JP2001026833A - 抗菌性高耐食アルミニウム合金材料およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性高耐食アルミニウム合金材料およびその製造方法

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JP2001026833A
JP2001026833A JP19961099A JP19961099A JP2001026833A JP 2001026833 A JP2001026833 A JP 2001026833A JP 19961099 A JP19961099 A JP 19961099A JP 19961099 A JP19961099 A JP 19961099A JP 2001026833 A JP2001026833 A JP 2001026833A
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JP19961099A
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Masanori Hamazaki
昌典 濱▲崎▼
Kei Yoshitomi
圭 吉富
Masayuki Hayakawa
正幸 早川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を有するとともに、従来の抗菌性アル
ミニウム合金に比べて耐食性を改善したアルミニウム合
金の提供。 【解決手段】 抗菌性元素が平均粒径0.5μm以下の
晶出物として均一微細に分散するか、または過飽和固溶
状態として存在するとともに、アルミニウム母相の平均
凝固セル径が5.0μm以下である抗菌性高耐食アルミ
ニウム合金材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性を有する、
急冷凝固法にて製造される抗菌性高耐食アルミニウム合
金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から銀(Ag)、錫(Sn)及び銅
(Cu)には抗菌効果があることが知られており、軽量
・高強度構造材料として知られるアルミニウム、アルミ
ニウム合金にこれら抗菌金属元素を添加して抗菌性を付
与するという手法が古くから採られている。これらアル
ミニウム合金の抗菌効果は、菌がある溶液を媒体として
表面に存在する抗菌元素であるAg、SnあるいはCu
に接触することにより発揮される。
【0003】ところで、この抗菌性アルミニウム合金
は、母相Al中に抗菌元素が分散した組織を形成する
が、母相と抗菌元素との間に電位差が生じることにより
局部電池が形成されることになる。この局部電池の存在
により、抗菌効果を発揮すると同時に腐食が進行するこ
とになる。特に、抗菌元素を含む晶出物が粗大化してい
ると、その粗大化晶出物が存在する部分が優先的に腐食
され、深い浸食穴が生じて構造材として致命的な欠陥と
なることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の抗菌性アルミニ
ウム合金は、所望組成の合金溶湯を金型に鋳込んで得た
インゴットを圧延、熱処理を繰り返して製造されるため
に添加元素が粗大に晶出してしまい、腐食の進行が加速
し、製品寿命を短くする要因となっていた。そこで本発
明は、抗菌性を有するとともに、従来の抗菌性アルミニ
ウム合金に比べて耐食性を改善したアルミニウム合金お
よびアルミニウム合金の製造方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、抗菌性元素
を粗大な晶出物を形成させずにアルミニウム母相中に微
細に分散させることにより抗菌性を呈するとともに腐食
の進行を抑制させることについて検討を行った。すなわ
ち、本発明者は抗菌性元素、例えばAg、Sn及びCu
が所定量含まれたアルミニウム合金溶湯を単ロール法、
双ロール法、ガス・水アトマイズ法といった急冷凝固法
により凝固させることにより、均一微細な組織を持つア
ルミニウム合金が得られ、このアルミニウム合金は抗菌
性元素を含むから抗菌性を発揮するとともに、微細均一
な組織であるが故に腐食の進行が抑制され製品寿命を長
期化することが可能となることを知見した。
【0006】急冷凝固で得られる本発明の抗菌性高耐食
アルミニウム合金材料は、抗菌性元素が平均粒径0.5
μm以下の晶出物として均一微細に分散するか、または
過飽和固溶状態として存在するとともに、アルミニウム
母相の平均凝固セル径が5.0μm以下と微細である。
【0007】本発明において、抗菌性元素としてはA
g、Sn及びCuの1種又は2種以上を用いることが望
ましい。この場合、十分な抗菌性を得るためには重量%
で0.05%以上含有させることが望ましい。但し、あ
まり多量に含有せしめると激しく腐食が発生し、構造材
料として致命的な欠陥となるため、1.5%以下の含有
量とすることが推奨される。抗菌性元素としてはAg、
Sn又はCuを用いた場合、その晶出物は、A−Ag化
合物、Al−Sn化合物又はAl−Cu化合物である。
ただし、これら抗菌元素は、Al母相中に過飽和固溶状
態として存在することもある。
【0008】本発明において母相を形成するアルミニウ
ムとして、純Alの他、例えばJIS 1000系〜7
000系のアルミニウム合金を適宜用いることができる
ものであり、特に限定されない。本発明合金の使用目的
に応じて最適なものを選定すればよい。
【0009】本発明合金は、抗菌性元素を含む所定組成
のアルミニウム合金を溶解し、この溶湯を急冷凝固する
ことにより得ることができる。急冷凝固の速度として
は、103℃/sec以上とすることが本発明が所望する均
一微細な組織を得るために必要である。この冷却速度を
実現する手段としては、単ロール法、双ロール法、ガス
・水アトマイズ法といった公知の急冷凝固手段を採用す
ることができる。より望ましい冷却速度は、3×103
℃/sec以上である。
【0010】単ロール法、双ロール法は、周知のよう
に、高速で回転するロール表面にノズルから溶湯を噴出
・流下する手法であり、得られる合金は通常薄帯とな
る。一方、ガスアトマイズ法は流下する合金溶湯に不活
性ガス流を衝突させる手法であり、また、水アトマイズ
は流下する合金溶湯に液体流を衝突させる手法であっ
て、得られる合金は粉末となる。、ガス・水アトマイズ
法により得られた合金粉末は、用途によってはそのまま
で使用に供されることもあろうし、バルク状の製品を得
たい場合には急冷凝固により得られた均一微細な組織を
維持するように焼結することも可能である。所望する製
品の形態に応じて上記のうち何れの手段、あるいは他の
急冷凝固手段を採用するかを適宜選択すればよいのであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施の形態に基づ
き説明する。表1に示す組成(重量%)を有する合金溶
湯を単ロール急冷凝固装置を用いて104℃/secの冷却
速度で急冷凝固させて、厚さ80μmの合金薄帯を得
た。この合金薄帯を用いて以下の内容の抗菌試験を実施
した。なお、表1の試料10は抗菌性元素を添加しない
純Al、試料11は合金溶湯を金型に鋳込んだ後熱間圧
延、熱処理を施して得た材料である。
【0012】
【表1】
【0013】抗菌試験内容 滅菌した生理食塩水(0.85%NaCl水溶液)40ml
をビーカーに分取し、試料3gを秤量してオートクレー
ブにて121℃×1分間滅菌する。 滅菌した試料に大腸菌(E.coil 3301)106個を接
種し、回転培養器にて24時間振とうする。 浸透後の試料をクリーンベンチにて順次希釈し、滅菌
シャーレにて採取しデゾキシレート寒天培養培地を加
え、37℃にて48時間以上培養する。 同時に生理食塩水に大腸菌を接種したブランクテスト
も実施し、ブランク値に対して殺菌度を比較する。
【0014】抗菌試験の結果を表1に示すが、純Alの
抗菌度が2Dであるのに対し、本発明合金である試料1
〜6は何れも3D以上の抗菌性を示した。なお、抗菌度
XDは、X値が大きいほど抗菌性が高いことを意味して
いる。
【0015】試料1〜8の晶出物サイズ、凝固セルサイ
ズを測定した結果も表1に合わせて示すが、本発明によ
る試料1〜6は何れも鋳込み材である試料8に比べて晶
出物サイズ、凝固セルサイズが極めて微細であり、かつ
晶出物が均一に分散していることが判った。なお、晶出
物は、試料1,2がAl−Ag化合物、試料3,4がA
l−Sn化合物であることが確認されている。試料5,
6は過飽和固溶状態であり、Al−Cuの晶出物は確認
されなかった。
【0016】また、抗菌試験後の試料表面の性状を観察
したところ、試料1〜6の何れも晶出物近傍に腐食穴が
形成されているが、鋳込み材である試料8では粗大な晶
出物周辺に比較的深くて大きな腐食穴が偏在しているの
に対し、本発明による試料1〜6は晶出物が均一微細に
分布しているために、腐食穴も均一に分布し、かつその
深さも試料8に比べて非常に浅いことが判明した。
【0017】試料1〜8についてビッカース硬度試験を
行った。その結果を表1に合わせて示すが、単ロール急
冷凝固法により製造した試料3と鋳込み材である試料8
を比べると、同一組成でありながら試料3、つまり急冷
凝固法による材料は鋳込み材に比べて1.5倍以上の硬
さを有していることが明らかになった。
【0018】以上の通りであり、本発明によれば、急冷
凝固を行っても所定量、具体的には0.05%以上のA
g、Sn及びCuを含むアルミニウム合金は抗菌性が向
上することが判明した。また、急冷凝固後の組織観察の
結果、鋳込み材に比べて晶出物、凝固セルが非常に微細
に、かつ均一に分散しており、抗菌試験後の表面性状を
比較すると、急冷凝固材の腐食は概して浅く微細に分散
しており、全面的に軽く腐食されているのに対し、鋳込
み材は粗大化した化合物近傍が優先的に腐食されてお
り、一つ一つの腐食穴が大きく、深いのが特徴である。
したがって、急冷凝固により得られ均一微細組織によっ
て、腐食による表面性状の劣化を抑制することが確認で
きた。
【0019】さらに、ビッカース硬度試験の結果から急
冷凝固材の硬度が高くなることが判明したが、これは急
冷凝固材が結晶粒が非常に微細であり、かつ固溶量が増
大した組織を有しており、組織の微細化及び固溶強化に
よるものと判断される。
【0020】
【発明の効果】以上説明のように、本発明によれば、抗
菌性元素を有するアルミニウム合金を急冷凝固により製
造することにより、抗菌性が発揮できるのは勿論、耐食
性が向上し製品寿命を延ばすことが可能となり、さらに
材料強度が向上するという従来では得ることのできない
効果を奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 正幸 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 4E004 DB02 NC08 TA06 TB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性元素が平均粒径0.5μm以下の
    晶出物として均一微細に分散するか、または過飽和固溶
    状態として存在するとともに、アルミニウム母相の平均
    凝固セル径が5.0μm以下であることを特徴とする抗
    菌性高耐食アルミニウム合金材料。
  2. 【請求項2】 抗菌性元素がAg、Sn及びCuの1種
    又は2種以上であり、その含有量が重量%で、0.05
    〜1.5%である請求項1に記載の抗菌性高耐食アルミ
    ニウム合金。
  3. 【請求項3】 抗菌性元素を含むアルミニウム溶湯を1
    3℃/sec以上の冷却速度で急冷凝固することを特徴と
    する抗菌性高耐食アルミニウム合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 抗菌性元素がAg、Sn及びCuの1種
    又は2種以上であり、その含有量が重量%で、0.05
    〜1.5%である請求項3に記載の抗菌性高耐食アルミ
    ニウム合金の製造方法。
JP19961099A 1999-07-13 1999-07-13 抗菌性高耐食アルミニウム合金材料およびその製造方法 Withdrawn JP2001026833A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103103406A (zh) * 2013-01-31 2013-05-15 山东建筑大学 一种食品容器用抗菌铝合金
CN106119611A (zh) * 2016-04-27 2016-11-16 浙江华仁科技有限公司 一种复合抗菌铝合金及制造方法
CN112296604A (zh) * 2020-10-12 2021-02-02 安徽鑫发铝业有限公司 一种高强度抗菌耐磨冲锋舟用铝型材的制备方法
WO2024058393A1 (ko) * 2022-09-12 2024-03-21 (주)엠티에이 항균성을 갖는 철 합금 및 그 제조방법

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