JP2001029390A - 使い捨て衛生材料用シート - Google Patents

使い捨て衛生材料用シート

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JP2001029390A
JP2001029390A JP2000168232A JP2000168232A JP2001029390A JP 2001029390 A JP2001029390 A JP 2001029390A JP 2000168232 A JP2000168232 A JP 2000168232A JP 2000168232 A JP2000168232 A JP 2000168232A JP 2001029390 A JP2001029390 A JP 2001029390A
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sheet
liquid
fibers
vertical
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JP2000168232A
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Masaru Ogawa
小河  勝
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエブのヨコ方向のおける液にじみが抑制さ
れた使い捨ておしめ等のトップシートの提供。 【解決手段】 疎水性合成繊維の連続フィラメントの不
織布のウエブからなり、該ウエブには液透過性処理剤が
付与されており、該ウエブのJIS−L−1085によ
り測定した引張強度のタテ・ヨコ比が2.3以上であっ
て、かつウエブ中の繊維の配列がマイクロ波透過度のタ
テ・ヨコ比1.1以上であって、ウエブ表面での液のウ
エブの横方向にじみ拡がりがウエブ面に千鳥配置又は縦
線配置した熱融着部により抑制された使い捨て衛生材料
用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使い捨て衛生材料に
関する。より詳しくは使い捨ておしめ等のトップシート
に用いられる使い捨て衛生材料に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に使い捨ておむつの一例の平面図を
示し、図2に断面図を示す。図1および図2に示すよう
に、使い捨ておむつ1は排泄液体吸収用吸収体3を挟ん
で表面側(人体側)にトップシート2を、裏側にバック
シート4を配置することによって構成される。前記トッ
プシート2としては従来から各種不織布が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、使い捨ておむつ
の普及はめざましく、その生産量も急増してきている。
このような環境下における使い捨ておむつとしての問題
点として、1つはその製造ラインでのロスの減少及び品
質の安定性が重要な点である。特に生産量の拡大に伴な
い高生産性の要請が強く、設備的な工夫がされてきてい
るが、使用材料についても高速度ラインに耐える強度だ
けでなく、たびたび発生する低〜高速変速時の変化に耐
え、シワの発生、幅ズレ、幅の寸法変化の少ない材料が
必要となってきた。
【0004】第2の問題点としては使い捨ておむつの性
能面で、漏れについての改良がある。これについてはこ
れまで各種の提案がなされている。すなわち使い捨てお
むつの形態安定性を増して漏れを防止する方法として
は、よじれ防止ネット、排泄液体吸収用吸収体の使用量
を増加する方法、ホットメルト接着剤を用いて漏れを防
止する方法が知られている。使い捨ておむつの形態を改
良して漏れを防止する方法としては、パンツスタイルに
したり、使い捨ておむつのサイドやウエストにギャザー
を設ける方法が知られている。吸収力をあげて漏れを防
止する方法としては、高吸水ポリマーや拡散シートを用
いる方法が知られている。使い捨ておむつの使用時に使
い捨ておむつがゆるんで漏れが発生することを防止する
方法としては、伸縮テープ、取付自由テープを用いる方
法が知られている。
【0005】一方トップシートに対しては透液速度を早
くするために瞬間吸水性や数次透水性を付与したり、あ
るいは吸収体に接触する部分のみに液透過性処理剤を付
与し、その外側の部分は不織布自体の疎水性を利用し
て、排泄液体が外側の部分に伝たわらないようにし、そ
れでも充分でない漏れ防止、より詳しくは横漏れや縦漏
れの防止のために外側の部分にギャザーを設けたり、あ
るいはホットメルト剤を塗布してその部分の不織布の繊
維間空隙をなくして毛細管現象による排泄液体の進行を
防止する等の対策がとられている。
【0006】これらの対策を適切に組合せて用いること
により、従来の使い捨ておむつであっても取付不良やサ
イズ不一致等の使用者側の取扱いミスがない限り、排泄
時での漏れ防止はほゞ防止できる。しかしながら、一度
排泄されて吸収された排泄液体が時間経過と共ににじみ
もれしたり、特定の処、特に狭い部分に吸収が集中した
場合に生ずる漏れに対しては前述の従来の対策では解決
することができない。すなわち排泄後の排泄液体によっ
て生ずる漏れ発生を防止する方法については何等解決さ
れていないのが現状である。又前述の各対策の中には、
使い捨ておむつの嵩が大きくなりすぎたり、人体が接触
するトップシートの風合が硬くなったりあるいはコスト
高になったりするものがあり、必ずしも実用的でなかっ
た。
【0007】本発明は従来のオムツラインの高速化に伴
なう製造上の問題と、使い捨ておむつの有する漏れ特に
にじみの問題点を解消するために、トップシートとして
用いられる不織布シートの本質的な構造を改良すること
によって、特別な処理を施すことなしに、且つシートの
有する風合を維持しながら前記排泄液体のにじみを防止
することのできるトップシート用の衛生材料用シートを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の前述の目的は、
疎水性合成繊維の連続フィラメントの不織布のウエブか
らなり、該ウエブには液透過性処理剤が付与されてお
り、該ウエブのJIS−L−1085により測定した引
張強度のタテ・ヨコ比が2.3以上であって、かつ該ウ
エブ中の繊維の配列がマイクロ波透過度のタテ・ヨコ比
1.1以上であって、ウエブ表面での液のウエブの横方
向にじみ拡がりがウエブ面に千鳥配置又は縦線配置した
熱融着部により抑制されていることを特徴とする使い捨
て衛生材料用シート達成される。
【0009】通常オムツ製造ラインでシートにかかる張
力はそのシートの破断する強さに相当するものではなく
そのライン上で加えられる工程にもよるが、極く低い張
力であって、一般的にはオムツ全幅に対し1〜6kgであ
り、速度変化によって高速ほど高張力となるが、平均ほ
ぼ2kg/30cm巾程度であると推定される。したがっ
て、いかに破断強力が強いものであってもラインでかか
る張力で、変形し易いものであれば、速度依存性の高い
ものとなり、低破断強力でもライン張力で変形しにくい
ものであれば、その走行安定性の優れたものと言える。
本発明者らは、コスト面から、同じ重さ(目付)でまた
オムツトップシートとしての表面カバー性、風合等を含
めた性能面を考え合わせながら改良方法について検討を
進め、ウエブ中の繊維の配列にタテ、ヨコ方向差を設け
ることにより、特に張力の加わる方向(通常ラインでは
ウエブタテ方向)に配列を優位にすることにより、柔軟
な繊維でも、低張力での幅変化は少なくなり、全体とし
ての柔軟な風合、表面カバー性を維持したまま、オムツ
ライン上での走行安定性が付与し得ることを見い出し
た。これはトップシートとして透水性能を付与しての使
用、透水部/撥水部を組み合わせて使用するいずれの場
合にも有効である。
【0010】本発明者らは一般に液体はウエブ中の引き
そろった繊維の配列の良い方に沿って毛細管現象で進み
易いことに注目し、そこで前述のように透水性ウエブ中
の繊維の配列にタテ・ヨコ方向差を設け、排泄液体がに
じんでは困る方向を横切って繊維がより多く配列される
ように本発明のシートを用いれば特別な処理を施すこと
なく排泄液体のにじみを防止することができることを知
った。
【0011】特に前記ウエブ中の繊維の接合を線状の部
分熱圧着で行えば前記排泄液体のにじみを特定方向に制
御して防止することができる。部分熱圧着のパターンの
各種の例を図3〜図6に示す。図3は千鳥状配置ピンポ
イントエンボス5を示し、円形の突起が千鳥状に配置し
たエンボスロール又はエンボスプレートを用いて得ら
れ、6で示す部分でウエブ中の繊維が部分熱圧着され
る。図4は縦線エンボス7を示し、W1 のピッチで幅W
2 の線状熱圧着部8がウエブの長手方向に平行に配置さ
れている。図5に示すように、線状熱圧着部10が屈折
している変形縦(ジグザグ)線エンボス9を用いてもよ
い。図6は横線エンボス11を示し、W1 のピッチで幅
2 の線状熱圧着部12がウエブの幅方向に平行に配置
されている。図3に示す千鳥状ピンポイントエンボス5
では毛細管現象を示す繊維層が連続しており、この繊維
層の毛細管現象による液のにじみをウエブの特定方向で
抑制することができない。しかし図4〜図6に示すよう
に線状熱圧着部を用いれば、熱圧着された部分では繊維
が圧着し表裏一体化し、繊維層としては途切れているの
で熱圧着線に直角な方向には液の繊維間移動が抑制され
ることになり液のにじみをとめることができる。図4及
び図5はウエブの横(幅)方向の液のにじみ制御に有効
である。前記図4〜図6に示す線のピッチW1 および線
の幅W2 はシートの用いる用途に応じて任意に選定する
ことができる。W1 を小さくW2 を大きくすれば液のに
じみを抑制するのに役立つ。W1 を大きく、W2 を小さ
くすると柔軟となる。W1 が小さすぎたり、W2 が大き
すぎると柔軟性を失い好ましくない。逆の関係にすると
毛羽立ち、強力低下が起きる。したがって例えばW1
1〜5mm、W2 は0.1〜1mmの範囲、好ましくはW 1
は2〜3mm、W2 は0.2〜0.5mmの範囲にすれば風
合、毛羽立ち、強力、にじみ防止効果上好ましい。柔軟
性等の点から線状熱着部を例えば1mm以下、好ましくは
0.3mmの間隔をあけて不連続にしてもよい。このよう
にすればシートの柔軟性を保ちながら液のにじみを抑制
することができる。
【0012】当然必要によってはタテ、ヨコ方向共にじ
み止めする考えで格子状のエンボスパターンを用いるこ
とも有用である。図7〜図9に例としてスパンボンド法
でのウエブを形成する方法の各種態様を示す。図7
(A)において、フィラメント群f1 は紡糸口13aか
ら押出され、高速気流牽引装置13bによって牽引さ
れ、ネット状エンドレスベルト14に吸収装置15によ
って吸引されながら堆積されウエブW1 を形成する。そ
の際図7(B)に例示するようにフィラメントは牽引さ
れた糸速とエンドレスベルトとの速度差により落下した
点P1 を中心としてエンドレスベルト14の走行方向に
細長く延ばされたようなパターンで堆積され、順次重ね
合ってウエブとなる。
【0013】図8(A)はフィラメント群f2 をネット
状エンドレスベルト14に対して傾斜して吹きつける方
法であり、傾斜角を大きくする程、図8(B)に示すよ
うに落下点P2 を中心としてより細長く延ばされてフィ
ラメントf2 はネット状エンドレスベルト14上に配置
されてウエブW2 を形成する。傾斜角αは任意に選定す
ればよいがあまり大きくすると形成したウエブの飛散に
注意する必要があり、例えば7°程度が用いられる。当
然図8(A)に示す吹き付け方向をウエブ進行方向に向
けてもよい。
【0014】図9(A)はフィラメント群f3 を円筒形
金網製吸引ドラム16上に堆積してウエブW3 を形成さ
せるものであり、この場合は円筒形ドラム16の直径を
変更することによってフィラメントのドラム16上の配
置をウエブW3 の進行方向により細長くすることができ
る。当然図8(A)のようにウエブが吹き飛ばない程度
ドラムに対し傾斜して吹きつければさらに細長くするこ
とができる。
【0015】以上説明したように本発明のシートはシー
ト中の繊維の配列をシートの長手方向に細長く配列でき
る方法によって製造されている。その結果前述のように
シート中の繊維の配列にタテ・ヨコ差が生じ、そのタテ
・ヨコ差によって不織布のライン上での巾変化を少なく
し、低速〜高速での寸法安定性が得られると共に液のに
じみ方向をコントロールすることができる。さらにより
好ましくは線状の熱圧着部を適切にシートに設けること
により、液のにじみ方向性と速さをさらにコントロール
することができることになる。
【0016】前記シート中の繊維の配列のタテ・ヨコ差
は後述の実施例で詳細に説明するようにシートの引張速
度のタテ・ヨコ差、およびマイクロ波配向による測定に
よって証明することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明の衛生材料用シートの各種実施例
により本発明を詳述する。各実施例の説明に先立ち、本
発明のシートの性能評価方法について説明する。 ・繊維の配列方向性引張強度のタテ・ヨコ比 ウエブの進行方向をタテとし、ウエブの幅方向をヨコと
して得られたシートから試料を採取し、JIS−L−1
085により引張強度を測定する。得られたタテ強度と
ヨコ強度の比からシート中の繊維の配列の強さを推定す
ることができる。マイクロ波による繊維配向 マイクロ波分子配向計(神崎製紙(株)製)MOA−2
001Aを用いて、試料に偏波したマイクロ波をあて、
繊維の分子の双極子との相互作用により、その分子の主
軸の配向を検知し、試料を回転することで異方性(配向
性)、TDとMD方向の透過マイクロ波の強度比を求め
る。
【0018】この方法は従来シート等の分子鎖主軸の配
向角、配向パターンおよびシートの電気的異方性等を調
べる場合に用いられる測定方法であり、図13にポリイ
ミドフィルム(厚さ130μm)の透過マイクロ波強度
の角度依存性の測定結果を例示する。図13の場合には
分子鎖主軸の配向角が36°であり、Max/Minが
3.08であって大きな差があることが確認できる。
【0019】本出願ではこの方法を利用してウエブ中の
繊維の配向を確かめたものであり、図14(A)はブラ
ング状態の測定であり、得られた透過マイクロ波強度は
360°にわたって等しく、すなわち眞円を示し、図1
4(B)本発明の実施例2の場合、図14(C)は本発
明の実施例3の場合の透過マイクロ波強度を示す。本発
明のシートの場合は、試料のMD方向と主配向方向角度
差(図中のINCLINE)は繊維の主配列方向を示
す。後述の実施例で示すように本発明のシートの場合は
その値は極く小さい値である。透過TD/MD比がウエ
ブ中の繊維の配列比に関連する値であり、図14(A)
に示すように値が1の場合は等方性を示し、1以上であ
ればタテ方向(MD)に繊維が配列されていることを示
し、値が大きい程その配列の程度が強いことを示す。た
ゞし透過強度による測定のため配向の絶対値を示すもの
ではない。 ・透水性 図10(A)に示すように試料17を支持体18に固定
する。その際試料17の下にティシュ、パルフ等の液吸
収体28を置き密着させる。試料17上方15mmのスポ
イト19から生理食塩水を1滴(0.1cc/個)滴下
し、2sec 以内にほとんどの液が試料を通過し吸収体に
吸収されるものを透水性があるものとした。 ・にじみ拡がり なおシート自体での液のにじみ拡がりを見る際には図1
0(B)に示すように試料17の下にティシュ、パルプ
等の液吸収体を密着させた上で空中で水平に保持する。
生理食塩水1滴を滴下し、液滴が透過した時の試料表面
での液の拡がりを測定した。 ・にじみ長 図11に示す器具20を用い、生理食塩水を器具20の
槽21に満たし、液面と同一平面の試料台上に試料(幅
15mm)22を配置し、試料22の一端2cmを槽21中
に浸たす。液中に浸たしてから60sec 後の試料中の液
浸透部分23の端部24の位置を測定し、その長さをに
じみ長として液が多量に存在する時のにじみ易さを示
す。 ・ウエブの幅入り 3cm幅の試料を把持部間距離20cmで0.2kg/幅の張
力をかけ、10sec 後の長さ方向中央部の試料幅を測定
し、元の幅(3cm)に対する縮み率を幅入り率とする。
この数値は不織布を実際にオムツ製造ラインにかけた際
のウエブの走行安定性の良否を示し、安定性のよいもの
程幅入り率は小さくなる。参考例1 ポリプロピレン(JIS K7210の条件Kで測定し
たMFR=38)を240℃の温度で幅方向に拡げて押
出したフィラメント群を高速気流索引装置を使用して
3,500m/分の速度で牽引して分散させ、図7に示
すように紡糸口下45cmで水平方向に移動するネット上
に吸引させながらウエブを形成した。このウエブを搬送
し、その表面全面に直径0.45Φの凸部を1.5mmピ
ッチで千鳥配置(第3図参照)したエンボスロールと表
面平滑ロールとを組合せて得た部分熱圧着ロールに通し
て目付20g/cm2 の部分熱圧着されたスパンボンド不
織布を得た。その際の上下ロールの温度は135℃であ
り、60kg/cmの圧力が加えられた。得られた不織布中
の繊維の単糸デニールは2.3デニールであった。参考例2 参考例1と同一の条件で牽引・分散させたポリプロピレ
ンフィラメント群を移動ネット上に吹引させてウエブを
形成するに際して、ウエブ中の繊維が進行方向により配
列するように、フィラメントを垂直方向に対して7°の
傾斜を持たせて移動ネット上に吹きつけた(図8参
照)。得られたウエブに参考例1と同じ条件で千鳥エン
ボスの熱圧着加工を施して参考例2のポリプロピレンス
パンボンド不織布を得た。参考例3 参考例1で用いた移動ネットに代えて直径110cmの円
筒形金網製吸引ドラムを用意した。この吸引ドラムを用
いることによりウエブ中の繊維が進行方向により配列す
る状態でウエブを形成させる(図9参照)以外は参考例
1と同じ条件を用いて千鳥エンボスの部分熱圧着部を有
する参考例3のポリプロピレンスパンボンド不織布を得
た。実施例1〜3 実施例1〜3のポリプロピレンスパンボンド不織布は参
考例1〜3の不織布のそれぞれに対して液透過性処理剤
としてアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物を
0.5%付与した不織布である。
【0020】すなわち製造条件で見て、実施例1は垂直
吸引エンドレスベルト、千鳥エンボスおよび液透過性処
理剤付与の不織布、実施例2は7°傾斜エンドレスベル
ト、千鳥エンボスおよび液透過性処理剤付与の不織布、
実施例3は円筒形ドラム、千鳥エンボスおよび液透過性
処理剤付与の不織布である。実施例4、5 実施例4、5のポリプロピレンスパンボンド不織布は参
考例1、2の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分
熱圧着を縦線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、そ
の他の条件は参考例1、2と同一にした不織布である。
【0021】用いた縦線エンボスの部分熱圧着は図4に
例示する如く、ウエブ中の繊維の配列方向に沿った縞状
熱圧着部が形成されるように、幅0.3mm、高さ0.4
mmの線状突起部が3mmのピッチで平行に設けられた表面
(熱圧着面積比率10%)を有する彫刻ロールと平滑ロ
ールの組合せを用い、135℃の温度下で圧力60kg/
cmで行われた。
【0022】したがって、製造条件で見て、実施例4は
垂直吸引エンドレスベルト、縦線エンボス、および液透
過性処理剤付与の不織布、実施例5は7°傾斜エンドレ
スベルト、縦線エンボスおよび液透過性処理剤付与の不
織布である。参考例4、5 参考例4、5のポリプロピレンスパンボンド不織布は実
施例1、2の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分
熱圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、そ
の他の条件は実施例1、2と同一にした不織布である。
【0023】用いた横線エンボスの部分熱圧着は図6に
例示する如く、ウエブ中の繊維の配列方向に垂直な方向
で縞状熱圧着部が形成されるように、幅0.2mm高さ
0.4mmを有する突起部が2mmのピッチで平行に設けら
れた表面(熱圧着面積比率10%)を有する彫刻ロール
と平滑ロールの組合せを用い、135℃の温度下で圧力
60kg/cmで行われた。
【0024】したがって製造条件で見て、参考例4は垂
直吸引エンドレスベルト、横線エンボス、および液透過
性処理剤付与の不織布、参考例5は7°傾斜エンドレス
ベルト、横線エンボス、および液透過性処理剤付与の不
織布である。前記不織布の実施例、参考例についての性
能評価結果を表1及び2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1及び2に示す参考例1〜3を比較すれ
ば明らかなように、フィラメントを垂直にコンベアベル
トの上に堆積させたものもエンドレスベルトの進行速度
が速いことから繊維はタテ配列になるが(参考例1)、
これらよりも傾斜させてコンベアベルト上に堆積させた
り(参考例2)、円筒形ドラム上に堆積させた方が(参
考例3)、フィラメントの配列が、引張強度タテ/ヨコ
比、マイクロ波配向で示すように、ウエブの長手方向で
より良好になる。すなわち繊維の配列のタテ・ヨコ方向
差が大きくなる。又フィラメントがウエブの長手方向で
より良好に揃うことにより幅入りが少くなり、このこと
は撥水性不織布としてオムツラインでの走行安定性が良
好になることを示す。
【0028】フィラメントの配列のタテ・ヨコ方向差を
大きくすることによる効果は液透過性処理剤を付与した
実施例2〜3によって示される。すなわちにじみ長は各
実施例ともタテ方向で長く、ヨコ方向で短くなり、その
傾向は実施例1よりも実施例2および3の場合が大きく
なる。したがって使い捨ておむつのトップシートに本発
明のシートを用いる場合には排泄液体の漏れを防ぐ方向
に合せてシートの向きを適切に選定すればよく、したが
って不織布の繊維配列のタテ・ヨコ方向差を利用して漏
れの少い使い捨ておむつを作ることができる。
【0029】実施例4、5に示すように縦線エンボスを
用いるとヨコ方向の排泄液体のにじみは繊維の配列との
相乗効果によって抑えられ、その分だけタテ方向でのに
じみ拡がりが大きくなる。したがってこの不織布を使い
捨ておむつのトップシートとしてタテ長に使用すれば、
おむつの幅方向への排泄液体のにじみが少くなり、例え
ばおむつの足廻りをつたっての漏れを防止できることに
なる。
【0030】参考例14、15に示すように、横線エン
ボスを用いると、ヨコ方向の排泄液体のにじみは繊維配
列によって抑制されるが、一方タテ方向のにじみは横線
エンボスによって抑制される。したがってこのシートを
使い捨ておむつのトップシートとしてタテ長に使用すれ
ば、おむつの腰部に向けての排泄液のにじみを抑えるこ
とができ、更に幅方向の漏れ止めにはギャザーを併用す
ればタテ方向およびヨコ方向両方に漏れ止めすることの
できる使い捨ておむつを提供することができることにな
る。実施例11 参考例3のポリプロピレンスパンボンド不織布をトップ
シートとして使用するに際して幅方向の中央部のみに
(例えば幅30cmの不織布の場合中央の20aの部
分)、実施例3の場合と同様に液透過性処理剤を付与し
た。すなわち図12に示すように中央部25に液透過性
処理液を付与し、中央部25の両縁25aの外側の不織
布の部分26は撥水性のある状態のまゝにした。この不
織布に対してにじみ長を測定すると処理液を付与した部
分は60sec 間に40mmのにじみ長を示したが、未処理
の部分には試験液は浸透しなかった。次にこの不織布に
試験液を滴下すると中央部の処理域25ではタテ長のに
じみ拡り27が生じたが両縁25aの部分では27aで
示すように試験液は縁25aより外側、すなわち未処理
部分26には拡がらなかった。参考例6〜8、実施例6〜10、参考例9〜10 表1のポリプロピレンスパンボンド不織布の各参考例、
実施例に対応するポリエステルスパンボンド不織布の参
考例、実施例を示す。
【0031】参考例6はポリエステル樹脂(ηsp/c
=0.75)を295℃の温度で幅方向に拡げて押出し
たフィラメント群を高速気流牽引装置を使用して4、7
00m/分の速度で牽引して分散させ、図7に示すよう
に紡糸口下45cmで水平方向に移動するネット上に吸引
させながらウエブを形成させ、搬送されるウエブを、そ
の表面全面に直径0.45Φの凸部を1.5mmピッチで
千鳥配置(図3参照)したエンボスロールと表面平滑ロ
ールとを組合せて得た部分熱圧着ロールに通して得た目
付18g/m2 のポリエステルスパンボンド不織布であ
る。その際の上下ロールの温度は250℃であり、60
kg/cmの圧力が加えられた。得られた不織布の繊維の単
糸デニールは2.1デニールであった。
【0032】参考例7は、ウエブ形成を行うに際してフ
ィラメントを垂直方向に対して7°の傾斜を持たせて移
動ネット上に吹き付けたものであり、その他の条件は参
考例5と同一である。参考例8は参考例6で用いた移動
ネットに代えて直径110cmの円筒形金網製吸引ドラム
を用いたものであり、その他の条件は実施例13と同一
である。
【0033】実施例6〜8のポリエステルスパンボンド
不織布は、参考例6〜8の不織布のそれぞれに対して液
透過性処理剤としてポリプロピレンオキサイド−エチレ
ンオキサイド付加物を0.2%付与したものである。実
施例9、10のポリエステルスパンボンド不織布は実施
例6、7の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分熱
圧着を縦線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、その
他の条件は実施例6、7と同一にした不織布である。縦
線エンボスの部分熱圧着はポリプロピレンスパンボンド
不織布の実施例4、5と同一条件の彫刻ロールと平滑ロ
ールの組合せを用い、但し温度は255℃にして行っ
た。
【0034】参考例9、10のポリエステルスパンボン
ド不織布は実施例6、7の不織布を製造す際の千鳥エン
ボスの部分熱圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞ
れ変え、その他の条件は実施例6、7と同一に不織布で
ある。横線エンボスの部分熱圧着はポリプロピレンスパ
ンボンド不織布の参考例4、5と同一条件の彫刻ロール
と平滑ロールの組合せを用い、但し温度は255°にし
て行った。
【0035】前記不織布の参考例6〜8、実施例6〜1
0、参考例9〜10についての性能評価結果を表3及び
4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】得られた結果は表1及び2で示したポリプ
ロピレンスパンボンド不織布の各例での製造条件差に基
づく特徴とほぼ同一の特徴を示した。すなわちフィラメ
ントを垂直にコンベアベルトの上に堆積させたものもエ
ンドレスベルトの進行速度が速いことから繊維はタテ配
列になるが、さらに、傾斜させてコンベアベルト上に堆
積させたり、円筒形ドラム上に堆積させた方が繊維の配
列のタテ・ヨコ方向差がより大きくなる。本発明の不織
布ではタテ方向が優位になるにしたがい、巾入りは少な
くなりオムツラインでの走行安定性がよくなり、さらに
にじみ長が各実施例ともタテ方向で長く、ヨコ方向で短
くなり、その傾向は縦線エンボスの部分熱圧着ロールを
用いることにより増大し、一方横線エンボスの部分熱圧
着ロールを用いればタテ方向のにじみ長を抑制すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】本発明のシートは連続フィラメントのウ
エブから成り且つウエブ中の繊維の配列がタテ・ヨコ方
向差があるように形成されているので、不織シートの本
質的な構造により本発明シートを使い捨ておむつ等のト
ップシートに透水性能を付与しての使用、さらに透水、
撥水性を組合せて使用する場合にオムツラインでの走行
安定性に優れ、排泄液体のにじみに方向差を与えること
ができる。したがって、使用時にシートの使用方向に適
切に選定することにより、使い捨ておむつとしての排泄
液体の漏れを完全に防止することができる。
【0040】本発明のシートはシートの長手方向の縞状
の部分熱圧着を施され、その方向を横切る方向での排泄
液体のにじみを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートが用いられた使い捨ておむつの
一例を示す平面図である。
【図2】第1図の線II−IIによる断面図である。
【図3】シートに加えられる部分熱圧着のパターン例を
示す図であって、千鳥状パターンの配置例である。
【図4】シートに加えられる部分熱圧着のパターン例を
示す図であって、縦線エンボスパターンの例を示す。
【図5】シートに加えられる部分熱圧着のパターン例を
示す図であって、変形縦線エンボスパターンの例を示
す。
【図6】シートに加えられる部分熱圧着のパターン例を
示す図であって、横線エンボスパターンの例を示す。
【図7】ウエブを形成する方法の態様例を示す図であっ
て、〔図7〕(A)はフィラメントをエンドレスベルト
に垂直吸引させる方法であり、〔図7〕(B)は対応す
る方法で得られるウエブ中のフィラメントの拡がり状態
を示すモデル図である。
【図8】ウエブを形成する方法の他の態様例を示す図で
あって、〔図8〕(A)はフィラメントをエンドレスベ
ルトに傾斜させて吸引させる方法であり、〔図8〕
(B)は対応する方法で得られるウエブ中のフィラメン
トの拡がり状態を示すモデル図である。
【図9】ウエブを形成する方法の他の態様例を示す図で
あって、〔図9〕(A)はフィラメントを円筒形ドラム
に吸引させる方法であり、〔図9〕(B)は対応する方
法で得られるウエブ中のフィラメントの拡がり状態を示
すモデル図である。
【図10】〔図10〕(A)はシートの透水性を試験す
る方法を説明する図であり、〔図10〕(B)はシート
のにじみ拡がりを測定する方法を説明する図である。
【図11】シートにおけるにじみ長を測定する器具を説
明する斜視図である。
【図12】中央部にのみに液透過性処理剤が付与された
シートに対する液体のにじみ拡がりを説明する図であ
る。
【図13】マイクロ波による繊維配向の測定結果のプリ
ンター出力例を示す図である。
【図14】シートのマイクロ波による繊維配向の測定結
果の3つの例を〔図14〕(A)、〔図14〕(B)及
び〔図14〕(C))により示す。
【符号の説明】
1…使い捨ておむつ 2…トップシート 3…吸収体 4…バックシート 5…千鳥状配置エンボス 6…円形熱圧着部 7…縦線エンボス 8,10,12…線状熱圧着部 9…変形縦線エンボス 11…横線エンボス 13…紡糸口 14…ネット状エンドレスベルト 15…吸引装置 16…円筒形金網製吸引ドラム 17,23…試料(シート) 19…スポイト 23…液がにじんだ部分 25…液透過性処理剤が付与された部分 27,27a…液にじみ部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性合成繊維の連続フィラメントの不
    織布のウエブからなり、該ウエブには液透過性処理剤が
    付与されており、該ウエブのJIS−L−1085によ
    り測定した引張強度のタテ・ヨコ比が2.3以上であっ
    て、かつ該ウエブ中の繊維の配列がマイクロ波透過度の
    タテ・ヨコ比1.1以上であって、ウエブ表面での液の
    ウエブの横方向にじみ拡がりがウエブ面に千鳥又は縦線
    配置した熱融着部により抑制されていることを特徴とす
    る使い捨て衛生材料用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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