JP2001016947A - 小型キャベツ収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】収穫したキャベツを収容でき、走行面の左右傾
斜にも対応でき、作業者が乗れるようにする。 【解決手段】 機体の先端部に、キャベツを機体の進行
と共に掻き込む左右一対の掻き込み装置を設け、この掻
き込み装置に続いて掻き込まれたキャベツを引き抜いて
挟持し後方に向け搬送する搬送装置を設け、この搬送装
置の下部にキャベツの不要部分を切除する切断装置を設
けて収穫部を構成した小型キャベツ収穫機であって、
１．走行装置を左右一対のクローラ２０とし、収穫部の
左右両側に、収穫したキャベツを収容するコンテナを載
置するコンテナ載置台１８を設けた。２．収穫部１５の
側方に原動機１７を配設した。３．左右の走行装置２
０，２０にそれぞれ上下調節機能２０ａを持たせ、走行
面が左右に傾斜していても機体を水平に保持できるよう
にした。４．収穫部１５の後端部に、作業者Ａが乗用で
きるステップ１９を、使用位置と不使用位置とに回動可
能に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高さ調節可能のクロー
ラを装備し、前後にストレートの収穫部の両側にコンテ
ナ載置台を設け、乗用できるステップを使用位置と不使
用位置とに回動可能に設けた小型のキャベツ収穫機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、後端部に操縦装置を設け、走行装
置により走行する機体の先端部に、圃場に植生している
キャベツを機体の進行と共に掻き込む左右一対の掻き込
み装置を設け、この掻き込み装置に続いて該掻き込み装
置により掻き込まれたキャベツを引き抜いて挟持し後方
に向け搬送する搬送装置を設け、この搬送装置の下部に
キャベツの不要部分を切除する切断装置を設けて収穫部
を構成した小型の歩行型キャベツ収穫機を、本出願人は
特願平１１−４３１００号、特願平１１−４３１０１
号、特願平１１−４４８４４号、特願平１１−４５８１
９号などにより提案している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記小型の歩行型キャ
ベツ収穫機においては、走行装置が左右一対の車輪であ
り、収穫したキャベツを収容するコンテナを載置する載
置台を備えておらず、このため、．機体高さが高く、
走行が不安定であり、．収穫したキャベツを収容する
コンテナを積載して運搬することができない、．収穫
走行面が左右に傾斜していても機体を水平に保持できる
よう修正することができない、．作業者は歩行のみで
乗用できなかった、といった問題点があった。本発明
は、上記の問題点を解決することを目的になされたもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、 Ａ．後端部に操縦装置を設け、走行装置により走行する
機体の先端部に、圃場に植生しているキャベツを機体の
進行と共に掻き込む左右一対の掻き込み装置を設け、こ
の掻き込み装置に続いて該掻き込み装置により掻き込ま
れたキャベツを引き抜いて挟持し後方に向け搬送する搬
送装置を設け、この搬送装置の下部にキャベツの不要部
分を切除する切断装置を設けて収穫部を構成した小型キ
ャベツ収穫機において、走行装置を左右一対のクローラ
とし、収穫部の左右両側に、収穫したキャベツを収容す
るコンテナを載置するコンテナ載置台を設けたことを特
徴としている。

【０００５】Ｂ．収穫部の側方に原動機を配設したこと
を特徴としている。

【０００６】Ｃ．左右の走行装置にそれぞれ上下調節機
能を持たせ、走行面が左右に傾斜していても機体を水平
に保持できるようにしたことを特徴としている。

【０００７】Ｄ．収穫部の後端部に、作業者が乗用でき
るステップを、使用位置と不使用位置とに回動可能に設
けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】上記の構成によって本発明の小型キャベツ収穫
機は、以下の作用をする。 ．上記Ａ．の構成を備えることにより、走行装置を左
右一対のクローラとすることで、機体を低く支持して安
定した走行性が得られる。また、収穫部の左右両側にコ
ンテナ載置台を設けることで、収穫したキャベツを収容
したコンテナを載置して運搬することができる。

【０００９】．上記Ｂ．の構成を備えることにより、
原動機は収穫部の側方に配設され、収穫部の幅が狭くな
って、中割収穫作業が可能となり、収穫したキャベツを
機体先端部から作業者の手元まで一直線に搬送できる。

【００１０】．上記Ｃ．の構成を備えることにより、
左右のクローラにそれぞれ上下調節機能を持たせている
ことで、収穫機の走行面が左右に傾斜していても、左右
のクローラを上下調節して機体を水平に保持することが
できる。

【００１１】．上記Ｄ．の構成を備えることにより、
作業者が乗用できるステップを、使用位置と不使用位置
とに回動可能に設けることで、乗用型と歩行型を兼用で
きる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面を参照して具体的に説明する。図において、符号
１は歩行型と乗用型を兼用できる小型のキャベツ収穫機
で、このキャベツ収穫機１は、後端部に操縦ハンドル、
操作レバー等からなる操縦装置３を設けた走行機体２の
先端部分に、圃場の栽培畝Ｎに植生しているキャベツを
機体の進行と共に掻き込む左右一対の掻き込みディスク
からなる掻き込み装置４を設けている。この掻き込み装
置４前側に、機体２から前方に突出し、栽培畝Ｎの肩部
に接する畝高さセンサ５を設けている。

【００１３】この畝高さセンサ５は、支持アーム６の先
端部に取付けた制御ボックス７に上端部を前後回動自在
に軸支した揺動アーム８の下端部に上皿状のセンサディ
スク９を、栽培畝Ｎの上面（肩面）に接して機体の進行
と共に水平方向に回転自在に軸支している。揺動アーム
８の上端回動部には図示しない操作子が設けられ、この
操作子の前後位置に上昇スイッチと下降スイッチが所定
間隔開けて設けられている。

【００１４】掻き込み装置４に続いて、該掻き込み装置
４により掻き込まれたキャベツを引き抜いて挟持し後方
に向け搬送する搬送装置１０が設けられている。この搬
送装置１０の下部にキャベツの不要部分を切除する切断
装置１１を設けている。この搬送装置１０は、掻き込み
装置４から切断装置１１に至る間にキャベツの引き抜か
れた根茎部を左右両側から挟持して搬送するスクリュー
コンベヤ１２を設け、該スクリューコンベヤ１２の上方
から後方にかけてキャベツの結球部を左右両側から挟持
して搬送する挟持搬送ベルト１３を設けている。

【００１５】切断装置１１は円板状の一対の回転切断刃
からなり、主としてキャベツの根茎部を切断する大径の
根茎部切断刃１１ａと、主としてキャベツの外葉を切断
する小径の外葉切断刃１１ｂとを、それぞれの先端をわ
ずかにラップさせ、かつ上下にわずかに段差を有して設
けている。また、切断装置１１の根茎部切断刃１１ａ及
び外葉切断刃１１ｂは、切断装置高さ調節ハンドル１４
により高さが調節可能である。そして、これらにより収
穫部１５を構成している。

【００１６】収穫部１５は、図示しないが、その後端部
が機体２に対して上下回動可能に枢支されており、前端
部は畝高さセンサ５のセンサディスク９により支持され
ていて、栽培畝Ｎに沿って走行させたとき、機体２と収
穫部１５との間に介装した図示しない油圧シリンダを伸
縮させて掻き込み装置４の高さが一定になるように制御
している。収穫部１５の側方の機体２には、エンジン１
７が搭載されている。また、エンジン１７を含む収穫部
１５の左右両側には収穫されたキャベツを収納したコン
テナを載置するコンテナ載置台１８，１８が設けられて
いる。

【００１７】収穫部１５の挟持搬送ベルト１３の搬送終
端部に臨んで、挟持搬送ベルト１３から排出されたキャ
ベツの結球部を、作業者Ａが包丁等で不要部分を切除し
て仕上げ調製する調製用作業台１６が設けられている。
収穫部１５後方の機体２の後端部には、作業者が乗用で
きるステップ１９を、使用位置と不使用位置とに回動支
点１９ａを中心に前後回動可能に設けている。機体２に
は左右対をなしスピン旋回を可能にすると共に、油圧シ
リンダ２０ａにより上下高さが変更可能のクローラ２
０，２０を装備している。エンジン１７は、原動機とし
て、バッテリにより駆動されるモータにしてもよいもの
である。エンジン１７から変速装置を介してクローラ２
０及び収穫部１５に動力伝達され、操縦装置３の左右の
操縦ハンドルには、機体の左右操向操作を行うサイドク
ラッチが設けられている。

【００１８】次に、上記のように構成されたキャベツ収
穫機１の動作について説明する。キャベツ収穫機１は、
キャベツを栽培している圃場において収穫作業を行うと
き、クローラ２０，２０をキャベツの栽培畝Ｎに跨らせ
て導入し、畝高さセンサ５のセンサディスク９を栽培畝
Ｎの肩部に接し、掻込みホイール４，４をキャベツ列に
対向させた状態で、掻込みホイール４，４、切断装置１
１、スクリューコンベア１２，１２、挟持搬送ベルト１
３等の各回転駆動部を回転駆動させる。そして、クロー
ラ２０，２０により機体を走行させと、栽培畝Ｎに植生
しているキャベツは、掻込みホイール４，４により根茎
部が掻き込まれてスクリューコンベア１２，１２により
両側から挟持され、スクリューコンベア１２，１２自体
の回転と機体の前進とによって引き抜かれ、停滞なく後
方へ送られる。掻込みホイール４，４は畝高さセンサ５
により高さが自動制御される。

【００１９】そして、スクリューコンベア１２，１２に
より根茎部が挟持搬送されるキャベツの結球部は、後方
に搬送される過程で挟持搬送ベルト１３により側部が左
右から挟持されて安定した姿勢で移動し、その移動途中
で不要部分が切断装置１１より切除される。不要部が切
除されたキャベツは結球部が挟持搬送ベルト１３により
後方に搬送されてその搬送端から調製用作業台１６上に
排出され、作業者Ａが手に持って包丁等で仕上げ調製す
る。仕上げ調製されたキャベツの結球部は、コンテナ載
置台１８に載置された図示しないコンテナに収容され
る。搬送ベルト１３の搬送端から結球部と共に排出され
た下葉等の不要物は機体下側の圃場に排出される。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明の小型キャベ
ツ収穫機によれば、以下の作用効果を奏することができ
る。

【００２１】．走行装置を左右一対のクローラとし、
収穫部の左右両側に、収穫したキャベツを収容するコン
テナを載置するコンテナ載置台を設けたので、クローラ
により機体を低く支持して安定して走行することができ
る。また、収穫したキャベツを収容したコンテナを載置
して移動運搬することができる。

【００２２】．収穫部の側方に原動機を配設したの
で、収穫部の幅を狭く構成することができ、中割収穫作
業が可能となり、収穫したキャベツを機体先端部から作
業者の手元まで一直線に搬送することができる。

【００２３】．左右の走行装置にそれぞれ上下調節機
能を持たせ、走行面が左右に傾斜していても機体を水平
に保持できるようにしたので、収穫機の走行面が左右に
傾斜していても、左右のクローラを上下調節して機体を
水平に保持することができ、作業精度を向上させ、安全
な作業を行うことができる。

【００２４】．収穫部の後端部に、作業者が乗用でき
るステップを、使用位置と不使用位置とに回動可能に設
けたので、乗用型あるいは歩行型に簡単に切り替えて、
選択して作業することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による小型キャベツ収穫機の全体平面図
である。

【図２】同側面図である。

【符号の説明】

１ キャベツ収穫機 ２ 機体 ３ 操縦装置 ４ 掻き込み装置 ５ 畝高さセンサ ６ 支持アーム ７ 制御ボックス ８ 揺動アーム ９ センサディスク １０ 搬送装置 １１ 切断装置 １１ａ 根茎部切断刃 １１ｂ 外葉
切断刃 １２ スクリューコンベア １３ 挟持搬送ベルト １４ 切断装置高さ調節ハンドル １５ 収穫部 １６ キャベツの仕上げ調製用作業台 １７ エンジン（原動機） １８ コンテナ載置台 １９ 作業者用ステップ １９ａ 回動支点 ２０ クローラ ２０ａ 高さ調節用油圧シリンダ Ａ 作業者 Ｎ キャベツの栽培畝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小渕 敏之 岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式 会社内 Ｆターム(参考） 2B075 AA10 GA01 GA06

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後端部に操縦装置を設け、走行装置によ
   り走行する機体の先端部に、圃場に植生しているキャベ
   ツを機体の進行と共に掻き込む左右一対の掻き込み装置
   を設け、この掻き込み装置に続いて該掻き込み装置によ
   り掻き込まれたキャベツを引き抜いて挟持し後方に向け
   搬送する搬送装置を設け、この搬送装置の下部にキャベ
   ツの不要部分を切除する切断装置を設けて収穫部を構成
   した小型キャベツ収穫機において、 走行装置を左右一対のクローラとし、収穫部の左右両側
   に、収穫したキャベツを収容するコンテナを載置するコ
   ンテナ載置台を設けたことを特徴とする小型キャベツ収
   穫機。
2. 【請求項２】 収穫部の側方に原動機を配設したことを
   特徴とする請求項１記載の小型キャベツ収穫機。
3. 【請求項３】 左右の走行装置にそれぞれ上下調節機能
   を持たせ、走行面が左右に傾斜していても機体を水平に
   保持できるようにしたことを特徴とする請求項１又は２
   記載の小型キャベツ収穫機。
4. 【請求項４】 収穫部の後端部に、作業者が乗用できる
   ステップを、使用位置と不使用位置とに回動可能に設け
   たことを特徴とする請求項１、２又は３記載の小型キャ
   ベツ収穫機。