JP2001027147A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001027147A
JP2001027147A JP11203015A JP20301599A JP2001027147A JP 2001027147 A JP2001027147 A JP 2001027147A JP 11203015 A JP11203015 A JP 11203015A JP 20301599 A JP20301599 A JP 20301599A JP 2001027147 A JP2001027147 A JP 2001027147A
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throttle
combustion engine
catalyst
air
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Yukihiro Sonoda
幸弘 園田
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、排気浄化触媒を昇温させる手段と
電子制御式スロットル装置とを兼ね備えた希薄燃焼式内
燃機関において、電子制御式スロットル装置の学習精度
の低下を防止する技術を提供し、機関燃焼状態の悪化や
排気エミッションの悪化を防止することを課題とする。 【解決手段】 本発明に係る排気浄化装置は、排気浄化
触媒を昇温させる触媒昇温手段と、電子制御式スロット
ル装置とを備えた内燃機関の排気浄化装置であって、排
気浄化触媒が昇温された後のような特殊な状況下におけ
るスロットル学習制御を禁止し、学習制御の精度低下を
防止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に搭載さ
れる内燃機関の排気浄化技術に関し、特に酸素過剰状態
の混合気を燃焼可能な希薄燃焼式内燃機関の排気浄化技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載される内燃機関では、燃料
消費量の低減を図るべく、理論空燃比より高い空燃比の
混合気(酸素過剰状態の混合気)を燃焼可能な希薄燃焼
式内燃機関の開発が進められており、これに対応して希
薄燃焼式内燃機関から排出された排気に含まれる有害ガ
ス成分、特に窒素酸化物(NOX)を浄化する排気浄化
装置の開発も進められている。
【0003】上記した排気浄化装置としては、吸蔵還元
型NOx触媒に代表されるNOx吸収材が提案されてい
る。NOx吸収材は、該NOX吸収材に流入する排気の空
燃比がリーン(即ち、酸素過剰雰囲気下)のときは排気
中の窒素酸化物(NOX)を吸収し、流入排気の酸素濃
度が低下したときは吸収していた窒素酸化物(NOX
を放出するものである。
【0004】NOX吸収材の一種である吸蔵還元型NOx
触媒は、流入排気の空燃比がリーンのときは排気中の窒
素酸化物(NOx)を吸収し、流入排気の酸素濃度が低
下し且つ炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還
元剤が存在するときは吸収していた窒素酸化物(N
X)を放出しつつ窒素(N2)に還元する触媒である。
【0005】吸蔵還元型NOX触媒を希薄燃焼式内燃機
関の排気通路に設けた場合、希薄燃焼式内燃機関がリー
ン空燃比で運転され、該希薄燃焼式内燃機関からリーン
雰囲気の排気が排出されると、排気中の窒素酸化物(N
X)は、吸蔵還元型NOX触媒に吸収される。
【0006】前記希薄燃焼式内燃機関が理論空燃比又は
リッチ空燃比で運転され、該希薄燃焼式内燃機関からス
トイキ又はリッチ雰囲気の排気が排出されると、吸蔵還
元型NOX触媒に吸収されていた窒素酸化物(NOX
は、前記吸蔵還元型NOX触媒から放出されるとともに
排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還
元成分によって窒素(N2)に還元される。
【0007】ところで、内燃機関の燃料には硫黄成分が
含まれている場合があり、そのような燃料が内燃機関で
燃焼されると、燃料中の硫黄成分が酸化してSO2やS
3などの硫黄酸化物(SOx)が発生する。この硫黄酸
化物(SOX)は、排気とともに吸蔵還元型NOX触媒に
流入し、窒素酸化物(NOX)の吸収作用と同様のメカ
ニズムで吸蔵還元型NOX触媒に吸収される。
【0008】その際、硫黄酸化物(SOX)は、吸蔵還
元型リーンNOX触媒において安定した硫酸塩を形成す
るため、窒素酸化物(NOX)に比して放出され難く、
吸蔵還元型NOX触媒内に蓄積される傾向にある。
【0009】吸蔵還元型NOX触媒内のSOx蓄積量が増
加すると、吸蔵還元型NOX触媒が吸収可能なNOX量が
減少するため、排気中のNOXを浄化しきれなくなる、
いわゆるSOx被毒が発生し、排気エミッションが悪化
してしまう。
【0010】このような問題に対して、特開平8−61
052号公報に記載されたような内燃機関の排気浄化触
媒装置が提案されている。前記公報に記載された排気浄
化触媒装置は、流入排気がリーンのときは排気中の窒素
酸化物(NOX)を吸収し、流入排気がリッチのときは
吸収していた窒素酸化物(NOX)を放出しつつ還元す
る排気浄化触媒を内燃機関の排気通路に設けた装置にお
いて、排気浄化触媒に付着した浄化能力低下物質(SO
X)の量を推定する付着量推定手段と、付着量推定手段
による推定値が所定値に達したときに燃料及び空気を排
気浄化触媒へ供給し、前記燃料を排気浄化触媒上で燃焼
させることにより排気浄化触媒を昇温させる触媒昇温手
段とを備えている。
【0011】このように構成された排気浄化触媒装置
は、排気浄化触媒に付着した硫黄酸化物(SOX)量が
所定値に達した時点で排気浄化触媒の温度を急速に昇温
させることにより、排気浄化触媒に付着していた硫黄酸
化物(SOX)を燃焼及び除去しようとするものであ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一方、自動車に搭載さ
れる内燃機関では、吸気のポンピングロスを防止すべ
く、アクセルペダルと独立でスロットル弁を電子制御す
る電子制御式スロットル装置が提案されている。
【0013】このような電子制御式スロットル装置とし
ては、スロットル弁と、スロットル弁を開閉駆動するア
クチュエータと、アクチュエータを制御する電子制御ユ
ニット(Electronic Control Unit:ECU)とを備え
た装置が知られている。
【0014】この電子制御式スロットル装置では、EC
Uは、内燃機関の運転状態やアクセルペダルの操作量等
をパラメータとして目標開度を算出し、スロットル弁の
開度が目標開度となるようアクチュエータを制御する。
【0015】また、電子制御式スロットル装置では、該
電子制御式スロットル装置の初期公差や、スロットル弁
近傍の吸気通路に経時的に堆積したデポジット等の要因
により、スロットル弁近傍の吸気通路の流量特性が変化
するため、そのような流量特性の変化に応じてスロット
ル弁の制御特性を変更することも重要である。
【0016】このため、電子制御式スロットル装置で
は、所定条件下におけるスロットル弁の開度(基準スロ
ットル開度)を予め実験的に求めておき、所定条件成立
時における制御上の目標開度と基準スロットル開度との
差を学習値として取り込み、その学習値に基づいて目標
開度を補正する学習制御が行われている。
【0017】ところで、このような電子制御式スロット
ル装置を前述の排気浄化触媒装置に適用した場合に、排
気浄化触媒に付着した硫黄酸化物(SOX)を除去すべ
く排気浄化触媒の昇温制御が実行された後に電子制御式
スロットル装置の学習制御が実行されると、以下のよう
な不具合を生じる虞がある。
【0018】すなわち、排気浄化触媒の昇温処理が実行
された後は、排気浄化触媒の昇温に伴って車両のエンジ
ンルーム内の温度が上昇するため、吸気温度が上昇し、
吸気中の酸素密度が低下する。吸気中の酸素密度が低下
すると、内燃機関の燃焼室内で燃焼に供される実質的な
酸素量が減少する。その際、内燃機関がアイドル運転状
態にあると、内燃機関のアイドル回転数が低下する。こ
のため、電子制御式スロットル装置では、内燃機関のア
イドル回転数を所望の目標アイドル回転数に収束させる
べく、実際のスロットル弁の開度を通常より開き側へ制
御する。
【0019】このような状況下では、実際のスロットル
開度と基準スロットル開度との差が大きくなるため、そ
のような基準スロットル開度に基づいて学習制御が実行
され、その後の吸気温度が通常の温度域まで低下したと
きに前記の学習制御が反映されると、吸入空気量を所望
の量にすることが困難となり、内燃機関の燃焼状態の悪
化や排気エミッションの悪化を誘発する場合がある。
【0020】本発明は、上記したような事情に鑑みてな
されたものであり、排気浄化触媒を昇温させる手段と電
子制御式スロットル装置とを兼ね備えた希薄燃焼式内燃
機関において、電子制御式スロットル装置の学習精度の
低下を防止する技術を提供することにより、電子制御式
スロットル装置の学習精度の低下に起因した機関燃焼状
態の悪化や排気エミッションの悪化を防止することを目
的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、酸素過剰
状態の混合気を燃焼可能な希薄燃焼式内燃機関と、前記
内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を
アクセルペダルと独立に制御するとともに、前記スロッ
トル弁の開度を学習制御する電子制御式スロットル装置
と、前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
と、所定条件成立時に前記排気浄化触媒の温度を昇温さ
せる触媒昇温手段と、前記触媒昇温手段によって前記排
気浄化触媒の昇温処理が実行された後の所定期間は、前
記電子制御式スロットル装置の学習制御を禁止するスロ
ットル学習制御禁止手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0022】このように構成された排気浄化装置では、
所定条件が成立した際に、触媒昇温手段は、排気浄化触
媒を昇温させる。ここでいう所定条件成立時としては、
例えば、硫黄酸化物(SOX)や粒子状物質に代表され
るような、触媒の機能を低下し得る成分を排気浄化触媒
から燃焼又は除去する必要が生じた時を例示することが
できる。
【0023】一方、排気浄化装置では、電子制御式スロ
ットル装置は、内燃機関の運転状態等をパラメータとし
てスロットル弁の開度を制御するとともに、スロットル
弁の開度の学習制御を行う。
【0024】ここで、触媒昇温手段によって排気浄化触
媒が昇温されると、排気浄化触媒の昇温に伴って車両の
エンジンルーム内の温度が高温となるため、内燃機関の
吸気温度は、内燃機関の通常運転時に比して高温となる
ことが考えられる。
【0025】吸気温度が高温になると、吸気中の酸素密
度が低下するため、内燃機関の燃焼に供される実質的な
酸素量が減少し、機関回転数が低下する。これに対し、
電子制御式スロットル装置は、内燃機関の機関回転数を
所望の機関回転数に維持すべくスロットル弁の開度を通
常より開き側へ補正する必要が生じる。
【0026】ところで、上記したような状況下でスロッ
トル弁の開度の学習制御が実行され、その後の吸気温度
が通常の温度域まで低下した時に前記の学習制御が反映
されると、内燃機関の吸入空気量を所望の量にすること
が困難となる虞がある。
【0027】これに対し、本発明に係る排気浄化装置で
は、スロットル学習制御禁止手段が、触媒昇温手段によ
って排気浄化触媒の昇温処理が実行された後の所定期間
において電子制御式スロットル装置の学習制御を禁止す
るようにした。
【0028】ここで、前記した所定期間は、例えば、排
気浄化触媒の昇温に伴って上昇した吸気温度が通常の温
度域まで低下するのに要する時間としてもよい。この場
合、電子制御式スロットル装置は、排気浄化触媒が昇温
された場合のような特殊の状況下において学習制御を行
わなくなるため、学習制御の精度が低下することがな
い。
【0029】尚、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置
において、排気浄化触媒としては、吸蔵還元型NOx
媒を例示することができる。吸蔵還元型NOx触媒は、
該吸蔵還元型NOX触媒に流入する排気の空燃比がリー
ンのときは排気中の窒素酸化物(NOX)を吸収し、流
入排気の酸素濃度が低下して還元剤が存在するときは吸
収していた窒素酸化物(NOX)を放出するとともに窒
素(N2)に還元する触媒である。
【0030】このような吸蔵還元型NOX触媒は、例え
ばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウム
K、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのよ
うなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのよ
うなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのよ
うな希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptの
ような貴金属とが担持されて構成される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて
説明する。
【0032】図1は、本発明にかかる排気浄化装置を適
用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す
内燃機関1は、複数の気筒2を備えるとともに、各気筒
2内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁9を具備する4サ
イクルの筒内噴射式ガソリンエンジンである。
【0033】前記内燃機関1は、複数の気筒2及び冷却
水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシ
リンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド
1aとを備えている。
【0034】前記シリンダブロック1bには、機関出力
軸であるクランクシャフト4が回転自在に支持され、こ
のクランクシャフト4は、各気筒2内に摺動自在に装填
されたピストン3と連結されている。
【0035】前記ピストン3の上方には、前記ピストン
3の頂面と前記シリンダヘッド1aとに囲まれた燃焼室
5が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、前
記燃焼室5に臨むよう点火栓6が取り付けられ、この点
火栓6には、点火栓6に駆動電流を印加するためのイグ
ナイタ6aが接続されている。
【0036】前記シリンダヘッド1aには、2つの吸気
ポート7と2つの排気ポート8の開口端が前記燃焼室5
に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が前記燃焼室
5に臨むよう燃料噴射弁9が取り付けられている。
【0037】前記吸排気ポート7、8の各開口端は、前
記シリンダヘッド1aに進退自在に支持された吸気弁7
0及び排気弁80により開閉され、これら吸排気弁7
0、80は、前記シリンダヘッド1aに回転自在に支持
されるインテーク側カムシャフト11及びエキゾースト
側カムシャフト12により進退駆動されるようになって
いる。
【0038】前記インテーク側カムシャフト11及び前
記エキゾースト側カムシャフト12は、図示しないタイ
ミングベルトを介してクランクシャフト4と連結され、
クランクシャフト4の回転力が前記タイミングベルトを
介して前記インテーク側カムシャフト11及び前記エキ
ゾースト側カムシャフト12へ伝達されることにより、
前記インテーク側カムシャフト11及び前記エキゾース
ト側カムシャフト12が回転駆動されるようになってい
る。
【0039】各気筒2に連通する2つの吸気ポート7の
うちの一方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a外壁
に形成された開口端から燃焼室5に臨む開口端へ向かっ
て直線状に形成された流路を有するストレートポートで
構成され、他方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a
外壁の開口端から燃焼室5の開口端へ向かって旋回する
よう形成された流路を有するヘリカルポートで構成され
ている。
【0040】前記各吸気ポート7は、前記シリンダヘッ
ド1aに取り付けられる吸気枝管16の各枝管と連通す
る。2つの吸気ポート7のうちのストレートポートと連
通する枝管には、その枝管内の流量を調節するスワール
コントロールバルブ(SCV)10が設けられている。
【0041】前記スワールコントロールバルブ(SC
V)10には、ステップモータ等からなり、印加電流に
応じて前記スワールコントロールバルブ(SCV)10
を開閉駆動するアクチュエータ10aが取り付けられて
いる。
【0042】前記吸気枝管16は、サージタンク17に
接続され、このサージタンク17は、吸気管18を介し
てエアクリーナボックス19と接続されている。前記サ
ージタンク17には、サージタンク17内の圧力に対応
した電気信号を出力する吸気管圧力センサ20が取り付
けられている。
【0043】前記吸気管18には、前記吸気管18内の
流量を調節するスロットル弁21が取り付けられる。こ
のスロットル弁21には、印加電流に応じて前記スロッ
トル弁21を開閉駆動するステップモータ等からなるア
クチュエータ22が取り付けられている。
【0044】前記スロットル弁21には、スロットル弁
21の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポ
ジションセンサ23が取り付けられている。このスロッ
トル弁21には、アクセルペダル24に連動して回動す
るとともに、前記アクセルペダル24の操作量が所定量
以上に達すると前記スロットル弁21に係合して該スロ
ットル弁21を所定量開弁させるアクセルレバー(図示
せず)が設けられている。
【0045】前記アクセルレバーには、該アクセルレバ
ーの回転位置(言い換えれば、アクセルペダル24の操
作量)に対応した電気信号を出力するアクセルポジショ
ンセンサ25が取り付けられている。
【0046】一方、各排気ポート8は、前記シリンダヘ
ッド1aに取り付けられる排気枝管27の各枝管と連通
し、排気枝管27は、第1の触媒28に接続されてい
る。前記第1の触媒28には、排気管29が接続されて
いる。前記排気管29の途中には、第2の触媒31が設
けられている。前記排気管29は、下流にて図示しない
マフラーに接続されている。
【0047】前記排気枝管27には、排気枝管27内を
流れる排気ガスの空燃比に対応した電気信号を出力する
第1空燃比センサ30が取り付けられ、前記排気管29
において前記第2の触媒31より下流の部位には、前記
第2の触媒31から流出した排気の空燃比に対応した電
気信号を出力する第2空燃比センサ32が取り付けられ
ている。
【0048】前記第1及び第2の触媒28、31は、例
えば、該触媒28、31に流入する排気の空燃比がリー
ンであるときは排気中の窒素酸化物(NOX)を吸収
し、該触媒28、31に流入する排気の酸素濃度が低下
し且つ還元剤が存在するときは吸収していた窒素酸化物
(NOX)を放出しつつ窒素(N2)に還元する吸蔵還元
型NOX触媒である。以下では、第1の触媒28を第1
の吸蔵還元型NOX触媒28と称し、第2の触媒31を
第2の吸蔵還元型NOX触媒31と称するものとする。
【0049】前記第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒
28、31は、上流側の端部が開放され且つ下流側の端
部が閉塞された流路と、上流側の端部が閉塞され且つ下
流側の端部が開放された流路とがハニカム状をなすよう
交互に配置された担体と、各流路の壁面に担持されたN
X吸収剤とから構成されている。
【0050】前記担体は、例えば、多孔質のセラミック
で構成されている。前記NOX吸収剤としては、カリウ
ム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、あ
るいはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム
(Ba)やカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ラ
ンタン(La)やイットリウム(Y)等の希土類とから
選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属
類とから成るものを例示することができるが、本実施の
形態では、BaとPtとからなるNOX吸収剤を例に挙
げて説明する。
【0051】このように構成された第1及び第2の吸蔵
還元型NOX触媒28、31では、該第1及び第2の吸
蔵還元型NOX触媒28、31に流入する排気の空燃比
がリーンのときは、排気中の窒素酸化物(NOX)がN
X吸収剤に吸収される。
【0052】一方、第1及び第2の吸蔵還元型NOX
媒28、31では、該第1及び第2のお吸蔵還元型NO
X触媒28、31に流入する排気の酸素濃度が低下した
ときは、NOX吸収剤に吸収されていた窒素酸化物(N
X)が放出される。その際、第1及び第2の吸蔵還元
型NOX触媒28、31内に還元剤が存在していれば、
前記NOX吸収剤から放出された窒素酸化物(NOX)が
還元成分と反応して窒素(N2)に還元及び浄化され
る。
【0053】尚、NOX吸収剤におけるNOXの吸放出作
用の詳細なメカニズムについては明らかにされていない
部分もあるが、以下のようなメカニズムで行われている
と考えられている。
【0054】すなわち、第1及び第2の吸蔵還元型NO
X触媒28、31に流入する排気の空燃比がリーンとな
り、排気中の酸素濃度が高まると、排気中の酸素
(O2)がNOX吸収剤のPt表面にO2-あるいはO2-
して付着し、次いで排気中の一酸化窒素(NO)がPt
の表面上でO2-あるいはO2-と反応して二酸化窒素(N
2)となる。
【0055】前記二酸化窒素(NO2)は、Ptの表面
で酸化されつつ酸化バリウム(BaO)と結合して硝酸
イオン(NO3-)を形成する。このように、排気中のN
Xは、NO3-としてNOX吸収剤に吸収される。
【0056】上記したようなNOXの吸収作用は、吸蔵
還元型リーンNOX触媒8に流入する排気の空燃比がリ
ーンであって、NOX吸収剤のNOX吸収能力が飽和しな
い限り継続される。
【0057】前記第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒
28、31に流入する排気中の酸素濃度が低下すると、
NOX吸収剤における二酸化窒素(NO2)生成量が減少
し、酸化バリウム(BaO)と結合していたNO3-が逆
に二酸化窒素(NO2)となってNOX吸収剤から離脱す
る。すなわち、第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31に流入する排気の酸素濃度が低下すると、NO
3-の形でNOX吸収剤に吸収されていた窒素酸化物(N
X)は、二酸化窒素(NO2)となってNOX吸収剤か
ら放出されることになる。
【0058】NOX吸収剤から放出された窒素酸化物
(NOX)は、排気中に含まれる還元成分(例えば、N
X吸収剤のPt上の酸素O2-あるいは酸素O2-と反応
して部分酸化したHCやCO等の活性種)と反応して窒
素(N2)等に還元及び浄化される。
【0059】ところで、第1及び第2の吸蔵還元型NO
X触媒28、31のNOX吸収剤には、排気中の硫黄酸化
物(SOx)が窒素酸化物(NOX)と同様のメカニズム
によって吸収される。すなわち、第1及び第2の吸蔵還
元型NOX触媒28、31に流入する排気の空燃比がリ
ーンのときは、排気中の硫黄酸化物(SOx)がNOX
収剤のPt表面で酸化されてSO3-やSO4-となり、こ
れらSO3-、SO4-がNOX吸収剤の酸化バリウム(B
aO)と結合して硫酸バリウム(BaSO4)を形成す
る。
【0060】硫酸バリウム(BaSO4)は、NO3-
比べて安定しており、さらに硫酸バリウム(BaS
4)の結晶が粗大化し易いため、一旦生成されると分
解及び放出され難い。このため、NOX吸収剤における
硫酸バリウム(BaSO4)の生成量が増加すると、窒
素酸化物(NOX)と結合可能な酸化バリウム(Ba
O)の量が減少し、NOX吸収剤のNOX吸収能力が低下
する、いわゆるSOx被毒が発生する。
【0061】SOx被毒を解消する方法としては、第1
及び第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31内の雰囲気
温度を所定の温度域(例えば、500C°〜700C
°)まで昇温させるとともに、該第1及び第2の吸蔵還
元型NOX触媒28、31に流入する排気の空燃比を理
論空燃比もしくはリッチとすることにより、NOX吸収
剤中に生成された硫酸バリウム(BaSO4)をSO3-
やSO4-に熱分解し、それらSO3-、SO4-を炭化水素
(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分と反応させ
て気体状のSO2に還元し、NOX吸収剤から除去する方
法を例示することができる。
【0062】次に、内燃機関1には、該内燃機関1制御
用の電子制御ユニット(ElectronicControl Unit:EC
U)40が併設されている。ECU40には、吸気管圧
力センサ20、スロットルポジションセンサ23、アク
セルポジションセンサ25、第1空燃比センサ30、及
び第2空燃比センサ32に加え、クランクシャフト4の
端部に取り付けられたタイミングロータ13aとこのタ
イミングロータ13a近傍のシリンダブロック1bに取
り付けられた電磁ピックアップ13bとからなるクラン
クポジションセンサ13や、シリンダブロック1bの冷
却水路1c内を流れる冷却水の温度を検出すべくシリン
ダブロック1bに取り付けられた水温センサ14等の各
種センサが電気配線を介して接続される。
【0063】さらに、ECU40には、イグナイタ6
a、燃料噴射弁9、アクチュエータ10a、アクチュエ
ータ22等が電気配線を介して接続される。ここで、E
CU40は、図2に示すように、双方向性バス41によ
り相互に接続された、CPU42とROM43とRAM
44とバックアップRAM45と入力ポート46と出力
ポート47とを備えるとともに、前記入力ポート46に
接続されたA/Dコンバータ(A/D)48を備える。
【0064】前記入力ポート46は、クランクポジショ
ンセンサ13とスロットルポジションセンサ23とアク
セルポジションセンサ25とから出力される信号を入力
し、それらの出力信号をCPU42あるいはRAM44
へ送信する。
【0065】前記入力ポート46は、水温センサ14と
吸気管圧力センサ20と第1及び第2空燃比センサ30
及び32とから出力される信号をA/D48を介して入
力し、それらの出力信号をCPU42あるいはRAM4
4へ送信する。
【0066】前記出力ポート47は、前記CPU42か
ら出力される制御信号をイグナイタ6a、燃料噴射弁
9、アクチュエータ10a、あるいはアクチュエータ2
2へ送信する。
【0067】前記ROM43は、燃料噴射量を決定する
ための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定す
るための燃料噴射時期制御ルーチン、点火時期を決定す
るための点火時期制御ルーチン、スワールコントロール
バルブ(SCV)10の開度を制御するためのSCV制
御ルーチン、スロットル弁21の開度を制御するための
スロットル制御ルーチン、スロットル弁21の学習制御
を行うためのスロットル学習制御ルーチン、第1及び第
2の吸蔵還元型NOX触媒28、31に吸収された窒素
酸化物(NOX)を浄化するためのNOX浄化制御ルーチ
ン、第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31の
SOX被毒を解消するためのSOX被毒解消制御ルーチン
等の各種アプリケーションプログラムや、各種の制御マ
ップ等を記憶する。
【0068】前記制御マップは、例えば、内燃機関1の
運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マ
ップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を
示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と
点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関
1の運転状態とスワールコントロールバルブ(SCV)
10の開度との関係を示すSCV開度制御マップ、内燃
機関1の運転状態とスロットル弁21との関係を示すス
ロットル開度制御マップ、内燃機関1の運転状態と第1
及び第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31に吸収され
た窒素酸化物(NOX)量との関係を示すNOX吸収量制
御マップ、内燃機関1の運転状態と第1及び第2の吸蔵
還元型NOX触媒28、31に吸収された硫黄酸化物
(SOX)量との関係を示すSOX吸収量制御マップ等で
ある。
【0069】前記RAM44は、各センサの出力信号や
CPU42の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、
例えば、クランクポジションセンサ13の出力信号に基
づいて算出される機関回転数等である。前記RAM44
に記憶される各種のデータは、クランクポジションセン
サ13が信号を出力する度に最新のデータに書き換えら
れる。
【0070】前記バックアップRAM45は、内燃機関
1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリで
ある。前記CPU42は、前記ROM43に記憶された
アプリケーションプログラムに従って動作して、燃料噴
射制御、点火制御、SCV制御、スロットル制御、スロ
ットル学習制御、NOX浄化制御、SOX被毒解消制御等
を実行する。
【0071】例えば、CPU42は、クランクポジショ
ンセンサ13の出力信号に基づいて算出された機関回転
数と、アクセルポジションセンサ25の出力信号値(ア
クセル開度)とに基づいて、内燃機関1の運転状態が低
負荷運転領域にあると判定した場合は、成層燃焼を実現
すべく、アクチュエータ10aへ制御信号を送信してス
ワールコントロールバルブ10の開度を小さくし、アク
チュエータ22へ制御信号を送信してスロットル弁21
を実質的に全開状態とし、さらに各気筒2の圧縮行程時
に燃料噴射弁9に駆動電流を印加して圧縮行程噴射を行
う。この場合、各気筒2の燃焼室5内には、点火栓6の
近傍のみに可燃混合気層が形成されるとともに、その他
の領域に空気層が形成され、成層燃焼が実現される。
【0072】CPU42は、機関回転数とアクセル開度
とに基づいて機関運転状態が中負荷運転領域にあると判
定した場合は、リーン混合気による均質リーン燃焼を実
現すべく、アクチュエータ10aへ制御信号を送信して
スワールコントロールバルブ10の開度を小さくし、さ
らに各気筒2の吸気行程時に燃料噴射弁9に駆動電流を
印加して吸気行程噴射を行う。この場合、各気筒2の燃
焼室5内の略全域にわたって、空気と燃料とが均質に混
じり合ったリーン混合気が形成され、均質リーン燃焼が
実現される。
【0073】CPU42は、機関回転数とアクセル開度
とに基づいて機関運転状態が高負荷運転領域にあると判
定した場合は、理論空燃比近傍の混合気による均質燃焼
を実現すべく、アクチュエータ10aへ制御信号を送信
してスワールコントロールバルブ10を全開状態とし、
スロットル弁21がアクセルペダル24の踏み込み量
(アクセルポジションセンサ25の出力信号値)に対応
した開度となるようアクチュエータ22へ制御信号を送
信し、さらに各気筒2の吸気行程時に燃料噴射弁9に駆
動電流を印加して吸気行程噴射を行う。この場合、各気
筒2の燃焼室5内の略全域にわたって、空気と燃料とが
均質に混じり合った理論空燃比の混合気が形成され、均
質燃焼が実現される。
【0074】尚、CPU42は、成層燃焼制御から均質
燃焼制御へ移行する際、あるいは均質燃焼制御から成層
燃焼制御へ移行する際に、内燃機関1のトルク変動を防
止すべく各気筒2の圧縮行程時と吸気行程時の二回に分
けて燃料噴射弁9に駆動電流を印加する。この場合、各
気筒2の燃焼室5内には、点火栓6の近傍に可燃混合気
層が形成されるとともに、その他の領域にリーン混合気
層が形成され、いわゆる弱成層燃焼が実現される。
【0075】また、CPU42は、アクセルポジション
センサ25の出力信号値が“0”であり、機関運転状態
がアイドル運転領域にあると判定した場合は、内燃機関
1の実際の機関回転数を所望の目標アイドル回転数に収
束させるのに必要な吸入空気量を確保すべくスロットル
弁21の開度を制御する、いわゆるアイドルスピードコ
ントロール(ISC)を実行する。
【0076】次に、NOX浄化制御について述べる。前
述したように第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31は、該第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31に流入する排気の空燃比がリーンのときは、排
気中の窒素酸化物(NOX)を吸収し、該第1及び第2
の吸蔵還元型NOX触媒28、31に流入する排気の空
燃比が理論空燃比若しくはリッチのときは、吸収してい
た窒素酸化物(NOX)を放出し、放出された窒素酸化
物(NOX)を排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素
(CO)と反応させて窒素(N2)に還元せしめる。
【0077】一方、本実施の形態における内燃機関1
は、低中負荷運転状態にあるときはリーン空燃比で運転
され、高負荷運転状態にあるときは理論空燃比で運転さ
れるため、機関運転状態が低中負荷運転領域にあるとき
は内燃機関1からリーン空燃比の排気が排出され、高負
荷領域にあるときは内燃機関1から理論空燃比の排気が
排出されることになる。
【0078】従って、内燃機関1が低中負荷運転状態に
あるときは、排気中の窒素酸化物(NOX)が第1及び
第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31に吸収され、内
燃機関1が高負荷運転状態にあるときは、第1及び第2
の吸蔵還元型NOX触媒28、31に吸収されていた窒
素酸化物(NOX)が放出及び浄化されることになる。
【0079】ところで、内燃機関1が高負荷運転される
頻度が少なく、内燃機関1が低中負荷運転される時間が
長くなると、第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31の窒素酸化物(NOX)吸収能力が飽和し、排
気中の窒素酸化物(NOX)が第1及び第2の吸蔵還元
型NOX触媒28、31で吸収及び浄化されずに大気中
に放出される虞がある。
【0080】そこで、本実施の形態では、CPU42
は、内燃機関1の運転状態が低中負荷運転領域にある場
合、即ち、内燃機関1がリーン空燃比で運転されている
場合は、比較的に短い周期でスパイク的(短時間)にス
トイキまたはリッチ混合気の燃焼が行われるように混合
気の空燃比を制御し、短周期的に窒素酸化物(NOX
の放出・還元を行っている。
【0081】すなわち、CPU42は、NOX浄化制御
では、排気空燃比(この実施の形態では混合気の空燃
比)が比較的に短い周期で「リーン」と「スパイク的な
理論空燃比またはリッチ空燃比」を交互に繰り返される
よう内燃機関1の運転状態を制御する、いわゆる、リー
ン・リッチスパイク制御を実行する。
【0082】次に、SOX被毒解消制御では、CPU4
2は、先ず、第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31のSOX被毒解消条件が成立したか否かを判別
する。前記したSOX被毒解消条件としては、例えば、
(1)第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31
が活性状態にある、(2)第1及び第2の吸蔵還元型N
X触媒28、31のSOx吸収量が許容範囲内の上限値
に達している等の条件を例示することができる。
【0083】前記(2)の条件の成立/不成立を判定す
る方法としては、単位量当たりの燃料に含まれる硫黄成
分の量と、前回のSOx被毒解消時期から現時点に至る
までの内燃機関1の運転履歴(吸入空気量や燃料噴射量
の積算値)に基づいて第1及び第2の吸蔵還元型NOX
触媒28、31に吸収された硫黄酸化物(SOx)量を
推定し、推定された硫黄酸化物(SOX)量が上限値を
越えているか否かを判別する方法を例示することができ
る。
【0084】CPU42は、上記したようなSOX被毒
解消条件が成立していると判定した場合は、第1及び第
2の吸蔵還元型NOX触媒28、31の雰囲気温度を硫
酸バリウム(BaSO4)がSO3-やSO4-に熱分解し
得る温度域まで昇温させるとともに、熱分解されたSO
3-やSO4-を気体状のSO2に還元せしめる還元剤(炭
化水素(HC)又は一酸化炭素(CO))を第1及び第
2の吸蔵還元型NOX触媒28、31へ供給する。
【0085】具体的には、CPU42は、第1及び第2
の吸蔵還元型NOX触媒28、31に未燃燃料と空気と
を供給して、前記未燃燃料を第1及び第2の吸蔵還元型
NO X触媒28、31内で燃焼させ、その際に発生する
燃焼熱を利用して第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒
28、31を昇温させるとともに、排気中の炭化水素
(HC)およびまたは一酸化炭素(CO)によってSO
Xを還元させる。
【0086】その際、第1及び第2の吸蔵還元型NOX
触媒28、31には、十分な量の未燃燃料と酸素とを供
給する必要があるため、CPU42は、内燃機関1がリ
ーン空燃比で運転されている場合に、排気行程の気筒2
の燃料噴射弁9から副次的に燃料を噴射させることによ
り、多量の酸素を含有した排気中に燃料を混合して第1
及び第2の吸蔵還元型NOX触媒28、31へ供給する
副噴射制御、又は、内燃機関1の4つの気筒2のうち2
つの気筒2でリーン空燃比の混合気を燃焼させるととも
に、残りの2つの気筒2でリッチ空燃比の混合気を燃焼
させて、多量の酸素を含有した排気と多量の未燃燃料を
含有した排気との混合ガスを第1及び第2の吸蔵還元型
NOX触媒28、31へ供給する気筒別空燃比制御等を
実行する。
【0087】次に、スロットル制御では、CPU42
は、RAM44へアクセスし、アクセルポジションセン
サ25の出力信号値(アクセル開度:ACCP)と機関
回転数(NE)との最新データを読み出す。
【0088】CPU42は、前記アクセル開度(ACC
P)と機関回転数(NE)とをパラメータとしてROM
43のスロットル開度制御マップへアクセスし、前記ア
クセル開度(ACCP)と前記機関回転数(NE)とに
対応した目標スロットル開度(TATARGET)を算出す
る。尚、前記目標スロットル開度(TATARGET)は、ア
クチュエータ22に印加されるステップ数で表される値
である。
【0089】CPU42は、前記目標スロットル開度
(TATARGET)に対応した制御信号をアクチュエータ2
2に印加する。また、CPU42は、内燃機関1の運転
状態がアイドル運転領域にあるときは、別途のエアコン
ディショナ用のコンプレッサやオルタネータ等の補器類
の駆動に起因した内燃機関1の負荷を算出し、算出され
た負荷に基づいて内燃機関1の目標アイドル回転数(N
EIDLE)を算出する。
【0090】続いて、CPU42は、RAM44から実
際の機関回転数(NE)を読み出し、前記目標アイドル
回転数(NEIDLE)と前記実際の機関回転数(NE)と
を比較する。
【0091】CPU42は、前記目標アイドル回転数
(NEIDLE)が前記実際の機関回転数(NE)より所定
の許容回転数以上低い場合はスロットル弁21の開度を
一定開度開き側へ補正すべくアクチュエータ22を制御
し、前記目標アイドル回転数(NEIDLE)が前記実際の
機関回転数(NE)より前記許容回転数以上高い場合は
前記スロットル弁21の開度を一定開度閉じ側へ補正す
べくアクチュエータ22を制御するフィードバック制御
を実行する。
【0092】次に、スロットル学習制御では、CPU4
2は、スロットル学習制御の実行条件が成立しているか
否かを判別する。スロットル学習制御実行条件として
は、スロットル弁21、アクチュエータ22、スロット
ルポジションセンサ23、吸気管圧力センサ20、クラ
ンクポジションセンサ13が正常である、現状の大気圧
を検出済みである、内燃機関1の暖気が完了している、
別途の排気再循環(EGR)や蒸発燃料のパージが非実
行状態にある、内燃機関1の運転状態が安定している等
の条件を例示することができる。尚、内燃機関1の運転
状態が安定している場合としては、アクセルペダル24
の操作量が“0”(アクセル開度が全閉)となるアイド
ル運転状態を例示することができる。
【0093】上記したようなスロットル学習制御実行条
件が成立していると判定した場合は、CPU42は、R
AM44へアクセスし、前述したスロットル制御におい
て算出された目標アイドル回転数(NEIDLE)と、吸気
管圧力センサ20の出力信号値(吸気管圧力:PM)
と、機関回転数(NE)とを読み出す。
【0094】ここで、内燃機関1において前記吸気管圧
力(PM)と機関回転数(NE)とが特定されると、内
燃機関1の吸入空気流量、言い換えればスロットル開度
が一意に特定されるため、CPU42は、前記した吸気
管圧力(PM)と機関回転数(NE)とをパラメータと
して実際のスロットル開度を算出することが可能であ
る。
【0095】このため、本実施の形態では、大気圧が所
定の標準気圧となる条件下で内燃機関1を対象に、吸気
管圧力(PM)と機関回転数(NE)とスロットル開度
(TAST)との関係を実験的に求め、その結果をマップ
化してROM43に記憶しておくものとする。尚、以下
では、上記のマップを基準スロットル開度制御マップと
称する。
【0096】CPU42は、上記したような基準スロッ
トル開度制御マップから、前記吸気管圧力(PM)と機
関回転数(NE)とに対応したスロットル開度(TAS
T)を算出する。その際、前記吸気管圧力(PM)は、
前記標準気圧と現時点における大気圧との差に基づいて
補正された値を用いるものとする。現時点の大気圧とし
ては、内燃機関1が始動される直前(イグニションスイ
ッチがオンにされた後であって、スタータスイッチがオ
ンにされる前)の吸気管圧力センサ20の出力信号値を
用いることができる。
【0097】CPUは、前記目標スロットル開度:TA
TARGETと前記実スロットル開度:TAとを比較する。前
記目標スロットル開度:TATARGETが前記実スロットル
開度:TAより大きい場合は、実際の吸気量が所望の吸
気量より少ないことになり、目標スロットル開度:TA
TARGETを開き側に補正して実際の吸気量を所望の吸気量
まで増加させる必要がある。
【0098】そこで、CPUは、前記目標スロットル開
度:TATARGETから前記実スロットル開度:TAを減算
してスロットル学習値:△TA+を算出する。以後、C
PUは、目標スロットル開度を算出する際に、機関回転
数とアクセル開度とをパラメータとして求められた目標
スロットル開度:TATARGETに前記スロットル学習値:
△TA+を加算して得られる値(=TATAGET+△T
+)を用いてスロットル弁を制御する。
【0099】一方、前記目標スロットル開度:TATARG
ETが前記実スロットル開度:TAより小さい場合は、実
際の吸気量が所望の吸気量より多いことになり、目標ス
ロットル開度:TATARGETを閉じ側に補正して実際の吸
気量を所望の吸気量まで減少させる必要がある。
【0100】そこで、CPUは、前記実スロットル開
度:TAから前記目標スロットル開度:TATARGETを減
算してスロットル学習値:△TA-を算出する。以後、
CPUは、目標スロットル開度を算出する際に、機関回
転数とアクセル開度とをパラメータとして求められた目
標スロットル開度:TATARGETから前記学習値:△TA
-を減算して得られる値(=TATARGET−△TA-)を用
いてスロットル弁を制御する。
【0101】ところで、前述したSOX解消制御が実行
された直後は、第1及び第2の吸蔵還元型NOX触媒2
8、31の昇温に伴って車両のエンジンルーム内の温度
が通常より高くなるため、内燃機関1の吸気の温度も通
常よりも高くなる。
【0102】吸気中の酸素密度は、吸気温度が高くなる
ほど低下するため、燃焼室5内で燃焼に供される酸素量
は、燃焼室5に充填される吸気の体積が同一であって
も、吸気温度が高くなるほど減少する。
【0103】このため、内燃機関1のアイドル回転数を
所定回転数に維持するには、吸気温度が高くなるほどス
ロットル開度を大きくして、燃焼室5に充填させる吸気
の体積を増加させ、燃焼に供される酸素量を増加させる
必要がある。
【0104】従って、SOX解消制御実行直後の吸気温
度が高いときに、スロットル学習制御が実行されると、
前記基準スロットル開度と実際のスロットル開度との差
が大きくなり、そのような基準スロットル開度に基づい
て算出される学習値も不要に大きくなる場合がある。そ
して、SOX被毒解消制御の実行完了から所定期間が経
過し、吸気温度が通常の温度域まで低下した際、特に、
内燃機関1が成層燃焼運転されている際に、吸気温度が
高いときの学習値がスロットル制御に反映されると、燃
焼状態の悪化や排気エミッションの悪化が誘発される。
【0105】そこで、本実施の形態では、CPU42
は、図3に示すように、SOX被毒解消制御の実行完了
時から吸気温度が所定温度以下に低下するまでの所定期
間は、スロットル学習制御の実行を禁止するようにし
た。尚、図3中のグラフAは、SOX被毒解消制御の実
行完了時(図中のT1)に学習制御を開始した場合の学
習値の遷移を示し、グラフBは、SOX被毒解消制御の
実行完了時から所定時間経過した時点、言い換えれば吸
気温度が通常の温度域まで低下した時点(図中のT2
に学習制御を開始した場合の学習値の遷移を示す。
【0106】以下、本実施の形態に係るスロットル学習
制御について図4に基づいて説明する。図4は、スロッ
トル学習制御ルーチンを示すフローチャート図であり、
このスロットル学習制御ルーチンは、所定時間毎(例え
ば、クランクポジションセンサ13がパルス信号を出力
する都度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0107】スロットル学習制御ルーチンでは、CPU
42は、先ずS401において、RAM44へアクセス
し、吸気管圧力センサ20の出力信号(吸気管圧力:P
M)や機関回転数(NE)等の各種データを読み込む。
【0108】S402では、CPU42は、前記S40
1で読み込まれたデータに基づいてスロットル学習制御
の実行条件が成立しているか否かを判別する。前記S4
02においてスロットル学習制御実行条件が不成立であ
ると判定した場合は、CPU42は、本ルーチンの実行
を一旦終了する。
【0109】一方、前記S402においてスロットル学
習制御実行条件が成立していると判定した場合は、CP
Uは、S403へ進み、SOX被毒解消制御の実行完了
から所定期間が経過してたか否かを判別する。この判別
方法としては、SOX被毒解消制御の実行が完了した時
点から起動されるタイマをECU40内に設け、このタ
イマの計時時間が所定期間以上に達しているか否かで判
別する方法を例示することができる。
【0110】前記S402においてSOX被毒解消制御
の実行完了から所定期間が経過していないと判定した場
合は、CPU42は、S405へ進み、スロットル学習
制御の実行を禁止して、本ルーチンの実行を終了する。
【0111】前記S402においてSOX被毒解消制御
の実行完了から所定期間が経過していると判定した場合
は、CPU42は、S404へ進み、スロットル学習制
御の実行を開始する。
【0112】このようにCPU42がスロットル学習制
御ルーチンを実行することにより、本発明にかかるスロ
ットル学習制御禁止手段が実現される。従って、本実施
の形態にかかる内燃機関の排気浄化装置によれば、SO
X被毒解消制御の実行後のように吸気温度が通常の温度
域より高くなるような特殊な状況下での学習制御が禁止
されることになるため、特殊状況下で学習された学習値
が通常の状況下のスロットル制御に反映されることがな
くなる。
【0113】この結果、スロットル学習制御における学
習値の精度が低下することがなく、内燃機関1の吸入空
気量を所望の吸入空気量とすることが可能となるため、
内燃機関1を所望の空燃比で運転することが可能とな
り、燃焼状態の悪化や排気エミッションの悪化が防止さ
れる。
【0114】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置で
は、触媒昇温手段によって排気浄化触媒が昇温されてか
ら所定期間は、電子制御式スロットル装置の学習制御の
実行が禁止されるため、吸気温度が通常より高くなるよ
うな特殊な状況下における学習制御がスロットル制御に
反映されることがなく、学習制御の精度が低下すること
がない。
【0115】従って、本発明に係る内燃機関の排気浄化
装置によれば、学習制御の精度低下に起因した内燃機関
の燃焼状態の悪化や排気エミッションの悪化が防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる排気浄化装置を適用する希薄
燃焼内燃機関の概略構成を示す図
【図2】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図3】 実施の形態に係るスロットル学習制御を説明
する図
【図4】 実施の形態に係るスロットル学習制御ルーチ
ンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・希薄燃焼内燃機関 4・・・クランクシャフト 5・・・燃焼室 7・・・吸気ポート 9・・・燃料噴射弁 13・・クランクポジションセンサ 14・・水温センサ 16・・吸気枝管 17・・サージタンク 18・・吸気管 19・・エアクリーナボックス 20・・吸気管圧力センサ 21・・スロットル弁 22・・アクチュエータ 23・・スロットルポジションセンサ 25・・アクセルポジションセンサ 28・・第1の吸蔵還元型NOX触媒 31・・第2の吸蔵還元型NOX触媒 40・・ECU
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/14 320 F02D 41/14 320C Fターム(参考) 3G065 CA12 EA03 FA07 FA13 GA00 GA01 GA09 GA10 GA41 3G084 AA04 BA05 BA24 CA03 DA10 DA28 EA07 EA11 EB09 EB19 EB20 EC01 FA10 FA11 FA20 FA30 FA33 FA38 3G091 AA13 AB06 BA04 BA11 BA14 CB07 DB10 DC02 EA01 EA06 EA07 EA16 EA34 FA12 GB02X GB03X GB04X GB05X GB10Y HA36 HA37 3G301 HA18 JA21 JA25 KA07 LA00 LA03 NC04 ND24 ND25 NE19 NE23 PA07Z PA11Z PD09Z PE01Z PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰状態の混合気を燃焼可能な希薄
    燃焼式内燃機関と、 前記内燃機関の吸気通路に設けられたスロットル弁の開
    閉制御を行うスロットル制御手段、及び前記スロットル
    弁の開度の学習制御を行うスロットル学習制御手段を具
    備した電子制御式スロットル装置と、 前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、 所定条件成立時に前記排気浄化触媒の温度を昇温させる
    触媒昇温手段と、 前記触媒昇温手段によって前記排気浄化触媒の昇温処理
    が実行された後の所定期間は、前記電子制御式スロット
    ル装置による学習制御の実行を禁止するスロットル学習
    制御禁止手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の
    排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075469A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Kokusan Denki Co Ltd エンジン回転制御装置

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JP2008075469A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Kokusan Denki Co Ltd エンジン回転制御装置

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