JP2001023525A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法Info
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Abstract
化を抑えるプラズマディスプレイパネルの製造方法を提
供する。 【解決手段】 パネル1に第1の放電ガスを導入し、エ
ージング後に、第1の放電ガスとは組成の異なる第2の
放電ガスを導入する。
Description
示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使
用するガス放電発光を利用したプラズマディスプレイパ
ネル(PDP)およびその製造方法に関するものであ
る。
パネルについて図面を参照しながら説明する。図4は交
流型(AC型)のプラズマディスプレイパネルの概略を
示す断面図である。
り、この前面ガラス基板41上に表示電極42が形成さ
れている。さらに、表示電極42は、誘電体ガラス層4
3及び酸化マグネシウム(MgO)誘電体保護層44に
より覆われている(例えば特開平5−342991号公
報参照)。
背面ガラス基板45上には、アドレス電極46および隔
壁47、蛍光体層(50〜52)が設けられており、4
9が放電ガスを封入する放電空間となっている。前記蛍
光体層はカラー表示のために、赤50、緑51、青52
の3色の蛍光体層が順に配置されている。上記の各蛍光
体層(50〜52)は、放電によって発生する波長の短
い紫外線(波長147nm)により励起発光する。
ては、一般的に以下の材料が用いられている。
9:Mn 赤色蛍光体:Y2O3:Euまたは(YxGd1−x)
BO3:Eu 各色蛍光体は以下のようにして作製できる。青色蛍光体
(BaMgAl10O17:Eu)は、まず、炭酸バリウム
(BaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化
アルミニウム(α−Al2O3)をBa,Mg,Alの原
子比で1対1対10になるように配合する。
ロピウム(Eu203)を添加する。そして、適量のフラ
ックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミルで混合
し、1400℃〜1650℃で所定時間(例えば、0.
5時間)、還元雰囲気(H2,N2中)で焼成して得る。
して水酸化イットリウムY2(OH)3と硼酸(H3BO3)
とY,Bの原子比1対1になるように配合する。次に、
この混合物に対して所定量の酸化ユーロピウム(Eu2
O3)を添加し、適量のフラックスと共にボールミルで
混合し、空気中1200℃〜1450℃で所定時間(例
えば1時間)焼成して得る。
料として酸化亜鉛(ZnO)、酸化珪素(Si02)をZ
n,Siの原子比2対1になるように配合する。次にこ
の混合物に所定量の酸化マンガン(Mn2O3)を添加
し、ボールミルで混合後、空気中1200℃〜1350
℃で所定時間(例えば0.5時間)焼成して得る。
ふるい分けすることにより、所定の粒径分布を有する蛍
光体材料を得る。
する。
電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる可視光反
射層と、ガラス製の隔壁を所定のピッチで作成する。
蛍光体,緑色蛍光体,青色蛍光体を含む各色蛍光体ペー
ストをそれぞれ配設することによって蛍光体層を形成
し、形成後500℃程度で蛍光体層を焼成し、ペースト
内の樹脂成分等を除去する(蛍光体焼成工程)。
封着用ガラスフリットを塗布し、ガラスフリット内の樹
脂成分等を除去するために350℃程度で仮焼する(封
着用ガラスフリット仮焼工程)。
保護層を順次形成した前面板と、前記背面板を隔壁を介
して表示電極とアドレス電極が直交するよう対向配置
し、450℃程度で焼成し、封着用ガラスによって、周
囲を密封する(封着工程)。
ネル内を排気し(排気工程)、終了後に放電ガスを所定
の圧力だけ導入する。
の初期段階において大きな発光特性あるいは放電特性の
経時変化が現れる。従って、作製したパネルを所定の時
間だけ放電させることによって、発光特性あるいは放電
特性を安定化させる必要がある(エージング工程)。
のプラズマディスプレイパネルの製造方法においては、
前記のように発光特性または放電特性を安定化させるエ
ージング工程において、特に発光特性が劣化するという
課題が存在する。
体が劣化するという問題があった。特に青色蛍光体とし
て使用しているBaMgAl10O17:Euがエージング
工程で劣化しやすく、発光輝度低下を起こす主原因とな
っていた。
青色蛍光体の輝度劣化が少ないエージング工程を提供す
ることにより、高い発光効率で動作し、色温度の高いプ
ラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする
ものである。
め、本発明は、前面板と背面板を封着し、内部空間に蛍
光体層を形成したパネルに少なくともXeを含む第1の
放電ガスを導入し、所定時間だけ放電を行うエージング
工程を有し、前記エージング工程後に、第1の放電ガス
をパネルから排気し、少なくともXeを含む第2の放電
ガスを前記パネルに導入することを特徴とする。
の放電ガスから発生する光の主成分の波長が172nm
であることが好ましい。
電ガスのガス圧よりも高いことが好ましい。
放電ガスのXe濃度よりも高いことが好ましい。
ルは、一対の平行に配されたプレートの間に、電極およ
び複数色の蛍光体層とが配設され、ガス媒体が封入され
たプラズマディスプレイパネルであって、前記いずれか
の製造方法で製造されたことを特徴とする。
電力条件で点灯させたときの発光色の色温度が7000
K以上であることが好ましい。
るプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明
する。図2は、本発明の一実施の形態における交流面放
電型プラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図で
ある。図2では、セルが1つだけ示されているが、赤、
緑、青の各色を発光するセルが多数配列されてPDPが
構成されている。
示電極22と誘電体ガラス層23、保護層(MgO)2
4が配された前面板と、背面ガラス基板25上にアドレ
ス電極26、可視光反射層27、隔壁28および蛍光体
層29が配された背面板とを張り合わせ、前面板と背面
板間に形成される放電空間内に放電ガスが封入された構
成となっている。
ては、一般的にPDPの蛍光体層に使用されているもの
を用いることができる。その具体例としては、 青色蛍光体:BaMgAl10O17:Eu 緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn 赤色蛍光体:Y2O3:Eu を挙げることができる。
7:Eu)にクリプトンエキシマランプおよびキセノン
エキシマランプを用いて146nmおよび172nmの
真空紫外線を照射後、クリプトンエキシマランプで前記
蛍光体を励起し、輝度を評価した。評価結果を図3に示
す。
の輝度は、146nm、172nm照射のいずれにおい
ても、照射時間とともに劣化しているが、146nmに
よる劣化が172nmによる劣化よりも大きかった。こ
れは、172nmの真空紫外線のエネルギーが147n
mよりも小さく、真空紫外線による蛍光体の損傷が小さ
くなったためと考えられる。
を利用して発光させるPDPにおいては、エージング工
程において放電ガスから発生する光の主成分の波長が、
172nm(Xe分子線)の波長になるような放電ガス
を用いれば、エージング工程での蛍光体の劣化が抑えら
れることが判明した。
を上げXeの分圧を高くしたり(電気学会プラズマ研究
会資料 EP−98−61)、または少なくともXeを
含む放電ガスのガス圧を高くする(テレビジョン学会テ
レビジョン電子装置研究委員会資料第245号)ことで
発生させることができ、エージング工程においてXe濃
度や、ガス圧をパネル完成時よりも高くすれば、エージ
ング工程での蛍光体の劣化が抑えられることが判明し
た。
ング工程について説明する。図1は本実施の形態におけ
るエージング工程およびその後に続く放電ガス封入工程
を行うためのパネル製造装置の構成を模式的に示す図で
ある。
ガスを導入、排気するための配管2a,2b、パネル1
の内部空間のガス圧を調整するバルブ3a,3b、およ
び放電電圧を印加するための駆動回路4、および加熱炉
8から構成される。
蛍光体層が形成された背面板5には表示領域を避けて通
気口6が2カ所以上設けられており、これらの通気口に
はガラス管7が取り付けられている。ガラス管7と放電
ガスを流すための配管2a,bを接続する。接続後、パ
ネル1の内部空間10を配管2bを通して真空に排気し
ながらパネルを所定の温度まで加熱し(排気工程)、冷
却後に、配管2aより所定のXe濃度のエージング用放
電ガスを所定の圧力で導入し、駆動回路4を用いて前面
板9に形成された表示電極に所定の電圧を印加し、パネ
ル1内部で放電を発生させ、所定の時間だけエージング
を行った(エージング工程)。
してHe、Ne、Ar、KrあるいはN2のいずれか1
種類あるいは2種類以上を含むXeとの混合ガス、ある
いはXe単体のガスを用い、放電ガス圧力を300〜2
000Torr程度に設定した。
のエージング用の放電ガスを配管2bを通して排気し、
その後、配管2aより少なくもXeを含む所定の組成の
放電ガスを所定の圧力で導入し、ガラス管7を封止し、
PDPを作製した。
てエージングを行うことで、従来の組成でXeを含む放
電ガスによるエージングよりも蛍光体の発光特性劣化を
抑えることができた。
形態に基づいて作製した実施例に係わるPDPであっ
て、パネル番号1〜6は、エージング工程に用いるエー
ジング用放電ガスのXe濃度やガス圧を変えたパネルで
ある。
PDPであり、従来の製造方法で作製したパネルで、エ
ージング工程前にNe(95%)−Xe(5%)の混合
ガスをパネルに500Torrで導入後、ガス導入用の
ガラス管を封止したパネルである。
以上もしくは20%以上であることが好ましい。
の放電は24時間行い、エージング工程までの製造工程
は同じ条件とした。また、パネル構成も同じ構成とし、
蛍光体膜厚は30μm、エージング工程後に封入する放
電ガスはNe(95%)−Xe(5%)を500Tor
rで封入した。
ル番号7の輝度を100とした相対輝度で示している。
また、青色セル、赤色セル、緑色セルのすべてを同一電
力条件で点灯した時の白色表示の色温度(色温度補正な
し)を測定した。
パネル7に比較して輝度が向上し、色温度も高くなって
いた。
工程で用いる放電ガス中のXe濃度が高くなる程、パネ
ルの発光特性が良好となることが判る。これは、Xe濃
度が高くなるにしたがって、エージング放電時に発生す
る光が147nm(Xe共鳴線)よりも172nm(X
e分子線)の方が多くなるために、エージング中の蛍光
体の劣化が抑えられるためと考えられる。
ジング工程で用いるXeを含む放電ガスのガス圧が高く
なる程、パネルの発光特性が良好となることが判る。
エージング放電時に発生する光が147nm(Xe共鳴
線)よりも172nm(Xe分子線)の方が多くなるた
めに、エージング中の蛍光体の劣化が抑えられるためと
考えられる。
も、エージング後に入れ替えるガスもXeと混合するガ
スとしてNeを用いたが、Ne以外でもHe、Ne、A
r、Kr、N2やあるいはこれらの混合ガスを用いても
同様の効果が見られた。
Pを例示したが、対向放電型のPDPにも適用すること
ができる。さらに直流型(DC型)のPDPにおいて
も、同様の効果が得られる。
rr以上もしくは大気圧以上であることが好ましい。
てのセルを同一電力条件で点灯させたときの発光色の色
温度が7000K以上、または8000K以上、または
9000K以上、もしくは10000K以上であること
が好ましい。
グ時に現れた蛍光体の発光特性劣化を抑えることが可能
となり、その結果、輝度および色温度の高いプラズマデ
ィスプレイパネルが実現できる。
模式図
ィスプレイパネルの概略断面図
を示す図
ルの概略断面図
Claims (14)
- 【請求項1】 前面板と背面板を封着し、内部空間に蛍
光体層が形成されたパネルに少なくともXeを含む第1
の放電ガスを導入し、所定の時間だけ放電を行うエージ
ング工程を有し、前記エージング工程後に、第1の放電
ガスをパネルから排気し、少なくともXeを含む第2の
放電ガスを前記パネルに導入することを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項2】 エージング工程で第1の放電ガスから発
生する光の主成分の波長が172nmであることを特徴
とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製
造方法。 - 【請求項3】 パネル放電で第2の放電ガスから発生す
る光の主成分の波長が147nmであることを特徴とす
る請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
法。 - 【請求項4】 第1の放電ガスのガス圧が第2の放電ガ
スのガス圧よりも高いことを特徴とする請求項1から3
のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造
方法。 - 【請求項5】 第1の放電ガスのガス圧が600Tor
r以上であることを特徴とする請求項4記載のプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項6】 第1の放電ガスのガス圧が大気圧以上で
あることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプ
レイパネルの製造方法。 - 【請求項7】 第1の放電ガスのXe濃度が第2の放電
ガスのXe濃度よりも高いことを特徴とする請求項1か
ら3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの
製造方法。 - 【請求項8】 第1の放電ガスのXe濃度が10%以上
であることを特徴とする請求項7記載のプラズマディス
プレイパネルの製造方法。 - 【請求項9】 第1の放電ガスのXe濃度が20%以上
であることを特徴とする請求項7記載のプラズマディス
プレイパネルの製造方法。 - 【請求項10】 少なくともXeを含む第1の放電ガス
または第2の放電ガスがHe、Ne、Ar、Kr、N2
のいずれか1種類もしくは2種類以上を含むXeとの混
合ガスであることを特徴とする請求項1から9のいずれ
かに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項11】 第1の放電ガスがXeであることを特
徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマデ
ィスプレイパネルの製造方法。 - 【請求項12】 一対の平行に配されたプレートの間
に、電極および複数色の蛍光体層とが配設され、ガス媒
体が封入されたプラズマディスプレイパネルであって、
請求項1から11のいずれかの製造方法で製造されたこ
とを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項13】 プラズマディスプレイパネルのすべて
のセルを同一電力条件で点灯させたときの発光色の色温
度が7000K以上であることを特徴とする請求項12
記載のプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項14】 青色蛍光体がBaMgAl10O17:E
uであることを特徴とする請求項12または13記載の
プラズマディスプレイパネル。
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JP18872799A JP3374789B2 (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
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JP2001023525A true JP2001023525A (ja) | 2001-01-26 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6992440B2 (en) | 2004-02-26 | 2006-01-31 | Asahi Glass Company, Limited | Light-emitting device and process for its production |
-
1999
- 1999-07-02 JP JP18872799A patent/JP3374789B2/ja not_active Expired - Fee Related
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