JP2001024382A - 電磁波シールド材 - Google Patents
電磁波シールド材Info
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Abstract
品質、性能を長期間にわたって保持し続けることを目的
とする。 【解決手段】基材の少なくとも片面上に金属酸化物、金
属層の順に交互に設け、最上層が金属酸化物層である電
磁波シールド材において、該金属層が銀または銀を主成
分とする合金であり、該金属酸化物が酸化インジウムと
酸化セリウムを主成分とする物質であり、酸化セリウム
の含有量が、重量比で5%以上であることを特徴とする
透明電磁波シールド材を提供する。
Description
院、音楽ホールなど、内部で使用する電磁波の外部への
漏洩、または外部からの電磁波の浸入を防ぐ必要のある
建築物において、その窓ガラスや間仕切りに貼付して使
用される透明電磁波シールド材に関するものである。
普及や事業所内PHS、無線LANの利用に伴う情報セ
キュリティ、音楽ホール等静粛性が求められる場所での
携帯電話、PHS等の作動防止、外部からの電磁波の浸
入による医療機器の誤動作防止などの目的で使用され、
近年その必要性が増大している。
ための手法としては、金属板、金属メッシュ、金属箔な
どの導電性材料で部屋全体を隙間なく覆う方法がとられ
ていた。窓部分については、ある程度以上の透明性を必
要とすることから、金属メッシュを挟み込んだ合わせガ
ラスやインジウム錫酸化物などの導電性酸化物をコーテ
ィングしたガラスなどが用いられてきた。
は視認性の問題があり、導電性酸化物をコーティングし
たガラスの場合は、必要な電磁波シールド性を得るため
の膜厚が大きく、その結果透明性が低くなるという欠点
があった。さらに、すでに建造物に据え付けてあるガラ
スに対してこれらの処理を行うのは事実上不可能であっ
た。
電酸化物をプラスチックなどの基材上にコーティングし
た電磁波シールド材等をガラスに貼付するという方法も
あるが、透明導電酸化物で十分なシールド性を得るため
には膜厚が大きくなって、その結果透明性が不十分にな
り、経済性の面からも問題がでてくる。
を両立する方法として、金属酸化物層と金属層とを交互
に配置した構造の膜を、プラスチック等のフィルム上に
コーティングする方法がある。これは金属層によってシ
ールド性を得て、さらに屈折率の異なる薄膜を積層する
ことによる光の干渉効果によって透明性を高めるもので
ある。
コーティング層のうちの金属酸化物としては通常、酸化
インジウム、酸化錫、酸化ビスマス、酸化チタン、など
のうちの一種あるいは数種が混合されて用いられてき
た。そして、金属層としては銀、または銀を主成分とす
る合金が用いられてきた。
ールド材を作った場合には、金属層の腐食による物性の
劣化が見られた。
チック等の基材上に多層コーティングを施した電磁波シ
ールド材に関するものである。
貼付して電磁波シールド性を実現しようとする場合にお
いて問題となるのは、コーティング層とくに銀などの金
属層の腐食である。窓ガラスに材を貼付する場合、使用
期間は間断なく数年におよぶのが普通であり、薄膜層、
とくに金属層の腐食は大きな問題である。
食は通常黒色の点状となって現れ、美観を損ね透明性、
視認性を阻害する。さらに面抵抗値が増加することによ
る電磁波シールド性の低下も引き起こす。
電磁波シールド材がその品質、性能を長期間にわたって
保持し続けることを目的としたものである。
決するためのものであって、基材の少なくとも片面上に
金属酸化物、金属層の順に交互に設け、最上層が金属酸
化物層である電磁波シールド材において、該金属層が銀
または銀を主成分とする合金であり、該金属酸化物が酸
化インジウムと酸化セリウムを主成分とする物質であ
り、酸化セリウムの含有量が重量比で5%以上であるこ
とを特徴とする電磁波シールド材を提供するものであ
る。
る請求項1記載の電磁波シールド材を提供するものであ
る。
材等の透明度が低い場合も本発明では適用できる。従っ
て、ここで言う透明も完全透明である必要はなく、専門
家以外の人間に透明といって通じる程度の透明の事であ
る。
とする請求項1又は2記載の電磁波シールド材を提供す
るものである。
で好ましいが、板状等の基材であっても本発明は効果を
生じる。
場合には、他の金属酸化物とくに酸化インジウムと酸化
錫を主成分にしたもの(一般にITOと呼ばれる)を用
いた場合と比較して、金属層の腐食を抑えることができ
る。
に説明する。
の断面図である。本発明の透明導電性フィルム10、2
0は透明な有機高分子フィルムからなる基材11上に、
金属酸化物層12、14、16と金属層13、15を交
互に積層したものである。金属酸化物層および金属層の
層数にはとくに制限はないが、透明性、電磁波シールド
性、経済性、加工性などの面からみて、図1に示したよ
うな、3層または5層のものが好ましい。
層および金属層はそれぞれ、とくに同一の組成である必
要はない。以下に示す条件を満たしたものの中から自由
に選択できる。ただし、生産性、経済性の点から、とく
に必要のない限り、同一の金属酸化物層、同一の金属層
にするのが望ましい。
化セリウム、を主成分とした混合物であり、酸化セリウ
ムの含有量が、重量比で5%以上である必要がある。酸
化セリウムの割合が5%未満であると、金属層の耐腐食
性の向上に寄与しなくなるおそれがある。
他の成分が含まれていても差し支えない。金属として
は、銀または銀を主成分とする合金である必要がある。
または他の層の上に設ける方法としては、とくに制限は
ないが、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法などの物理的蒸着法が好適に用いられる。
については特性インピーダンス)Zと電磁波の反射率S
とのあいだに、式1で示されるような関係があるため、
Zは小さいほどよく、実用的なレベル(10MHz〜1
GHzの周波数帯で20dB以上)の電磁波シールド性
を得るためには、10Ω/□以下であることが好まし
い。
の面抵抗値を得て、しかも透明性を阻害しないことを考
えると、金属層の厚さは金属層各層の合計で80〜30
0Åであることが好ましい。さらに金属層が複数ある場
合に、それぞれの層の厚さは最低80Åあることが好ま
しい。これ以下の膜厚であると、島状構造になって、膜
にならないおそれがある。さらに、これ以下の膜厚では
十分な耐腐食性が得られないおそれがある。
現象を利用して透明性を上げるように計算して設定して
いる。その値は、金属層の層数、金属層の膜厚、金属酸
化物層が第何層にあるか、それぞれの物質の屈折率など
によって異なるが、金属層として銀層をを150Å設
け、それを金属酸化物で挟んで三層構成にしたもので
は、二つの金属酸化物層の厚さはともに通常300〜5
00Åの範囲になる。
2層設け、それらの上下に金属酸化物層を配置して五層
構成にしたものでは、プラスチックフィルム上と最上層
の金属酸化物の厚さは通常200〜400Å、その他の
金属酸化物層の厚さは通常700〜1000Åである。
を阻害しない限りにおいて、透明プラスチックフィルム
等の基材に金属酸化物層を設けていない面、もしくは最
上層の金属酸化物層の上に、さらに保護層や接着層を設
けることは差し支えない。
ィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ100
mm角)の片面上に、インジウムセリウム酸化物(以後
ICO、酸化セリウム含有量:9.0%、厚さ:450
Å)、銀(厚さ:150Å)、ICO(酸化セリウム含
有量:9.0%、厚さ:450Å)の薄膜をスパッタリング
法によってこの順に形成して積層フィルムを得た。
を持つ150mm角のアルミ板に、上記積層フィルムを
スパッタリング面をアルミ板に向け、さらに開口部を積
層フィルムにてふさぐようにセロハンテープにて固定し
た。次いで、このアルミ板を、積層フィルムのスパッタ
リング層側から電磁波が入射するように、電磁波シール
ド測定装置(アドバンテスト製TR17301A)に固
定し、10MHzから3GHzまでの電磁波シールド性
を測定した。その結果、全測定領域において20dB以
上の電磁波シールド性をもつことがわかった。
率は透明性を示す指標のひとつである。JIS A 5759(窓
ガラス用フィルム)に基づき、可視光透過率と熱線遮断
性をそれぞれ式(2)、式(3)のように定義し、35
0〜2100nmの範囲の光線透過率の測定値(日立製
作所製 U―4000 にて測定)を用いて算出した。
その結果、可視光透過率85%、熱線遮断性6 0%の性
能を示すことがわかった。
シールドフィルムにおいて、銀層の腐食が起こった場
合、通常それは黒色の点状になって現れる。
存して、1日後、3日後、5日後、1週間後の黒点の数
を数えた。数え方としては、サンプルをデジタルカメラ
(オリンパス製 C―1400)にて撮影し、パソコン
画面上にて拡大して、拡大前の直径が0.3mm以上の
黒点について数える方法をとった。その結果、1週間後
でも黒点の数は0個であった。
フィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ10
0mm角)の片面上に、酸化インジウム(厚さ:450
Å)、銀(厚さ:150Å)、酸化インジウム(厚さ:
450Å)の薄膜をスパッタリング法によってこの順に
形成して積層フィルムを得た。
にして測定した。その結果、その結果、全測定領域にお
いて20dB以上の電磁波シールド性をもつことがわか
った。
全く同様にして測定した。その結果、透明性は85%、
熱線遮断性は6 0%であった。
定した。その結果、保存開始1日目で黒点は5つ、3日
目で17、5日目で34、一週間後では68個であっ
た。
フィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ10
0mm角)の片面上に、インジウムセリウム酸化物(以
後ICO、酸化セリウム含有量:4.0%、厚さ:450
Å)、銀(厚さ:150Å)、ICO(酸化セリウム含
有量:4.0%、厚さ:450Å)の薄膜をスパッタリング
法によってこの順に形成して積層フィルムを得た。
にして測定した。その結果、全測定領域において20d
B以上の電磁波シールド性をもつことがわかった。
全く同様にして測定した。その結果、透明性は85%、
熱線遮断性は6 0%であった。
定した。その結果、保存開始1日目で黒点は2 つ、3日
目で11、5日目で24、一週間後では50個であっ
た。
フィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ10
0mm角)の片面上に、インジウムセリウム酸化物(以
後ICO、酸化セリウム含有量:40.0% 、厚さ:450
Å)、銀(厚さ:150Å)、ICO(酸化セリウム含
有量:40.0% 、厚さ:450Å)の薄膜をスパッタリン
グ法によってこの順に形成して積層フィルムを得た。
にして測定した。その結果、全測定領域において20d
B以上の電磁波シールド性をもつことがわかった。
全く同様にして測定した。その結果、透明性は85%、
熱線遮断性は6 0%であった。
定した。その結果、1週間後でも黒点の数は0個であっ
た。
フィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ10
0mm角)の片面上に、インジウム錫酸化物(以後IT
O、酸化錫含有量:9.0%、厚さ:450Å)、銀(厚
さ:150Å)、ITO(酸化錫含有量:9.0%、厚さ:
450Åの薄膜をスパッタリング法によってこの順に形
成して積層フィルムを得た。
にして測定した。その結果、全測定領域において20d
B以上電磁波シールド性をもつことがわかった。
全く同様にして測定した。その結果、透明性は85%、
熱線遮断性は6 0%であった。
定した。その結果、保存開始1日目で黒点は4つ、3日
目で15、5日目で37、一週間後では72個であっ
た。
フィルム(東レ製T―60、厚さ50μm 、大きさ10
0mm角)の片面上に、インジウムセリウム酸化物(以
後ICO、酸化セリウム含有量:9.0%、厚さ:300
Å)、銀(厚さ:150Å)、ICO(酸化セリウム含
有量:9.0%、厚さ:900Å)、銀(厚さ:150
Å)、ICO(酸化セリウム含有量:9.0%、厚さ:30
0Å)の薄膜をスパッタリング法によってこの順に形成
して積層フィルムを得た。
にして測定した。その結果、全測定領域において25d
B以上の電磁波シールド性をもつことがわかった。
全く同様にして測定した。その結果、透明性は65%、
熱線遮断性は6 0%であった。
定した。その結果、1週間後でも黒点の数は0個であっ
た。
ように、本発明によって、視認性、透明性、熱線遮断
性、電磁波シールド性に優れ、さらに耐腐食性に優れた
透明電磁波シールド材が提供できる。
態を示す断面図である。
の形態を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】基材の少なくとも片面上に金属酸化物、金
属層の順に交互に設け、最上層が金属酸化物層である電
磁波シールド材において、該金属層が銀または銀を主成
分とする合金であり、該金属酸化物が酸化インジウムと
酸化セリウムを主成分とする物質であり、酸化セリウム
の含有量が、重量比で5%以上であることを特徴とする
電磁波シールド材 - 【請求項2】基材が透明材であることを特徴とする請求
項1記載の透明電磁波シールド材 - 【請求項3】基材がフィルムであることを特徴とする請
求項1又は2記載の電磁波シールド材
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11197413A JP2001024382A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 電磁波シールド材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11197413A JP2001024382A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 電磁波シールド材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001024382A true JP2001024382A (ja) | 2001-01-26 |
Family
ID=16374112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11197413A Pending JP2001024382A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 電磁波シールド材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001024382A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003039590A (ja) * | 2001-07-30 | 2003-02-13 | Toppan Printing Co Ltd | 透明ガスバリア積層フイルム |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP11197413A patent/JP2001024382A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003039590A (ja) * | 2001-07-30 | 2003-02-13 | Toppan Printing Co Ltd | 透明ガスバリア積層フイルム |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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A977 | Report on retrieval |
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A521 | Written amendment |
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A521 | Written amendment |
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