JP2001026681A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JP2001026681A
JP2001026681A JP11369894A JP36989499A JP2001026681A JP 2001026681 A JP2001026681 A JP 2001026681A JP 11369894 A JP11369894 A JP 11369894A JP 36989499 A JP36989499 A JP 36989499A JP 2001026681 A JP2001026681 A JP 2001026681A
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Japan
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rubber
tire
rubber composition
dimethylbutyl
weight
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JP11369894A
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Masato Kawase
正人 川瀬
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ用ゴム組成物の長期間走行後において
も引張強度、引裂き強度と耐オゾンクラック性を維持す
る。 【解決手段】 天然ゴムおよび/またはポリイソプレン
ゴムにN−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニ
ル−p−フェニレンジアミンの化合物とN−(1,3−
ジメチルブチル)−N′−フェニルキノンジイミンの化
合物さらに好ましくは、1,3−ビス(シトラコンイミ
ドメチル)ベンゼン混合物を配合されてなるゴム組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ用ゴム組成
物、特にサイドウォール部用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、特にタイヤのサイドウォール部
は高速走行時繰返し変形を受けるとともに温度は100
℃を越える高温に上昇しさらに大気に露出する表面はオ
ゾンによる劣化を受けやすい。したがってタイヤの過激
な使用条件下での老化(劣化)を防止するためタイヤ用
ゴム組成物には酸化防止剤、熱老化防止剤およびオゾン
老化防止剤等の複数種の老化防止剤が併用されるのが普
通である。しかしこれらの老化防止剤を併用してもタイ
ヤ走行距離に伴う熱劣化、酸化劣化が十分改善されずタ
イヤ性能およびタイヤ寿命が短いものになっている。具
体的には次のような現象が生じている。
【0003】 ゴム組成物の引張強度および破断時伸
びがタイヤ走行距離に伴い低下する。
【0004】 ゴム組成物の引裂き強度がタイヤ走行
距離に伴い低下する。 ゴム組成物の耐屈曲亀裂成長性がタイヤ走行距離に
伴い低下する。
【0005】これらの性能の低下に起因して耐オゾンク
ラック性の低下を招来することになる。
【0006】ゴム組成物の熱老化を防止するものとして
特開平10−139938号があるが、これはタイヤ走
行前の特性の改善を主目的とするものでタイヤの長期間
走行に伴う物性低下を改善するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はタイヤ
の高速走行および長距離走行に伴う繰返し変形、高温下
での過激な使用条件下に十分耐えゴム組成物の引張強
度、引裂強度および耐屈曲亀裂成長性能を維持しオゾン
等によるクラック性を改善したタイヤ用ゴム組成物、特
にサイドウォール部用ゴム組成物を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はジエン系ゴム1
00重量部に対しN−(1,3−ジメチルブチル)−
N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(以下6PP
Dという)を0.1〜5重量部、N−(1,3−ジメチ
ルブチル)−N′−フェニルキノンジイミン(以下6Q
DIという)を0.1〜8重量部配合されてなるゴム組
成物である。従来、一般に使用されている酸化防止剤は
ブリードしタイヤ表面に析出するためゴム組成物中に残
存する量は経時的に減少する。そのためタイヤは長期間
使用されると酸化劣化を徐々に受けやすくなり、破壊特
性が低下し十分なタイヤ寿命は得られない。そのため永
久的にゴム中に残存する酸化防止剤が好ましい。発明者
は各種の酸化防止剤を検討した結果、6QDIをジエン
系ゴムに配合し加硫したところ、その半分が反応し6P
PDに変化することになり、従来の酸化防止剤として機
能するとともに残り半分がジエン系ゴムと結合し、ゴム
組成物中にそのまま残存することが判明した。したがっ
て6QDIはブリードすることなく長期間にわたり酸化
劣化を防止することになる。特にこの効果は6PPDと
併用することによりその効果は著しい。なお、耐オゾン
性などが重要となる部分のゴム組成物では6PPDの配
合量を増加することが好ましい。次に本発明では6PP
Dの配合量xと6QDIの配合量yが次のA〜Fの式で
囲まれる範囲にあることが望ましい。
【0009】 A:y=3−2x 0.8≦x≦1.4 B:y=−1+0.857143x 1.4≦x≦4.2 C:−1+0.857143x≦y≦0.857143x x=4.2 D:y=12−2x 2.4≦x≦4.2 E:y=3x 0.8≦x≦2.4 F:−1+3x≦y≦3x x=0.8 本発明ではゴム組成物が加硫後において所定の引張強
度、引裂き強度および耐屈曲亀裂性を有するとともに、
タイヤの長期間使用において、これらの特性を十分維持
することが必要である。そのためには6PPDと6QD
Iの併用が必要であるが、好ましくは両者の配合割合が
より重要となる。つまり6PPDを多く6QDIを少な
くするとブリーディングが発生し長期間の前記強度の維
持ができず、一方6QDIを多く6PPDを少なくする
と耐オゾン性能が十分でなくなる。したがって図1でA
〜F式で囲まれる領域が前記特性の総合的バランスが最
も優れている。
【0010】次に本発明では6PPDの配合量xと6Q
DIの配合量yの関係はタイヤのカテゴリとタイヤサイ
ズの関係において決定することが好ましく次のG〜J式
の関係式を満足する領域で設計される。
【0011】 G:y≦2A−2x H:y≧(2A−1.0)−2x I:x≧0.4A J:x≦0.7A ここでAはタイヤカテゴリおよびタイヤサイズで決定さ
れる定数で以下のとおりである。
【0012】(1) 14インチ以上の乗用車用タイヤ
の場合:2.0≦A≦2.9 (2) 15インチ以上の乗用車用タイヤおよびライト
トラック用タイヤの場合:3.0≦A≦3.9 (3) 19.5インチ以下のトラック・バス用タイヤ
の場合:4.0≦A≦4.9 (4) 19.5インチ以上のトラック・バス用タイヤ
の場合:5.0≦A≦6.0 図2においてAの値が2.0、3.0、4.0、5.0
および6.0の場合の好ましいx(6PPD)およびy
(6QDI)の領域を示している。
【0013】タイヤサイズおよびタイヤカテゴリにより
使用条件すなわち荷重速度変形量等が変わる。したがっ
て使用条件に応じてゴム組成物中の6PPDおよび6Q
DIの機能の役割分担がバランスよく達成できるように
することが好ましい。
【0014】本発明はゴム組成物にはジエン系ゴム10
0重量部に対してさらに1,3−ビス(シトラコンイミ
ドメチル)ベンゼンと1−シトラコンイミドメチル,3
−イタコンイミドメチルベンゼンの混合物(以下1,3
−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン混合物とい
う)を0.1〜1.0重量部配合することにより耐オゾ
ン性が一層向上する。1,3−ビス(シトラコンイミド
メチル)ベンゼン混合物をゴム組成物に混合すると、そ
の加硫ゴムの硬さが高くなるため、耐屈曲亀裂成長性が
低下すると予想されたが、実際には耐屈曲亀裂成長性は
向上することを発明者は実験によって確認した。これは
1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン混合
物が、ゴム分子鎖間を強固に結合したためと考えられ
る。本発明では耐屈曲亀裂成長性が向上したことによ
り、また耐オゾン性能も向上した。
【0015】1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)
ベンゼン混合物の配合量が1.0重量部を超えると加硫
ゴムの硬度が大きくなり、耐屈曲亀裂成長性が低下し、
耐オゾン性も低下する。一方0.1重量部未満の場合、
耐オゾン性の向上は期待できない。
【0016】本発明のゴム組成物のゴム成分として天然
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ポリブタジエンゴム等のジエン系ゴムが用いられる
がその種類および配合量は使用されるタイヤの構成部分
に応じて選択される。たとえばサイドウォールゴムの場
合、天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴムの30
〜80重量部とポリブタジエンゴムの70〜20重量部
より構成される。
【0017】次に本発明のゴム組成物には、アロマ・パ
ラフィン系プロセスオイル等の軟化剤、イオウ、不溶性
イオウ、硫黄化合物等の加硫剤、酸化亜鉛、ステアリン
酸等の加硫助剤、メルカプトベンゾチアゾール(MB
T)、ベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−
tert−ブチル−2−ベンゾイアゾリルスルフェンア
ミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド(CBS)等の加硫促進剤、有
機繊維、発泡剤、老化防止剤、加硫遅延剤、ワックス等
の添加剤を配合することができる。ゴム組成物中のこれ
らの添加剤の配合量は特に制限はない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に実施例を用いて本発明を説
明する。
【0019】[実施例1〜10、比較例1〜2]表1に
示す配合処方でサイドウォール用基本ゴム配合を作成し
タイヤサイズ225/80 R17.5のT/B用ラジ
アルタイヤを製造した。ここでジエン系ゴムおよび6P
PD、6QDIの配合内容は表2に示すとおりである。
【0020】
【表1】
【0021】上記ゴム組成物および加硫後のタイヤのサ
イドウォール部のゴムの特性を以下の方法で測定した。
【0022】1) ムーニー粘度 JIS K6300に準じて130℃で1分間の予熱を
した後、4分間ロータを回転させ、ムーニー粘度(L
1+4)を測定した。
【0023】2) 破断時強度、破断時伸び、引裂き強
度の変化率 破断時強度、破断時伸びはJIS K6251に準じ、
一方引裂き強度はJIS K6252に準拠して、新品
時と9万km走行後のサンプルを作成しそれを東洋精機
製作引張試験機で測定し、新品時/走行後の物性値の比
率を算出した。値が100に近いほど変化率は小さく優
れていることを示す。
【0024】3) オゾンクラック発生率、変色状態 タイヤを9万km走行させた後オゾンクラックの数、大
きさ、変色状態を観察しその評価を行なった。耐オゾン
クラック性能の優れている順に○、△、×とした。また
変色状況についても茶変色の少ない順に○、△、×とし
た。
【0025】4) 硬さ タイヤ新品時のサイドウォール部の硬さをJIS K6
253に準拠して測定した。
【0026】5) 硬さ変化率 タイヤ新品時と9万km走行後の硬さをJIS K62
53に準拠して測定し、新品時/走行後の値の比率を算
出した。値が100に近いほど変化率は小さく優れてい
ることを示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に各実施例および比較例の測定結果を
示し、さらに第3図には6PPDと6QDIの配合割合
を示している。表2から6PPDと6QDIを併用した
実施例はいずれも破断時強度、引裂き強度、耐オゾンク
ラック性が9万km走行後においても強度性能を十分維
持していることがわかる。特に6PPDと6QDIの配
合をG〜J式に含まれる実施例1〜6はこれらの特性が
総合的に優れている。
【0029】[実施例11〜20、比較例3、4]表1
に示す配合処方でサイドウォール用基本ゴム配合を作成
しタイヤサイズ11R22.5のT/B用ラジアルタイ
ヤを製造した。ここでジエン系ゴムおよび6PPD、6
QDIおよび1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)
ベンゼン混合物の配合内容は表3に示すとおりである。
【0030】上記ゴム組成物および加硫後のタイヤのサ
イドウォール部のゴムの特性は、実施例1〜10と同様
な方法で測定した。
【0031】ただし、破断時強度、破断時伸び、引裂き
強度、オゾンクラック発生率、硬さ変化率は新品時と1
5万km走行後のサンプルで評価した。
【0032】
【表3】
【0033】表3には各実施例および比較例の測定結果
を示し、さらに図4には6PPDと6QDIの配合割合
を示している。表3から6PPDと6QDIを併用した
実施例はいずれも破断時強度、引裂き強度、耐オゾンク
ラック性が15万km走行後においても強度性能を十分
維持していることがわかる。特に6PPDと6QDIの
配合でG〜J式に含まれかつ1,3−ビス(シトラコン
イミドメチル)ベンゼン混合物が0.1〜1.0重量部
配合された実施例12、13、16はこれらの特性が総
合的に優れている。
【0034】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0035】
【発明の効果】本発明では6PPDと6QDIを併用し
特に好ましくは両者の配合比率を所定範囲に設定したタ
イヤ用ゴム組成物であるため、タイヤを長期間使用の後
においても破断時強度、引裂き強度および耐オゾンクラ
ック性等を維持することができる。また、未加硫ゴムの
ムーニー粘度が低下し、加工性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 6PPDと6QDIの配合量の最適範囲を示
す図である。
【図2】 6PPDと6QDIの配合量をタイヤカテゴ
リおよびタイヤサイズに応じた最適範囲を示す図であ
る。
【図3】 トラックバス用タイヤの6PPDと6QDI
の配合量の最適範囲と実施例、比較例のプロットを示す
図である。
【図4】 トラックバス用タイヤの1,3−ビス(シト
ラコンイミドメチル)ベンゼン混合物を含む系の6PP
Dと6QDIの配合量の最適範囲と実施例、比較例のプ
ロットを示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム100重量部に対しN−
    (1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フ
    ェニレンジアミンを0.1〜5重量部、N−(1,3−
    ジメチルブチル)−N′−フェニルキノンジイミンを
    0.1〜8重量部配合されてなるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 N−(1,3−ジメチルブチル)−N′
    −フェニル−p−フェニレンジアミンの配合量xとN−
    (1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニルキノンジ
    イミンの配合量yが次のA〜Fの式で囲まれる範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成
    物。 A:y=3−2x 0.8≦x≦1.4 B:y=−1+0.857143x 1.4≦x≦4.2 C:−1+0.857143x≦y≦0.857143x x=4.2 D:y=12−2x 2.4≦x≦4.2 E:y=3x 0.8≦x≦2.4 F:−1+3x≦y≦3x x=0.8
  3. 【請求項3】 ジエン系ゴムは天然ゴムおよび/または
    ポリイソプレンゴムの30〜80重量部とポリブタジエ
    ンゴムの70〜20重量部よりなる請求項1または2記
    載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 N−(1,3−ジメチルブチル)−N′
    −フェニル−p−フェニレンジアミンの配合量xとN−
    (1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニルキノンジ
    イミンの配合量yが次のA〜Fの式で囲まれる範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成
    物。 G:y≦2A−2x H:y≧(2A−1.0)−2x I:x≧0.4A J:x≦0.7A ここでAはタイヤサイズによって決まる2.0〜6.0
    の範囲の定数である。
  5. 【請求項5】 ゴム組成物にはジエン系ゴム100重量
    部に対して、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)
    ベンゼンと、1−シトラコンイミドメチル,3−イタコ
    ンイミドメチルベンゼンの混合物が0.1〜1.0重量
    部含まれていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ
    用ゴム組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288298A (ja) * 2000-02-04 2001-10-16 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
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JP2008111100A (ja) * 2006-10-05 2008-05-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd クリンチエーペックス用ゴム組成物およびそれを用いたクリンチエーペックスを有する空気入りタイヤ

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