JP2001025473A - カテーテル収納スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に収納したカテーテルの軟質細径チュー
ブの先端部の変形を防止することが可能なカテーテル収
納スリーブを提供する。 【解決手段】 軟質細径チューブ２を有するカテーテル
１を収納するカテーテル収納スリーブ４であって、軟質
の薄膜シートで筒状に構成され、カテーテル１が収納さ
れた状態で両端部をそれぞれ閉塞するシール部８ａ，８
ｂが形成されるスリーブ本体５と、スリーブ本体５内に
設けられ、カテーテル１の軟質細径チューブ２の先端部
２ａが挿入されて先端部２ａを覆う硬質の保護チューブ
６とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカテーテルを収納す
るスリーブに係り、さらに詳しくは、カテーテルの先端
部の曲がり防止機能を備えたスリーブに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のスリーブの概略平面図であ
る。以下、図３における下側を「先端」とする。図３に
おいて、１１は中心静脈注射用カテーテルで、外径が２
８ゲージの軟質細径チューブ１２と、図示しない連結チ
ューブに接続される連結部１３で構成される。１４はカ
テーテル１１を収納するスリーブで、軟質の薄膜シート
で筒状に形成されたスリーブ本体１５で構成され、スリ
ーブ本体１５の両端部には、スリーブ本体１５内にカテ
ーテル１１が収納された状態で両端部の開口を閉塞する
シール部１６ａ、１６ｂがそれぞれ形成されている。こ
のシール部１６ａ、１６ｂはスリーブ本体１５にヒート
シールが施されて形成されたものである。また、スリー
ブ本体１５の先端側には、軸方向に直交するミシン目１
７が設けられている。このミシン目１７は、開封時にス
リーブ本体１５の先端側を取り外す際に便利となるよう
に設けられたものである。スリーブ本体１５の材質は後
述の無菌操作の際に便利となるように例えばポリエチレ
ンなどの弾性力の弱い（外力による変形に対して復元力
の弱い）素材により構成されている。

【０００３】このようにして構成されたカテーテル収納
済のスリーブ１４は、収納トレイに収納され、その状態
で滅菌処理が施された後、医療機関などへ輸送される。

【０００４】医療機関では、カテーテル１１を使用する
際、収納トレイからスリーブ１４を取り出し、スリーブ
本体１５の先端側をミシン目１７に沿って取り外してス
リーブ本体１５を開封する。そして、カテーテル１１の
軟質細径チューブ１２を目的箇所に挿入していくことと
なる。この時、医療従事者は、軟質細径チューブ１２の
無菌状態を十分に維持すべく、軟質細径チューブ１２に
は直接触れず、スリーブ本体１５の開口端側の一部を把
持した状態で軟質細径チューブ１２をスリーブ本体１５
の開口部から除々に露出させ、目的個所に挿入していく
といった無菌操作を行っている。このような無菌操作を
行いやすくするために、スリーブ本体１５には軟質の薄
膜シートで弾性力の弱い素材が好んで用いられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに無菌操作のために弾性力の弱い素材でスリーブ本体
１５を構成してしまうと、内部に収納されたカテーテル
１１を外力から保護する力が弱くなり、カテーテル収納
済のスリーブ１４を輸送する際、収納トレイ内でスリー
ブ１４が揺れ動き、軟質細径チューブ１２の先端部１２
ａが収納トレイに当たってしまう等して図４に示すよう
に先端部１２ａが変形してしまう可能性があった。これ
は外径が２４ゲージより細いカテーテル１１だと特にそ
の可能性が高く、このように先端部１２ａが変形してし
まうと、カテーテル１１を目的部位（中心静脈）へと進
めていく際、先端部１２ａがどの方向に進んでいるのか
が把握できず、目的部位への挿入作業が困難となり使用
し難いという問題点があった。また、仮に進行方向が分
かったとしても、外径が２８ゲージ程度の細径のチュー
ブの進行方向を修正するということは困難である。

【０００６】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、内部に収納したカテーテルの軟質
細径チューブの先端部の変形を防止することが可能なカ
テーテル収納スリーブを提供することを目的としたもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るカテーテル
収納スリーブは、軟質細径チューブを有するカテーテル
が収納されるスリーブであって、軟質の薄膜シートで筒
状に構成され、カテーテルが収納された状態で両端部を
それぞれ閉塞するシール部が形成されるスリーブ本体
と、スリーブ本体内に設けられ、カテーテルの軟質細径
チューブの先端部が挿入されて該先端部を覆う硬質の保
護チューブとを備えたものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施の形態の概
略平面図である。以下、図１における下側を「先端」、
上側を「基端」とする。図において、１は例えば中心静
脈注射用カテーテルで、外径が２８ゲージの軟質細径チ
ューブ２と、図示しない連結チューブに接続される連結
部３とからなり、軟質細径チューブ２は例えば軟質のポ
リウレタンによって構成され、連結部３は例えばポリカ
ーボネイトによって構成されている。４はカテーテル１
を収納するスリーブ４で、軟質の薄膜シートで筒状に形
成されたスリーブ本体５と、該スリーブ本体５内に位置
し、軟質細径チューブ２の先端部２ａが挿入される保護
チューブ６とによって構成される。保護チューブ６は、
例えばポリプロピレン等の硬質な材質で構成され、基端
部６ａの内径は、カテーテル１の外径よりも大きく形成
され、先端部６ｂに向かって徐々に縮径となるように形
成されている。

【０００９】また、スリーブ本体５の先端側には、軸方
向に直交するミシン目（穿孔ライン）７が設けられてい
る。このミシン目７は、開封時にスリーブ本体５の先端
側を取り外す際に便利となるように設けられたものであ
る。スリーブ本体５の材質は従来技術でも説明したよう
に無菌操作の際に便利となるように例えばポリエチレン
などの弾性力の弱い（外力による変形に対して復元力の
弱い）素材で構成されている。また、スリーブ本体５に
は、内部にカテーテル１が収納された状態でスリーブ本
体５の両端部の開口部を閉塞するシール部８ａ、８ｂが
それぞれ形成されている。なお、シール部８ａは、スリ
ーブ本体５と共に、その内部に位置する保護チューブ６
も一緒にその先端部６ａでヒートシール（加熱圧縮）が
施されて形成されたもので、保護チューブ６は当該シー
ル部８ａでスリーブ本体５に固着されている。本実施の
形態のスリーブ４は、両シール部８ａ、８ｂ間で構成さ
れる領域に、保護チューブ６内に軟質細径チューブ２の
先端部２ａが挿入された状態でカテーテル１を収納す
る。

【００１０】このように本実施の形態によれば、スリー
ブ本体５内に、軟質細径チューブ２の先端部２ａが挿入
される保護チューブ６を設けたので、先端部２ａが外力
によって変形するのを防止することができ、更に、保護
チューブ６の内径を徐々に縮径としたことによりカテー
テル１が軸方向に直交する方向に軟質細径チューブ２が
動作するのが防止され、保護チューブ６内で先端部２ａ
が変形するのが防止される。

【００１１】また、保護チューブ６はシール部８ａでス
リーブ本体５に固着されているので、使用時にスリーブ
本体５の先端側を取り外す際、保護チューブ６も一緒に
取り外すことができる。このため、スリーブ本体５に固
着されていない場合のように、スリーブ本体５と保護チ
ューブ６を別々に取り外すといった手間を要さず、従っ
て、手間がかかることによる汚染の危険性も低減され、
カテーテル１を良好な状態で使用に供することが可能と
なる。

【００１２】なお、本実施の形態では、軟質細径チュー
ブ２の外径を２８ゲージとして説明したが、これに限ら
れたものではなく、ここでの外径は、外力により変形が
生じる可能性を有する程度ということであって、目安と
しては２４ゲージ以上のものが対象とされる。

【００１３】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、カテーテルの軟質細径チューブの先端部を保護チュ
ーブによって覆ったので、輸送時等において軟質細径チ
ューブの先端部が変形するのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の概略平面図である。

【図２】図１の要部断面図である。

【図３】従来のカテーテル収納スリーブの概略平面図で
ある。

【図４】図３の軟質細径チューブの先端部の変形状態を
示す図である。

【符号の説明】

１ カテーテル ２ 軟質細径チューブ ２ａ 先端部 ４ スリーブ ５ スリーブ本体 ６ 保護チューブ ６ａ 基端部 ６ｂ 先端部 ７ ミシン目（穿孔ライン） ８ａ，８ｂ シール部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟質細径チューブを有するカテーテルが
   収納されるスリーブであって、 軟質の薄膜シートで筒状に構成され、カテーテルが収納
   された状態で両端部をそれぞれ閉塞するシール部が形成
   されるスリーブ本体と、 該スリーブ本体内に設けられ、カテーテルの軟質細径チ
   ューブの先端部が挿入されて該先端部を覆う硬質の保護
   チューブとを備えたことを特徴とするカテーテル収納ス
   リーブ。
2. 【請求項２】 前記カテーテルは、前記軟質細径チュー
   ブの先端部が保護チューブに挿入された状態でスリーブ
   本体のシール部間に収納されていることを特徴とする請
   求項１記載のカテーテル収納スリーブ。
3. 【請求項３】 前記保護チューブの内径を、軟質細径チ
   ューブの挿入口となる基端部では軟質細径チューブの外
   径よりも大きく形成し、先端部に向かうにしたがって縮
   径となるように形成したことを特徴とする請求項１又は
   ２記載のカテーテル収納スリーブ。
4. 【請求項４】 前記スリーブ本体は軸方向に直交する穿
   孔ラインを有し、また、前記保護チューブを前記スリー
   ブ本体に固着したことを特徴とする請求項１乃至請求項
   ３のいずれかに記載のカテーテル収納スリーブ。
5. 【請求項５】 前記保護チューブは、前記シール部の一
   方が形成される個所で、前記スリーブ本体と共に加熱圧
   縮され、当該加熱圧縮により前記シール部の一方を形成
   しつつ前記保護チューブをスリーブ本体に固着したこと
   を特徴とする請求項４記載のカテーテル収納スリーブ。