JP2001024286A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子

Info

Publication number
JP2001024286A
JP2001024286A JP2000189321A JP2000189321A JP2001024286A JP 2001024286 A JP2001024286 A JP 2001024286A JP 2000189321 A JP2000189321 A JP 2000189321A JP 2000189321 A JP2000189321 A JP 2000189321A JP 2001024286 A JP2001024286 A JP 2001024286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gan
nitride semiconductor
thickness
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000189321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3279308B2 (ja
Inventor
Masayoshi Sumino
雅芳 角野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2000189321A priority Critical patent/JP3279308B2/ja
Publication of JP2001024286A publication Critical patent/JP2001024286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3279308B2 publication Critical patent/JP3279308B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触抵抗が小さく、低電圧動作が可能で、か
つ、高信頼性を有する窒化物半導体発光素子を提供す
る。 【解決手段】 GaN系の窒化物半導体を用いた発光素
子において、金属電極と接する部分の半導体層を、p型
又はn型の、GaN1-XAsX層(0<X<0.2)又は
InGaN1-XAsX層(0<X<0.2)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体発光
素子に関する。さらに詳しくは、半導体レーザとして有
効に用いられる窒化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN系の窒化物半導体を用いた発光ダ
イオード(LED)は、すでに製品化されており、現在
はGaN系窒化物半導体のレーザダイオード(LD)の
研究が精力的に進められている。たとえば、1996年
ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジ
ックス誌35巻のL217ページに「劈開ミラー共振器
面を有するInGaN多重量子井戸構造レーザダイオー
ド」と題する報告がある。図14は、これに記載された
GaN系の窒化物半導体LD素子の断面構造を示す。こ
れは、GaN系窒化物半導体レーザの発振波長415n
mにおける室温パルス発振の報告である。GaN系窒化
物半導体レーザは従来の赤色LDと較べて波長が短いの
で、高い記憶密度を有する次世代の光ディスク装置のピ
ックアップ用光源として大きな注目を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まだこ
のレーザの発振閾電流値での動作電圧は30Vと非常に
高い。これは主にp型GaNコンタクト層とp電極との
接触抵抗が大きいためである。図9は、金属電極とp型
GaN半導体層界面のバンド構造を模式的に示す断面図
である。GaNと金属電極との間には大きなショットキ
ーバリアがある。GaNはバンドギャップが大きく、特
にホールのショットキーバリアが大きい。GaN系窒化
物半導体レーザの室温連続発振を達成するためには、特
にp側のコンタクト抵抗を低減し、オーミックな接触を
実現させ、レーザの動作電圧を下げることが不可欠であ
る。本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、接触
抵抗が小さく、低電圧動作が可能で、かつ高信頼性を有
する窒化物半導体発光素子を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、GaN系の窒化物半導体を用いた
発光素子において、金属電極側の半導体層が、p型また
はn型の、GaN1-X AsX 層(0<X<0.2)また
はInGaN1-X AsX 層(0<X<0.2)であっ
て、かつ、その層厚が、前記発光素子のクラッド層に対
する臨界膜厚以下であることを特徴とする窒化物半導体
発光素子が提供される。
【0005】また、その好ましい態様として、前記半導
体層が、As組成Xの異なる複数の、GaN1-X AsX
層(0<X<0.2)またはInGaN1-X AsX
(0<X<0.2)を、そのAs組成Xが電極に近づく
に従って大きくなるように組み合わせて構成されている
ことを特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0006】また、本発明によれば、GaN系の窒化物
半導体を用いた発光素子において、金属電極側の半導体
層が、p型またはn型の、GaN1-YY 層(0<Y<
0.2)またはInGaN1-YY層(0<Y<0.
2)であって、かつ、その層厚が、前記発光素子のクラ
ッド層に対する臨界膜厚以下であることを特徴とする窒
化物半導体発光素子が提供される。
【0007】また、その好ましい態様として、前記半導
体層が、P組成Yの異なる複数のInGaN1-YY
(0<Y<0.2)を、そのP組成Yが電極に近づくに
従って大きくなるよ うに組み合わせて構成されている
ことを特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0008】また、その好ましい態様として、前記半導
体層の層厚が、1nm以上で100nm以下であること
を特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0009】また、その好ましい態様として、前記金属
電極と前記半導体層との間に、さらに金属間化合物エピ
タキシャル層を、それぞれの層に隣接して形成してなる
ことを特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0010】また、その好ましい態様として、前記金属
間化合物エピタキシャル層が、Ni 0.5 In0.5 、また
はNi0.5 (In1-W TlW0.5 (0<W<1)であ
ることを特徴とする窒化物半導体発光素子が提供され
る。
【0011】また、その好ましい態様として、前記半導
体層の層厚が、2nm以上で200nm以下であること
を特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0012】さらに、その好ましい態様として、前記半
導体層が、p型のGaN1-X1AsX1層(0<X1<0.
2)ウエル層とp型のGaN1-X2AsX2層(0≦X2<
X1<0.2)バリア層との超格子構造体であることを
特徴とする窒化物半導体発光素子が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明においては、金属電極と接する部
分の半導体層として、p型またはn型のGaN1-X As
X (0<X<0.2),InGaN1-X AsX (0<X
<0.2),GaN1-YY (0<Y<0.2)および
InGaN1-YY (0<Y<0.2)が用いられる。
以下p型GaNについて説明する。GaNに数%のAs
を入れることで、バンドギャップをGaNより小さくす
ることができる。しかしながらAs組成Xを増やすとG
aN1-X AsX 層は徐々に格子不整合を生じる。図10
は、GaN1-XAsX のAs組成Xと格子歪量εとの関
係を示すグラフである。例えば、GaN上のGaN0.96
As0.04層の歪量は3.4%になる。図11は、GaN
1-X As X 層のAs組成Xとバンドギャップの関係を示
すグラフである。この図からGaN0.96As0.04層のバ
ンドギャップは2.63eVであり、約0.77eVだ
けウルツ型GaNよりバンドギャップが小さくなってい
ることがわかる。図9に示す金属電極とp型半導体層界
面のバンド構造の断面からわかるように、バンドギャッ
プの小さい材料をコンタクト層に用いることで金属電極
と半導体コンタクト層界面のホールのショットキーバリ
アの高さを小さくすることができる。
【0014】図12は、GaN1-X AsX 層のAs組成
Xと臨界膜厚の関係を示すグラフである。GaN系材料
は非常に堅いので、GaN系材料の臨界膜厚はGaAs
系材料の臨界膜厚より大きい。図12から、例えばGa
0.96As0.04層の臨界膜厚は16nmであることがわ
かる。本発明の実施例のGaN0.96As0.04層コンタク
ト層の層厚は15nmなので、臨界膜厚以下である。良
質な結晶を得るにはAs組成を制御し臨界膜厚以下の層
厚にする必要がある。例えば1nm〜100nmが好ま
しい。本発明のGaN1-X AsX コンタクト層は、上で
示したようにバンドギャップが小さくかつ臨界膜厚以下
層厚を有する良質な結晶である。
【0015】バンドギャップが小さくかつ臨界膜厚以下
の良質な結晶であればより高濃度のpドーピングを行う
ことができる。図9に示すように、高pドーピング濃度
のコンタクト層は金属電極と半導体コンタクト層界面の
ホールのショットキーバリアの幅を小さくする作用があ
る。ショットキーバリアの幅が小さくなると素子の接触
抵抗が低減し、素子の動作電圧が小さくなる。故に本発
明のGaN1-X AsX 層コンタクト層を有する窒化物半
導体発光素子は、それがない素子に比べて、低抵抗、低
動作電圧動作の特徴を有する。これによって動作時の発
熱が抑えられるため半導体レーザの室温連続動作を達成
する上で極めて効果的である。
【0016】Ni0.5 In0.5 やNi0.5 (In1-W
W0.5 (0<W<1)などの金属間化合物層は金属
と同様の高い電気伝導性を有する。Ni0.5 In0.5
通常のウルツ型のGaNとの格子不整合歪量は2%であ
り、GaN上に薄膜の引張歪を有するNi0.5 In0.5
のエピタキシャル成長が可能である。Ni0.5 (In
1-W TlW0.5 はTl組成Wを調整することでウルツ
型のGaNと面内の格子定数を一致させることができる
ので厚膜の金属間化合物層が形成できる。圧縮歪のGa
1-X AsX コンタクト層をGaN層とNi0.5 In
0.5 やNi0.5 (In1-W TlW0.5 などの金属間化
合物エピタキシャル層で挟んだ構造にすると、格子整合
層によって両側から歪コンタクト層が支えられるため転
位が入りにくくなり、臨界膜厚は2倍に増大する。図1
3は格子整合層によって両側から挟まれたGaN1-X
X 層のAs組成Xと臨界膜厚の関係を示すグラフであ
る。点線で示した曲線は両側から挟まれていない場合の
臨界膜厚曲線である。前述のGaN1-X AsX コンタク
ト層よりAs組成Xが大きくバンドギャップが小さいG
aN1-X AsX コンタクト層が得られるか、あるいはG
aN1-X AsX コンタクト層の厚さを2倍に増大できる
ことがわかる。例えばこのように格子整合層によって両
側からGaN0.92As0.08層を挟むことによって、Ga
0.92As0.08層の臨界膜厚は4.3nmから19nm
に増大する。図11から、GaN0.92As 0.08層のバン
ドギャップは1.917eVであることがわかる。これ
はGaAs基板に格子整合するGaInPのバンドギャ
ップの大きさに等しい。このGaInPは1019cm-3
の高濃度pドーピングが可能である。GaNのバンドギ
ャップは3.4eVであるから、GaN0.92As0.08
を用いることで約1.5eVだけコンタクト層のバンド
ギャップが減少したことになる。これは先程述べたGa
0.96As0.04層の場合の2倍の減少量である。
【0017】結局、上で述べたように、これらの金属間
化合物エピタキシャル層を用いて両側からGaN1-X
X コンタクト層を挟むことによって、さらにLD素子
の接触抵抗が低減し、動作電圧が小さくなる効果があ
る。この場合の金属間化合物層の層厚は、5〜200n
mが好ましい。また、この金属間化合物層を用いた場合
の半導体層の層厚は2〜200nmが好ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1]図1は、本発明の第1の実施例のGaN系
窒化物半導体発光素子(LD)の断面図である。図1に
示すようにGaN系LDは、厚さ350μmのA面サフ
ァイア基板101、層厚30nmのGaNバッファ層1
02、層厚3μmのn−GaN層103、層厚100n
mのn−In0.1 Ga0.9 N層104、層厚400nm
のn−Al0.15Ga0.85N層105、層厚100nmの
n−GaN層106、InGaN/GaN−MQW活性
層107、層厚20nmのp−Al0.2 Ga0. 8 Nクラ
ッド層108、層厚100nmのp−GaN層109、
層厚400nmのp−Al0.15Ga0.85Nクラッド層1
10、層厚500nmのp−GaNクラッド層111、
層厚15nmのp−GaAs0.040.96コンタクト層1
12、p電極113、n電極114からなる。InGa
N−MQW活性層107は2.5nmのIn0.2 Ga
0.8 Nウエル層と5nmのIn0.05Ga0.95Nバリア層
の20周期の多重量子井戸(MQW)層である。各層に
用いられるpドーパントはMg、nドーパントはSiで
ある。本発明の特徴は層厚15nmのp−GaAs0. 04
0.96コンタクト層112を有することにある。
【0019】上記のLDは有機金属気相エピタキシャル
(MOVPE)成長法やガスソース分子線ピタキシャル
(GSMBE)成長法を用いて作製できる。以下にMO
VPE法による本発明の第1の実施例の上記LD素子の
作製方法を述べる。以降の実施例においても以下に述べ
る製造方法を用いることができる。V族原料にはN
3 、AsH3 、III 族原料には、トリメチルインジウ
ム(TMIn)、トリメチルガリウム(TMGa)、ト
リメチルアルミニウム(TMAl)を用いる。pドーパ
ント原料にはCP2 Mg、nドーパント原料にはSiH
を用いる。
【0020】まずA面サファイア基板101を成長室で
ある反応管に導入し、H2 キャリアガスを反応管に流し
た。その状態で基板を1150℃に昇温させ、10分間
過熱したのち550℃に下げて、NH3 とTMGaを導
入して層厚30nmのGaNバッファ層102を成長さ
せた。その後、H2 キャリアガスを反応管に流したまま
基板温度を1000℃に上げてNH3 とTMGaとSi
4 を導入して層厚3μmのn−GaN層103を成長
させる。サファイア基板とGaNには14%もの格子不
整合があるが、低温成長のGaNバッファ層102を最
初に成長させ、かつその層厚を制御することで結晶性の
よいGaNが得られた。次にTMInを導入しクラッキ
ング防止のための層厚100nmのn−In0.1 Ga
0.9 N層104を成長させた。このようにして順次成長
させた。本発明の特徴であるp−GaAs0.040.96
ンタクト層112はNH3 とAsH3 とTMGaとCP
2 Mgを導入して成長させた。p−ドーピング濃度は5
×1018cm-3以上とした。p−GaAs0.040.96コン
タクト層112の層圧を15nmとすることで臨界膜厚
以内の良好な品質の結晶が得られた。成長後は600℃
の温度で1時間熱アニールを行い結晶中に取り込まれた
H原子を追い出し、Mgを活性化させp濃度を向上させ
た。
【0021】成長終了後の降温はサファイア基板が割れ
ないようにゆっくり行った。ウエハを取り出した後、p
−GaAs0.040.96コンタクト層112上にp電極1
13を付け、エッチングを行いn−GaN層103にn
電極114を取り付けてLD素子を得た。以下の実施例
のGaN系窒化物半導体LDの活性層を含む本体の構造
は共通であり、コンタクト層および電極の部分が異なる
だけである。従って本発明は任意の構造のLDに適用可
能である。
【0022】[実施例2]図2は、本発明の第2の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図2に
示すように、p−GaAs0.040.96コンタクト層11
2の部分のみが異なる以外は第1の実施例と同じLD構
造である。即ち、第2実施例は、第1実施例の層厚15
nmのp−GaAs0.040.96コンタクト層112を層
厚20nmのp−GaAs0.010.99コンタクト層20
1、層厚5nmのp−GaAs0.020.98コンタクト層
202、層厚10nmのp−GaAs0.040.96コンタ
クト層203からなるステップコンタクト層204に置
き換えた構造のGaN系窒化物半導体LDである。ステ
ップコンタクト層204ではコンタクト層のバンドギャ
ップの大きさがAs組成の増大によって徐々に小さくな
っている。これにより、p−GaNクラッド層111と
p−GaAs0.040.96コンタクト層203との急激な
バンドギャップ差を緩和できるので素子の抵抗を下げる
ことができる。
【0023】[実施例3]図3は、本発明の第3の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図3に
示すように、p−GaAs0.040.96コンタクト層11
2を層厚20nmのp−GaP0.040.96コンタクト層
301に置き換えた構造のLDであり、それ以外は第1
の実施例と同じ構造のGaN系窒化物半導体LDであ
る。GaPX1-X もP組成Xの増加と共にバンドギャ
ップが大きく低下する性質を有する。また、GaP0.04
0.96はGaAs0.040.96よりGaNに対する歪量が
少ないのでコンタクト層の厚さを大きくとれる利点があ
る。
【0024】[実施例4]図4は、本発明の第4の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図4に
示すように、実施例2のステップコンタクト層204
を、層厚5nmのp−GaP0.010.99コンタクト層4
01と層厚5nmのp−GaP0.020.98コンタクト層
402と層厚12nmのp−GaP0.040.96コンタク
ト層403からなるステップコンタクト層404に置き
換えた構造のGaN系窒化物半導体LDである。ステッ
プコンタクト層404により、p−GaNクラッド層1
11とp−GaP0.040.96コンタクト層403との急
激なバンドギャップ差を緩和できるので素子の抵抗を下
げることができる。
【0025】[実施例5]図5は、本発明の第5の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図5に
示すように、層厚15nmのp−GaAs0.040.96
ンタクト層501とp電極113の間に層厚15nmの
Ni0.5 In0.5 金属間化合物層502を挟んだ構造を
している以外は実施例1と同構造のGaN系窒化物半導
体LDである。Ni0.5 In0.5 金属間化合物層502
は引張歪であり、p−GaAs0.040.96コンタクト層
501は圧縮歪なので、これらを組み合わせることで歪
補償しあい全体の歪量は低減されている。これらの金属
間化合物の結晶構造はCsCl型であり、GaAsやI
nP等のIII-V化合物半導体の閃亜鉛鉱型結晶構造やG
aNのウルツ型結晶構造とは異なっている。しかしなが
らNi0.5 In0.5 の格子定数3.1はウルツ型GaN
の面内格子定数3.16にほぼ等しいため、GaN上へ
のエピタキシャル成長が可能である。p−GaAs0.04
0.96コンタクト層501までは上述した成長条件で行
う。しかしながらGaN上の金属間化合物薄膜の結晶成
長は、異種原子構造のヘテロエピタキシャル成長なの
で、通常とは異なる成長条件が必要である。
【0026】以下にこの実施例で用いたGaN上の金属
間化合物層の成長方法を述べる。GaN上に金属間化合
物層を成長させる際には、GaN半導体層の表面をGa
の単原子層で覆い、成長室の残留V族の量を十分に落と
し、次に金属間化合物層の遷移金属であるNiを1原子
層成長させてから、Ni0.5 In0.5 金属間化合物層を
成長させた。金属間化合物層の成長温度は低温で行っ
た。マイグレーション・エンハンスドエピタキシー(M
EE)成長ならば350℃程度、MBE成長ならば45
0℃程度である。但し、格子整合系の金属間化合物層に
おいては、250℃程度の成長温度でInP上にMEE
成長させてもよい。
【0027】[実施例6]図6は、本発明の第6の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図6に
示すように実施例5のNi0.5 In0.5 金属間化合物層
502を、GaNに格子整合した層厚50nmのNi
0.5 (TlX In1-X0.5 金属間化合物層602で置
き換えた構造をしていること以外は実施例5と同構造の
GaN系窒化物半導体LDである。Ni0.5 (TlX
1-X0.5 金属間化合物層602でp−GaAs0.08
0.92コンタクト層501を挟むことにより、1.5e
Vのバンドギャップの低減が実現できる。Ni0.5 (T
X In1-X0.5 金属間化合物層602はGaNに格
子整合しているので、高品質で厚膜の金属間化合物のエ
ピタキシャル電極が形成できる。
【0028】[実施例7]図7は、本発明の第7の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図7に
示すように、層厚19nmのp−GaAs0.080.92
ンタクト層701、GaNに格子整合した層厚10nm
のNi0.5 (TlX In1-X0.5 金属間化合物層70
2、層厚10nmのNi0.5 In0.5 金属間化合物層7
03、GaNに格子整合した層厚50nmのNi0.5
(TlX In1-X0.5 金属間化合物層704からなる
コンタクト層構造を有するGaN系窒化物半導体LDで
ある。GaNに格子整合した層厚10nmのNi0.5
(TlX In1-X 0.5 金属間化合物層702はp−G
aAs0.080.92コンタクト層701とNi0.5 In
0.5金属間化合物層703の界面歪の急激な変化を改善
するための緩和層である。
【0029】[実施例8]図8は、本発明の第8の実施
例のGaN系窒化物半導体LDの断面図である。図8に
示すように、層厚5nmのp−GaAs0.010.99バリ
ア層801と層厚3nmのp−GaAs0.080.92ウエ
ル層802の5周期の超格子コンタクト層804とGa
Nに格子整合した層厚50nmのNi0.5 (TlX In
1-X0.5金属間化合物層803からなるコンタクト層
構造を有するGaN系窒化物半導体LDである。ホール
は層厚40nmの超格子コンタクト層804を共鳴トン
ネルで透過し金属電極に到達することができるため接触
抵抗が低減する。
【0030】
【発明の効果】本発明におけるコンタクト層は、GaN
の半分のバンドギャップを有しかつ臨界膜厚以下の層厚
を有する良質なp型GaN1-X AsX 結晶である。バン
ドギャップが小さいため5×1018cm-3以上の高濃度の
pドーピングを行うことができる。本発明に用いられる
Ni0.5 In0.5 やNi0.5 (In1-X TlX0.5
どの金属間化合物層は、GaN1-X AsX 歪コンタクト
層をGaN層とで挟んで支えるため転位が入りにくくな
り、臨界膜厚は2倍に増大する。従って、よりバンドギ
ャップの小さいGaN1-X AsX 層をコンタクト層に用
いることができる。その結果、金属電極と半導体コンタ
クト層界面のホールのショットキーバリアの幅と高さを
半減させることができる。これによって窒化物半導体発
光素子の接触抵抗が大きく低減し、通常のGaAs基板
上のLD素子に近い動作電圧が得られる。その結果、動
作時の発熱が抑えられるため窒化物半導体レーザの室温
連続動作を達成することができる。それに加えて、窒化
物半導体レーザの閾値、温度特性、信頼性を著しく向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図7】本発明の第7の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図8】本発明の第8の実施例のGaN系窒化物半導体
LDの断面図である。
【図9】金属電極とp型半導体層界面のバンド構造を模
式的に示す断面図である。
【図10】GaN1-X AsX 層のAs組成Xと格子歪量
εとの関係を示すグラフである。
【図11】GaN1-X AsX 層のAs組成Xとバンドギ
ャップの関係を示すグラフである。
【図12】GaN1-X AsX 層のAs組成Xと臨界膜厚
の関係を示すグラフである。
【図13】両側から挟まれたGaN1-X AsX 層のAs
組成Xと臨界膜厚の関係を示すグラフである。
【図14】従来のGaN系の窒化物半導体LD素子の構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
101 A面サファイア基板 102 GaNバッファ層 103 n−GaN層 104 n−In0.1 Ga0.9 N層 105 n−Al0.15Ga0.85N層 106 n−GaN層 107 InGaN/GaN−MQW活性層 108 p−Al0.2 Ga0.8 Nクラッド層 109 p−GaN層 110 p−Al0.15Ga0.85Nクラッド層 111 p−GaNクラッド層 112 p−GaAs0.040.96コンタクト層 113 p電極 114 n電極 201 p−GaAs0.010.99コンタクト層 202 p−GaAs0.020.98コンタクト層 203 p−GaAs0.040.96コンタクト層 204 ステップコンタクト層 301 p−GaP0.040.96コンタクト層 401 p−GaP0.010.99コンタクト層 402 p−GaP0.020.98コンタクト層 403 p−GaP0.040.96コンタクト層 404 ステップコンタクト層 501 p−GaAs0.040.96コンタクト層 502 Ni0.5 In0.5 金属間化合物層 602 Ni0.5 (TlX In1-X0.5 金属間化合物
層 701 p−GaAs0.080.92コンタクト層 702 Ni0.5 (TlX In1-X0.5 金属間化合物
層 703 Ni0.5 In0.5 金属間化合物層 704 Ni0.5 (TlX In1-X 0.5 金属間化合物
層 801 p−GaAs0.010.99バリア層 802 p−GaAs0.080.92ウエル層 803 Ni0.5 (TlX In1-X0.5 金属間化合物
層 804 超格子コンタクト層 901 伝導帯 902 フェルミレベル 903 価電子帯 904 ショットキーバリアの幅 905 ショットキーバリアの高さ 906 ホール 907 金属電極 908 p型半導体層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系の窒化物半導体を用いた発光素
    子において、 金属電極側の半導体層が、p型またはn型の、GaN
    1-X AsX 層(0<X<0.2)またはInGaN1-X
    AsX 層(0<X<0.2)であって、かつ、その層厚
    が、前記発光素子のクラッド層に対する臨界膜厚以下で
    あることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記半導体層が、As組成Xの異なる複
    数の、GaN1-X AsX 層(0<X<0.2)またはI
    nGaN1-X AsX 層(0<X<0.2)を、そのAs
    組成Xが電極に近づくに従って大きくなるように組み合
    わせて構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 GaN系の窒化物半導体を用いた発光素
    子において、 金属電極側の半導体層が、p型またはn型のInGaN
    1-YY層(0<Y<0.2)であっ て、かつ、その層
    厚が、前記発光素子のクラッド層に対する臨界膜厚以下
    であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体層が、P組成Yの
    異なる複数の、GaN1-YY 層(0<Y<0.2)ま
    たはInGaN1-YY 層(0<Y<0.2)を、その
    P組成Yが電極に近づくに従って大きくなるように 組
    み合わせて構成されていることを特徴とする請求項3記
    載の窒化物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記半導体層の層厚が、1nm以上で1
    00nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記金属電極と前記半導体層との間に、
    さらに金属間化合物エピタキシャル層を、それぞれの層
    に隣接して形成してなることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記金属間化合物エピタキシャル層が、
    Ni0.5 In0.5 、またはNi0.5 (In1-W Tl
    0.5 (0<W<1)であることを特徴とする請求
    項6記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記半導体層の層厚が、2nm以上で2
    00nm以下であることを特徴とする請求項6または7
    記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記半導体層が、p型のGaN1-X1As
    X1層(0<X1<0.2)ウエル層とp型のGaN1-X2
    AsX2層(0≦X2<X1<0.2)バリア層との超格
    子構造体であることを特徴とする請求項1または2記載
    の窒化物半導体発光素子。
JP2000189321A 1996-09-10 2000-06-23 窒化物半導体発光素子 Expired - Fee Related JP3279308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189321A JP3279308B2 (ja) 1996-09-10 2000-06-23 窒化物半導体発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189321A JP3279308B2 (ja) 1996-09-10 2000-06-23 窒化物半導体発光素子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23930996A Division JPH1093194A (ja) 1996-09-10 1996-09-10 窒化物半導体発光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001024286A true JP2001024286A (ja) 2001-01-26
JP3279308B2 JP3279308B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=18688964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000189321A Expired - Fee Related JP3279308B2 (ja) 1996-09-10 2000-06-23 窒化物半導体発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3279308B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100986464B1 (ko) 2003-09-01 2010-10-08 엘지이노텍 주식회사 발광 다이오드 및 그 제조방법
KR101199796B1 (ko) 2010-10-15 2012-11-12 한국광기술원 질화물계 반도체 발광소자 및 그의 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100986464B1 (ko) 2003-09-01 2010-10-08 엘지이노텍 주식회사 발광 다이오드 및 그 제조방법
KR101199796B1 (ko) 2010-10-15 2012-11-12 한국광기술원 질화물계 반도체 발광소자 및 그의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3279308B2 (ja) 2002-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3909605B2 (ja) 窒化物半導体素子およびその製造方法
JP3683669B2 (ja) 半導体発光素子
US7101444B2 (en) Defect-free semiconductor templates for epitaxial growth
US8304790B2 (en) Nitride semiconductor with active layer of quantum well structure with indium-containing nitride semiconductor
JP4071308B2 (ja) 半導体発光素子及び半導体発光素子の製造方法及び光ファイバー通信システム
JPH1174564A (ja) Iii族窒化物光電子半導体装置
WO2007013257A1 (ja) 窒化物系半導体素子
US6462354B1 (en) Semiconductor device and semiconductor light emitting device
JP3269344B2 (ja) 結晶成長方法および半導体発光素子
JPH09148678A (ja) 窒化物半導体発光素子
JPH09116225A (ja) 半導体発光素子
JP2000208875A (ja) 多重量子井戸構造半導体発光素子
JPH09252163A (ja) 半導体発光素子
JP4084506B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2956623B2 (ja) 自励発振型半導体レーザ素子
JP3371830B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP3279308B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JPH1093194A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2001102690A (ja) 窒化物系半導体レーザ装置
JPH0983079A (ja) 半導体素子
JP4100817B2 (ja) 半導体発光素子
JP3061321B2 (ja) 結晶改善された化合物半導体デバイスの製造方法
JP2689919B2 (ja) 半導体発光素子
JP2001028473A (ja) n型窒化物半導体の成長方法
JP2008098682A (ja) 半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees