JP2001025886A - 貯蔵タンク用分割片の接合方法 - Google Patents

貯蔵タンク用分割片の接合方法

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JP2001025886A JP11201942A JP20194299A JP2001025886A JP 2001025886 A JP2001025886 A JP 2001025886A JP 11201942 A JP11201942 A JP 11201942A JP 20194299 A JP20194299 A JP 20194299A JP 2001025886 A JP2001025886 A JP 2001025886A
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    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/1245Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding characterised by the apparatus

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突合せ状態に配置した2個の湾曲した貯蔵タ
ンク用分割片を、突合せ部において摩擦撹拌接合により
接合する貯蔵タンク用分割片の接合方法であって、接合
作業を能率的に行うことができる貯蔵タンク用分割片の
接合方法を提供すること。 【解決手段】 支持面51が両分割片11,11 の湾曲形状に
対応する湾曲面に形成されるとともに、この支持面51に
おいて両分割片11,11 を少なくとも突合せ部B1に沿う方
向に摺動可能に支持する支持部材50を用いる。この支持
部材50の支持面51上に、両分割片11,11 を載置する。両
分割片11,11 の突合せ部B1に、支持面51内における所定
位置に配置した摩擦撹拌接合用の接合工具80,90 の加工
ヘッド81,91 を挿入する。そして、突合せ部B1が順次、
加工ヘッド81,91 を通過するように両分割片11,11 を支
持面51内で移動させることにより、両分割片11,11 の接
合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LNG、LP
G、石油、液体窒素、液体酸素、ガス等を貯蔵する球形
や円筒形等の金属製タンクを、複数個の分割片から組立
製作する際に用いられる、貯蔵タンク用分割片の接合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば球形や円筒形の貯蔵タンクは、こ
れを一体製作することができないので、分割構成するこ
ととし、これら分割片を順次、接合していくことによ
り、組み立てられている。かかる分割片の接合手段とし
ては、従来、MIGやTIG等の溶融溶接が採用されて
いた。
【0003】図19は、従来の分割片の接合方法の説明
図である。同図(a)において、(201 )(201 )は所
定の大きさを有する2個の分割片で、これら両分割片
(201)(201 )は、その端面同士が突き合わされて配
置されている。各分割片(201)(201 )は、タンク内
部からの圧力に耐えるために、その肉厚がかなり厚く設
定されている。そして、これら両分割片(201 )(201
)の突き合わされた両端面には、略X形の開先加工(2
02 )が施されている。
【0004】而して、これら両分割片(201 )(201 )
を溶融溶接により接合する場合には、分割片(201 )
(201 )の肉厚が厚いことから、まず下向き溶接によっ
て分割片(201 )(201 )の上面側から溶接ビード(20
3 )…を何度も重ねる多層溶接を行って、溶接金属(20
4 )を肉盛り状態にし、次いでこれら分割片(201 )
(201 )を反転した後、同じく多層溶接を行って、溶接
金属(204 )を肉盛り状態にする。そして、溶接部(20
5 )の余盛及び熱歪みを除去することにより、寸法精度
を高くしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の分割片(201 )(201 )の接合方法においては、両
分割片(201 )(201 )の接合が、溶接時にかなり大き
な熱が発生する溶融溶接により行われていることから、
溶融溶接により分割片(201 )(201 )を接合すると、
溶接部(205 )に生じる熱歪みが大きく、そのため分割
片(201 )(201)が大きく変形してしまうので、歪み
取り作業がかなり困難なものとなっていた。
【0006】また、多層溶接によって溶接部(205 )が
形成されているから、該溶接部(205 )にブローホー
ル、融合不良等の溶接欠陥が発生し易く、そのため、溶
接部(205 )の溶接欠陥をなくして強度的信頼性を高く
するために、開先加工の寸法精度、溶材、溶接の際の施
工環境、施工方法等について詳細な管理項目を設定しな
ければならず、作業能率があまり良くなかった。
【0007】もとより、溶融溶接では、通常、アルゴン
ガス等のシールドガスや溶加材を使用しなければならな
いし、開先加工や余盛除去作業も行わなければならない
ので、作業能率がますます低くなっていた。
【0008】この発明は、上記技術背景に鑑みてなされ
たもので、その目的は、接合に伴う分割片の変形を抑制
することができ、更に施工管理項目を簡素化することが
でき、もって接合作業を能率的に行うことができる貯蔵
タンク用分割片の接合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1のものは、突合せ状態に配置した2
個の湾曲した貯蔵タンク用分割片を、突合せ部において
摩擦撹拌接合により接合する貯蔵タンク用分割片の接合
方法であって、支持面が前記両分割片の湾曲形状に対応
する湾曲面に形成されるとともに、この支持面において
前記両分割片を少なくとも突合せ部に沿う方向に摺動可
能に支持する支持部材を用い、この支持部材の支持面上
に載置した前記両分割片の突合せ部に、支持面内におけ
る所定位置に配置した摩擦撹拌接合用の接合工具の加工
ヘッドを挿入するとともに、突合せ部が順次、加工ヘッ
ドを通過するように両分割片を支持面内で移動させるこ
とにより、両分割片の接合を行うことを特徴としてい
る。
【0010】これによれば、突合せ状態に配置した両分
割片は、摩擦撹拌接合により、突合せ部において接合さ
れる。ここで、摩擦撹拌接合は、固相接合の一種であ
り、接合時に発生する熱がMIGやTIG等の溶融溶接
に比べて格段に少ないことから、この摩擦撹拌接合によ
って両分割片の接合を行うことにより、接合に伴う分割
片の変形を小さくすることができ、例えば分割片の変形
をMIGによる場合に比べて数分の1以下に抑制するこ
とができる。そのため、歪み取り作業が簡単になる。
【0011】また、摩擦撹拌接合によれば、両分割片の
突き合わされる端面に、X形やV形等の面倒な開先加工
を行う必要がなくなるし、シールドガスや溶加材を使用
する必要がなくなる。その上、接合部が肉盛り状態にな
らないで略平坦状に形成されるので、余盛除去作業を行
う必要もなくなる。
【0012】さらに、摩擦撹拌接合によれば、接合工具
の加工ヘッドを突合せ部に深く挿入するだけで、両分割
片の突合せ部を奥深くまで接合することができるから、
肉厚の厚い分割片同士を接合する場合であっても、従来
のように溶接ビードを何度も重ねる多層溶接を行う必要
がなくなり、そのため作業能率が向上するし、ブローホ
ールや融合不良等の接合欠陥の発生も防止される。
【0013】加えて、摩擦撹拌接合によれば、湿度や気
温等といった接合時の施工環境に影響を受けることなく
高強度の接合部を形成することができ、そのため接合部
の強度的信頼性を高くするための管理項目が簡素化され
る。
【0014】こうした結果により、両分割片の接合作業
を能率的に行うことができるようになる。
【0015】さらに、両分割片を上記の支持部材の支持
面上に載置することにより、両分割片が支持面にぴった
りと当接するものとなり、そのため両分割片の移動の際
に両分割片が支持面との間においてがたついてしまう不
具合も発生しなくなるから、両分割片をスムーズに所定
方向に移動させることができるようになり、その結果、
突合せ部に接合状態の良好な接合部を形成することがで
きるようになる。
【0016】また、前記加工ヘッドが、前記両分割片の
突合せ部に片面側から挿入する第1加工ヘッドと、他方
の片面側から挿入する第2加工ヘッドとから構成されて
いることが、望ましい。その理由は次の通りである。
【0017】すなわち、両分割片の突合せ部に加工ヘッ
ドを挿入した状態で、両分割片を移動させると、加工ヘ
ッドに負荷が加わり、この負荷によって、両分割片の移
動中に加工ヘッドの先端が不本意に動いてしまう虞があ
る。このように加工ヘッドの先端が両分割片の移動中に
動いてしまうと、突合せ部の全域に亘って接合状態の均
質な接合部を形成することができなくなる。この負荷
は、その大きさが加工ヘッドの突合せ部への挿入量に比
例して加わるものであるため、1個の加工ヘッドによっ
て肉厚の厚い分割片を接合しようとすると、加工ヘッド
を両分割片の突合せ部に奥深くまで挿入しなければなら
なくなるから、加工ヘッドに大きな負荷が加わることに
なり、そのため加工ヘッドの先端が不本意に動き易くな
って、突合せ部の全域に亘って接合状態の均質な接合部
を形成することが困難になる。
【0018】そこで、この難点を解消するため、上記構
成を採用した。これによれば、加工ヘッドとして、2個
の加工ヘッドつまり上記第1加工ヘッドと第2加工ヘッ
ドとを採用しているので、加工ヘッドの挿入深さを一個
のときよりも浅くすることができ、加工ヘッドに加わる
負荷を軽減することができる。したがって、肉厚の厚い
分割片を接合する場合であっても、両分割片の移動中に
加工ヘッドの先端が不本意に動いてしまうことを抑制す
ることができるようになり、そのため加工ヘッドの挿入
深さを一定に保ちながら両分割片を移動させることが容
易になり、もって突合せ部の全域に亘って接合状態の均
質な接合部を形成することができるようになる。また、
両分割片を反転することなく一回の移動操作で、肉厚の
厚い分割片を接合することができるようになるから、接
合作業能率が向上する。
【0019】また、前記支持部材が、その支持面が断面
凹状になる態様で設置されるとともに、前記第1加工ヘ
ッドが、下向きに配置される一方、前記第2加工ヘッド
が、前記第1加工ヘッドに対向して上向きに配置されて
いる場合には、回転する各加工ヘッドとの接触に伴う摩
擦熱により軟化した両分割片の軟化部が、重力を受けて
片寄った状態で冷却固化される不具合が防止される。そ
の結果、接合状態の良好な接合部が形成される。また、
第1加工ヘッドと第2加工ヘッドとが対向しているか
ら、両分割片の突合せ部に加わる各加工ヘッドの挿入圧
が相殺され、各加工ヘッドの挿入圧による両分割片の変
形が阻止される。
【0020】また、前記支持部材には、前記両分割片の
移動方向に沿うラックが設けられる一方、前記両分割片
には、前記ラックに噛合するピニオンを有する駆動装置
が取り付けられ、前記ピニオンの回転駆動によって両分
割片を移動させる場合には、両分割片をラックとピニオ
ンとの噛合によって一定速度で確実に移動させることが
できるようになる。
【0021】また、前記支持部材の支持面には、前記両
分割片を任意方向に移動可能に支持する複数個の回転自
在な支持ボールが装着されている場合には、両分割片と
支持面との接触面積が減少するので、両分割片の移動操
作が容易になる。
【0022】また、この発明の第2のものは、突合せ状
態に配置した2個の湾曲した貯蔵タンク用分割片を、突
合せ部において摩擦撹拌接合により接合する貯蔵タンク
用分割片の接合方法であって、所定長さを有するラック
と、前記ラックに噛合するピニオンからなる駆動輪を有
する台車と、前記台車に搭載された摩擦撹拌接合用の接
合工具とを具備した接合装置を用い、この接合装置を分
割片に取り付け、前記接合工具の加工ヘッドを突合せ部
に挿入するとともに、この加工ヘッドを前記駆動輪の回
転駆動によって突合せ部に沿って移動させることによ
り、両分割片の接合を行うことを特徴としている。
【0023】これによれば、上記と同様の理由により、
摩擦撹拌接合によって両分割片の接合を行うことによ
り、接合に伴う分割片の変形が抑制されるから、歪み取
り作業が簡単になるし、両分割片の突き合わされる端面
に面倒な開先加工を行う必要がなくなるし、シールドガ
スや溶加材を使用する必要もなくなり、その上、余盛除
去作業を行う必要もなくなる。
【0024】さらに、多層溶接を行う必要がなくなるか
ら、作業能率が向上するし、ブローホールや融合不良等
の接合欠陥の発生も防止される。
【0025】加えて、接合時の施工環境に影響を受ける
ことなく高強度の接合部を形成することができるから、
接合部の強度的信頼性を高くするための管理項目が簡素
化される。
【0026】こうした結果により、両分割片の接合作業
を能率的に行うことができるようになる。
【0027】さらに、ラックとピニオンからなる駆動輪
との噛合によって、接合工具の加工ヘッドを一定速度で
確実に移動させることができるようになる。
【0028】また、前記接合装置を、分割片の片面と他
方の片面とに取り付ける場合には、接合工具の加工ヘッ
ドの挿入深さを一個のときよりも浅くすることができる
から、加工ヘッドに加わる負荷を軽減することができ
る。したがって、肉厚の厚い分割片を接合する場合であ
っても、接合工具の移動中に加工ヘッドの先端が不本意
に動いてしまうことを抑制することができるようにな
り、そのため加工ヘッドの挿入深さを一定に保ちながら
該加工ヘッドを移動させることが容易になり、もって突
合せ部の全域に亘って接合状態の均質な接合部を形成す
ることができるようになる。また、両分割片を反転する
ことなく一回の移動操作で、肉厚の厚い分割片を接合す
ることができるようになるから、接合作業能率が向上す
る。
【0029】また、上記第1及び第2発明においては、
前記分割片が、球形貯蔵タンク用のものである場合であ
っても、これら2個の分割片を接合することができる
し、前記分割片が、円筒形貯蔵タンク用のものである場
合であっても、これら2個の分割片を接合することがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。
【0031】図1〜図10は、この発明(第1発明)の
第1実施形態を示している。この第1実施形態は、LN
G船に搭載されるモス(MOSS)型の球形貯蔵タンク
を製作する場合について示している。
【0032】まず、このタンク(1)の概要について説
明する。
【0033】このタンク(1)は、図3に示すように球
形のものであって、図2に示すように上半球部(10)と
赤道リング部(20)と下半球部(30)と、タンク内部に
配置されるパイプタワー(40)とから構成されている。
そして、このタンク(1)が船体に搭載される場合に
は、図3に示すように、前記赤道リング部(20)に円筒
形の金属製スカート(45)が取り付けられ、これにより
球形タンク(1)が支持されるものである。
【0034】このタンク(1)の大きさは、例えば内径
が約40mである。また、前記上半球部(10)、赤道リ
ング部(20)及び下半球部(30)は、いずれもアルミニ
ウム合金製である。また、前記上半球部(10)と下半球
部(30)の肉厚は、例えば25〜60mmであり、前記
赤道リング部(20)の肉厚は、これより厚くなってお
り、例えば最大約170mmである。
【0035】前記上半球部(10)は、図4に示すよう
に、多数個の割球殻形状の分割片(11)…がこの発明に
係る接合方法により接合一体化されることにより、製作
されたものである。同じく、前記下半球部(30)は、図
示していないが、多数個の割球殻形状の分割片がこの発
明に係る接合方法により接合一体化されることにより、
製作されたものである。前記赤道リング部(20)は、図
3(b)に示すように、多数個の割球殻形状の分割片
(21)…が、この発明に係る接合方法により、あるいは
従来の溶融溶接方法により、接合一体化されることによ
り、製作されたものである。これら分割片の接合作業
は、陸上で行われ、上半球部(10)、赤道リング部(2
0)及び下半球部(30)をそれぞれ完成させた後、船体
に搭載される。そして、この船体上で球形に組み立てら
れるものである。なお、船体上で行われる下半球部(3
0)と赤道リング部(20)との接合、及び赤道リング部
(20)と上半球部(10)との接合は、例えば従来の溶融
溶接により、遂行されるものである。
【0036】次に、この発明に係る接合方法を、前記上
半球部(10)の製作に適用した場合を中心に説明する。
【0037】前記上半球部(10)は、図4及び図5に示
すように、その頂点部に、円形の開口部(12)が設けら
れている。この開口部(12)内から前記パイプタワー
(40)の上端部が上方に突出させられる。そして、この
上半球部(10)は、次のように分割されている。
【0038】すなわち、上半球部(10)は、経線(M)
及びその線分(M1)と、タンク中心(O)を通りかつ
赤道面(Q)に対して斜めに交差する平面(P)とタン
ク球面との交線(L)の線分(L1)と、の組み合わせ
からなる多数本の分割線で、多数個に分割されている。
つまり、上半球部(10)は、全て、大円(タンク中心
(O)を通る平面とタンク球面との交線のなす円)の弧
からなる多数本の分割線によって、分割されている。こ
のような分割線で上半球部(10)を分割することによ
り、隣り合う2個の分割片(11)(11)を突合せ状態に
配置した場合に、突合せ部(B1)に沿う線つまり接合線
をタンク中心(O)側だけに曲がった曲線にすることが
できるから、両分割片(11)(11)の移動操作を容易に
行うことができるようになる。
【0039】これら分割片(11)の製作は、厚肉平板状
の素材を荒切りし、これに所定の曲率になるように曲げ
加工を行った後、所定寸法に切断して寸法仕上げを行う
ことにより、遂行される。ここで、一般に開先加工は寸
法仕上げの際に行われるが、この発明では、摩擦撹拌接
合により分割片(11)(11)を接合するものであるか
ら、分割片(11)(11)の突き合わされる端面にX形等
の面倒な開先加工を行う必要がなく、図7(a)から分
かるように、分割片(11)(11)の突き合わされる端面
が内面及び外面に対して垂直になるように切断するだけ
で良い。
【0040】次いで、隣り合う2個の分割片(11)(1
1)は、図1に示すように、支持面(51)が断面凹状に
なる態様で設置された支持部材(50)の前記支持面(5
1)上に、突合せ状態で載置される。そして、突合せ部
(B1)において摩擦撹拌接合により接合される。なお、
同図では、説明の便宜上、分割片(11)(11)及び摩擦
撹拌接合用の接合工具(80)(90)を大きく図示してい
る。
【0041】前記支持部材(50)の支持面(51)は、突
き合わされた2個の分割片(11)(11)の外面における
曲率と同じ曲率で湾曲しており、これにより該支持面
(51)は、両分割片(11)(11)の湾曲形状に対応する
湾曲面となされて、両分割片(11)(11)をぴったりと
当接した状態で突合せ部(B1)に沿う方向に摺動可能に
支持することができるようになっている。そして、この
支持面(51)の底点部には、図1、図8及び図9に示す
ように、2個の摩擦撹拌接合用の接合工具(80)(90)
の加工ヘッド(81)(91)が上下に対向して配置されて
いる。
【0042】この第1実施形態では、前記支持部材(5
0)は、前記支持面(51)の底点部を中心にして放射状
に設置された、経線方向に延びた複数個の板状の支持フ
レーム(52)…から構成されている。これら各支持フレ
ーム(52)の支持面(53)には、図6に示すように、両
分割片(11)(11)を任意方向に移動可能に支持する複
数個の回転自在な支持ボール(54)が、経線方向に間隔
をおいて装着されている。
【0043】さらに、図1に示すように、周方向に隣り
合う2個の支持フレーム(52)(52)の間には、所定長
さを有するラック(60)が両分割片(11)(11)の移動
方向に沿って即ち経線方向に沿って設けられている。
【0044】一方、この支持フレーム(52)の支持面
(53)上に載置された両分割片(11)(11)の上端に
は、両分割片(11)(11)を移動させる駆動装置(70)
が取り付けられる。この駆動装置(70)は、図8に示す
ように、その内部に、前記ラック(60)に噛合するピニ
オン(71)を有しており、このピニオン(71)を前記ラ
ック(60)に噛合させてこの状態で該ラック(60)に沿
って回転駆動させることにより、両分割片(11)(11)
をその突合せ部(B1)に沿う方向に移動させることがで
きるものとなされている。さらに、この駆動装置(70)
は、同図に示すように、両分割片(11)(11)を突合せ
状態に保持する保持部を有している。この保持部は、分
割片(11)の厚さ方向に所定間隔をおいて対向状に配置
された受け片(72)と止め片(73)とから構成されてい
る。そして、駆動装置(70)の取付けの際に、この受け
片(72)と止め片(73)との間に、両分割片(11)(1
1)の上端が嵌め込まれ、これにより、両分割片(11)
(11)はその上端において突合せ状態に保持されること
になる。
【0045】一方、両分割片(11)(11)の下端には、
図10に示すように、後記する台車(84)が接合開始時
に載置されるダミープレート(75)が取り付けられる。
このダミープレート(75)は、分割片(11)と同じ厚さ
を有するとともに、分割片(11)と同じ曲率で湾曲して
いるものであり、また両分割片(11)(11)を突合せ状
態に保持する保持部を有している。この保持部は、ダミ
ープレート(75)の端部に形成された略コ字状の保持用
開口部(76)から構成されている。そして、ダミープレ
ート(75)の取付けの際に、この開口部(76)内に両分
割片(11)(11)の下端が嵌め込まれ、これにより、両
分割片(11)(11)はその下端においても突合せ状態に
保持されることになる。なお、両分割片(11)(11)を
突合せ状態に保持するために、ターンバックル等の拘束
治具を用いても良い。また、(77)は、両分割片(11)
(11)の突合せ部(B1)における接合開始予定部にダミ
ープレート(75)が接合されないようにするための開口
部である。
【0046】前記摩擦撹拌接合用の2個の接合工具(8
0)(90)の加工ヘッド(81)(91)はともに、図8及
び図9に示すように、径大の略円柱状の回転子(82)
(92)と、該回転子(82)(92)の端面(82a )(92a
)軸線上に突設された径小のピン状プローブ(83)(9
3)とから構成されている。前記回転子(82)(92)及
びプローブ(83)(93)はともに、両分割片(11)(1
1)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えう
る耐熱材料によって形成されている。また、前記プロー
ブ(83)(93)の周面には、両分割片(11)(11)の突
合せ部(B1)の撹拌用凹凸(図示せず)が設けられてい
る。
【0047】これら2個の接合工具(80)(90)のう
ち、一方の接合工具(第1接合工具、80)は、両分割片
(11)(11)の内面上に載置される台車(84)に、その
加工ヘッド(第1加工ヘッド、81)を下向きにして搭載
されている。この台車(84)は駆動輪(85)を有してい
る。さらに、この台車(84)には、第1加工ヘッド(8
1)を両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)に対して
挿入・引抜き方向に移動させる昇降装置(図示せず)
と、台車(84)及び接合工具(80)の第1加工ヘッド
(81)を前記支持アーム(52)の支持面(53)の底点部
の位置に固定する手段(86)とが設けられている。この
第1実施形態では、前記固定手段(86)として、前記台
車(84)に錘(86a )が搭載され、この錘(86a )の重
力作用と前記駆動輪(85)の回転駆動とにより、台車
(84)が両分割片(11)(11)の移動動作に関係なく常
に支持アーム(52)の支持面(53)の底点部に位置され
るもとのなされている。そして、図8及び図9におい
て、前記台車(84)に搭載された第1接合工具(80)の
第1加工ヘッド(81)は、そのプローブ(83)を両分割
片(11)(11)の突合せ部(B1)に内面側から挿入する
とともに、回転子(82)の端面(82a )を両分割片(1
1)(11)の内面に当接させた状態になっている。
【0048】これに対して、他方の接合工具(第2接合
工具、90)は、床面(94)に固定状態に取り付けられた
基台(95)に、その加工ヘッド(第2加工ヘッド、91)
を上向きにして取り付けられている。前記基台(95)に
は、前記第2接合工具(90)の第2加工ヘッド(91)を
両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)に対して挿入・
引抜き方向に移動させる昇降装置(図示せず)が設けら
れている。そして、図8及び図9において、前記基台
(95)に取り付けられた第2接合工具(90)の第2加工
ヘッド(91)は、そのプローブ(93)を両分割片(11)
(11)の突合せ部(B1)に外面側から挿入するととも
に、回転子(92)の端面(92a )を両分割片(11)(1
1)の外面に当接させた状態になっている。
【0049】而して、突き合わされた2個の分割片(1
1)(11)は、次のようにして突合せ部(B1)において
接合一体化される。
【0050】すなわち、図1に示すように、突合せ状態
の両分割片(11)(11)を、周方向に隣り合う2個以上
の支持フレーム(52)(52)の支持面(53)(53)上
に、これら支持フレーム(52)(52)に跨る態様にして
載置するとともに、該両分割片(11)(11)の上端に前
記駆動装置(70)を取り付け、また該両分割片(11)
(11)の下端に前記ダミープレート(75)を取り付け
る。支持フレーム(52)の支持面(53)は、両分割片
(11)(11)の外面における曲率と同じ曲率になってい
ることから、両分割片(11)(11)は、支持面(53)に
ぴったりと当接した状態で、載置されることになる。
【0051】次いで、駆動装置(70)のピニオン(71)
の回転駆動により、両分割片(11)(11)を支持面(5
3)内でその底点部に向かって移動させる。これによ
り、両分割片(11)(11)は、支持面(53)を摺動しな
がら移動する。この際、支持面(53)には、支持ボール
(54)が装着されているので、両分割体(11)(11)は
スムーズに移動するものとなる。
【0052】そして、両分割片(11)(11)の突合せ部
(B1)における接合開始予定部が、支持面(53)の底点
部に到達したとき、両分割片(11)(11)の移動を一旦
停止する。そして、図10に示すように、両分割片(1
1)(11)の内面上に台車(84)を該両分割片(11)(1
1)とダミープレート(75)とに跨って載置し、第1加
工ヘッド(81)の第1プローブ(83)を回転させながら
下降させる。該第1プローブ(83)の先端が両分割片
(11)(11)の突合せ部(B1)における接合開始予定部
の内面に接触すると、該接触部は摩擦熱により軟化する
ため、更に第1プローブ(83)を下降させて突合せ部
(B1)の接合開始予定部に内面側から挿入し、挿入深さ
が両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)における厚さ
寸法の約1/2となったとき、第1プローブ(83)の下
降を停止し、第1プローブ(83)を挿入状態に保持す
る。このとき、回転子(82)の端面(82a )は、両分割
片(11)(11)の突合せ部(B1)の内面に当接した状態
になっている。
【0053】同様にして、第2加工ヘッド(91)の第2
プローブ(93)を回転させながら上昇させ、摩擦熱にて
第2プローブ(93)との接触部を軟化させながら、該第
2プローブ(93)を両分割片(11)(11)の突合せ部
(B1)の接合開始予定部に外面側から挿入し、挿入深さ
が両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)における厚さ
寸法の約1/2となって第2プローブ(93)が前記第1
プローブ(83)の先端に近接したとき、第2プローブ
(93)の上昇を停止し、第2プローブ(93)を挿入状態
に保持する。このとき、回転子(92)の端面(92a )
は、両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)の外面に当
接した状態になっている。こうして、第1プローブ(8
3)の先端と、第2プローブ(93)の先端とを近接させ
ることにより、突合せ部(B1)に未接合部が存在しなく
なって両分割片(11)(11)をしっかりと接合すること
ができるようになる。さらに、第1プローブ(83)と第
2プローブ(93)とが対向して突合せ部(B1)に挿入さ
れているので、突合せ部(B1)に作用するこれらプロー
ブ(83)(93)の挿入圧が相殺され、両分割片(11)
(11)が変形する不具合も発生しない。
【0054】なお、第1プローブ(83)を予め下降させ
ておくとともに、第2プローブ(93)を予め上昇させて
おき、第1加工ヘッド(81)と第2加工ヘッド(91)と
の間に両分割片(11)(11)を強制的に通すことによ
り、第1プローブ(83)と第2プローブ(93)とを側方
から突合せ部(B1)にもぐり込ませ、これにより両プロ
ーブ(83)(93)を挿入状態にしても良い。
【0055】次いで、駆動装置(70)のピニオン(71)
を再駆動し、図8及び図9に示すように、突合せ部(B
1)が順次、第1及び第2プローブ(83)(93)を通過
するように両分割片(11)(11)を支持アーム(52)の
支持面(53)内で移動させる。
【0056】こうして両分割片(11)(11)が移動する
ことにより、第1プローブ(83)と第2プローブ(93)
との接触部及びその近傍が摩擦熱にて順次、軟化撹拌さ
れていき、最終的に両分割片(11)(11)は、その突合
せ部(B1)において一体に接合される。
【0057】すなわち、第1及び第2プローブ(83)
(93)の回転により発生する摩擦熱、あるいは更に第1
及び第2加工ヘッド(81)(91)の回転子(82)(92)
の端面(82a )(92a )と両分割片(11)(11)の内面
及び外面との摺動に伴い発生する摩擦熱により、第1及
び第2プローブ(83)(93)との接触部及びその近傍が
軟化され、かつ該軟化部が第1及び第2プローブ(83)
(93)の回転により撹拌されるとともに、両分割片(1
1)(11)の移動に伴って、該軟化撹拌部分が第1及び
第2プローブ(83)(93)の通過溝を埋めるように塑性
流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化する。この
際、軟化撹拌部分が支持アーム(52)の支持面(53)の
底点部にて形成されているから、該軟化撹拌部分が片寄
り状態で冷却固化してしまう不具合も発生しない。この
現象が両分割片(11)(11)の移動に伴って順次繰り返
されていき、最終的に両分割片(11)(11)がその突合
せ部(B1)において接合一体化される。
【0058】この両分割片(11)(11)の移動に際し、
両分割片(11)(11)の突合せ部(B1)に沿う線つまり
接合線は、上述したように、タンク中心(O)側だけに
曲がった曲線になっているから、両分割片(11)(11)
を簡単な操作で移動させることができる。さらに、両分
割片(11)(11)は、支持フレーム(52)の支持面(5
3)にぴったりと当接した状態で載置されているから、
両分割片(11)(11)は、支持面(53)との間において
ガタツキが発生することもなく移動するものとなる上、
支持フレーム(52)の支持面(53)に支持ボール(54)
が装着されているから、両分割片(11)(11)をスムー
ズに移動させることができる。加えて、両分割片(11)
(11)の突合せ部(B1)に、2個の加工ヘッド(81)
(91)のプローブ(83)(93)が挿入されているので、
各加工ヘッド(81)(91)に加わる負荷が軽減され、各
加工ヘッド(81)(91)のプローブ(83)(93)が両分
割片(11)(11)の移動動作中に不本意に動いてしまう
不具合も防止される。したがって、両分割片(11)(1
1)の突合せ部(B1)に形成された接合部(W1)は、接
合状態が突合せ部(B1)の全域に亘って均質になってお
り、そのため両分割片(11)(11)は突合せ部(B1)に
おいて強固に接合一体化されている。
【0059】もとより、摩擦撹拌接合により両分割片
(11)(11)が接合されているので、接合部(W1)には
熱歪みが殆ど発生しておらず、歪み取り作業を行う必要
がない、あるいは簡単な作業で歪みを除去することがで
きるし、接合部(W1)が図7(b)に示すように平坦に
形成されるから、余盛除去作業も行う必要もない、ある
いは簡単な作業で余盛を除去することができる。
【0060】さらに、肉厚の厚い両分割片(11)(11)
を反転することなく1回の移動操作で接合することがで
きるし、分割片(11)(11)の突き合わされる端面に、
面倒な開先加工を施す必要がないから、接合作業能率が
極めて良い。
【0061】また、両分割片(11)(11)をラック(6
0)とピニオン(71)との噛合によって移動させるか
ら、高強度で且つ肉厚の厚い分割片(11)(11)であっ
ても、これを一定速度で確実に移動させることができ
る。
【0062】このようにして、支持アーム(52)の支持
面(53)上にて、隣り合う2個の分割片(11)(11)の
接合を行うことにより、かかる接合作業を能率的に行う
ことができる。
【0063】下半球部(30)もこれと同じ手順で組立製
作することができる。つまり、下半球部(30)を大円の
弧で多数個の分割片(図示せず)に分割した後、前記支
持アーム(52)の支持面(53)上にて、隣り合う2個の
分割片の接合を行う。こうすることにより、かかる接合
作業を能率的に行うことができる。
【0064】一方、赤道リング部(20)を製作する場合
にあっては、上記上半球部(10)及び下半球部(30)の
製作方法と同じく、赤道リング部(20)を大円の弧で分
割し、隣り合う2個の分割片(図示せず)を、前記支持
アーム(52)の支持面(53)上にて次々に接合していく
ことにより、赤道リング部(20)を組立製作することも
可能であるが、従来法と同じように、赤道リング部(2
0)を分割し、各分割片を狭開先MIG溶接等の溶融溶
接により接合することにより、赤道リング部(20)を組
立製作しても良い。
【0065】こうして組立製作された上半球部(10)、
下半球部(30)及び赤道リング部(20)は、船体に搭載
され、該船体上で従来の溶融溶接等の任意の接合手段に
より接合されて球形に組み立てられる。
【0066】而して、この第1実施形態においては、貯
蔵タンクの形状は、球形である必要はなく、例えば円筒
形であっても良い。すなわち、タンク本体となる円筒形
状の中間部と、該中間部の両端部に取り付けられたドー
ム形状等の端部材とから構成された円筒形の貯蔵タンク
を製作する場合にあっては、前記中間部を複数個の割円
筒殻形状の分割片により組立製作する場合に、この第1
実施形態の接合方法を適用することも可能である。ま
た、端部材がドーム形状である場合には、この端部材を
複数個の割球殻形状の分割片により組立製作する場合
に、この第1実施形態の接合方法を適用することも可能
である。
【0067】次に、図11〜図18に示したこの発明の
第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、
9%ニッケル鋼又はオーステナイト系ステンレス鋼製の
円筒形の貯蔵タンクを製作する場合について示してい
る。
【0068】図11には、円筒形の貯蔵タンクの上半部
及び下半部のうちの下半部(110 )だけが示されてい
る。この下半部(110 )は、平坦で円形状のタンク底壁
部と、該タンク底部の周縁に立設された円筒形状のタン
ク周壁部とから構成されている。そして、この下半部
(110 )は、同図に示した分割線(N)…によって、多
数個に分割されている。この下半部(110 )のうち、タ
ンク周壁部については、軸線方向と並行な分割線(N
1)と、周方向と並行な分割線(N2)とによって、多
数個に分割されている。つまり、この下半部(110 )の
タンク周壁部は、接合線が直線にあるいは1方向側だけ
に曲がった曲線になるように分割されている。このよう
に分割することが、接合操作を容易に行うことができる
ようになる点で、望ましい。
【0069】各分割片(111 )の製作は、工場で行わ
れ、ここで寸法仕上げ加工まで行われた後、タンク設置
現場に輸送される。そのため、各分割片(111 )は、輸
送可能な大きさに設定されている。
【0070】図12は、タンク設置現場において、タン
ク周壁部を複数個の分割片(111 )により組立製作する
場合について示している。
【0071】前記分割片(111 )は、割円筒殻形状のも
のであって、タンク設置現場において、同図に示すよう
に、クレーン(160 )で吊り上げられて、所定の位置に
配置される。吊り上げられた分割片(111 )は、その端
面が、当該分割片(111 )に対して周方向に隣接する分
割片(111 )の端面に、ターンバックル(161 )(161
)によって押圧されるとともに突合せ状態に保持され
る。この状態において、周方向(左右方向)に隣り合う
2個の分割片(111 )(111 )については、突合せ部
(B2)に沿う線つまり接合線は、軸線方向と並行に延び
ており、つまり直線状になっている。一方、軸線方向
(上下方向)に隣り合う2個の分割片(111 )(111 )
については、突合せ部(B3)に沿う線つまり接合線は、
周方向と並行に延びており、つまり1方向側だけに曲が
った曲線になっている。
【0072】以下、周方向に隣り合う2個の分割片(11
1 )(111 )をその突合せ部(B2)において摩擦撹拌接
合する場合を中心に説明する。
【0073】周方向に隣り合う2個の分割片(111 )
(111 )は、図13に示すように、当該分割片(111 )
の内面に取り付けられた第1接合装置(120 )と、当該
分割片(111 )の外面に取り付けられた第2接合装置
(140 )とにより、突合せ部(B2)において摩擦撹拌接
合により接合されて一体化される。
【0074】前記第1接合装置(120 )と第2接合装置
(140 )は同一構成であり、以下、第1接合装置(120
)の構成を中心に説明する。なお、第2接合装置(140
)の構成要素には、第1接合装置(120 )の対応構成
要素に付された符号に20を加算した符号が付されてい
る。
【0075】第1接合装置(120 )は、図14〜図16
に示すように、前後各2個の駆動輪(135 )(135 )
(135 )(135 )を有する台車(134 )と、該台車(13
4 )の左右両側に互いに並行に配置された2個の所定長
さを有するラック(121 )(121 )とを具備している。
【0076】前記各ラック(121 )は、図14に示すよ
うに、その前後(同図では上下)両端に取り付けられた
支柱(122 )(122 )を介して、該ラック(121 )と並
行に延びた下辺フレーム(123 )に取り付けられてい
る。この下辺フレーム(122 )の前端部には、前脚フレ
ーム(124 )が設けられる一方、この下辺フレーム(12
2 )の後端部には、後脚フレーム(124 )が、左右方向
に移動可能に構成された移動機構(125 )を介して設け
られている。この移動機構(125 )により、ラック(12
1 )を両分割片(111 )(111 )の突合せ部(B2)と並
行に配置するための操作を、容易に行うことができるよ
うになっている。
【0077】また、これら前後両脚フレーム(124a)
(124b)の接地部には、接合装置(120 )を取外し可能
に固定するための固定部(126 )が、ボールジョイント
(126a)を介して取り付けられている。この第2実施形
態では、前記固定部(126 )は、電磁石(図示せず)を
備えており、この電磁石の磁力作用によって分割片(11
1 )に吸着固定することができるようになっている。な
お、分割片(111 )がアルミニウム合金等の磁力で吸着
固定できない金属からなる場合などには、前記電磁石に
代えて、真空ポンプを備えた吸盤(図示せず)を用いる
ことが望ましい。
【0078】そして、図15に示すように、これら左右
のラック(121 )(121 )の前端が、連結フレーム(12
7a)の両端部に軸着されるとともに、左右の下辺フレー
ム(123 )(123 )の前端が、連結フレーム(128a)の
両端部に軸着されている。これと同様に、左右のラック
(121 )(121 )の後端が、連結フレーム(127b)の両
端部に軸着される一方、左右の下辺フレーム(123 )
(123 )の後端が、連結フレーム(128b)の両端部に軸
着されている。
【0079】前記台車(134 )の駆動輪(135 )は、図
14に示すように、前記ラック(121 )に噛合するピニ
オンからなる。また、この台車(134 )には、図16に
示すように、摩擦撹拌接合用の接合工具(130 )と、該
接合工具(130 )の加工ヘッド(131 )を突合せ部(B
2)に対して挿入・引抜き方向に移動させる移動装置
(図示せず)とが搭載されている。
【0080】前記接合工具(130 )において、図17に
示すように、回転子(132 )の軸線方向中間部には、ユ
ニバーサルジョイント(136 )が設けられ、これにより
加工ヘッド(131 )の姿勢が可変になるものとなされて
いる。同図において、(137)は、この加工ヘッド(131
)を両分割片(111 )(111 )の突合せ部(B2、B3)
の内面(あるいは外面)に対して略垂直な姿勢に保持す
る姿勢保持機構であって、加工ヘッド(131 )が装着さ
れる断面略コ字状の枠体からなる加工ヘッド装着部(13
9 )と、断面略逆コ字状の枠体からなる加工ヘッド装着
部の取付け部(138 )とを備えている。
【0081】前記取付け部(138 )は、スラストボール
ベアリング(138a)を介して回転子(132 )に取り付け
られており、この取付け部(138 )に前記加工ヘッド装
着部(139 )が軸着(軸着部138b)されている。そし
て、この加工ヘッド装着部(139 )に、スラストボール
ベアリング(139a)を介して前記加工ヘッド(131 )が
装着されている。さらに、前記加工ヘッド装着部(139
)には、分割片(111 )の内面(あるいは外面)を走
行する回転自在なコロ(139b)(139b)(139b)(139
b)が設けられ、これにより加工ヘッド(131 )が所定
姿勢でスムーズに移動できるようになっている。なお、
このコロ(139b)…は、回転駆動するものであっても良
いことはもちろんである。
【0082】上記構成の姿勢保持機構(137 )によっ
て、接合線が直線である場合はもとより、接合線が曲線
である場合であっても、加工ヘッド(131 )を所定姿勢
に保持し且つ突合せ部(B2、B3)への挿入深さを一定に
した状態で移動させることができるようになる。したが
って、この接合装置によれば、接合状態の良好な接合部
(W2、W3)を形成することができる。
【0083】さらに、この台車(134 )は、左右方向に
移動可能に構成された移動機構(図示せず、図15参
照)を備えており、この移動機構により、接合工具(13
0 )の加工ヘッド(131 )を両分割片(111 )(111 )
の突合せ部(B2)の位置に正確に合わせることができる
ようになっている。
【0084】かかる構成の第1及び第2接合装置(120
)(140 )により、左右方向に隣り合う個の分割片(1
11 )(111 )は、次のようにして突合せ部(B2)にお
いて接合一体化される。
【0085】すなわち、図12及び図13に示すよう
に、持上げアームを有する産業用車両(162 )で第1接
合装置(120 )を持ち上げ、この第1接合装置(120 )
を、突合せ部(B2)を跨いで分割片(111 )(111 )の
内面に、ラック(121 )が突合せ部(B2)と並行になる
態様にして、その固定部(126 )にて固定状態に取り付
ける。同じく、第2接合装置(140 )を産業用車両(16
2 )で持ち上げ、この第2接合装置(140 )を、突合せ
部(B2)を跨いで分割片(111 )(111 )の外面に、ラ
ック(141 )が突合せ部(B2)と並行になる態様にし
て、その固定部(146 )にて固定状態に取り付ける。
【0086】次いで、第1接合装置(120 )の接合工具
(130 )の加工ヘッド(131 )のプローブ(133 )を回
転させながら突合せ部(B2)の接合開始予定部に内面側
から挿入し、挿入深さが両分割片(111 )(111 )の突
合せ部(B2)における厚さ寸法の約1/2となったと
き、プローブ(133 )の移動を停止し、プローブ(13
3)を挿入状態に保持する。このとき、回転子(132 )
の端面(132a)は、両分割片(111 )(111 )の突合せ
部(B2)の内面に当接した状態になっている。
【0087】これと同様にして、第2接合装置(140 )
の接合工具(150 )の加工ヘッド(151 )のプローブ
(153 )を回転させながら突合せ部(B2)の接合開始予
定部に外面側から前記第1接合装置(120 )のプローブ
(133 )と対向して挿入し、挿入深さが両分割片(111
)(111 )の突合せ部(B2)における厚さ寸法の約1
/2となって前記第1接合装置(120 )のプローブ(13
3 )の先端に近接したとき、プローブ(153 )の移動を
停止し、プローブ(153 )を挿入状態に保持する。この
とき、回転子(152 )の端面(152a)は、両分割片(11
1 )(111 )の突合せ部(B2)の外面に当接した状態に
なっている。
【0088】次いで、第1及び第2接合装置(120 )
(140 )の駆動輪(135 )(155 )を駆動して該駆動輪
(135 )(135 )をラック(121 )(141 )に沿って走
行させることにより、第1接合装置(120 )の加工ヘッ
ド(131 )と第2接合装置(140 )の加工ヘッド(151
)とを一緒に挿入状態で突合せ部(B2)に沿って移動
させる。
【0089】第1及び第2接合装置(120 )(140 )の
加工ヘッド(131 )(151 )の移動に伴い、両プローブ
(133 )(153 )との接触部及びその近傍が摩擦熱にて
順次、軟化撹拌されていき、最終的に両分割片(111 )
(111 )がその突合せ部(B2)において一体に接合され
る。
【0090】一方、上下方向に隣り合う2個の分割片
(111 )(111 )は、図18に示すように、上記と同様
の接合操作により突合せ部(B3)において接合一体化さ
れる。而して、この接合操作においては、台車(134 )
(154 )の移動に伴って、加工ヘッド(131 )(151 )
から両分割片(111 )(111 )の突合せ部(B3)までの
距離が変化するが、上記したように台車(134 )(154
)には、接合工具(130)(150 )の加工ヘッド(131
)(151 )を突合せ部(B2、B3)に対して挿入・引抜
き方向に移動させる移動装置(図示せず)が搭載されて
いるから、この移動装置により、かかる距離を接合工具
(130 )(150 )の移動に関わらず一定にすることがで
きる。したがって、上下方向に隣り合う2個の分割片
(111 )(111)であっても、両者を確実に接合するこ
とができる。
【0091】このようにして、分割体(111 )を次々に
接合していくことにより、タンク設置現場に所定形状の
タンクが組立製作される。
【0092】而して、この第2実施形態においては、上
記第1実施形態と同じく、両分割片(111 )(111 )が
摩擦撹拌接合により接合されているので、接合部(W2)
には熱歪みが殆ど発生していないし、また接合部(W2)
が平坦に形成されるので、歪み取り作業や余盛除去作業
を行う必要がない、あるいは簡単な作業で行うことがで
きる。
【0093】また、両分割片(111 )(111 )の突合せ
部(B2)(B3)に内外両面側からプローブ(133 )(15
3 )が挿入されているので、各加工ヘッド(131 )(15
1 )に加わる負荷が、1個のプローブを挿入して接合を
行う場合よりも軽減され、各加工ヘッド(131 )(151
)の移動動作中にプローブ(133 )(153 )が不本意
に動いてしまう不具合が防止される。その結果、両分割
片(111 )(111 )の突合せ部(B2)(B3)に形成され
た接合部(W2)(W3)は、接合状態が突合せ部(B2)
(B3)の全域に亘って均質になっており、したがって両
分割片(111 )(111 )は突合せ部(B2)(B3)におい
て強固に接合一体化されている。その上、2個の加工ヘ
ッド(131 )(151 )が対向して挿入されているから、
加工ヘッド(131 )(151 )の挿入圧による両分割片
(111 )(111 )の変形も阻止されている。
【0094】さらに、ラック(121 )(141 )とピニオ
ンからなる駆動輪(135 )(155 )との噛合によって接
合工具(130 )(150 )の加工ヘッド(131 )(151 )
を移動させるものであるから、肉厚が厚く且つ高強度な
分割片(111 )(111 )であっても、加工ヘッド(131
)(151 )を一定速度で確実に移動させることができ
る。
【0095】以上、この発明の2つの実施形態について
説明したが、この発明は、これら実施形態に限定される
ものではないことはもちろんである。
【0096】例えば、この発明に係る接合方法は、ロケ
ットに搭載される燃料タンクを製作する場合に適用可能
である。
【0097】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明によれば、突合
せ状態に配置した2個の湾曲した貯蔵タンク用分割片
を、突合せ部において摩擦撹拌接合により接合すること
により、接合に伴う分割片の変形が小さくなるから、歪
み取り作業が楽になる。さらに、両分割片の突き合わさ
れる端面に、面倒な開先加工を行う必要がなくなるし、
シールドガスや溶加材を使用する必要がなくなり、その
上、接合部が肉盛り状態にならないで略平坦状に形成さ
れるので、余盛除去作業を行う必要もなくなる。しか
も、肉厚の厚い分割片同士を接合する場合であっても、
従来のように溶接ビードを何度も重ねる多層溶接を行う
必要がなくなり、そのため作業能率が向上するし、ブロ
ーホールや融合不良等の接合欠陥の発生も防止される。
加えて、接合時の施工環境に影響を受けることなく高強
度の接合部を形成することができるから、接合部の強度
的信頼性を高くするための管理項目が簡素化される。こ
うした結果により、両分割片の接合作業を極めて能率的
に行うことができる。
【0098】さらに、支持面が前記両分割片の湾曲形状
に対応する湾曲面に形成されるとともに、この支持面に
おいて前記両分割片を少なくとも突合せ部に沿う方向に
摺動可能に支持する支持部材を用い、この支持部材の支
持面上に、両分割片を載置することにより、両分割片が
支持面にぴったりと当接するものとなり、そのため両分
割片の移動の際に両分割片が支持面との間においてがた
ついてしまう不具合も発生しなくなるから、両分割片を
スムーズに所定方向に移動させることができ、したがっ
て突合せ部に接合状態の良好な接合部を形成することが
できる。
【0099】また、前記加工ヘッドが、前記両分割片の
突合せ部に片面側から挿入する第1加工ヘッドと、他方
の片面側から挿入する第2加工ヘッドとから構成されて
いる場合には、両分割片の移動中に加工ヘッドの先端が
不本意に動いてしまう不具合を抑制することができるよ
うになり、そのため加工ヘッドの挿入深さを一定に保ち
ながら両分割片を移動させることが容易になり、したが
って接合状態が突合せ部の全域に亘って均質な接合部を
形成することができる。さらに、両分割片を反転するこ
となく一回の移動操作で、分割片を接合することができ
るから、接合作業能率が向上するという効果を奏する。
【0100】また、前記支持部材が、その支持面が断面
凹状になる態様で設置されるとともに、前記第1加工ヘ
ッドが、下向きに配置される一方、前記第2加工ヘッド
が、前記第1加工ヘッドに対向して上向きに配置されて
いる場合には、摩擦熱により軟化した両分割片の軟化部
が片寄り状態で冷却固化される不具合を防止することが
できるから、接合状態の良好な接合部を形成することが
できる。さらに、第1加工ヘッドと第2加工ヘッドとが
対向しているから、両分割片の突合せ部に加わる各加工
ヘッドの挿入圧を相殺することができ、各加工ヘッドの
挿入圧による両分割片の変形を阻止することができる。
【0101】また、前記支持部材には、前記両分割片の
移動方向に沿うラックが設けられる一方、前記両分割片
には、前記ラックに噛合するピニオンを有する駆動装置
が取り付けられ、前記ピニオンの回転駆動によって両分
割片を移動させる場合には、両分割片を一定速度で確実
に移動させることができる。
【0102】また、前記支持部材の支持面には、前記両
分割片を任意方向に移動可能に支持する複数個の回転自
在な支持ボールが装着されている場合には、両分割片と
支持面との接触面積が減少するので、両分割片の移動操
作を容易に行うことができる。
【0103】また、第2発明によれば、上記第1発明と
同様の理由により、両分割片の接合作業を極めて能率的
に行うことができるし、接合工具の加工ヘッドを一定速
度で確実に移動させることができる。
【0104】また、前記接合装置を、分割片の片面と他
方の片面とに取り付ける場合には、接合工具の移動中に
加工ヘッドの先端が不本意に動いてしまう不具合を抑制
することができるようになり、そのため加工ヘッドの挿
入深さを一定に保ちながら加工ヘッドを移動させること
が容易になり、したがって接合状態が突合せ部の全域に
亘って均質な接合部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す図で、分割片を
接合する途中の状態の斜視図である。
【図2】貯蔵タンクの分解斜視図である。
【図3】(a)は貯蔵タンクの斜視図、(b)は貯蔵タ
ンクの正面図である。
【図4】(a)は上半球部の平面図、(b)は上半球部
の要部の正面図である。
【図5】図4(b)中V−V線の概略断面図である。
【図6】支持部材の支持面を中心に示す、支持部材と分
割片の断面図である。
【図7】(a)は突合せ状態に配置した2個の分割片の
断面図、(b)は突合せ部が接合された後の状態を示す
同両分割片の断面図である。
【図8】両分割片の接合途中の状態を示す断面図であ
る。
【図9】図8中IX−IX線の断面図である。
【図10】(a)は突合せ状態に配置した2個の分割片
をその下端を中心に示す斜視図、(b)は両分割片の接
合開始時の状態を示す断面図である。
【図11】この発明の第2実施形態を示す図で、貯蔵タ
ンクの下半部の斜視図である。
【図12】両分割片の接合途中の状態を示す斜視図であ
る。
【図13】両分割片の接合途中の状態を示す分割片の縦
断面図である。
【図14】両分割片の接合途中の状態を示す接合装置の
側面図である。
【図15】両分割片の接合途中の状態を示す接合装置の
正面図である。
【図16】両分割片の接合途中の状態で示す接合装置の
底面図である。
【図17】接合工具の要部の拡大斜視図である。
【図18】両分割片の接合途中の状態を示す分割片の横
断面図である。
【図19】従来の貯蔵タンク用分割片の接合方法を説明
した図で、(a)は突合せ状態に配置した2個の分割片
の断面図、(b)は突合せ部が接合された後の状態を示
す同両分割片の断面図である。
【符号の説明】
1…球形貯蔵タンク 10…上半球部 11…分割片 20…赤道リング部 30…下半球部 50…支持部材 51…支持面 52…支持フレーム(支持部材) 53…支持フレームの支持面(支持部材の支持面) 54…支持ボール 60…ラック 70…駆動装置 71…ピニオン 80…第1接合工具 81…第1加工ヘッド 83…第1プローブ 90…第2接合工具 91…第2加工ヘッド 93…第2プローブ B1…突合せ部 W1…接合部 110 …円筒形貯蔵タンクの下半部 111 …分割片 120 、140 …接合装置 121 、141 …ラック 130 、150 …接合工具 131 、151 …加工ヘッド 133 、153 …プローブ 134 、154 …台車 135 、155 …駆動輪 B2、B3…突合せ部 W2、W3…接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 正敏 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA05 BG00 BG02 DA13 DA17 EB06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突合せ状態に配置した2個の湾曲した貯
    蔵タンク用分割片(11)(11)を、突合せ部(B1)にお
    いて摩擦撹拌接合により接合する貯蔵タンク用分割片の
    接合方法であって、 支持面(51)が前記両分割片の湾曲形状に対応する湾曲
    面に形成されるとともに、この支持面(51)において前
    記両分割片(11)(11)を少なくとも突合せ部に沿う方
    向に摺動可能に支持する支持部材(50)を用い、 この支持部材(50)の支持面(51)上に載置した前記両
    分割片の突合せ部(B1)に、支持面(51)内における所
    定位置に配置した摩擦撹拌接合用の接合工具(80)(9
    0)の加工ヘッド(81)(91)を挿入するとともに、突
    合せ部(B1)が順次、加工ヘッド(81)(91)を通過す
    るように両分割片(11)(11)を支持面(51)内で移動
    させることにより、両分割片(11)(11)の接合を行う
    ことを特徴とする貯蔵タンク用分割片の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記加工ヘッドは、前記両分割片の突合
    せ部(B1)に片面側から挿入する第1加工ヘッド(81)
    と、他方の片面側から挿入する第2加工ヘッド(91)と
    から構成されている請求項1記載の貯蔵タンク用分割片
    の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記支持部材(50)は、その支持面(5
    1)が断面凹状になる態様で設置されるとともに、 前記第1加工ヘッド(81)は、下向きに配置される一
    方、 前記第2加工ヘッド(91)は、前記第1加工ヘッド(8
    1)に対向して上向きに配置されている請求項2記載の
    貯蔵タンク用分割片の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記支持部材(50)には、前記両分割片
    (11)(11)の移動方向に沿うラック(60)が設けられ
    る一方、 前記両分割片(11)(11)には、前記ラック(60)に噛
    合するピニオン(71)を有する駆動装置(70)が取り付
    けられ、 前記ピニオン(71)の回転駆動によって両分割片(11)
    (11)を移動させる請求項1乃至3のいずれか1項記載
    の貯蔵タンク用分割片の接合方法。
  5. 【請求項5】 前記支持部材(50)の支持面(51)に
    は、前記両分割片(11)(11)を任意方向に移動可能に
    支持する複数個の回転自在な支持ボール(54)が装着さ
    れている請求項1乃至4のいずれか1項記載の貯蔵タン
    ク用分割片の接合方法。
  6. 【請求項6】 前記分割片(11)は、球形貯蔵タンク用
    のものである請求項1乃至5のいずれか1項記載の貯蔵
    タンク用分割片の接合方法。
  7. 【請求項7】 前記分割片は、円筒形貯蔵タンク用のも
    のである請求項1乃至5のいずれか1項記載の貯蔵タン
    ク用分割片の接合方法。
  8. 【請求項8】 突合せ状態に配置した2個の湾曲した貯
    蔵タンク用分割片(111 )(111 )を、突合せ部(B2)
    (B3)において摩擦撹拌接合により接合する貯蔵タンク
    用分割片の接合方法であって、 所定長さを有するラック(121 )と、前記ラックに噛合
    するピニオンからなる駆動輪(135 )を有する台車(13
    4 )と、前記台車に搭載された摩擦撹拌接合用の接合工
    具(130 )とを具備した接合装置(120 )を用い、 この接合装置(120 )を分割片に取り付け、 前記接合工具の加工ヘッド(131 )を突合せ部(B2)
    (B3)に挿入するとともに、この加工ヘッド(131 )を
    前記駆動輪(135 )の回転駆動によって突合せ部(B2)
    (B3)に沿って移動させることにより、両分割片(111
    )(111 )の接合を行うことを特徴とする貯蔵タンク
    用分割片の接合方法。
  9. 【請求項9】 前記接合装置(120 )(140 )を、分割
    片の片面と他方の片面とに取り付ける請求項8記載の貯
    蔵タンク用分割片の接合方法。
  10. 【請求項10】 前記分割片は、球形貯蔵タンク用のも
    のである請求項8又は9記載の貯蔵タンク用分割片の接
    合方法。
  11. 【請求項11】 前記分割片(111 )は、円筒形貯蔵タ
    ンク用のものである請求項8又は9記載の貯蔵タンク用
    分割片の接合方法。
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