JP2001015138A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池

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JP2001015138A
JP2001015138A JP11185375A JP18537599A JP2001015138A JP 2001015138 A JP2001015138 A JP 2001015138A JP 11185375 A JP11185375 A JP 11185375A JP 18537599 A JP18537599 A JP 18537599A JP 2001015138 A JP2001015138 A JP 2001015138A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低加湿条件においてても安定に電池の運転の
できる固体高分子型燃料電池の提供。 【解決手段】 ガス流路を有するセパレータ板と、アノ
ード電極と、電解質膜と、カソード電極と、ガス流路を
有するセパレータ板とを順次積層した単セルを複数積層
した固体高分子型燃料電池において、該アノード電極の
温度および該カソード電極の温度のいずれか一方を他方
より高くする手段を有することを特徴とする固体高分子
型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池のセル構造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、水素と酸素と
を利用して直流電力を発生する燃料電池の一種である。
この燃料電池は、電解質に高分子膜を用いており、出力
が高く電池寿命が長いことなどの特徴を具えている。
【0003】図1に固体高分子型燃料電池スタックを構
成する基本構成を上面よりみた断面図の一部を示す。燃
料電池スタックは、単セル1および冷却板2を直列に多
数積層したものである。この単セル1は、電解質膜3を
アノード電極4およびカソード電極5で挟んで積層した
MEA(膜電極接合体)6と、その両側に設けたセパレ
ータ板7および7′からなる。アノード電極4に接して
設けられたセパレータ板7は、燃料ガスのガス流路8を
有しており、カソード電極5に接して設けられたセパレ
ータ板7′は、酸化剤ガスのガス流路9が設けられてい
る。
【0004】冷却板2は、電池温度を一定に保つため、
1〜数セルごとに挿入される。冷却手段としては、冷却
水の循環による水冷方式や、空気による空冷方式などが
ある。
【0005】ここで、固体高分子型燃料電池の電解質膜
として、固体高分子電解質膜が用いられており、このた
め固体高分子型燃料電池では、電解質膜の中の電気抵抗
率を低下させプロトン導電性を十分に発揮させるために
電解質膜が十分に湿潤している必要がある。従来法で
は、電解質膜の乾燥を防ぎ、電解質膜を十分に湿潤させ
るために膜加湿法や、セル温度に近い飽和水蒸気を有す
る反応ガスを用いる方法を採用している。そして、その
反応ガスを加湿して電池に用いる方法としては、外部加
湿方法と内部加湿方法が挙げられる。
【0006】外部加湿方法は、加湿水が流れる外部に備
えた加湿タンク内に反応ガスを吹き込み、通過させるこ
とによりガスを加湿する。しかし、この方法を用いた場
合、加湿したガスを加湿タンクから配管内を通して電池
内に流す間に、高露点のガスを凝縮してしまうので、こ
れを防ぐために配管の加熱保温を必要とし、電池システ
ムとしての構造の複雑化、コストアップという問題が生
じてくる。
【0007】一方、内部加湿方法としては、特開平9−
35737号公報および特開平9−92309号公報な
どに記載の方法が挙げられる。特開平9−35737号
公報には、複数個の単位燃料電池と、単位燃料電池で発
生した熱を除去する熱媒が通流する熱交換体の複数個と
が積層された積層体の両側に反応ガスを加湿するための
加湿器を有した燃料電池スタックが記載されている。特
開平9−92309号公報には、各単セルにそれぞれ隣
接して加湿部を設け、多孔質支持体と水透過膜を通して
セパレータのガス通流部に通流されるガスを加湿する手
段を有する燃料電池スタックが記載されている。しか
し、内部加湿部の温度は、通常電池の運転温度と等しい
かそれ以下であるため、高露点の加湿ガスを得ることは
難しい。
【0008】また、上述した加湿方法ではシステム全体
の効率を考えると、加湿のために供給する水分を所定の
温度に昇温するエネルギーが必要となり、システムの効
率を下げる原因となるため、加湿温度は低いことが要求
される。従って、電池システムを複雑化することなく、
安定した電池特性にて電池を運転するためには、低加湿
ガスの供給によって、安定運転を可能とする固体高分子
型電池であることが望ましい。さらに、上述したように
供給するガスを加湿して電池に用いるのではなく、ガス
を加湿することなく電池に供給し、運転が可能となるな
らば、加湿タンクなど加湿のための部分が不要となり、
電池システムの簡略化、コストダウンが可能となり、さ
らに好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低加湿
運転においては、ガス入口においてMEA(膜電極接合
体)が乾燥する。MEAの乾燥したセルはセル内部抵抗
を増大させ、セル特性を低下させる。本発明は、セル構
造の改良により、低加湿条件においても安定に電池の運
転ができることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題、つまり低加
湿運転においても電池を安定に運転するためには、湿潤
側の電極温度を乾燥側の電極温度より高くすることによ
り、湿潤側の電極から乾燥側の電極へのMEA内での水
の拡散を良好にし、MEA内部での水の移動により乾燥
を防ぐ。
【0011】本発明の固体高分子型燃料電池は、ガス流
路を有するセパレータ板と、アノード電極と、電解質膜
と、カソード電極と、ガス流路を有するセパレータ板と
を順次積層した単セルを複数積層した固体高分子型燃料
電池において、該アノード電極の温度および該カソード
電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手段を有
する。
【0012】さらに、アノード電極の温度および前記カ
ソード電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手
段としては、以下にあげる手段が好ましい。
【0013】1)それぞれ異なる熱伝導率を有するアノ
ード電極に隣接するセパレータ板およびカソード電極に
隣接するセパレータ板を用いる。
【0014】ここで、異なる熱伝導率を有するために、
アノード電極に隣接するセパレータ板およびカソード電
極に隣接するセパレータ板のいずれか一方にグラッシー
カーボンを用い、他方にグラファイトを用いることが好
ましい。または、アノード電極に隣接するセパレータ板
およびカソード電極に隣接するセパレータ板のいずれか
一方により多くの樹脂を含浸させた黒鉛を用いることも
好ましい。
【0015】2)アノード電極に隣接するセパレータ板
の外側と、カソード電極に隣接するセパレータ板の外側
に、冷却水をそれぞれ別系統で流し、一方の冷却水温度
を他方の冷却水温度より高くする。
【0016】3)アノード電極に隣接するセパレータ板
の外側およびカソード電極に隣接するセパレータ板の外
側に、冷却水をそれぞれ別系統で流し、一方の冷却水流
速を他方の冷却水流速より速くする。
【0017】4)セパレータ板に隣接して積層された冷
却板が冷却水流路を片側のみに有し、冷却板の中央部が
熱伝導性の低い材料であり、その中央部の外側部分が熱
伝導性および導電性の両方が高い材料であること。
【0018】以下に、本発明についてより詳細に記載す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、低加湿運転においても
電池を安定に運転するために、湿潤側の電極温度を乾燥
側の電極温度より高くすることを特徴としている。電極
間に温度差を付けることによって、湿潤側の電極から乾
燥側の電極のMEA内での水の拡散を良好にし、MEA
内部での水の移動により乾燥を防ぐことが可能となる。
なお、本明細書でいう「低加湿ガス」とはセル温度より
低い露点のガスのことをいい、「低加湿運転」とはアノ
ードおよびカソードの少なくとも一方に低加湿ガスを用
いる運転のことをいう。
【0020】電極間の温度差によるMEA内部での水の
移動について、図5を参照しながら説明する。図5に電
解質膜中の含水率分布の模式図を示す。
【0021】電解質膜は、高温ほど多くの水を含むこと
ができるという特徴を持つ。湿潤側の電極a)の温度を
乾燥側の電極b)より高くすると、電極a)近傍の電解
質膜は、電極b)近傍の電解質膜より多く含水し得る。
a)側が十分に加湿されている場合、a)の温度が高い
ことにより、a)近傍の電解質膜は、a)とb)の温度
が等しい場合より多く含水し、図5のように、より大き
な水濃度勾配ができる。この濃度勾配により、温度の高
い電極a)側から温度の低いb)側へMEAの電解質膜
中の水の拡散が容易となる。これにより、低加湿条件に
おいても安定な電池の運転が可能となる。
【0022】よって、一方の電極に低加湿ガスを用いた
場合には、低加湿ガスの流れる側の電極の温度を下げる
ようにすればよい。また、無加湿ガスを用いて電池を運
転した場合には、反応の結果、水が発生するカソード電
極の温度を、アノード電極の温度より高くすればよい。
【0023】このことを考慮し、本発明の固体高分子型
燃料電池(スタック)を図1から図4を用いて説明す
る。
【0024】図1は固体高分子型燃料電池スタックを構
成する基本構成を上面から見た断面図であり、図2は固
体高分子型燃料電池スタックの簡易図である。
【0025】本発明の固体高分子型燃料電池は、図1に
示すように単セル1と冷却板2が直列に多数積層したも
のであり、各単セル1は互いに冷却板2を介して対向す
る面で積層している。単セル1は電解質膜3をアノード
電極4とカソード電極5で挟んで形成されるMEAを、
燃料ガスのガス流路8を有するセパレータ板7と酸化剤
ガス(燃料ガスおよび酸化ガスを合わせて反応ガスとす
る)のガス流路9を有するセパレータ板7′で挟んで形
成される。
【0026】この単セル1と冷却板2を直列に多数積層
し、図2に示すようにその両端に集電板12、電気絶縁
板13を設けることによって固体高分子型燃料電池が形
成される。
【0027】本発明より得られる両電極4および5の間
に温度差をつける手段は、主に2つに分けられる。
【0028】第一の手段は、各電極4および5に隣接す
るセパレータ板7および7′に、異なる熱伝導率を示す
材料を用いるか異なる熱伝導率を示す構造を用いるかで
ある。乾燥側の電極に隣接するセパレータ板の熱伝導率
が高くなるようにし、他方、つまり湿潤側の電極に隣接
するセパレータ板の熱伝導率が劣るようにする。このよ
うな手段をとることによって、熱導電性に劣る側、つま
り湿潤電極側では、電池反応により発生する熱を十分に
除去できないため、乾燥電極側との間には温度差を生じ
る。具体的には、異なる熱伝導率を与えるために、熱伝
導性に優れたセパレータ板にグラファイトを用い、これ
に対して熱伝導性に劣るセパレータ板にグラッシーカー
ボンなどを用いるなど、異なる材料を用いる。また、樹
脂含浸黒鉛を用いた両セパレータに対し、熱伝導性に劣
るセパレータには樹脂含浸量をより多くすることによ
り、熱伝導率の異なる構造をとる。
【0029】両電極間に温度差をつける第二の手段とし
ては、セパレータ板に差異をつけるのではなく、以下に
記載するように冷却板および冷却板を流通する冷却水に
差異をつける。
【0030】図3に示したような構造の冷却板を流れる
冷却水を利用する。図3(a)は、図1のA−A′部分
を表しており、図3(b)は、冷却板2をセパレータ板
7側からみた斜視図を表している。冷却板2はアノード
電極に隣接するセパレータ板7に接触する面に冷却水流
路10を、カソード電極に隣接するセパレータ板7′に
接触する面に冷却水流路11を有している。この冷却水
流路10および11を流れる冷却水において、一方の冷
却水を他方の冷却水より高くすることによって各電極の
温度差が生じる。
【0031】または、冷却水流路10および11を流れ
る冷却水において、一方の冷却水流速を他方の冷却水流
速より速くすることにより流速が速い側の温度が、流速
の遅い側の温度より低くなり、各電極間に温度差を生じ
る。
【0032】さらに、図4に示すような構造の冷却板を
利用することもできる。図4(a)は、図1のA−A′
部分を表しており、図4(b)は、冷却板2をセパレー
タ板7側から見た断面図を表している。冷却板2は、ア
ノード電極に隣接するセパレータ板7に接触する面に冷
却水流路10を有している。そして、冷却板2の中央部
2aにプラスチックなどの熱伝導性の低い材料を用い、
その中央部の外側部分2bにカーボンなどの熱伝導性お
よび導電性の高い材料を用いている。このようにするこ
とによって、冷却水流路10と直接に接しているアノー
ド電極側の温度が下がることになり、各電極間に温度差
を生じる。また、ここでは、アノード電極側のみに冷却
水流路10を設けた場合を示したが、カソード電極側が
乾燥しているのであれば、アノード電極側ではなく、カ
ソード電極側に冷却水流路を設けることもできる。
【0033】本発明の固体高分子型燃料電池は、もちろ
ん両セパレータ板に差異をつける第一の手段と、冷却板
およびそこを流通する冷却水に特徴のある第二の手段を
同時に具えた手段を有してもよい。
【0034】なお、各電極間に温度差を付ける手段を上
述したが、これに限定されるものではなく、各電極間に
温度差がつくのであれば本発明の固体高分子型燃料電池
はその他の手段を有してもよい。
【0035】
【実施例】[実施例1]図1に示すように、アノード電
極とカソード電極で電解質膜を挟んでMEAを形成し、
このMEAを反応ガス流路を有するセパレータ板で挟
み、これを単セルとして複数積層して、固体高分子型燃
料電池を製造した。このときグラッシーカーボンを電極
の温度を高くする電極に接するセパレータ板の材料と
し、もう一方の電極に隣接するセパレータ板としてグラ
ファイトを用いた。この電池は、両電極間に温度差を生
じた。
【0036】次いで、この固体高分子型燃料電池を用い
て、カソード低加湿運転で試験を行った。つまりグラフ
ァイトを用いたセパレータ板をカソード電極に隣接さ
せ、グラッシーカーボンを用いた電極をアノード電極に
隣接させた。この結果を図6に示す。ア)に示す従来の
温度差をつけない電池を運転させたときに比較して、
イ)に示す本発明の温度差をつけた電池を運転させたと
きは、高いセル特性が得られ、セル特性の低下も小さく
なった。
【0037】次に、反応ガスを加湿せずに用いた無加湿
運転において試験を行った。この際、グラッシーカーボ
ンを用いたセパレータ板を、生成水ができるカソード電
極に隣接したセパレータ板とし、カソード電極の温度を
高くすることにより、セル電圧の低下なく運転すること
ができた。
【0038】[実施例2]図1に示すように、電極で電
解質膜を挟んでMEAを形成し、このMEAをグラファ
イトからなる反応ガス流路を有するセパレータ板で挟
み、これを単セルとして複数積層し、この両側を図3に
示すように冷却水流路が両面に設けてある冷却板で挟ん
で固体高分子型燃料電池を製造した。製造した固体高分
子型燃料電池の冷却水流路にそれぞれ温度の異なる冷却
水を流すことにより両電極間に温度差を得た。
【0039】次いで、この固体高分子型燃料電池を用い
て、カソード低加湿運転で試験を行った。つまりカソー
ド電極側の冷却水流路に温度の低い冷却水を流し、アノ
ード電極側の冷却水流路に温度の高い冷却水を流した。
そして、実施例1と同様の結果を得た。
【0040】次に、反応ガスを加湿せずに用いた無加湿
運転において試験を行った。この際、生成水ができるカ
ソード電極側の冷却水流路に温度の高い冷却水を流し
た。このようにすることにより、セル電圧の低下なく運
転することができた。
【0041】[実施例3]図1に示すように、電極で電
解質膜を挟んでMEAを形成し、このMEAをグラファ
イトからなる反応ガス流路を有するセパレータ板で挟
み、これを単セルとして積層し、この両側を図3に示す
ように冷却水流路が両面に設けてある冷却板で挟んで固
体高分子型燃料電池を製造した。製造した固体高分子型
燃料電池の冷却水流路にそれぞれの流速の異なる冷却水
を流すことにより両電極間に温度差を得た。
【0042】次いで、この固体高分子型燃料電池を用い
て、カソード低加湿運転で試験を行った。つまりカソー
ド電極側の冷却水流路にアノード電極側の冷却水流路に
流す冷却水の流速より流速の速い冷却水を流した。そし
て、実施例1と同様の結果を得た。
【0043】次に、反応ガスを加湿せずに用いた無加湿
運転において試験を行った。この際、生成水のできるカ
ソード電極側の冷却水流路にアノード電極側冷却水流路
に流した冷却水の流速より流速の遅い冷却水を流した。
このようにすることにより、セル電圧の低下なく運転す
ることができた。
【0044】[実施例4]図1に示すように、電極で電
解質膜を挟みMEAを形成し、このMEAをグラファイ
トからなる反応ガス流路を有するセパレータ板で挟み、
これを単セルとして積層し、この両側を図4に示すよう
に冷却水流路が片面にのみ設けてある冷却板で挟んで固
体高分子型燃料電池を製造した。この冷却板は、中央部
がプラスチックであり、周囲部がカーボン材である。製
造した固体高分子型燃料電池の冷却水流路に冷却水を流
すことにより冷却水流路が設けてある側の電極温度を低
くすることができ、両電極間に温度差を得た。
【0045】次いで、この固体高分子型燃料電池を用い
て、カソード低加湿運転で試験を行った。つまりカソー
ド電極側の冷却水流路を設けた面がくるように冷却板を
積層した。そして、実施例1と同様の結果を得た。
【0046】次に、反応ガスを加湿せずに用いた無加湿
運転において試験を行った。この際、生成水ができるカ
ソード電極側に、冷却水流路を設けていない面がくるよ
うに冷却板を積層し、冷却水を流した。このようにする
ことにより、セル電圧の低下なく運転することができ
た。
【0047】
【発明の効果】上述したように、アノード電極の温度と
カソード電極の温度に差を付けることにより、MEA内
での水の移動が促進され、低加湿運転においても安定に
電池を運転することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池スタックの一部の上面からの断面図で
ある。
【図2】燃料電池スタックの上面からの断面図である。
【図3】実施例2および実施例3における冷却板を示す
ものであり、(a)は上面からの断面図であり、(b)
は、セパレータ7側からみた冷却板の斜視図である。
【図4】実施例4における冷却板を示すものであり、
(a)は上面からの断面図であり、(b)は、セパレー
タ7側からみた冷却板の断面図である。
【図5】電解質膜中の温度による水の濃度勾配を表す図
である。
【図6】無加湿運転における本発明のセル特性と従来の
セル特性との比較を表す図である。
【符号の説明】
1 単セル 2 冷却板 2a 中央部 2b 外側部 3 電解質膜 4 アノード電極 5 カソード電極 6 MEA(膜電極接合体) 7、7′ セパレータ板 8 ガス流路 9 ガス流路 10、11 冷却水流路 12 集電板 13 電気絶縁板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス流路を有するセパレータ板と、アノ
    ード電極と、電解質膜と、カソード電極と、ガス流路を
    有するセパレータ板とを順次積層した単セルを複数積層
    した固体高分子型燃料電池において、前記アノード電極
    の温度および前記カソード電極の温度のいずれか一方を
    他方より高くする手段を有することを特徴とする固体高
    分子型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記アノード電極の温度および前記カソ
    ード電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手段
    が、それぞれ異なる熱伝導率を有する前記アノード電極
    に隣接するセパレータ板および前記カソード電極に隣接
    するセパレータ板を用いることであることを特徴とする
    請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記アノード電極に隣接するセパレータ
    板および前記カソード電極に隣接するセパレータ板のい
    ずれか一方にグラッシーカーボンを用い、他方にグラフ
    ァイトを用いることを特徴とする請求項2に記載の固体
    高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記アノード電極に隣接するセパレータ
    板および前記カソード電極に隣接するセパレータ板のい
    ずれか一方により多くの樹脂を含浸させた黒鉛を用いる
    ことを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電
    池。
  5. 【請求項5】 前記アノード電極の温度および前記カソ
    ード電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手段
    が、前記アノード電極に隣接するセパレータ板の外側
    と、前記カソード電極に隣接するセパレータ板の外側
    に、冷却水をそれぞれ別系統で流し、一方の冷却水温度
    を他方の冷却水温度より高くすることであることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の固体高分子型
    燃料電池。
  6. 【請求項6】 前記アノード電極の温度および前記カソ
    ード電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手段
    が、前記アノード電極に隣接するセパレータ板の外側お
    よび前記カソード電極に隣接するセパレータ板の外側
    に、冷却水をそれぞれ別系統で流し、一方の冷却水流速
    を他方の冷却水流速より速くすることであることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の固体高分子型
    燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記アノード電極の温度および前記カソ
    ード電極の温度のいずれか一方を他方より高くする手段
    が、セパレータ板に隣接して積層された冷却板が冷却水
    流路を片側のみに有し、前記冷却板の中央部が熱伝導性
    の低い材料であり、その中央部の外側部分が熱伝導性お
    よび導電性の高い材料であることを特徴とする請求項1
    から4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
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