JP2001024353A - 圧力調整構造 - Google Patents

圧力調整構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタの交換のための保守作業を容易に行
うことができて作業性の良い圧力調整構造を提供する。 【解決手段】 密閉構造を有する筐体の内外の圧力差を
調節する圧力調整構造であって、防水性及び通気性を有
するフィルタ5と、フィルタ5を保持する貫通孔3b、
6aを有し、筐体にその外部から着脱可能に装着され、
筐体に装着された際に、筐体に穿設され筐体の内外を連
通させる連通孔1bと貫通孔3b、6aとで、筐体の内
外とを連通させるフィルタ保持手段3、6とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力調整構造に関
し、特に、屋外で使用される電子機器等の防水筐体の内
外の圧力差を調整するための圧力調整構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外で使用される無線機器等は、
防水性を要求されているので、その筐体には密閉構造が
採用されている。そのため、使用環境の温度変化、また
は運用時における機器内部に実装された電子部品からの
発熱による筐体内部の温度上昇により、筐体の内外に圧
力差が生じる。
【0003】筐体の内外に圧力差が生じると、操作パネ
ルのシートキーボードの誤作動や内部に実装されたスピ
ーカの動作不良等が発生するおそれがあるため、筐体内
部に防水性を有したまま通気を行うことができる連続多
孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルタ
(以下、「フィルタ」という。)を用いた圧力調整構造
を設置し、筐体の内外の圧力調整を行っていた。
【0004】図9及び図10は、従来の圧力調整構造の
一例を示し、この圧力調整構造は、底面カバー21と、
フィルタ25と、ゴムパッキン24と、フィルタカバー
27と、止めねじ26とで構成されている。そして、底
面カバー21と、ゴムパッキン24と、フィルタカバー
27とに同様に穿設された各々5カ所の通気孔21a、
24a、27aの位置が直線上に並ぶように調整し、底
面カバー21とゴムパッキン24の間に防水性と通気性
の両特性を有するPTFE製のフィルタ25を挟み込
み、止めねじ26により全体を底面カバー21に固定し
ていた。
【0005】このようにして設置された圧力調整構造に
より、筐体外部からの水の進入を防ぎつつ通気を行い、
筐体の内外の圧力調整を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の圧
力調整構造において、フィルタ25は、埃や汚れにより
性能が低下するため、定期的な交換が必要であるが、上
記従来の圧力調整構造は筐体の内側に設置されているた
め、フィルタ25を交換する際に筐体を開口し、圧力調
整構造の取付部分を露呈させ、さらに、フィルタカバー
27とゴムパッキン24を取り外す必要があり、フィル
タ25の交換作業に長時間を要していた。
【0007】そこで、本発明は上記従来の圧力調整構造
における問題点に鑑みてなされたものであって、フィル
タの交換のための保守作業を容易に行うことができて作
業性の良い圧力調整構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
密閉構造を有する筐体の内外の圧力差を調節する圧力調
整構造であって、防水性及び通気性を有するフィルタ
と、前記フィルタを保持する貫通孔を有し、前記筐体に
前記筐体の外部から着脱可能に装着され、前記筐体に装
着された際に、前記筐体に穿設され前記筐体の内外を連
通させる連通孔と前記貫通孔とで、前記筐体の内外との
連通させるフィルタ保持手段とを有することを特徴とす
る。
【0009】請求項2記載の発明は、前記フィルタ保持
手段が、前記フィルタを載置する段部を備えた貫通孔を
有し、前記筐体の前記連通孔に嵌合するフィルタ保持体
と、該フィルタ保持体の貫通孔と連通可能な貫通孔を有
し、前記フィルタ保持体の段部に載置された前記フィル
タを前記筐体側に押圧するように前記フィルタ保持体の
前記貫通孔に圧入されるフィルタ固定体とで構成される
ことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、前記圧力調整構造
が、前記筐体と前記フィルタ保持体との間に防水手段を
有することを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、前記圧力調整構造
が、前記フィルタ保持体と前記フィルタ固定体との間に
防水手段を有することを特徴とする。
【0012】そして、請求項1記載の発明によれば、フ
ィルタを保持するフィルタ保持手段を筐体に外部から着
脱可能に装着することができるため、フィルタの交換作
業を容易に行うことができる。
【0013】請求項2記載の発明によれば、前記フィル
タ保持手段をフィルタ保持体とフィルタ固定体とで構成
し、これらの係合を解くことにより容易にフィルタを取
り出すことができる。
【0014】請求項3記載の発明によれば、前記筐体と
前記フィルタ保持体との間に防水手段を有するため、筐
体の防水性を高めることができ、より信頼性の高い機器
を構成することができる。
【0015】請求項4記載の発明によれば、前記フィル
タ保持体と前記フィルタ固定体との間に防水手段を有す
るため、筐体の防水性を高めることができ、より信頼性
の高い機器を構成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる圧力調整構
造の実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明す
る。
【0017】図1乃至図5は、本発明にかかる圧力調整
構造の第1実施例として、電子機器の筐体に使用される
圧力調整構造を示し、密閉構造を有する筐体の内外の圧
力差を調節するために使用される。
【0018】図1乃至図3に示すように、この圧力調整
構造は、フィルタ保持体3と、パッキン4と、フィルタ
5と、フィルタ固定体6等で構成される。
【0019】フィルタ5は、防水性を保持しつつ通気を
行うことができる特性を有した連続多孔質PTFE材等
により構成され、後述するフィルタ保持体3のフィルタ
固定体挿入部3aと通気孔3bとの間の段部3dに装着
される。
【0020】フィルタ固定体6と組み合わせることによ
りフィルタ保持手段として機能するフィルタ保持体3
は、図4に示すように、段部3dを境にして、フィルタ
固定体挿入部3a及び通気孔3bとを有し、さらに、電
子機器等の筐体の底面カバー1(図2)に設けられた雌
ねじ部1aと螺合する雄ねじ部3cを備える。
【0021】フィルタ固定体6は、図5に示すように、
貫通孔6a及びテーパ部6bを有し、フィルタ保持体3
のフィルタ固定体挿入部3aに圧入され、フィルタ保持
体3にフィルタ5を固定するように機能する。
【0022】防水手段としてのパッキン4は、図1乃至
図3に示すように、底面カバー1の連通孔1bとフィル
タ保持体3とが螺合する間に挟み込まれ、筐体の防水性
を保持する。
【0023】次に、上記構成を有する圧力調整構造の動
作について図2及び図3を参照しながら説明する。
【0024】まず、フィルタ保持体3のフィルタ固定体
挿入部3aより、フィルタ5をフィルタ保持体3の段部
3dに載置し、続いてフィルタ固定体6をフィルタ保持
体3のフィルタ固定体挿入部3aに圧入する。これによ
って、フィルタ5がフィルタ保持体3内に強固に固定さ
れる。
【0025】次に、図3(b)に示すように、フィルタ
固定体6の上面のテーパ部6bの周囲に防水手段として
の固着剤8を塗布し、フィルタ保持体3のフィルタ固定
体挿入部3aとフィルタ固定体6が接する部分の防水性
を確保する。
【0026】その後、フィルタ保持体3の雄ねじ部3c
を底面カバー1に設けられた雌ねじ部1aと螺合させ
る。その際、底面カバー1とフィルタ保持体3との間に
パッキン4を挟み込み、底面カバー1とフィルタ保持体
3との間の防水性を確保する。
【0027】以上の手順によって電子機器等の筐体に圧
力調整構造が設けられ、電子機器が作動中に電子部品か
ら発生する熱、または使用環境の温度変化によって、筐
体の内外に圧力差が生じた際でも、底面カバー1に設け
られた連通孔1b、フィルタ保持体3の通気孔3b、フ
ィルタ5、及びフィルタ固定体6の貫通孔6aとで構成
される連通部によって水の進入を防ぎつつ、通気を行
い、筐体の内外の圧力差をなくすことができる。
【0028】次に、本発明にかかる圧力調整構造の第2
実施例について図6を参照しながら説明する。
【0029】この第2実施例にかかる圧力調整構造は、
前述の第1実施例と略々同じ構成であるが、図3(b)
に示した第1実施例において、フィルタ固定体6の上面
のテーパ部6bの周囲に固着剤8を塗布し、フィルタ保
持体3のフィルタ固定体挿入部3aとフィルタ固定体6
が接する部分の防水性を確保する防水手段の代わりに、
図6に示されるように、フィルタ5のフィルタ保持体3
と接する部分、及びフィルタ固定体6と接する部分にパ
ッキン13を挟み込むことで防水性を確保したものであ
る。
【0030】次に、本発明にかかる圧力調整構造の第3
実施例について図7を参照しながら説明する。
【0031】この第3実施例にかかる圧力調整構造も、
前述の第1の実施例と略々同じ構成であるが、図3
(b)に示した第1実施例において、フィルタ保持体3
を電子機器の筐体の底面カバー1に設けられた雌ねじ部
1aに螺合する雄ねじ部3cの代わりに、フィルタ保持
体3の上部にねじ止め用の孔を有したフランジ部14を
設け、フランジ部14と底面カバー1との間にパッキン
15を挟み込み、ねじ16によって底面カバー1に固定
する取付手段を備えたものである。
【0032】次に、本発明にかかる圧力調整構造の第4
実施例について図8を参照しながら説明する。
【0033】この第4実施例にかかる圧力調整構造は、
前述の各実施例のフィルタ保持体3の上部にねじ止めさ
れる金属メッシュ部17を有したキャップ18を備えて
いる。これにより、フィルタ固定体6の貫通孔6aに塵
芥が入り込むのを防ぎつつ、フィルタ5の破損を防護
し、より信頼性の高い圧力調整構造を提供することがで
きる。
【0034】また、フィルタ保持体3及びフィルタ固定
体6の材質は、構造上の強度や動作に問題がなければ、
金属または樹脂のいずれでもよい。
【0035】また、上記各実施例では、連通孔1bを筐
体の底面部に設けたが、電子機器等が通常使用される状
態で上面となって、フィルタ5が配置された面に水が溜
まる可能性がある面以外の面であれば連通孔1bを設け
ることは可能であり、さらに、一つの筐体に複数個の圧
力調整構造を設置することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
記載の発明によれば、フィルタ交換の保守作業を容易に
行うことができ、作業性の良い圧力調整構造を提供する
ことができる。
【0037】また、請求項3または4記載の発明によれ
ば、上記効果に加え、筐体の防水性を高めることがで
き、より信頼性の高い機器を構成することが可能な圧力
調整構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧力調整構造の第1実施例を示
す斜視図である。
【図2】図1の圧力調整構造を示す部分断面図である。
【図3】図1の圧力調整構造を示す図であって、(a)
は全体斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図であ
る。
【図4】図1の圧力調整構造のフィルタ保持体を示す図
であって、(a)は一部断面図、(b)は正面図であ
る。
【図5】図1の圧力調整構造のフィルタ固定体を示す図
であって、(a)は正面図、(b)は一部断面図であ
る。
【図6】本発明にかかる圧力調整構造の第2実施例を示
す斜視図である。
【図7】本発明にかかる圧力調整構造の第3実施例を示
す斜視図である。
【図8】本発明にかかる圧力調整構造の第4実施例を示
す斜視図である。
【図9】従来の圧力調整構造の一例を示す斜視図であ
る。
【図10】図9の圧力調整構造の設置時の状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 底面カバー 1a 雌ねじ部 1b 連通孔 3 フィルタ保持体 3a フィルタ固定体挿入部 3b 通気孔 3c 雄ねじ部 3d 段部 4 パッキン 5 フィルタ 6 フィルタ固定体 6a 貫通孔 6b テーパ部 8 固着剤 13 パッキン 14 フランジ部 15 パッキン 16 ねじ 17 金属メッシュ部 18 キャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉構造を有する筐体の内外の圧力差を
    調節する圧力調整構造であって、 防水性及び通気性を有するフィルタと、 前記フィルタを保持する貫通孔を有し、前記筐体に前記
    筐体の外部から着脱可能に装着され、前記筐体に装着さ
    れた際に、前記筐体に穿設され前記筐体の内外を連通さ
    せる連通孔と前記貫通孔とで、前記筐体の内外とを連通
    させるフィルタ保持手段とを有することを特徴とする圧
    力調整構造。
  2. 【請求項2】前記フィルタ保持手段は、 前記フィルタを載置する段部を備えた貫通孔を有し、前
    記筐体の前記連通孔に嵌合するフィルタ保持体と、 該フィルタ保持体の貫通孔と連通可能な貫通孔を有し、
    前記フィルタ保持体の段部に載置された前記フィルタを
    前記筐体側に押圧するように前記フィルタ保持体の前記
    貫通孔に圧入されるフィルタ固定体とで構成されること
    を特徴とする請求項1記載の圧力調整構造。
  3. 【請求項3】前記筐体と前記フィルタ保持体との間に防
    水手段を有することを特徴とする請求項2記載の圧力調
    整構造。
  4. 【請求項4】前記フィルタ保持体と前記フィルタ固定体
    との間に防水手段を有することを特徴とする請求項2記
    載の圧力調整構造。
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