JP2001029609A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2001029609A5 JP2001029609A5 JP1999204361A JP20436199A JP2001029609A5 JP 2001029609 A5 JP2001029609 A5 JP 2001029609A5 JP 1999204361 A JP1999204361 A JP 1999204361A JP 20436199 A JP20436199 A JP 20436199A JP 2001029609 A5 JP2001029609 A5 JP 2001029609A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- discharge
- flow
- housing
- flow path
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 55
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 40
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 9
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 6
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 4
- 230000005347 demagnetization Effects 0.000 description 4
- 230000000875 corresponding Effects 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 3
- 230000005281 excited state Effects 0.000 description 3
- 230000035515 penetration Effects 0.000 description 3
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 3
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 3
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 230000005236 sound signal Effects 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- 239000002699 waste material Substances 0.000 description 2
- 238000009795 derivation Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
Description
【発明の名称】遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】球流路が左右に並べて配置され、遊技球を排出する球排出装置を備えるとともに、
該球排出装置の下方に左右に並べて配設され、前記球流路に連通した球流下路と、
該球流下路の夫々の途中から賞球用球流下路と貸球用球流下路とに前後方向へ分岐する分岐部分に配設され、前記球排出装置から流下した遊技球を前記賞球用球流下路に案内する第1状態と、前記貸球用流下路に案内する第2状態とに切り換わる流路切換弁と、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との途中に夫々設けられた排出球検出手段と、
から構成される流路切換装置を備えた遊技機において、
前記流路切換装置は、
左右のほぼ中央部分から第1ハウジングと第2ハウジングとに分割可能に構成され、
前記第1ハウジングを、一方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第1ハウジング本体と、第1蓋部材とにより構成し、
前記第2ハウジングを、他方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第2ハウジング本体と、第2蓋部材とにより構成し、
前記第1蓋部材と第2蓋部材とを対向させた状態で第1ハウジングと第2ハウジングとを固定する構成となし、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設け、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放し た凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間から前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】前記排出球検出手段の配線の途中にノイズフィルタを設け、該ノイズフィルタを前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの凹室に収納したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球を排出する球排出装置を備えたパチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
パチンコ遊技機による遊技では、遊技者は、まず、遊技カードに記憶された有価情報と引き替えに遊技球を借り、借りた遊技球(貸し球)を遊技領域に向けて発射する。そして、遊技領域に発射された遊技球(打球)が遊技領域内の入賞口に入賞すると、遊技者は賞としての遊技球(賞球)を獲得する。この獲得した賞球は、パチンコ遊技に使用したり、景品に交換したりする。
このパチンコ遊技機には、賞球や貸し球の排出に連動させて賞球排出音や貸し球排出音を出力させるものがある。賞球排出音の出力は、例えば、賞球流下路の途中にベルを取り付けて、このベルに賞球を衝突させることで行われている。また、貸し球排出音の出力は、例えば、排出制御装置から遊技制御装置へ音制御情報を送信することで行われている。
【0003】
パチンコ遊技機における遊技球の排出は、球排出装置によりなされる。この球排出装置には、賞球と貸し球とを区別することなく排出するものや、賞球用の球排出機構と貸し球用の球排出機構とを別個に備えたものなどがある。
そして、賞球と貸し球とを区別せずに排出する球排出装置は、賞球用の球排出機構と貸し球用の球排出機構とを別個に備えた球排出装置と比べて構造の簡素化が図れるという利点がある。しかし、その一方で、賞球と貸し球とを別個に確認することが困難であるという問題がある。
【0004】
この点に鑑み、球排出装置よりも下流の球流下路を賞球用球流下路と貸球用球流下路とに分岐し、賞球用球流下路と貸球用球流下路の少なくとも一方の球流下路の途中には排出球検出手段としての排出球検出センサを設け、また、球流下路の分岐部分には球の流下方向を切り換える弁を設ける構成が考えられている。この構成では、弁の状態を切り換えることで、球排出装置が排出した賞球を賞球用球流下路に流下案内し、貸し球を貸球用球流下路に案内することができ、案内された賞球や貸し球を別個に排出球検出センサで検出できる。この構成では、賞球や貸し球を実際に排出された遊技球によって確認することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、賞球用球流下路と貸球用球流下路とに球流下路を分岐した遊技機では、排出球検出センサの配線処理が問題になる。つまり、排出球検出センサの配線は、賞球用球流下路や貸球用球流下路を避けて配設する必要があるが、この配線をすぐにケースの外側に出してしまうと、ケース外に露出した部分が長くなってしまったり、配線がばらばらに配置されてしまい邪魔である。また、他の部品等に引っ掛けて断線してしまう虞もある。
【0006】
本発明は、前記した問題点を解消するためになされたものであり、主たる目的は、排出球検出手段の配線を整然と配設可能な遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、球流路が左右に並べて配置され、遊技球を排出する球排出装置を備えるとともに、
該球排出装置の下方に左右に並べて配設され、前記球流路に連通した球流下路と、
該球流下路の夫々の途中から賞球用球流下路と貸球用球流下路とに前後方向へ分岐する分岐部分に配設され、前記球排出装置から流下した遊技球を前記賞球用球流下路に案内する第1状態と、前記貸球用流下路に案内する第2状態とに切り換わる流路切換弁と、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との途中に夫々設けられた排出球検出手段と、
から構成される流路切換装置を備えた遊技機において、
前記流路切換装置は、
左右のほぼ中央部分から第1ハウジングと第2ハウジングとに分割可能に構成され、
前記第1ハウジングを、一方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第1ハウジング本体と、第1蓋部材とにより構成し、
前記第2ハウジングを、他方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第2ハウジング本体と、第2蓋部材とにより構成し、
前記第1蓋部材と第2蓋部材とを対向させた状態で第1ハウジングと第2ハウジングとを固定する構成となし、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設け、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放した凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間か ら前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたことを特徴とする遊技機である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記排出球検出手段の配線の途中にノイズフィルタを設け、該ノイズフィルタを前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの凹室に収納したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて行う。
【0011】
まず、パチンコ遊技機1の全体構成について説明する。図1の背面図に示すように、パチンコ遊技機1の裏側には、裏機構盤2を取り付けてあり、この裏機構盤2の上部には、貸し球或いは賞球として排出する遊技球を一時貯留する球タンク3を設ける。この球タンク3に貯留された遊技球は、球導出樋4、球排出ユニット5、流路切換ユニット6、及び球排出路(図示せず)によって形成される一連の球通路を通って図示しない上皿に排出される。
【0012】
球導出樋4は、球タンク3の下方に球タンク3と連通させた状態で設けてあり、球タンク3から導出した遊技球を2列、即ち2条に整列させながら流下させる。この球導出樋4の出口付近には、半端センサユニット7を設けてある。この半端センサユニット7は、1回の球排出動作に必要な量の遊技球が貯留されているか否かを検出するものである。
【0013】
球排出ユニット5は、本発明の球排出装置の一種であり、球導出樋4の球出口に接続して設けられて、排出制御装置11などの制御装置から出力される球排出制御信号に基づいて所定数の球を流下させる。つまり、この球排出ユニット5は、賞球排出条件や貸し球排出条件の成立に基づいて所要数の遊技球(賞球や貸し球)を排出する。そして、本実施形態の球排出ユニット5は内部に2列(2条)の球流路を備えている。また、図2に示すように、この球排出ユニット5は裏機構盤2に対して着脱可能に構成される。なお、この球排出ユニット5については、後で詳しく説明する。
【0014】
流路切換ユニット6は、本発明の流路切換装置の一種であり、球排出ユニット5の下方に、球排出ユニット5と隣接させて配設される。この流路切換ユニット6は、球排出ユニット5から実際に排出された賞球と貸し球とを、それぞれ異なる球流下路に導いて検出するものである。この流路切換ユニット6もまた、球排出ユニット5と同様に内部に2列(2条)の球流下路を備え、裏機構盤2に対して着脱可能に構成される。なお、この流路切換ユニット6についても、後で詳しく説明する。
【0015】
球排出路は、流路切換ユニット6の出口と上皿とを連通する通路として形成してある。なお、この球排出路では、流路切換ユニット6の下端部分で合流した賞球と貸し球とを合流させた状態で上皿側へ流下案内する。
【0016】
球排出ユニット5とは左右反対側(図中左側)には、可変表示装置や大入賞口等を制御し、パチンコ遊技の制御を行う遊技制御装置12を設けてあり、この遊技制御装置12の下方には球排出ユニット5等を制御する排出制御装置11を設ける。また、遊技制御装置12と排出制御装置11の間の場所には、パチンコ遊技機1に関する効果音等の音信号を生成し、この音信号をスピーカに供給する音制御装置13を設ける。
【0017】
次に、上記の球排出ユニット5について図3に基づき、詳細に説明する。
この球排出ユニット5は、排出制御装置11などの制御装置から出力される球排出信号に基づいて遊技球を排出する。そして、この球排出ユニット5は、賞球排出条件や貸し球排出条件の成立に基づいて所要数の遊技球(賞球や貸し球)を排出する。
【0018】
例示した球排出ユニット5には、ケースの内部に2列の球流路21,21を並行に形成してある。これらの球流路21,21は左右方向に横並びに配置してある。
そして、図3に片面部分を示すように、各条の球流路21は前後方向に蛇行させて形成してあり、球流路21の途中には排出センサ22をそれぞれ設ける。排出センサ22は、球流下路内の遊技球を1個宛検出可能な球検出器であり、例えば、近接センサによって構成される。
【0019】
また、球排出ユニット5には、球流路21内の遊技球の流下を制御する球流下制御部材23も設けてある。この球流下制御部材23は、排出センサ22よりも下流側で先端部分が球流路21に出没可能に配設されている。そして、球流下制御部材23の基端部分は、排出ソレノイド24のプランジャー部に接続されており、排出ソレノイド24の励磁・消磁に応じて球流下制御部材23の先端部分が球流路21に出没する。即ち、排出ソレノイド24の消磁状態では図中実線で示すように球流下制御部材23の先端部分が球流路21内に突出し、排出ソレノイド24が励磁されると図中点線で示すように球流下制御部材23の先端部分が球流路21から退避する。そして、先端部分の突出状態では、この先端部分が球流路21内の遊技球に当接することによって球流路21内の遊技球を停止させる。一方、先端部分の退避状態では、球流路21内の遊技球の流下が許容される。
【0020】
なお、この球排出ユニット5の構成に関し、遊技球の流下が制御できて所要数の遊技球を排出できれば、排出ソレノイド24と球流下制御部材23を有する構成に限定されない。例えば、スプロケットの回転により遊技球を排出する構成でもよいし、ウォームギアの回転によって遊技球を排出する構成でもよい。
【0021】
また、裏機構盤2に対向するケースの前面部には、裏機構盤2の取付部に取り付けるための取付用フック25…を設けてある。この取付用フック25は、ケースから前方に延出した基部とこの基部の先端部分から下向きに延出された先端部分とを有する鉤括弧状の板片部分である。
そして、球排出ユニット5を裏機構盤2の排出ユニット取付部に取り付ける場合には、図2に示すように、各取付用フック25…を、取付部に開設された係止孔(図示せず)にそれぞれ挿入し、取付用フック25を十分奥まで挿入した状態で手を離す。球排出ユニット5から手を離すと球排出ユニット5は、自重により下方向に移動して、取付用フック25の先端部分とハウジング前面との間に取付部が入り込み、球排出ユニット5が取付部に取り付けられる。
【0022】
次に、上記の流路切換ユニット6について図4に基づき、詳細に説明する。この流路切換ユニット6もまた上記の球排出ユニット5と同様に、並行に形成された2列(2条)の球流下路31,31を備えている。そして、これらの球流下路31,31を横U字状に屈曲させて蛇行方向を揃えた状態で左右横並びに配設してある。
なお、球流下路31,31は、流路切換ユニット6及び球排出ユニット5が裏機構盤2に取り付けられた状態で、球排出ユニット5の球流路21,21と連通する。
【0023】
図4(a)に片面部分を示すように、流路切換ユニット6の球流下路31は、途中から賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とに分岐してあり、これらの賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とを前後方向に蛇行させた状態で形成してある。
詳しくは、賞球用球流下路32は、分岐部分よりも下側から後方側(図中左側に相当)に緩やかに下り傾斜した後に、ケースの後端部分で折り返して前方側(図中右側に相当)に緩やかに下り傾斜した横U字状に形成してある。また、貸球用球流下路33は、分岐部分から前方側に向けて賞球用球流下路32よりも急勾配で下り傾斜した後に、後方側に折り返した横U字状に形成してある。つまり、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とは、U字の開口(頭部)を向かい合わせた状態で形成してある。
そして、これらの賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とは流路切換ユニット6の下端部分の合流部34で合流しており、合流された後にユニットの外部、つまり、球排出路に排出される。
【0024】
上記の賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との分岐部分には、流路切換弁35を配設してある。この流路切換弁35は、基端部分に嵌合された回動支軸36を中心に回動可能に取り付けられている。この流路切換弁35は、動力源として機能する流路切換ソレノイド37の励磁・消磁に伴って回動し、遊技球を案内する球流下路31を切り換える。即ち、流路切換ソレノイド37の消磁状態では球排出ユニット5から流下してきた遊技球を賞球用球流下路32に案内し、流路切換ソレノイド37の励磁状態では球排出ユニット5から流下してきた遊技球を貸球用球流下路33に案内する。
なお、流路切換ソレノイド37は、排出制御装置11や遊技制御装置12等の制御装置に電気的に接続されており、この制御装置からの駆動信号によって励磁・消磁が制御される。例えば、流路切換ソレノイド37は、貸し球の排出に連動した所定の貸し球排出期間に亘って励磁される。
【0025】
本実施形態では、流路切換ソレノイド37の動力を流路切換弁35に伝達する動力伝達部材を、流路切換ソレノイド37のプランジャー部に基端部が接続された第1連結ギア部材40と、流路切換弁35の基端側部分に基端部が接続された第2連結ギア部材41とから構成してある。
なお、第2連結ギア部材41は、2列の球流下路31,31のそれぞれに設けた流路切換弁35,35の間に配置され、上記の回動支軸36と連結軸42の2本の軸によってこれらの流路切換弁35,35に接続されている。また、これらの第1連結ギア部材40と第2連結ギア部材41とは、先端部分に設けた歯同士をかみ合わせた状態で配設してある。
【0026】
そして、流路切換ソレノイド37の消磁状態では、スプリングの弾性力によって流路切換ソレノイド37のプランジャー部が下側に移動した状態となる。この消磁状態では、流路切換弁35は自由端がほぼ真上を向いた状態となり、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が許容され、貸球用球流下路33への遊技球の流下が流路切換弁35によって阻止された状態が形成される。
【0027】
一方、流路切換ソレノイド37の励磁状態では、スプリングの弾性力に抗してプランジャー部が上方に移動する。これにより、第1連結ギア部材40は回動軸43を中心にして時計回りに回動する。つまり、基端部分が上方に回動し、先端部分(ギア面)が下方に回動する。第1連結ギア部材40の回動に連動して第2連結ギア部材41は反時計回りに回動する。この第2連結ギア部材41は、回動支軸36を中心にして、先端部分(ギア面)が下方に回動する。そして、この第2連結ギア部材41の回動が連結軸42を介して流路切換弁35に伝達されて、流路切換弁35は、図中点線で示すように、回動支軸36を中心に、先端が流路区画壁に当接するまで後方に向けて反時計回りに回動する。この状態では、貸球用球流下路33への遊技球の流下が許容され、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が流路切換弁35によって阻止される。
【0028】
さらに、励磁状態の流路切換ソレノイド37を消磁状態に戻すと、スプリングの弾性力によって流路切換ソレノイド37のプランジャー部が下側に移動する。これにより、第1連結ギア部材40は回動軸43を中心にして反時計回りに戻り回動し、第2連結ギア部材41及び流路切換弁35は回動支軸36を中心にして時計回りに戻り回動する。そして、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が許容され、貸球用球流下路33への遊技球の流下が阻止された状態に切り換わる。
【0029】
上記の賞球用球流下路32の途中、詳しくは、折り返し部(屈曲部)よりも下流側の部分の途中には、排出賞球センサ44(排出球検出センサ)を設ける。この排出賞球センサ44は、本発明の排出球検出手段の一種であり、遊技球を1個宛検出可能なセンサによって構成してある。本実施形態では、この排出賞球センサ44を近接センサによって構成してある。そして、この排出賞球センサ44を折り返し部(屈曲部)よりも下流側に設けてあるので、流下速度が十分に低くなった賞球を検出させることができ、賞球を確実に検出させることができる。
なお、排出賞球センサ44からの検出信号は、中継基板45を介して遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置に出力される。この制御装置は、排出賞球センサ44からの検出信号に基づいて、実際に排出された賞球を認識したり、計数したりする。
【0030】
次に、この流路切換ユニット6の具体的な構造について、図5の分解斜視図に基づき説明する。
【0031】
例示した流路切換ユニット6は、左右のほぼ中央部分から第1ハウジング51と第2ハウジング52とに2分割できるように構成してある。
【0032】
第1ハウジング51は、内部に球流下路31を形成するための流路区画壁53等を設けた第1ハウジング本体54と、この第1ハウジング本体54の開口面を塞ぐ第1蓋部材55とを備えている。これらの第1ハウジング本体54と第1蓋部材55は、ハウジング内部が視認可能な光透過性部材、例えば、透明な樹脂によって構成する。
第1ハウジング51内には、流路区画壁53や第1蓋部材55等によって、一方の列の球流下路31が区画形成されている。また、第1ハウジング51内には、この球流下路31に対応する第1流路切換弁35aや第1排出賞球センサ44a等も収納されている。
さらに、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とがU字の開口部(頭部)を向かい合わせた状態で形成されているため、この第1ハウジング51における賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との間には、図4(b)に示すように、第1蓋部材55側が開放した凹室56が形成される。この凹室56には、第1排出賞球センサ44aの配線取付面が臨んでいる。
【0033】
同様に、第2ハウジング52は、流路区画壁53等を設けた第2ハウジング本体59と、この第2ハウジング本体59の開口面を塞ぐ第2蓋部材60とを備えている。これらの第2ハウジング本体59及び第2蓋部材60もまた透明な樹脂等によって構成され、ハウジング内部が視認可能になっている。第2ハウジング52内には、他方の列の球流下路31が第1ハウジング51と同様に区画形成されており、この球流下路31に対応する第2流路切換弁35b及び第2排出賞球センサ44b等が収納されている。
そして、図4(b)に示すように、この第2ハウジング52においても、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との間には第2蓋部材60側が開放した凹室61が形成され、この凹室61には、第2排出賞球センサ44bの配線取付面が臨んでいる。
【0034】
そして、第1ハウジング51と第2ハウジング52とを、第1蓋部材55と第2蓋部材60とを対向させて両蓋部材55,60の対向面同士を少し離隔させた状態で固定する。このように両ハウジング51,52を固定すると、対向面同士の間には、上記の凹室56,61に連通した内部空間62が形成される。なお、本実施形態では、蓋部材55,60の縁部を球流下路31側とは反対方向に庇状に延出し、この延出部同士を当接させることで両蓋部材55,60の対向面同士を離隔させている。
つまり、一方の列の球流下路31を内部に備える第1ハウジング51と他方の列の球流下路31を内部に備える第2ハウジング52とを、対向面同士を離隔させた状態で横並びに配置して固定することにより、隣り合う球流下路31,31同士の間に内部空間62を形成している。
【0035】
この内部空間62には、排出賞球センサ44からの配線63が引き出される(図4(b)参照)。つまり、内部空間62を排出賞球センサ44の配線63用の配線貫通空間として使用している。そして、この配線63は、内部空間62を貫通してケース背面に開設した配線開口部64を介してケース外に案内され、ケース背面に取り付けられた中継基板45にコネクタ接続されている。そして、この中継基板45は、遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置にケーブルで接続されており、排出賞球センサ44からの検出信号は制御装置に出力される。
また、内部空間62に連通した凹室56,61には、配線63の他に、この配線63の途中に設けられたノイズフィルタ等の電子部品65を収納してある。
【0036】
さらに、この内部空間62には、第1連結ギア部材40の先端部分と第2連結ギア部材41も収納してある。つまり、排出賞球センサ44の配線貫通空間と動力伝達部材の配設空間とを、隣り合う球流下路31,31同士の間に形成された同一の内部空間62によって構成している。
【0037】
このように、本実施形態では、並行する複数列の球流下路31,31同士の間に形成された内部空間62を、排出賞球センサ44の配線63が貫通する配線貫通空間として使用したので、この配線63に関して、ケースの外に露出する部分を短くすることができる。このため、流路切換ユニット6を取り付ける場合などにおいて、配線63が取付作業の邪魔になり難く、作業性を向上させることができる。そして、各球流下路31に設けた複数の排出賞球センサ44a,44bに関し、各センサの配線63をこの内部空間62で纏めることができるので、配線処理が容易に行える。
【0038】
さらに、この内部空間62を、流路切換ソレノイド37の動力を流路切換弁35に伝達する動力伝達部材用の配設空間としても利用しているので、限られた空間を無駄なく有効に利用することができる。
【0039】
また、流路切換ユニット6を構成するケースの部品、例えば、第1ハウジング51及び第2ハウジング52等の部品を、透光性部材の一種である透明樹脂によって構成し、内部空間62を外部から視認可能に構成したので、不心得な者が排出賞球センサ44の配線63に不正基板を接続するような細工をしても、この細工を容易に発見することができる。
【0040】
また、裏機構盤2に対向するケースの前面部には、裏機構盤2の流路切換ユニット取付部に取り付けるための取付用フック67を設けてある。この取付用フック67は、上記した球排出ユニット5と同様に、ケースから前方に延出した基部とこの基部の先端部分から下向きに延出された先端部分とを有する鉤括弧状の板片部分である。
【0041】
そして、流路切換ユニット6を裏機構盤2の流路切換ユニット取付部に取り付ける場合には、図2に示すように、各取付用フック67…を、取付部に開設された係止孔にそれぞれ挿入し、取付用フック67を十分奥まで挿入した状態で手を離す。手を離すと流路切換ユニット6は、自重により下方向に移動して、取付用フック67の先端部分とハウジング前面との間に取付部が入り込み、流路切換ユニット6が取付部に取り付けられる。
【0042】
なお、流路切換ユニット6は、球排出ユニット5を取り付ける前に取り付ける。これは、流路切換ユニット6の上部後端にユニットロック部材68を設けたためである。このユニットロック部材68は、球排出ユニット5が裏機構盤2の取付部に取り付けられることにより、球排出ユニット5の下部後端に設けたロック受部に係合する。そして、この係合状態では、流路切換ユニット6が取付部から取り外せなくなる。
【0043】
ところで、上記の実施形態では、賞球用球流下路32の途中に排出賞球センサ44を設けたものを例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、貸球用球流下路33の途中にセンサを設け、貸し球を検出させてもよい。
【0044】
以下、このように構成した他の実施形態について説明する。
図6は、他の実施形態における流路切換ユニット6の内部構造を説明する図であり、流路切換ユニット6の片面部分を示した図である。また、図7は、この実施形態における電気的構成を説明するブロック図である。
【0045】
先に説明した実施形態との相違は、貸球用球流下路33の途中に排出貸球センサ71(排出球検出センサ)を設けた点である。この排出貸球センサ71は、本発明の排出球検出手段の一種であり、本実施形態では遊技球を1個宛検出可能な近接センサによって構成してある。そして、排出貸球センサ71の配線72は第1ハウジング51と第2ハウジング52の間に形成された内部空間62、及び、ケース背面に開設した配線開口部64を通じてケース外に案内されて、ケース背面に取り付けられた中継基板45にコネクタ接続されている。そして、排出貸球センサ71の検出信号は、中継基板45を介して遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置に出力される。
本実施形態では、図7に示すように、排出貸球センサ71と遊技制御装置12とをケーブルによって電気的に接続してあり、排出貸球センサ71からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力させている。そして、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号に基づいて、実際に排出された貸し球を認識したり、計数したりする。
【0046】
さらに、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号に基づいて貸し球排出音を出力させる。
即ち、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号を監視しており、排出貸球センサ71からの検出信号を受信したことを契機に、貸球排出音制御手段(球排出音制御手段の一種)として機能して、貸し球排出音を出力させるべく、音制御装置13(音発生装置)に対して貸球排出音制御情報を出力する。
【0047】
なお、賞球排出音も同様な手順で出力させることができる。図7に示すように、排出賞球センサ44と遊技制御装置12とをケーブルによって電気的に接続してあり、排出賞球センサ44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力させる。そして、排出賞球センサ44からの検出信号の受信を契機に遊技制御装置12を賞球排出音制御手段(球排出音制御手段の一種)として機能させ、賞球排出音を出力させるべく、音制御装置13に対して賞球排出音制御情報を出力させる。
【0048】
ところで、以上説明した他の実施形態では、排出貸球センサ71や排出賞球センサ44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力しており、遊技制御装置12を球排出音制御手段として機能させて、排出音制御情報を音制御装置13に出力させているが、本発明はこの構成に限定されない。
例えば、排出貸球センサ71や排出賞球センサ44からの検出信号を音制御装置13などの遊技制御装置12以外の制御装置に直接入力して、各センサ71,44からの検出信号の受信を契機に球排出音を出力させるようにすることもできる。
【0049】
そして、上記の他の実施形態のように、各センサ71,44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力し、遊技制御装置12を球排出音制御手段として機能させることにより、遊技制御装置12が他の制御装置を一括して制御するようにした構成においても、実際に排出された賞球や貸し球に基づいて球排出音を出力することが可能となる。ここで、流路切換ユニット6は球排出ユニットよりも下流側に位置しており、さらに、各センサ71,44は、図示しない上皿に排出される直前の遊技球を検出するので、賞球や貸し球が上皿に排出されるタイミングに、球排出音が出力されるタイミングをあわせることができる。その結果、球排出音によって遊技球が排出されたことを、遊技者に対して確実に認識させることができる。
【0050】
また、上記の各実施形態では、2列の球流下路を備えた流路切換ユニットを例示したが、平行に配設された3列以上の球流下路を備えた流路切換ユニットであっても本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態は、代表的な遊技機あるパチンコ遊技機1を例に挙げて説明したが、本発明は、賞球と貸し球を排出可能な排出可能であれば、パチンコ遊技機1以外の遊技機にも適用することができる。例えば、アレンジボール遊技機や雀球遊技機等にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は以下の効果を奏する。
すなわち、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設けたので、排出球検出手段によって検出される球に関し、十分に減速された状態で検出させることができる。このため、排出球検出手段による球の検出を確実に行わせることができる。
また、前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放した凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間から前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたので、流路切換装置の内部で排出球検出手段の配線を纏めることができる。このため、排出球検出手段の配線を整然と配設することができる。さらに、配線を纏めて引き出すことができるので、露出部分の配線が長くなってしまったり、配線がばらばらに配置されてしまうことを防止することができる。これにより、他の部品等に引っ掛けて配線を断線させてしまう事故も防止できる。
【0052】
そして、前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したので、限られた空間を無駄なく有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の背面図である。
【図2】球排出ユニット及び流路切換ユニットの取り付けを説明する図である。
【図3】球排出ユニットの内部構造を説明する図である。
【図4】(a)は流路切換ユニットの内部構造を説明する図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】流路切換ユニットの分解斜視図である。
【図6】他の実施形態における球排出ユニットの内部構造を説明する図である。
【図7】他の実施形態の電気的構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
2 裏機構盤
3 球タンク
4 球導出樋
5 球排出ユニット
6 流路切換ユニット
7 半端センサユニット
11 排出制御装置
12 遊技制御装置
13 音制御装置
21 球排出ユニットの球流路
22 排出センサ
23 球流下制御部材
24 排出ソレノイド
25 球排出ユニットの取付用フック
31 流路切換ユニットの球流下路
32 賞球用球流下路
33 貸球用球流下路
34 合流部
35 流路切換弁
36 回動支軸
37 流路切換ソレノイド
40 第1連結ギア部材
41 第2連結ギア部材
42 連結軸
43 回動軸
44 排出賞球センサ
45 中継基板
51 第1ハウジング
52 第2ハウジング
53 流路区画壁
54 第1ハウジング本体
55 第1蓋部材
56 第1ハウジング側の凹室
59 第2ハウジング本体
60 第2蓋部材
61 第2ハウジング側の凹室
62 配線貫通空間としての内部空間
63 排出賞球センサの配線
64 配線開口部
65 電子部品
67 流路切換ユニットの取付用フック
68 ユニットロック部材
71 排出貸球センサ
72 排出貸球センサの配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】球流路が左右に並べて配置され、遊技球を排出する球排出装置を備えるとともに、
該球排出装置の下方に左右に並べて配設され、前記球流路に連通した球流下路と、
該球流下路の夫々の途中から賞球用球流下路と貸球用球流下路とに前後方向へ分岐する分岐部分に配設され、前記球排出装置から流下した遊技球を前記賞球用球流下路に案内する第1状態と、前記貸球用流下路に案内する第2状態とに切り換わる流路切換弁と、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との途中に夫々設けられた排出球検出手段と、
から構成される流路切換装置を備えた遊技機において、
前記流路切換装置は、
左右のほぼ中央部分から第1ハウジングと第2ハウジングとに分割可能に構成され、
前記第1ハウジングを、一方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第1ハウジング本体と、第1蓋部材とにより構成し、
前記第2ハウジングを、他方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第2ハウジング本体と、第2蓋部材とにより構成し、
前記第1蓋部材と第2蓋部材とを対向させた状態で第1ハウジングと第2ハウジングとを固定する構成となし、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設け、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放し た凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間から前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】前記排出球検出手段の配線の途中にノイズフィルタを設け、該ノイズフィルタを前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの凹室に収納したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球を排出する球排出装置を備えたパチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
パチンコ遊技機による遊技では、遊技者は、まず、遊技カードに記憶された有価情報と引き替えに遊技球を借り、借りた遊技球(貸し球)を遊技領域に向けて発射する。そして、遊技領域に発射された遊技球(打球)が遊技領域内の入賞口に入賞すると、遊技者は賞としての遊技球(賞球)を獲得する。この獲得した賞球は、パチンコ遊技に使用したり、景品に交換したりする。
このパチンコ遊技機には、賞球や貸し球の排出に連動させて賞球排出音や貸し球排出音を出力させるものがある。賞球排出音の出力は、例えば、賞球流下路の途中にベルを取り付けて、このベルに賞球を衝突させることで行われている。また、貸し球排出音の出力は、例えば、排出制御装置から遊技制御装置へ音制御情報を送信することで行われている。
【0003】
パチンコ遊技機における遊技球の排出は、球排出装置によりなされる。この球排出装置には、賞球と貸し球とを区別することなく排出するものや、賞球用の球排出機構と貸し球用の球排出機構とを別個に備えたものなどがある。
そして、賞球と貸し球とを区別せずに排出する球排出装置は、賞球用の球排出機構と貸し球用の球排出機構とを別個に備えた球排出装置と比べて構造の簡素化が図れるという利点がある。しかし、その一方で、賞球と貸し球とを別個に確認することが困難であるという問題がある。
【0004】
この点に鑑み、球排出装置よりも下流の球流下路を賞球用球流下路と貸球用球流下路とに分岐し、賞球用球流下路と貸球用球流下路の少なくとも一方の球流下路の途中には排出球検出手段としての排出球検出センサを設け、また、球流下路の分岐部分には球の流下方向を切り換える弁を設ける構成が考えられている。この構成では、弁の状態を切り換えることで、球排出装置が排出した賞球を賞球用球流下路に流下案内し、貸し球を貸球用球流下路に案内することができ、案内された賞球や貸し球を別個に排出球検出センサで検出できる。この構成では、賞球や貸し球を実際に排出された遊技球によって確認することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、賞球用球流下路と貸球用球流下路とに球流下路を分岐した遊技機では、排出球検出センサの配線処理が問題になる。つまり、排出球検出センサの配線は、賞球用球流下路や貸球用球流下路を避けて配設する必要があるが、この配線をすぐにケースの外側に出してしまうと、ケース外に露出した部分が長くなってしまったり、配線がばらばらに配置されてしまい邪魔である。また、他の部品等に引っ掛けて断線してしまう虞もある。
【0006】
本発明は、前記した問題点を解消するためになされたものであり、主たる目的は、排出球検出手段の配線を整然と配設可能な遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、球流路が左右に並べて配置され、遊技球を排出する球排出装置を備えるとともに、
該球排出装置の下方に左右に並べて配設され、前記球流路に連通した球流下路と、
該球流下路の夫々の途中から賞球用球流下路と貸球用球流下路とに前後方向へ分岐する分岐部分に配設され、前記球排出装置から流下した遊技球を前記賞球用球流下路に案内する第1状態と、前記貸球用流下路に案内する第2状態とに切り換わる流路切換弁と、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との途中に夫々設けられた排出球検出手段と、
から構成される流路切換装置を備えた遊技機において、
前記流路切換装置は、
左右のほぼ中央部分から第1ハウジングと第2ハウジングとに分割可能に構成され、
前記第1ハウジングを、一方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第1ハウジング本体と、第1蓋部材とにより構成し、
前記第2ハウジングを、他方の球流下路を区画形成する流路区画壁が設けられた第2ハウジング本体と、第2蓋部材とにより構成し、
前記第1蓋部材と第2蓋部材とを対向させた状態で第1ハウジングと第2ハウジングとを固定する構成となし、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設け、
前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放した凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、
前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間か ら前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたことを特徴とする遊技機である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記排出球検出手段の配線の途中にノイズフィルタを設け、該ノイズフィルタを前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの凹室に収納したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明は、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて行う。
【0011】
まず、パチンコ遊技機1の全体構成について説明する。図1の背面図に示すように、パチンコ遊技機1の裏側には、裏機構盤2を取り付けてあり、この裏機構盤2の上部には、貸し球或いは賞球として排出する遊技球を一時貯留する球タンク3を設ける。この球タンク3に貯留された遊技球は、球導出樋4、球排出ユニット5、流路切換ユニット6、及び球排出路(図示せず)によって形成される一連の球通路を通って図示しない上皿に排出される。
【0012】
球導出樋4は、球タンク3の下方に球タンク3と連通させた状態で設けてあり、球タンク3から導出した遊技球を2列、即ち2条に整列させながら流下させる。この球導出樋4の出口付近には、半端センサユニット7を設けてある。この半端センサユニット7は、1回の球排出動作に必要な量の遊技球が貯留されているか否かを検出するものである。
【0013】
球排出ユニット5は、本発明の球排出装置の一種であり、球導出樋4の球出口に接続して設けられて、排出制御装置11などの制御装置から出力される球排出制御信号に基づいて所定数の球を流下させる。つまり、この球排出ユニット5は、賞球排出条件や貸し球排出条件の成立に基づいて所要数の遊技球(賞球や貸し球)を排出する。そして、本実施形態の球排出ユニット5は内部に2列(2条)の球流路を備えている。また、図2に示すように、この球排出ユニット5は裏機構盤2に対して着脱可能に構成される。なお、この球排出ユニット5については、後で詳しく説明する。
【0014】
流路切換ユニット6は、本発明の流路切換装置の一種であり、球排出ユニット5の下方に、球排出ユニット5と隣接させて配設される。この流路切換ユニット6は、球排出ユニット5から実際に排出された賞球と貸し球とを、それぞれ異なる球流下路に導いて検出するものである。この流路切換ユニット6もまた、球排出ユニット5と同様に内部に2列(2条)の球流下路を備え、裏機構盤2に対して着脱可能に構成される。なお、この流路切換ユニット6についても、後で詳しく説明する。
【0015】
球排出路は、流路切換ユニット6の出口と上皿とを連通する通路として形成してある。なお、この球排出路では、流路切換ユニット6の下端部分で合流した賞球と貸し球とを合流させた状態で上皿側へ流下案内する。
【0016】
球排出ユニット5とは左右反対側(図中左側)には、可変表示装置や大入賞口等を制御し、パチンコ遊技の制御を行う遊技制御装置12を設けてあり、この遊技制御装置12の下方には球排出ユニット5等を制御する排出制御装置11を設ける。また、遊技制御装置12と排出制御装置11の間の場所には、パチンコ遊技機1に関する効果音等の音信号を生成し、この音信号をスピーカに供給する音制御装置13を設ける。
【0017】
次に、上記の球排出ユニット5について図3に基づき、詳細に説明する。
この球排出ユニット5は、排出制御装置11などの制御装置から出力される球排出信号に基づいて遊技球を排出する。そして、この球排出ユニット5は、賞球排出条件や貸し球排出条件の成立に基づいて所要数の遊技球(賞球や貸し球)を排出する。
【0018】
例示した球排出ユニット5には、ケースの内部に2列の球流路21,21を並行に形成してある。これらの球流路21,21は左右方向に横並びに配置してある。
そして、図3に片面部分を示すように、各条の球流路21は前後方向に蛇行させて形成してあり、球流路21の途中には排出センサ22をそれぞれ設ける。排出センサ22は、球流下路内の遊技球を1個宛検出可能な球検出器であり、例えば、近接センサによって構成される。
【0019】
また、球排出ユニット5には、球流路21内の遊技球の流下を制御する球流下制御部材23も設けてある。この球流下制御部材23は、排出センサ22よりも下流側で先端部分が球流路21に出没可能に配設されている。そして、球流下制御部材23の基端部分は、排出ソレノイド24のプランジャー部に接続されており、排出ソレノイド24の励磁・消磁に応じて球流下制御部材23の先端部分が球流路21に出没する。即ち、排出ソレノイド24の消磁状態では図中実線で示すように球流下制御部材23の先端部分が球流路21内に突出し、排出ソレノイド24が励磁されると図中点線で示すように球流下制御部材23の先端部分が球流路21から退避する。そして、先端部分の突出状態では、この先端部分が球流路21内の遊技球に当接することによって球流路21内の遊技球を停止させる。一方、先端部分の退避状態では、球流路21内の遊技球の流下が許容される。
【0020】
なお、この球排出ユニット5の構成に関し、遊技球の流下が制御できて所要数の遊技球を排出できれば、排出ソレノイド24と球流下制御部材23を有する構成に限定されない。例えば、スプロケットの回転により遊技球を排出する構成でもよいし、ウォームギアの回転によって遊技球を排出する構成でもよい。
【0021】
また、裏機構盤2に対向するケースの前面部には、裏機構盤2の取付部に取り付けるための取付用フック25…を設けてある。この取付用フック25は、ケースから前方に延出した基部とこの基部の先端部分から下向きに延出された先端部分とを有する鉤括弧状の板片部分である。
そして、球排出ユニット5を裏機構盤2の排出ユニット取付部に取り付ける場合には、図2に示すように、各取付用フック25…を、取付部に開設された係止孔(図示せず)にそれぞれ挿入し、取付用フック25を十分奥まで挿入した状態で手を離す。球排出ユニット5から手を離すと球排出ユニット5は、自重により下方向に移動して、取付用フック25の先端部分とハウジング前面との間に取付部が入り込み、球排出ユニット5が取付部に取り付けられる。
【0022】
次に、上記の流路切換ユニット6について図4に基づき、詳細に説明する。この流路切換ユニット6もまた上記の球排出ユニット5と同様に、並行に形成された2列(2条)の球流下路31,31を備えている。そして、これらの球流下路31,31を横U字状に屈曲させて蛇行方向を揃えた状態で左右横並びに配設してある。
なお、球流下路31,31は、流路切換ユニット6及び球排出ユニット5が裏機構盤2に取り付けられた状態で、球排出ユニット5の球流路21,21と連通する。
【0023】
図4(a)に片面部分を示すように、流路切換ユニット6の球流下路31は、途中から賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とに分岐してあり、これらの賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とを前後方向に蛇行させた状態で形成してある。
詳しくは、賞球用球流下路32は、分岐部分よりも下側から後方側(図中左側に相当)に緩やかに下り傾斜した後に、ケースの後端部分で折り返して前方側(図中右側に相当)に緩やかに下り傾斜した横U字状に形成してある。また、貸球用球流下路33は、分岐部分から前方側に向けて賞球用球流下路32よりも急勾配で下り傾斜した後に、後方側に折り返した横U字状に形成してある。つまり、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とは、U字の開口(頭部)を向かい合わせた状態で形成してある。
そして、これらの賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とは流路切換ユニット6の下端部分の合流部34で合流しており、合流された後にユニットの外部、つまり、球排出路に排出される。
【0024】
上記の賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との分岐部分には、流路切換弁35を配設してある。この流路切換弁35は、基端部分に嵌合された回動支軸36を中心に回動可能に取り付けられている。この流路切換弁35は、動力源として機能する流路切換ソレノイド37の励磁・消磁に伴って回動し、遊技球を案内する球流下路31を切り換える。即ち、流路切換ソレノイド37の消磁状態では球排出ユニット5から流下してきた遊技球を賞球用球流下路32に案内し、流路切換ソレノイド37の励磁状態では球排出ユニット5から流下してきた遊技球を貸球用球流下路33に案内する。
なお、流路切換ソレノイド37は、排出制御装置11や遊技制御装置12等の制御装置に電気的に接続されており、この制御装置からの駆動信号によって励磁・消磁が制御される。例えば、流路切換ソレノイド37は、貸し球の排出に連動した所定の貸し球排出期間に亘って励磁される。
【0025】
本実施形態では、流路切換ソレノイド37の動力を流路切換弁35に伝達する動力伝達部材を、流路切換ソレノイド37のプランジャー部に基端部が接続された第1連結ギア部材40と、流路切換弁35の基端側部分に基端部が接続された第2連結ギア部材41とから構成してある。
なお、第2連結ギア部材41は、2列の球流下路31,31のそれぞれに設けた流路切換弁35,35の間に配置され、上記の回動支軸36と連結軸42の2本の軸によってこれらの流路切換弁35,35に接続されている。また、これらの第1連結ギア部材40と第2連結ギア部材41とは、先端部分に設けた歯同士をかみ合わせた状態で配設してある。
【0026】
そして、流路切換ソレノイド37の消磁状態では、スプリングの弾性力によって流路切換ソレノイド37のプランジャー部が下側に移動した状態となる。この消磁状態では、流路切換弁35は自由端がほぼ真上を向いた状態となり、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が許容され、貸球用球流下路33への遊技球の流下が流路切換弁35によって阻止された状態が形成される。
【0027】
一方、流路切換ソレノイド37の励磁状態では、スプリングの弾性力に抗してプランジャー部が上方に移動する。これにより、第1連結ギア部材40は回動軸43を中心にして時計回りに回動する。つまり、基端部分が上方に回動し、先端部分(ギア面)が下方に回動する。第1連結ギア部材40の回動に連動して第2連結ギア部材41は反時計回りに回動する。この第2連結ギア部材41は、回動支軸36を中心にして、先端部分(ギア面)が下方に回動する。そして、この第2連結ギア部材41の回動が連結軸42を介して流路切換弁35に伝達されて、流路切換弁35は、図中点線で示すように、回動支軸36を中心に、先端が流路区画壁に当接するまで後方に向けて反時計回りに回動する。この状態では、貸球用球流下路33への遊技球の流下が許容され、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が流路切換弁35によって阻止される。
【0028】
さらに、励磁状態の流路切換ソレノイド37を消磁状態に戻すと、スプリングの弾性力によって流路切換ソレノイド37のプランジャー部が下側に移動する。これにより、第1連結ギア部材40は回動軸43を中心にして反時計回りに戻り回動し、第2連結ギア部材41及び流路切換弁35は回動支軸36を中心にして時計回りに戻り回動する。そして、賞球用球流下路32側への遊技球の流下が許容され、貸球用球流下路33への遊技球の流下が阻止された状態に切り換わる。
【0029】
上記の賞球用球流下路32の途中、詳しくは、折り返し部(屈曲部)よりも下流側の部分の途中には、排出賞球センサ44(排出球検出センサ)を設ける。この排出賞球センサ44は、本発明の排出球検出手段の一種であり、遊技球を1個宛検出可能なセンサによって構成してある。本実施形態では、この排出賞球センサ44を近接センサによって構成してある。そして、この排出賞球センサ44を折り返し部(屈曲部)よりも下流側に設けてあるので、流下速度が十分に低くなった賞球を検出させることができ、賞球を確実に検出させることができる。
なお、排出賞球センサ44からの検出信号は、中継基板45を介して遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置に出力される。この制御装置は、排出賞球センサ44からの検出信号に基づいて、実際に排出された賞球を認識したり、計数したりする。
【0030】
次に、この流路切換ユニット6の具体的な構造について、図5の分解斜視図に基づき説明する。
【0031】
例示した流路切換ユニット6は、左右のほぼ中央部分から第1ハウジング51と第2ハウジング52とに2分割できるように構成してある。
【0032】
第1ハウジング51は、内部に球流下路31を形成するための流路区画壁53等を設けた第1ハウジング本体54と、この第1ハウジング本体54の開口面を塞ぐ第1蓋部材55とを備えている。これらの第1ハウジング本体54と第1蓋部材55は、ハウジング内部が視認可能な光透過性部材、例えば、透明な樹脂によって構成する。
第1ハウジング51内には、流路区画壁53や第1蓋部材55等によって、一方の列の球流下路31が区画形成されている。また、第1ハウジング51内には、この球流下路31に対応する第1流路切換弁35aや第1排出賞球センサ44a等も収納されている。
さらに、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33とがU字の開口部(頭部)を向かい合わせた状態で形成されているため、この第1ハウジング51における賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との間には、図4(b)に示すように、第1蓋部材55側が開放した凹室56が形成される。この凹室56には、第1排出賞球センサ44aの配線取付面が臨んでいる。
【0033】
同様に、第2ハウジング52は、流路区画壁53等を設けた第2ハウジング本体59と、この第2ハウジング本体59の開口面を塞ぐ第2蓋部材60とを備えている。これらの第2ハウジング本体59及び第2蓋部材60もまた透明な樹脂等によって構成され、ハウジング内部が視認可能になっている。第2ハウジング52内には、他方の列の球流下路31が第1ハウジング51と同様に区画形成されており、この球流下路31に対応する第2流路切換弁35b及び第2排出賞球センサ44b等が収納されている。
そして、図4(b)に示すように、この第2ハウジング52においても、賞球用球流下路32と貸球用球流下路33との間には第2蓋部材60側が開放した凹室61が形成され、この凹室61には、第2排出賞球センサ44bの配線取付面が臨んでいる。
【0034】
そして、第1ハウジング51と第2ハウジング52とを、第1蓋部材55と第2蓋部材60とを対向させて両蓋部材55,60の対向面同士を少し離隔させた状態で固定する。このように両ハウジング51,52を固定すると、対向面同士の間には、上記の凹室56,61に連通した内部空間62が形成される。なお、本実施形態では、蓋部材55,60の縁部を球流下路31側とは反対方向に庇状に延出し、この延出部同士を当接させることで両蓋部材55,60の対向面同士を離隔させている。
つまり、一方の列の球流下路31を内部に備える第1ハウジング51と他方の列の球流下路31を内部に備える第2ハウジング52とを、対向面同士を離隔させた状態で横並びに配置して固定することにより、隣り合う球流下路31,31同士の間に内部空間62を形成している。
【0035】
この内部空間62には、排出賞球センサ44からの配線63が引き出される(図4(b)参照)。つまり、内部空間62を排出賞球センサ44の配線63用の配線貫通空間として使用している。そして、この配線63は、内部空間62を貫通してケース背面に開設した配線開口部64を介してケース外に案内され、ケース背面に取り付けられた中継基板45にコネクタ接続されている。そして、この中継基板45は、遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置にケーブルで接続されており、排出賞球センサ44からの検出信号は制御装置に出力される。
また、内部空間62に連通した凹室56,61には、配線63の他に、この配線63の途中に設けられたノイズフィルタ等の電子部品65を収納してある。
【0036】
さらに、この内部空間62には、第1連結ギア部材40の先端部分と第2連結ギア部材41も収納してある。つまり、排出賞球センサ44の配線貫通空間と動力伝達部材の配設空間とを、隣り合う球流下路31,31同士の間に形成された同一の内部空間62によって構成している。
【0037】
このように、本実施形態では、並行する複数列の球流下路31,31同士の間に形成された内部空間62を、排出賞球センサ44の配線63が貫通する配線貫通空間として使用したので、この配線63に関して、ケースの外に露出する部分を短くすることができる。このため、流路切換ユニット6を取り付ける場合などにおいて、配線63が取付作業の邪魔になり難く、作業性を向上させることができる。そして、各球流下路31に設けた複数の排出賞球センサ44a,44bに関し、各センサの配線63をこの内部空間62で纏めることができるので、配線処理が容易に行える。
【0038】
さらに、この内部空間62を、流路切換ソレノイド37の動力を流路切換弁35に伝達する動力伝達部材用の配設空間としても利用しているので、限られた空間を無駄なく有効に利用することができる。
【0039】
また、流路切換ユニット6を構成するケースの部品、例えば、第1ハウジング51及び第2ハウジング52等の部品を、透光性部材の一種である透明樹脂によって構成し、内部空間62を外部から視認可能に構成したので、不心得な者が排出賞球センサ44の配線63に不正基板を接続するような細工をしても、この細工を容易に発見することができる。
【0040】
また、裏機構盤2に対向するケースの前面部には、裏機構盤2の流路切換ユニット取付部に取り付けるための取付用フック67を設けてある。この取付用フック67は、上記した球排出ユニット5と同様に、ケースから前方に延出した基部とこの基部の先端部分から下向きに延出された先端部分とを有する鉤括弧状の板片部分である。
【0041】
そして、流路切換ユニット6を裏機構盤2の流路切換ユニット取付部に取り付ける場合には、図2に示すように、各取付用フック67…を、取付部に開設された係止孔にそれぞれ挿入し、取付用フック67を十分奥まで挿入した状態で手を離す。手を離すと流路切換ユニット6は、自重により下方向に移動して、取付用フック67の先端部分とハウジング前面との間に取付部が入り込み、流路切換ユニット6が取付部に取り付けられる。
【0042】
なお、流路切換ユニット6は、球排出ユニット5を取り付ける前に取り付ける。これは、流路切換ユニット6の上部後端にユニットロック部材68を設けたためである。このユニットロック部材68は、球排出ユニット5が裏機構盤2の取付部に取り付けられることにより、球排出ユニット5の下部後端に設けたロック受部に係合する。そして、この係合状態では、流路切換ユニット6が取付部から取り外せなくなる。
【0043】
ところで、上記の実施形態では、賞球用球流下路32の途中に排出賞球センサ44を設けたものを例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、貸球用球流下路33の途中にセンサを設け、貸し球を検出させてもよい。
【0044】
以下、このように構成した他の実施形態について説明する。
図6は、他の実施形態における流路切換ユニット6の内部構造を説明する図であり、流路切換ユニット6の片面部分を示した図である。また、図7は、この実施形態における電気的構成を説明するブロック図である。
【0045】
先に説明した実施形態との相違は、貸球用球流下路33の途中に排出貸球センサ71(排出球検出センサ)を設けた点である。この排出貸球センサ71は、本発明の排出球検出手段の一種であり、本実施形態では遊技球を1個宛検出可能な近接センサによって構成してある。そして、排出貸球センサ71の配線72は第1ハウジング51と第2ハウジング52の間に形成された内部空間62、及び、ケース背面に開設した配線開口部64を通じてケース外に案内されて、ケース背面に取り付けられた中継基板45にコネクタ接続されている。そして、排出貸球センサ71の検出信号は、中継基板45を介して遊技制御装置12や排出制御装置11等の制御装置に出力される。
本実施形態では、図7に示すように、排出貸球センサ71と遊技制御装置12とをケーブルによって電気的に接続してあり、排出貸球センサ71からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力させている。そして、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号に基づいて、実際に排出された貸し球を認識したり、計数したりする。
【0046】
さらに、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号に基づいて貸し球排出音を出力させる。
即ち、遊技制御装置12は、排出貸球センサ71からの検出信号を監視しており、排出貸球センサ71からの検出信号を受信したことを契機に、貸球排出音制御手段(球排出音制御手段の一種)として機能して、貸し球排出音を出力させるべく、音制御装置13(音発生装置)に対して貸球排出音制御情報を出力する。
【0047】
なお、賞球排出音も同様な手順で出力させることができる。図7に示すように、排出賞球センサ44と遊技制御装置12とをケーブルによって電気的に接続してあり、排出賞球センサ44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力させる。そして、排出賞球センサ44からの検出信号の受信を契機に遊技制御装置12を賞球排出音制御手段(球排出音制御手段の一種)として機能させ、賞球排出音を出力させるべく、音制御装置13に対して賞球排出音制御情報を出力させる。
【0048】
ところで、以上説明した他の実施形態では、排出貸球センサ71や排出賞球センサ44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力しており、遊技制御装置12を球排出音制御手段として機能させて、排出音制御情報を音制御装置13に出力させているが、本発明はこの構成に限定されない。
例えば、排出貸球センサ71や排出賞球センサ44からの検出信号を音制御装置13などの遊技制御装置12以外の制御装置に直接入力して、各センサ71,44からの検出信号の受信を契機に球排出音を出力させるようにすることもできる。
【0049】
そして、上記の他の実施形態のように、各センサ71,44からの検出信号を遊技制御装置12に直接入力し、遊技制御装置12を球排出音制御手段として機能させることにより、遊技制御装置12が他の制御装置を一括して制御するようにした構成においても、実際に排出された賞球や貸し球に基づいて球排出音を出力することが可能となる。ここで、流路切換ユニット6は球排出ユニットよりも下流側に位置しており、さらに、各センサ71,44は、図示しない上皿に排出される直前の遊技球を検出するので、賞球や貸し球が上皿に排出されるタイミングに、球排出音が出力されるタイミングをあわせることができる。その結果、球排出音によって遊技球が排出されたことを、遊技者に対して確実に認識させることができる。
【0050】
また、上記の各実施形態では、2列の球流下路を備えた流路切換ユニットを例示したが、平行に配設された3列以上の球流下路を備えた流路切換ユニットであっても本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態は、代表的な遊技機あるパチンコ遊技機1を例に挙げて説明したが、本発明は、賞球と貸し球を排出可能な排出可能であれば、パチンコ遊技機1以外の遊技機にも適用することができる。例えば、アレンジボール遊技機や雀球遊技機等にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は以下の効果を奏する。
すなわち、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングは、前記賞球用球流下路と貸球用球流下路とを横U字状に折り返して形成し、前後方向にU字の開口部が向かい合う状態で設け、折り返し部よりも下流側に前記排出球検出手段を設けたので、排出球検出手段によって検出される球に関し、十分に減速された状態で検出させることができる。このため、排出球検出手段による球の検出を確実に行わせることができる。
また、前記賞球用球流下路と貸球用球流下路との間に、前記第1ハウジングには前記第1蓋部材側が開放した凹室を、前記第2ハウジングには第2蓋部材側が開放した凹室を夫々形成し、各凹室に前記排出球検出手段の配線取付面を臨ませ、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングを、両蓋部材の対向面を離隔した状態で固定し、対向面の間に前記凹室に連通する内部空間を形成し、該内部空間から前記排出球検出手段の配線を引き出すようにしたので、流路切換装置の内部で排出球検出手段の配線を纏めることができる。このため、排出球検出手段の配線を整然と配設することができる。さらに、配線を纏めて引き出すことができるので、露出部分の配線が長くなってしまったり、配線がばらばらに配置されてしまうことを防止することができる。これにより、他の部品等に引っ掛けて配線を断線させてしまう事故も防止できる。
【0052】
そして、前記内部空間には、前記流路切換弁に動力源の動力を伝達する動力伝達部材を配設したので、限られた空間を無駄なく有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の背面図である。
【図2】球排出ユニット及び流路切換ユニットの取り付けを説明する図である。
【図3】球排出ユニットの内部構造を説明する図である。
【図4】(a)は流路切換ユニットの内部構造を説明する図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】流路切換ユニットの分解斜視図である。
【図6】他の実施形態における球排出ユニットの内部構造を説明する図である。
【図7】他の実施形態の電気的構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
2 裏機構盤
3 球タンク
4 球導出樋
5 球排出ユニット
6 流路切換ユニット
7 半端センサユニット
11 排出制御装置
12 遊技制御装置
13 音制御装置
21 球排出ユニットの球流路
22 排出センサ
23 球流下制御部材
24 排出ソレノイド
25 球排出ユニットの取付用フック
31 流路切換ユニットの球流下路
32 賞球用球流下路
33 貸球用球流下路
34 合流部
35 流路切換弁
36 回動支軸
37 流路切換ソレノイド
40 第1連結ギア部材
41 第2連結ギア部材
42 連結軸
43 回動軸
44 排出賞球センサ
45 中継基板
51 第1ハウジング
52 第2ハウジング
53 流路区画壁
54 第1ハウジング本体
55 第1蓋部材
56 第1ハウジング側の凹室
59 第2ハウジング本体
60 第2蓋部材
61 第2ハウジング側の凹室
62 配線貫通空間としての内部空間
63 排出賞球センサの配線
64 配線開口部
65 電子部品
67 流路切換ユニットの取付用フック
68 ユニットロック部材
71 排出貸球センサ
72 排出貸球センサの配線
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20436199A JP3982951B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20436199A JP3982951B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 遊技機 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001029609A JP2001029609A (ja) | 2001-02-06 |
JP2001029609A5 true JP2001029609A5 (ja) | 2004-07-22 |
JP3982951B2 JP3982951B2 (ja) | 2007-09-26 |
Family
ID=16489249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20436199A Expired - Fee Related JP3982951B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3982951B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003339537A (ja) * | 2002-05-28 | 2003-12-02 | Frontier Engineering:Kk | 流動性食品材料の連続通電加熱装置 |
-
1999
- 1999-07-19 JP JP20436199A patent/JP3982951B2/ja not_active Expired - Fee Related
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4311671B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4030613B2 (ja) | 弾球遊技機 | |
JP4536563B2 (ja) | アタッカ装置 | |
JP2001029609A5 (ja) | ||
JP4131546B2 (ja) | スロットマシン | |
JP3982951B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2006263195A (ja) | 遊技機 | |
JP4300551B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4300552B2 (ja) | 遊技機 | |
JPH10328379A (ja) | 弾球遊技機 | |
JP3685664B2 (ja) | 遊技機 | |
JP3644870B2 (ja) | パチンコ機の遊技盤 | |
JP2001070572A (ja) | 遊技機 | |
JP4565070B2 (ja) | 弾球遊技機 | |
JP6627852B2 (ja) | 遊技機 | |
JPH08164254A (ja) | 玉払出装置 | |
JP2001327720A (ja) | パチンコ遊戯装置 | |
JP2001104626A (ja) | 遊技機 | |
JP3005748B2 (ja) | パチンコ遊技機における前枠体 | |
JP4058658B2 (ja) | パチンコ遊技機 | |
JP3019856B2 (ja) | パチンコ機 | |
JP2017164367A (ja) | 遊技機 | |
JP2017164368A (ja) | 遊技機 | |
JP2001096032A (ja) | 遊技機 | |
JP2020096816A (ja) | 遊技機 |