JP2001018678A - ハブクラッチ - Google Patents

ハブクラッチ

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JP2001018678A
JP2001018678A JP11192082A JP19208299A JP2001018678A JP 2001018678 A JP2001018678 A JP 2001018678A JP 11192082 A JP11192082 A JP 11192082A JP 19208299 A JP19208299 A JP 19208299A JP 2001018678 A JP2001018678 A JP 2001018678A
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Japan
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slide gear
electromagnet
hub clutch
gear
meshing
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JP11192082A
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English (en)
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Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気回路のエアギャップを狭くし、安定させ
て、小型の電磁石で操作レスポンスを向上させ、動作と
性能を安定させる。 【解決手段】 車輪側のハウジング7と、駆動車軸41
5に連結されたドライブギヤ3と、ハウジング7とギヤ
3を連結する連結位置と、連結を解除する連結解除位置
とに移動可能なスライドギヤ9と、ギヤ9を移動操作す
る操作手段とを備え、この操作手段が、電磁石11と、
ア−マチャ13と、ア−マチャ13を介してギヤ9を連
結解除位置に押圧する付勢手段15と、付勢手段15の
付勢力を電磁石11がキャンセルするとギヤ9を連結位
置に移動させる付勢手段17とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4輪駆動車におい
て駆動車軸と車輪間の断続を行うハブクラッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のハブクラッチの構造としては、例
えば、特公平2−19010号公報に図6のようなハブ
クラッチ501が記載されており、特公昭62−463
79号公報には図7のようなハブクラッチ601が記載
されている。
【0003】図6のハブクラッチ501は、エンジンの
駆動力によって回転する駆動車軸503、駆動車軸50
3に連結され噛み合い歯505を持ったドライブギヤ5
07、車輪が固定されている車輪ハブ509、車輪ハブ
509にボルト511で固定されたハウジング513、
ハウジング513に固定された電磁石515、スプライ
ン部517によってハウジング513に軸方向移動可能
に連結されると共に、ドライブギヤ507の噛み合い歯
505と係脱可能な噛み合い歯519を持ったスライド
ギヤ521、このスライドギヤ521をドライブギヤ5
07との噛み合いが解除される位置に付勢するリタ−ン
スプリング523などから構成されている。
【0004】車輪ハブ509とハウジング513とスラ
イドギヤ521は磁性材料製であり、電磁石515の磁
気回路を構成している。回転側のハウジング513に固
定された電磁石515にはスリップリングを介して電力
が送られ、スライドギヤ521がア−マチャになる。
又、ドライブギヤ507は非磁性材料製であり、磁気回
路からの磁気の漏洩を防止している。
【0005】ハブクラッチ501は4輪駆動車が2輪駆
動走行する際に切り離される車輪側に配置されている。
トランスファには、ハブクラッチ501側の動力伝達系
とトランスファとを係脱する2−4切り換え機構が設け
られており、この2−4切り換え機構は、ハブクラッチ
501を連結するときに連結され、ハブクラッチ501
の連結を解除するときに連結を解除される。
【0006】電磁石515を励磁すると、磁気回路に磁
力ル−プ525が形成され、リタ−ンスプリング523
を撓めながらスライドギヤ521を吸引し、吸引された
スライドギヤ521はドライブギヤ507と噛み合っ
て、ハブクラッチ501が連結される。
【0007】ハブクラッチ501が連結されると、エン
ジンの駆動力がハブクラッチ501側の車輪に伝達され
て車両は4輪駆動状態になり、悪路などでの走破性や脱
出性が向上するのに加え、電磁石515の励磁を停止す
ると、リタ−ンスプリング523の付勢力によってスラ
イドギヤ521が元の位置に戻り、ドライブギヤ507
との噛み合いが解除され、ハブクラッチ501の連結が
解除されて、車両は2輪駆動状態になり、エンジンの燃
費が向上することができる。
【0008】図7のハブクラッチ601は、エンジンの
駆動力によって回転する駆動車軸603、車輪が固定さ
れている車輪ハブ605、車輪ハブ605にボルト60
7で固定されると共に、内周に噛み合い歯609が形成
されたハウジング611、駆動車軸603に連結された
ドライブギヤ613、車体側のスピンドル615に固定
された電磁石617、ドライブギヤ613と軸方向移動
可能に噛み合いながら、ハウジング611の噛み合い歯
609と係脱可能な噛み合い歯619を持ったスライド
ギヤ621、このスライドギヤ621をドライブギヤ6
13との噛み合いが解除される位置(図7の上半部)に
付勢するリタ−ンスプリング623、電磁石617の励
磁と励磁停止とを行うコントロ−ラ625などから構成
されている。
【0009】また、車輪ハブ605とハウジング611
とスライドギヤ621は磁性材料製であって電磁石61
7の磁気回路を構成し、スライドギヤ621がア−マチ
ャになる。又、ドライブギヤ613は非磁性材料製であ
り、磁気回路からの磁気の漏洩を防止している。
【0010】ハブクラッチ601は4輪駆動車が2輪駆
動走行する際に切り離される車輪側に配置されており、
そのトランスファには、コントロ−ラ625により、ハ
ブクラッチ601の連結と連結解除に連動して連結さ
れ、連結を解除される2−4切り換え機構が設けられて
いる。
【0011】電磁石617を励磁すると、磁気回路に磁
力ル−プ627が形成され、リタ−ンスプリング623
を撓めながらスライドギヤ621を、図7の下半部の位
置に吸引し、吸引されたスライドギヤ621はドライブ
ギヤ613と噛み合って、ハブクラッチ601が連結さ
れ、該ハブクラッチ601が連結されると車両は4輪駆
動状態になる。
【0012】また、電磁石617の励磁を停止すると、
スライドギヤ621がリタ−ンスプリング623の付勢
力によって、図7の上半部の位置に戻り、ドライブギヤ
613との噛み合いが解除されてハブクラッチ601の
連結が解除され、車両は2輪駆動状態になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構造によれ
ば、ハブクラッチ501、601では、スライドギヤ5
21、621が電磁石515、617のア−マチャにな
っており、これらは磁気回路の一部を構成するエアギャ
ップ527、629(空気の層)を介して電磁石51
5、617に吸引されている。
【0014】ところが、スライドギヤ521、621は
連結位置と連結解除位置との間を大きく移動するから、
これらが連結解除位置にあるときは、エアギャップ52
7、629が最も広くなる。
【0015】しかも、周知のように、空気層は磁気抵抗
が極めて大きいから、電磁石515、617は磁気抵抗
の大きいエアギャップ527、629を介してスライド
ギヤ521、621を吸引しなければならず、吸引力が
不足して、操作に対するレスポンスがそれだけ遅くな
り、動作が不安定になり、性能が低下してしまう。
【0016】また、このように電磁石515、617の
吸引力が不足すると、スライドギヤ521の噛み合い歯
519がドライブギヤ507の噛み合い歯505と噛み
合うとき、あるいは、スライドギヤ621の噛み合い歯
619がハウジング611の噛み合い歯609と噛み合
うときに生じるラチェッティングが甚だしくなり易い。
【0017】その上、ハブクラッチ501、601には
各噛み合い歯505、519、609、619の噛み合
いを促進し、円滑に噛み合わせる待ち機構がないからラ
チェッティングが収束しにくい。
【0018】このようなラチェッティングによってスラ
イドギヤ521、621が細かく動き、これに伴ってエ
アギャップ527、629が変動するから、動作が更に
不安定になってしまう。
【0019】また、ラチェッティングによって騒音が発
生する上に、噛み合い歯505、519、609、61
9の耐久性が低下し、あるいは、破損する恐れもある。
【0020】一方、スライドギヤ521の噛み合い歯5
19とドライブギヤ507の噛み合い歯505、及び、
スライドギヤ621の噛み合い歯619とハウジング6
11の噛み合い歯609は、いずれも、歯丈が径方向
(歯幅が軸方向)に形成されているから、大きな噛み合
い強度を得るには噛み合い部に軸方向の充分な噛み合い
幅が必要である。
【0021】従って、各スライドギヤ521、621は
連結解除位置と連結位置の間で移動する距離が長くな
り、それだけエアギャップ527、629が広くなるか
ら、電磁石515、617の吸引力が低下してレスポン
スが更に遅くなり、ラチェッティングが大きくなって動
作が不安定になり、性能が低下する。
【0022】しかし、このようなことを改善するため
に、電磁石515、617を大型にすると、ハブクラッ
チ501、601が大型になって車載性が低下すると共
に、電力消費が大きくなって車載バッテリの負担が増
え、エンジンの燃費が低下する。
【0023】また、ハブクラッチ501、601が連結
された状態では、噛み合い歯505、519、609、
619にトルクが掛かり、生じた摩擦抵抗によってこれ
らの噛み合いが解除されにくくなり、連結解除のレスポ
ンスが遅くなる。
【0024】しかし、これを改善するためにリタ−ンス
プリング523、623の付勢力を強くすると、これに
応じて電磁石515、617を大型にしなければならな
くなってしまう。
【0025】そこで、この発明は、磁気回路のエアギャ
ップを狭くし変動を防止して、小型の電磁石でも速い操
作レスポンスが得られ、動作と性能が安定し、車載性が
向上するハブクラッチの提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1のハブクラッチ
は、車輪側に連結されたハウジングと、エンジンの駆動
力によって回転する駆動車軸と、ハウジングと駆動車軸
との間にそれぞれ噛み合い部を有し、噛み合いによって
これらを連結する連結位置と、噛み合い解除によってこ
の連結を解除する連結解除位置とに移動可能なスライド
ギヤと、このスライドギヤを前記両位置に移動操作する
操作手段とを備え、この操作手段が、電磁石及びア−マ
チャと、このア−マチャを介してスライドギヤを両位置
の一方に押圧する第1の付勢手段と、第1の付勢手段よ
り小さい付勢力でスライドギヤを両位置の他方に押圧す
る第2の付勢手段とからなり、電磁石がア−マチャを移
動操作し第1付勢手段を撓めてスライドギヤの押圧を停
止させると、第2付勢手段がスライドギヤを両位置の他
方に移動させ、電磁石によるア−マチャの移動操作を停
止すると、第1付勢手段が第2付勢手段を撓めながらア
−マチャを介してスライドギヤを両位置の一方に移動さ
せることを特徴とする。
【0027】このように、電磁石がア−マチャを吸引す
ると、このア−マチャの移動によって第1付勢手段が撓
み、スライドギヤの押圧力がキャンセルされ、第2付勢
手段がスライドギヤを移動させる。又、電磁石の励磁を
停止すると、第2付勢手段より付勢力の大きい第1付勢
手段がア−マチャを介してスライドギヤを反対方向に移
動させる。
【0028】そこで、第2付勢手段によってスライドギ
ヤが連結位置に移動するように構成すれば、電磁石を励
磁するとハブクラッチが連結され、励磁を停止すると連
結が解除される。(正作動)
【0029】一方、第1付勢手段によってスライドギヤ
が連結位置に移動するように構成すれば、電磁石を励磁
するとハブクラッチの連結が解除され、励磁を停止する
と連結される。(負作動)
【0030】このように、正作動と負作動の両方を任意
に選ぶことができる。
【0031】正作動を選べば、4輪駆動車において走行
時間の大部分を占める2輪駆動状態で電磁石の励磁を停
止することができるから、それだけ車載バッテリの負担
が低減され、エンジンの燃費が向上する。
【0032】また、請求項1のハブクラッチは、スライ
ドギヤとア−マチャとを別体にしたから、従来例と異な
って、ア−マチャと電磁石とのエアギャップ(ア−マチ
ャの位置)は、スライドギヤのラチェッティングの影響
を受けない。
【0033】従って、スライドギヤにラチェッティング
が生じても、エアギャップが変動することはないから、
ハブクラッチの動作が安定し、性能が向上する。
【0034】しかも、スライドギヤを連結位置に付勢力
する付勢部材が待ち機構になるから、噛み合いが促進さ
れ、噛み合いが円滑に行われる。
【0035】従って、ラチェッティングが収束し易く、
騒音が軽減される上に、噛み合い歯の耐久性が向上す
る。
【0036】さらに、ラチェッティングを軽減するため
に、電磁石を大型にする必要がなくなるから、これに伴
うハブクラッチの大型化、車載性の低下、車載バッテリ
の負担増加、エンジン燃費の低下などが防止される。
【0037】請求項2のハブクラッチは、車輪側に連結
されたハウジングと、エンジンの駆動力によって回転す
る駆動車軸と、ハウジングと駆動車軸の一方に移動可能
に連結されると共に、ハウジングと駆動車軸の他方と間
に係脱可能な噛み合い部を有し、噛み合いによってこれ
らを連結する連結位置と、噛み合い解除によってこの連
結を解除する連結解除位置とに移動可能な磁性部材のス
ライドギヤと、磁気回路を介してこのスライドギヤを前
記両位置の一方に移動操作する電磁石と、スライドギヤ
を前記両位置の他方に付勢する付勢手段とを備え、係脱
可能な前記の噛み合い部が、係脱方向に歯丈が形成され
た噛み合い部であると共に、前記磁気回路の一部を構成
していることを特徴とする。
【0038】電磁石を励磁すると、付勢手段が撓んでス
ライドギヤが一方向に移動し、励磁を停止すると、付勢
手段の付勢力によってスライドギヤが他方向に移動す
る。
【0039】そこで、付勢手段によってスライドギヤが
連結解除位置に移動するように構成すれば、ハブクラッ
チは、電磁石を励磁すると連結され、励磁を停止すると
連結が解除される。(正作動)
【0040】一方、付勢手段によってスライドギヤが連
結位置に移動するように構成すれば、ハブクラッチは、
電磁石を励磁すると連結が解除され、励磁を停止すると
連結される。(負作動)
【0041】このように、正作動と負作動の両方を任意
に選ぶことができる。
【0042】正作動を選べば、車載バッテリの負担が低
減され、エンジンの燃費が向上する。
【0043】また、請求項2のハブクラッチは、噛み合
い部を、係脱方向に歯丈が形成された噛み合い歯で構成
すると共に、この噛み合い部を磁気回路の一部にした。
【0044】従って、この噛み合い部が噛み合っていな
いとき、各噛み合い歯の間に形成される隙間が磁気回路
のエアギャップになる。
【0045】係脱方向(軸方向)に噛み合い歯(歯丈)
が形成された噛み合い部は、歯丈が径方向に形成された
従来例と異なって、噛み合い歯が僅かに移動するだけで
互いの噛み合いが完了し、充分な噛み合い強度が得られ
る。
【0046】従って、スライドギヤは連結解除位置と連
結位置の間の移動距離が極めて短くなり、それだけエア
ギャップが狭くなるから、磁気回路の磁気抵抗が大幅に
低減される。
【0047】従って、電磁石は充分な吸引力が得られる
から、ハブクラッチは、操作に対するレスポンスが極め
て速くなり、動作が安定し、性能が大きく向上する。
【0048】しかも、この充分な吸引力によってスライ
ドギヤのラチェッティングも迅速に収束するから、更
に、レスポンスが速くなり、動作が安定し、性能が向上
する。
【0049】さらに、ラチェッティングによる騒音が軽
減され、噛み合い歯の耐久性が向上するのに加えて、電
磁石を大型にする必要がなくなるから、これに伴うハブ
クラッチの大型化、車載性の低下、車載バッテリの負担
増加、エンジン燃費の低下などが防止される。
【0050】請求項3の発明は、請求項2に記載のハブ
クラッチであって、係脱可能な噛み合い部の噛み合い歯
に、トルクを受けたとき、噛み合い解除方向のカム力を
スライドギヤに与えるカム角を形成したことを特徴と
し、請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0051】これに加えて、噛み合い歯に与えたカム角
によって噛み合い解除方向の力が得られるから、ハブク
ラッチが連結された状態で、噛み合い部に摩擦抵抗が生
じても、噛み合いが解除され易くなり、連結解除のレス
ポンスが改善される。
【0052】また、連結解除のレスポンスを改善するた
めに、付勢手段の付勢力を強くする必要がなく、これに
応じて電磁石を大型にする必要がないから、電磁石を大
型にすることによる、上記のような問題が生じない。
【0053】
【発明の実施の形態】図1と図5によって本発明の第1
実施形態(ハブクラッチ1)を説明する。
【0054】ハブクラッチ1は請求項1の特徴を備えて
いる。図1はハブクラッチ1を示し、図5は各実施形態
のハブクラッチが用いられた4輪駆動車の動力系を示
す。なお、左右の方向はこの車両及び図1での左右の方
向である。また、符号を与えていない部材等は図示され
ていない。
【0055】図5の動力系は、エンジン401、トラン
スミッション403、トランスファ405、トランスフ
ァ405内に設けられた2−4切り換え機構407、前
輪側のプロペラシャフト409、フロントデフ411
(エンジン401の駆動力を左右の前輪に配分するデフ
ァレンシャル装置)、前車軸413、415、実施例の
ハブクラッチ1、1、左右の前輪417、419、後輪
側のプロペラシャフト421、リヤデフ423(エンジ
ン401の駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシ
ャル装置)、後車軸425、427、左右の後輪42
9、431などから構成されている。
【0056】2−4切り換え機構407はトランスファ
405と前輪417、419側の動力伝達系を切り離
す。又、各ハブクラッチ1は2−4切り換え機構407
と連動して連結され、連結を解除される。
【0057】エンジン401の駆動力はトランスミッシ
ョン403からトランスファ405とプロペラシャフト
421とを介してリヤデフ423に伝達され、左右の後
輪429、431に分配される。
【0058】前記2−4切り換え機構407と左右のハ
ブクラッチ1が連結されていると、エンジン401の駆
動力は2−4切り換え機構407からプロペラシャフト
409を介してフロントデフ411に伝達され、ハブク
ラッチ1、1を介して左右の前輪417、419に分配
される。
【0059】こうして、車両は4輪駆動状態になり、悪
路の走破性や脱出性が向上する。
【0060】一方、2−4切り換え機構407と左右の
ハブクラッチ1の連結をそれぞれ解除すると、前輪41
7、419側が切り離されて車両は2輪駆動状態にな
る。
【0061】さらに、ハブクラッチ1、1の連結解除に
よって、2−4切り換え機構407から各ハブクラッチ
1までの前輪側動力伝達系は、エンジン401の回転
と、前輪417、419の連れ回りの両方から遮断され
て回転が停止し、振動、騒音、磨耗などが防止される。
【0062】以下、右前輪419側のハブクラッチ1を
例にして説明をする。
【0063】ハブクラッチ1は、ドライブギヤ3、車輪
ハブ5、ハウジング7、スライドギヤ9、電磁石11、
ア−マチャ13、リタ−ンスプリング15(第1の付勢
手段)、シフトスプリング17(第2の付勢手段)、コ
ントロ−ラなどから構成されている。
【0064】ドライブギヤ3は、右前車軸415(駆動
車軸)の先端部にスプライン連結され、スナップリング
によって位置決めされており、ドライブギヤ3の外周に
は噛み合い歯19が形成されている。
【0065】前車軸415は車体側の中空スピンドル2
1を貫通しており、滑り軸受けを介してスピンドル21
に支承されている。
【0066】車輪ハブ5は、スラストベアリング23に
よってスピンドル21の外周に支承されている。このス
ラストベアリング23は、ワッシャ25を介してロック
ナット27に押圧され、余分なガタを無くし、センタリ
ングされている。
【0067】前記車輪ハブ5には右前輪419が固定さ
れている。
【0068】ハウジング7と車輪ハブ5は、プレ−ト2
9を挟みボルト31によって互いに固定されている。固
定される前、車輪ハブ5とハウジング7はノックピン3
3によってセンタリングされる。
【0069】ハウジング7の内周には、噛み合い歯35
が形成されており、スライドギヤ9は、外周の噛み合い
歯37によってこの噛み合い歯35に移動自在に連結さ
れている。
【0070】また、前記スライドギヤ9の内周には、噛
み合い歯39が形成されており、この噛み合い歯39は
ドライブギヤ3の噛み合い歯19と係脱可能である。
【0071】ドライブギヤ3の先端部には支持リング4
0が圧入されている。この支持リング40とハウジング
7との間にはボ−ルベアリング41が配置されており、
ドライブギヤ3とハウジング7とをセンタリングするこ
とによって、ドライブギヤ3とスライドギヤ9の各噛み
合い歯19、39が円滑に係脱できるようにされてい
る。
【0072】電磁石11のコア43は、支持部材45を
介してスピンドル21に固定されている。
【0073】スピンドル21には2本の溝47が設けら
れており、各溝47には薄い銅板49(導通板)が通っ
ている。電磁石11のコイル51はこれらの銅板49を
介して車載のバッテリに接続されている。
【0074】ア−マチャ13には凹部53が設けられて
おり、電磁石11のコア43はこの凹部53に貫入する
ように配置されている。
【0075】ア−マチャ13とコア43との間には、エ
アギャップ55が形成されている。
【0076】リタ−ンスプリング15は、ア−マチャ1
3に固定されたリテ−ナ57とプレ−ト29との間に配
置されている。リタ−ンスプリング15はシフトスプリ
ング17より付勢力が強くされており、他に力が働かな
いときは、シフトスプリング17を撓め、ア−マチャ1
3(リテ−ナ57)を介してスライドギヤ9を、図1の
下半部に示す連結解除位置に移動させる。
【0077】スライドギヤ9がこの連結解除位置まで移
動すると、その噛み合い歯39とドライブギヤ3の噛み
合い歯19との噛み合いが解除され、ハブクラッチ1の
連結が解除される。
【0078】シフトスプリング17は、スライドギヤ9
とハウジング7との間に配置されている。リタ−ンスプ
リング15より付勢力の弱いシフトスプリング17は、
リタ−ンスプリング15の付勢力がキャンセルされる
と、スライドギヤ9を、図1の上半部に示す連結位置に
移動させる。
【0079】スライドギヤ9がこの連結位置に移動する
と、その噛み合い歯39がドライブギヤ3の噛み合い歯
19と噛み合って、ハブクラッチ1が連結される。
【0080】コントロ−ラは、2−4切り換え機構40
7の連結に連動して電磁石11を励磁し、2−4切り換
え機構407の連結解除に連動して電磁石11の励磁を
停止する。
【0081】該電磁石11を励磁すると、磁力ル−プ5
9が形成されてア−マチャ13が吸引され、ア−マチャ
13が吸引されるとリタ−ンスプリング15が撓んで付
勢力がキャンセルされ、上記のように、シフトスプリン
グ17によってスライドギヤ9が連結位置に移動し、ハ
ブクラッチ1が連結される。
【0082】このとき、スライドギヤ9の噛み合い歯3
9とドライブギヤ3の噛み合い歯19とを噛み合わせよ
うとするシフトスプリング17が待ち機構になり、これ
らの噛み合わせが促進されるから、スライドギヤ9(各
噛み合い歯19、39)のラチェッティングが迅速に収
束する。
【0083】前記ハブクラッチ1が連結されると、車両
は4輪駆動状態になる。
【0084】一方、電磁石11の励磁を停止すると、上
記のように、スライドギヤ9がリタ−ンスプリング15
によって連結解除位置に移動し、ハブクラッチ1の連結
が解除され、ハブクラッチ1の連結が解除されると、車
両は2輪駆動状態になる。
【0085】このように、正作動構成のハブクラッチ1
は、4輪駆動車において走行時間の大部分を占める2輪
駆動状態で電磁石11の励磁を停止することができるか
ら、車載バッテリの負担が大幅に低減され、エンジン4
01の燃費が向上する。
【0086】なお、例えば、図1の下半部の状態で、ス
ライドギヤ9の噛み合い歯39をドライブギヤ3の噛み
合い歯19の左側に形成すれば、ハブクラッチ1とは反
対に、電磁石11を励磁するとハブクラッチの連結が解
除され、励磁を停止すると連結される負作動構成にする
ことができる。
【0087】また、2−4切り換え機構407によって
後輪429、431側の動力伝達系を切り離すように構
成すれば、ハブクラッチ1を後車軸425、427と後
輪429、431との間にそれぞれ配置してもよい。
【0088】こうして、第1実施形態のハブクラッチ1
が構成されている。
【0089】ハブクラッチ1は、スライドギヤ9とア−
マチャ13とを別体にし、リタ−ンスプリング15がア
−マチャ13を介してスライドギヤ9を連結解除位置に
付勢し、電磁石11がリタ−ンスプリング15の付勢力
をキャンセルすると、シフトスプリング17がスライド
ギヤ9を連結位置に移動させるように構成したから、従
来例と異なって、ア−マチャ13と電磁石11とのエア
ギャップ55(ア−マチャ13の位置)は、スライドギ
ヤ9のラチェッティングの影響を受けない。
【0090】従って、スライドギヤ9にラチェッティン
グが生じても、エアギャップ55が変動することはない
から、ハブクラッチ1は動作が安定し、性能が向上す
る。
【0091】しかも、上記のように、シフトスプリング
17が待ち機構になり、スライドギヤ9のラチェッティ
ングを迅速に収束させるから、騒音が軽減される上に、
噛み合い歯19、39の耐久性が向上する。
【0092】これにより、ラチェッティングを軽減する
ために、電磁石11を大型にする必要がなくなるから、
これに伴うハブクラッチ1の大型化、車載性の低下、車
載バッテリの負担増加、エンジン燃費の低下などが防止
される。
【0093】また、電磁石11が車体側のスピンドル2
1に固定されているから、バッテリと接続するためのス
リップリングやブラシのような摺動部と消耗部材が不要
である。
【0094】従って、電磁石11への電力供給が安定す
ることにより、ハブクラッチ1は動作と性能が更に安定
すると共に、高い耐久性が得られる。
【0095】次に、図2と図5によって本発明の第2実
施形態(ハブクラッチ101)を説明する。
【0096】ハブクラッチ101は請求項1の特徴を備
えており、図2はハブクラッチ101を示す。なお、左
右の方向は図5の車両及び図2での左右の方向であり、
符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0097】なお、図2及びハブクラッチ101の説明
の中で、図1のハブクラッチ1と同機能の部材には同一
の符号を与えて引用する。
【0098】以下、右前輪419側のハブクラッチ10
1を例にして説明をする。
【0099】ハブクラッチ101は、ドライブギヤ3、
車輪ハブ5、ハウジング7、スライドギヤ9、電磁石1
1、ア−マチャ13、リタ−ンスプリング103(第1
の付勢手段)、シフトスプリング17(第2の付勢手
段)、ブラシ105、スリップリング107、コントロ
−ラなどから構成されている。
【0100】電磁石11のコア43は、ボルト109に
よってハウジング7に固定されている。
【0101】ブラシ105は、ボルト111によってプ
レ−ト29に固定されており、電磁石11のコイル51
から引き出されているリ−ド線113は、このブラシ1
05に接続されている。
【0102】また、スリップリング107は、スピンド
ル21の外周に形成された溝115に係合して固定され
ている。スリップリング107はスピンドル21の溝4
7を通る銅板49を介して車載のバッテリに接続されて
いると共に、ブラシ105と摺動しながら回転側(ハウ
ジング7側)の電磁石11に電力を供給する。
【0103】リタ−ンスプリング103は、コイルスプ
リングであり、ア−マチャ13に固定されたリテ−ナ5
7とハウジング7との間に配置されている。リタ−ンス
プリング103は周方向等間隔に複数個が配置されてい
る。
【0104】これらのリタ−ンスプリング103の付勢
力の合計は、シフトスプリング17の付勢力より強くさ
れており、他に力が働かないときは、シフトスプリング
17を撓め、ア−マチャ13(リテ−ナ57)を介して
スライドギヤ9を図2の下半部に示す連結解除位置に移
動させる。
【0105】スライドギヤ9が連結解除位置まで移動す
ると、その噛み合い歯39とドライブギヤ3の噛み合い
歯19との噛み合いが解除され、ハブクラッチ101の
連結が解除される。
【0106】シフトスプリング17は、スライドギヤ9
とプレ−ト29との間に配置されており、リタ−ンスプ
リング103の付勢力がキャンセルされると、スライド
ギヤ9を図2の上半部に示す連結位置に移動させる。
【0107】スライドギヤ9が連結位置まで移動する
と、その噛み合い歯39がドライブギヤ3の噛み合い歯
19と噛み合って、ハブクラッチ101が連結される。
【0108】電磁石11を励磁すると、ア−マチャ13
が吸引されてリタ−ンスプリング103の付勢力がキャ
ンセルされ、上記のように、シフトスプリング17によ
ってスライドギヤ9が連結位置に移動し、ハブクラッチ
1が連結され、車両は4輪駆動状態になる。
【0109】このとき、シフトスプリング17が待ち機
構になり、各噛み合い歯19、39の噛み合わせが促進
され、スライドギヤ9のラチェッティングが迅速に収束
する。
【0110】一方、電磁石11の励磁を停止すると、上
記のように、スライドギヤ9がリタ−ンスプリング10
3によって連結解除位置に移動し、ハブクラッチ101
の連結が解除され、車両は2輪駆動状態になる。
【0111】このように、正作動構成のハブクラッチ1
01は、走行時間の大部分を占める2輪駆動状態で電磁
石11の励磁が停止されるから、車載バッテリの負担が
低減され、エンジン401の燃費が向上する。
【0112】なお、例えば、図2の下半部の状態で、ス
ライドギヤ9の噛み合い歯39をドライブギヤ3の噛み
合い歯19の右側に形成すれば、ハブクラッチ101と
反対に、電磁石11の励磁を停止するとハブクラッチが
連結される負作動構成にすることができる。
【0113】また、2−4切り換え機構407で後輪4
29、431側の動力伝達系を切り離すように構成し、
ハブクラッチ101を後車軸425、427と後輪42
9、431との間にそれぞれ配置してもよい。
【0114】こうして、第2実施形態のハブクラッチ1
01が構成されている。
【0115】ハブクラッチ101は、スライドギヤ9と
ア−マチャ13とを別体にし、リタ−ンスプリング15
がア−マチャ13を介してスライドギヤ9を連結解除位
置に付勢し、電磁石11がリタ−ンスプリング15の付
勢力をキャンセルすると、シフトスプリング17がスラ
イドギヤ9を連結位置に移動させるように構成したこと
によって、ハブクラッチ1と同等の効果を得る。
【0116】しかも、電磁石11とア−マチャ13の両
方がハウジング7に固定されているから、これらの間の
エアギャップ55を狭く設定し易く、従って、電磁石1
1の磁力ロスがそれだけ低減され、ハブクラッチ101
は、更に、レスポンスが速くなり、動作が安定し、性能
が向上する。
【0117】次に、図3と図5によって本発明の第3実
施形態(ハブクラッチ201)を説明する。
【0118】ハブクラッチ201は請求項2の特徴を備
えており、図3はハブクラッチ201を示す。なお、左
右の方向は図5の車両及び図3での左右の方向であり、
符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0119】なお、図3及びハブクラッチ201の説明
の中で、上記各実施形態と同機能の部材には同一の符号
を与えて引用する。
【0120】以下、右前輪419側のハブクラッチ20
1を例にして説明をする。
【0121】ハブクラッチ201は、ドライブギヤ20
3、車輪ハブ5、ハウジング7、スライドギヤ205、
電磁石11、リタ−ンスプリング207(付勢手段)、
コントロ−ラなどから構成されている。
【0122】ドライブギヤ203は磁性材料で作られて
おり、電磁石11の磁気回路の一部になる。
【0123】ドライブギヤ203は右前車軸415の先
端部にスプライン連結され、スナップリングによって位
置決めされている。ドライブギヤ203の右側には噛み
合い歯209が形成されており、この噛み合い歯209
は歯丈が軸方向(係脱方向)に形成されている。
【0124】スライドギヤ205は磁性材料で作られて
おり、電磁石11のア−マチャになる。
【0125】スライドギヤ205の外周には噛み合い歯
211が形成されており、スライドギヤ205はこの噛
み合い歯211によってハウジング7の噛み合い歯35
に移動自在に連結されている。
【0126】前記スライドギヤ205の左側には噛み合
い歯213が形成されている。この噛み合い歯213は
歯丈が軸方向(係脱方向)に形成されており、ドライブ
ギヤ203の噛み合い歯209と係脱可能である。
【0127】ドライブギヤ203の先端部には支持リン
グ40が圧入されている。この支持リング40とハウジ
ング7との間にはボ−ルベアリング41が配置されてお
り、ドライブギヤ203とハウジング7とをセンタリン
グすることによって、ドライブギヤ203とスライドギ
ヤ205の各噛み合い歯209、213が円滑に係脱で
きるようにされている。
【0128】リタ−ンスプリング207は、プレ−ト2
9とスライドギヤ205との間に配置されており、他に
力が働かないときは、スライドギヤ205を、図3の下
半部に示す連結解除位置に移動させる。
【0129】電磁石11とドライブギヤ203との間に
はエアギャップ215が形成されている。又、スライド
ギヤ205が連結解除位置にあるとき、各噛み合い歯2
09、213の間にエアギャップ217が形成される。
これらのエアギャップ215、217は電磁石11の磁
気回路の一部を構成する。
【0130】なお、電磁石11とドライブギヤ203の
エアギャップ215は、前車軸415上のドライブギヤ
203の位置と、スピンドル21上の電磁石11の位置
を調整することによって、最小限に狭く設定されてい
る。
【0131】電磁石11を励磁すると、磁気回路に磁力
ル−プ219が形成されてスライドギヤ205を吸引
し、図3の上半部に示す連結位置に移動させる。
【0132】スライドギヤ205が連結位置に移動する
と、その噛み合い歯213がドライブギヤ203の噛み
合い歯209と噛み合って、ハブクラッチ1が連結さ
れ、車両は4輪駆動状態になる。
【0133】一方、電磁石11の励磁を停止すると、上
記のように、スライドギヤ205がリタ−ンスプリング
207によって連結解除位置に移動し、噛み合い歯20
9、213の噛み合いが解除され、ハブクラッチ1の連
結が解除されて、車両は2輪駆動状態になる。
【0134】前記ドライブギヤ203には、ステンレス
鋼のような非磁性材料のリング221が外周側と内周側
とを分断して配置されている。このリング221は磁力
ル−プ215の短絡を防止し、電磁石11の磁力をスラ
イドギヤ205に効果的に集中させ、ハブクラッチ20
1のレスポンス、動作、性能を向上させている。
【0135】また、正作動構成のハブクラッチ201
は、2輪駆動状態で電磁石11の励磁を停止することが
できるから、車載バッテリの負担が低減され、エンジン
401の燃費が向上する。
【0136】なお、例えば、スプリングでスライドギヤ
205を連結位置に付勢し、電磁石11でスライドギヤ
205を連結解除位置に移動させるようにすれば、ハブ
クラッチ201と反対に、電磁石11の励磁を停止する
とハブクラッチが連結される負作動構成にすることがで
きる。
【0137】また、2−4切り換え機構407で後輪4
29、431側の動力伝達系を切り離すように構成し、
ハブクラッチ201を後車軸425、427と後輪42
9、431との間にそれぞれ配置してもよい。
【0138】こうして、第3実施形態のハブクラッチ2
01が構成されている。
【0139】ハブクラッチ201は、ドライブギヤ20
3とスライドギヤ205の噛み合い部を、歯丈が係脱方
向に形成された噛み合い歯209、213で構成すると
共に、噛み合い歯209、213の間のエアギャップ2
17が磁気回路の一部になっている。
【0140】このように、歯丈が係脱方向の噛み合い歯
209、213は、噛み合い歯505、519、60
9、619の歯丈が係脱方向と直角に形成された従来例
と異なって、スライドギヤ205が僅かに移動するだけ
で互いの噛み合いが完了し、充分な噛み合い強度が得ら
れる。
【0141】従って、スライドギヤ205は連結解除位
置と連結位置の間の移動距離が極めて短くてすみ、それ
だけエアギャップ217が狭くなるから、磁気回路の磁
気抵抗が大幅に低減される。
【0142】こうして、電磁石11は充分な吸引力が得
られ、ハブクラッチ201はレスポンスが極めて速くな
り、動作が安定し、性能が大きく向上する。
【0143】しかも、この充分な吸引力によってスライ
ドギヤ205のラチェッティングも迅速に収束するか
ら、更に、レスポンスが速くなり、動作が安定し、性能
が向上する。
【0144】さらに、ラチェッティングによる騒音が軽
減され、噛み合い歯209、213の耐久性が向上す
る。
【0145】また、充分な吸引力が得られることによ
り、電磁石11を大型にする必要がなくなるから、これ
に伴うハブクラッチ201の大型化、車載性の低下、車
載バッテリの負担増加、エンジン401の燃費低下など
が防止される。
【0146】加えて、第1実施形態のハブクラッチ1と
同様に、電磁石11が車体側のスピンドル21に固定さ
れており、スリップリングやブラシのような摺動部と消
耗部材が不要であるから、電磁石11への電力供給が安
定し、ハブクラッチ201は動作と性能が安定すると共
に、高い耐久性が得られる。
【0147】次に、図4と図5によって本発明の第4実
施形態(ハブクラッチ301)を説明する。
【0148】ハブクラッチ301は請求項2の特徴を備
えており、図4はハブクラッチ301を示す。なお、左
右の方向は図5の車両及び図4での左右の方向であり、
符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0149】なお、図4及びハブクラッチ301の説明
の中で、上記各実施形態と同機能の部材には同一の符号
を与えて引用する。
【0150】以下、右前輪419側のハブクラッチ30
1を例にして説明をする。
【0151】ハブクラッチ301は、ドライブギヤ20
3、車輪ハブ5、ハウジング7、スライドギヤ205、
電磁石11、リタ−ンスプリング303(付勢力手
段)、ブラシ105、スリップリング107、コントロ
−ラなどから構成されている。
【0152】上記のハブクラッチ101と同様に、電磁
石11には、ブラシ105とスリップリング107とを
介して車載バッテリから電力が供給される。
【0153】リタ−ンスプリング303はコイルスプリ
ングであり、スライドギヤ205とハウジング7との間
に配置されている。リタ−ンスプリング303は周方向
等間隔に複数個が配置されている。
【0154】電磁石11を励磁すると、磁気回路に磁力
ル−プ305が形成されてスライドギヤ205を吸引
し、図4の上半部に示す連結位置に移動させる。
【0155】スライドギヤ205が連結位置に移動する
と、その噛み合い歯213がドライブギヤ203の噛み
合い歯209と噛み合って、ハブクラッチ1が連結さ
れ、車両は4輪駆動状態になる。
【0156】一方、電磁石11の励磁を停止すると、ス
ライドギヤ205がリタ−ンスプリング303によって
連結解除位置に移動し、噛み合い歯209、213の噛
み合いが解除され、ハブクラッチ1の連結が解除され
て、車両は2輪駆動状態になる。
【0157】第4実施形態のハブクラッチ301は、ド
ライブギヤ203とスライドギヤ205に歯丈が係脱方
向の噛み合い歯209、213を形成すると共に、噛み
合い歯209、213の間のエアギャップ217を磁気
回路の一部にしたことによって、ハブクラッチ201と
同等の効果を得ている。
【0158】前記ハブクラッチ301は、ハブクラッチ
201と同様に、負作動構成も可能であり、後輪側にも
配置可能である。
【0159】なお、ドライブギヤ203とスライドギヤ
205に係脱方向の歯丈の噛み合い歯209、213を
形成したハブクラッチ201、301において、各噛み
合い歯209、213にカム角を与え、トルクを受けた
とき噛み合い解除方向のカム力がスライドギヤ205に
掛かるようにしてもよい。
【0160】これは請求項3の構成であり、このように
すれば、ハブクラッチ201、301が連結されている
間トルクを受けて噛み合い歯209、213に摩擦抵抗
が生じても、スライドギヤ205が抜け易くなり、連結
解除のレスポンスが改善される。
【0161】しかも、連結解除のレスポンスを改善する
ために、リタ−ンスプリング207、303の付勢力を
強くする必要がなく、これに応じて電磁石11を大型に
する必要がないから、電磁石11を大型にすることに伴
う、ハブクラッチ201、301の大型化、車載性の低
下、車載バッテリの負担増加、エンジン401の燃費低
下などが防止される。
【0162】なお、噛み合い歯505、519、60
9、619の歯丈が係脱方向と直角に形成された従来例
では、このような請求項3の構成は不可能である。
【0163】
【発明の効果】請求項1のハブクラッチは、スライドギ
ヤとア−マチャとを別体にしたことにより、ア−マチャ
と電磁石とのエアギャップがスライドギヤのラチェッテ
ィングの影響から解放され、変動しなくなるから、ハブ
クラッチの動作が安定し、性能が向上する。
【0164】しかも、スライドギヤを連結位置に付勢力
する付勢部材が待ち機構になり、噛み合いが円滑になる
から、ラチェッティングが収束し易く、騒音が軽減さ
れ、噛み合い歯の耐久性が向上する。
【0165】また、ラチェッティングを軽減するために
電磁石を大型にする必要がないから、これに伴うハブク
ラッチの大型化、車載性の低下、車載バッテリの負担増
加、エンジン燃費の低下などが防止される。
【0166】請求項2のハブクラッチは、係脱方向に歯
丈が形成された噛み合い歯で噛み合い部を構成したか
ら、噛み合い歯が僅かに移動するだけで互いの噛み合い
が完了し、充分な噛み合い強度が得られる。
【0167】また、スライドギヤの移動距離が短くな
り、噛み合い歯の間に形成されるエアギャップが狭くな
って、磁気回路の磁気抵抗が大幅に低減されるから、レ
スポンスが極めて速くなり、動作が安定し、性能が大き
く向上する。
【0168】しかも、スライドギヤのラチェッティング
が迅速に収束するから、レスポンスが速くなり、動作が
安定し、性能が向上し、ラチェッティングによる騒音が
軽減され、噛み合い歯の耐久性が向上する。
【0169】請求項3の発明は、請求項2の構成と同等
の効果を得ると共に、噛み合い歯に与えたカム角によっ
て、連結解除のレスポンスが改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のハブクラッチを示す断
面図である。
【図2】第2実施形態のハブクラッチ示す断面図であ
る。
【図3】第3実施形態のハブクラッチ示す断面図であ
る。
【図4】第4実施形態のハブクラッチ示す断面図であ
る。
【図5】各実施形態のハブクラッチを用いた四輪駆動車
の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図6】第1の従来例を示す断面図である。
【図7】第2の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,101,201,301 ハブクラッチ 3,203 ドライブギヤ 7 ハウジング 9,205 スライドギヤ 11 電磁石 13 ア−マチャ 15,103 リタ−ンスプリング(第1の付勢手段) 17 シフトスプリング(第2の付勢手段) 19 ドライブギヤ3の噛み合い歯 39 スライドギヤ9の噛み合い歯 207,303 リタ−ンスプリング(付勢手段) 209 ドライブギヤ203に設けられた噛み合い歯2
09(歯丈が係脱方向) 213 スライドギヤ205に設けられた噛み合い歯2
13(歯丈が係脱方向) 55,217,305 エアギャップ 415 前車軸(駆動車軸)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪側に連結されたハウジングと、エン
    ジンの駆動力によって回転する駆動車軸と、ハウジング
    と駆動車軸との間にそれぞれ噛み合い部を有し、噛み合
    いによってこれらを連結する連結位置と、噛み合い解除
    によってこの連結を解除する連結解除位置とに移動可能
    なスライドギヤと、このスライドギヤを前記両位置に移
    動操作する操作手段とを備え、この操作手段が、電磁石
    及びア−マチャと、このア−マチャを介してスライドギ
    ヤを両位置の一方に押圧する第1の付勢手段と、第1の
    付勢手段より小さい付勢力でスライドギヤを両位置の他
    方に押圧する第2の付勢手段とからなり、電磁石がア−
    マチャを移動操作し第1付勢手段を撓めてスライドギヤ
    の押圧を停止させると、第2付勢手段がスライドギヤを
    両位置の他方に移動させ、電磁石によるア−マチャの移
    動操作を停止すると、第1付勢手段が第2付勢手段を撓
    めながらア−マチャを介してスライドギヤを両位置の一
    方に移動させることを特徴とするハブクラッチ。
  2. 【請求項2】 車輪側に連結されたハウジングと、エン
    ジンの駆動力によって回転する駆動車軸と、ハウジング
    と駆動車軸の一方に移動可能に連結されると共に、ハウ
    ジングと駆動車軸の他方と間に係脱可能な噛み合い部を
    有し、噛み合いによってこれらを連結する連結位置と、
    噛み合い解除によってこの連結を解除する連結解除位置
    とに移動可能な磁性部材のスライドギヤと、磁気回路を
    介してこのスライドギヤを前記両位置の一方に移動操作
    する電磁石と、スライドギヤを前記両位置の他方に付勢
    する付勢手段とを備え、係脱可能な前記の噛み合い部
    が、係脱方向に歯丈が形成された噛み合い部であると共
    に、前記磁気回路の一部を構成していることを特徴とす
    るハブクラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明であって、係脱可能
    な噛み合い部の噛み合い歯に、トルクを受けたとき、噛
    み合い解除方向のカム力をスライドギヤに与えるカム角
    を形成したことを特徴とするハブクラッチ。
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