JP2001021131A - スーツブロワ - Google Patents

スーツブロワ

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JP2001021131A
JP2001021131A JP19345699A JP19345699A JP2001021131A JP 2001021131 A JP2001021131 A JP 2001021131A JP 19345699 A JP19345699 A JP 19345699A JP 19345699 A JP19345699 A JP 19345699A JP 2001021131 A JP2001021131 A JP 2001021131A
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nozzle
tube
nozzles
suit blower
ash
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JP19345699A
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Yasutsune Katsuta
康常 勝田
Takeo Notani
武生 野谷
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置個所の如何にかかわらず効果的に灰除去
を行なえるスーツブロワを提供する。 【解決手段】 内部に気体が流通する長尺の管体(ラン
スチューブ)1の先端部に一対のノズル2a,2bを設
け、ランスチューブ1の長軸を中心にランスチューブ1
を回転させながら前記ノズル2a,2bから気体を噴出
させ、噴出した噴流3によって伝熱管表面に付着した灰
類を除去するスーツブロワにおいて、ランスチューブ1
を所定の角度で前記長軸を中心に往復動させる回動手段
を備え、前記回動手段により前記ノズル2a,2bから
の噴流3を所望の灰除去対象領域に対して噴出させてて
灰除去を行なう。その際、前記ノズル2a,2bは円周
方向にほぼ90°離れた位置に設け、両ノズル2a,2
b間の中央部を基準として両振り角度90°(可動範囲
9)で振り子運動βを行なわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラなどの伝熱
部や炉璧に付着する灰を吹き飛ばすようにして除去する
スス吹き装置とも称されるスーツブロワに係り、特に、
スーツブロワ本体の駆動に特徴のあるスーツブロワに関
する。
【0002】
【従来の技術】事業用ボイラや産業用ボイラなどのよう
に燃焼炉を有する設備に於いては、燃焼過程で溶融した
小さな粒子状の飛散物が伝熱部や炉璧に多く付着すると
ボイラの伝熱効率が低下する。さらに炉内の圧力損失が
上昇し、ボイラの運用に支障をきたすようになる。炉内
の圧力損失の上昇は、管と管との隙間で灰が架橋(ブリ
ッジ)を形成し、伝熱管群をすり抜ける流れを妨げるよ
うになるからである。さらに、溶融付着物の組成によっ
ては、伝熱管を腐食させ、トラブルを引き起こす原因と
なる。
【0003】そこで、トラブルが発生しないように伝熱
管の付着物を除去するようにしている。付着物を除去す
る手段として、一般にはランスチューブと称される長尺
の管体に気流を噴出するためのノズルを設けたスーツブ
ロワをボイラの伝熱管付近に設置し、定期的に蒸気また
は圧縮空気を噴射して伝熱管表面に付着した付着物を吹
き飛ばすようにしている。
【0004】しかし、最近では、真空残査油や超重質油
などの液体燃料の多様化が進み、劣質化の方向へ進み、
また、石炭焚きの場合も多炭種運用となり、溶融温度の
低い鉱物(灰分)を多く含む石炭が多く使用されるよう
になったので、伝熱管の汚れの問題が無視できなくなっ
ている。伝熱管の汚れは、特に高温部の伝熱面において
灰粒子の溶融が進み、付着物の付着力も大きい。そのた
め、従来から使用されているスーツブロワでは、伝熱面
に強く付着した灰の除去が困難になってきている。
【0005】付着物の除去率を高めるには、噴射気体の
噴射圧力を高めればよい。しかし、ノズルの噴射口径が
同じ場合には噴射気体の消費量が増加するので、噴射気
体が蒸気である場合には、ボイラの効率を低下させるこ
とになり、ボイラの運用上好ましくない。これに対し、
ノズルの口径を小さくして噴射圧力を高めると、蒸気消
費量が増加することはないが、スーツブロワのノズル自
体の寿命が熱応力によって短くなる。また、蒸気のリー
ク対策、すなわちシール構造も多重の複雑なものにしな
ければならない。
【0006】図11は従来から実施されている一般的な
スーツブロワの構成を示す図である。この図から分かる
ように先端を封止した管体からなるスーツブロワ本体、
いわゆるランスチューブ1の先端に近い位置に2つのノ
ズル2a,2bが180°異なる方向を向いて段違いに
(先端からの距離を違えて)設けられている。高圧の蒸
気などからなる噴出用の気体4はランスチューブ1の軸
方向の空間部から供給され、前記ノズル2a,2bから
噴流3a,3bとして噴出するようになっている。ま
た、ランスチューブ1の基部にはモータおよび減速機を
含むランスチューブ回転駆動部が設けられており、ラン
スチューブ1は回転しながら炉内に進出し、あるいは炉
外に後退する。すなわち、図において矢印αで示すよう
に螺旋状の動きによって進出後退動作が行なわれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
スーツブロワでは、スーツブロワの進出方向の回り全て
に灰除去の対象となる伝熱管群(1次過熱器)が存在す
れば、ノズル2a,2bから噴出する気体4を無駄なく
使用することが可能である。しかし、図12に示すよう
にランスチューブ1の下部にのみ伝熱管群が存在する場
合には、上方へ吹き出す噴流3bは灰除去についてはま
ったく無関係となる。上方へ向かう噴流3bは天井璧7
に衝突するものの、特殊な場合を除いて天井璧7は灰除
去を必要としない。なお、図において5はボイラ本体
を、6は後部伝熱部を、8は伝熱管群(1次過熱器)
を、α’は回転方向をそれぞれ示す。
【0008】また、ランスチューブ1と天井璧7の間の
距離は一般的には長く、噴流衝突の威力は噴流3bが天
井璧に衝突するときには衰えてしまっており、たとえ灰
の除去処理が必要であったとしても、除去機能を発揮す
ることはできない。したがって、図12に示すような状
況下でスーツブロワを使用する場合、噴流3a,3bが
有効に灰除去機能を発揮できるのは、スーツブロワ1の
本体、言い換えればランスチューブ1の下方に伝熱管群
8が位置していた場合だけであり、上方あるいは側方へ
吹き出す噴流3は有効には使用されない。
【0009】一方、噴流3a,3bが真下に向いたとき
には、ノズル2と伝熱管群8とのスタンドオフ距離xs
が短くなる。このように短い距離で噴流3a,3bが伝
熱管群8に衝突すると、 噴流3a,3bの流れが衝突
した伝熱管の背後に続く伝熱管群8まで効果的に届くこ
とが無くなり、希望する灰の除去効果を得ることができ
ない。
【0010】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、設置個所の如何にか
かわらず効果的に灰除去を行なえるスーツブロワを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、内部に気体が流通する長尺の管体の先端
部にノズルを設け、前記管体の長軸を中心に前記管体を
回転させながら前記ノズルから気体を噴出させ、噴出し
た噴流によって伝熱管表面に付着した灰類を除去するス
ーツブロワにおいて、前記管体を所定の角度で前記長軸
を中心に往復動させる回動手段を備え、前記回動手段に
より前記ノズルからの噴流を所望の灰除去対象領域に対
して噴出させてて灰除去を行なうようにした。
【0012】その際、前記管体を長軸方向に沿って直線
状に往復運動させる往復運動機構を介して前記回動手段
に駆動力を伝達する駆動力伝達手段により動力の伝達を
行なうようにするとよい。
【0013】また、前記所定の角度を90°に設定し、
前記管体の長手方向端部からみて90°より若干大きな
角度位相が異なる位置に少なくとも2つの第1のノズル
を配置する。そのとき、前記少なくとも2つの第1のノ
ズルは、灰除去対象部との距離が最短となる位置で前記
移動位相が重ならない位置に配置する。
【0014】さらに、前記第1のノズルに隣接させてよ
り口径の小さな第2のノズルを配置する。この場合、当
該第2のノズルが前記第1のノズルの内側であって、か
つ、両者の位相がほぼ90°になるように設定する。第
2のノズルは、第2のノズルのスロート部の内径をDm
[cm]、ノズルと灰除去対象部との最小距離をxs
[cm]としたとき、xs/Dm≧40の条件を満足す
るように形成することが望ましい。
【0015】なお、前記各構成によって灰除去を行なう
場合、前記回動手段は前記管体の炉内への進入時と後退
時とで回動動作の位相をずらして管体の回動動作を行な
うようにすれば、灰除去部分が平均化し、灰除去効果を
より上げることができる。
【0016】このように構成すると、例えば、スーツブ
ロワの炉内配置位置が、上方には灰除去が不要な空間
が、下方には灰が多く付着し堆積する部位が存在する位
置に設けられていたとする。このような場合、スーツブ
ロワ本体である管体(以下の実施形態では「ランスチュ
ーブ」と称す。)の側面で円周方向に対して両振り角度
として90°強離れた位置に第1のノズルを2個設け
る。そして、回動手段によって管体を回動させ、第1の
ノズルからの噴流が灰の付着した下方の伝熱管表面に対
してのみ衝突するようにする。このために、回動手段は
前記管体に対して振り子運動と同様の回動動作を行なわ
せる。前記振り子動作は、電動機の回転を往復運動に変
換し、さらに往復運動を振り子運動へと変換させること
によって行なう。これらの変換は、公知の変換機構によ
って行なわれる。
【0017】なお、前記振り子動作において、ノズルと
灰除去対象部との間の距離が最短となる部分に複数のノ
ズルからの噴流の噴射が重なることのないように前述の
ように第1のノズル間の位相を90°強としている。す
なわち、両ノズルからの噴流がともに鉛直下方を向かな
いようにノズルの位置を設定している。また、管体が炉
内に進入するときと後退させるときに、振り子動作の位
相を若干ずらして同じ個所に噴流が衝突しないようにす
る。これによって平均的に効率よく灰除去動作が可能に
なる。
【0018】この動作を徹底させるため、大口径の前記
第1のノズルと、この第1のノズルに隣接して設けた小
口径の第2のノズルとを組み合わせたノズル対を導入す
る。このノズル対は、小口径の第2のノズルが両振り角
度90°の関係になるように配置し、大口径の第1のノ
ズルが隣接する第2のノズルよりも外側に位置するよう
に、言い換えれば両第1のノズル間の角度が90°強の
関係になるように配置する。このような相対的な位置関
係で管体の側面に設けられたノズル対は、管体が90°
に設定された回動角度で回動する場合に、両ノズル対の
第2のノズルから吹き出す噴流が真下の伝熱管の灰除去
対象部に衝突するように伝熱管群に対する管体の取り付
け位置が規定される。すなわち、両第2のノズルが管体
の回動時に鉛直下方に向くように配置される。
【0019】このように配置すると、管体の回動動作に
よって第2のノズルから噴出した噴流が交互に鉛直下方
に位置する伝熱管に衝突することになる。このため、鉛
直下方に第2のノズルが位置したときにノズル出口と伝
熱管の灰除去対象部間のスタンドオフ距離xsが最短に
なる。また、大口径の第1のノズルは第2のノズルの回
動範囲のさらに外側に向けて大容量の噴流を噴出し、灰
除去が平均的に行なわれる。
【0020】このように構成すると、ノズルから噴流と
して噴出して灰除去に使用される蒸気は、灰除去の対象
である伝熱管群にのみ衝突することになり、無駄に消費
される蒸気は最小限に抑えられる。
【0021】一方、前記スタンドオフ距離xs[cm]
については、例えば、ノズル口径(スロート径)Dm
[cm]に対して、xs/Dm<40というような寸法
条件では、広がり切らない噴流が近距離にある最前部の
伝熱管の灰除去対象部に衝突するので、気流衝突の勢い
は奥側に位置する伝熱管群まで到達しにくくなる。
【0022】そこで、大口径の第1のノズルと小口径の
第2のノズルとを組み合わせた場合には、 xs/Dm≧40 ・・・(1) という寸法条件に設定する。このように設定することに
よって管体の回動動作によって第2のノズルが伝熱管群
に最も近接した位置にあっても、伝熱管群の深部まで噴
流が届いて、灰除去を効率よく行なうことができる。な
お、前記式(1)の関係は、実験データに基づいて求め
た式である。
【0023】このように本発明では、大口径の第1のノ
ズルのみから噴流を噴出させる構成と、大口径の第1の
ノズルと小口径の第2のノズルとを組み合わせ、両者か
ら噴流を噴出させる構成について提案したものである。
このように構成することによって、大口径の第1のノズ
ルのみから噴流を噴出させて灰除去を行なう場合にはノ
ズルが鉛直下方に向くのを避けるため、スタンドオフ距
離xsを最短の距離よりも長くなるように設定してい
る。これに対し、大口径の第1のノズルと小口径の第2
のノズルとを組み合わせて灰除去を行なう場合には、小
口径の第2のノズルは鉛直下方に向くようにするが、大
口径の第1のノズルは鉛直下方に向かないようにしてス
タンドオフ距離を最短距離よりも長くするとともに、第
2のノズルについては、スタンドオフ距離xs前述の
(1)の関係に設定する。これによって効率のよい灰除
去が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。なお、以下の説明におい
て、前述の従来例と同等な各部には同一の参照符号を付
し、重複する説明は適宜省略する。
【0025】<第1の実施形態>図1は本発明の第1の
実施形態に係るスーツブロワのランスチューブを先端部
側から見た正面図、図2は図1のA方向矢視図である。
この実施形態では、前述の従来例においてランスチュー
ブ1の円周方向に180°離れた位置に設けられた2つ
のノズル2a,2bが図1に示すように円周方向に95
°(軸心を中心とする中心角で95°)離れ、かつ、図
2に示すように軸方向に所定距離離れた位置に設けられ
ている。水蒸気などの噴出気体4はランスチューブ1の
軸方向から供給され、ノズル2a,2bから高速の噴流
となって噴出し、灰除去対象部に衝突する。
【0026】その際、ランスチューブ1は軸心を回動中
心とし、かつ、両ノズル2a,2b間の中央部を基準と
して両振り角度90°(この可動範囲を符号9で示す)
で振り子運動βを行なう。このような位置に両ノズル2
a,2bを形成し、前記振り角度で振り子運動を行なわ
せると、2つの噴流3a,3bはともに鉛直軸Mに達す
るまでは振れないことになる。しかし、両噴流3a,3
bともに鉛直軸Mの近傍まで達するので、噴流の広がり
を考慮すると、鉛直軸Mの延長部の伝熱管群8の表面に
付着した灰が除去されずに残るということはない。
【0027】図3はノズル2a,2bの構造を示す要部
断面図である。ノズル2はランスチューブ1の側面に嵌
め込まれた状態で固定され、スロート部2’がランスチ
ューブ1の内側の端部近傍に設けられ、このスロート部
2’から広がり角θをθ=7°〜20°に設定して緩や
かに広がる形状になっている。ランスチューブ1の軸空
間に供給された噴出気体4はこのノズル2から噴出さ
れ、噴流3となる。
【0028】図4はランスチューブ1の振り子動作を駆
動部の概略構成を示す図である。駆動源としてのモータ
10、減速機11、往復運動機構12、および振り子運
動機構13から主に構成されている。モータ10から加
えられる駆動力は減速機11で速度調整され、往復運動
機構12で回転運動αが直線的な往復運動γに変換され
る。そしてさらにこの往復運動γが振り子運動機構13
で振り子運動βに変換され、ランスチューブ1を駆動す
る。このランスチューブ1には基部から噴出気体が供給
され、前述のノズル2a,2bから噴流として噴出す
る。なお、この実施形態では、直線往復運動を行なう機
構を使用して回転運動を直線運動に変換しているが、例
えばカムなどの変換機構を使用しても同様の動作もしく
は効果を得ることができる。また、直線往復運動を行う
機構自体はこの種の装置に一般に使用されている機構で
あり、往復運動を振り子運動に変換する機構も種々の機
構が導入できる。
【0029】図5は前記ノズル2a,2bの位相変化
(角度変化)を模式的に示す説明図である。この図にお
いて、横軸はボイラの幅方向における奥行を示し、縦軸
は左側が缶左壁18、右側が缶右壁19を示している。
炉内に向かって進むとき(図では往路)と、炉内から炉
外方向に戻るとき(図では復路)で振り子運動の位相を
ずらして灰除去対象である管列に対して万遍なく噴流が
衝突するように設定している。なお、図中符号14はノ
ズル2aの軌跡を、また、符号15はノズル2bの軌跡
をそれぞれ示す。
【0030】図6はこの実施形態に係るランスチューブ
1によってボイラの後部伝熱部6の伝熱管群8の灰除去
を行なうときの状態を示す図である。この図から分かる
ように、ランスチューブ1の側面に前述のように95°
位相が異なる位置(円周方向に95°離れた位置)に設
けられたノズル2a,2bから蒸気の噴流3a,3bが
噴出し、下方の伝熱管群8に衝突する。ランスチューブ
1は前述のように両振り角度90°の振り子運動βを行
なうので、灰除去が不要な天井璧7には噴流が吹き出す
ことはない。
【0031】したがって、ほぼ全量の噴出気体が灰除去
に使用され、効率的な灰除去作業が可能になる。また、
振り子動作βは前述のようにノズル2a,2b間の角度
と回旋角度が設定されているので、噴流3a,3bは鉛
直軸M上にくることはなく、当然、噴流3a,3bが交
互に鉛直軸Mで重なり合うことはない。もし、2つのノ
ズル2a,2bからの噴流が鉛直軸M上で重なり合うよ
うなことがあると、噴流3が無駄に消費されることにな
るが、このように構成すると、噴流の無駄な消費を防止
できる。また、このような動きをすることによって噴流
3の軸が鉛直軸Mからわずかにずれてノズル2a,2b
と伝熱管群8との間のスタンドオフ距離xsが若干長く
なるが、図6に示すような状態であれば何ら問題はなく
、十分な灰除去機能を発揮できる。
【0032】図7は図11および図12に示した従来技
術と本実施形態との灰除去可能域の距離Lを比較した結
果を示す図である。この例でLは灰除去域の距離を示
し、前記従来技術における灰除去域の距離L*で割るこ
とにより無次元化したものである。この比較例から従来
技術では、L/L*=1であるものが、本実施形態で
は、L/L*=2.05まで増加しているのが分かる。
【0033】この結果は、蒸気消費量を同一にして比較
したもので本実施形態のように構成すると、従来例に比
べて同じ蒸気消費量で2倍以上多い灰除去が可能である
ことを示している。このことは、ランスチューブ1の回
転運動を振り子運動に変換し、また、噴流3の鉛直部に
おける交互の重なりを排除することで、蒸気の無駄な消
費が避けられたからであり、本実施形態の効果が数値的
に証明されたことになる。
【0034】図8は図11および図12に示した従来技
術と本実施形態との使用蒸気量Qsを比較した結果を示
す図である。使用蒸気量Qsは、従来例における使用蒸
気量Qs*で割ることにより無次元化して表した。この
図から分かるように従来例においては、Qs/Qs*=1
であるのに対して本実施形態では、Qs/Qs*=0.4
3となり、半分以下となっていることが分かる。このこ
とは、同じ灰除去性能が同じであれば、本実施形態のス
ーツブロワでな使用する蒸気が半分以下で済むというこ
とを示している。
【0035】これらのことにより、本実施形態に係るス
ーツブロワの運用効率の高さが実証された <第2の実施形態>図9および図10に第2の実施形態
に係るスーツブロワを示す。図9はスーツブロワ本体
(ランスチューブ)1を先端部側から見た正面図、図1
0は図9のB方向矢視図である。なお、以下の説明にお
いて、前述の第1の実施形態と同等と見なせる各部には
同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】この実施形態においては、図3から分かる
ようにノズル2は基本的に2個所に設けられているが、
各個所のノズルは大口径ノズル2A,2Bと、小口径ノ
ズル2A’,2B’とがそれぞれ組み合わされて構成さ
れている。各ノズル部の大口径ノズル2A,2Bと小口
径ノズル2A’,2B’とは図10に示すようにごく隣
接した位置に設けられ、図9に示すように両者間の角度
も狭くなっている。また、大口径ノズル2A,2Bと小
口径ノズル2A’,2B’は図9に示すように小口径ノ
ズル2A’,2B’がランスチューブ1の先端方向から
みて90°(円周方向で90°)の角度になるように配
置され、円周方向で各小口径ノズル2A’,2B’の外
側(角度が大きくなる位置)にそれぞれ大口径ノズル2
A,2Bが配置されている。なお、大口径ノズル2A,
2Bのランスチューブ1の軸方向の相対的な位置関係は
第1の実施形態と同様である。
【0037】また、この実施形態においては、前述のよ
うに第2のノズルの口径(スロート径)をDm[c
m]、当該ノズルと伝熱管群8との最短のスタンドオフ
距離をxs[cm]としたときに、 xs/Dm≧40 という寸法関係が成り立つ位置にランスチューブ1は位
置している。
【0038】このように構成されたランスチューブ1も
両振り角度にして前述の第1の実施形態と同様に90°
の振り子運動(β)を行なわせる。この機構は前述の図
6を参照して説明した通りである。この振り子運動によ
って両小口径ノズル2A’,2B’が交互に同一周期で
真下に位置する。すなわち、伝熱管群8に最も近付くこ
とになるのは、言い換えれば、ノズルと灰除去対象部間
のスタンドオフ距離xsが最も短くなるのは小口径側の
ノズル2A ’,2B’になる。これは大口径ノズル2
A,2Bがランスチューブ1の真下に位置するようにし
て、短いスタンドオフ距離xsで大規模噴流3’が伝熱
管部8に衝突するようにしても、伝熱管に衝突したとき
の抵抗や流体摩擦などが原因と考えられるが、大規模噴
流3’が伝熱管列の奥深くまで、図9で下方部の伝熱管
群8の遠い位置まで達することはできないことがわかっ
たからである。このことは、大容量の大規模噴流3’に
よって灰除去を行なわせようとしても大半が有効に使わ
れず、浪費される結果となることを示している。
【0039】これに対し、小規模噴流3”の場合、抵抗
や流体摩擦などによる影響が小さいためであるか、大規
模噴流3’を使用するよりもかえって伝熱管群8の深部
まで噴流が届き、灰除去効果を上げることができること
が分かった。一方、伝熱管部8の端部、図9では左右の
側部では、ノズル3とのスタンドオフ距離xsが長くな
るため、小規模噴流3”は拡散してしまい、伝熱管群8
に対して効果的な灰除去を行なうことができない。これ
らの情況を考慮して、大口径ノズル2A,2Bを小口径
ノズル2A’,2B’の外側に設けたものである。この
ように2種の口径のノズルを設けた場合、気体の噴射圧
力は噴流気体4の供給圧力で決まるので、両ノズルの噴
射圧力は同一である。そのため、噴流全体のボリューム
に相当する噴流の規模は、大小のノズル2A,2Bと2
A’,2B’の口径の2乗にほぼ比例する。
【0040】その他、特に説明しない各部は前述の第1
の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【0041】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、管体を所定の角度で管体の長軸を中心に往復動さ
せる回動手段を備え、当該回動手段によりノズルからの
噴流を所望の灰除去対象領域に対して噴出させるので、
灰除去に関係のない無駄な方向に噴流を噴出させること
なく前記灰除去対象部のみの灰除去動作が可能になる。
これによって、設置個所の如何にかかわらず効果的に灰
除去を行なうことができる。
【0042】請求項2記載の発明によれば、管体を長軸
方向に沿って直線状に往復運動させる往復運動機構を介
して回動手段に駆動力を伝達するので、1つの駆動源に
よって往復運動と回動運動を行なわせることが可能とな
る。
【0043】請求項3記載の発明によれば、所定の回動
角度を90°に設定し、管体の円周方向に90°より若
干大きな角度離れた位置に少なくとも2つの第1のノズ
ルを配置したので、90°の角度で回動させたときに第
1のノズルからの噴流の噴射領域が重なることがなく、
無駄な噴射を回避することができ、噴射媒体の効率的な
使用が可能になる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、少なくとも
2つの第1のノズルが、灰除去対象部との距離が最短と
なる位置で回動時に前記位相が重ならない位置に配され
ているので、最短位置で噴流の噴射領域が重なることが
なくなり、噴射媒体の効率的な使用が可能になる。
【0045】請求項5記載の発明によれば、第1のノズ
ルに隣接させてより口径の小さな第2のノズルを配置
し、当該第2のノズルが前記第1のノズルの内側であっ
て、かつ、両者の位相がほぼ90°になるように設定し
たので、スタンドオフ距離が短い灰除去対象領域とスタ
ンドオフ距離が長い灰除去対象領域に対応して効率良く
灰除去を行なうことができる。
【0046】請求項6記載の発明によれば、第2のノズ
ルのスロート部の内径をDm、ノズルと灰除去対象部と
の最小距離をxsとしたとき、xs/Dm≧40の条件を
満足するように前記第2のノズルを形成したので、広が
り切らない噴流が近距離にある最前部の伝熱管の灰除去
対象部に衝突して、伝熱管群の深部に到達できなくなる
ことがなくなり、、伝熱管群の深部まで到達して灰除去
を行うことが可能となる。
【0047】請求項7記載の発明によれば、回動手段は
管体の炉内への進入時と後退時とで回動動作の位相をず
らして管体の回動動作を行なうので、灰除去を平均して
効率良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスーツブロワの
ランスチューブを先端部方向から見た正面図である。
【図2】図1のランスチューブをA方向からみた矢視図
である。
【図3】図1のランスチューブに設けられたノズルの形
状と取り付け状態を示す要部断面図である。
【図4】第1の実施形態におけるランスチューブへの動
力伝達機構を示す概略構成図である。
【図5】第1の実施形態におけるランスチューブの進出
後退時の回動動作の位相の変化を示す図である。
【図6】第1の実施形態におけるランスチューブの回動
範囲を示す説明図である。
【図7】従来技術と第1の実施形態との灰除去可能域の
距離Lを比較した結果を示す図である。
【図8】従来技術と第1の実施形態との使用蒸気量Qs
を比較した結果を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るスーツブロワの
ランスチューブを先端部側から見た正面図である。
【図10】図9のランスチューブをB方向から見た矢視
図である。
【図11】従来から実施されている一般的なスーツブロ
ワの構成を示す図である。
【図12】従来から実施されている一般的なスーツブロ
ワを使用してボイラの灰除去を行っている状態を示す図
である。
【符号の説明】
1 ランスチューブ 2a,2b ノズル 2A,2B 大口径ノズル 2A’,2B’ 小口径ノズル 3,3a,3b 噴流 3’ 大規模噴流 3” 小規模噴流 4 噴出気体 5 ボイラ本体 6 後部伝熱部 7 天井壁 8 伝熱管群(1次過熱器) 9 回動範囲 10 モータ 11 減速機 12 往復運動機構 13 振り子運動機構 Dm ノズルの最小径 xs スタンドオフ距離
フロントページの続き (72)発明者 野谷 武生 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立機工株 式会社内 Fターム(参考) 3K061 QA02 QA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に気体が流通する長尺の管体の先端
    部にノズルを設け、前記管体の長軸を中心に前記管体を
    回転させながら前記ノズルから気体を噴出させ、噴出し
    た噴流によって伝熱管表面に付着した灰類を除去するス
    ーツブロワにおいて、 前記管体を所定の角度で前記長軸を中心に往復動させる
    回動手段を備え、 前記回動手段により前記ノズルからの噴流を所望の灰除
    去対象領域に対して噴出させて灰除去を行なうことを特
    徴とするスーツブロワ。
  2. 【請求項2】 前記管体を長軸方向に沿って直線状に往
    復運動させる往復運動機構と、 この往復運動機構を介して前記回動手段に駆動力を伝達
    する駆動力伝達手段と、を備えていることを特徴とする
    請求項1記載のスーツブロワ。
  3. 【請求項3】 前記所定の角度を90°に設定するとと
    もに、少なくとも2つの第1のノズルが円周方向で90
    °より若干大きな角度離れた位置に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載のスーツブロワ。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも2つの第1のノズルが、
    回動時の噴射位置が灰除去対象部との距離が最短となる
    位置で重ならないように配されていることを特徴とする
    請求項3記載のスーツブロワ。
  5. 【請求項5】 前記第1のノズルに隣接させて当該第1
    のノズルよりも口径の小さな第2のノズルを前記第1の
    ノズルの回動範囲の内側にそれぞれ位置するように、か
    つ、前記第2のノズルが円周方向でほぼ90°になるよ
    うに配されていることを特徴とする請求項3記載のスー
    ツブロワ。
  6. 【請求項6】 前記第2のノズルのスロート部の内径を
    Dm、ノズルと灰除去対象部との最小距離をxsとした
    とき、xs/Dm≧40の条件を満足するように前記第
    2のノズルが形成されていることを特徴とする請求項5
    記載のスーツブロワ。
  7. 【請求項7】 前記回動手段は前記管体の炉内への進入
    時と後退時とで回動動作の位相をずらして管体の回動動
    作を行なうことを特徴とする請求項1または3記載のス
    ーツブロワ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183069A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Babcock Hitachi Kk スートブロワ装置
WO2024060338A1 (zh) * 2022-09-21 2024-03-28 华能莱芜发电有限公司 一种锅炉吹灰装置

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JP2007183069A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Babcock Hitachi Kk スートブロワ装置
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