JP2001028578A - スペクトル拡散通信装置およびその方法 - Google Patents

スペクトル拡散通信装置およびその方法

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JP2001028578A
JP2001028578A JP20097399A JP20097399A JP2001028578A JP 2001028578 A JP2001028578 A JP 2001028578A JP 20097399 A JP20097399 A JP 20097399A JP 20097399 A JP20097399 A JP 20097399A JP 2001028578 A JP2001028578 A JP 2001028578A
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phase
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phase shift
parallel
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Seiji Okubo
政二 大久保
Akinori Fujimura
明憲 藤村
Toshiharu Kojima
年春 小島
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    • H04BTRANSMISSION
    • H04B2201/00Indexing scheme relating to details of transmission systems not covered by a single group of H04B3/00 - H04B13/00
    • H04B2201/69Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general
    • H04B2201/707Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general relating to direct sequence modulation
    • H04B2201/70706Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general relating to direct sequence modulation with means for reducing the peak-to-average power ratio
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2614Peak power aspects
    • H04L27/2621Reduction thereof using phase offsets between subcarriers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重スペクトル拡散信号に多重化された各情
報のビット誤り率の劣化を少なくすること。 【解決手段】 入力されたシリアル情報をパラレル情報
に変換するシリアル/パラレル変換部2と、拡散符号系
列を生成する拡散符号発生部4と、各パラレル情報系列
と拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラレル情報系
列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号を生成する
拡散変調部5−1〜5−nと、各並列スペクトル拡散信
号にそれぞれ複数の移相量を与える移相部6−1〜6−
nと、移相された各並列スペクトル拡散信号に対してそ
れぞれ異なる遅延量を与える遅延部7−1〜7−nと、
遅延された複数の並列スペクトル拡散信号を加算した多
重スペクトル拡散信号を生成する多重部8と、を備え、
この多重スペクトル拡散信号を無線周波数信号に変換
し、増幅して送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、並列データ系列
に対して同一の拡散符号系列を用いて直接拡散(DS)
方式によるスペクトル拡散変調を行い、これらのスペク
トル拡散変調信号を多重化して送信し、この送信された
スペクトル拡散変調信号を復調して並列データ系列を受
信するスペクトル拡散通信装置およびその方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信システムや衛星通信シ
ステムでは、画像、音声、データ等のトラヒックの伝送
方式の一つとしてスペクトル拡散方式を用いた符号分割
多元接続(CDMA)通信方式が実用化されている。
【0003】スペクトル拡散通信方式には、直接拡散
(DS)方式や周波数ホッピング(FH)方式等がある
が、DS方式は、情報信号に比してはるかに広帯域の拡
散符系列を情報信号に直接乗算し、これによって情報信
号をスペクトル拡散して通信を行う方式である。
【0004】図17は、並列データに対して同一の拡散
符号系列を用いてスペクトル拡散を行い、このスペクト
ル拡散された信号に対して異なる時間遅延を付与し、多
重化して送信を行う従来のスペクトル拡散通信装置の構
成を示すブロック図である。図17において、データ発
生部101は、「1」または「−1」の値をもつ2値の
ディジタル情報信号を生成する。以下、このディジタル
情報信号の発生速度をビットレートと呼び、このビット
レートの値を「Rb」とする。シリアル/パラレル変換
部102は、データ発生部101から入力されたディジ
タル情報信号をnチャネルの並列情報信号に変換する。
ここで、多重数nは、拡散符号長L[ビット]以下の値
である。なお、以下、各チャネルにおける並列情報信号
の発生速度を並列ビットレートと呼び、この並列ビット
レートの値を「Rp」(=Rb/n)とする。
【0005】拡散符号発生部104は、拡散符号系列を
生成する。この拡散符号系列は、「1」または「−1」
の値をもち、かつ拡散符号長L[ビット]の拡散符号系
列であり、クロック発生部103によって生成され、並
列ビットレートRpの拡散符号長L倍のクロック周波数
帯域を有する。拡散符号系列としては、符号作成回路の
構成が容易で、かつ自己相関特性が大きく、各符号間に
おける相互相関が小さい符号が適切であり、たとえばM
系列やGold符号等が用いられる。なお、以下、クロ
ック発生部103で生成されたクロックレートをチップ
レートRc(=Rp×L)と呼び、チップレートRcをも
つクロック周期をチップ周期Tc(=1/Rc)と呼ぶ。
【0006】シリアル/パラレル変換部102によって
変換されたnチャネルの並列情報信号は、それぞれ拡散
変調部105−1〜105−nに入力され、拡散変調部
105−1〜105−nは、並列情報信号と拡散符号発
生部104から入力される拡散符号とを乗算し、nチャ
ネル分の並列スペクトル拡散信号を生成する。その結
果、各並列スペクトル拡散信号は、チップレートRc
有することになる。
【0007】各並列スペクトル拡散信号は、各遅延部1
07−1〜107−nに入力され、各遅延部107−1
〜107−nは、各並列スペクトル拡散信号に対してそ
れぞれ異なる遅延時間{b1,b2,b3,…,bn}を与
え、それぞれ多重部108に出力する。多重部108
は、異なる遅延時間が与えられた各並列スペクトル拡散
信号を加算することによって多重化を行い、この多重ス
ペクトル拡散信号を周波数変換部109に送出する。こ
こで、各並列スペクトル拡散信号は、拡散変調部105
−1〜105−nにおいて同一の拡散符号系列でスペク
トル拡散されているが、遅延部107−1〜107−n
によって、それぞれ異なる遅延時間が与えられるので、
多重化された各並列スペクトル拡散信号を受信する受信
側において、各並列スペクトル拡散信号に対応するデー
タ系列の符号同期時における各データ系列間の相互相関
は小さいものとなる。
【0008】周波数変換部109は、入力された多重ス
ペクトル拡散信号を無線周波数(RF)に周波数変換
し、その後電力増幅部110によって電力増幅した多重
RF信号を生成し、アンテナ111を介して送信する。
【0009】一方、図18は、この多重RF信号を受信
する従来のスペクトル拡散通信装置の構成を示すブロッ
ク図である。図18において、RF増幅部122は、ア
ンテナ121を介して多重RF信号を受信し、増幅す
る。準同期検波部123は、電圧制御発信器(VCO)
143から出力されるチップレートRcの周波数帯域を
もつ局部搬送波信号とRF増幅部122から入力される
多重RF信号とを乗算器141によって乗算し、ローパ
スフィルタ145によって、この乗算した信号の高周波
成分を除去し、さらにA/D変換器147によってディ
ジタルデータに変換し、チップレートRcの周波数帯域
をもつ複素スペクトル拡散信号の同相成分を生成する。
一方、乗算器142においても、電圧制御発信器143
から出力された信号に対し、π/2移相部144によっ
てπ/2移相されたチップレートR cの周波数帯域をも
つ局部搬送波信号とRF増幅部122から入力される多
重RF信号とを乗算し、ローパスフィルタ146によっ
て、この乗算した信号の高周波成分を除去し、さらにA
/D変換器148によってディジタルデータに変換し、
チップレートRcの周波数帯域をもつ複素スペクトル拡
散信号の直交成分を生成する。
【0010】相関値算出部124は、準同期検波部12
3から入力される複素スペクトル拡散信号と、拡散符号
発生部104が生成する拡散符号系列と同一の拡散符号
系列との相関を求める。すなわち、相関値算出部124
内の同相相関値算出部149は、複素スペクトル拡散信
号と、多重RF信号に乗算されている拡散符号と同一の
拡散符号系列との相関値を同相相関値として出力し、相
関値算出部124内の直交相関値算出部150は、複素
スペクトル拡散信号と、多重RF信号に乗算されている
拡散符号と同一の拡散符号系列との相関値を直交相関値
として出力する。なお、同相相関値算出部149および
直交相関値算出部150による相関処理は、マッチドフ
ィルタ等を用いることによって実現される。
【0011】初期捕捉部125は、相関値算出部124
から出力される同相相関値および直交相関値から、多重
RF信号に乗算されている拡散符号系列の周期に同期し
たシンボルクロックCKを生成し、データ復調部128
−1〜128−nに出力する。
【0012】遅延補正部126−1〜126−nは、そ
れぞれ対応する各並列スペクトル拡散信号に対する同相
相関値および直交相関値のピーク値のタイミングが揃う
ように遅延補正を行う。すなわち、図17に示した遅延
部107−1〜107−nによる遅延量の付加による各
並列スペクトル拡散信号のタイミングのずれをなくすよ
うにする。
【0013】データ復調部128−1〜128−nは、
遅延補正部126−1〜126−nからそれぞれ出力さ
れるnチャネルの同相相関値および直交相関値に対し、
シンボルクロックCKに同期したタイミングで同相相関
値および直交相関値をラッチし、このラッチされた同相
相関値および直交相関値をもとにデータ判定し、復調す
る。その後、各データ復調部128−1〜128−nか
ら出力された復調データは、パラレル/シリアル変換部
129によってシリアルデータに変換され、nチャネル
の復調データとして出力される。ここで、各データ復調
部128−1〜128−nから出力される並列復調デー
タは、並列ビットレートRpをもち、かつ「1」または
「−1」の2値のデータ信号である。したがって、パラ
レル/シリアル変換部129からは、1チャネルのビッ
トレートRb(=n×Rp)をもつ復調データが出力され
ることになる。
【0014】上述した多重RF信号は、同一の拡散符号
系列が乗算されたnチャネルの並列スペクトル拡散信号
が多重化されることによって生成されるが、各チャネル
に対してはそれぞれ異なる遅延時間が与えることによっ
てデータ復調時における各チャネル間の相互相関が小さ
くなるので、データ復調部128−1〜128−nによ
る各チャネルに対する復調が可能となる。
【0015】このようにして、従来のスペクトル拡散通
信装置では、一つの拡散符号系列を用いて、nチャネル
の並列情報信号の送受信を可能とするため、受信側のス
ペクトル拡散通信装置では、1組の相関器のみでnチャ
ネルの並列情報信号を受信することができ、簡易な構成
とすることができる。すなわち、一般的なスペクトル拡
散通信方式では、nチャネルが多重されたRF信号を送
受信する場合、n個の異なる拡散符号系列を各チャネル
毎に割り当ててスペクトル拡散を行って多重化し、受信
側では、n個の異なる拡散符号系列をもつn個の相関器
を用いて復調を行うが、この従来のスペクトル拡散通信
装置では、一つの拡散符号系列を用いて多重RF信号を
生成し、1組の相関器のみでnチャネル分を復調するこ
とができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のスペクトル拡散通信装置では、多重部108におい
てnチャネルの並列スペクトル拡散信号を全て加算して
多重スペクトル拡散信号を生成し、周波数変換部109
がこの生成した多重スペクトル拡散信号を多重RF信号
に変換するようにしているため、この多重スペクトル拡
散信号の最大振幅は、各並列スペクトル拡散信号の振幅
のn倍の大きさとなり、この多重RF信号の最大値は、
多重化しない場合のRF信号の最大値に比較して、n倍
の値を有することになる。
【0017】一般に、多重スペクトル拡散信号は、多値
変調信号である。この多値変調信号の振幅を電力増幅す
る場合、電力増幅部110は電力効率を向上させるた
め、可能な限り飽和点に近い動作点、すなわち出力バッ
クオフの小さい動作点において用いることが望ましい。
【0018】しかしながら、増幅器の動作点を出力バッ
クオフの小さい領域で設定する場合では、入力振幅/出
力振幅非線形(AM/AM)特性等の非線形性が顕著と
なり、たとえば図17において、電力増幅部110を出
力バックオフの小さい動作点で使用している場合に、周
波数変換部109から出力されるRF信号として最大振
幅の大きな信号をこの電力増幅部110に入力すると、
電力増幅部110の出力信号が大きく歪み、スペクトル
拡散通信装置の送受信間におけるビット誤り率が劣化す
るという問題点があった。
【0019】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
電力増幅器の出力バックオフが小さい動作点で動作する
場合においても、多重スペクトル拡散信号に多重化され
た各情報のビット誤り率の劣化を少なくすることができ
るスペクトル拡散通信装置およびその方法を得ることを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかるスペクトル拡散通信装置は、入力
されたシリアル情報をパラレル情報に変換する変換手段
と、拡散符号長に対応したチップレートの周波数帯域を
もつクロックを発生するクロック発生手段と、前記クロ
ック発生手段が発生するクロックに同期した拡散符号系
列を生成する拡散符号生成手段と、前記変換手段によっ
て変換された各パラレル情報系列と前記拡散符号生成手
段によって生成された拡散符号系列とをそれぞれ乗算
し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペクト
ル拡散信号を生成する拡散変調手段と、前記複数の並列
スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相量を与
える移相手段と、前記移相手段によって移相された複数
の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延
量を与える遅延手段と、前記遅延手段によって遅延され
た複数の並列スペクトル拡散信号を加算した多重スペク
トル拡散信号を生成する多重手段と、前記多重手段によ
って生成された多重スペクトル拡散信号を無線周波数信
号に変換し、増幅して送信する送信手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0021】この発明によれば、変換手段が、入力され
たシリアル情報をパラレル情報に変換し、拡散符号生成
手段が、拡散符号長に対応したチップレートの周波数帯
域をもつクロックを発生するクロック発生手段のクロッ
クに同期した拡散符号系列を生成し、拡散変調手段が、
前記変換手段によって変換された各パラレル情報系列と
前記拡散符号生成手段によって生成された拡散符号系列
とをそれぞれ乗算し、各パラレル情報系列に対応する複
数の並列スペクトル拡散信号を生成し、移相手段が、前
記複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数
の移相量を与え、遅延手段が、前記移相手段によって移
相された複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞ
れ異なる遅延量を与え、多重手段が、前記遅延手段によ
って遅延された複数の並列スペクトル拡散信号を加算し
た多重スペクトル拡散信号を生成し、送信手段が、前記
多重手段によって生成された多重スペクトル拡散信号を
無線周波数信号に変換し、増幅して送信して、多重スペ
クトル拡散信号の最大振幅を小さくするようにしてい
る。
【0022】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装
置は、所定の拡散符号系列で拡散されたスペクトル拡散
信号であって各スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移
相量と複数の異なる遅延量とを有する複数のスペクトル
拡散信号が加算多重された多重スペクトル拡散信号を受
信する受信手段と、前記多重スペクトル拡散信号から前
記所定の拡散符号系列に対応したチップレートの周波数
帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分お
よび直交成分を生成する準同期検波手段と、前記複数の
スペクトル拡散信号の同相成分および直交成分と前記所
定の拡散符号系列との相関値である同相相関値と直交相
関値とをそれぞれ算出する相関手段と、前記同相相関値
および前記直交相関値をもとに前記複数のスペクトル拡
散信号に共通のシンボルクロックを生成する初期捕捉手
段と、前記同相相関値および前記直交相関値を複数のス
ペクトル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数の
スペクトル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値
および前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行
う遅延補正手段と、前記遅延補正手段によって遅延補正
された各同相相関値および直交相関値のキャリア位相を
前記複数の移相量に対応して移相補正する移相補正手段
と、前記初期捕捉手段によって生成されたシンボルクロ
ックを用い、前記移相補正手段によって移相された各同
相相関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡
散信号に対応する複数の復調信号を生成する復調手段
と、前記復調手段によって復調された複数の復調信号を
シリアル情報に変換する変換手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0023】この発明によれば、受信手段が、所定の拡
散符号系列で拡散されたスペクトル拡散信号であって各
スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移相量と複数の異
なる遅延量とを有する複数のスペクトル拡散信号が加算
多重された多重スペクトル拡散信号を受信し、準同期検
波手段が、前記多重スペクトル拡散信号から前記所定の
拡散符号系列に対応したチップレートの周波数帯域をも
つ前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交
成分を生成し、相関手段が、前記複数のスペクトル拡散
信号の同相成分および直交成分と前記所定の拡散符号系
列との相関値である同相相関値と直交相関値とをそれぞ
れ算出し、初期捕捉手段が、前記同相相関値および前記
直交相関値をもとに前記複数のスペクトル拡散信号に共
通のシンボルクロックを生成し、遅延補正手段が、前記
同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクトル拡
散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペクトル
拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および前記
直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行い、移相補
正手段が、前記遅延補正手段によって遅延補正された各
同相相関値および直交相関値のキャリア位相を前記複数
の移相量に対応して移相補正し、復調手段が、前記初期
捕捉手段によって生成されたシンボルクロックを用い、
前記移相補正手段によって移相された各同相相関値およ
び直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信号に対応
する複数の復調信号を生成し、変換手段が、前記復調手
段によって復調された複数の復調信号をシリアル情報に
変換して、最大振幅が小さい多重スペクトル拡散信号を
もとに各並列スペクトル拡散信号を確実に復調するよう
にしている。
【0024】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装
置は、送信側装置と受信側装置との間で同一の拡散符号
系列を用いて複数チャネルのパラレル通信を行うスペク
トル拡散通信装置において、前記送信側装置は、入力さ
れたシリアル情報をパラレル情報に変換する第一変換手
段と、拡散符号長に対応したチップレートの周波数帯域
をもつクロックを発生するクロック発生手段と、前記ク
ロック発生手段が発生するクロックに同期した拡散符号
系列を生成する拡散符号生成手段と、前記第一変換手段
によって変換された各パラレル情報系列と前記拡散符号
生成手段によって生成された拡散符号系列とをそれぞれ
乗算し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペ
クトル拡散信号を生成する拡散変調手段と、前記複数の
並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相量
を与える移相手段と、前記移相手段によって移相された
複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異なる
遅延量を与える遅延手段と、前記遅延手段によって遅延
された複数の並列スペクトル拡散信号を加算した多重ス
ペクトル拡散信号を生成する多重手段と、前記多重手段
によって生成された多重スペクトル拡散信号を無線周波
数信号に変換し、増幅して送信する送信手段と、を備
え、前記受信側装置は、前記送信手段から送信された多
重スペクトル拡散信号を受信する受信手段と、前記多重
スペクトル拡散信号から前記同一の拡散符号系列に対応
したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数のスペク
トル拡散信号の同相成分および直交成分を生成する準同
期検波手段と、前記複数のスペクトル拡散信号の同相成
分および直交成分と前記所定の拡散符号系列との相関値
である同相相関値と直交相関値とをそれぞれ算出する相
関手段と、前記同相相関値および前記直交相関値をもと
に前記複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロ
ックを生成する初期捕捉手段と、前記同相相関値および
前記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数値に
対応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各遅延
量に対応して各同相相関値および前記直交相関値のピー
ク値を揃える遅延補正を行う遅延補正手段と、前記遅延
補正手段によって遅延補正された各同相相関値および直
交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に対応して
移相補正する移相補正手段と、前記初期捕捉手段によっ
て生成されたシンボルクロックを用い、前記移相補正手
段によって移相された各同相相関値および直交相関値か
ら前記複数のスペクトル拡散信号に対応する複数の復調
信号を生成する復調手段と、前記復調手段によって復調
された複数の復調信号をシリアル情報に変換する第二変
換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】この発明によれば、送信側装置と受信側装
置との間で同一の拡散符号系列を用いて複数チャネルの
パラレル通信を行う際、送信側装置において、第一変換
手段が、入力されたシリアル情報をパラレル情報に変換
し、拡散符号生成手段が、拡散符号長に対応したチップ
レートの周波数帯域をもつクロックを発生するクロック
発生手段のクロックに同期した拡散符号系列を生成し、
拡散変調手段が、前記第一変換手段によって変換された
各パラレル情報系列と前記拡散符号生成手段によって生
成された拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラレル
情報系列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号を生
成し、移相手段が、前記複数の並列スペクトル拡散信号
に対してそれぞれ複数の移相量を与え、遅延手段が、前
記移相手段によって移相された複数の並列スペクトル拡
散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与え、多重手段
が、前記遅延手段によって遅延された複数の並列スペク
トル拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成
し、送信手段が、前記多重手段によって生成された多重
スペクトル拡散信号を無線周波数信号に変換し、増幅し
て送信するようにし、一方、受信側装置においては、受
信手段が、前記送信手段から送信された多重スペクトル
拡散信号を受信し、準同期検波手段が、前記多重スペク
トル拡散信号から前記同一の拡散符号系列に対応したチ
ップレートの周波数帯域をもつ前記複数のスペクトル拡
散信号の同相成分および直交成分を生成し、相関手段
が、前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直
交成分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相
相関値と直交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉手段
が、前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記
複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを
生成し、遅延補正手段が、前記同相相関値および前記直
交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数値に対応し
て分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各遅延量に対
応して各同相相関値および前記直交相関値のピーク値を
揃える遅延補正を行い、移相補正手段が、前記遅延補正
手段によって遅延補正された各同相相関値および直交相
関値のキャリア位相を前記複数の移相量に対応して移相
補正し、復調手段が、前記初期捕捉手段によって生成さ
れたシンボルクロックを用い、前記移相補正手段によっ
て移相された各同相相関値および直交相関値から前記複
数のスペクトル拡散信号に対応する複数の復調信号を生
成し、第二変換手段が、前記復調手段によって復調され
た複数の復調信号をシリアル情報に変換するようにし
て、多重スペクトル拡散信号の最大振幅を小さくするよ
うにしている。
【0026】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装
置は、上記の発明において、前記移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの一
部の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)とし、
他の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−π/
2)とすることを特徴とする。
【0027】この発明によれば、移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの一
部の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)とし、
他の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−π/
2)とするようにして、最低限の位相変化によって多重
スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなるようにして
いる。
【0028】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信装
置は、上記の発明において、前記移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2
以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意の
位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)
(p=0〜n−1)であることを特徴とする。
【0029】この発明によれば、移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2
以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意の
位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)
(p=0〜n−1)として、多重スペクトル拡散信号の
最大振幅を最も小さくできるように位相量を与える。
【0030】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方
法は、入力されたシリアル情報をパラレル情報に変換す
る変換工程と、前記変換工程によって変換された各パラ
レル情報系列と所定の拡散符号系列とをそれぞれ乗算
し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペクト
ル拡散信号を生成する拡散変調工程と、前記複数の並列
スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相量を与
える移相工程と、前記移相工程によって移相された複数
の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延
量を与える遅延工程と、前記遅延工程によって遅延され
た複数の並列スペクトル拡散信号を加算した多重スペク
トル拡散信号を生成する多重工程と、前記多重工程によ
って生成された多重スペクトル拡散信号を無線周波数信
号に変換し、増幅して送信する送信工程と、を含むこと
を特徴とする。
【0031】この発明によれば、変換工程によって、入
力されたシリアル情報をパラレル情報に変換し、拡散変
調工程によって、前記変換工程によって変換された各パ
ラレル情報系列と所定の拡散符号系列とをそれぞれ乗算
し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペクト
ル拡散信号を生成し、移相工程によって、前記複数の並
列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相量を
与え、遅延工程によって、前記移相工程によって移相さ
れた複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異
なる遅延量を与え、多重工程によって、前記遅延工程に
よって遅延された複数の並列スペクトル拡散信号を加算
した多重スペクトル拡散信号を生成し、送信工程によっ
て、前記多重工程によって生成された多重スペクトル拡
散信号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信して、
多重スペクトル拡散信号の最大振幅を小さくするように
している。
【0032】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方
法は、所定の拡散符号系列で拡散されたスペクトル拡散
信号であって各スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移
相量と複数の異なる遅延量とを有する複数のスペクトル
拡散信号が加算多重された多重スペクトル拡散信号を受
信する受信工程と、前記多重スペクトル拡散信号から前
記所定の拡散符号系列に対応したチップレートの周波数
帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分お
よび直交成分を生成する準同期検波工程と、前記複数の
スペクトル拡散信号の同相成分および直交成分と前記所
定の拡散符号系列との相関値である同相相関値と直交相
関値とをそれぞれ算出する相関工程と、前記同相相関値
および前記直交相関値をもとに前記複数のスペクトル拡
散信号に共通のシンボルクロックを生成する初期捕捉工
程と、前記同相相関値および前記直交相関値を複数のス
ペクトル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数の
スペクトル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値
および前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行
う遅延補正工程と、前記遅延補正工程によって遅延補正
された各同相相関値および直交相関値のキャリア位相を
前記複数の移相量に対応して移相補正する移相補正工程
と、前記初期捕捉工程によって生成されたシンボルクロ
ックを用い、前記移相補正工程によって移相された各同
相相関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡
散信号に対応する複数の復調信号を生成する復調工程
と、前記復調工程によって復調された複数の復調信号を
シリアル情報に変換する変換工程と、を備えたことを特
徴とする。
【0033】この発明によれば、受信工程によって、所
定の拡散符号系列で拡散されたスペクトル拡散信号であ
って各スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移相量と複
数の異なる遅延量とを有する複数のスペクトル拡散信号
が加算多重された多重スペクトル拡散信号を受信し、準
同期検波工程によって、前記多重スペクトル拡散信号か
ら前記所定の拡散符号系列に対応したチップレートの周
波数帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信号の同相成
分および直交成分を生成し、相関工程によって、前記複
数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分と前
記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関値と直
交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉工程によって、
前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記複数
のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを生成
し、遅延補正工程によって、前記同相相関値および前記
直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数値に対応
して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各遅延量に
対応して各同相相関値および前記直交相関値のピーク値
を揃える遅延補正を行い、移相補正工程によって、前記
遅延補正工程によって遅延補正された各同相相関値およ
び直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に対応
して移相補正し、復調工程によって、前記初期捕捉工程
によって生成されたシンボルクロックを用い、前記移相
補正工程によって移相された各同相相関値および直交相
関値から前記複数のスペクトル拡散信号に対応する複数
の復調信号を生成し、変換工程によって、前記復調工程
によって復調された複数の復調信号をシリアル情報に変
換して、最大振幅が小さい多重スペクトル拡散信号をも
とに各並列スペクトル拡散信号を確実に復調するように
している。
【0034】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方
法は、送信側装置と受信側装置との間で同一の拡散符号
系列を用いて複数チャネルのパラレル通信を行うスペク
トル拡散通信方法において、入力されたシリアル情報を
パラレル情報に変換する第一変換工程と、前記第一変換
工程によって変換された各パラレル情報系列と前記同一
の拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラレル情報系
列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号を生成する
拡散変調工程と、前記複数の並列スペクトル拡散信号に
対してそれぞれ複数の移相量を与える移相工程と、前記
移相工程によって移相された複数の並列スペクトル拡散
信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与える遅延工程
と、前記遅延工程によって遅延された複数の並列スペク
トル拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成
する多重工程と、前記多重工程によって生成された多重
スペクトル拡散信号を無線周波数信号に変換し、増幅し
て送信する送信工程と、前記送信工程によって送信され
た多重スペクトル拡散信号を受信する受信工程と、前記
多重スペクトル拡散信号から前記同一の拡散符号系列に
対応したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数のス
ペクトル拡散信号の同相成分および直交成分を生成する
準同期検波工程と、前記複数のスペクトル拡散信号の同
相成分および直交成分と前記所定の拡散符号系列との相
関値である同相相関値と直交相関値とをそれぞれ算出す
る相関工程と、前記同相相関値および前記直交相関値を
もとに前記複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボル
クロックを生成する初期捕捉工程と、前記同相相関値お
よび前記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数
値に対応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各
遅延量に対応して各同相相関値および前記直交相関値の
ピーク値を揃える遅延補正を行う遅延補正工程と、前記
遅延補正工程によって遅延補正された各同相相関値およ
び直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に対応
して移相補正する移相補正工程と、前記初期捕捉工程に
よって生成されたシンボルクロックを用い、前記移相補
正工程によって移相された各同相相関値および直交相関
値から前記複数のスペクトル拡散信号に対応する複数の
復調信号を生成する復調工程と、前記復調工程によって
復調された複数の復調信号をシリアル情報に変換する第
二変換工程と、を含むことを特徴とする。
【0035】この発明によれば、送信側装置と受信側装
置との間で同一の拡散符号系列を用いて複数チャネルの
パラレル通信を行う際、第一変換工程によって、入力さ
れたシリアル情報をパラレル情報に変換し、拡散変調工
程によって、前記第一変換工程によって変換された各パ
ラレル情報系列と前記同一の拡散符号系列とをそれぞれ
乗算し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペ
クトル拡散信号を生成し、移相工程によって、前記複数
の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相
量を与え、遅延工程によって、前記移相工程によって移
相された複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞ
れ異なる遅延量を与え、多重工程によって、前記遅延工
程によって遅延された複数の並列スペクトル拡散信号を
加算した多重スペクトル拡散信号を生成し、送信工程に
よって、前記多重工程によって生成された多重スペクト
ル拡散信号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信
し、一方、受信側においては、受信工程によって、前記
送信工程によって送信された多重スペクトル拡散信号を
受信し、準同期検波工程によって、前記多重スペクトル
拡散信号から前記同一の拡散符号系列に対応したチップ
レートの周波数帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信
号の同相成分および直交成分を生成し、相関工程によっ
て、前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直
交成分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相
相関値と直交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉工程
によって、前記同相相関値および前記直交相関値をもと
に前記複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロ
ックを生成し、遅延補正工程によって、前記同相相関値
および前記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複
数値に対応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の
各遅延量に対応して各同相相関値および前記直交相関値
のピーク値を揃える遅延補正を行い、移相補正工程によ
って、前記遅延補正工程によって遅延補正された各同相
相関値および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移
相量に対応して移相補正し、復調工程によって、前記初
期捕捉工程によって生成されたシンボルクロックを用
い、前記移相補正工程によって移相された各同相相関値
および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信号に
対応する複数の復調信号を生成し、第二変換工程によっ
て、前記復調工程によって復調された複数の復調信号を
シリアル情報に変換するようにして、多重スペクトル拡
散信号の最大振幅を小さくするようにしている。
【0036】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方
法は、上記の発明において、前記移相工程によって移相
する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの一部
の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)とし、他
の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−π/
2)とすることを特徴とする。
【0037】この発明によれば、移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの一
部の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)とし、
他の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−π/
2)とするようにして、最低限の位相変化によって多重
スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなるようにして
いる。
【0038】つぎの発明にかかるスペクトル拡散通信方
法は、上記の発明において、前記移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2
以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意の
位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)
(p=0〜n−1)であることを特徴とする。
【0039】この発明によれば、移相手段がそれぞれ移
相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2
以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意の
位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)
(p=0〜n−1)として、多重スペクトル拡散信号の
最大振幅を最も小さくできるように位相量を与える。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるスペクトル拡散通信装置およびその方法の
好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0041】実施の形態1.まず、この発明の実施の形
態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態
1であるスペクトル拡散通信装置の送信側装置の構成を
示すブロック図である。図1に示す送信側装置は、図1
7に示した構成における拡散変調部125−1〜125
−nと遅延部7−1〜7−nとの間にそれぞれ移相部6
−1〜6−nを接続配置している。
【0042】図1において、データ発生部1は、「1」
または「−1」の値をもつ2値のディジタル情報信号を
生成する。このディジタル情報信号の発生速度であるビ
ットレートの値は「Rb」である。シリアル/パラレル
変換部2は、データ発生部1から入力されたディジタル
情報信号をnチャネルの並列情報信号に変換する。ここ
で、多重数nは、拡散符号長L[ビット]以下の値であ
る。なお、各チャネルにおける並列情報信号の発生速度
である並列ビットレートの値は「Rp」(=Rb/n)で
ある。
【0043】拡散符号発生部4は、拡散符号系列を生成
する。この拡散符号系列は、「1」または「−1」の値
をもち、かつ拡散符号長L[ビット]の拡散符号系列で
あり、クロック発生部3によって生成され、並列ビット
レートRpの拡散符号長L倍のクロック周波数帯域を有
する。拡散符号系列としては、符号作成回路の構成が容
易で、かつ自己相関特性が大きく、各符号間における相
互相関が小さい符号が適切であり、たとえばM系列やG
old符号等が用いられる。なお、クロック発生部3で
生成されたクロックレートであるチップレートRc(=
p×L)をもつクロック周期はチップ周期Tc(=1/
c)となる。
【0044】シリアル/パラレル変換部2によって変換
されたnチャネルの並列情報信号は、それぞれ拡散変調
部5−1〜5−nに入力され、拡散変調部5−1〜5−
nは、並列情報信号と拡散符号発生部4から入力される
拡散符号とを乗算し、nチャネル分の並列スペクトル拡
散信号を生成する。その結果、各並列スペクトル拡散信
号は、チップレートRcを有することになる。
【0045】移相部6−1〜6−nは、拡散変調部5−
1〜5−nによって拡散変調されたnチャネルの各並列
スペクトル拡散信号の信号系列に対して、それぞれ予め
決定された移相量{α1,α2,α3,…,αn}で移相
し、この移相した各並列スペクトル拡散信号を各遅延部
7−1〜7−nに出力する。この移相部7−1〜7−n
による移相処理は、同相成分Isおよび直交成分Qsをも
つ並列スペクトル拡散信号の信号系列に対してα[ラジ
アン]移相する場合、次式(1),(2)によって行
う。すなわち、 Id=SQRT(Is 2+Qs 2)×cos(α+θ)…(1) Qd=SQRT(Is 2+Qs 2)×sin(α+θ)…(2) である。ただし、SQRT(x)は、xの平方根を示
す。この式(1),(2)によって得られるId,Q
dは、それぞれ移相後における並列スペクトル拡散信号
の信号系列の同相成分および直交成分である。ただし、
θ[ラジアン]は、次式(3)によって算出される値で
ある。すなわち、 θ=tan−1(Qs/Is)…(3) である。
【0046】このようにして各移相部6−1〜6−nに
よってそれぞれ移相量{α1,α2,α3,…,αn}分、
移相された各並列スペクトル拡散信号は、各遅延部7−
1〜7−nに入力され、各遅延部7−1〜7−nは、各
並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延時
間{b1,b2,b3,…,bn}を与え、それぞれ多重部
8に出力する。多重部8は、異なる遅延時間が与えられ
た各並列スペクトル拡散信号を加算することによって多
重化を行い、この多重スペクトル拡散信号を周波数変換
部9に送出する。ここで、各並列スペクトル拡散信号
は、拡散変調部5−1〜5−nにおいて同一の拡散符号
系列でスペクトル拡散されているが、遅延部7−1〜7
−nによって、それぞれ異なる遅延時間が与えられるの
で、多重化された各並列スペクトル拡散信号を受信する
受信側において、各並列スペクトル拡散信号に対応する
データ系列の符号同期時における各データ系列間の相互
相関は小さいものとなる。
【0047】周波数変換部9は、入力された多重スペク
トル拡散信号を無線周波数(RF)に周波数変換し、そ
の後電力増幅部10によって電力増幅した多重RF信号
を生成し、アンテナ11を介して送信する。
【0048】ここで、移相部6−1〜6−nを設けるこ
とによって多重化部8から出力される多重スペクトル拡
散信号の最大振幅が減少するが、その一例を多重数n=
4の場合について従来例と比較しつつ、図3〜図5を参
照して説明する。多重数nが「4」であるので、図1に
示す送信側装置では、拡散変調部5−1〜5−4、移相
部6−1〜6−4および遅延部7−1〜7−4となり、
それぞれ4つの構成部をもつことになる。移相部6−1
〜6−4は、それぞれ移相量{α1,α2,α3,α4}で
入力された各並列スペクトル拡散信号を移相する。この
実施の形態1では、移相量{α1,α2,α3,α4}を移
相量{0,π/2,0,π/2}[ラジアン]とする。
【0049】図3は、図17に示した従来のスペクトル
拡散通信装置の送信側装置において、多重数n=4とし
た場合での多重化部108から出力される多重スペクト
ル拡散信号のコンスタレーション図を示す。図3に示す
ように、従来の多重化スペクトル拡散信号は、多重化さ
れる各並列スペクトル拡散信号が移相されていないた
め、各並列スペクトル拡散信号を加算しても、同相のI
軸上にのみに広がる。その結果、多重スペクトル拡散信
号の最大振幅は、「4」倍となる。
【0050】たとえば、各並列スペクトル拡散信号の並
列信号系列がP1{1,1,−1,−1}である場合に
は、移相量がそれぞれ「0」と等価であるため、I軸上
において「1+1−1−1」=「0」となり、多重スペ
クトル拡散信号の振幅は「0」倍となるが、並列信号系
列がP2{1,1,1,1}である場合には、それぞれ
が全て加算されるので、「1+1+1+1」=「4」と
なり、多重スペクトル拡散信号の振幅は「4」倍とな
る。このときの振幅値が最大振幅となる。
【0051】これに対し、図4は、この実施の形態1に
おける多重数n=4とした場合での多重スペクトル拡散
信号のコンスタレーション図を示し、最大振幅は「2×
√(2)」(≒2.83)倍となる。たとえば、図4に
おいて、各並列スペクトル拡散信号の並列信号系列がP
11[1,1,−1,−1]である場合には、各並列信号
系列に対応した移相量{0,π/2,0,π/2}が与
えられるので、IQ座標に対応する極座標上において、
それぞれ{(1,0),(1,π/2),(1,π),
(1,−π/2)}の位置に各信号が配置され、これら
を加算した信号は、極座標上において原点に位置し、振
幅は「0」となる。また、図5に示すように、各並列ス
ペクトル拡散信号の並列信号系列がP12{1,1,
1,1}である場合には、各並列信号に対応した移相量
{0,π/2,0,π/2}が与えられるので、IQ座
標に対応する極座標上において、それぞれ{D1(1,
0),D2(1,π/2),D3(1,0),D4
(1,π/2)}の位置に各信号が配置され、たとえば
信号D1,D3はI軸上において加算されて振幅が
「2」となる信号D11となり、信号D2,D4はQ軸
上において加算されて振幅が「2」となる信号D12と
なり、これら信号D11,D12をベクトル的に加算す
ると、IQ座標上においてP12(2,2)に位置し、
その振幅は、上述したように、√((2)2+(2)2
=2√(2)倍となる。このときの振幅が最大振幅とな
る。なお、上述した振幅値は、各並列スペクトル拡散信
号の振幅値を「1」とした場合における正規化値であ
る。
【0052】したがって、この実施の形態1では、移相
部6−1〜6−nがそれぞれ移相量{0,π/2,0,
π/2}を与えるので、多重スペクトル拡散信号の最大
振幅値を従来の「4」から「2√(2)」に小さくする
ことができる。このため、電力増幅部10が、出力バッ
クオフの小さい動作点で動作する場合であっても、最大
振幅値が小さいため、電力増幅部10からの出力信号の
歪み量を小さくすることができる。
【0053】たとえば、電力増幅部10が図6に示すよ
うな入力バックオフ対出力バックオフの特性を有する場
合に移相部6−1〜6−4が上述した移相量{0,π/
2,0,π/2}を与え、このときのバックオフに対す
る出力振幅/入力振幅の非線形特性について説明する。
図7は、バックオフ[dB]に対する出力振幅/入力振
幅の非線形特性を示し、この図7に示すバックオフ[d
B]は、図6に示す入力バックオフ[dB]対出力バッ
クオフ[dB]の特性における出力バックオフ[dB]
の飽和点を基準点[0dB]としたバックオフB[d
B]である。
【0054】図7において、曲線L0は、電力増幅部1
0が線形動作する場合における出力振幅/入力振幅の特
性を示し、この場合における出力振幅/入力振幅は、バ
ックオフBの値にかかわらず、「1」となる。通常、電
力増幅部10は、非線形特性を示す。そこで、図6に示
すような非線形特性をもつ電力増幅器10によって、上
述した多重数n=4の多重スペクトル拡散信号を増幅す
ると、移相量を与えない従来の送信側装置では、バック
オフBに対して曲線L1に示すような出力振幅/入力振
幅の特性を示す。これに対し、この実施の形態1におけ
る移相量{0,π/2,0,π/2}を与えると、多重
スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなるので、バッ
クオフBに対して曲線L2に示すような出力振幅/入力
振幅の特性を示し、この曲線L2は、曲線L1に比し
て、常に高い出力振幅/入力振幅の特性を示す。したが
って、この実施の形態1における移相量を与えることに
よって、線形性の高い増幅を行うことができ、結果とし
て出力歪みを低減することができる。
【0055】一方、図2は、この発明の実施の形態1で
あるスペクトル拡散通信装置の受信側装置の構成を示す
ブロック図である。図2において、RF増幅部22は、
アンテナ21を介して多重RF信号を受信し、増幅す
る。準同期検波部23は、電圧制御発信器(VCO)4
3から出力されるチップレートRcの周波数帯域をもつ
局部搬送波信号とRF増幅部22から入力される多重R
F信号とを乗算器41によって乗算し、ローパスフィル
タ45によって、この乗算した信号の高周波成分を除去
し、さらにA/D変換器47によってディジタルデータ
に変換し、チップレートRcの周波数帯域をもつ複素ス
ペクトル拡散信号の同相成分を生成する。一方、乗算器
42においても、電圧制御発信器43から出力された信
号に対し、π/2移相部44によってπ/2移相された
チップレートRcの周波数帯域をもつ局部搬送波信号と
RF増幅部22から入力される多重RF信号とを乗算
し、ローパスフィルタ46によって、この乗算した信号
の高周波成分を除去し、さらにA/D変換器48によっ
てディジタルデータに変換し、チップレートRcの周波
数帯域をもつ複素スペクトル拡散信号の直交成分を生成
する。
【0056】相関値算出部24は、準同期検波部23か
ら入力される複素スペクトル拡散信号と、拡散符号発生
部4が生成する拡散符号系列と同一の拡散符号系列との
相関を求める。すなわち、相関値算出部24内の同相相
関値算出部49は、複素スペクトル拡散信号と、多重R
F信号に乗算されている拡散符号と同一の拡散符号系列
との相関値を同相相関値として出力し、相関値算出部2
4内の直交相関値算出部50は、複素スペクトル拡散信
号と、多重RF信号に乗算されている拡散符号と同一の
拡散符号系列との相関値を直交相関値として出力する。
なお、同相相関値算出部49および直交相関値算出部5
0による相関処理は、マッチドフィルタ等を用いること
によって実現される。
【0057】初期捕捉部25は、相関値算出部24から
出力される同相相関値および直交相関値から、多重RF
信号に乗算されている拡散符号系列の周期に同期したシ
ンボルクロックCKを生成し、データ復調部28−1〜
28−nに出力する。
【0058】遅延補正部26−1〜26−nは、それぞ
れ対応する各並列スペクトル拡散信号に対する同相相関
値および直交相関値のピーク値のタイミングが揃うよう
に遅延補正を行う。すなわち、図1に示した遅延部7−
1〜7−nによる遅延付加によってタイミングがずれた
各並列スペクトル拡散信号のタイミングを一致させる。
【0059】移相補正部27−1〜7−nは、それぞれ
対応する各並列スペクトル拡散信号に付与された移相
量、すなわち図1に示した移相部6−1〜6−nによっ
て付与された移相オフセットを除去する移相補正量を各
並列スペクトル拡散信号に与える。すなわち、nチャネ
ルの各同相相関値および直交相関値のキャリア位相を揃
える。
【0060】データ復調部28−1〜28−nは、移相
補正部27−1〜27−nからそれぞれ出力されるnチ
ャネルの同相相関値および直交相関値に対し、シンボル
クロックCKに同期したタイミングで同相相関値および
直交相関値をラッチし、このラッチされた同相相関値お
よび直交相関値をもとにデータ判定し、復調する。その
後、各データ復調部28−1〜28−nから出力された
復調データは、パラレル/シリアル変換部29によって
シリアルデータに変換され、nチャネルの復調データと
して出力される。ここで、各データ復調部28−1〜2
8−nから出力される並列復調データは、並列ビットレ
ートRpをもち、かつ「1」または「−1」の2値のデ
ータ信号である。したがって、パラレル/シリアル変換
部29からは、1チャネルのビットレートRb(=n×
p)をもつ復調データが出力されることになる。
【0061】ここで、図1に示した送信側装置と図2に
示した受信側装置とを用いてデータ送受信を行った場合
におけるビット誤り率について説明する。図8は、平均
信号エネルギー対雑音電力密度比(Eb/N0)[dB]に
対するビット誤り率との関係を示す図である。図8にお
いて、曲線LL0は、AM−AM特性等が考慮されてい
ない理想的なビット誤り率の変化を示し、曲線LL1
は、バックオフB=2〔dB〕時における図17および
図18に示した従来のスペクトラム拡散通信装置を用い
た場合のビット誤り率の変化を示す。また、曲線LL2
は、バックオフB=2〔dB〕時における、この実施の
形態1によるスペクトラム拡散通信装置を用いた場合の
ビット誤り率の変化を示す。なお、図8に示すビット誤
り率は、全て多重数n=4とし、曲線LL2のビット誤
り率は、移相量{α1,α2,α3,α4}={0,π/
2,0,π/2}[ラジアン]とした場合を示してい
る。
【0062】図8の曲線LL1と曲線LL2とを比較し
てみると、この実施の形態1では、たとえばビット誤り
率が1×10-3のときに必要な平均信号エネルギー対雑
音電力密度比の差がΔP1≒1.2dBであり、従来の
スペクトル拡散通信装置に比して1.2dB程度改善さ
れていることがわかる。これは、上述したように、移相
部6−1〜6−nによって移相量を与えることによって
多重スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなり、増幅
器の非線形性による出力振幅の歪みを小さくすることが
できるからである。
【0063】つぎに、図9を参照して初期捕捉部25に
ついて詳細に説明する。この初期捕捉部25は、図1に
示した拡散変調部5−1〜5−nで用いた拡散符号系列
と、図2に示した上述した相関値算出部24において用
いた拡散符号系列との符号同期を得て、シンボルクロッ
クCKとして出力する。図9において、初期捕捉部25
の二乗器31は、相関値算出部24から出力される同相
相関値を二乗し、二乗器32は、相関値算出部24から
出力される直交相関値を二乗する。乗算器33は、二乗
器31,32から出力された二乗値を乗算し、二乗相関
値A1として出力する。
【0064】二乗相関値A1は、nチャネルに対応した
遅延補正部34−1〜34−nにそれぞれ入力され、各
遅延補正部34−1〜34−nは、nチャネルの各並列
スペクトル拡散信号に対応する相関値(同相相関値およ
び直交相関値)のピークタイミングを揃えるような遅延
補正時間をそれぞれ与える。その後、多重部35は、遅
延補正されたn個の二乗相関値を全て加算し、加算結果
である多重二乗相関値M1を符号同期点検出部36に出
力する。
【0065】多重二乗相関値M1は、1拡散符号周期毎
に符号同期点から所定時刻Yの時刻を経過した時刻(多
重ピーク時刻)で大きなピーク値を発生するため、符号
同期点検出部36は、この多重ピーク時刻を検出し、検
出した多重ピーク時刻をもとに符号同期点の推定を行
い、この符号同期点に同期した捕捉パルスP1を生成す
る。シンボルクロック発生部37は、この捕捉パルスP
1のタイミングに同期したシンボルクロックCKを生成
し、各データ復調部28−1〜28−nに出力する。
【0066】ここで、図10〜図12を参照して、符号
同期点を推定する処理について説明する。ここでは、多
重数n=3とし、各並列スペクトル拡散信号の遅延量
(遅延時間){b1,b2,b3}={τ1・TC,τ2・T
C,τ3・TC}とする。なお、TCは、上述したようにチ
ップ周期である。この場合、二乗相関値は、図10に示
すように、符号同期点tPから各遅延時間{τ1・TC
τ2・TC,τ3・TC}づつ遅延したタイミングでピーク
値をもち、三つのピーク値をもつことになる。
【0067】図11は、τ1=2,τ2=4,τ3=6の
場合における二乗相関値と多重二重相関値との関係と多
重ピーク時刻との関係を示す図である。図11(a)
は、遅延がない場合の二乗相関値のタイミングチャート
であり、三つのピーク値a〜cを有する。図11(b)
〜図11(d)は、図11(a)に示した二乗相関値を
それぞれ(TP−τ1・TC),(TP−τ2・TC),(T
P−τ3・TC)遅延した二乗相関値である。なお、
「TP」は、拡散符号周期である。
【0068】多重部35は、図11(b)〜図11
(d)に示した二乗相関値を加算する。この加算結果
は、図11(e)に示す多重二乗相関値となる。この多
重二乗相関値では、ピーク値a,a+b,a+b+c,
b+c,cの5つのピーク値が現れるが、最も大きなピ
ーク値(a+b+c)を多重ピーク時刻として検出す
る。この多重ピーク時刻は、所定時刻Y=L・TCであ
るため、符号同期点tPに一致する。したがって、符号
同期点検出部36は、この多重ピーク時刻に同期した捕
捉パルスP1を生成し、シンボルクロック発生部37が
捕捉パルスP1のタイミングに同期したシンボルクロッ
クCKを生成することによって、送信された拡散符号系
列との同期をとることができる。
【0069】図12は、τ1=1,τ2=3,τ3=7の
場合における二乗相関値と多重二重相関値との関係と多
重ピーク時刻との関係を示す図である。図12(a)
は、遅延がない場合の二乗相関値のタイミングチャート
であり、三つのピーク値a〜cを有する。図12(b)
〜図12(d)は、図12(a)に示した二乗相関値を
それぞれ(TP−τ1・TC),(TP−τ2・TC),(T
P−τ3・TC)遅延した二乗相関値である。
【0070】多重部35は、図12(b)〜図12
(d)に示した二乗相関値を加算する。この加算結果
は、図12(e)に示す多重二乗相関値となる。この多
重二乗相関値では、ピーク値a,b,a,a+b+c,
b,c,cの7つのピーク値が現れるが、最も大きなピ
ーク値(a+b+c)を多重ピーク時刻として検出す
る。この場合、ピーク値(a+b+c)以外のピーク値
は全て二乗相関値の一つのピーク値分の値に抑えられて
おり、多重ピーク値の検出が容易である。この多重ピー
ク時刻は、所定時刻Y=L・TCであるため、符号同期
点tPに一致する。したがって、符号同期点検出部36
は、この多重ピーク時刻に同期した捕捉パルスP1を生
成し、シンボルクロック発生部37が捕捉パルスP1の
タイミングに同期したシンボルクロックCKを生成する
ことによって、送信された拡散符号系列との同期をとる
ことができる。
【0071】なお、上述した実施の形態1では、主とし
て多重数n=4,移相量{α1,α2,α3,α4}=
{0,π/2,0,π/2}[ラジアン]として説明し
たが、一般的に、多重数nに対して、n個の移相量のう
ち、m(m=1,2,…,n−1)個を任意の移相量β
[ラジアン]または(β+π)[ラジアン]とし、残り
の(n−m)個を(β+π/2)[ラジアン]または
(β−π/2)[ラジアン]として設定するようにす
る。換言すれば、この実施の形態1では、2種類の移相
量を用いて移相した多重スペクトル拡散信号を送信する
ので、2方向n多重の送受信を行うことになる。
【0072】なお、上述した実施の形態1では、「1」
または「−1」の値をもつ2値のディジタル情報信号を
取り扱うようにしているが、これに限らず、他の2値デ
ータであってもよい。また、上述した実施の形態1で
は、シリアル/パラレル変換部2によってデータ発生部
1から入力された2値のディジタル情報信号をパラレル
信号に変換するようにしているが、シリアル/パラレル
変換部2を設けず、直接、パラレル情報を拡散変調部5
−1〜5−nに入力するようにしていもよい。同様にし
て、パラレル/シリアル変換部29を設けずに、各デー
タ復調部28−1〜28−nから直接、各チャネルに対
応する回線に復調データを出力するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態1では、移相処理の後に遅延
処理を行なったが、それらの処理の順番を変えて、遅延
処理後に移相処理を行なってもよい。また、上述した実
施の形態1では、同期相関値および直交相関値に対し
て、移相補正処理後にラッチ処理を行なったが、それら
の処理の順番を変えて、ラッチ処理後に移相補正処理を
行なってもよい。
【0073】この実施の形態1によれば、各並列スペク
トル拡散信号に移相量を与え、各並列スペクトル拡散信
号を加算した多重スペクトル拡散信号の最大振幅値を抑
えるようにしているので、出力バックオフの小さい動作
点で動作する増幅器を用いた場合であっても、増幅器の
非線形性による出力歪みを小さくすることができ、結果
としてビット誤り率の低下を抑えることができる。
【0074】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。実施の形態1では、2種類の
移相量を用いて各並列スペクトル拡散信号を移相し、こ
の移相した各並列スペクトル拡散信号を多重化するよう
にしているが、この実施の形態2では、nチャネルの各
並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ異なるn個の
移相量によって各並列スペクトル拡散信号を移相し、こ
の移相した各並列スペクトル拡散信号を多重化するよう
にしている。
【0075】この実施の形態2であるスペクトル拡散通
信装置の送信側装置では、図1に示した移相部6−1〜
6−nが、各移相部6−1〜6−nに対して全て異なる
移相量によって入力された各並列スペクトル拡散信号を
移相し、その他の構成は、図1に示した構成と同じであ
る。また、この実施の形態2であるスペクトル拡散通信
装置の受信側装置では、図2に示した移相補正部27−
1〜27−nが、移相部6−1〜6−nによって与えら
れた移相量による移相オフセットを除去し、その他の構
成は、図2に示した構成と同じである。
【0076】この実施の形態2では、多重数n=4と
し、各移相部6−1〜6−4の移相量{α1,α2
α3,α4}をそれぞれ{0,π/4,π/2,3π/
4}[ラジアン]として設定している。図13は、この
実施の形態2における多重数n=4とした場合での多重
スペクトル拡散信号のコンスタレーション図を示し、最
大振幅は「√(4+2×√(2))」(≒2.61)倍
となる。たとえば、図13において、各並列スペクトル
拡散信号の並列信号系列がP21[1,1,−1,−1]
である場合には、各並列信号系列に対応した移相量
{0,π/4,π/2,3π/4}が与えられるので、
図14に示すように、IQ座標に対応する極座標上にお
いて、それぞれ{D21(1,0),D22(1,π/
4),D23(1,−π/2),D24(1,−π/
4)}の位置に各信号が配置され、たとえば信号D2
1,D23はベクトル的に加算されて極座標上の信号D
31(√(2),π/4)となり、信号D22,D24
はベクトル的に加算されて極座標上の信号D32(√
(2),π/2)となり、これら信号D31,D32を
さらにベクトル的に加算すると、IQ座標上においてP
22(1,√(2)+1)となり、その振幅は、上述し
たように、√(12+(√(2)+1)2)=√(4+2
×√(2))倍となる。なお、上述した振幅値は、各並
列スペクトル拡散信号の振幅値を「1」とした場合にお
ける正規化値である。
【0077】したがって、この実施の形態2では、移相
部6−1〜6−4がそれぞれ移相量{0,π/4,π/
2,3π/4}を与えるので、多重スペクトル拡散信号
の最大振幅値を従来の「4」から「√(4+2×√
(2))」に小さくすることができ、実施の形態1に比
しても、さらに小さくすることができる。このため、電
力増幅部10が、出力バックオフの小さい動作点で動作
する場合であっても、最大振幅値が小さいため、電力増
幅部10からの出力信号の歪み量を一層小さくすること
ができる。
【0078】ここで、電力増幅部10が図6に示すよう
な入力バックオフ対出力バックオフの特性を有する場合
に、移相部6−1〜6−4が上述した移相量{0,π/
4,π/2,3π/4}を与え、このときのバックオフ
に対する出力振幅/入力振幅の非線形特性について説明
する。図15は、図7に対応し、バックオフ[dB]に
対する出力振幅/入力振幅の非線形特性を示し、この図
7に示すバックオフ[dB]は、図6に示す入力バック
オフ[dB]対出力バックオフ[dB]の特性における
出力バックオフ[dB]の飽和点を基準点[0dB]と
したバックオフB[dB]である。
【0079】図15において、曲線L0は、図7と同様
に、電力増幅部10が線形動作する場合における出力振
幅/入力振幅の特性を示し、この場合における出力振幅
/入力振幅は、バックオフBの値にかかわらず、「1」
となる。通常、電力増幅部10は、非線形特性を示す。
曲線L1は、図6に示すような非線形特性をもつ電力増
幅器10によって、上述した多重数n=4の多重スペク
トル拡散信号を増幅した場合であって、移相量を与えな
い従来の送信側装置におけるバックオフBに対する出力
振幅/入力振幅の特性を示す。また、曲線L2は、実施
の形態1における移相量{0,π/2,0,π/2}を
与えた場合におけるバックオフBに対する出力振幅/入
力振幅の特性を示す。また、曲線L3は、この発明の実
施の形態2における移相量{0,π/4,π/2,3π
/4}を与えた場合におけるバックオフBに対する出力
振幅/入力振幅の特性を示す。図15において、曲線L
3は、実施の形態1による曲線L2に比して出力振幅/
入力振幅の特性が高く、さらに、線形性の高い増幅を行
うことができ、結果として出力歪みを低減することがで
きる。
【0080】さらに、図16は、実施の形態2を適用し
てデータ送受信を行った場合における平均信号エネルギ
ー対雑音電力密度比(Eb/N0)[dB]に対するビット
誤り率との関係を示す図である。図16において、曲線
LL0は、図8と同様に、AM−AM特性等が考慮され
ていない理想的なビット誤り率の変化を示し、曲線LL
1は、バックオフB=2[dB]時における図17および
図18に示した従来のスペクトラム拡散通信装置を用い
た場合のビット誤り率の変化を示す。また、曲線LL2
は、バックオフB=2[dB]時における実施の形態1に
よるスペクトラム拡散通信装置を用いた場合のビット誤
り率の変化を示す。また、曲線LL3は、バックオフB
=2[dB]時における、この実施の形態2によるスペク
トラム拡散通信装置を用いた場合のビット誤り率の変化
を示す。なお、図16に示すビット誤り率は、全て多重
数n=4とし、曲線LL2のビット誤り率は、移相量
{α 1,α2,α3,α4}={0,π/2,0,π/2}
[ラジアン]であり、曲線LL3のビット誤り率は、移
相量{α1,α2,α3,α4}={0,π/4,π/2,
3π/4}[ラジアン]とした場合を示している。
【0081】図16の曲線LL1と曲線LL3とを比較
してみると、この実施の形態2による曲線LL3は、曲
線LL1に比して、たとえばビット誤り率が1×10-3
のときに必要な平均信号エネルギー対雑音電力密度比の
差がΔP2≒1.5dBであり、従来のスペクトル拡散
通信装置に比して1.5dB程度改善され、実施の形態
1による曲線LL2に比しても、0.3dB程度改善さ
れていることがわかる。これは、上述したように、移相
部6−1〜6−nによって移相量を与えることによって
多重スペクトル拡散信号の最大振幅がさらに小さくな
り、増幅器の非線形性による出力振幅の歪みを一層小さ
くすることができるからである。
【0082】なお、上述した実施の形態2では、主とし
て多重数n=4,移相量{α1,α2,α3,α4}=
{0,π/4,π/2,3π/4}[ラジアン]として
説明したが、一般的に、多重数nに対して、n個の異な
る移相量{α1,α2,α3,…,αn}として設定し、た
とえば、任意の移相量γとし、p∈{0,1,2,3,
…,n−1}とすると、各移相量は、γ+pπ/n[ラ
ジアン]またはγ+pπ+π[ラジアン]となるように
設定することができる。換言すれば、この実施の形態2
では、全て異なるn個の移相量を用いて移相した多重ス
ペクトル拡散信号を送信するので、n方向n多重の送受
信を行うことになる。
【0083】この実施の形態2によれば、各並列スペク
トル拡散信号に全て異なる移相量を与え、各並列スペク
トル拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号の最大
振幅値を抑えるようにしているので、出力バックオフの
小さい動作点で動作する増幅器を用いた場合であって
も、増幅器の非線形性による出力歪みをさらに小さくす
ることができ、結果としてビット誤り率の低下を一層抑
えることができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、変換手段が、入力されたシリアル情報をパラレル情
報に変換し、拡散符号生成手段が、拡散符号長に対応し
たチップレートの周波数帯域をもつクロックを発生する
クロック発生手段のクロックに同期した拡散符号系列を
生成し、拡散変調手段が、前記変換手段によって変換さ
れた各パラレル情報系列と前記拡散符号生成手段によっ
て生成された拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラ
レル情報系列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号
を生成し、移相手段が、前記複数の並列スペクトル拡散
信号に対してそれぞれ複数の移相量を与え、遅延手段
が、前記移相手段によって移相された複数の並列スペク
トル拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与え、多
重手段が、前記遅延手段によって遅延された複数の並列
スペクトル拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号
を生成し、送信手段が、前記多重手段によって生成され
た多重スペクトル拡散信号を無線周波数信号に変換し、
増幅して送信して、多重スペクトル拡散信号の最大振幅
を小さくするようにしているので、増幅器の出力バック
オフが小さい動作点で動作する場合においても、増幅器
の非線形性による出力歪みが小さくなり、多重スペクト
ル拡散信号に多重化された各情報のビット誤り率の劣化
を少なくすることができるという効果を奏する。
【0085】つぎの発明によれば、受信手段が、所定の
拡散符号系列で拡散されたスペクトル拡散信号であって
各スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移相量と複数の
異なる遅延量とを有する複数のスペクトル拡散信号が加
算多重された多重スペクトル拡散信号を受信し、準同期
検波手段が、前記多重スペクトル拡散信号から前記所定
の拡散符号系列に対応したチップレートの周波数帯域を
もつ前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直
交成分を生成し、相関手段が、前記複数のスペクトル拡
散信号の同相成分および直交成分と前記所定の拡散符号
系列との相関値である同相相関値と直交相関値とをそれ
ぞれ算出し、初期捕捉手段が、前記同相相関値および前
記直交相関値をもとに前記複数のスペクトル拡散信号に
共通のシンボルクロックを生成し、遅延補正手段が、前
記同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクトル
拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペクト
ル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および前
記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行い、移相
補正手段が、前記遅延補正手段によって遅延補正された
各同相相関値および直交相関値のキャリア位相を前記複
数の移相量に対応して移相補正し、復調手段が、前記初
期捕捉手段によって生成されたシンボルクロックを用
い、前記移相補正手段によって移相された各同相相関値
および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信号に
対応する複数の復調信号を生成し、変換手段が、前記復
調手段によって復調された複数の復調信号をシリアル情
報に変換して、最大振幅が小さい多重スペクトル拡散信
号をもとに各並列スペクトル拡散信号を確実に復調する
ようにしているので、増幅器の出力バックオフが小さい
動作点で動作する場合においても、多重スペクトル拡散
信号に多重化された各情報のビット誤り率の劣化を少な
くすることができるという効果を奏する。
【0086】つぎの発明によれば、送信側装置と受信側
装置との間で同一の拡散符号系列を用いて複数チャネル
のパラレル通信を行う際、送信側装置において、第一変
換手段が、入力されたシリアル情報をパラレル情報に変
換し、拡散符号生成手段が、拡散符号長に対応したチッ
プレートの周波数帯域をもつクロックを発生するクロッ
ク発生手段のクロックに同期した拡散符号系列を生成
し、拡散変調手段が、前記第一変換手段によって変換さ
れた各パラレル情報系列と前記拡散符号生成手段によっ
て生成された拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラ
レル情報系列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号
を生成し、移相手段が、前記複数の並列スペクトル拡散
信号に対してそれぞれ複数の移相量を与え、遅延手段
が、前記移相手段によって移相された複数の並列スペク
トル拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与え、多
重手段が、前記遅延手段によって遅延された複数の並列
スペクトル拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号
を生成し、送信手段が、前記多重手段によって生成され
た多重スペクトル拡散信号を無線周波数信号に変換し、
増幅して送信するようにし、一方、受信側装置において
は、受信手段が、前記送信手段から送信された多重スペ
クトル拡散信号を受信し、準同期検波手段が、前記多重
スペクトル拡散信号から前記同一の拡散符号系列に対応
したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数のスペク
トル拡散信号の同相成分および直交成分を生成し、相関
手段が、前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分およ
び直交成分と前記所定の拡散符号系列との相関値である
同相相関値と直交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉
手段が、前記同相相関値および前記直交相関値をもとに
前記複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロッ
クを生成し、遅延補正手段が、前記同相相関値および前
記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数値に対
応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各遅延量
に対応して各同相相関値および前記直交相関値のピーク
値を揃える遅延補正を行い、移相補正手段が、前記遅延
補正手段によって遅延補正された各同相相関値および直
交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に対応して
移相補正し、復調手段が、前記初期捕捉手段によって生
成されたシンボルクロックを用い、前記移相補正手段に
よって移相された各同相相関値および直交相関値から前
記複数のスペクトル拡散信号に対応する複数の復調信号
を生成し、第二変換手段が、前記復調手段によって復調
された複数の復調信号をシリアル情報に変換するように
して、多重スペクトル拡散信号の最大振幅を小さくする
ようにしているので、増幅器の出力バックオフが小さい
動作点で動作する場合においても、増幅器の非線形性に
よる出力歪みが小さくなり、多重スペクトル拡散信号に
多重化された各情報のビット誤り率の劣化を少なくする
ことができるという効果を奏する。
【0087】つぎの発明によれば、移相手段がそれぞれ
移相する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの
一部の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)と
し、他の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−
π/2)とするようにして、最低限の位相変化によって
多重スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなるように
しているので、簡易な構成によって、増幅器の非線形性
によるビット誤り率の低下を防ぐことができるという効
果を奏する。
【0088】つぎの発明によれば、移相手段がそれぞれ
移相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは
2以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意
の位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+
π)(p=0〜n−1)として、多重スペクトル拡散信
号の最大振幅を最も小さくできるように位相量を与える
ので、多重スペクトル拡散信号の最大振幅は、最小とな
り、増幅器の非線形性によるビット誤り率の低下を最大
限に防止することができるという効果を奏する。
【0089】つぎの発明によれば、変換工程によって、
入力されたシリアル情報をパラレル情報に変換し、拡散
変調工程によって、前記変換工程によって変換された各
パラレル情報系列と所定の拡散符号系列とをそれぞれ乗
算し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列スペク
トル拡散信号を生成し、移相工程によって、前記複数の
並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移相量
を与え、遅延工程によって、前記移相工程によって移相
された複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ
異なる遅延量を与え、多重工程によって、前記遅延工程
によって遅延された複数の並列スペクトル拡散信号を加
算した多重スペクトル拡散信号を生成し、送信工程によ
って、前記多重工程によって生成された多重スペクトル
拡散信号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信し
て、多重スペクトル拡散信号の最大振幅を小さくするよ
うにしているので、増幅器の出力バックオフが小さい動
作点で動作する場合においても、増幅器の非線形性によ
る出力歪みが小さくなり、多重スペクトル拡散信号に多
重化された各情報のビット誤り率の劣化を少なくするこ
とができるという効果を奏する。
【0090】つぎの発明によれば、受信工程によって、
所定の拡散符号系列で拡散されたスペクトル拡散信号で
あって各スペクトル拡散信号がそれぞれ複数の移相量と
複数の異なる遅延量とを有する複数のスペクトル拡散信
号が加算多重された多重スペクトル拡散信号を受信し、
準同期検波工程によって、前記多重スペクトル拡散信号
から前記所定の拡散符号系列に対応したチップレートの
周波数帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信号の同相
成分および直交成分を生成し、相関工程によって、前記
複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分と
前記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関値と
直交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉工程によっ
て、前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記
複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを
生成し、遅延補正工程によって、前記同相相関値および
前記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複数値に
対応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の各遅延
量に対応して各同相相関値および前記直交相関値のピー
ク値を揃える遅延補正を行い、移相補正工程によって、
前記遅延補正工程によって遅延補正された各同相相関値
および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に
対応して移相補正し、復調工程によって、前記初期捕捉
工程によって生成されたシンボルクロックを用い、前記
移相補正工程によって移相された各同相相関値および直
交相関値から前記複数のスペクトル拡散信号に対応する
複数の復調信号を生成し、変換工程によって、前記復調
工程によって復調された複数の復調信号をシリアル情報
に変換して、最大振幅が小さい多重スペクトル拡散信号
をもとに各並列スペクトル拡散信号を確実に復調するよ
うにしているので、増幅器の出力バックオフが小さい動
作点で動作する場合においても、多重スペクトル拡散信
号に多重化された各情報のビット誤り率の劣化を少なく
することができるという効果を奏する。
【0091】つぎの発明によれば、送信側装置と受信側
装置との間で同一の拡散符号系列を用いて複数チャネル
のパラレル通信を行う際、第一変換工程によって、入力
されたシリアル情報をパラレル情報に変換し、拡散変調
工程によって、前記第一変換工程によって変換された各
パラレル情報系列と前記同一の拡散符号系列とをそれぞ
れ乗算し、各パラレル情報系列に対応する複数の並列ス
ペクトル拡散信号を生成し、移相工程によって、前記複
数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複数の移
相量を与え、遅延工程によって、前記移相工程によって
移相された複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれ
ぞれ異なる遅延量を与え、多重工程によって、前記遅延
工程によって遅延された複数の並列スペクトル拡散信号
を加算した多重スペクトル拡散信号を生成し、送信工程
によって、前記多重工程によって生成された多重スペク
トル拡散信号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信
し、一方、受信側においては、受信工程によって、前記
送信工程によって送信された多重スペクトル拡散信号を
受信し、準同期検波工程によって、前記多重スペクトル
拡散信号から前記同一の拡散符号系列に対応したチップ
レートの周波数帯域をもつ前記複数のスペクトル拡散信
号の同相成分および直交成分を生成し、相関工程によっ
て、前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直
交成分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相
相関値と直交相関値とをそれぞれ算出し、初期捕捉工程
によって、前記同相相関値および前記直交相関値をもと
に前記複数のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロ
ックを生成し、遅延補正工程によって、前記同相相関値
および前記直交相関値を複数のスペクトル拡散信号の複
数値に対応して分岐し、該複数のスペクトル拡散信号の
各遅延量に対応して各同相相関値および前記直交相関値
のピーク値を揃える遅延補正を行い、移相補正工程によ
って、前記遅延補正工程によって遅延補正された各同相
相関値および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移
相量に対応して移相補正し、復調工程によって、前記初
期捕捉工程によって生成されたシンボルクロックを用
い、前記移相補正工程によって移相された各同相相関値
および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信号に
対応する複数の復調信号を生成し、第二変換工程によっ
て、前記復調工程によって復調された複数の復調信号を
シリアル情報に変換するようにして、多重スペクトル拡
散信号の最大振幅を小さくするようにしているので、増
幅器の出力バックオフが小さい動作点で動作する場合に
おいても、増幅器の非線形性による出力歪みが小さくな
り、多重スペクトル拡散信号に多重化された各情報のビ
ット誤り率の劣化を少なくすることができるという効果
を奏する。
【0092】つぎの発明によれば、移相手段がそれぞれ
移相する前記複数の移相量は、該複数の移相量のうちの
一部の移相量を任意の位相βまたは位相(β+π)と
し、他の移相量を位相(β+π/2)または位相(β−
π/2)とするようにして、最低限の位相変化によって
多重スペクトル拡散信号の最大振幅が小さくなるように
しているので、簡易な構成によって、増幅器の非線形性
によるビット誤り率の低下を防ぐことができるという効
果を奏する。
【0093】つぎの発明によれば、移相手段がそれぞれ
移相する前記複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは
2以上の自然数)個の移相量であり、各移相量は、任意
の位相(γ+pπ/n)または位相(γ+pπ/n+
π)(p=0〜n−1)として、多重スペクトル拡散信
号の最大振幅を最も小さくできるように位相量を与える
ので、多重スペクトル拡散信号の最大振幅は、最小とな
り、増幅器の非線形性によるビット誤り率の低下を最大
限に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるスペクトル拡
散通信装置の送信側装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1であるスペクトル拡
散通信装置の受信側装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 従来のスペクトル拡散通信装置による多重ス
ペクトル拡散信号を示すコンスタレーション図である。
【図4】 この発明の実施の形態1であるスペクトル拡
散通信装置による多重スペクトル拡散信号を示すコンス
タレーション図である。
【図5】 図4に示した多重スペクトル拡散信号の一つ
の振幅を説明する図である。
【図6】 電力増幅部における入力バックオフに対する
出力バックオフの関係とバックオフとを示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1におけるバックオフ
に対する出力振幅/入力振幅の特性の一例を示す図であ
る。
【図8】 この発明の実施の形態1における平均信号エ
ネルギー対雑音電力密度比に対するビット誤り率との関
係を示す図である。
【図9】 初期捕捉部の詳細構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 二乗相関値と符号同期点との関係を示すタ
イミングチャートである。
【図11】 二乗相関値と多重二乗相関値との関係の一
例を示すタイミングチャートである。
【図12】 二乗相関値と多重二乗相関値との関係の一
例を示すタイミングチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態2であるスペクトル
拡散通信装置による多重スペクトル拡散信号を示すコン
スタレーション図である。
【図14】 図13に示した多重スペクトル拡散信号の
一つの振幅を説明する図である。
【図15】 この発明の実施の形態2におけるバックオ
フに対する出力振幅/入力振幅の特性を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態2における平均信号
エネルギー対雑音電力密度比に対するビット誤り率との
関係を示す図である。
【図17】 従来におけるスペクトル拡散通信装置の送
信側装置の構成を示すブロック図である。
【図18】 従来におけるスペクトル拡散通信装置の受
信側装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 データ発生部、2 シリアル/パラレル変換部、3
クロック発生部、4拡散符号発生部、5−1〜5−n
拡散変調部、6−1〜6−n 移相部、7−1〜7−
n 遅延部、8 多重部、9 周波数変換部、10 電
力増幅部、11,21 アンテナ、22 RF増幅部、
23 準同期検波部、24 相関値算出部、25 初期
捕捉部、26−1〜26−n 遅延補正部、27−1〜
27−n 移相補正部、28−1〜28−n データ復
調部、29 パラレル/シリアル変換部、31,32
二乗器、33 乗算器、34−1〜34−n 遅延補正
部、35 多重部、36 符号同期点検出部、37 シ
ンボルクロック発生部、41,42 乗算器、43 電
圧制御発信器、44 π/2移相部、45,46ローパ
スフィルタ、47,48 A/D変換器、49 同相相
関値算出部、50 直交相関値算出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 年春 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5K022 EE02 EE22 5K067 AA23 CC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたシリアル情報をパラレル情報
    に変換する変換手段と、 拡散符号長に対応したチップレートの周波数帯域をもつ
    クロックを発生するクロック発生手段と、 前記クロック発生手段が発生するクロックに同期した拡
    散符号系列を生成する拡散符号生成手段と、 前記変換手段によって変換された各パラレル情報系列と
    前記拡散符号生成手段によって生成された拡散符号系列
    とをそれぞれ乗算し、各パラレル情報系列に対応する複
    数の並列スペクトル拡散信号を生成する拡散変調手段
    と、 前記複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複
    数の移相量を与える移相手段と、 前記移相手段によって移相された複数の並列スペクトル
    拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与える遅延手
    段と、 前記遅延手段によって遅延された複数の並列スペクトル
    拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成する
    多重手段と、 前記多重手段によって生成された多重スペクトル拡散信
    号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信する送信手
    段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。
  2. 【請求項2】 所定の拡散符号系列で拡散されたスペク
    トル拡散信号であって各スペクトル拡散信号がそれぞれ
    複数の移相量と複数の異なる遅延量とを有する複数のス
    ペクトル拡散信号が加算多重された多重スペクトル拡散
    信号を受信する受信手段と、 前記多重スペクトル拡散信号から前記所定の拡散符号系
    列に対応したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数
    のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分を生成
    する準同期検波手段と、 前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成
    分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関
    値と直交相関値とをそれぞれ算出する相関手段と、 前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記複数
    のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを生成
    する初期捕捉手段と、 前記同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクト
    ル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペク
    トル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および
    前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行う遅延
    補正手段と、 前記遅延補正手段によって遅延補正された各同相相関値
    および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に
    対応して移相補正する移相補正手段と、 前記初期捕捉手段によって生成されたシンボルクロック
    を用い、前記移相補正手段によって移相された各同相相
    関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信
    号に対応する複数の復調信号を生成する復調手段と、 前記復調手段によって復調された複数の復調信号をシリ
    アル情報に変換する変換手段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。
  3. 【請求項3】 送信側装置と受信側装置との間で同一の
    拡散符号系列を用いて複数チャネルのパラレル通信を行
    うスペクトル拡散通信装置において、 前記送信側装置は、 入力されたシリアル情報をパラレル情報に変換する第一
    変換手段と、 拡散符号長に対応したチップレートの周波数帯域をもつ
    クロックを発生するクロック発生手段と、 前記クロック発生手段が発生するクロックに同期した拡
    散符号系列を生成する拡散符号生成手段と、 前記第一変換手段によって変換された各パラレル情報系
    列と前記拡散符号生成手段によって生成された拡散符号
    系列とをそれぞれ乗算し、各パラレル情報系列に対応す
    る複数の並列スペクトル拡散信号を生成する拡散変調手
    段と、 前記複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複
    数の移相量を与える移相手段と、 前記移相手段によって移相された複数の並列スペクトル
    拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与える遅延手
    段と、 前記遅延手段によって遅延された複数の並列スペクトル
    拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成する
    多重手段と、 前記多重手段によって生成された多重スペクトル拡散信
    号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信する送信手
    段と、 を備え、 前記受信側装置は、 前記送信手段から送信された多重スペクトル拡散信号を
    受信する受信手段と、 前記多重スペクトル拡散信号から前記同一の拡散符号系
    列に対応したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数
    のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分を生成
    する準同期検波手段と、 前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成
    分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関
    値と直交相関値とをそれぞれ算出する相関手段と、 前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記複数
    のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを生成
    する初期捕捉手段と、 前記同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクト
    ル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペク
    トル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および
    前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行う遅延
    補正手段と、 前記遅延補正手段によって遅延補正された各同相相関値
    および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に
    対応して移相補正する移相補正手段と、 前記初期捕捉手段によって生成されたシンボルクロック
    を用い、前記移相補正手段によって移相された各同相相
    関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信
    号に対応する複数の復調信号を生成する復調手段と、 前記復調手段によって復調された複数の復調信号をシリ
    アル情報に変換する第二変換手段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。
  4. 【請求項4】 前記移相手段がそれぞれ移相する前記複
    数の移相量は、該複数の移相量のうちの一部の移相量を
    任意の位相βまたは位相(β+π)とし、他の移相量を
    位相(β+π/2)または位相(β−π/2)とするこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のス
    ペクトル拡散通信装置。
  5. 【請求項5】 前記移相手段がそれぞれ移相する前記複
    数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2以上の自然
    数)個の移相量であり、各移相量は、任意の位相(γ+
    pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)(p=0〜
    n−1)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載のスペクトル拡散通信装置。
  6. 【請求項6】 入力されたシリアル情報をパラレル情報
    に変換する変換工程と、 前記変換工程によって変換された各パラレル情報系列と
    所定の拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パラレル情
    報系列に対応する複数の並列スペクトル拡散信号を生成
    する拡散変調工程と、 前記複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複
    数の移相量を与える移相工程と、 前記移相工程によって移相された複数の並列スペクトル
    拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与える遅延工
    程と、 前記遅延工程によって遅延された複数の並列スペクトル
    拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成する
    多重工程と、 前記多重工程によって生成された多重スペクトル拡散信
    号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信する送信工
    程と、 を含むことを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
  7. 【請求項7】 所定の拡散符号系列で拡散されたスペク
    トル拡散信号であって各スペクトル拡散信号がそれぞれ
    複数の移相量と複数の異なる遅延量とを有する複数のス
    ペクトル拡散信号が加算多重された多重スペクトル拡散
    信号を受信する受信工程と、 前記多重スペクトル拡散信号から前記所定の拡散符号系
    列に対応したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数
    のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分を生成
    する準同期検波工程と、 前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成
    分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関
    値と直交相関値とをそれぞれ算出する相関工程と、 前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記複数
    のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを生成
    する初期捕捉工程と、 前記同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクト
    ル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペク
    トル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および
    前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行う遅延
    補正工程と、 前記遅延補正工程によって遅延補正された各同相相関値
    および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に
    対応して移相補正する移相補正工程と、 前記初期捕捉工程によって生成されたシンボルクロック
    を用い、前記移相補正工程によって移相された各同相相
    関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信
    号に対応する複数の復調信号を生成する復調工程と、 前記復調工程によって復調された複数の復調信号をシリ
    アル情報に変換する変換工程と、 を含むことを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
  8. 【請求項8】 送信側装置と受信側装置との間で同一の
    拡散符号系列を用いて複数チャネルのパラレル通信を行
    うスペクトル拡散通信方法において、 入力されたシリアル情報をパラレル情報に変換する第一
    変換工程と、 前記第一変換工程によって変換された各パラレル情報系
    列と前記同一の拡散符号系列とをそれぞれ乗算し、各パ
    ラレル情報系列に対応する複数の並列スペクトル拡散信
    号を生成する拡散変調工程と、 前記複数の並列スペクトル拡散信号に対してそれぞれ複
    数の移相量を与える移相工程と、 前記移相工程によって移相された複数の並列スペクトル
    拡散信号に対してそれぞれ異なる遅延量を与える遅延工
    程と、 前記遅延工程によって遅延された複数の並列スペクトル
    拡散信号を加算した多重スペクトル拡散信号を生成する
    多重工程と、 前記多重工程によって生成された多重スペクトル拡散信
    号を無線周波数信号に変換し、増幅して送信する送信工
    程と、 前記送信工程によって送信された多重スペクトル拡散信
    号を受信する受信工程と、 前記多重スペクトル拡散信号から前記同一の拡散符号系
    列に対応したチップレートの周波数帯域をもつ前記複数
    のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成分を生成
    する準同期検波工程と、 前記複数のスペクトル拡散信号の同相成分および直交成
    分と前記所定の拡散符号系列との相関値である同相相関
    値と直交相関値とをそれぞれ算出する相関工程と、 前記同相相関値および前記直交相関値をもとに前記複数
    のスペクトル拡散信号に共通のシンボルクロックを生成
    する初期捕捉工程と、 前記同相相関値および前記直交相関値を複数のスペクト
    ル拡散信号の複数値に対応して分岐し、該複数のスペク
    トル拡散信号の各遅延量に対応して各同相相関値および
    前記直交相関値のピーク値を揃える遅延補正を行う遅延
    補正工程と、 前記遅延補正工程によって遅延補正された各同相相関値
    および直交相関値のキャリア位相を前記複数の移相量に
    対応して移相補正する移相補正工程と、 前記初期捕捉工程によって生成されたシンボルクロック
    を用い、前記移相補正工程によって移相された各同相相
    関値および直交相関値から前記複数のスペクトル拡散信
    号に対応する複数の復調信号を生成する復調工程と、 前記復調工程によって復調された複数の復調信号をシリ
    アル情報に変換する第二変換工程と、 を含むことを特徴とするスペクトル拡散通信方法。
  9. 【請求項9】 前記移相工程によって移相する前記複数
    の移相量は、該複数の移相量のうちの一部の移相量を任
    意の位相βまたは位相(β+π)とし、他の移相量を位
    相(β+π/2)または位相(β−π/2)とすること
    を特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載のスペ
    クトル拡散通信方法。
  10. 【請求項10】 前記移相工程がそれぞれ移相する前記
    複数の移相量は、それぞれ異なるn(nは2以上の自然
    数)個の移相量であり、各移相量は、任意の位相(γ+
    pπ/n)または位相(γ+pπ/n+π)(p=0〜
    n−1)であることを特徴とする請求項6〜8のいずれ
    か一つに記載のスペクトル拡散通信方法。
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