JP4323909B2 - 摩擦撹拌接合方法及び摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

摩擦撹拌接合方法及び摩擦撹拌接合装置 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦撹拌接合方法及び摩擦撹拌接合装置に関する。
従来より、容器や管等の筒状体を製造する代表的な手段としては、押し出し成形方法が知られている。しかし、口径の大きな筒状体を成形する場合、非常に大きな金型費が発生する上、押し出し成形機の機械的性能に限界があった。また、大口径化に伴い歩留まりが悪化していた。そこで、安価で且つ容易に大口径の筒状体を製造可能な方法の開発が望まれていた。
一方、近年、簡易な設備で金属部材同士間を接合可能な摩擦撹拌接合FSW(Friction Stir Welding)が注目されている。この摩擦撹拌接合は、被接合部材を突き合わせた突き合わせ部に沿って、工具鋼等からなるツールを高速回転させながら移動させて、その突き合わせ部を塑性流動させて接合する方法である。
そして、この摩擦撹拌接合を応用して、被接合部材が組み合わされた組み合わせ部(突き合わせ部)を、摩擦撹拌接合して筒状体を形成する「筒状体接合方法」が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−219280号公報(段落0023〜0028、図1)
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、図6(a)に示すように、筒状被接合部材5’の突き合わせ部5b’を摩擦撹拌接合するツール50’を支持する上ローラ33a’が、ツール50’の前方にΔD1ずれた場合(本明細書では、被接合部材に対しツールが進行する方向を「前」とする)、ツール50’の押圧力F1’が十分に支持されず、その結果、図6(b)に示すように、摩擦撹拌接合された部分5d’(以下、摩擦撹拌接合部分という)にメタル漏れE1や、長手方向(すなわち接合方向)にトンネル状の欠陥(トンネルポア)E2が発生し、好適な接合強度が得られず、寸法安定性が低下するという問題があった。
また、図7(a)に示すように、上ローラ33a’が、ツール50’の後方にΔD2ずれた場合、メタル漏れが発生し、この漏れたメタルを上ローラ33a’が押し潰すことになり、結果として、図7(b)に示すように、メタルがはみ出した部分(バリ)E3が形成されてしまい、接合強度不足等に加え、摩擦撹拌接合後の内径が一定でないという問題があった。
そこで、本発明は、前記問題を解決すべく、ツールと支持ローラが接合方向にずれても、好適に接合可能な摩擦撹拌接合方法及び摩擦撹拌接合装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、被接合部材の被突き合わせ部を突き合わせて構成された、中空部を有する筒状被接合部材の突き合わせ部を接合する摩擦撹拌接合方法であって、前記突き合わせ部の内側に裏あて部材を当接し、当該裏あて部材に転動可能に当接されるローラを有する中子治具を前記中空部に配置し、当該中子治具で前記裏あて部材を内側から支持し、前記筒状被接合部材の外側から前記中子治具と相対位置関係を保持可能であって、所定速度で回転するツールを、前記突き合わせ部のうち前記裏あて部材を介して前記中子治具で支持された部分に配置する第1工程と、前記中子治具と前記ツールの相対位置関係を保持しながら、前記筒状被接合部材及び前記ツールの少なくとも一方を、前記筒状被接合部材の長手方向に移動させることにより、前記突き合わせ部を摩擦撹拌接合する第2工程と、を有することを特徴とする摩擦撹拌接合方法である。
ここで、「被接合部材の被突き合わせ部を突き合わせて構成された、中空部を有する筒状被接合部材」における「被接合部材」は、一般に複数であるが、複数の被突き合わせ部を有していれば1つの部材であってもよい。すなわち、被接合部材が1つの部材であり、具体的に例えば、1枚の板状の被接合部材の場合、その両端部を被突き合わせ部とし、断面円形状に曲げて被突き合わせ部を突き合わせることで筒状被接合部材を構成してもよい。
このような摩擦撹拌接合方法によれば、中子治具とツールの相対位置関係を保持することで、ツールが摩擦撹拌接合する部分は、常に裏あて部材が突き合わせ部に当接する面(以下、これを当接面という)で支持され、この裏あて部材はローラを介して、中子治具に支持される。したがって、ツールとローラとが、機械的誤作動等により長手方向にずれても、ツールの押圧力は、裏あて部材、ローラを介して中子治具に支持されるため、メタル漏れが発生せずに摩擦撹拌接合することができ、好適な接合強度を得ることができる。
また、前記摩擦撹拌接合方法において、前記中子治具は、前記ローラを前記長手方向に2個以上並んで有し、前記ツールは、前記2個以上のローラの間に配置されることを特徴とする
このような摩擦撹拌接合方法によれば、ローラが裏あて部材を支持する支点間が短くなり、突き合わせ部及び裏あて部材が撓みにくくなる。したがって、メタル漏れも発生しにくくなり、好適に摩擦撹拌接合することができる。
また、ツールの押圧力が2個以上のローラに分散することになり、ローラに過剰な負荷をかけずに摩擦撹拌接合することができる。
また、前記摩擦撹拌接合方法において、前記ツールを移動させず、前記筒状被接合部材を前記長手方向に移動させることを特徴とする
このような摩擦撹拌接合によれば、回転するツール及びツールと相対位置関係を保持した中子治具を移動させず、筒状被接合部材を移動させることになる。したがって、回転するツールを移動させないため操作が容易になると共に、摩擦撹拌接合の精度が向上する。
また、前記摩擦撹拌接合方法において、前記ローラを冷却しつつ、摩擦撹拌接合をすることを特徴とする
このような摩擦撹拌接合方法によれば、ローラを冷却することにより、ローラが発熱して、ローラを支持するベアリング(軸受)の焼付を発生させずに、摩擦撹拌接合することができる。
また、本発明は、被接合部材の被突き合わせ部を突き合わせて構成された、中空部を有する筒状被接合部材の突き合わせ部分を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合装置であって、前記筒状被接合部材が配置される筒状被接合部材台と、前記突き合わせ部の内側に当接される裏あて部材と、当該裏あて部材に転動可能に当接されるローラを有し、前記裏あて部材を内側から支持する中子治具と、前記筒状被接合部材の外側から、前記中子治具と相対位置関係を保持され、前記突き合わせ部のうち前記裏あて部材を介して前記中子治具で支持された部分を摩擦撹拌接合するツールと、前記筒状被接合部材台及び前記ツールの少なくとも一方を、前記被筒状接合部材の長手方向に移動させる移動機構と、を備えたことを特徴とする摩擦撹拌接合装置である。
このような摩擦撹拌接合装置によれば、中子治具とツールの相対位置関係を保持することで、ツールが摩擦撹拌接合する部分は、常に裏あて部材が突き合わせ部に当接する面(以下、これを当接面という)で支持され、この裏あて部材はローラを介して、中子治具に支持される。したがって、ツールとローラとが、機械的誤作動等により長手方向にずれても、ツールの押圧力は、裏あて部材、ローラを介して中子治具に支持されるため、メタル漏れが発生せずに摩擦撹拌接合することができ、好適な接合強度を得ることができる。
本発明によれば、ツールと支持ローラが接合方向にずれても、ツールの下方に常時裏あて部材が存在するのでメタル漏れが発生せずに、好適に接合可能な摩擦撹拌接合方法及び摩擦撹拌接合装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1から図4を適宜参照して、詳細に説明する。
参照する図面において、図1は、本実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の全体斜視図であり、図2は同側断面図である。図3は、本実施形態に係る中子治具の全体斜視図であり、図4は同中子治具の上部を拡大した側断面図である。
[摩擦撹拌接合装置]
図1、図2に示すように、本実施形態に係る摩擦撹拌接合装置Sは、断面略コ字形を呈する2個の被接合部材1、1の被突き合わせ部1a、1aを突き合わせて構成された、中空部5aを有する筒状被接合部材5の突き合わせ部5bを接合する装置である。
ここで、本実施形態では、中子治具30とツール50の相対位置関係を保持して移動させず、筒状被接合部材5が配置されたテーブル10を矢印A2の方向に移動することで、筒状被接合部部材5を長手方向の矢印A3の向きに移動させ、筒状被接合部材5に対しツール50が接合方向の矢印A4の向きに移動して摩擦撹拌接合する場合について説明する。
摩擦撹拌接合装置Sは、筒状被接合部材5が設置されるテーブル10(筒状被接合部材台)と、突き合わせ部5bの内側に当接される裏あて部材20と、裏あて部材20に転動可能に当接される上ローラ33a、33a(図3、図4参照)を有し、裏あて部材20を内側から支持する中子治具30と、中子治具30を所定位置に保持する中子治具位置保持手段40と、中子治具30と相対位置関係を保持可能で、筒状被接合部材5の外側から突き合わせ部5bのうち裏あて部材20を介して中子治具30で支持された部分を摩擦撹拌接合するツール50と、テーブル10(筒状被接合部材台及び前記ツールの少なくとも一方)を筒状被接合部材5の長手方向に移動させるテーブル移動手段60と、中子治具30の上ローラ33a(図3参照)を冷却するエアを吐出させるエアホース71(ローラ冷却手段)を備えて構成されている。
(テーブル)
テーブル10は、筒状被接合部材5が配置されるテーブル本体11と、筒状被接合部材5を長手方向において所定位置で保持する4つのストッパ12と、幅方向において保持する4つのストッパ13と、高さ方向において保持する4つのストッパ14を備えて構成されている。
テーブル本体11には、長手方向にネジ孔が穿設されており、このネジ孔に後記ネジ棒62が螺合されている。
また、ストッパ12、13、14により、筒状被接合部材5を、適宜、保持・開放可能となっている。なお、ストッパ12、13、14は、筒状被接合部材5の大きさ、形状等に応じて変更自由である。
(裏あて部材)
裏あて部材20は、本実施形態では細長の板体であるが、この形状に限定されず筒状被接合部材5の形状に応じて変更してよい。この裏あて部材20は、摩擦撹拌接合時には、筒状被接合部材5の突き合わせ部5bの内側(中空部5a側)を覆うように当接されており、両端部がしゃこ万力21、21により、筒状被接合部材5に着脱自在に固定されている。すなわち、裏あて部材20は、筒状被接合部材5に一体的に固定されている。
また、裏あて部材20は、摩擦撹拌接合により突き合わせ部5bの温度が好適に上昇するように、熱伝導性の低い材料から形成されることが好ましく、さらに、裏あて部材20の温度も上昇するため、裏あて部材20と筒状被接合部材5の接合を防止すべく、融点の高い材料から形成されることが好ましい。
さらに、後記するように、裏あて部材20には、ツール50の押圧力F1が荷重するため、硬度の高い材料から形成されることが好ましい。
このような材料としては、例えば、鋼が挙げられる。
(中子治具)
次に、中子治具30について、図1、図2に加え、図3、図4を併せて参照して説明する。
図3に示すように、中子治具30は、架台31と、当座33と、架台31と当座33の間に介在した油圧ジャッキ35を備えて構成されている。油圧ジャッキ35は、配管(図示しない)を介して、バルブ、ポンプ等からなる油圧調整手段(図示しない)に接続しており、油圧を変化させることで、当座33を4本のガイド棒36で案内しつつ、鉛直方向に昇降自在となっている。
架台31は、いわゆる台車であり、6個の下ローラ31aを有しており、中空部5aを走行可能となっている。また、架台31は、後記連結棒41を介して支柱43(図1参照)に連結している。
また、当座33は、裏あて部材20に当接される2つの上ローラ33aを有している。この上ローラ33a、33aは、筒状被接合部材5の長手方向に並んで配置されている。
(中子治具位置保持手段)
中子治具位置保持手段40は、図2に示すように、中子治具30の架台31に接続した連結棒41と、この連結棒41の一端部に接続したターンバックル42(微調整機構)と、このターンバックル42に接続した支柱43を備えて構成されている。支柱43は、床G等の所定位置に据え付けられており、この支柱43に対する中子治具30の位置を、ターンバックル42で微調整した上で、所望に保持可能となっている。
(ツール)
ツール50は、本実施形態では、テーブル10を跨ぐように、床の所定位置に据え付けられた門型の工作機械(例えば、NCマシニングセンタ)の先端部である。そして、この工作機械(図示しない)により、ツール50の姿勢、水平方向及び鉛直方向位置、回転速度等は制御自在となっている。
ツール50は、摩擦撹拌接合時に、突き合わせ部5bに挿入されるピン51(図4参照)と、摩擦接合撹拌の際に突き合わせ部5bを押圧する肩面52(図4参照)を有している。
(テーブル移動手段)
テーブル移動手段60は、図1に示すように、テーブル10を長手方向にガイドするガイドレール61、61と、周面にネジ溝が刻まれたネジ棒62と備えて構成されている。
ガイドレール61、61は、例えば、床Gに適宜な手段で固定されている。ネジ棒62は、テーブル本体11を長手方向に貫通しており、図示しない軸受で回転自在に支持されている。さらに、ネジ棒62は、適宜な歯車機構(図示しない)を介して油圧モータ等の駆動装置(図示しない)に接続している。そして、この駆動装置(図示しない)でネジ棒62を矢印A1の向きに回転させることにより、テーブル本体11を矢印A2の方向に、すなわち筒状被接合部材5を矢印A3の方向に移動可能となっている。
したがって、本実施形態では、中子治具30とツール50は、床Gに対し所定位置に保持可能である。すなわち、床Gを介して中子治具30とツール50との相対位置関係を保持可能となっている。
(エアホース)
エアホース71は、図2に示すように、連結棒41に沿うようにインシュロック(図示しない)等で配設されており、その一端側は、図3に示すように上ローラ33aに向けられている。一方、エアホース71の他端側は、空気圧縮機(図示しない)に接続しており、この空気圧縮機を適宜稼動させることで、上ローラ33aに向けてエアを吐出可能となっている。
[摩擦撹拌接合方法]
続いて、摩擦撹拌接合装置Sの動作と共に、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法について説明する。
本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法は、筒状被接合部材5の突き合わせ部5bを接合する摩擦撹拌接合方法であって、突き合わせ部5bの内側に裏あて部材20を当接し、裏あて部材20に転動可能に当接される上ローラ33a、33aを有する中子治具30を中空部5aに配置し、中子治具30で裏あて部材20を内側から支持し、筒状被接合部材5の外側から、中子治具30と相対位置関係を保持可能であって、所定速度で回転するツール50を、突き合わせ部5bのうち裏あて部材20を介して中子治具30で支持された部分に配置する第1工程と、中子治具30とツール50との相対位置関係を保持しながら、筒状被接合部材5(筒状被接合部材及びツールの少なくとも一方)を矢印A3の方向(長手方向)に移動させることにより、突き合わせ部5bを摩擦撹拌接合する第2工程を有している。
以下、各工程について詳細に説明する。
(第1工程)
まず、図1に示すように、2個の断面略コ字形を呈する被接合部材1、1の被突き合わせ部1a、1aを突き合わせて、筒状被接合部材5を構成する。そして、筒状被接合部材5を、テーブル本体11の所定位置に配置する。次いで、筒状被接合部材5を、ストッパ12、13、14により、長手方向、幅方向、高さ方向において保持し、テーブル本体11に筒状被接合部材5を固定する。
ここで、摩擦撹拌接合方法において、対象とする被接合部材1の材質は、摩擦撹拌接合可能であれば、本発明では特に限定はないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、炭化ボロン粉末等が添加されたアルミニウム合金等が挙げられる。
そして、テーブル本体11に固定した筒状被接合部材5の突き合わせ部5bに、内側(中空部5a側)から裏あて部材20を当接する。そして、この裏あて部材20の両端部をしゃこ万力21、21で挟持して、筒状被接合部材5に固定する。ただし、これに限定されず、裏あて部材20を突き合わせ部5bに摺動可能に当接してもよい。
それから、筒状被接合部材5の中空部5aに中子治具30を挿入し、ジャッキ35(図3参照)の油圧を所定値に調整して、当座33を上昇させると共に、上ローラ33a、33aを裏あて部材20に当接し、裏あて部材20を内側から支持する。
次いで、中子治具位置保持手段40で、中子治具30の長手方向において、中子治具30を所定位置に固定する。
そして、図示しない工作機械を操作して、ツール50を所定速度で回転させつつ、このツール50を、前記突き合わせ部5bのうち裏あて部材20を介して中子治具30に支持された部分に配置する。
このツール50の配置において、図4に示すように、ツール50の回転軸a1が、上ローラ33a、33aの回転軸の間、特に中央に配置されることが好ましい。このようにツール50が配置されると、ツール50の押圧力F1は、裏あて部材20を介して、2つの上ローラ33a、33aに荷重する。
すなわち、ツール50の押圧力F1は、突き合わせ部5bを介し、一旦、裏あて部材20が突き合わせ部5bに当接する面(以下、当接面という)で支持され、この裏あて部材20が、2個の上ローラ33a、33aに支持されることになる。
そして、工作機械(図示しない)と中子治具位置保持手段40を適宜操作して、長手方向における中子治具30とツール50の相対位置関係を保持する。
なお、突き合わせ部5bに裏あて部材20を当接し、この裏あて部材20を中子治具30で支持し、ツール50を配置する順序は、これに限定されず適宜変更自由である。
(第2工程)
前記相対位置関係を保持したまま、駆動装置(図示しない)を稼動させて、ネジ棒62を矢印A1方向に回転させ、テーブル10を矢印A2の方向に移動させる。そうすると、筒状被接合部材5が、矢印A3の方向に移動する。その結果、ツール50が、筒状被接合部材5に対して矢印A4の方向(長手方向)に進むことになり、ツール50により、筒状被接合部材5の突き合わせ部5bが摩擦撹拌接合される。そして、ツール50の後方側に、接合された摩擦撹拌接合部分5dが形成される。
このとき、上ローラ33aは、筒状被接合部材5と一体的に移動する裏あて部材20との摩擦により、矢印A6(図4参照)の方向に転動せしめられつつ、裏あて部材20を支持すると共に、下ローラ31aも回転する(図3参照)。結果として、中子治具30が、中空部5aを走行することになる。
また、第2工程において、工作機械(図示しない)、中子治具位置保持手段40、テーブル移動手段60の機械的誤作動により、ツール50の回転軸a1が、長手方向に移動した場合でも、突き合わせ部5bは、裏あて部材20の当接面を介して、中子治具30で支持されているため、ツール50の回転により高温になった突き合わせ部5bのメタルが、中空部5a側に押し出されにくい。すなわち、メタル漏れが発生せずに、摩擦撹拌接合することができる。
したがって、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法によれば、摩擦撹拌接合部分5dにトンネルポア、キッシングボンド等を発生しにくくすることができる。よって、摩擦撹拌接合された筒状被接合部材5(以下、筒状摩擦撹拌接合体)は、良好な接合強度、寸法安定性を有する。
また、筒状被接合部材5を移動させて、ツール50で摩擦撹拌接合する際に、図示しない空気圧縮機を稼動して、エアホース71から上ローラ33aに向かってエアを吐出して冷却することで、上ローラ33a、33aの焼き付き等を防止することができる。
さらに、このように中子治具30及びツール50を移動させず、筒状被接合部材5を移動させることにより、回転するツール50を移動させないため、摩擦撹拌接合装置Sを簡易に構成可能であると共に、摩擦撹拌接合精度が向上する。
さらにまた、このような摩擦撹拌接合方法で接合された筒状摩擦撹拌接合体は、接合強度が高くなると共に、寸法安定性も高くなるため、例えば、極めて高い寸法安定性が要求されるキャスクと称される使用済み核燃料貯蔵器を構成するセル(バスケットセル)にも、好適に使用可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記した実施形態では、中子治具30が2個の上ローラ33a、33aを有する構成としたが、上ローラ33aの数は限定されず、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
上ローラ33aが1個の場合、突き合わせ部5bは、裏あて部材20、1個の上ローラ33aを介して中子治具30に支持されることになるが、ツール50の回転軸a1と、1個の上ローラ33aの回転軸が長手方向にずれても、ツール50の押圧力F1は、裏あて部材20の当接面を介して、1個のローラ33aに支持される。したがって、メタル漏れ等が発生しにくくなる。
また、図5に示すように、上ローラ33aより直径を小さくし、且つ、数を増加させて、4個の上ローラ33bを使用した場合は、長手方向において、隣り合う上ローラ33b、33bの回転軸間が短くなる。すなわち、ローラが裏あて部材を支持する支点間が短くなり、裏あて部材20を内側から、良好に支持可能となる。したがって、裏あて部材20及び突き合わせ部5bが撓みにくくなり、更にメタルが漏れにくくなる。
さらに、ツール50による押圧力F1は、さらに分散されるため、上ローラ33bに掛かる負担は減少する。
前記した実施形態では、中子治具30とツール50の相対位置関係を保持したまま固定し、筒状被接合部材5を移動させる摩擦撹拌接合装置Sの構成及び摩擦撹拌接合方法としたが、これに限定されずその他に例えば、中子治具30とツール50とを適宜なアームで連結し、双方の相対位置関係を保持したまま、中子治具30及びツール50を移動させる摩擦撹拌接合装置Sの構成及び摩擦撹拌接合方法としてもよいし、中子治具30及びツール50と、筒状被接合部材5とを、互いに逆方向に移動させる構成としてもよい。
前記した実施形態では、筒状被接合部材5は、2個の被接合部材1、1の被突き合わせ部1a、1aを突き合わせることによって構成されたものとしたが、その他に例えば、1個の薄板状を被接合部材を筒状に曲げることで、筒状被接合部材を構成してもよい。
また、筒状被接合部材の開口断面は、前記した矩形に限らず、その他の多角形、円形等であってもよい。
前記した実施形態では、テーブル移動手段60は、ネジ棒62等を備えた構成としたが、その他に例えば、ラックとピニオン、ウォームとラック等を使用して構成してもよい。
本実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の全体構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る摩擦撹拌接合装置の全体構成を示す側断面図である。 本実施形態に係る中子治具を示す斜視図である。 本実施形態に係る中子治具を拡大して示す側断面図である。 本実施形態に係る中子治具の変形例を示す側断面図である。 (a)は従来の摩擦撹拌接合において、ローラの回転軸がツールの前方にずれた場合を示す側断面図であり、(b)は幅方向断面図である。 (a)は従来の摩擦撹拌接合において、ローラの回転軸がツールの後方にずれた場合を示す側断面図であり、(b)は幅方向断面図である。
符号の説明
S 摩擦撹拌接合装置
1 被接合部材
1a 被突き合わせ部
5 筒状被接合部材
5a 中空部
5b 突き合わせ部
10 テーブル
11 テーブル本体
20 裏あて部材
30 中子治具
33 当座
33a 上ローラ
40 中子治具位置保持機構
50 ツール
60 テーブル移動機構
71 エアホース

Claims (4)

  1. 被接合部材の被突き合わせ部を突き合わせて構成された、中空部を有する筒状被接合部材の突き合わせ部を接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    前記突き合わせ部の内側に裏あて部材を当接し、当該裏あて部材に転動可能に当接されるローラを有する中子治具を前記中空部に配置し前記裏あて部材を内側から支持し、前記筒状被接合部材の外側から前記中子治具と相対位置関係を保持可能であって、所定速度で回転するツールを、前記突き合わせ部のうち前記裏あて部材を介して前記中子治具で支持された部分に配置する第1工程と、
    前記中子治具と前記ツールの相対位置関係を保持しながら、前記筒状被接合部材及び前記ツールの少なくとも一方を、前記筒状被接合部材の長手方向に移動させることにより、前記突き合わせ部を摩擦撹拌接合する第2工程と、
    を有し
    前記第1工程及び前記第2工程において、前記ローラは、前記ツールの略真下に配置され、
    前記第2工程において、エアホースの一端側から前記ローラの外周面に向かってエアを吐出することによって、前記ローラを冷却する
    とを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  2. 前記中子治具は、前記ローラを前記長手方向に2個以上並んで有し、
    前記ツールは、前記2個以上のローラの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  3. 前記ツールを移動させず、前記筒状被接合部材を前記長手方向に移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の摩擦撹拌接合方法。
  4. 被接合部材の被突き合わせ部を突き合わせて構成された、中空部を有する筒状被接合部材の突き合わせ部分を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合システムであって、
    前記筒状被接合部材が配置される筒状被接合部材台と、
    前記突き合わせ部の内側に当接される裏あて部材と、
    当該裏あて部材に転動可能に当接されるローラを有し、前記裏あて部材を内側から支持する中子治具と、
    前記筒状被接合部材の外側から、前記中子治具と相対位置関係を保持され、前記突き合わせ部のうち前記裏あて部材を介して前記中子治具で支持された部分を摩擦撹拌接合するツールと、
    前記筒状被接合部材台及び前記ツールの少なくとも一方を、前記被筒状接合部材の長手方向に移動させる移動機構と、
    一端側から前記ローラの外周面に向かってエアを吐出することによって、前記ローラを冷却するエアホースと、
    を備え
    前記ローラは、前記ツールの略真下に配置される
    とを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
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