状に傾斜状に細くなるテ
ーパー形状となっている。また、砥粒層40cに比べて
台金部40aの側面が低くなっている。
【0077】この実施の形態においても、実施の形態1
と同様にしてレンズ素材14をレンズ素材切断用保持装
置15に保持する。その後のレンズ素材14の切断は、
レンズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14
の切断線C1に、第2の切断砥石33の砥粒層33cの
側面33C1を合わせる。そして、スピンドル1を回転
させ、図示省略したノズルから研削液をレンズ素材切断
用保持装置15の方向から供給しながら、レンズ素材切
断用保持装置15をスピンドル1の方向に移動すること
により、レンズ素材14の切断線C1を切断加工する。
次に、スピンドル1を砥石軸A方向に移動させた後、レ
ンズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14の
切断線C2に、第3の切断砥石40の砥粒層40cの側
面40c2を合わせ、同様にレンズ素材14の切断線C
2を切断加工する。
【0078】このとき、どちらの切断加工においても、
第1の切断砥石31の砥粒層31cによりレンズ素材1
4の外周が先行して切断され、その後に切断線C1,C
2に沿って、それぞれ第2の切断砥石33及び第3の切
断砥石40の砥粒層33c、40cによって切断される
ため、先行した第1の切断砥石31の切断加工中に割れ
欠けた部分は、第2及び第3の切断砥石33、40によ
り除去される。このため、割れた部分は切断加工終了時
には残らず、製品となる略小判形状部14dの切断面と
の稜線には欠けが発生しない。
【0079】また、第1の切断砥石31の砥粒層31c
の幅が台金部31aの幅より広いと共に、砥粒層31c
が台金部31aの両側面よりも外側に突出しており、し
かも第2及び第3の切断砥石33,40の砥粒層33
c,40cの両側面が台金部33a,40aの側面より
高いため、レンズ素材14の切断面を台金部31a,3
3a,40aで擦ることがない。このため、台金部によ
る欠けの悪化を防止することができる。
【0080】このような実施の形態では、単刃による切
断加工においても、切断砥石を高メッシュ化したり、加
工時間を遅くすることなく、レンズ素材14の切れ端部
が割れるときに発生する欠けを防止することができる。
【0081】(実施の形態5)図15及び図16は実施
の形態5を示し、図15はプリズム素材切断装置の正面
図、図16はプリズム素材用切断保持装置の側面図であ
る。
【0082】この実施の形態は、実施の形態4における
レンズ素材切断装置をプリズム素材切断装置に適用した
ものである。従って、実施の形態4におけるレンズ素材
切断用保持装置15に代えてプリズム切断用保持装置5
2が用いられる。
【0083】プリズム切断用保持装置52は、三角柱状
のプリズム素材50を保持する保持具51を備えてい
る。保持具51は三角柱状のプリズム素材50の2面に
対向したV溝54を上面に有している。また、保持具5
1には、プリズム50を切断する切断線K1〜K4を中
心として、切断砥石31,33,40を接触することな
く収容するための溝部51a〜51dが設けられてい
る。これらの溝部51a〜51dの深さは、その底面5
3がプリズム50の頂部よりも深い位置となるように形
成されるものである。保持具51におけるV溝54の頂
部には、プリズム50の頂部が接触することにより発生
する欠けを防止するための凹形状の溝部55が形成され
ている。なお、この実施の形態では、第1の切断砥石3
1の砥石メッシュは第2及び第3の切断砥石33,40
の砥石メッシュよりも粗く設定されるものである。
【0084】この実施の形態では、まず、保持具51を
加熱してから熱可塑性の接着剤をV溝54に塗布し、そ
の上からプリズム素材50を載置し、冷却することによ
り接着剤を硬化させてプリズム素材50を保持具51に
接着する。
【0085】そして、プリズム切断用保持装置52に接
着固定されたプリズム素材50の切断線K1に、第1の
切断砥石31の中心を合わせる。スピンドル1を回転さ
せ、図示省略したノズルから研削液をプリズム素材切断
用保持装置52の方向から供給し、プリズム素材切断用
保持装置52をスピンドル1の方向に移動して、プリズ
ム素材50の切断線K1を切断加工する。次に、プリズ
ム切断用保持装置52に接着されたプリズム素材50の
切断線K2に、第1の切断砥石31の中心を合わせ、同
様にしてプリズム素材50の切断線K2を切断加工す
る。製品となるプリズムの幅は、切断線K1と切断線K
2の幅から第2及び第3の切断砥石33,40の両側面
までの幅を減じた寸法になる。
【0086】プリズム素材50の切断加工では、レンズ
素材14のような切れ端部は存在しないため、亀裂によ
る割れは発生しないが、低メッシュの切断砥石31によ
り溝を切り込んだ後に高メッシュの切断砥石33、40
により再度溝を広くするため、切断砥石31の切断加工
で発生した切断面との稜線の欠け(チッピング)を除去
することができる。このため、加工時間を延ばすことな
く、良好な切断加工ができる。
【0087】この実施の形態では、プリズム素材の切断
加工においても、加工時間を遅くすることなく、切断面
との稜線の欠け(チッピング)を抑えるとともに、良好
な面粗さの切断面を得ることができる。
【0088】(実施の形態6)図17及び図18は実施
の形態6であり、図17はレンズ素材切断装置の正面
図、図18は図17における切断砥石を一部断面にした
先端部Kの拡大断面図を示す。
【0089】この実施の形態では、単一の切断砥石60
によってレンズ素材14の1箇所の切断線を切断加工す
るものである。切断砥石60は台金部60cの外周側に
砥粒層60aが設けられて構成されている。砥粒層60
aは一方の側面60bが外周に向かって厚さの減少する
テーパー形状になっている。また、砥粒層60aは台金
部60cの両側面よりも外側に突出している。
【0090】このような実施の形態では、実施の形態1
と同様にしてレンズ素材14をレンズ素材切断用保持装
置15に保持する。その後のレンズ素材14の切断は、
レンズ切断用保持装置15に保持されたレンズ素材14
の切断線C1に、切断砥石60の砥粒層60aの側面6
0bを合わせる。そして、スピンドル1を回転させ、図
示省略したノズルから研削液をレンズ素材切断用保持装
置15の方向から供給し、レンズ素材切断用保持装置1
5をスピンドル1の方向に移動することにより、レンズ
素材14の切断線C1を切断加工する。
【0091】この切断加工において、砥粒層60aの側
面60bが外周に向かって厚さが減少するテーパー形状
となっているため、切断線C1より外側で割れる。その
後、切断加工が進行すると、砥粒層60aのテーパー形
状の部分で割れ残りの部分を除去しながら、切断線C1
に沿ってレンズ素材14を切断加工する。従って、割れ
た部分は切断加工終了時には残らず、製品となるレンズ
素材14の切断面との稜線には欠けが発生しない。ま
た、砥粒層60aの幅が台金部60cの幅より広いた
め、レンズ素材14の切断面を台金部60cが擦ること
がなく、台金部60cによる欠けの悪化を防止すること
ができる。
【0092】このような実施の形態では、単刃による切
断線が1箇所の切断加工においても、切断砥石を高メッ
シュ化したり、加工時間を遅くすることなく、レンズ素
材14の切れ端部が割れるときに発生する欠けを防止す
ることができる。
【0093】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、テーパー形状
の砥粒層の側面が光学素材の割れ残りの部分を除去しな
がら切断するため、切断面との稜線に欠けが発生するこ
となく、光学素材を切断することができる。また、台金
部が光学素材の切断面を擦ることがないため、欠けの悪
化を防止することができる。従って、切断砥石を高メッ
シュ化したり、加工時間を遅くいなくても欠けの発生の
ない切断を行うことができる。
【0094】請求項2の発明によれば、光学素材の切断
面との稜線に欠けが発生することなく、切断を行うこと
ができ、切断の加工時間を遅くする必要がなくなる。
【0095】請求項3の発明によれば、光学素材の切断
面との稜線に欠けが発生することのない切断加工を迅速
に、且つ簡単に行うことができる。
【0096】請求項4の発明によれば、第2の切断砥石
が割れによって発生した欠けを除去しながら光学素材を
切断加工するため、割れた部分が残ることがなく、しか
も欠けの発生しない切断を行うことができる。
【0097】請求項5の発明によれば、光学素材の切断
面との稜線に欠けが発生することなく、切断を行うこと
ができ、切断の加工時間を遅くする必要がなくなる。
【0098】請求項6の発明によれば、光学素材の切断
面との稜線に欠けが発生することのない切断加工を迅速
に、且つ簡単に行うことができる。
【0099】請求項7の発明によれば。切断砥石を確実
に固定することができるため、光学素材の切断加工を行
うことができる。
【0100】請求項8の発明によれば、2個の切断砥石
であっても、その固定を簡単に行うことができ、光学素
材を切断加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の光学素材切断装置の正
面図である。
【図2】図1の部分破断側面図である。
【図3】切断砥石を示す図1の矢印G部分の拡大断面図
である。
【図4】レンズ素材切断用保持装置を図2の矢印F方向
から示す側面図である。
【図5】切断加工中のレンズ素材の正面図である。
【図6】(A)及び(B)は、実施の形態1の変形々態
を示す断面図である。
【図7】実施の形態2の光学素材切断装置の正面図であ
る。
【図8】切断砥石を示す図7の矢印H部分の拡大断面図
である。
【図9】(A)及び(B)は、実施の形態2の変形々態
を示す断面図である。
【図10】実施の形態3の光学素材切断装置の正面図で
ある。
【図11】切断砥石を示す図10の矢印I部分の拡大断
面図である。
【図12】(A)及び(B)は、実施の形態3の変形々
態を示す断面図である。
【図13】実施の形態4の光学素材切断装置の正面図で
ある。
【図14】切断砥石を示す図13の矢印J部分の拡大断
面図である。
【図15】実施の形態5の光学素材切断装置の正面図で
ある。
【図16】実施の形態5のプリズム切断用保持装置を示
す側面図である。
【図17】実施の形態6の光学素材切断装置の正面図で
ある。
【図18】切断砥石を示す図17の矢印K部分の拡大断
面図である。
【図19】従来の光学素材切断装置を示す正面図であ
る。
【図20】従来の光学素材切断装置を示す部分破断側面
図である。
【図21】従来のレンズ切断用保持装置の断面図であ
る。
【図22】従来のレンズ切断用保持装置の斜視図であ
る。
【図23】従来によって切断される光学素材の正面図で
ある。
【図24】従来の切断の問題点を示す側面図である。
【符号の説明】
7 8 切断砥石 7a 8a 台金部 7c 8c 砥粒部 14 レンズ素材 15 レンズ素材切断用保持装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状の台金部と、台金部の外周側に形
    成される砥粒層よりなる切断砥石であって、 前記砥粒層の少なくとも一方の側面の少なくとも一部
    が、外周に向かって厚さが減少するテーパー形状に形成
    されると共に、前記台金部の厚さよりも前記砥粒層の最
    大厚さが大きく、且つ台金部の側面よりも砥粒層が突出
    していることを特徴とする切断砥石。
  2. 【請求項2】 光学素材を光学素材用保持装置に保持し
    た状態で、請求項1記載の切断砥石を用いて切断加工を
    行うことを特徴とする光学素材切断方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光学素材切断方法であっ
    て、前記切断砥石を2個用いると共に、切断砥石の各々
    の砥粒層のテーパー形状を有する側面を光学素材の切断
    面に接触させながら切断加工を行うことを特徴とする光
    学素材切断方法。
  4. 【請求項4】 円環状の台金部と、台金部の外周側に形
    成される砥粒層とよりなる少なくとも第1及び第2の切
    断砥石からなる切断砥石であって、第1の切断砥石はそ
    の砥粒層が台金部の厚さよりも大きな四角形状断面に形
    成されると共に、砥粒層が台金部の側面よりも突出して
    おり、第2の切断砥石はその砥粒層の一方の側面が台金
    部よりも突出しており、第2の切断砥石の砥粒層の他方
    の側面が第1の切断砥石の台金部に密着するように組み
    合わせられることを特徴とする切断砥石。
  5. 【請求項5】 光学素材を光学素材用保持装置に保持し
    た状態で、請求項4記載の切断砥石を用いて切断加工を
    行うことを特徴とする光学素材切断方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光学素材切断方法であっ
    て、前記切断砥石を2個用いると共に、各々の切断砥石
    の第2の切断砥石を光学素材の切断面に接触させながら
    切断加工を行うことを特徴とする光学素材切断方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項4記載の切断砥石
    と、この切断砥石の台金部の一方の側面に当接する端面
    を有する砥石フランジと、前記台金部の他方の側面に当
    接する端面を有する押えフランジと、前記砥石フランジ
    及び押えフラシジの先端とを固定するフランジナット
    と、前記砥石フランジとスピンドルとを固定するスピン
    ドルナットとを備えていることを特徴とする光学素材切
    断装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項4記載の切断砥石
    2個と、2個の切断砥石の間に設けられ光学素材の切断
    幅をその厚さとして有する円柱形状のスペーサと、2個
    の切断砥石及び前記スペーサの内径部に挿入され、一方
    の切断砥石の台金部に当接する端面部を有する砥石フラ
    ンジと、他方の切断砥石の台金部に当接する端面部を有
    する押さえフランジと、前記砥石フランジと押さえフラ
    ンジの先端とを固定するフランジナットと、前記砥石フ
    ランジとスピンドルとを固定するスピンドルナットとを
    備えていることを特徴とする光学素材切断装置。
JP20785599A 1999-07-22 1999-07-22 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置 Withdrawn JP2001030176A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20785599A JP2001030176A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20785599A JP2001030176A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001030176A true JP2001030176A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16546658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20785599A Withdrawn JP2001030176A (ja) 1999-07-22 1999-07-22 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001030176A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010082730A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Ngk Insulators Ltd 磁器切断用回転砥石
JP6305613B1 (ja) * 2017-08-10 2018-04-04 株式会社アライドマテリアル マルチ超砥粒ホイール

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010082730A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Ngk Insulators Ltd 磁器切断用回転砥石
JP6305613B1 (ja) * 2017-08-10 2018-04-04 株式会社アライドマテリアル マルチ超砥粒ホイール
JP2019034348A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 株式会社アライドマテリアル マルチ超砥粒ホイール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5683290A (en) Apparatus for forming a convex tip on a workpiece
US20050142882A1 (en) Semiconductor water manufacturing method and wafer
JP2002160147A (ja) 板ガラスの端縁部研磨方法
KR20010050061A (ko) 드레서 및 드레싱 장치
JP7045676B1 (ja) 半導体結晶ウェハの製造装置および製造方法
KR20050032021A (ko) 연마 패드 및 방법
JPH10180624A (ja) ラッピング装置及び方法
KR100491625B1 (ko) 초음파 진동 복합 가공구
TWI595973B (zh) Chemical mechanical polishing dresser and its manufacturing method
JP2001030176A (ja) 切断砥石及び光学素材切断方法並びに光学素子切断装置
US5993300A (en) Ultrasonic vibration composite processing tool
JPH0329548B2 (ja)
JP2003236743A5 (ja)
JPH0632905B2 (ja) ▲iii▼―v族化合物半導体ウエハ薄層化処理方法
JP5007527B2 (ja) ウェーハ製造方法
JP3630950B2 (ja) 球面レンズの製造方法
JP2000301451A (ja) 研磨機用キャリア及びその製造方法
JP7007625B1 (ja) 半導体結晶ウェハの製造方法および製造装置
JP7398852B1 (ja) 半導体結晶ウェハの製造装置および製造方法
JP2608757B2 (ja) 水晶振動子用水晶ウエハ
JPH11207731A (ja) 狭幅切断及び狭幅溝加工方法
JP3368928B2 (ja) 押出成形用金型の製造方法
JP2009154276A (ja) レンズの加工装置およびその加工方法
JPH0319768A (ja) 超精密鏡面加工方法
JP2000153458A (ja) 両面加工機における砥石定盤の面出し方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003