JP2001023620A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 鉛蓄電池の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】密閉形鉛蓄電池の負極板において、負極活物質層の密度が4.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることを特徴とする密閉形鉛蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉形鉛蓄電池には、現在最も広く使われている、微細ガラスマットセパレータを正、負極板に挿入したリテーナ式電池と、古くから用いられている、電解液をコロイダルシリカでゲル化したゲル式電池と、近年特許出願がなされている、顆粒状のシリカを極板間および極板群の周囲に充填し、そのシリカに電解液を含浸させた顆粒シリカ式電池とがある。これらの電池は電池の特徴に応じて、使い分けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの電池は用途にもよるが、高温で使われたり、過充電が多いと、使用中電解液が減少することがある。その結果、電池の内部抵抗が増加し、期待していた期間よりも早期に寿命が終了することが知られている。
【0004】そこで本発明は、電解液が減少しても密閉形鉛電池の寿命性能を低下させない手段を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明の密閉形鉛蓄電池では、負極板において、負極活物質層の密度が4.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることを特徴とするものである。また前記発明において、密閉形鉛蓄電池が顆粒シリカ式密閉電池であって、用いるシリカの平均粒子径が100μm以下であることを特徴とするものである。次に、前記発明において、密閉形鉛蓄電池がリテーナ式密閉電池であって、ガラス繊維を主体とするリテーナマットセパレータの平均孔径が15μm 以下であることを特徴とするものである。次に、前記発明において、密閉形鉛蓄電池がリテーナ式密閉電池であって、正極板と負極板との間に挿入されるリテーナマットの乾式状態での20kg/dm2加圧時の厚さが、正極板と負極板との間の空隙寸法以上であることを特徴とするものである。
【0006】そして、前記発明において、負極板にカーボン粉末が0.5〜3重量%添加されている事を特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本発明は、リテーナ式又は顆粒シリカ式又はゲル式の密閉形鉛畜電池において、負極活物質層の密度を従来の3.8g/cm3に対して、4.2〜5.0g/cm3に増やすものである。これにより従来は、使用中に電解液が減少した場合、正極活物質層やセパレータに比べて孔径の大きい負極活物質層内の電解液が選択的に少なくなった為、負極活物質層の劣化により早期に寿命となっていたものが、密度の増加によって負極活物質層の孔径が小さくなることにより、負極活物質層内の電解液の減少が防止でき、寿命性能を向上することができるものである。ただし、密度が5.0g/cm3を越えるとかえって逆効果となり、寿命性能は従来品よりも低下するので、好ましくない。
【0008】また、特に、顆粒シリカ式の場合には、シリカの平均粒子径を100μm以下にすると寿命性能の向上が著しい。なお、リテーナ式電池の場合には、平均孔径が15μm 以下又は、正・負極板間の間隔以上の厚さ(20kg/dm2加圧時)のリテーナマットを用いることにより特大の効果が得られる。
【0009】さらに、負極活物質にカーボン粉末を0.5〜3重量%添加することにより、相乗効果によって、寿命がより向上する。
【0010】
【実施例】次に実施例に基ずき説明する。
【0011】
【実施例1】リテーナ式電池について、本発明品と従来品と比較品をつくるため、表1に示す内容のとおり、Pb−0.1%Ca−1.5%Sn合金からなる格子に充填した2.4mm厚さの通常の正極板10枚と、Pb−0.1%Ca−0.8%Sn合金からなる格子に1.7mm厚さの、表1の密度の活物質を充填したペースト式負極板11枚と、繊維径の異なる4種類のガラス繊維からなるリテーナマットセパレータとから、電解液比重が1.30(20℃)の約63Ah(3hR)−12Vのリテーナ式密閉電池を通常の製法にならって製作した。なお、本電池の極間距離は1.2mmであり、セパレータの厚さは、20kg/dm2加圧時で1.1、1.2、1.3、及び1.4mmのものを用いて種々の圧迫度の電池を作製した。なお、負極活物質層の密度は極板を化成した後に水銀圧入法で測定し、リテーナマットの平均孔径も水銀圧入法で測定した。
【0012】
【表1】
【0013】電池の試験は、まず30℃で定格容量の1/3の電流で放電容量を測定した後、寿命試験を行った。寿命試験は40℃で、前記電流で定格容量の80%を放電した後、定電圧−定電流方式で充電するという一般的な方法で行った。
【0014】寿命性能はその結果を図1と図2とに示すが、4.2〜5.0g/cm3の密度の負極活物質層を使うことにより、寿命性能が著しく向上していることがわかる。特に、0.7μm以下の繊維径のリテーナマットを用い、そのリテーナマットに極間距離以上の厚さ(20kg/dm2加圧時の厚さ)のセパを用いたときにその効果が非常に大きかった。また最大の寿命性能は、最も細いカ゛ラス繊維径の、最も厚いリテーナマットを用い、しかも5.0g/cm3の高密度負極活物質層を用いたときに得られ、1,200サイクルを達成した。これらの原因を明らかにするため、寿命試験前の同構成の電池を解体して、負極活物質層中の保持液量を測定したところ、密度が低い負極活物質層ほど保持液量が少なかった。しかもその傾向は繊維径の小さなリテーナマットほど、また厚いセパレータを用いた電池ほど著しかった。なお、これらの場合では、負極の活物質密度層を4.2g/cm3以上にすれば、負極に電解液が少なくなるようなことはなかった。繊維径の小さなセパレータは電解液を保持する能力が高く、本来は寿命性能の向上に寄与するはずである。また、厚いセパレータを用いて活物質を強く圧迫すれば、本来は活物質の劣化を抑えることが可能である。本実施例の結果からわかるように、この本来の効果をうまく引き出させていなかったのは、負極活物質層の密度が低かったためであることがわかった。なお、5.0g/cm3を超えた密度の負極活物質層の場合には容量、寿命性能ともに悪かった。
【0015】なお、本実施例では、いずれも負極活物質層中にはカーボン粉末を0.1%添加した負極板を用いたが、カーボンの量を増やすと、さらに長寿命の結果が得られた。従来から負極にカーボンを増量すると長寿命化が達成できることが知られているが、このカーボン増量極板を用いる場合に活物質層密度を本発明の4.2〜5.0g/cm3にすると、さらに相乗効果により長寿命化が達成できた。表2にリテーナ式電池における寿命試験時の寿命サイクル数を示すが、カーボン増量と高密度活物質層との組み合わせにより最大の長寿命化が達成できた。なお、この電池において、リテーナマットには0.8μmのガラス繊維からなる1.2mm厚さのセパレータを用いた。
【0016】
【表2】
【0017】
【実施例2】実施例1とほぼ同じ構成で、表3に示す内容のとおり、顆粒シリカ式電池を製作した。なお、セパレータには通常の自動車用鉛蓄電池に用いられているポリエチレンセパレータを用い、顆粒シリカには以下の平均粒子径のシリカを用いた。なお、シリカの粒子径は例えば顕微鏡により観察して求められる。
【0018】これらの電池は、実施例1と同じ試験に供した。寿命試験結果を図3に示す。寿命性能については、実施例1のリテーナ式と同じく、密度が4.2〜5.0g/cm3の負極活物質層を用いた顆粒シリカ式電池は、従来の顆粒シリカ式電池よりも著しく長寿命であった。そして上記効果は、用いるシリカの粒子径が100μmよりも小さい場合に、特に大きかった。なかでも、今回試験した中で最も小さい30μmの粒子径のシリカを用い、5.0g/cm3の密度の負極活物質層を用いた場合には、1500サイクルという最長の寿命性能が得られた。なお、このような小さな粒子径のシリカを用いた場合には、負極活物質層密度が従来品のように低ければ、寿命性能がかえって低下した。つまり、粒子径の小さいシリカを用いた場合には、保持液能力が高いので容量も寿命性能も向上する能力はあるが、この場合に密度の低い負極活物質層を使うと負極の保持液がシリカに吸い取られるので、その場合にはかえって寿命性能が低下したのである。
【0019】
【表3】
【0020】以上、実施例1および実施例2で示したように、リテーナ式および顆粒シリカ式密閉鉛電池において、活物質層密度が4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより寿命性能が著しく改善できることがわかった。なお、本実施例では示さなかったが、ゲル式密閉鉛電池においても上記実施例と同じく4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより寿命性能が著しく改善された。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は活物質層密度が4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより、負極活物質の劣化を防ぎ、密閉形鉛電池の寿命性能向上に著しい効果があることがわかった。特に、リテーナ式密閉鉛電池の場合には平均孔径が15μm以下で、極板間距離以上の厚さ(20kg/dm2加圧時の厚さ)のリテーナマットを用いることにより、最大の効果が得られる。また顆粒シリカ式電池の場合には、シリカの平均粒子径が100μm以下の場合にその効果が著しく大きかった。また、負極活物質にカーボン粉末を0.5〜3重量%と多量に添加する技術と組み合わせると、非常に大きい長寿命化効果が得られることがわかった。以上のように、密閉形鉛蓄電池の長寿命化という見地から、その工業的価値はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リテーナ式電池の負極活物質層密度およびリテーナマットの平均ガラス繊維径と寿命性能との関係を示す特性図(リテーナマットの厚さ1.2mm)
【図2】 リテーナ式電池の負極活物質層密度およびリテーナマットの厚さと寿命性能との関係を示す特性図(リテーナマットの平均ガラス繊維径0.8μm)
【図3】 顆粒シリカ式電池の負極活物質層密度およびシリカ粒子径と寿命性能との関係を示す特性図。
【発明の名称】 鉛蓄電池の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】密閉形鉛蓄電池の負極板において、負極活物質層の密度が4.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることを特徴とする密閉形鉛蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉形鉛蓄電池には、現在最も広く使われている、微細ガラスマットセパレータを正、負極板に挿入したリテーナ式電池と、古くから用いられている、電解液をコロイダルシリカでゲル化したゲル式電池と、近年特許出願がなされている、顆粒状のシリカを極板間および極板群の周囲に充填し、そのシリカに電解液を含浸させた顆粒シリカ式電池とがある。これらの電池は電池の特徴に応じて、使い分けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの電池は用途にもよるが、高温で使われたり、過充電が多いと、使用中電解液が減少することがある。その結果、電池の内部抵抗が増加し、期待していた期間よりも早期に寿命が終了することが知られている。
【0004】そこで本発明は、電解液が減少しても密閉形鉛電池の寿命性能を低下させない手段を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明の密閉形鉛蓄電池では、負極板において、負極活物質層の密度が4.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることを特徴とするものである。また前記発明において、密閉形鉛蓄電池が顆粒シリカ式密閉電池であって、用いるシリカの平均粒子径が100μm以下であることを特徴とするものである。次に、前記発明において、密閉形鉛蓄電池がリテーナ式密閉電池であって、ガラス繊維を主体とするリテーナマットセパレータの平均孔径が15μm 以下であることを特徴とするものである。次に、前記発明において、密閉形鉛蓄電池がリテーナ式密閉電池であって、正極板と負極板との間に挿入されるリテーナマットの乾式状態での20kg/dm2加圧時の厚さが、正極板と負極板との間の空隙寸法以上であることを特徴とするものである。
【0006】そして、前記発明において、負極板にカーボン粉末が0.5〜3重量%添加されている事を特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本発明は、リテーナ式又は顆粒シリカ式又はゲル式の密閉形鉛畜電池において、負極活物質層の密度を従来の3.8g/cm3に対して、4.2〜5.0g/cm3に増やすものである。これにより従来は、使用中に電解液が減少した場合、正極活物質層やセパレータに比べて孔径の大きい負極活物質層内の電解液が選択的に少なくなった為、負極活物質層の劣化により早期に寿命となっていたものが、密度の増加によって負極活物質層の孔径が小さくなることにより、負極活物質層内の電解液の減少が防止でき、寿命性能を向上することができるものである。ただし、密度が5.0g/cm3を越えるとかえって逆効果となり、寿命性能は従来品よりも低下するので、好ましくない。
【0008】また、特に、顆粒シリカ式の場合には、シリカの平均粒子径を100μm以下にすると寿命性能の向上が著しい。なお、リテーナ式電池の場合には、平均孔径が15μm 以下又は、正・負極板間の間隔以上の厚さ(20kg/dm2加圧時)のリテーナマットを用いることにより特大の効果が得られる。
【0009】さらに、負極活物質にカーボン粉末を0.5〜3重量%添加することにより、相乗効果によって、寿命がより向上する。
【0010】
【実施例】次に実施例に基ずき説明する。
【0011】
【実施例1】リテーナ式電池について、本発明品と従来品と比較品をつくるため、表1に示す内容のとおり、Pb−0.1%Ca−1.5%Sn合金からなる格子に充填した2.4mm厚さの通常の正極板10枚と、Pb−0.1%Ca−0.8%Sn合金からなる格子に1.7mm厚さの、表1の密度の活物質を充填したペースト式負極板11枚と、繊維径の異なる4種類のガラス繊維からなるリテーナマットセパレータとから、電解液比重が1.30(20℃)の約63Ah(3hR)−12Vのリテーナ式密閉電池を通常の製法にならって製作した。なお、本電池の極間距離は1.2mmであり、セパレータの厚さは、20kg/dm2加圧時で1.1、1.2、1.3、及び1.4mmのものを用いて種々の圧迫度の電池を作製した。なお、負極活物質層の密度は極板を化成した後に水銀圧入法で測定し、リテーナマットの平均孔径も水銀圧入法で測定した。
【0012】
【表1】
【0013】電池の試験は、まず30℃で定格容量の1/3の電流で放電容量を測定した後、寿命試験を行った。寿命試験は40℃で、前記電流で定格容量の80%を放電した後、定電圧−定電流方式で充電するという一般的な方法で行った。
【0014】寿命性能はその結果を図1と図2とに示すが、4.2〜5.0g/cm3の密度の負極活物質層を使うことにより、寿命性能が著しく向上していることがわかる。特に、0.7μm以下の繊維径のリテーナマットを用い、そのリテーナマットに極間距離以上の厚さ(20kg/dm2加圧時の厚さ)のセパを用いたときにその効果が非常に大きかった。また最大の寿命性能は、最も細いカ゛ラス繊維径の、最も厚いリテーナマットを用い、しかも5.0g/cm3の高密度負極活物質層を用いたときに得られ、1,200サイクルを達成した。これらの原因を明らかにするため、寿命試験前の同構成の電池を解体して、負極活物質層中の保持液量を測定したところ、密度が低い負極活物質層ほど保持液量が少なかった。しかもその傾向は繊維径の小さなリテーナマットほど、また厚いセパレータを用いた電池ほど著しかった。なお、これらの場合では、負極の活物質密度層を4.2g/cm3以上にすれば、負極に電解液が少なくなるようなことはなかった。繊維径の小さなセパレータは電解液を保持する能力が高く、本来は寿命性能の向上に寄与するはずである。また、厚いセパレータを用いて活物質を強く圧迫すれば、本来は活物質の劣化を抑えることが可能である。本実施例の結果からわかるように、この本来の効果をうまく引き出させていなかったのは、負極活物質層の密度が低かったためであることがわかった。なお、5.0g/cm3を超えた密度の負極活物質層の場合には容量、寿命性能ともに悪かった。
【0015】なお、本実施例では、いずれも負極活物質層中にはカーボン粉末を0.1%添加した負極板を用いたが、カーボンの量を増やすと、さらに長寿命の結果が得られた。従来から負極にカーボンを増量すると長寿命化が達成できることが知られているが、このカーボン増量極板を用いる場合に活物質層密度を本発明の4.2〜5.0g/cm3にすると、さらに相乗効果により長寿命化が達成できた。表2にリテーナ式電池における寿命試験時の寿命サイクル数を示すが、カーボン増量と高密度活物質層との組み合わせにより最大の長寿命化が達成できた。なお、この電池において、リテーナマットには0.8μmのガラス繊維からなる1.2mm厚さのセパレータを用いた。
【0016】
【表2】
【0017】
【実施例2】実施例1とほぼ同じ構成で、表3に示す内容のとおり、顆粒シリカ式電池を製作した。なお、セパレータには通常の自動車用鉛蓄電池に用いられているポリエチレンセパレータを用い、顆粒シリカには以下の平均粒子径のシリカを用いた。なお、シリカの粒子径は例えば顕微鏡により観察して求められる。
【0018】これらの電池は、実施例1と同じ試験に供した。寿命試験結果を図3に示す。寿命性能については、実施例1のリテーナ式と同じく、密度が4.2〜5.0g/cm3の負極活物質層を用いた顆粒シリカ式電池は、従来の顆粒シリカ式電池よりも著しく長寿命であった。そして上記効果は、用いるシリカの粒子径が100μmよりも小さい場合に、特に大きかった。なかでも、今回試験した中で最も小さい30μmの粒子径のシリカを用い、5.0g/cm3の密度の負極活物質層を用いた場合には、1500サイクルという最長の寿命性能が得られた。なお、このような小さな粒子径のシリカを用いた場合には、負極活物質層密度が従来品のように低ければ、寿命性能がかえって低下した。つまり、粒子径の小さいシリカを用いた場合には、保持液能力が高いので容量も寿命性能も向上する能力はあるが、この場合に密度の低い負極活物質層を使うと負極の保持液がシリカに吸い取られるので、その場合にはかえって寿命性能が低下したのである。
【0019】
【表3】
【0020】以上、実施例1および実施例2で示したように、リテーナ式および顆粒シリカ式密閉鉛電池において、活物質層密度が4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより寿命性能が著しく改善できることがわかった。なお、本実施例では示さなかったが、ゲル式密閉鉛電池においても上記実施例と同じく4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより寿命性能が著しく改善された。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は活物質層密度が4.2〜5.0g/cm3の負極板を用いることにより、負極活物質の劣化を防ぎ、密閉形鉛電池の寿命性能向上に著しい効果があることがわかった。特に、リテーナ式密閉鉛電池の場合には平均孔径が15μm以下で、極板間距離以上の厚さ(20kg/dm2加圧時の厚さ)のリテーナマットを用いることにより、最大の効果が得られる。また顆粒シリカ式電池の場合には、シリカの平均粒子径が100μm以下の場合にその効果が著しく大きかった。また、負極活物質にカーボン粉末を0.5〜3重量%と多量に添加する技術と組み合わせると、非常に大きい長寿命化効果が得られることがわかった。以上のように、密閉形鉛蓄電池の長寿命化という見地から、その工業的価値はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リテーナ式電池の負極活物質層密度およびリテーナマットの平均ガラス繊維径と寿命性能との関係を示す特性図(リテーナマットの厚さ1.2mm)
【図2】 リテーナ式電池の負極活物質層密度およびリテーナマットの厚さと寿命性能との関係を示す特性図(リテーナマットの平均ガラス繊維径0.8μm)
【図3】 顆粒シリカ式電池の負極活物質層密度およびシリカ粒子径と寿命性能との関係を示す特性図。
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