JP2001017824A - 湿式排煙脱硫装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置

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JP2001017824A
JP2001017824A JP11190479A JP19047999A JP2001017824A JP 2001017824 A JP2001017824 A JP 2001017824A JP 11190479 A JP11190479 A JP 11190479A JP 19047999 A JP19047999 A JP 19047999A JP 2001017824 A JP2001017824 A JP 2001017824A
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ammonium sulfate
thickener
flue gas
separated
gas desulfurization
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Tetsuo Kawamura
哲雄 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各構成機器の構造を簡略化し得且つ設備費の
節減を図ることができ、保守点検も容易で発展途上国等
にも適用し得る湿式排煙脱硫装置を提供する。 【解決手段】 吸収塔12から抜き出される吸収液17
に含まれる煤塵や重金属といった固形分を沈降させるシ
ックナ46と、該シックナ46で沈降分離された固形分
を脱水して回収する遠心分離型のデカンタ47と、前記
シックナ46で固形分が沈降分離された上澄液48が供
給され、該上澄液48から硫安28を析出させる大気圧
型結晶槽49と、該大気圧型結晶槽49で析出させた硫
安28を脱水して回収する遠心分離型のデカンタ50と
を具備せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙中の二酸化硫
黄をアンモニアにより吸収し、更に副生成物として硫酸
アンモニウム(硫安)を回収する湿式排煙脱硫装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは燃料中の窒素、硫黄が
燃焼により窒素酸化物、酸化硫黄となり、排ガス中に含
まれている。これらの窒素酸化物NOx、酸化硫黄SO
x(大部分がSO2)は大気汚染の原因となるので、石
炭焚ボイラプラントの排煙処理システムには、窒素酸化
物を除去するための脱硝装置、酸化硫黄を除去するため
の脱硫装置が設けられている。
【0003】図3において、石炭焚ボイラプラントの排
煙処理システムについての概略を説明する。
【0004】石炭焚ボイラ1からの排ガスは脱硝装置2
で窒素酸化物が除去される。該脱硝装置2を通過した排
ガスは空気予熱器3で燃焼用空気と熱交換して、燃焼用
空気を加熱し、更にガスガスヒータの熱回収器4を経て
電気集塵機5を通過し、該電気集塵機5を通過する過程
で煤塵等の固形分が除去される。誘引通風機6により前
記電気集塵機5から出た排ガスが脱硫装置7に送風され
る。該脱硫装置7で酸化硫黄が除去された排ガスがガス
ガスヒータの再加熱器8で加熱される。該ガスガスヒー
タの再加熱器8からの排ガスは通風機9により昇圧さ
れ、煙突10より大気中に排出される。図3中、11は
燃焼用空気を送風するための押込通風機である。尚、石
炭焚ボイラプラントの規模によっては、前記ガスガスヒ
ータの熱回収器4及び再加熱器8が省略され、脱硫装置
7からの排ガスが該脱硫装置7と一体化された煙突10
から直接排出される場合もある。
【0005】図4により前述した従来の脱硫装置7につ
いて説明する。
【0006】煙突が一体化された吸収塔12には、排ガ
ス導入ライン13、補給水供給ライン14、酸化空気供
給ライン15、アンモニア水供給ライン16が接続さ
れ、前記電気集塵機5からの排ガスが排ガス導入ライン
13を介して導入され、前記吸収塔12の下部には吸収
液17が貯留される。又、前記吸収塔12には吸収液1
7を撹拌する撹拌機18が設けられると共に吸収液循環
ポンプ19を具備する吸収液循環ライン20が設けら
れ、該吸収液循環ライン20から分岐して硫安回収ライ
ン21が設けられる。
【0007】前記硫安回収ライン21の上流側より、フ
ィルタ22、結晶缶23、分離機24が順次設けられ、
前記硫安回収ライン21のフィルタ22より上流側に
は、前記アンモニア水供給ライン16より分岐したアン
モニア水供給分岐ライン25が接続されている。
【0008】前記吸収塔12には図示していないがpH
検出器が設けられ、前記アンモニア水供給ライン16、
アンモニア水供給分岐ライン25にはそれぞれ図示して
いない流量制御弁が設けられている。
【0009】図4に示される従来の湿式排煙脱硫装置に
おいては、排ガス導入ライン13より排ガスが吸収塔1
2内に導かれ、該吸収塔12内に噴霧される吸収液17
と気液接触し、吸収液17のアンモニア水と排ガス中の
二酸化硫黄とが
【化1】 2NH4OH+SO2→(NH42SO3+H2O で示される脱硫反応をして、排ガス中から二酸化硫黄が
吸収液17に吸収される。
【0010】該吸収液17は前記吸収塔12底部に貯留
され、吸収液循環ポンプ19の作動により吸収液循環ラ
イン20を循環する。前記排ガス中から二酸化硫黄を吸
収した吸収液17の一部が硫安回収ライン21から抜き
出され、且つ前記吸収塔12内での吸収液17が所要レ
ベルに維持されるよう補給水供給ライン14から水が補
給される。又、前記吸収液17のpHがpH検出器によ
り検出され、該pH検出器で検出されたpHが所定の値
となるよう、アンモニア水供給ライン16からのアンモ
ニア水供給量が制御される。
【0011】前記酸化空気供給ライン15からは酸化空
気が前記吸収液17内に吹き込まれ、該吸収液17は前
記撹拌機18により撹拌される。酸化空気が前記吸収液
17内に吹き込まれることで、脱硫反応で生成した亜硫
酸アンモニウム((NH42SO3)が
【化2】 (NH42SO3+1/2O2→(NH42SO4 で示される酸化反応により更に酸化され、硫安((NH
42SO4)が生成される。尚、前記吸収液17に酸化
空気を吹き込むことで、条件によっては局部的に硫酸が
生成されることがあるが、前記撹拌機18により吸収液
17が撹拌されることで、酸化が均一化される。従っ
て、吸収液17のpHが安定し、pHの制御即ちアンモ
ニア水供給ライン16からのアンモニア水供給量の制御
が容易になる。前記吸収塔12底部に貯留された吸収液
17のpHは5〜6に維持される。
【0012】前述のように撹拌機18を設けることで、
pHの変動が抑止され、脱硫性能の低下、不安定化が避
けられる。
【0013】又、排ガス中に含まれる煤塵は、吸収液1
7との気液接触で捕捉され、前記吸収塔12底部に貯留
された吸収液17に含まれるが、前記撹拌機18で吸収
液17が撹拌されることで、吸収塔12底部に煤塵が沈
殿することが防止される。
【0014】前記吸収液循環ライン20を循環する吸収
液17の一部(硫安溶解液26)が硫安回収ライン21
から抜き出される。該硫安回収ライン21には前記アン
モニア水供給分岐ライン25からアンモニア水が供給さ
れ、抜き出された吸収液17のpHが調整される。調整
されるpHは、フィルタ22の上流でpHが7以上、例
えばpH7〜8となるように制御される。pHを上昇さ
せることで、重金属を析出させる。
【0015】pHの調整された硫安溶解液26はフィル
タ22を通過することで、煤塵及び前記析出した重金属
が除去される。煤塵及び重金属が除去された硫安溶解液
26は結晶缶23に貯留され、該結晶缶23において蒸
気27を熱源として加熱され蒸発し、硫安溶解液26の
硫安濃度が上昇し、硫安が析出する。析出した硫安28
は分離機24により、分離され、系外に取り出される。
硫安28を分離した後の分離液は、戻しライン29を経
て前記結晶缶23に戻される。
【0016】石炭焚ボイラ1の燃料である石炭中には微
量ではあるが塩化水素(HCl)が含まれており、アン
モニア水で二酸化硫黄を吸収する際に塩化アンモニウム
(塩安)(NH4Cl)が生成するため、前記硫安溶解
液26には微量であるが脱硫過程で生成した塩安が溶解
している。塩安の濃度は結晶缶23での加熱蒸発、分離
機24での硫安28の分離、更に前記戻しライン29を
経て結晶缶23へ戻す過程で漸次濃縮して行く。
【0017】ここで、硫安28と塩安との溶解度を示す
と下記の通りである。
【表1】 温度 0[℃] 20[℃] 60[℃] 100[℃] (NH42SO4 41.35[%] 42.85[%] 46.6[%] 50.4[%] NH4Cl 22.7[%] 27.1[%] 35.6[%] 43.6[%]
【0018】硫安28と塩安の溶解度は60[℃]で4
6.6[%]及び35.6[%]であるが、両者が同時
に溶解している状態の複合溶解度は両者の溶解度の和と
はならない。そこで、塩安が混在しながらも硫安28が
析出する硫安濃度下であるが塩安が析出しない範囲を把
握した上で、できるだけ塩安濃度の高い領域で運転する
ことが、系外の分離液抜出量を最小にすることになる。
【0019】例えば、塩安の60[℃]の複合溶解度が
15[%]であると仮定し、前記吸収塔12から抜き出
された硫安溶解液26中の塩安の溶解度が0.5[%]
であるとすると、塩安の複合溶解度が15[%]に至る
まで分離液が濃縮されても、前記戻しライン29での塩
安の析出はないことになる。
【0020】而して、前記分離機24で分離された分離
液が塩安の複合溶解度を越えない値で、分離液の一部を
系外に排出する。このときの塩安の溶解度は、例えば5
[%]以上10[%]以下とする。従って、排出される
分離液の塩安濃度を10[%]とすると、分離液の排出
量は前記吸収塔12から抜き出した吸収液17の1/2
0となり、極めて少量となる。更に、脱硫装置7で処理
する排ガスの量が50000[m3N/h]で、含有す
る二酸化硫黄が2000[ppm]であるとすると、含
有する塩化水素の含有量にもよるが、前記分離液の排出
量は略30[l/h]に迄減少する。他の排煙脱硫処理
法、例えば水酸化マグネシウム法では同様の条件で排出
する排液の量は5000[l/h]であり、図4に示さ
れる脱硫装置7において排出される液の量が著しく少な
いことがわかる。
【0021】又、図4に示される脱硫装置7では、硫安
回収ライン21で硫安溶解液26に含まれる煤塵及び重
金属をフィルタ22で除去しているので、前記戻しライ
ン29には煤塵及び重金属は殆ど含まれておらず、更に
高濃度の硫安、塩安が含まれている。塩安も硫安と同様
肥料であり、排出される分離液自体が液体肥料である。
従って、分離液を植林の肥料等に使用すれば、排液を全
くなくすことができる。
【0022】ところで、図4に示されるような湿式排煙
脱硫装置においては、脱硫後の吸収液17(硫安溶解液
26)からの煤塵及び重金属といった固形分除去を行う
ためのフィルタ22として、珪藻土等の濾過助剤を使う
ものを使用し、硫安28を析出させるための結晶缶23
として、内部を負圧に保持する真空型のものを使用し、
更に硫安28を分離するための分離機24として遠心濾
過型のものを使用していた。
【0023】珪藻土等の濾過助剤を使うフィルタ22
は、例えば、図5に示されるように、下部に原液入口3
0が形成されたフィルタベッセル31と、該フィルタベ
ッセル31内に供給された原液(硫安溶解液26)の濾
過を行うフィルタエレメント32と、該フィルタエレメ
ント32で濾過された濾液を外部へ排出するレジスタパ
イプ33の三つの主要部で構成されており、原液入口3
0からフィルタベッセル31内にポンプ(図示せず)で
圧入された原液(硫安溶解液26)は、図6に示される
如く、フィルタエレメント32の濾布34により濾過さ
れ、スリットよりキャンドルピース35内に流入し、下
方に流れ、更に、ライザパイプ36に集まって上方に押
し出され、レジスタパイプ33(図5参照)に回収さ
れ、濾布34は、ポンプ圧力により、キャンドルピース
35に密着し星形となり、その上に煤塵や重金属からな
るケーキが形成される一方、ケーキ排出時には、図7に
示される如く、バックブローエアによって、キャンドル
ピース35に星形に密着した濾布34を丸く膨らませる
ことにより、ケーキを剥離させ、回収するようになって
いる。
【0024】又、遠心濾過型の分離機24は、例えば、
図8に示されるように、円筒形フレーム37の上に原液
入口38と分離液出口39とを備えた円錐形カバー40
を取り付け、該円錐形カバー40内に、円錐形のバスケ
ットスクリーン41を電動機42によるベルト43駆動
により回転可能に設けると共に、円錐形ロータに螺旋状
の羽根を付けたスクレーパ44を前記バスケットスクリ
ーン41の内側で該バスケットスクリーン41と同心に
回転するよう配設し、且つバスケットスクリーン41と
スクレーパ44とが適当な隙間を保ちながら一定の相対
速度を持って同一方向へ回転するようにしてなる構成を
有しており、原液入口38から導入されたスラリーは、
円錐形のバスケットスクリーン41の内側に薄い層とな
って分散し、固体粒子はスクレーパ44の回転によって
掻き取られ、下方に移行しながら脱水されて円筒形フレ
ーム37内部の排出シュート45から排出され、分離液
は遠心力によってバスケットスクリーン41のスリット
を通過し、分離液出口39から排出されるようになって
いる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く、脱硫後の吸収液17からの煤塵や重金属といった
固形分除去に、珪藻土等の濾過助剤を使うフィルタ22
を使用し、硫安28の析出に真空型の結晶缶23を使用
し、更に硫安28の分離に遠心濾過型の分離機24を使
用するのでは、各構成機器の構造が複雑化し且つ設備費
の高騰につながると共に、保守点検にも専門知識が必要
となり、発展途上国等には適用が困難になるという欠点
を有していた。
【0026】本発明は、斯かる実情に鑑み、各構成機器
の構造を簡略化し得且つ設備費の節減を図ることがで
き、保守点検も容易で発展途上国等にも適用し得る湿式
排煙脱硫装置を提供しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収塔内でア
ンモニアを吸収剤として排ガスの脱硫を行い、硫安を回
収するようにした湿式排煙脱硫装置において、吸収塔か
ら抜き出される吸収液に含まれる固形分を沈降させるシ
ックナと、該シックナで沈降分離された固形分を脱水し
て回収する遠心分離型のデカンタと、前記シックナで固
形分が沈降分離された上澄液が供給され、該上澄液から
硫安を析出させる大気圧型結晶槽と、該大気圧型結晶槽
で析出させた硫安を脱水して回収する遠心分離型のデカ
ンタとを備えたことを特徴とする湿式排煙脱硫装置にか
かるものである。
【0028】前記湿式排煙脱硫装置においては、吸収塔
から抜き出されてシックナへ供給される吸収液に、pH
調整用アンモニア水と凝集剤とを添加するよう構成する
ことが有効である。
【0029】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0030】吸収塔から抜き出される吸収液に含まれる
煤塵や重金属といった固形分は、シックナにおいて沈降
され、該シックナで沈降分離された固形分は、遠心分離
型のデカンタにおいて脱水されて回収され、前記シック
ナで固形分が沈降分離された上澄液は大気圧型結晶槽へ
供給され、該大気圧型結晶槽において上澄液から硫安が
析出され、該大気圧型結晶槽で析出させた硫安は、遠心
分離型のデカンタにおいて脱水されて回収される。
【0031】このように、脱硫後の吸収液からの煤塵や
重金属といった固形分除去に、珪藻土等の濾過助剤を使
うフィルタを使用せずにシックナと遠心分離型のデカン
タとを使用し、硫安の析出に真空型の結晶缶を使用せず
に大気圧型結晶槽を使用し、更に硫安の分離に遠心濾過
型の分離機を使用せず遠心分離型のデカンタを使用する
ことにより、各構成機器の構造が複雑化せず簡略化さ
れ、且つ設備費が安く済むと共に、保守点検にも専門知
識が必要とならず、発展途上国等にも適用が可能とな
る。
【0032】前記湿式排煙脱硫装置において、吸収塔か
ら抜き出されてシックナへ供給される吸収液に、pH調
整用アンモニア水と凝集剤とを添加するよう構成する
と、抜き出された吸収液のpHが7〜8となるよう調整
することにより、重金属の析出が促進されると共に、該
重金属が析出した吸収液に凝集剤を添加することによ
り、該吸収液に含まれる煤塵や重金属といった固形分の
前記シックナでの沈降分離効果が高められる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0034】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表
わしており、基本的な構成は図4に示す従来のものと同
様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示
す如く、吸収塔12から抜き出される吸収液17(硫安
溶解液26)に含まれる煤塵や重金属といった固形分を
沈降させるシックナ46と、該シックナ46で沈降分離
された固形分を脱水して回収する遠心分離型のデカンタ
47と、前記シックナ46で固形分が沈降分離された上
澄液48が供給され、該上澄液48から硫安28を析出
させる大気圧型結晶槽49と、該大気圧型結晶槽49で
析出させた硫安28を脱水して回収する遠心分離型のデ
カンタ50とを具備せしめた点にある。
【0035】前記シックナ46より上流側の硫安回収ラ
イン21には、アニオン系或いはカチオン系の凝集剤を
前記吸収液17に添加するための凝集剤添加ライン51
を接続してある。
【0036】前記デカンタ47において固形分から分離
された分離液は、戻しライン52を介して前記シックナ
46より上流側の硫安回収ライン21に戻し、前記デカ
ンタ50において硫安28から分離された分離液は、戻
しライン53を介して前記大気圧型結晶槽49に戻すよ
うにしてある。
【0037】又、前記デカンタ47,50としては、例
えば、図2に示すように、ケーシング54内に、円筒部
55と円錐部56とを有する外胴57を回転可能に配設
し、該外胴57の円筒部55の反円錐部56側の端部に
分離液の排出口58を設けると共に外胴57の円錐部5
6に固形分の吐出口59を設け、前記外胴57内にスク
リューコンベヤ60を外胴57と僅かな回転速度差を持
たせて回転可能となるよう配設し、前記スクリューコン
ベヤ60の中心部に、外胴57内へ原液を供給するため
のフィードパイプ61を同芯状に配設してなる構成を有
し、前記外胴57とスクリューコンベヤ60とを僅かな
回転速度差を持たせて回転させた状態で、フィードパイ
プ61から原液を外胴57内へ供給することにより、遠
心力で原液中の固形分を外胴57の内壁に付着堆積さ
せ、該外胴57の内壁に付着堆積させた固形分をスクリ
ューコンベヤ60により外胴57の円錐部56へ移行さ
せて吐出口59から吐出させると共に、固形分が分離さ
れた分離液を排出口58から排出させるようにしたもの
を使用する。
【0038】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0039】吸収塔12から抜き出される吸収液17
(硫安溶解液26)に含まれる煤塵や重金属といった固
形分は、シックナ46において沈降され、該シックナ4
6で沈降分離された固形分は、遠心分離型のデカンタ4
7において脱水されて回収され、前記シックナ46で固
形分が沈降分離された上澄液48は大気圧型結晶槽49
へ供給され、該大気圧型結晶槽49において上澄液48
から硫安28が析出され、該大気圧型結晶槽49で析出
させた硫安28は、遠心分離型のデカンタ50において
脱水されて回収される。
【0040】ここで、前記シックナ46より上流側の硫
安回収ライン21にはアンモニア水供給分岐ライン25
からアンモニア水が供給され、抜き出された吸収液17
のpHが7〜8となるよう調整され、重金属が析出して
おり、しかも、前記シックナ46より上流側の硫安回収
ライン21には凝集剤添加ライン51からアニオン系或
いはカチオン系の凝集剤が供給され、前記吸収液17に
添加されているため、該吸収液17に含まれる煤塵や重
金属といった固形分の前記シックナ46での沈降分離効
果が高められる。
【0041】尚、従来において使用されるフィルタ22
(図4〜図7参照)の場合、珪藻土等の濾過助剤は、非
常に高価であり且つ多量に必要となるのに対し、前記凝
集剤は、前記濾過助剤より安価で、且つその量は前記吸
収塔12から抜き出される吸収液17に対しておよそ1
[ppm]程度でよく、例えば、吸収塔12から抜き出
される吸収液17が10[ton/h]である場合に
は、凝集剤は10[g/h]程度でよいことになる。
【0042】このように、脱硫後の吸収液17からの煤
塵や重金属といった固形分除去に、珪藻土等の濾過助剤
を使うフィルタ22を使用せずにシックナ46と遠心分
離型のデカンタ47とを使用し、硫安28の析出に真空
型の結晶缶23を使用せずに大気圧型結晶槽49を使用
し、更に硫安28の分離に遠心濾過型の分離機24を使
用せず遠心分離型のデカンタ50を使用することによ
り、各構成機器の構造が複雑化せず簡略化され、且つ設
備費が安く済むと共に、保守点検にも専門知識が必要と
ならず、発展途上国等にも適用が可能となる。
【0043】こうして、各構成機器の構造を簡略化し得
且つ設備費の節減を図ることができ、保守点検も容易で
発展途上国等にも適用し得る。
【0044】尚、本発明の湿式排煙脱硫装置は、上述の
図示例にのみ限定されるものではなく、煙突が別途設け
られる湿式排煙脱硫装置についても実施可能であるこ
と、又、硫安回収ライン21を吸収液循環ライン20よ
り分岐させる代りに、吸収塔12より吸収液17を直接
抜き出すようにしてもよいこと、又、アンモニア水供給
分岐ライン25からシックナ46の上流にpH調整のた
めのアンモニア水を供給する代りに、アンモニア水供給
ライン16とは独立してシックナ46の上流にアンモニ
ア水を供給するようにしてもよいこと等、その他、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の湿式排煙
脱硫装置によれば、各構成機器の構造を簡略化し得且つ
設備費の節減を図ることができ、保守点検も容易で発展
途上国等にも適用し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の概要構成図であ
る。
【図2】本発明を実施する形態の一例におけるデカンタ
の概略図である。
【図3】湿式排煙脱硫装置を含む石炭焚ボイラプラント
の排煙処理システムの一例を表わす全体概要構成図であ
る。
【図4】従来の湿式排煙脱硫装置の一例の概要構成図で
ある。
【図5】従来の湿式排煙脱硫装置において使用されてい
るフィルタの一例を表わす一部切断斜視図である。
【図6】図5に示されるフィルタにおいて原液の濾過時
におけるフィルタエレメントを表わす斜視図である。
【図7】図5に示されるフィルタにおいてケーキの排出
時におけるフィルタエレメントを表わす斜視図である。
【図8】従来の湿式排煙脱硫装置において使用されてい
る遠心濾過型の分離機の一例を表わす側断面図である。
【符号の説明】
7 脱硫装置 12 吸収塔 13 排ガス導入ライン 16 アンモニア水供給ライン 17 吸収液 19 吸収液循環ポンプ 20 吸収液循環ライン 21 硫安回収ライン 25 アンモニア水供給分岐ライン 26 硫安溶解液 27 蒸気 28 硫安 46 シックナ 47 デカンタ 48 上澄液 49 大気圧型結晶槽 50 デカンタ 51 凝集剤添加ライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収塔内でアンモニアを吸収剤として排
    ガスの脱硫を行い、硫安を回収するようにした湿式排煙
    脱硫装置において、 吸収塔から抜き出される吸収液に含まれる固形分を沈降
    させるシックナと、 該シックナで沈降分離された固形分を脱水して回収する
    遠心分離型のデカンタと、 前記シックナで固形分が沈降分離された上澄液が供給さ
    れ、該上澄液から硫安を析出させる大気圧型結晶槽と、 該大気圧型結晶槽で析出させた硫安を脱水して回収する
    遠心分離型のデカンタとを備えたことを特徴とする湿式
    排煙脱硫装置。
  2. 【請求項2】 吸収塔から抜き出されてシックナへ供給
    される吸収液に、pH調整用アンモニア水と凝集剤とを
    添加するよう構成した請求項1記載の湿式排煙脱硫装
    置。
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